JP2007501891A6 - 反応性ナノ粒子を含む疎水性コーティング - Google Patents

反応性ナノ粒子を含む疎水性コーティング Download PDF

Info

Publication number
JP2007501891A6
JP2007501891A6 JP2006532118A JP2006532118A JP2007501891A6 JP 2007501891 A6 JP2007501891 A6 JP 2007501891A6 JP 2006532118 A JP2006532118 A JP 2006532118A JP 2006532118 A JP2006532118 A JP 2006532118A JP 2007501891 A6 JP2007501891 A6 JP 2007501891A6
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
reactive
nanoparticles
coatings
coating composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006532118A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007501891A (ja
Inventor
ジェンス, クリストフ シーズ,
グイドー, ジョセフィーナ, ウィルヘルムス メイジャース,
ジョナサン, アンドリュー ピッキン,
エドウィン クリエ,
クリストファー, フレデリック トロンシェ,
ジョン, エドモンド サウスウェル,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DSM IP Assets BV
Original Assignee
DSM IP Assets BV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from EP03076509A external-priority patent/EP1479738A1/en
Application filed by DSM IP Assets BV filed Critical DSM IP Assets BV
Publication of JP2007501891A publication Critical patent/JP2007501891A/ja
Publication of JP2007501891A6 publication Critical patent/JP2007501891A6/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

本発明は、反応性無機ナノ粒子を含む疎水性コーティング、ならびに工業プロセスにおけるその使用に関する。これらのコーティングは、疎水性または超疎水性と、優れた機械的特性および容易な加工性とを合わせもつ。超疎水性コーティングの中には自己浄化性を有するものもある。これら疎水性または超疎水性コーティングは、食品産業、室外または室内装飾、自動車産業およびディスプレイ産業において適用することができる。無機ナノ粒子のコーティングを含む完成品も本発明に含まれる。
【選択図】 図1

