JPH08134437A - 撥水性被膜 - Google Patents

撥水性被膜

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JPH08134437A
JPH08134437A JP28051794A JP28051794A JPH08134437A JP H08134437 A JPH08134437 A JP H08134437A JP 28051794 A JP28051794 A JP 28051794A JP 28051794 A JP28051794 A JP 28051794A JP H08134437 A JPH08134437 A JP H08134437A
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JP
Japan
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water
fine particles
coating film
resin composition
meth
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Application number
JP28051794A
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English (en)
Inventor
Atsuyoshi Nagata
敦善 永田
Shigeki Nomura
茂樹 野村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 種々の基体に適応可能で、安定した撥水性能
を有し、塵埃の付着が防止された撥水性被膜を提供す
る。 【構成】 少なくとも表面が疎水性である平均粒径1n
m〜1mmの微粒子(例フッ化黒鉛、メチル基を有する
疎水性シリカ等)と帯電防止性樹脂組成物塗膜(例 酸
化錫又はアニリン系重合体からなる導電性粉末と多官能
アクリレート(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート)からなる組成物の塗膜)からなり、該微粒子が該
帯電防止性樹脂組成物塗膜表面積の20%以上の領域に
露出されて固着されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撥水材、氷雪固着防止
材、防汚材等に利用される撥水性被膜に関する。
【0002】
【従来の技術】撥水性被膜としては、従来からシリコー
ン系又はフッ素系樹脂化合物の被膜が多く用いられ、撥
水性の被膜を形成する方法としては、一般的にはポリテ
トラフルオロエチレン等のフルオロカーボン系微粉末を
エタノール等に懸濁させた塗料を塗布し、乾燥後約40
0℃で1時間程度焼き付け処理を行う方法等が多く用い
られている(特開昭62−186133号公報)。
【0003】しかしながら、フルオロカーボン系微粉末
の焼き付けによる方法では表面が平坦化されるため、撥
水性としてはポリテトラフルオロエチレン板と同程度
(水との接触角で110゜程度)が限界であり、いわゆ
る蓮の葉が水を弾くような撥水性(水との接触角で12
0゜以上)は得られない。その上約400℃の高温で焼
き付け工程を行うため、木材やプラスチック等には適用
が不可能である。
【0004】また、表面に微細な凹凸形状を設けること
によって撥水性を発現する撥水性被膜も提案され、この
撥水性の被膜を形成する方法としては、基体表面をプラ
ズマによるエッチング等で粗面化して凸状体を形成した
後、該凸状体の表面にフッ素系化合物の層を形成する方
法(特開平4−343764号公報)、撥水性の樹脂中
にシリカ等の無機微粒子や有機微粒子を混合させた組成
物を基体上に塗布して撥水性被膜とする方法(特開平3
−244679号公報)等が開示されている。
【0005】しかしながら、表面に凹凸形状を持つ撥水
性被膜は、蓮の葉に近い、或いは同程度の撥水性を発現
するものの、粗面化を行う前処理が必要であったり、樹
脂中に粉体を分散させて凹凸形状を発現するため、粉体
の分散のむらにより撥水性能にばらつきが生じる。さら
に粉体の上を樹脂層が覆うため、凹凸形状が発現しにく
い。
【0006】また、これまでに提案されている撥水性被
膜は、帯電防止性能が不十分なため、塵埃の付着を防止
できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みてなされたものであり、その目的は種々の基体に適
応可能で、安定した撥水性能を有し、塵埃の付着が防止
された被膜を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の撥水性被膜は、
少なくとも表面が疎水性である平均粒径1nm〜1mm
の微粒子と帯電防止性樹脂組成物塗膜からなり、該微粒
子が該帯電防止性樹脂組成物塗膜表面積の20%以上の
領域に露出されて固着された、表面に凹凸形状を有する
被膜である。
【0009】上記微粒子の平均粒径は、小さくなると凹
