JPH07323892A - 船舶推進装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 垂直ベベルギヤの倒れを防いで円滑な動力伝
達を実現するととももに、垂直ベベルギヤを支承する軸
受の負荷を低減して該軸受の耐久性向上を図ることがで
きる船舶推進装置を提供すること。 【構成】 船舶推進装置１において、垂直ベベルギヤ１
１，１２に軸方向に延びるフランジ部１１ａ，１２ａを
設け、フランジ部１２ａを挟んでこれの内側と外側に内
軸５と外軸６をそれぞれ配して３層構造を構成する。本
発明によれば、垂直ベベルギヤ１１，１２の内軸５上で
の支持長さが長くなり、動力伝達時の垂直ベベルギヤ１
１，１２の内軸５上での倒れが防がれて円滑な動力伝達
が可能となるとともに、該垂直ベベルギヤ１１，１２を
支承するテーパローラベアリング（軸受）１４，１８の
負荷が低減されてこれらの耐久性が高められる。又、内
軸５と垂直ベベルギヤ１２及び外軸６は径方向に重なる
３層構造を構成し、該３層構造においては摺動部分がな
く、各部材は回転するのみであるため、各部材間にガタ
付きが発生することがない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、前後２枚のプロペラを
互いに逆方向に回転駆動する所謂二重反転方式を採用す
る船舶推進装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】船外機等に設けられる船舶推進装置にお
いて、二重反転方式を採用すれば高い推進効率が得られ
ることは既に知られている。斯かる船舶推進装置は、一
方向に回転する入力軸と、該入力軸の端部に結着された
水平ベベルギヤと、該水平ベベルギヤに噛合する前後一
対の垂直ベベルギヤと、互いに独立して回転する内軸及
び外軸と、該内軸と外軸の各後端部に結着された前後２
枚のプロペラを含んで構成され、前記垂直ベベルギヤの
回転を前記内軸と外軸に伝達して前記プロペラを互いに
逆方向に回転駆動して高い推進効率を得るものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、斯かる船舶
推進装置にあっては、エンジン動力は入力軸から水平ベ
ベルギヤを経て垂直ベベルギヤに伝達されるが、垂直ベ
ベルギヤに倒れが生ずると円滑な動力伝達ができないば
かりか、該垂直ベベルギヤを支承する軸受の負荷が大き
くなって該軸受の耐久性に問題を生ずる。

【０００４】従って、本発明の目的とする処は、垂直ベ
ベルギヤの倒れを防いで円滑な動力伝達を実現するとと
もに、垂直ベベルギヤを支承する軸受の負荷を低減して
該軸受の耐久性向上を図ることができる船舶推進装置を
提供することにある。

【０００５】又、この種の船舶推進装置においては、前
後進の切り換え時に前記垂直ベベルギヤに選択的に係合
する前後一対のスライダが内軸と外軸にそれぞれスプラ
イン嵌合されて設けられるが、各スライダの摺動性を高
めるには内軸と外軸の振れを小さく抑える必要がある。

【０００６】従って、本発明の他の目的とする処は、外
軸の振れを小さく抑えてこれにスプライン嵌合するスラ
イダの摺動性を高め、前後進の切換操作を円滑に行うこ
とができる船舶推進装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１記載の発明は、一方向に回転する入力軸
と、該入力軸の端部に結着された水平ベベルギヤと、該
水平ベベルギヤに噛合する前後一対の垂直ベベルギヤ
と、互いに独立して回転する内軸及び外軸と、該内軸と
外軸の各後端部に結着された前後２枚のプロペラを有
し、前記垂直ベベルギヤの回転を前記内軸と外軸に伝達
して前記プロペラを互いに逆方向に回転駆動する船舶推
進装置において、前記垂直ベベルギヤの少なくとも一方
に軸方向に延びるフランジ部を設け、該フランジ部を挟
んでこれの内側と外側に前記内軸と外軸をそれぞれ配し
て３層構造を構成したことを特徴とする。