Description

発明の詳細な説明
本発明は、無機ナノ粒子を含むコーティング組成物およびコーティング、ならびに工業プロセスにおけるその使用に関する。これらのコーティングは、疎水性または超疎水性と、優れた機械的特性および容易な加工性とを合わせもつ。超疎水性コーティングの中には自己浄化性を有するものもある。これら疎水性または超疎水性コーティングは、食品産業、室外または室内装飾、自動車産業およびディスプレイ産業において適用することができる。
疎水性コーティングは、浄化しやすくかつ低付着性であるため、窓、TV画面、DVDディスク、調理器具、衣類、医療器械など非常に多くの用途において益々普及しつつある。一般に、疎水性材料またはコーティングは、水の静的接触角(θ)が90°以上であるという特徴を有する。ポリテトラフルオロエテン(PTFE)またはポリプロピレン(PP)などの疎水性高分子材料は数十年来使用されてきた。これらの材料は、疎水性が限られていること、また工業材料あるいは高度に架橋したコーティングに比べて機械的特性が劣ることなどの点で不利である。例えば、PPの場合水の静的接触角はおよそ100°であり、知られている最も疎水性の高い高分子材料の中の一つであるPTFEでは水の静的接触角はおよそ112°である。
疎水性コーティングの一部は、当技術分野では超疎水性コーティングと呼ばれている。一般に、超疎水性コーティングは、水の静的接触角が140°を越えるものと定義される(Nun、OlesおよびSchleich、Macromol.Symp.187(2002年)677〜682)。
超疎水性を有する表面は、例えばハスの葉やキャベツの葉といった、自然界に見られる。ざらついた葉の表面上に分泌される蝋によって、水および汚染粒子の葉への付着力が弱まる。葉の表面に付着した水滴は、汚れの粒子を集めて葉を浄化しながら、転がり落ちる。
従来、コーティングの高度な疎水性は、シリコン系ペイントまたはポリオレフィン系スプレー液にミクロンサイズの球状粒子を含ませることによって得られてきた(BASFプレスリリース2002年10月28日、P345e、Karin Elbl−Weiser博士、Lotusan、Natureニュースサービス/Macmillan Magazine Ltd、2002年)。これらの懸濁液は塗料としてまたは噴霧器から塗布されるが、やはり機械的強度の不足という点で不利である。
このようなコーティングは耐磨耗性が低いため、表面の疎水機能を維持するために、短期間後には再度塗布する必要がある。また、コーティングは可視領域の光を散乱するため、事実上不透明色かつ光学的に不透明なコーティングとなる。
米国特許第6068911号(Hitachi)には、非反応性ナノ粒子とフルオロポリマーとを含有する樹脂を紫外線硬化させることによって調製した、やはり表面粗さの原理に基づく超疎水性コーティングが記載されている。それらのコーティング組成物は少なくとも2種の溶媒から成っており、最も揮発性の高い溶媒を蒸発させることによってフルオロポリマーが表面に追いやられ、表面は疎水性となる。不活性な非反応性ナノ粒子の存在によって表面粗さがもたらされ、コーティング全体が超疎水性を示すことになる。この技術は、プロセスの間に有機溶媒を蒸発させて表面粗さを作り出すことに基づくものであるが、このプロセスにおいては動力学(速度論)が重要な役割を果たすことになる。このコーティングに関してもやはり、硬度、耐久性および摩耗抵抗においてより良い性能が望まれる。
Sunyxのアプローチは、耐摩耗性を有さない層を使用するものであって、その耐摩耗性を有さない層は、粗さおよび亀裂の度合いの強い無機材料の蒸着仕上げ層を上方に有する非移動性マトリクッス層中に蓄えられた移動性のフルオロ含有剤から連続して補給されるようになっている(WO01/92179)。この概念は、フルオロポリマーが無機層を介して拡散しその表面を覆い、したがって再生性の表面層を形成するというものである。これによって、水の接触角が大きくしかもロールオフ角が非常に小さい、硬くかつ光学的に透明な表面が形成される。しかし、蒸着によってこのような複雑な構造物を作成することは、非常に時間がかかり厄介であり、また塗布し得る面積も限られる。また、移動性のフルオロポリマーを放出したり洗い流したりすることは、環境の面から望ましくない。
したがって、より簡単に塗布でき、制御された疎水性と優れた耐久性(硬度、耐引掻性および付着性)とを有する、さらなる(超)疎水性のコーティングを得ることが必要とされている。
本発明の目的は、このようなコーティング用のコーティング組成物を提供することにある。
驚くべきことに、本目的は、反応性有機基と非極性基とを表面に有する反応性ナノ粒子を含むコーティング組成物によって達成される。
このような反応性基および非極性基は、単にナノ粒子表面に化学的にグラフトしてもよい。
この反応性基の存在のために、ナノ粒子は架橋網状構造の一部となる。
この非極性基の存在、例えば双極子能率(モーメント)の低い基の存在のために、コーティングの疎水性表面特性が得られる。これは、非極性基によって水の静的接触角(θ)が増大することを意味する。ナノ粒子表面の非極性基はフッ素原子を含んでいることが好ましい。好ましい反応性基は、例えばアクリレート基、メタクリレート基、ビニル基、チオール基などである。
本発明による組成物を得るために、反応性ナノ粒子を、重合反応の開始や付着のための通常の添加物と混合してもよい。
一つの好ましい実施形態では、コーティング組成物は、反応性ナノ粒子と、少なくとも1種の反応性希釈剤と、硬化系と、溶媒とを含む。
当業者ならば、非極性鎖に対する反応性基の割合、プロセス条件、後処理などを変えることによって、コーティング特性を調整し、例えば疎水性、硬度、衝撃強さなどを改良することができることをただちに理解するであろう。
コーティングの疎水性は、コーティング組成物が非極性基を有する反応性希釈剤を含んでいればさらに改良することができる。反応性希釈剤の非極性基はフッ素原子を含んでいることが好ましい。このようにして得られるコーティング特性を、非極性基に対する反応性基の割合、および/またはコーティング中の反応性希釈剤に対する反応性ナノ粒子の割合、反応性希釈剤の極性、プロセス条件および後処理などを変えることによって調整し、例えば疎水性、硬度、衝撃強さなどを改良することもできる。本発明の目的において、反応性希釈剤を、本明細書では反応性基を含む希釈剤と定義する。これらの反応性基は、少なくとも、互いに反応性でありかつ/またはナノ粒子の反応性基と反応性である。
本発明によるコーティング組成物は、反応性希釈剤を、コーティングにおける水の静的接触角(θ)が90°を上回るか好ましくは120°を上回るような量で含んでいることが好ましい。本発明によるコーティング組成物は、反応性希釈剤を、コーティングにおける水の静的接触角(θ)が140°上回るような量で含んでいることが最も好ましい。満足できる結果は、コーティング組成物が、組成物中の全固形分に対して1〜80重量%の反応性希釈剤を含む場合に得られる。より好ましくは組成物中の全固形分に対して25〜80重量%、最も好ましくは組成物中の全固形分に対して50〜80重量%の反応性希釈剤を含む。
表面粗さの低い硬質コーティングから表面粗さの高い超疎水性コーティングにわたる、多様な特性を有する疎水性コーティングは、ナノ粒子を含ませることによって得ることができる。ある割合の反応性基と非局性基と、ある量の反応性希釈剤とを有する反応性ナノ粒子を含むコーティング組成物を提供することによって、1)水の静的接触角が140°を上回り、好ましくは2)水の前進接触角と後退接触角との間のヒステリシスが10°を下回り、さらに好ましくは3)水滴のロールオフ角が10°を下回り、最も好ましくは4)長期汚染試験の間のコーティングの色の差が小さいコーティングが得られるようにすることが好ましい。
好適なナノ粒子は、その大部分の最大寸法が1マイクロメータ未満である粒子である。一つの好ましい実施形態では、ナノ粒子の大部分において、その粒径は350nm未満である。さらに好ましい実施形態では、ナノ粒子の大部分において、その粒径は350nm未満である。より好ましくは、全粒子の粒径が100nm未満であり、さらに好ましくは50nm未満である。最も好ましくは、使用する粒子の粒径が、結果として得られるコーティングの透明性に(実質的に)影響を及ぼさないような粒径であることである。粒子径を測定する方法としては、光学もしくは走査電子顕微鏡による画像化、または原子力間顕微鏡(AFM)による画像化などが挙げられる。ナノ粒子の寸法の測定のためには、粒子を非常に稀薄な混合物の状態で薄層の表面に塗布し、層のSEM写真の画像において、ナノ粒子一つ一つが観察できるようにする。無作為に選択した100個のナノ粒子から、寸法を決定し、平均値をとる。虫(ワーム)型ナノ粒子のように、粒子のアスペクト比が1を上回る場合、写真の平面に突き出るような主軸に沿って、1端から他端までの全長を測定する。粒径に関しては、粒子の1端から他端に引くことのできる、主軸に対して直角な最長の直線を粒径とする。
本発明の組成物において使用されるナノ粒子は球状であってよい。好ましくは、ナノ粒子を細長くしてアスペクト比が1を上回るようにし、さらに好ましくは2を上回るようにし、さらに好ましくは5を上回るようにし、最も好ましくは10を上回るようにする。細長くしたナノ粒子を使用することによって、機械的特性に優れ、基板への密着性に優れ、また疎水性にも優れたコーティングが得られる。粒子は虫(ワーム)型であることが最も好ましい。これはすなわち、主軸が曲線状であるということである。
例えばカーボンナノチューブのような有機ナノ粒子を使用することも可能である。好適な無機粒子は、例えば酸化物粒子である。好ましい酸化物粒子は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムおよび酸化セリウムなどの酸化金属粒子である。異なる酸化物粒子の混合物を使用することも可能であり、また混合酸化物の粒子を使用することも可能である。好ましくは、ナノ粒子は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムまたは酸化ケイ素の粒子である。コーティングの屈折率およびコーティング/空気界面の有効屈折率は、使用する酸化物を選択することによってある程度調整できる。これは、当業者の技術の及ぶ範囲内である。
好適な反応性基の例としては、アクリレート類、メタクリレート類、ビニル種またはエポキシ類が挙げられる。このような基の一つの例は、ナノ粒子が式Iで表される化学種と反応する際に得られる。
Figure 2007501891