凸形状の効果が低下して接触角が小さくなり、大きくな
ると細かい水滴に対する撥水性が低下するので、1nm
〜1mmに限定される。
【0010】上記微粒子としては、例えば、水との接触
角が90°以上である基材からなる微粒子、表面に低級
アルキル基等を有する微粒子等が挙げられる。
【0011】上記水との接触角が90°以上である基材
としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、フ
ッ化黒鉛、含フッ素樹脂、オルガノポリシロキサン等が
挙げられる。
【0012】上記含フッ素樹脂としては、例えばテトラ
フルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフ
ルオロビニルエーテル(パーフルオロメチルエーテル
等)、パーフルオロアリルエーテル、パーフルオロプロ
ピレン、ビニリデンフルオライド等のフッ素含有重合性
モノマーの単独重合体(ポリテトラフルオロエチレン、
ポリビニリデンフルオライド等)、それらの共重合体
(ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−
パーフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオラ
イド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチ
レン共重合体等)、上記フッ素含有重合性モノマーと例
えばエチレン又はプロピレン等のようなフッ素非含有重
合性モノマーとの共重合体などが挙げられる。
【0013】上記基材と水との接触角が小さくなると、
撥水力より濡れ表面を大きくしようとする力の方が大き
いため、凹凸形状になっても撥水性が向上しないので、
水との接触角は90°以上が好ましく、さらには、微細
な凹凸では水が入り込めなくなって水滴が浮いたような
状態となり、表面を水滴が転がるような撥水性を発現す
るためには95°以上がより好ましい。
【0014】上記表面に低級アルキル基等を有する微粒
子としては、例えば表面にメチル基やその他アルキル
基、又はフッ化アルキル基を有する無機又は有機の微粒
子が挙げられ、特に表面にメチル基、エチル基等の低級
アルキル基を有する疎水性シリカ微粒子が好適に使用さ
れる。
【0015】上記疎水性シリカ微粒子としては、例えば
商品名「AEROSIL R972D」(日本アエロジ
ル社製)、商品名「Nipsil SS−50」及び
「Nipsil SS−30S」(日本シリカ工業社
製)等、一般に市販されているものが使用可能である。
【0016】上記微粒子は単独で使用してもよいし、2
種以上を併用してもよい。
【0017】上記微粒子は、少なくとも表面が疎水性で
あればよく、例えば、芯材のまわりに上記の性質を有す
る基材又は表面に低級アルキル基等を有する微粒子が設
けられてもよい。
【0018】上記微粒子が帯電防止性樹脂組成物塗膜を
被覆する面積は、少なくなると塗膜表面の水接触角が小
さくなり撥水性が低下するので、20%以上に限定さ
れ、さらには、表面を水滴が転がるような撥水性能を安
定して発現するためには70%以上がより好ましい。上
記微粒子が帯電防止性樹脂組成物塗膜を被覆する面積
は、例えば塗膜表面を電子顕微鏡写真に撮り、これを画
像処理して微粒子が露出した表面積の割合を求めること
ができる。
【0019】本発明に使用される帯電防止性樹脂組成物
塗膜に用いられる帯電防止性樹脂組成物としては、それ
を乾燥もしくは硬化塗膜とした際に、その表面固有抵抗
値が10-12 以下を示すものであれば、特に限定されな
いが、例えば酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化
チタン、酸化ジルコニウム、ITO等の金属酸化物系導
電性粉末;アニリン系重合体、ピロール系重合体、チオ
フェン系重合体等の有機高分子系導電性粉末;又は粉体
粒子に上記の導電性粉末が被覆されたもの等と、溶媒乾
燥型、熱硬化型、光硬化型、電子線硬化型等の樹脂又は
乾性油とが混合された帯電防止性樹脂組成物が、容易に
調製され易いので好ましい。
【0020】上記組成物において、導電性粉末100重
量部に対する樹脂又は乾性油の割合は、少なくなると塗
膜の機械的強度が低下し、多くなると帯電防止性が発現
されなくなるので、5〜5000重量部が好ましい。
【0021】本発明に使用される帯電防止性樹脂組成物
塗膜としては、(a)少なくとも表面が酸化錫から成る
導電性粉末、又はアニリン系重合体からなる導電性粉末
100重量部及び(b)不飽和ポリエステル樹脂、分子
内に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有
するアクリレート化合物、又はこれらの混合物からなる
重合性化合物5〜5000重量部からなる混合物を主成
分とする樹脂組成物が硬化されたものが、特に好まし
い。
【0022】上記少なくとも表面が酸化錫から成る導電
性粉末としては、粒子の表面又は全体が酸化錫から成る
ものが使用可能であるが、特に、酸化錫に酸化アンチモ
ンが0.1〜20重量%添加されたものが高い導電性を