【０００８】又、請求項２記載の発明は、前記請求項１
記載の発明において、前記垂直ベベルギヤのフランジ部
の外周に、前記外軸の前端部を支承する軸受を設けたこ
とを特徴とする。

【０００９】

【作用】請求項１記載の発明によれば、垂直ベベルギヤ
にフランジ部が形成されるため、該垂直ベベルギヤの内
軸上での支持長さがフランジ部の軸方向長さ分だけ長く
なり、動力伝達時の垂直ベベルギヤの内軸上での倒れが
防がれて円滑な動力伝達が可能となるとともに、該垂直
ベベルギヤを支承する軸受の負荷が低減されて該軸受の
耐久性が高められる。そして、内軸と垂直ベベルギヤ及
び外軸とは径方向に重なる３層構造を構成し、該３層構
造においては摺動部分がなく、各部材は回転するのみで
あるため、各部材間にガタ付きが発生することがない。

【００１０】又、請求項２記載の発明によれば、外軸は
その前端部を軸受によって支承されるため、その軸受ス
パン（外軸の前後２点を支承する両軸受間の距離）が長
くなって外軸の振れが小さく抑えられ、該外軸にスプラ
イン嵌合するスライダの摺動性が高められて前後進の切
換操作が円滑になされる。

【００１１】

【実施例】以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

【００１２】図１は本発明の第１実施例に係る船舶推進
装置の側断面図、図２は同船舶推進装置要部の拡大断面
図、図３は船外機の側面図である。

【００１３】図３に示す船外機５０は、クランプブラケ
ット５１によって船体６０の船尾板６０ａに取り付けら
れており、該船外機５０の上部のハウジング５２内には
不図示のエンジンが収納されている。又、船外機５０の
下部には本発明に係る船舶推進装置１が設けられてお
り、該船舶推進装置１は、前進時には不図示の前記エン
ジンによってその前後一対のプロペラ２，３が互いに逆
方向に回転駆動される所謂二重反転方式を採用してい
る。

【００１４】ここで、本発明に係る前記船舶推進装置１
の構成の詳細を図１及び図２に基づいて説明する。

【００１５】図１において、４はロアケースであって、
このロアケース４の下部には内外二重軸を構成する中実
の内軸５と中空の外軸６が前後方向（図１の左右方向）
に水平に、且つ、回転自在に配されている。

【００１６】そして、上記外軸６のロアケース４から後
方へ延出する後端部には前記前プロペラ２がダンパ部材
７を介して結着されており、該前プロペラ２の後方であ
って、且つ、内軸５の外軸６から後方へ延出する後端部
には前記後プロペラ３がダンパ部材８を介して結着され
ている。

【００１７】ところで、プロペラ２，３は、それぞれ内
筒２ａ，３ａと外筒２ｂ，３ｂ、これら内筒２ａ，３ａ
と外筒２ｂ，３ｂとを接続するリブ２ｃ，３ｃ及び外筒
２ｂ，３ｂの外周に一体に形成された複数枚の羽根２
ｄ，３ｄによって構成されている。そして、各内筒２
ａ，３ａと外筒２ｂ，３ｂとの間には排気通路９が形成
されており、該排気通路９は、ロアケース４に形成され
た排気通路１０に連通されている。尚、排気通路１０は
不図示のエンジンの排気系に接続されている。

【００１８】又、図２に詳細に示すように、前記内軸５
の前端外周部には前後一対の垂直ベベルギヤ１１，１２
が自由回転自在に支承されている。

【００１９】即ち、前側の垂直ベベルギヤ１１には前方
（図２の左方）へ延びるフランジ部１１ａが一体に形成
されており、該垂直ベベルギヤ１１はニードルベアリン
グ１３を介して内軸５に自由回転自在に支承されるとと
もに、その外周部はテーパローラベアリング１４を介し
てロアケース４に回転自在に支承されている。又、後側
の垂直ベベルギヤ１２にも後方（図２の右方）へ延びる
フランジ部１２ａが一体に形成されており、該垂直ベベ
ルギヤ１２はメタルベアリング１５を介して内軸５に自
由回転自在に支承されている。

