JPH06221383A - 船舶推進装置 - Google Patents

船舶推進装置

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Publication number
JPH06221383A
JPH06221383A JP5291077A JP29107793A JPH06221383A JP H06221383 A JPH06221383 A JP H06221383A JP 5291077 A JP5291077 A JP 5291077A JP 29107793 A JP29107793 A JP 29107793A JP H06221383 A JPH06221383 A JP H06221383A
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JP
Japan
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shaft
input shaft
bevel gear
switching mechanism
input
Prior art date
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Pending
Application number
JP5291077A
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English (en)
Inventor
Akihiro Onoe
昭博 尾上
Ryoji Nakahama
良二 中濱
Hiroshi Hagino
浩 萩野
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Yamaha Marine Co Ltd
Original Assignee
Sanshin Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 船外機等の下部の構造を単純化してプロペラ
ボス部内に排気通路を確保することができる船舶推進装
置を提供すること。 【構成】 鉛直方向に延在してエンジン動力を伝達する
入力軸15,16と、入力軸16の下端部に結着された
水平ベベルギヤ19と、該水平ベベルギヤ19に噛合す
る前後一対の垂直ベベルギヤ12,14と、互いに独立
して回転する内軸5及び外軸6と、該内軸5と外軸6の
各々に結着されたプロペラ2,3を有し、前記垂直ベベ
ルギヤ12,14の回転を前記内軸5と外軸6に伝達し
て前進時に前記プロペラ2,3を互いに逆方向に回転駆
動する船舶推進装置1において、前記内軸5と外軸6の
各一端に前記垂直ベベルギヤ12,14をそれぞれ結着
するとともに、前記入力軸15,16の中間に前後進切
換機構20を介設する。本発明によれば、船外機等下部
の構造が単純化し、プロペラ2,3の外筒2b,3b内
に排気通路9を確保することができ、従来のように排気
通路を別途設ける必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、前後2枚のプロペラを
互いに逆方向に回転駆動する所謂二重反転方式を採用す
る船舶推進装置に関する。
【0002】
【従来の技術】船外機等に設けられる船舶推進装置にお
いて、二重反転方式によって前後2枚のプロペラを互い
に逆方向に回転駆動すれば、高い推進効率が得られるこ
とは既に知られている。
【0003】ところで、二重反転方式を採る従来の船舶
推進装置においては、互いに独立して回転する内軸と外
軸でプロペラ軸を構成し、該プロペラ軸と、鉛直方向に
延在する入力軸との連結部に前後進切換機構を設けてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、二重反転機
構を上述のように構成すると、船外機等の下部の構造が
複雑化し、プロペラのボス部(外筒)内に広い断面積を
有する排気通路を確保することが困難となる。
【0005】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、船外機等の下部の構造を単純
化してプロペラボス部内に広い断面積を有する排気通路
を確保することができる船舶推進装置を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明は、鉛直方向に延在してエンジン動力を伝達する入
力軸と、該入力軸の下端部に結着された水平ベベルギヤ
と、該水平ベベルギヤに噛合する前後一対の垂直ベベル
ギヤと、互いに独立して回転する内軸及び外軸と、該内
軸と外軸の各々に結着されたプロペラを有し、前記垂直
ベベルギヤの回転を前記内軸と外軸に伝達して前進時に
前記プロペラを互いに逆方向に回転駆動する船舶推進装