示すので好ましい。さらに、この酸化アンチモン含有酸
化錫を硫酸バリウム微粒子に被覆した導電性粉末が、安
価であり、高い透明性を有するので、特に好ましい。
【0023】上記の帯電防止性樹脂組成物において、表
面が酸化錫から成る導電性粉末、又はアニリン系重合体
からなる導電性粉末(a)100重量部に対する、不飽
和ポリエステル樹脂、分子内に少なくとも2個以上の
(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート化合物、
又はこれらの混合物からなる重合性化合物(b)の割合
は、少なくなると塗膜の機械的強度が低下し、多くなる
とと帯電防止性が発現されなくなるので、5〜5000
重量部に限定され、10〜800重量部が好ましい。
【0024】これらの導電性粉末の粒径は、大きくなる
と塗膜表面に露出し、表面の撥水性を損なう恐れがある
ため、2μm以下であることが望ましい。
【0025】上記アニリン系重合体としては、従来公知
の導電性アニリン系重合体ならば特に限定されることな
く使用可能である。導電性アニリン系重合体の調製方法
としては、例えば、アニリン誘導体モノマーと酸を水、
ジメチルホルムアミドなどに溶解し、攪拌しつつ、この
溶液に酸化剤溶液を滴下し、酸化重合させる方法によ
る。更に、必要に応じて酸をドープする。
【0026】上記アニリン誘導体モノマーとしては、ア
ニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、ジ
フェニルアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、
2−エチルアニリン、3−エチルアニリン、2,4−ジ
メチルアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,6−
ジメチルアニリン、2,6−ジエチルアニリン、2−メ
トキシアニリン、4−メトキシアニリン、2,4−ジメ
トキシアニリン、o−フェニレンジアミン、m−フェニ
レンジアミン、2−アミノビフェニル、N,N−ジフェ
ニル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
【0027】また、重合時のアニリン誘導体モノマー濃
度は、水、ジメチルホルムアミドに対して0.1〜1m
ol/lが適当である。
【0028】上記酸としては、塩酸、硫酸、硝酸などの
無機のプロトン酸や、p−トルエンスルホン酸、長鎖ア
ルキルスルホン酸などの有機酸が挙げられる。上記の重
合時の酸濃度は、水、ジメチルホルムアミドに対して
0.1〜1Nが適当である。
【0029】上記酸化剤としては、過硫酸塩、過酸化水
素、過マンガン酸塩、二酸化鉛、重クロム酸塩、二酸化
マンガン、塩化鉄などが挙げられる。上記の重合時の酸
化剤の濃度は、水、ジメチルホルムアミドに対して0.
1〜1mol/lが適当である。
【0030】前記不飽和ポリエステル樹脂としては、不
飽和ポリエステルを重合性単量体に溶解して得られる、
通常の不飽和ポリエステル樹脂が用いられる。上記不飽
和ポリエステルは、不飽和多塩基酸又はその無水物と多
価アルコールを反応させる公知の方法により得られる。
上記不飽和多塩基酸又はその無水物としては、無水マレ
イン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、カービッ
ク酸、無水カービック酸等が挙げられ、必要に応じて無
水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、モノクロル
フタル酸、アジピン酸、コハク酸、セバチン酸等の飽和
多塩基酸を添加してもよい。また、耐熱水性を必要とす
る浴槽等に使用される撥水性被膜を製造する場合には、
イソフタル酸系不飽和ポリエステル、水添ビスフェノー
ル系不飽和ポリエステル又はビスフェノールA系不飽和
ポリエステル等が好適に使用される。
【0031】一方、多価アルコール成分としては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリ
コール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、水
素化ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキ
サイド付加物等のグリコール類や、ペンタエリスリトー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価以上
のアルコールが使用される。
【0032】上記の不飽和ポリエステル樹脂に用いられ
る重合性単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、
ジビニルベンゼン、(メタ)アクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル等が好適である。
【0033】前記分子内に少なくとも2個以上の(メ
タ)アクリロイル基を有するアクリレート化合物として