【００２０】ところで、前記外軸６の前端部には筒状部
６ａが形成されており、該筒状部６ａの外周にはスラス
ト受け用フランジ６ｂが一体に形成されている。そし
て、この外軸６の筒状部６ａの前端内周部は、前記垂直
ベベルギヤ１２のフランジ部１２ａの外周に設けられた
ニードルベアリング１６によって回転自在に支承され、
同筒状部６ａの前端外周部は、ベアリングハウジング１
７に保持されたテーパローラベアリング１８によって回
転自在に支承されている。尚、外軸６のスラスト受け用
フランジ６ｂとベアリングハウジング１７との間には、
図２に詳細に示すように、２枚のリング状減摩部材１９
が介設されている。

【００２１】従って、本実施例においては、図２に詳細
に示すように、後側の垂直ベベルギヤ１２のフランジ部
１２ａを挟んでこれの内側と外側には内軸５と外軸６が
それぞれ配され、これらの内軸５と垂直ベベルギヤ１２
及び外軸６とは径方向に重なる３層構造を構成してい
る。

【００２２】一方、図１に示すように、外軸６の軸方向
中間部の外周はニードルベアリング２０を介して前記ベ
アリングハウジング１７に回転自在に支承されている。
尚、ベアリングハウジング１７は、その前端外周部がロ
アケース４に嵌合され、後端部はロアケース４に螺着さ
れたリングナット２１によって位置決め固定されてい
る。

【００２３】ところで、内軸５の前端外周部であって、
且つ、前後一対の垂直ベベルギヤ１１，１２の内側部分
には、第１のスライダ２２が内軸５に沿って前後方向に
摺動自在にスプライン嵌合されている。同様に内軸５の
前記後側の垂直ベベルギヤ１２の後方であって、外軸６
の前端部に形成された筒状部６ａ内には、第２のスライ
ダ２３が前後方向に摺動自在に嵌合されており、該スラ
イダ２３の外周部は外軸６の前記筒状部６ａの内周部に
スプライン嵌合されている。

【００２４】而して、内軸５の先端部の中心部には円筒
状のプランジャ２４が前後方向に摺動自在に嵌装されて
おり、該プランジャ２４には、内軸５に貫設された長孔
５ａ，５ｂにそれぞれ挿通するピン２５，２６が軸直角
方向に挿通されている。

【００２５】そして、前記第１のスライダ２２はピン２
５によってプランジャ２４に連結されており、前記第２
のスライダ２３はピン２６によってプランジャ２４に連
結されている。従って、第１のスライダ２２と第２のス
ライダ２３とはプランジャ２４とピン２５，２６によっ
て互いに連結されており、両者はピン２５，２６が長孔
５ａ，５ｂ内を移動し得る範囲内で前後方向に摺動可能
である。

【００２６】一方、図２に詳細に示すように、前記第１
のスライダ２２の前、後端部には、垂直ベベルギヤ１
１，１２の各内側に形成された爪１１ａ，１２ａに対し
てそれぞれ選択的に係合する爪２２ａ，２２ｂが形成さ
れており、前記第２のスライダ２３の前端部には、後側
の垂直ベベルギヤ１２の外側に形成された爪１２ｂに対
して係脱する爪２３ａが形成されている。

【００２７】他方、ロアケース４内には、不図示のエン
ジンによって一方向に回転駆動される入力軸２７と、該
入力軸２７と平行に延在するシフトロッド２８が垂設さ
れており、入力軸２７の下端には、前記一対の垂直ベベ
ルギヤ１１，１２に噛合する水平ベベルギヤ２９が結着
されている。

【００２８】又、前記シフトロッド２８の下端部にはシ
フトカム３０が結着されており、該シフトカム３０の下
部には、シフトロッド２８の軸中心（回動中心）に対し
て偏心した偏心ピン３０ａが突設されており、該偏心ピ
ン３０ａは、前記プランジャ２４に連結された摺動部材
３１に挿通されている。