置において、前記内軸と外軸の各一端に前記垂直ベベル
ギヤの各々を結着するとともに、前記入力軸の中間に前
後進切換機構を介設したことを特徴とする。
【0007】又、本発明は、前記前後進切換機構をウォ
ーターポンプよりも下方であって、且つ、キャビテーシ
ョンプレートよりも上方に配置したことを特徴とする。
【0008】更に、本発明は、前後進切換機構を前記内
軸と外軸を収容するケーシングに支持せしめたことを特
徴とする。
【0009】更に又、本発明は、前記入力軸を、エンジ
ンによって回転される第1入力軸と、この第1入力軸と
同軸に配置されて該第1入力軸の回転が伝達される第2
入力軸とで構成し、前記第2入力軸と一体に回転するよ
う支持されたクラッチ体と、前記第1入力軸によって回
転される第1の歯車体と、該第1の歯車体に対して逆回
転する第2の歯車体とを有する前記前後進切換機構を前
記第1入力軸と第2入力軸との間に介設するとともに、
前記クラッチ体は前記第2入力軸の軸方向に沿って移動
して前記第1又は第2軸の歯車体に係合することによ
り、前記第1入力軸の回転を正転又は逆転可能に前記第
2入力軸に伝達することを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明に係る船舶推進装置においては、二重反
転機構の一部を構成する前後進切換機構が入力軸の中間
に配されるため、船外機等の下部の構造が単純化し、こ
のためプロペラボス部内に広い断面積を有する排気通路
を確保することができる。
【0011】又、本発明によれば、入力軸上に設けられ
たウォーターポンプが前後進切換機構の上方に配され、
該ウォーターポンプは常に一方向にのみ回転駆動される
ため、作動が安定してその機能が損なわれることがな
い。
【0012】更に、本発明によれば、二重反転機構を構
成する前後進切換機構、内軸、外軸等がケーシング内に
設けられているため、二重反転方式を採用しない従前の
船外機等の一部を当該船舶推進装置と交換するのみで二
重反転方式を取る船外機等を容易に構成することがで
き、コスト的にも有利となる。
【0013】更に又、本発明によれば、入力軸を構成す
る第1入力軸と第2入力軸とを同軸に配置するととも
に、これら第1入力軸と第2入力軸との間に前後進切換
機構を介設したため、前後進切換機構の設置スペースを
縮小することができ、船外機の推進抵抗を小さく抑える
ことができる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0015】図1は本発明に係る船舶推進装置を示す船
外機下部の側断面図、図2は同船舶推進装置の前後進切
換機構部の拡大断面図、図3は同前後進切換機構部の斜
視図、図4は船外機の側面図、図5はシフタの移動を示
す模式図、図6は図5のA−A線断面図、図7は図2の
B−B線断面図、図8は図7のC−C線断面図、図9は
シフタがコーンに与える反力の分解図である。
【0016】図4に示す船外機50は、クランプブラケ
ット51によって船体60の船尾板60aに取り付けら
れており、該船外機50の上部のハウジング52内には
不図示のエンジンが収納されている。又、船外機50の
下部には本発明に係る船舶推進装置1が設けられてお
り、該船舶推進装置1は、前進時には不図示の前記エン
ジンによってその前後2枚のプロペラ2,3が互いに逆
方向に回転駆動される所謂二重反転方式を採用してい
る。尚、船舶推進装置1のケーシング4はアッパーケー
シング53に対して着脱自在に取り付けられている。
【0017】ここで、本発明に係る上記船舶推進装置1
の構成の詳細を図1乃至図3に基づいて説明する。
【0018】図1において、4はケーシングであって、
このケーシング4の下部には内外二重軸を構成する中実
の内軸5と中空の外軸6が前後方向(図1の左右方向)
に水平に、且つ、回転自在に配されている。
【0019】そして、外軸6のケーシング4から後方へ
延出する後端部には前記前側プロペラ2が結着されてお
り、該前側プロペラ2の後方であって、且つ、内軸5の
外軸6から後方へ延出する後端部には前記後側プロペラ
3が結着されている。尚、図1において56はニードル
ベアリングである。
【0020】ところで、プロペラ2,3は、それぞれ内
筒2a,3aと外筒2b,3b、これら内筒2a,3a
と外筒2b,3bとを接続するリブ2c,3c及び外筒
2b,3bの外周に一体に形成された複数枚の羽根2
d,3dによって構成されており、各内筒2a,3aと
外筒2b,3bとの間には排気通路9が形成されてお
り、該排気通路9は、ケーシング4に形成された排気通
路10に連通されている。尚、排気通路10は不図示の
エンジンの排気系に接続されている。
【0021】又、前記内軸5の前端部の外周にはベアリ
ング11によって回転自在に支承された垂直ベベルギヤ