架橋網状構造を形成し得るような基の組合せの例としては、カルボン酸および/または無水カルボン酸とエポキシドとの組合せ、酸とヒドロキシ化合物、特に2−ヒドロキシアルカリアミドとの組合せ、アミンとイソシアネート、例えばブロックトイソシアネート、ウレトジオンまたはカルボジイミドとの組合せ、エポキシとアミンまたはジシアンジアミドとの組合せ、ヒドラジンアミドとイソシアネート、例えばブロックトイソシアネート、ウレトジオンまたはカルボジイミドとの組合せ、ヒドロキシ化合物と無水物との組合せ、ヒドロキシ化合物と(エーテル化)メチロールアミド(「アミノ樹脂」)との組合せ、チオールとイソシアネートとの組合せ、チオールと例えば(場合によってラジカル誘導された)アクリレートなどのビニル不飽和を含む基との組合せ、アセトアセテートとアクリレートとの組合せ、ならびにカチオン架橋を使用する場合には、エポキシ化合物とエポキシまたはヒドロキシ化合物との組合せなどが挙げられる。
反応性基として使用し得るそれ以外の化合物としては、湿分硬化性イソシアネート、湿分硬化性アルコキシ/アシロキシシラン混合物、アルコキシチタネート、アルコキシジルコネート、または尿素ホルムアルデヒド、尿素/メラミンホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒドもしくはフェノールホルムアルデヒド(レゾール、ノボラック型)、あるいはラジカル硬化性(過酸化物または光重合開始)エチレン性不飽和一官能性および多官能性モノマーおよびポリマー(例えば、アクリレート、メタクリレート、マレエート/ビニルエーテル)、あるいはラジカル硬化性(過酸化物または光重合開始)不飽和マレイン酸またはフマル酸などの不飽和ポリエステルのスチレンおよび/またはメタクリレート溶液である。
反応性ナノ粒子は、その表面に非極性基を化学的にグラフトすることによって疎水性にすることができる。原則として、非極性基を無機ナノ粒子に化学グラフトする方法であればいかなる方法も使用することができる。グラフトするステップは、例えば、疎水性基を有するトリメトキシシラン種、例えば式IIで表される化学種を用いて行うことができる。
Figure 2007501891
この例としては、ペルフルオロヘキシルエチルトリメトキシシラン、ペルフルオロオクチルエチルトリメトキシシランまたはペルフルオロデシルエチルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらに代わる化学種としては、他のアルコキシシランペルフルオロアルキル類またはアルコキシシランジメチルシロキサン類が挙げられる。
好ましくは、コーティング組成物は、1種またはそれ以上の反応性希釈剤を含む。反応性希釈剤には単反応性希釈剤、すなわち反応性基を1個有する分子、と多反応性希釈剤、すなわち反応性基を2個またはそれ以上有する分子が含まれる。結果としてコーティングが有する特性は、選択した反応性希釈剤およびその量によって決まる。反応性希釈剤の性質は非極性であることが好ましく、その好ましい種としてはフッ素含有種またはジメチルシロキサン含有種が挙げられる。最も好ましい希釈剤の例としては、ペルフルオロアルキルモノアクリレート、ペルフルオロアルキルモノメタクリレート、ポリジメチルシロキサンモノアクリレート、ポリジメチルシロキサンモノメタクリレート、ペルフルオロポリエーテルモノアクリレート、ペルフルオライン化ポリエーテルモノメタクリレート、ポリジメチルシロキサンポリエーテルモノアクリレートおよびポリジメチルシロキサンポリエーテルモノメタクリレートが挙げられる。
多反応性希釈剤の場合、機械的特性が、反応性無機ナノ粒子のみを含む疎水性コーティング組成物の機械的特性よりも優れる。このような希釈剤の例としては、ペルフルオロアルキルジアクリレートおよびポリジメチルシロキサンジアクリレートが挙げられる。
本発明の別の実施形態では、コーティング組成物組成物は非反応性希釈剤を含んでいてもよい。この非反応性希釈剤は、例えば光重合開始剤、定着剤または酸化防止剤などの一般的な添加剤種には分類されない。このような非反応性希釈剤は表面活性を示すことがあり、それによって希釈剤のコーティング表面への分散が可能になっている。このような希釈剤の例としては、ペルフルオロアルキル、ポリジメチルシロキサン、ペルフルオロポリエーテル、ポリジメチルシロキサンポリエーテル、アルキル鎖を有するポリジメチルシロキサンなどが挙げられるが、これに限定されない。
本発明のコーティング組成物は、有機および無機の両基板を含め、例えば平らまたは湾曲した、剛質または軟質の基板に塗布することができる。好適な基板の例としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン、ポリノルボルネンのフィルムなどが挙げられる。また、例えば鋼、ガラス、またはケイ素もしくはガリウム砒素などの結晶性材料を含めた金属、非晶質または結晶質固体も基板として使用できる。
コーティング組成物は、コーティングの基板への密着性を向上させる成分として定義される基板特異性定着剤を含むことができる。この定着剤は、コーティング組成物を付着させる前に、コーティング組成物中の化合物の全量に対して0.1〜5重量%の範囲の量でコーティング組成物に含ませておくことが好ましい。フィルムまたはコーティングをガラスまたはその他の基板に密着させるための好適な定着剤としては、例えば、アクリル化トリメトキシシランモノマーが挙げられる。シラン系定着剤の例としては、γ−メルカプトプロピルメチルモノメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルモノエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β−メルカプトエチルモノエトキシシラン、β−メルカプトエチルトリエトキシシラン、β−メルカプトエチルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキルシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシルプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、およびγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これら化合物の市販品の例としては、SILAACE S310、S311、S320、S321、S330、S510、S520、S530、S610、S620、S710、S810(Chisso Corp.社製)、Silquest A−174NT(OSI Specialties−Crompton Corp.社製)、SH6062、AY43−062、SH6020、SZ6023、SZ6030、SZ6040、SZ6076、SZ6083(東レ ダウコーニング シリコーン社製)、KBM403、KBM503、KBM602、KBM603、KBM803、KBM903(信越シリコーン社製)などが挙げられる。アクリル酸などの酸性定着剤もまた使用できる。UCB社製Eb168またはEb170などのリン酸類もふさわしい定着剤である。
驚くべきことに、例えばアクリレートまたはメタクリレート系基板などのビニル不飽和を有する基板の場合、例えば硬質コーティングなどの架橋コーティングの同様、少なくとも1個のチオール基を含む化合物が定着剤として非常に好適であることが判明している。このようなチオール化合物は、一分子種に対するチオール基の数の点から、単官能性であっても二官能性であってもよく、好ましくは三官能性であり、最も好ましくは四官能性である。このようなチオール化合物は、チオール基の隣にさらに別の反応性基を含んでいてよい。チオール化合物がチオール基を1個だけしか含んでいない場合、チオール化合物は反応性基をさらに少なくとも1個含んでいなければならない。チオール化合物の例としては、ポリチオール組成物が挙げられ、当技術分野知られているものであればいずれのものでもよい。最も一般的なチオール化合物についての記載が米国特許第3661744号明細書の第9段落1〜41行に見られるが、これらを参照によって本明細書に組み込む。脂肪族単量体ポリチオール(エタンジチオール、ヘキサメチレンジチオール、デカメチレンジチオール、トリレン−2,4−ジチオールなど)、チオール末端エチルシクロヘキシルジメルカプタンポリマーなどの一部の重合体ポリチオール、および商業的に簡便にかつ一般に合成される同様のポリチオールなどのある種のポリチオールが使用できる。臭気のレベルが比較的低いという理由で好まれるポリチオール化合物の例としては、チオグリコール酸(HS−CHCOOH)、α−メルカプトプロピオン酸(HS−CH(CH)−COOH)、β−メルカプトプロピオン酸(HS−CHCHCOOH)と、グリコール、トリオール、テトラオール、ペンタオール、ヘキサオールなどのポリヒドロキシ化合物とのエステルが挙げられるが、これに限定されるものではない。好ましいポリチオール類の具体例としては、エチレングリコールビス(チオグリコール酸エステル)、エチレングリコールビス(β−メルカプトプロピオン酸エステル)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコール酸エステル)、トリメチロールプロパントリス(β−メルカプトプロピオン酸エステル)、ペンタエリトリトールテトラキス(β−メルカプトプロピオン酸えすてる)が挙げられるが、これらは全て市販されている。好ましい重合体ポリチオールの具体例は、ポリプロピレンエーテルグリコール(例えば、Wyandotte Chemical Corp.社製Pluracol P201)とβ−メルカプトプロピオン酸からそのエステル化によって生成される、ポリプロピレンエーテルグリコールビス(β−メルカプトプロピオン酸エステル)である。ポリ−α−メルカプト酢酸エステルまたはポリ−β−メルカプトプロピオン酸エステル、特にトリメチロプロパントリエステルまたはペンタエリトリトールテトラエステルが好ましい。好適に使用し得るその他のポリチオールとしては、1,2−ジメルカプトエタン、1,6−ジメルカプトヘキサンなどのアルキルチオール官能化合物が挙げられる。チオ−ル末端多硫化樹脂物もまた使用できる。
脂肪族ジチオールの好適な例としては、1,2−エタンジチオール、ブテンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、ジチオエリトリトール、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、1,8−オクタンジチオールヘキサンジチオール、ジチオールジグリコール、ペンタンジチオール、デカンジチオール、2−メチル 1,4ブタンジチオール、ビス−メルカプトエチルフェニルメタン、1,9−ノナンジチオール(1,9−ジメルカプトノナン)、グリコールジメルカプトアセテートが挙げられる。