は、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−(ア
クリロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−
ビス〔4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル〕プ
ロパン、3−フェノキシ−2−プロパノイルアクリレー
ト、1,6−ビス(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシ
プロピル)−ヘキシルエーテル等の2官能(メタ)アク
リレートが挙げられる。これらは、樹脂組成物の粘度調
整にも使用される。
【0034】また、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、
トリス−(2−ヒドロキシエチル)−イソシアヌル酸
(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレー
ト;及びペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールにε−カプロラクトンを
付加したポリオールに(メタ)アクリル酸を反応させた
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート(日本化薬社製、DPCAシリーズ)、1,
1,3,3,5,5−ヘキサ((メタ)アクリロイルア
ルキレンジオキシ)シクロトリホスファゼン等の4官能
以上の(メタ)アクリレートは表面硬度を向上するのに
好適に使用される。
【0035】さらに、アクリルモノマーの分子内にウレ
タン結合を有するアクリル系ウレタンオリゴマーを用い
ると得られる塗膜の耐摩耗性が向上する。このような分
子末端にアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する
ウレタンオリゴマーの調製は、例えば、1分子中に2個
以上のイソシアネート基を有する化合物と、活性水素を
有するアクリレート又はメタクリレートを作用させて行
われうる。1分子中に2個以上のイソシアネート基を有
する化合物としては、例えば、m−フェニレンジイソシ
アネート、p−フェニレンジイソシアネート、トルエン
−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイ
ソシアネート、トルエン−2,5−ジイソシアネート、
トルエン−3,5−ジイソシアネート、m−キシリレン
ジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチルビフ
ェニル等が挙げられ、活性水素を有するアクリレート又
はメタクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレ
ート、1,6−ビス(3−アクリロキシ−2−ヒドロキ
シプロピル)−ヘキシルエーテル、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等が
挙げられる。
【0036】前記の帯電防止性樹脂組成物において、樹
脂を硬化させる際には必要に応じて重合開始剤が添加さ
れる。さらにこれらの樹脂主成分以外にも、溶媒、顔
料、揺変剤、充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、重合
禁止剤、表面改質剤、脱泡剤、硬化助剤等の各種添加剤
を使用してもよい。また、導電性粉末の分散性を高める
ために分散剤が加えられても良い。
【0037】帯電防止性樹脂組成物塗膜の膜厚は、小さ
くなると微粒子が十分に固着されず、撥水性能の耐久性
が低下するので、使用する微粒子の平均粒径の3分の1
以上であることが好ましい。
【0038】本発明の撥水性被膜は例えば以下のような
工程で製造される。 <第1の工程> 帯電防止性樹脂組成物を基体に塗布す
る。上記基体としては、特に限定されるものではなく、
例えばプラスチックプレートやフィルム、木材合板、金
属板等が使用され、また、繊維強化プラスチック(FR
P)等の成形体でもよい。
【0039】帯電防止性樹脂組成物を基体に塗布する方
法としては、使用する樹脂組成物や目的に応じて適当な
方法が選択されるが、一般的には、例えば刷毛塗り、ス
プレーコート法、バーコート法、ドクターブレード法、
ロールコート法、ディッピング法等が利用できる。
【0040】<第2の工程> 第1の工程で塗布した塗
膜が未硬化又は半硬化の状態において、塗膜に表面が疎
水化された微粒子を付着させる。微粒子を付着させる前
に塗膜を硬化すると微粒子を塗膜に固定することができ
ないので、第2の工程は塗膜が未硬化又は半硬化状態で
行う。
【0041】微粒子を付着させる方法としては、特に限
定されるものではないが、例えば塗膜上に直接微粒子を
散布する方法、微粒子の入ったパレット等の容器に、樹
脂を塗布した基体を塗膜面が微粒子と接するように載せ
る方法、微粒子中に塗膜面を浸漬する方法等が利用で
き、未硬化又は半硬化状態の塗膜に微粒子を接触させ付