【００２９】次に、本実施例に係る船舶推進装置１の作
用を説明する。

【００３０】不図示のエンジンが駆動され、該エンジン
によって入力軸２７が一方向に回転駆動されると、該入
力軸２７の回転は水平ベベルギヤ２９を介して前後一対
の垂直ベベルギヤ１１，１２に伝達され、両垂直ベベル
ギヤ１１，１２が互いに逆方向に常時回転駆動される。
尚、水平ベベルギヤ２９と垂直ベベルギヤ１２との噛み
合いによって垂直ベベルギヤ１２に発生する反力はスラ
ストニードルベアリング３５（図２参照）によって受け
られる。

【００３１】ここで、不図示のシフトレバーを「中立位
置」にセットすると、図１及び図２に示すように、第１
のスライダ２２と第２のスライダ２３は共に垂直ベベル
ギヤ１１，１２に噛み合わない（即ち、第１のスライダ
２２の爪２２ａ，２２ｂが垂直ベベルギヤ１１，１２の
各内側に形成された爪１１ａ，１２ａに係合せず、第２
のスライダ２３の爪２３ａが垂直ベベルギヤ１２の外側
に形成された爪１２ｂに係合しない）中立状態に保た
れ、このとき、両垂直ベベルギヤ１１，１２は自由回転
（空転）し、入力軸２７の回転は内軸５及び外軸６に伝
達されない。従って、前後のプロペラ２，３は共に回転
せず、推進力は発生しない。

【００３２】次に、シフトレバーを「前進位置」にセッ
トすると、前記シフトロッド２８とシフトカム３０が所
定の方向に所定角度だけ回動せしめられ、第１のスライ
ダ２２が前方へ摺動せしめられる。すると、ピン２５，
２６及びプランジャ２４によって第１のスライダ２２に
連結された第２のスライダ２３も第１のスライダ２２と
共に前方へ摺動し、第１のスライダ２２の爪２２ａは前
側の垂直ベベルギヤ１１の爪１１ａに噛合し、第２のス
ライダ２３の爪２３ａは後側の垂直ベベルギヤ１２の爪
１２ｂに噛合する。

【００３３】而して、入力軸２７の回転は水平ベベルギ
ヤ２９と垂直ベベルギヤ１２及び第２のスライダ２３を
経て外軸６に伝達されるとともに、水平ベベルギヤ２９
と垂直ベベルギヤ１１及び第１のスライダ２２を経て内
軸５に伝達され、外軸６及びこれに結着された前側プロ
ペラ２と内軸５とこれに結着された後側プロペラ３とが
互いに逆方向に回転駆動される。このように、前進時に
おいては、前後一対のプロペラ２，３が互いに逆方向に
回転駆動される二重反転方式が実行されるため、これら
のプロペラ２，３には高い推進効率が得られる。ここ
で、前進時に外軸６に作用するスラスト力はテーパロー
ラベアリング１８及びスペーサ３６（図２参照）を介し
てロアケース４に伝達される。

【００３４】尚、エンジンからの排気ガスは、ロアケー
ス４に形成された前記排気通路１０及びプロペラ２，３
の外筒２ｂ，３ｂ内に形成された前記排気通路９を流
れ、プロペラ３の後端部から水中に排出される。

【００３５】次に、不図示のシフトレバーを「後進位
置」にセットすると、前記シフトロッド２８とシフトカ
ム３０が所定の方向に所定角度だけ回動せしめられ、第
１のスライダ２２と第２のスライダ２３が後方に摺動
し、第２のスライダ２３の垂直ベベルギヤ１２との噛合
が解除される一方、第１のスライダ２２の噛合が前側の
垂直ベベルギヤ１１から後側の垂直ベベルギヤ１２に切
り換えられる。即ち、第１のスライダ２２の爪２２ａが
前側の垂直ベベルギヤ１１の爪１１ａから離脱して後側
の垂直ベベルギヤ１２の爪１２ａに噛合する。