芳香族ジチオールの好適な例としては、1,2−ベンゼンチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、2,4,6−トリメチル−1,3−ベンゼンジメタンチオール、ズレン−α1,α2−ジチオール、3,4−ジメルカプトトルエン、4−メチル−1,2−ベンゼンチオール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、4,4’−チオビスベンゼンジチオール、ビス(4−メルカプトフェニル)−2,2’−プロパン(ビスフェノールジチオール)(Meng Y.Z.、Hay.A.S.の方法、J.of App.Polym.Sci.,74巻、3069〜3077(1999年)、によって作成される)。
低重合体ジチオールの好適な例としては、Shustackによる米国特許第5744514号明細書に記載されているように、ヒドロキシエチルメルカプタン、ヒドロキシプロピルメルカプタン、ジメルカプトプロパン、ジメルカプトエタンなどの末端キャッピング部分から誘導される二官能価メルカプト官能ウレタン低重合体が挙げられる。
好適なトリチオール官能化合物の例としては、トリメチロールエタントリスメルカプトプロピオネート、トリメチロールプロパントリスメルカプトプロピオネート(TMPTSH)、トリメチロールエタントリスメルカプトアセテートおよびトリメチロールプロパントリ(11−メルカプトウンデカノエート)トリメチロールプロパントリスメルカプトアセテートグリセロールトリ(11−メルカプトウンデカノエート)が挙げられる。好ましいトリチオールはトリメチロールプロパントリス(2−メルカプトプロピオネート)TMPTSHである。
好適な四官能化チオールの例としては、ペンタエリトリトールテトラメルカプトプロピオネート、ペンタエリトリトールテトラメルカプトアセテートおよびペンタトリトール(11−メルカプトウンデケート)が挙げられる。
4以上の官能価数を有する多官能性チオールの例としては、WO88/02902の7頁に記載されているようなポリチオールが挙げられる。
多官能性チオールは、例えばチオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸などのチオアルキルカルボン酸を多価アルコール、アミンおよびチオールなどと反応させることによって得ることができる。さらに、多官能性チオールは、メルカプトアルキルトリアルコキシシランを重合体のシランまたはシリカ系シランと反応させることによっても得ることができる。
その他の好ましい多官能性チオールは、COOH基が反応性エン、アルコール、チオールもしくは多官能性のアミンと反応するチオウンデカン酸などのチオールカルボン酸(HS−R−COOH)、前式においてR=アルキルまたはアリール基、を使用して得られる。
定着剤は、溶媒の蒸発後、混合物中の全固形分の0.1〜10重量%の量で使用することができる。好ましくは、5〜10重量%の量で使用される。
本発明のコーティング組成物は、それ以外の任意の添加剤を含むことができる。紫外線安定化剤や酸化安定化剤を含むことができるが、それに限定されるものではない。本発明のコーティング組成物はまた、ヒドロキノンモノエチルエーテル(HGMME)などの安定化剤、メチルトリメトキシシラン(MTMS)などの表面被覆剤および/またはオルトメチルホルメート(OFM)のような脱水剤を含むこともできる。
反応性ナノ粒子は、典型的な例では懸濁液の状態のコーティング組成物に添加される。この懸濁液に使用するのと同様の溶媒をコーティング組成物の調整に使用して、コーティング組成物が所望の特性を有するようにすることができる。好適な溶媒の例としては、1,4−ジオキサン、アセトン、アセトニトリル、クロロホルム、クロロフェノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジクロロメタン、酢酸ジエチル、ジエチルケトン、炭酸ジメチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、m−クレゾール、モノおよびジアルキル置換グリコール、N,N−ジメチルアセトアミド、p−クロロフェノール、1,2−プロパンジオール、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−ヘキサノン、2−メトキシエタノール、2−メチル−2−プロパノール、2−オクタノン、2−プロパノール、3−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、ヘキサフルオロイソプロパノール、メタノール、酢酸メチル、アセト酢酸メチル、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、n−メチルピロリドン−2、酢酸n−ペンチル、フェノール、テトラフルオロ−n−プロパノール、テトラフルオロイソプロパノール、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレンおよび水が挙げられる。アルコール、ケトンおよびエステル系溶媒も使用することができるが、重合体アルコールの場合は、アクリレートの溶解度が問題となる。ハロゲン化溶媒(ジクロロメタンおよびクロロホルムなど)ならびに炭化水素(ヘキサンおよびシクロヘキサンなど)も好適である。
反応性無機ナノ粒子と場合によっては反応性希釈剤とを架橋させるような架橋方法であれば、いずれの方法も本発明の方法に好適に使用される。架橋を開始させる好ましい方法の例としては、電子線放射、電磁放射(紫外線、可視光線および近赤外線)、熱的開始、ならびに湿分硬化性化合物を使用する場合は湿分添加による開始が挙げられる。特に容易であり、したがって好ましい実施形態では、架橋は紫外線放射によって達成される。この紫外線架橋は、遊離基機構、またはカチオン機構、またはそれらの組合せによって生じる。別の好ましい実施形態では架橋は熱的に達成され、この方法では、コーティングは高いガラス転移温度(Tg)で得られ、通常機械的特性に優れる。
架橋の後には、一つまたはそれ以上の追加のプロセス工程が行われる。例えば熱処理工程を行って、架橋および基板への密着性を促進する。
コーティング組成物中に重合開始剤を含ませて、架橋反応を開始してもよい。開始剤の量は広範囲にまたがって異なる。開始剤の好適な量は、例えば、架橋反応に関与する組成物の全重量の0.01〜5重量%の範囲である。紫外線架橋を使用して架橋を開始する場合は、混合物が紫外線重合開始剤を含んでいることが好ましい。光重合開始剤は光を吸収すると同時に架橋反応を開始することができ、したがって、紫外線重合開始剤はスペクトルの紫外領域の光を吸収する。知られている紫外線重合開始剤のいずれも本発明の方法に使用することができる。
本発明は、本発明のコーティング組成物から得られるコーティングにも関する。
また、本発明は、本発明のコーティングを有する基板を得る方法であって、
−基板を提供するステップと、
−本発明のコーティング組成物を前記基板の表面に塗布ないしは付着するステップと、
−塗布したコーティング組成物を架橋させるステップと
を含む方法にも関する。
液状コーティング組成物付着の技術分野で知られているいずれの方法によってもコーティングを基板表面に塗布できることは、本発明の主要な利点である。好適な方法の例としては、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、フローコーティング法、メニスカスコーティング法、キャピラリーコーティング法およびロールコーティング法が挙げられる。
一つの好ましい実施形態では、本発明のコーティングと、非疎水性コーティングまたは基板それ自体とで形成されたパターンで塗被された物体が提供される。付着コーティング組成物の硬化によるコーティングおよび/または基板でのパターン形成は、マスクによって達成することができる。この場合、架橋は、表面の疎水性/親水性のパターン形成が容易となる電磁放射によって有利に行われる。このことは、例えば、流体を疎水性および親水性のパターン形成によって誘導するようなマイクロアレイ装置またはミクロ流体装置の表面にとっては重要なことである。
さらに改良された実施形態では、第1のステップで、基板が第1のコーティング、好ましくは高度に架橋したコーティングまたは硬質コーティングで塗被され、次いで第2のステップで、第1のコーティングの上表部に本発明の混合物が塗布される。このようにして、第1のコーティングは、本発明の混合物に対しては基板としての働きをする。この場合、第1のコーティングはビニル不飽和を含み、好ましくは、チオール化合物が定着剤として使用される。このようにして、本発明のコーティングの耐引掻性はさらに優れたものとなる。
第1のコーティングの好適な例としては、欧州特許A第1276810号に記載のコーティングが挙げられる。
好ましくは、第1のコーティングを塗被する第1のステップにおいて、第1のコーティングは少なくともその表面において部分的に硬化されている。硬質コーティングにおいて、例えばアクリレートを基材とした樹脂系のようなラジカル硬化樹脂系が使用される場合、部分的表面硬化は、好ましくは酸素の存在下での硬化によって、例えば空気雰囲気下での硬化によって得られる。このようにして、硬質コーティングと反射防止膜との間の密着性がさらに向上し、本発明のコーティングの耐引掻性が一層向上することになる。
耐引掻性は、第1のコーティングおよび本発明のコーティングを例えば赤外線ランプまたは熱オーブンで熱処理することによって、さらに向上させることができる。本発明のコーティングと好ましくは第1のコーティングとが、熱による後処理の間に引き続き行われる架橋のための熱重合開始剤を含んでいる場合、特に硬質コーティングとナノ構造コーティングの硬化が光化学的に誘発されている場合には、満足できる結果が得られる。
生成されたコーティングの疎水特性を決定するために、種々のコーティングについて接触角の測定を行った。ナノメートルスケールの表面粗さと全般的な水の接触角とを相互に関連づけるために、Digital Instruments社の原子力間顕微鏡(AFM)を用いて表面トポグラフィーを測定した。2×2ミクロンおよび10×10ミクロン部分に関して分析を行った。異なるコーティングの粗さを量的に分析するために、Image Metrology社のソフトウェアScanning Probe Image Processorを用いて幾つかのパラメータを計算した。方法の一つは、アボット(Abbott)の曲線の計算である(K.J.StoutとL.Blunt、Three−dimensional Surface Topography、Penton Press、1994年)。この曲線によって、全般的表面粗さが十分に示される。