着させればよい。さらに、微粒子を付着させた後に付着
表面を軽くプレスしてもよい。
【0042】<第3の工程> 第2の工程で得られた未
硬化又は半硬化状態の塗膜を硬化させた後、塗膜に固定
されなかった過剰の微粒子を取り除く。硬化方法は、使
用した樹脂に応じて適当な方法が選択される。
【0043】塗膜に固定されなかった過剰の微粒子を取
り除く方法としては、特に限定されるものではないが、
例えばエアースプレーにより除去する方法等が利用でき
る。尚、未硬化又は半硬化状態での塗膜の粘着性の大き
い樹脂の場合は塗膜の硬化前に過剰の微粒子を取り除
き、その後樹脂を硬化させてもよい。取り除かれた過剰
の微粒子は回収して再利用することによって、使用する
微粒子の量を最小限に抑えることができる。
【0044】
【実施例】以下に本発明を実施例につき説明する。以下
「部」としたものは「重量部」を意味する。 (実施例1)導電性粉末(アニリン系重合体、Allied
Signal社製、商品名「Versicon」)100部、多官能ア
クリレート(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、日本化薬社製、商品名「カヤラッドDPHA」)1
000部、分散剤としてポリメチルメタクリレート(根
上工業社製、商品名「ハイパールHPA」)200部、
硬化剤として2,4−ジエチルチオキサントン(日本化
薬社製、商品名「カヤキュアーDETX」)1部、硬化
促進剤として4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本
化薬社製、商品名「カヤキュアーEPA」)1部および
溶媒としてキシレン2200部を使用し、これらをメデ
ィアミルで8時間攪拌、混合して帯電防止性樹脂組成物
を調製した。
【0045】アクリル板上に、上記の帯電防止性樹脂組
成物をキャスティングアプリケーターを用いて、溶媒乾
燥後の塗膜厚みが10μmとなるように塗布した。これ
を表面が疎水性である微粒子(フッ化黒鉛、セントラル
硝子社製、商品名「セフボンCMA」、平均粒径2μ
m)で満たした容器中に浸漬することによって表面に微
粒子を付着させた後、過剰の微粒子をエアースプレーで
除去し、次いで、メタルハライドランプで2J/cm2
光照射して塗膜の硬化を行い、撥水性被膜を得た。
【0046】(実施例2)導電性粉末(硫酸バリウム微
粒子を酸化アンチモン含有酸化錫で被覆したもの、三井
金属社製、商品名「パストランType−IV」、平均粒
径0.2μm)100部、不飽和ポリエステル樹脂(三
井東圧化学社製、商品名「エスター V262−G」)
40部、多官能アクリレート(ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート、日本化薬社製、商品名「カヤラッ
ドDPHA」)40部、分散剤としてポリビニルブチラ
ール樹脂(残存水酸基34mol%、ブチラール化度6
5mol%、残存アセトオキシ基1mol%、平均重合
度 約1900)6部、硬化剤として55重量%メチル
エチルケトンパーオキサイド−ジメチルフタレート溶液
10部、硬化促進剤として6重量%ナフテン酸コバルト
溶液5部および溶媒としてメチルエチルケトン120部
を使用し、これらをメディアミルで8時間攪拌、混合し
て帯電防止性樹脂組成物を調製した。
【0047】アクリル板上に、上記の帯電防止性樹脂組
成物をキャスティングアプリケーターを用いて、溶媒乾
燥後の塗膜厚みが10μmとなるように塗布した。これ
を表面が疎水性である微粒子(フッ化黒鉛、セントラル
硝子社製、商品名「セフボンCMA」、平均粒径2μ
m)で満たした容器中に浸漬することによって表面に微
粒子を付着させた後、過剰の微粒子をエアースプレーで
除去して80℃で3時間加熱することにより塗膜の硬化
を行い、撥水性被膜を得た。
【0048】(実施例3)表面が疎水性である微粒子と
して、フッ化ビニリデン−4フッ化エチレン−6フッ化
プロピレン共重合体(住友スリーエム社製、商品名「T
HV200P」、平均粒径280μm)を使用したこ
と、及び帯電防止性樹脂組成物の塗布時に溶媒乾燥後の
塗膜厚みが100μmとなるように塗布したことの他
は、実施例2と同様にして撥水性被膜を得た。
【0049】(実施例4)表面が疎水性である微粒子と
して、テトラフルオロエチレン重合体(ダイキン工業社
製、商品名「ルブロンL−2」、平均粒径5μm)を使
用したことの他は、実施例1と同様にして撥水性被膜を
得た。
【0050】(実施例5)表面が疎水性である微粒子と
して、表面にメチル基を有するシリカ微粒子(日本アエ
ロジル社製、商品名「AEROSIL R972D」、
一次粒子平均粒径14nm)を使用したことの他は、実
施例1と同様にして撥水性被膜を得た。
【0051】(実施例6)表面が疎水性である微粒子と
して、表面が疎水性である微粒子(日本シリカ工業社
製、商品名「Nipsil SS−50」、表面ジメチ
ルシリコーンオイル処理、平均粒径1〜2μm)を使用
したことの他は、実施例1と同様にして撥水性被膜を得
た。
【0052】(比較例1)実施例1の帯電防止性樹脂組