【００３６】このため、入力軸２７の回転は水平ベベル
ギヤ２９と後側の垂直ベベルギヤ１２及び第１のスライ
ダ２２を経て内軸５のみに伝達され、外軸６には伝達さ
れず、内軸５とこれに結着された後側プロペラ３のみが
前進時とは逆方向に回転駆動される。尚、後進時又は減
速時に外軸６に作用するスラスト力はリング状減摩部材
１９を介してベアリングハウジング１７に伝達される。

【００３７】而して、本実施例によれば、前後の各垂直
ベベルギヤ１１，１２にフランジ部１１ａ，１２ａがそ
れぞれ形成されているため、該垂直ベベルギヤ１１，１
２の内軸５上での各支持長さがフランジ部１１ａ，１２
ａの軸方向長さ分だけ長くなり、動力伝達時の両垂直ベ
ヘルギヤ１１，１２の内軸５上での倒れが防がれて円滑
な動力伝達が可能となるとともに、該垂直ベベルギヤ１
１，１２を支承するテーパローラベアリング１４，１８
の負荷が低減されて該テーパローラベアリング１４，１
８の耐久性が高められる。そして、本実施例において
は、前述のように内軸５と垂直ベベルギヤ１２及び外軸
６とは径方向に重なる３層構造を構成しており、該３層
構造においては摺動部分がなく、各部材は回転するのみ
であるため、各部材間にガタ付きが発生することがな
い。

【００３８】又、本実施例によれば、外軸６はその前端
部をニードルベアリング１６によって支承されるため、
該ニードルベアリング１６と後側の前記ニードルベアリ
ング２０との間の距離（図１に示す軸受スパンＬ）が長
くなって外軸６の振れが小さく抑えられ、該外軸６にス
プライン嵌合する第２のスライダ２３の摺動性が高めら
れて前後進の切換操作が円滑になされる。

【００３９】更に、本実施例では、外軸６の筒状部６ａ
の外周面をテーパローラベアリング１８によって支承し
ているため、垂直ベベルギヤ１２と外軸６の振れが一層
小さく抑えられる。

【００４０】次に、本発明の第２、第３及び第４実施例
を図４、図５及び図６にそれぞれ示す。尚、図４、図５
及び図６は本発明の第２、第３及び第４実施例に係る船
舶推進装置要部の拡大断面図であり、これらの図におい
ては図２に示したと同一要素には同一符号を付してお
り、以下、それらについての説明は省略する。

【００４１】図４に示す第２実施例においては、前記第
１実施例に対して外軸６に後進時或は減速時に作用する
スラスト力を受けるためのスラスト受け用フランジ６ｂ
を後方（図４の右方）に移動させ、該スラスト受け用フ
ランジ６ｂとベアリングハウジング１７の間に２枚の減
摩部材１９（１９Ａ，１９Ｂ）を介設しており、他の構
成は前記第１実施例のそれと同様である。ここで、一方
の減摩部材１９Ａはその内周端面が外軸６に当接する一
方、外周端面がベアリングハウジング１７に対して離隔
しており、他方の減摩部材１９Ｂは逆にその内周端面が
外軸６に対して離隔する一方、外周端面がベアリングハ
ウジング１７に当接しているため、後進時或は減速時に
おいて外軸６に作用するスラスト力をベアリングハウジ
ング１７に確実に伝達することができるとともに、外軸
６の回転を円滑に行うことができる。

【００４２】又、図５に示す第３実施例においては、外
軸６の前端外周部をニードルベアリング３２で支承する
とともに、外軸６のスラスト受け用フランジ６ｂとスペ
ーサ３３との間にスラストニードルベアリング３４を介
設し、外軸６に作用するジヤーナル荷重はニードルベア
リング３２によって受け、スラスト荷重はスラストニー
ドルベアリング３４によって受けるようにしており、そ
の他の構成は前記第１実施例のそれと同様である。