第2の有用なパラメータは、コーティングのフラクタル次元である。これは表面の不規則性の尺度であり、コーティングの場合、値2(完全な平面)から値3(可能な限り高い表面粗さ)の範囲で変化する。フラクタル次元と(超)疎水性との関係は、Feng他によってすでに理論的検討がなされている(L Feng他、Advanced Materials、14、1857、2002年)。概して言えば、本来疎水性の材料では、表面のフラクタル次元が高ければ高いほど水の接触角が大きくなる。
コーティングの機械的特性を測定するために、幾つかのコーティングについて、硬度、弾性率、耐引掻性を測定する超微小押込試験を実施した。反応性無機粒子を含むコーティングは、硬度および耐引掻性において所望の高い値を有している。
[実施例]
実施例1−比較例において参照用とする親水性アクリレート反応性ナノ粒子の調製
Nissan Chemical American Corporationから入手したシリケートナノ粒子。本発明の例証として2種類のシリケートナノ粒子を使用した。それらの特性を下記表1Aに記載する。
Figure 2007501891
アクリレート基だけを有する親水性ナノ粒子を得る際に使用する材料を表1Bに示す。アクリレート基としてInt−12Aを含むトリメトキシシラン化合物を、アクリレート基の重合を阻害する化合物であるHQMMEと共に、酸化シリカナノ粒子のメタノール懸濁液に添加することによって酸化シリカナノ粒子(MT−ST)を修飾した。MT−ST懸濁液中に存在する少量の水(MT−ST全量の1.7重量%)が、シラングラフト反応を促進した。攪拌しながら、混合物を60℃で少なくとも3時間還流した。この後、アルコキシシラン化合物であるMTMSを添加し、得られた混合物を攪拌し、60℃で少なくとも1時間還流した。脱水剤であるOFMを添加し、得られた混合物を攪拌し、60℃で少なくとも1時間還流した。
Figure 2007501891
アクリレート基およびフルオロ基を含有する細長い、非球状の反応性ナノ粒子を表1Cに示す。
Figure 2007501891
実施例2−疎水性の反応性ナノ粒子C、D〜Gおよび参照粒子Hの調製
反応性基としてアクリレートを有し、非極性基としてフルオロ基を有する疎水性の反応性ナノ粒子を得る際に使用する材料を表2に示す。アクリレート基、Int−12a(式I)、を含むトリメトキシシラン化合物と、アクリレート基の重合を阻害する化合物であるHQMMEとを共に酸化シリカナノ粒子のメタノール懸濁液に添加することによって酸化シリカナノ粒子(MT−ST)を安定化した。MT−ST懸濁液中に存在する少量の水(MT−ST全量の1.7重量%)が、シラングラフト反応を促進した。攪拌しながら、混合物を60℃で少なくとも2時間還流した。この後、ペルフルオロアルキルトリメトキシシラン化合物であるTDFTEOS(式II)を添加し、得られた混合物を攪拌し、60℃で少なくとも2時間還流した。脱水剤であるOFMを添加し、得られた混合物を攪拌し、60℃で1時間還流した。これによって、アクリレート基とフルオロ基とを含む疎水性の反応性ナノ粒子を含有するコーティング組成物が得られた。このコーティング組成物を化合物Cと呼び、そのコーティング組成物に含有されているナノ粒子をナノ粒子Cと呼ぶ。
Figure 2007501891
同じ方法を用いて、疎水性の反応性ナノ粒子D〜Gを含有するコーティング組成物をさらに4種類調製した。また、アクリレート基(ナノ粒子H)を全く有しない参照用粒子も調製した。これらを表3にまとめて示す。これらの場合、反応開始時に追加の水を添加し、反応終了時には追加のOFMを添加した。
Figure 2007501891
実施例3−疎水性の反応性ナノ粒子と希釈剤を含有するコーティング組成物の調製
実施例2に記載のように調製した、疎水性のアクリレート反応性フルオロ基含有ナノ粒子Cの溶液を、ABCR社から入手したペルフルオロデシルモノアクリレートと割合を変えながら、またCiba社から入手したラジカル光重合開始剤Irgacure184とその量を変えながら混合した。実施例1に記載したような親水性ナノ粒子Aを疎水性の参照として選択し、そこに0.25重量%(固形分に対して)のIrgacure184光重合開始剤を添加した。各組成物の組成を表4に示す。このようにして、フルオロ基のアクリレート基に対する割合を増しながら、反応性ナノ粒子を含有する一連のコーティング組成物を得た。
Figure 2007501891
実施例4−疎水性の反応性ナノ粒子含有組成物からのスピンコートコーティングの調製
表4に示すような組成物6〜17を、標準的なCONVAC製スピンコータを使って基板上にスピンコートした。各組成物の液滴を、4800rpmの速度でスピンするガラスまたはシリコンウェハ上に付着させた。スピンコーティングの後に得られた湿潤薄膜は、Dバルブを用い、窒素存在下1.7J/cmの照射線量で、紫外線で架橋した。すべての試料を、70℃のオーブンで1時間後焼付けした。ケイ素ウェハ上の透明な架橋コーティングの厚さをマルチスペクトル反射率計(AG Electro optics製、F20)を用いて測定した。組成物7〜17の場合、コーティング粗さが大きすぎて、スペクトル反射率計を用いて厚さを測定することはできなかった。それらコーティングの厚さは、1〜5ミクロンの範囲であると評価した。
Figure 2007501891
これらの実験から、コーティングの厚さは、溶媒中の固形分の重量%の増大と共に激しく増大するこがと結論づけられる。
実施例5−水の接触角の測定
接触角を、FTA(First Ten Angstroms社)200装置を用いて測定した。この装置は、電動式シリンジポンプと、試料載物台と、ビデオカメラから成る。このシステムと共に用いたソフトウェアは、FTA VIDEO液滴形状分析バージョン1.98Build Bである。どの測定の前にもシリンジ中の水の表面張力を測定したが、その表面張力は70〜74mNm−1の範囲の値をとることが判明した。コーティングの静的接触角を、コーティング表面に12μlの蒸留水の液滴を分散させることによって測定した。合計65画像からなる液滴の130秒ビデオクリップを取った。液滴の形状から、接触角を算出した。所定のコーティングの少なくとも2つの異なる領域を測定した。その平均値を静的接触角として示す。
実施例6−疎水性ナノ粒子D〜Hを含むコーティングにおける水の静的接触角
実施例4に従って、ケイ素ウェハ表面にコーティングをスピンコーティングした。実施例5に従って、水の静的接触角を測定した。その結果を図1に示す。水の接触角が、フルオロ基のアクリレート基に対する割合が増すにつれて増していることは明らかである。ナノ粒子D〜Hを含有する組成物の接触角はすべて、参照用親水性ナノ粒子Aの接触角(55.9°)に比べて著しく大きかった。ナノ粒子Hはアクリル基を全く有していないため、その接触角が最も大きいことは明らかである。これによって、機械的特性または接着性に欠ける非架橋コーティングが得られる。
実施例7−組成物6〜17から得られるコーティング(全コーティングが粒子Cを含む)における水の静的接触角の測定
実施例4に記載のように、組成物6〜17からケイ素ウェハ上にコーティングを形成した。実施例5に従って、これらコーティングにおける水の静的接触角を測定した。その結果を図2に示す。図2では、水の静的接触角を、反応性希釈剤(この場合、ペルフルオロデシルモノアクリレート)の量をアクリレート反応性種(この場合、ペルフルオロデシルモノアクリレートプラス反応性粒子)の全量で割った相対的量に対してプロットしてある。図から、反応性希釈剤の全反応性基に対する割合を72%とした場合、組成物13の水の接触角が150°を上回って最適となることが分かる。
実施例8−組成物6、7、8、9および14から得られるコーティングの表面トポグラフィーの測定および分析
実施例1〜3に従って調製した各組成物のコーティングの表面トポグラフィーを、Digital Instruments社のタッピングモード原子力間顕微鏡(AFM)を用いて測定した。コーティング組成物14に関して得られたコーティングのトポグラフィーを図3に示す。その他一部のコーティング組成物に関して、表面突起の幅および高さの平均値を高さの差の最大値と共に表6に示す。表6から明らかなように、横方向および鉛直方向の粗さは組成物の組成によって異なっていた。AFMの結果を示す有用な方法は、いわゆるアボット(Abbott)の曲線を使うことである。アボット(Abbott)の曲線では、所定深さの測定におけるコーティング材料で被覆された面のパーセンテージが、距離の関数としてプロットされている。図4に示す結果から、コーティング材料の鉛直方向の分布が、組成物14では、組成物6、8または9の分布に比べてかなり大きいことが分かる。図2に示すように、組成物6、8、9および14の各コーティングの粗さの増大が水の静的接触角の増大と一致していた。
Figure 2007501891
実施例9−超微小押込による機械的特性の測定
実施例4に従ってケイ素ウェハ上に形成した2つのコーティングの硬度と弾性率を、超微小押込によって測定した。超微小押込測定は、圧子として検量済みBerkvichダイヤモンドチップを用い、Hysitron TriboScopeで行った。チップを知られている負荷でコーティングに挿入し、コーティング内への侵入深さを記録した。使用した一般的な負荷関数を図5に示す。典型的な力―変位曲線を図6に示す。硬度を、H(In GPa)=Fmax/24.5d、前式においてFmaxは印加した最大負荷を表しdは侵入深さを表す、の関係式によって算出した。弾性率は、力―変位曲線Er=0.5(π/24.5d1/2(δF/δd)から算出した。超微小押込実験に関する詳細は、F.J.Balta CallejaとS.Fakirov、Microhardness of Polymer、Cambridge Un.Press、2000年に記載されている。
2つのコーティングにおける超微小押込の結果を表7に示す。ペルフルオロオクチル鎖を有するナノ粒子のコーティングの硬度と弾性率だけが、参照ナノ粒子Aを使用して得られたコーティングと比較して低い値であった。しかし、PMMAのような熱可塑性樹脂と比べると、本発明のコーティングの弾性率は高い値を示し、かなり満足できる硬度を示していた。
Figure 2007501891
ナノ粒子D〜Hを含む組成物のコーティングにおける水の静的接触角を示す図である。 表4に記載の組成物を含むコーティングにおける水の静的接触角を示す図である。 組成物14のコーティングのトポグラフィーを示す図である。 組成物6、7、8、9および14のコーティングにおけるアボット(Abbott)の曲線を示す図である。図Bは図Aの部分拡大図である。 コーティングの超微小押込に用いられる一般的な負荷関数を示す図である。 超微小押込されたコーティングの典型的反応曲線を示す図である。