成物の代わりに、実施例1における帯電防止性樹脂組成
物から導電性粉末と分散剤とを除いた組成からなる樹脂
組成物を使用したことの他は、実施例1と同様にして撥
水性被膜を得た。
【0053】(比較例2)実施例3において表面が疎水
性である微粒子の代わりにアクリル樹脂からなる親水性
微粒子(住友化学社製、商品名「スミペックス LO−
6」、ポリメタクリル酸メチル、平均粒径300μm)
を使用したことの他は、実施例3と同様にして、撥水性
被膜を得た。
【0054】(比較例3)実施例1において表面が疎水
性である微粒子を塗膜に付着させる際に、帯電防止性樹
脂組成物が塗布されたアクリル板を表面が疎水性である
微粒子で満たした容器中に浸漬することの代わりに、付
着量が少なくなるように、帯電防止性樹脂組成物が塗布
されたアクリル板の上方から表面が疎水性である微粒子
を散布したことの他は、実施例1と同様にして、撥水性
被膜を得た。
【0055】評価 実施例1〜6及び比較例1〜3で使用した表面が疎水性
である微粒子を板状体の上に多数載せ、次いでこれを圧
縮し、得られた平板の水との接触角を、後述の被膜の接
触角の測定と同様にして測定し、得られた値を表1に
「基材の接触角」として示した。なお、シリカ微粒子は
圧縮して測定することができなかったが、本発明に使用
するのに十分な撥水性を持つと考えられる。また、実施
例1〜6及び比較例1〜3において、表面が疎水性であ
る微粒子を塗膜に付着させずに、塗膜のみが硬化された
ものを作製し、その表面固有抵抗値をASTM−D25
7に準拠して測定し、表1に示した。
【0056】実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた
撥水性被膜について以下のようにして、微粒子露出表面
積、被膜の接触角及び塵埃付着性を測定して表1に示し
た。
【0057】微粒子露出表面積:走査型電子顕微鏡写真
から微粒子露出表面積の割合を求めた。撮影は被膜表面
5mm×5mmの部分について、被膜面垂直方向から行
い、写真において微粒子露出部分の映像が占める面積を
撮影部の全面積で除することにより、微粒子露出表面積
の割合を求めた。 被膜の接触角の測定:室温23℃、湿度50%の室内に
おいて、針先に小さい水滴をつけ、これを上記被膜上に
付着させ、その状態で接触角計(協和界面科学社製、接
触角計CA−D型)を使用して接触角の測定を行った。 塵埃付着性の測定:被膜を室内において水平面から60
度の角度で固定し、1週間放置して塵埃の付着の有無を
確認し、付着が認められなかったときは○、付着が認め
られた場合は×で示した。
【0058】
【表1】
【0059】実施例1〜3については被膜の撥水性が高
いためにポリテトラフルオロエチレン被覆の針を使用し
ても被膜に水滴を落とすことができなかった。接触角1
60°の時は水滴を落とすことができたため、この時の
接触角は160°以上とした。
【0060】
【発明の効果】本発明の撥水性被膜は上述のとおりであ
り、少なくとも表面が疎水性である平均粒径1nm〜1
mmの微粒子を、樹脂塗膜に固着することにより表面に
凹凸形状を設けて粗面化したので、基体をあらかじめ粗
面化する必要がなく、安定した撥水性能を有し、また表
面を一層被覆する量の微粒子だけで、蓮の葉の表面を水
滴が転がるのと同様の優れた撥水性を発現する。また、
被膜に帯電防止性樹脂組成物が含まれているので、塵埃
の付着を効果的に防止する。さらに、塗膜となる樹脂の
選択巾が広く、各種の基体に対して撥水性及び帯電防止
性を付与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/16 106

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表面が疎水性である平均粒径
    1nm〜1mmの微粒子と帯電防止性樹脂組成物塗膜か
    らなり、該微粒子が該帯電防止性樹脂組成物塗膜表面積
    の20%以上の領域に露出されて固着されていることを
    特徴とする撥水性被膜。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の微粒子が、水との接触角
    が90°以上である基材からなる微粒子、又は表面に低
    級アルキル基を有する疎水性シリカ微粒子である撥水性
    被膜。
  3. 【請求項3】 帯電防止性樹脂組成物塗膜が、(a)少
    なくとも表面が酸化錫から成る導電性粉末、又はアニリ
    ン系重合体からなる導電性粉末100重量部及び(b)
    不飽和ポリエステル樹脂、分子内に少なくとも2個以上
    の(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート化合
    物、又はこれらの混合物からなる重合性化合物5〜50
    00重量部からなる混合物を主成分とする樹脂組成物が
    硬化されたものである請求項1又は請求項2記載の撥水
    性被膜。
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