【００４３】更に、図６に示す第４実施例は基本的に上
記第３実施例と同様であるが、スラストニードルベアリ
ング３２としてアウターレース付きのものを使用してお
り、他の構成は前記第１実施例のそれと同様である。

【００４４】而して、以上説明した第２、第３及び第４
実施例においても、前記第１実施例と同様に垂直ベベル
ギヤ１１，１２にフランジ部１１ａ，１２ａが形成さ
れ、内軸５と垂直ベベルギヤ１２及び外軸６とは径方向
に重なる３層構造を構成し、更に、外軸６はその前端部
をニードルベアリング１６によって支承されるため、前
記第１実施例と同様の効果が得られる。

【００４５】尚、以上の実施例では、本発明に係る船舶
推進装置を船外機に適用した場合について説明したが、
本発明に係る船舶推進装置は、エンジンを船内に、推進
装置を船外に配した所謂船内外機にも適用し得ることは
勿論である。

【００４６】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項１
記載の発明によれば、一方向に回転する入力軸と、該入
力軸の端部に結着された水平ベベルギヤと、該水平ベベ
ルギヤに噛合する前後一対の垂直ベベルギヤと、互いに
独立して回転する内軸及び外軸と、該内軸と外軸の各後
端部に結着された前後２枚のプロペラを有し、前記垂直
ベベルギヤの回転を前記内軸と外軸に伝達して前記プロ
ペラを互いに逆方向に回転駆動する船舶推進装置におい
て、前記垂直ベベルギヤの少なくとも一方に軸方向に延
びるフランジ部を設け、該フランジ部を挟んでこれの内
側と外側に前記内軸と外軸をそれぞれ配して３層構造を
構成したため、垂直ベベルギヤの倒れを防いで円滑な動
力伝達を実現するとともに、垂直ベベルギヤを支承する
軸受への負荷を低減して該軸受の耐久性向上を図ること
ができるという効果が得られる。

【００４７】又、請求項２記載の発明によれば、前記請
求項１記載の発明において、前記垂直ベベルギヤのフラ
ンジ部の外周に、前記外軸の前端部を支承する軸受を設
けたため、外軸の振れを小さく抑えてこれにスプライン
嵌合するスライダの摺動性を高め、前後進の切換操作を
円滑に行うことができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係る船舶推進装置の側断
面図である。

【図２】本発明の第１実施例に係る船舶推進装置要部の
拡大断面図である。

【図３】船外機の側面図である。

【図４】本発明の第２実施例に係る船舶推進装置要部の
拡大断面図である。

【図５】本発明の第３実施例に係る船舶推進装置要部の
拡大断面図である。

【図６】本発明の第４実施例に係る船舶推進装置要部の
拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 船舶推進装置 ２，３ プロペラ ５ 内軸 ６ 外軸 １１，１２ 垂直ベベルギヤ １１ａ，１２ａ フランジ部 １６，２０ ニードルベアリング（軸受） ２７ 入力軸 ２９ 水平ベベルギヤ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方向に回転する入力軸と、該入力軸の
   端部に結着された水平ベベルギヤと、該水平ベベルギヤ
   に噛合する前後一対の垂直ベベルギヤと、互いに独立し
   て回転する内軸及び外軸と、該内軸と外軸の各後端部に
   結着された前後２枚のプロペラを有し、前記垂直ベベル
   ギヤの回転を前記内軸と外軸に伝達して前記プロペラを
   互いに逆方向に回転駆動する船舶推進装置において、前
   記垂直ベベルギヤの少なくとも一方に軸方向に延びるフ
   ランジ部を設け、該フランジ部を挟んでこれの内側と外
   側に前記内軸と外軸をそれぞれ配して３層構造を構成し
   たことを特徴とする船舶推進装置。
2. 【請求項２】 前記垂直ベベルギヤのフランジ部の外周
   に、前記外軸の前端部を支承する軸受を設けたことを特
   徴とする請求項１記載の船舶推進装置。