Claims (10)

  1. 表面に反応性有機基と非極性基とを有する反応性ナノ粒子を含むコーティング組成物。
  2. さらに反応性希釈剤を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
  3. 前記反応性希釈剤を、前記コーティング組成物から得られるコーティングの水の静的接触角が少なくとも90°となるような量で含む請求項2に記載のコーティング組成物。
  4. 前記反応性希釈剤を、前記コーティング組成物から得られるコーティングの水の静的接触角が少なくとも120°となるような量を含む請求項2に記載のコーティング組成物。
  5. 前記反応性希釈剤が非極性基を有する、請求項1から4に記載のコーティング組成物。
  6. 前記反応性希釈剤がフッ素原子を含む非極性基を有する、請求項5に記載のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
  7. 少なくとも1種の定着剤を含む、請求項1から6に記載のコーティング組成物。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のコーティング組成物から得られる疎水性コーティング。
  9. 請求項8に記載のコーティングを含む物体。
  10. 請求項8に記載のコーティングと、非疎水性コーティングまたは基板それ自体との両方でパターン形成されているコーティングを含む物体。
JP2006532118A 2003-05-20 2004-05-13 反応性ナノ粒子を含む疎水性コーティング Pending JP2007501891A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US47174503P 2003-05-20 2003-05-20
US60/471,745 2003-05-20
EP03076509.3 2003-05-20
EP03076509A EP1479738A1 (en) 2003-05-20 2003-05-20 Hydrophobic coatings comprising reactive nano-particles
PCT/NL2004/000328 WO2004104116A1 (en) 2003-05-20 2004-05-13 Hydrophobic coatings comprising reactive nano-particles

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007501891A JP2007501891A (ja) 2007-02-01
JP2007501891A6 true JP2007501891A6 (ja) 2007-05-10

Family

ID=33477622

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006532118A Pending JP2007501891A (ja) 2003-05-20 2004-05-13 反応性ナノ粒子を含む疎水性コーティング

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20060286305A1 (ja)
EP (2) EP1479738A1 (ja)
JP (1) JP2007501891A (ja)
KR (1) KR20060023532A (ja)
TW (1) TW200500429A (ja)
WO (1) WO2004104116A1 (ja)

Families Citing this family (104)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7442629B2 (en) * 2004-09-24 2008-10-28 President & Fellows Of Harvard College Femtosecond laser-induced formation of submicrometer spikes on a semiconductor substrate
US7528929B2 (en) 2003-11-14 2009-05-05 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and device manufacturing method
CN100500778C (zh) * 2004-11-23 2009-06-17 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 表面抗指纹化涂层
GB2422608B (en) * 2004-12-30 2008-10-01 Ind Tech Res Inst Self-cleaning coating comprising hydrophobically-modified particles
GB2421727B (en) * 2004-12-30 2007-11-14 Ind Tech Res Inst Method for forming coating material and the material formed thereby
EP1726609A1 (en) 2005-05-25 2006-11-29 DSM IP Assets B.V. Hydrophobic coating
US20070005024A1 (en) * 2005-06-10 2007-01-04 Jan Weber Medical devices having superhydrophobic surfaces, superhydrophilic surfaces, or both
US7772393B2 (en) 2005-06-13 2010-08-10 Innovative Surface Technologies, Inc. Photochemical crosslinkers for polymer coatings and substrate tie-layer
JP4708965B2 (ja) * 2005-11-10 2011-06-22 キヤノン株式会社 撮像装置
US20070141114A1 (en) * 2005-12-15 2007-06-21 Essilor International Compagnie Generale D'optique Article coated with an ultra high hydrophobic film and process for obtaining same
TWI321583B (en) * 2006-11-16 2010-03-11 Ind Tech Res Inst Low stain and low mist adhesion coatings
EP1993971A2 (en) * 2006-01-25 2008-11-26 Team Medical, L.L.C. Coating suitable for surgical instruments
US8258206B2 (en) 2006-01-30 2012-09-04 Ashland Licensing And Intellectual Property, Llc Hydrophobic coating compositions for drag reduction
US20080221263A1 (en) 2006-08-31 2008-09-11 Subbareddy Kanagasabapathy Coating compositions for producing transparent super-hydrophobic surfaces
KR20080108341A (ko) * 2006-04-03 2008-12-12 가부시키가이샤 니콘 액침 액체에 대해 소용매성인 입사면 및 광학 윈도우
US8202614B2 (en) 2006-08-09 2012-06-19 Luna Innovations Incorporated Additive particles having superhydrophobic characteristics and coatings and methods of making and using the same
TWI384039B (zh) * 2006-12-27 2013-02-01 Ind Tech Res Inst 透明疏水自潔塗料的製作方法、所製得之塗料以及塗膜
WO2008091825A2 (en) * 2007-01-22 2008-07-31 University Of Maryland High temperature solder materials
US8394483B2 (en) 2007-01-24 2013-03-12 Micron Technology, Inc. Two-dimensional arrays of holes with sub-lithographic diameters formed by block copolymer self-assembly
US7943234B2 (en) * 2007-02-27 2011-05-17 Innovative Surface Technology, Inc. Nanotextured super or ultra hydrophobic coatings
US8083953B2 (en) 2007-03-06 2011-12-27 Micron Technology, Inc. Registered structure formation via the application of directed thermal energy to diblock copolymer films
US8557128B2 (en) 2007-03-22 2013-10-15 Micron Technology, Inc. Sub-10 nm line features via rapid graphoepitaxial self-assembly of amphiphilic monolayers
US7959975B2 (en) 2007-04-18 2011-06-14 Micron Technology, Inc. Methods of patterning a substrate
US8294139B2 (en) 2007-06-21 2012-10-23 Micron Technology, Inc. Multilayer antireflection coatings, structures and devices including the same and methods of making the same
US8097175B2 (en) 2008-10-28 2012-01-17 Micron Technology, Inc. Method for selectively permeating a self-assembled block copolymer, method for forming metal oxide structures, method for forming a metal oxide pattern, and method for patterning a semiconductor structure
US8372295B2 (en) 2007-04-20 2013-02-12 Micron Technology, Inc. Extensions of self-assembled structures to increased dimensions via a “bootstrap” self-templating method
JP2008282751A (ja) 2007-05-14 2008-11-20 Kagawa Gakusei Venture:Kk 着氷着雪防止碍子及び電線、アンテナとその製造方法およびそれを用いた送電鉄塔
JP2008282750A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Kagawa Gakusei Venture:Kk 撥水撥油防汚性表面を有する着氷着雪防止アンテナ及び電線、碍子とその製造方法。
US9334404B2 (en) 2007-05-17 2016-05-10 Ut-Battelle, Llc Method of making superhydrophobic/superoleophilic paints, epoxies, and composites
US10150875B2 (en) 2012-09-28 2018-12-11 Ut-Battelle, Llc Superhydrophobic powder coatings
DE102007023555A1 (de) * 2007-05-21 2008-11-27 Siemens Ag Hydrophobe Oberflächenbeschichtung für elektronische und elektrotechnische Komponenten sowie Verwendungen dazu
WO2008145585A1 (de) * 2007-05-25 2008-12-04 Basf Se Verfahren zur verteilung von silikaten in beschichtungsmassen
US8404124B2 (en) 2007-06-12 2013-03-26 Micron Technology, Inc. Alternating self-assembling morphologies of diblock copolymers controlled by variations in surfaces
CA2634941A1 (en) * 2007-06-12 2008-12-12 Starkey Laboratories, Inc. Method and apparatus for hearing assistance device using superhydrophobic coatings
JP2010529282A (ja) * 2007-06-12 2010-08-26 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 電気鋼のための絶縁コーティング組成物
US8080615B2 (en) 2007-06-19 2011-12-20 Micron Technology, Inc. Crosslinkable graft polymer non-preferentially wetted by polystyrene and polyethylene oxide
US7959969B2 (en) 2007-07-10 2011-06-14 California Institute Of Technology Fabrication of anchored carbon nanotube array devices for integrated light collection and energy conversion
US20100196446A1 (en) 2007-07-10 2010-08-05 Morteza Gharib Drug delivery and substance transfer facilitated by nano-enhanced device having aligned carbon nanotubes protruding from device surface
TWI349701B (en) * 2007-07-26 2011-10-01 Ind Tech Res Inst Superhydrophobic self-cleaning powders and fabrication method thereof
WO2009018327A2 (en) * 2007-07-30 2009-02-05 Soane Labs, Llc Ultraphobic compositions and methods of use
WO2009029979A1 (en) * 2007-09-03 2009-03-12 Deakin University Coating composition and process for the preparation thereof
US20090064894A1 (en) * 2007-09-05 2009-03-12 Ashland Licensing And Intellectual Property Llc Water based hydrophobic self-cleaning coating compositions
US20090110834A1 (en) * 2007-10-26 2009-04-30 Gimvang Bo H Corrosion and abrasion resistant coating
US20090108240A1 (en) * 2007-10-26 2009-04-30 Gimvang Bo H Friction reducing, corrosion resistant and abrasion resistant coating
US20100247862A1 (en) * 2007-11-19 2010-09-30 E.I. Dupont De Nemours And Company Treated plastic surfaces having improved cleaning properties
KR101050650B1 (ko) 2007-11-29 2011-07-19 주식회사 엘지화학 내마모성 및 지문제거성이 우수한 코팅 조성물 및 코팅 필름
US8153834B2 (en) 2007-12-05 2012-04-10 E.I. Dupont De Nemours And Company Surface modified inorganic particles
US8999492B2 (en) 2008-02-05 2015-04-07 Micron Technology, Inc. Method to produce nanometer-sized features with directed assembly of block copolymers
US8101261B2 (en) 2008-02-13 2012-01-24 Micron Technology, Inc. One-dimensional arrays of block copolymer cylinders and applications thereof
US8426313B2 (en) 2008-03-21 2013-04-23 Micron Technology, Inc. Thermal anneal of block copolymer films with top interface constrained to wet both blocks with equal preference
US8425982B2 (en) 2008-03-21 2013-04-23 Micron Technology, Inc. Methods of improving long range order in self-assembly of block copolymer films with ionic liquids
US8114300B2 (en) 2008-04-21 2012-02-14 Micron Technology, Inc. Multi-layer method for formation of registered arrays of cylindrical pores in polymer films
US8114301B2 (en) 2008-05-02 2012-02-14 Micron Technology, Inc. Graphoepitaxial self-assembly of arrays of downward facing half-cylinders
DE602008006375D1 (de) 2008-06-05 2011-06-01 Iguzzini Illuminazione Doppelbeschichtung, deren Herstellung und deren Verwendung zum Aufbringen von stark wasserabweisenden und nichtreflektierenden Schichten auf Oberflächen
US11786036B2 (en) 2008-06-27 2023-10-17 Ssw Advanced Technologies, Llc Spill containing refrigerator shelf assembly
US8286561B2 (en) 2008-06-27 2012-10-16 Ssw Holding Company, Inc. Spill containing refrigerator shelf assembly
CN102119197A (zh) * 2008-06-30 2011-07-06 Stc.Unm公司 一种不需要全氟化合物或不包含任何氟元素的超疏水气凝胶
EP2346678B1 (en) 2008-10-07 2017-10-04 Ross Technology Corporation Spill resistant surfaces having hydrophobic and oleophobic borders
WO2010069312A1 (en) * 2008-12-16 2010-06-24 Widex A/S Method of coating a hearing aid component and a hearing aid
CA2752798A1 (en) * 2009-02-17 2010-08-26 The Board Of Trustees Of The University Of Illinois Flexible microstructured superhydrophobic materials
KR101433292B1 (ko) 2009-02-17 2014-08-22 더 보드 오브 트러스티즈 오브 더 유니버시티 오브 일리노이 마이크로구조 제조방법
US8691983B2 (en) * 2009-03-03 2014-04-08 Innovative Surface Technologies, Inc. Brush polymer coating by in situ polymerization from photoreactive surface
US20100294742A1 (en) * 2009-05-22 2010-11-25 Enrico Magni Modifications to Surface Topography of Proximity Head
US8513342B2 (en) * 2009-10-16 2013-08-20 University of Pittsburgh—of the Commonwealth System of Higher Education Durable superhydrophobic coatings
US8147607B2 (en) 2009-10-26 2012-04-03 Ashland Licensing And Intellectual Property Llc Hydrophobic self-cleaning coating compositions
US9074778B2 (en) 2009-11-04 2015-07-07 Ssw Holding Company, Inc. Cooking appliance surfaces having spill containment pattern
DK2348757T3 (en) 2009-12-31 2016-02-01 Starkey Lab Inc REDUCTION OF ALIEN COMPONENTS TO HEARING DEVICES
JP5858441B2 (ja) 2010-03-15 2016-02-10 ロス テクノロジー コーポレーション.Ross Technology Corporation プランジャーおよび疎水性表面を得るための方法
WO2011127207A2 (en) * 2010-04-07 2011-10-13 California Institute Of Technology Simple method for producing superhydrophobic carbon nanotube array
WO2012003004A2 (en) * 2010-07-01 2012-01-05 University Of Pittsburgh-Of The Commonwealth System Of Higher Education Superhydrophobic and anti-icing coating and method for making same
US8304493B2 (en) 2010-08-20 2012-11-06 Micron Technology, Inc. Methods of forming block copolymers
US8609458B2 (en) 2010-12-10 2013-12-17 California Institute Of Technology Method for producing graphene oxide with tunable gap
EP2678400A4 (en) 2011-02-21 2015-11-18 Ross Technology Corp SUPERHYDROPHOBIC AND OIL-REPELLENT COATINGS WITH BINDING SYSTEMS WITH A LOW CONTENT OF VOLATILE ORGANIC COMPOUNDS
EP2493216A3 (en) 2011-02-25 2014-03-12 Starkey Laboratories, Inc. Omniphobic perforated barrier for hearing aid transducers
US9071918B2 (en) 2011-03-18 2015-06-30 Starkey Laboratories, Inc. Ball and socket connection with an acoustic seal and mounting interface for a hearing assistance device
WO2012135238A1 (en) 2011-03-29 2012-10-04 California Institute Of Technology Method to increase the capacitance of electrochemical carbon nanotube capacitors by conformal deposition of nanoparticles
WO2013042052A1 (en) * 2011-09-19 2013-03-28 Corinne Jean Greyling Superhydrophobic coatings and methods of preparation
DE102011085428A1 (de) 2011-10-28 2013-05-02 Schott Ag Einlegeboden
US8900963B2 (en) 2011-11-02 2014-12-02 Micron Technology, Inc. Methods of forming semiconductor device structures, and related structures
US11041080B2 (en) * 2011-11-11 2021-06-22 Velox Flow, Llc Multifunctional superhydrophobic diatomaceous earth for chemical adhesion and color change
CN104321279B (zh) * 2011-11-11 2016-09-28 维络斯弗洛有限责任公司 用于化学附着和变色的多官能超疏水性硅藻土
WO2013090939A1 (en) 2011-12-15 2013-06-20 Ross Technology Corporation Composition and coating for superhydrophobic performance
PT2626388T (pt) 2012-02-09 2016-08-17 Omya Int Ag Uma composição e método para o controlo da molhabilidade de superfícies
EP2849803A1 (en) * 2012-05-15 2015-03-25 Georgia State University Research Foundation, Inc. Monolayer protected nanoclusters and methods of making and using thereof
WO2014003852A2 (en) 2012-06-25 2014-01-03 Ross Technology Corporation Elastomeric coatings having hydrophobic and/or oleophobic properties
WO2014022314A1 (en) 2012-07-30 2014-02-06 California Institute Of Technology Nano tri-carbon composite systems and manufacture
US9828521B2 (en) * 2012-09-28 2017-11-28 Ut-Battelle, Llc Durable superhydrophobic coatings
US9087699B2 (en) 2012-10-05 2015-07-21 Micron Technology, Inc. Methods of forming an array of openings in a substrate, and related methods of forming a semiconductor device structure
US8961671B2 (en) * 2013-01-30 2015-02-24 Illinois Tool Works, Inc. Super hydrophobic and antistatic composition
JP6037907B2 (ja) * 2013-03-22 2016-12-07 三菱電機株式会社 加熱調理器
US9229328B2 (en) 2013-05-02 2016-01-05 Micron Technology, Inc. Methods of forming semiconductor device structures, and related semiconductor device structures
US10284974B2 (en) 2013-07-10 2019-05-07 Starkey Laboratories, Inc. Acoustically transparent barrier layer to seal audio transducers
US9177795B2 (en) 2013-09-27 2015-11-03 Micron Technology, Inc. Methods of forming nanostructures including metal oxides
DE112015001719T5 (de) 2014-04-09 2016-12-29 Dow Corning Corporation Hydrophober Artikel
US9187670B1 (en) 2014-06-12 2015-11-17 Ppg Industries Ohio, Inc. Curable film-forming compositions and method of mitigating dirt build-up on a substrate
US9120916B1 (en) 2014-06-12 2015-09-01 Ppg Industries Ohio, Inc. Acrylic polymers, curable film-forming compositions prepared therefrom, and method of mitigating dirt build-up on a substrate
WO2016090368A1 (en) * 2014-12-05 2016-06-09 Velox Flow, Llc Multifunctional superhydrophobic particles for chemical adhesion and blooming
US20180134904A1 (en) 2015-05-21 2018-05-17 Sun Chemical Corporation Superhydrophobic uv curable coating
KR102577803B1 (ko) * 2016-03-30 2023-09-13 주식회사 나노브릭 나노입자를 포함하는 마이크로 캡슐 및 이의 제조방법.
CN106079816B (zh) * 2016-06-16 2017-12-01 长春理工大学 一种超疏水多壁碳纳米管/聚醋酸乙烯酯复合涂层的制法
WO2018160455A1 (en) * 2017-03-03 2018-09-07 The Government Of The United States Of America, As Represented By The Secretary Of The Navy Moisture-curable omniphobic coatings
CN107416844B (zh) 2017-08-09 2019-09-06 中国石油天然气股份有限公司 具有双亲特性和双粒子结构的纳米二氧化硅分散液及制法
CN111718620B (zh) * 2020-07-10 2021-11-19 广州希森美克新材料科技股份有限公司 一种不沾酸奶的耐磨食品级超疏水纳米涂层
IT202100032444A1 (it) * 2021-12-23 2023-06-23 C I R A Centro Italiano Ricerche Aerospaziali S C P A Rivestimento superidrofobico e ghiacciofobico di un substrato, metodo per il suo ottenimento e substrato così rivestito

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3637497A (en) * 1968-06-12 1972-01-25 Us Navy Moisture resistant dry film lubricants
US4517384A (en) * 1983-01-21 1985-05-14 Ciba-Geigy Corporation Perfluoroalkyl alkylene vinyl sulfoxides and sulfones
AU556491B2 (en) * 1983-09-06 1986-11-06 Ppg Industries, Inc. Coating
FR2718143B1 (fr) * 1994-03-29 1996-11-29 Saint Gobain Vitrage Composition pour un revêtement non mouillable.
US5888290A (en) * 1996-05-24 1999-03-30 Minnesota Mining And Manufacturing Company Composition and process for imparting durable repellency to substrates
BR9708589A (pt) * 1996-04-05 1999-08-03 Minnesota Mining & Mfg Composição polimerizável por luz visível e processos para revestir um substrato com um revestimento protetor e para reparar um defeito em um substrato revestido
DE69721923T2 (de) * 1996-09-30 2004-05-19 Basf Corp. Kratzfeste Klarlacke enthaltend oberflächig reaktive Mikroteilchen und Verfahren zu deren Herstellung
US6495624B1 (en) * 1997-02-03 2002-12-17 Cytonix Corporation Hydrophobic coating compositions, articles coated with said compositions, and processes for manufacturing same
JPH10273616A (ja) * 1997-03-31 1998-10-13 Toray Ind Inc 撥水性コーティング用塗料の製造方法
MY122234A (en) * 1997-05-13 2006-04-29 Inst Neue Mat Gemein Gmbh Nanostructured moulded bodies and layers and method for producing same
FR2769318B1 (fr) * 1997-10-06 1999-12-10 Saint Gobain Vitrage Revetement hydrophobe notamment pour vitrage
US6238798B1 (en) * 1999-02-22 2001-05-29 3M Innovative Properties Company Ceramer composition and composite comprising free radically curable fluorochemical component
US20020115777A1 (en) * 2000-12-15 2002-08-22 Bin Wu Nanocomposites in powder coatings
DE10106213A1 (de) * 2001-02-10 2002-08-22 Dmc2 Degussa Metals Catalysts Cerdec Ag Selbstreinigende Lackbeschichtungen und Verfahren und Mittel zur Herstellung derselben
DE10134477A1 (de) * 2001-07-16 2003-02-06 Creavis Tech & Innovation Gmbh Selbstreinigende Oberflächen durch hydrophobe Strukturen und Verfahren zu deren Herstellung
ATE353094T1 (de) * 2001-11-23 2007-02-15 Murjahn Amphibolin Werke Beschichtungsmasse enthaltend nanopartikel, verwendung der beschichtungsmasse und verfahren zur herstellung von beschichtungen
US20040063813A1 (en) * 2001-12-10 2004-04-01 Bin Wu Powder coating compositions containing reactive nanoparticles

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007501891A (ja) 反応性ナノ粒子を含む疎水性コーティング
JP2007501891A6 (ja) 反応性ナノ粒子を含む疎水性コーティング
KR101114798B1 (ko) 나노 구조 표면 코팅방법, 나노 구조 코팅 및 그 코팅을포함하는 물품
JP4589725B2 (ja) 反射防止特性を有する、機械的に耐久性のある単層コーティングの調製
EP1883669B1 (en) Hydrophobic coating
US8772373B2 (en) Coating composition, coating and an object coated with the coating composition
TWI454543B (zh) 透明被膜形成用塗料及附有被膜之基材
WO1999037720A1 (en) Antisoiling coatings for antireflective surfaces and methods of preparation
JP2009519149A (ja) 超高疎水性膜で被覆された物品およびその取得方法
US20220145084A1 (en) Improvements relating to superhydrophobic surfaces
MX2007015325A (es) Soles de particulas coloidales, metodos de preparacion y composiciones formadoras de pelicula curable que contienen los mismos.
WO2014086501A1 (en) Method for coating an optical article with a topcoat using vacuum air plasma treatment
CN1820058A (zh) 包含反应性纳米粒子的疏水涂层
JP2004317539A (ja) 防曇性光学体及び光学体への防曇層形成方法
JP4325076B2 (ja) コーティング膜の形成方法
JP2006022258A (ja) 組成物、成形物および硬化塗膜の製造方法
JPH1026703A (ja) 撥水処理されたレンズ
WO2009118415A1 (en) Coating compostiion, coating and an object coated with the coating composition
JPH10133001A (ja) 新規な撥水処理されたレンズ