12が結着されており、該垂直ベベルギヤ12の後方で
あって、且つ、前記外軸6の前端部の外周にはベアリン
グ13によって回転自在に支承された垂直ベベルギヤ1
4が一体に形成されている。
【0022】一方、ケーシング4内には、不図示のエン
ジンからクランク軸と同軸状に鉛直下方に延出する第1
入力軸15と第2入力軸16とが互いに同軸状に設けら
れている。更に、第2入力軸16は中間軸16Aと下軸
16Bとに2分割されており、両軸16A,16Bは互
いにスプライン結合されて一体回転する。尚、中間軸1
6Aと下軸16Bを一体に構成しても良い。
【0023】而して、上記第1入力軸15と第2入力軸
16との間には前後進切換機構が20が介設されてい
る。そして、不図示のエンジンによって常に一方向に回
転駆動される第1入力軸15の途中には、該第1入力軸
15によって駆動されるウォーターポンプ17が設けら
れている。従って、本実施例においては、前記前後進切
換機構20は、ウォーターポンプ17よりも下方であっ
て、且つ、キャビテーションプレート18よりも上方に
配置されている。
【0024】又、第2入力軸16の下端には、前記前後
一対の垂直ベベルギヤ12,14に噛合する水平ベベル
ギヤ19が結着されている。
【0025】ここで、前記前後進切換機構20の構成の
詳細を図2及び図3に基づいて説明する。
【0026】前記第1入力軸15の下端には、その外周
部をベアリング21にて回転自在に支承された水平ベベ
ルギヤ22が結着されており、ベアリング23にてその
上部が回転自在に支承された第2入力軸16の上端には
水平ベベルギヤ24が自由回転自在に支承されている。
そして、上下一対の水平ベベルギヤ22,24には垂直
ベベルギヤ25が噛合している。尚、図2に示すよう
に、スリーブ43と水平ベベルギヤ22との間には減摩
部材44が設けられており、第2入力軸16と水平ベベ
ルギヤ24との間には減摩部材45が設けられている。
【0027】而して、本実施例においては、前後進切換
機構20はコーンクラッチで構成されており、これは前
記水平ベベルギヤ22、24に各々結着されてこれらと
一体に回転するドラム26,27と、前記中間軸16A
の外周に上下摺動自在に螺旋スプライン嵌合するコーン
29と、該コーン29を上下に摺動せしめてシフト操作
するシフト機構30を含んで構成されている。尚、中間
軸16Aの外周に設けられた螺旋スプラインは、コーン
29を中間軸16Aの軸方向に沿って上下動可能とする
一方で、その回転方向にロックされるように構成されて
いる。又、中間軸16Aの上端部にはスプラインは形成
されておらず、該上端部はスリーブ43及び減摩部材4
4を介して水平ベベルギヤ22の内周面に嵌合してい
る。
【0028】尚、前記上方のドラム26の内周面は下方
に向かって拡径するテーパ面を構成しており、下方のド
ラム27は上方に向かって拡径するテーパ面を構成して
いる。又、前記コーン29の中間高さ位置の外周には断
面V字状の係合溝29aが全周に亘って形成されてお
り、該係合溝29aよりも上方の外周面は上方に向かっ
て縮径するテーパ面を構成し、同係合溝29aよりも下
方の外周面は下方に向かって縮径するテーパ面を構成し
ている。
【0029】一方、前記シフト機構30は、そのハウジ
ング31内に、前記中間軸16Bに対して軸直角方向に
回動自在に配される軸32を有しており、該軸32の外
周にはハウジング31の円筒部を介して垂直ベベルギヤ
25が自由回転自在に支承されている。尚、ハウジング
31は蓋体46に挿通する不図示のボルトによってケー
シング4に取り付けられている。
【0030】そして、前記軸32の一端には、その先部
が前記コーン29に形成された前記係合溝29aに係合
するシフタ33が中心軸(軸32の回動中心)に対して
εだけ偏心した位置に螺着されており、他端面の上記シ
フタ33の中心軸33aに一致する位置(軸32の回動
中心に対してεだけ偏心した位置)には偏心ピン34が
突設されている(図3参照)。尚、軸32の外周には凹
穴32aが形成されており、該凹穴32aにはスプリン
グ35にて各々付勢された上下2つのボール36が係合
している。
【0031】又、シフト機構30のハウジング31には
スライダ37が上下摺動自在に嵌装されており、該スラ
イダ37の中心にはネジ軸38のネジ部38aが螺合挿
通しており、該ネジ軸38は、鉛直下方に延出するシフ
トロッド39の下端部にスリーブ40にて連結されてい
る。
【0032】そして、図3に示すように、上記スライダ
37から下方へ一体に延出するレバー41には側方が開
口する横U字状の溝42が形成されており、該溝42に
は、前記軸32の端面に突設された偏心ピン34が係合
している。
【0033】尚、本実施例では、図1に示すようにハウ
ジング31及び蓋体46をケーシング4とアッパーケー
シング53との合面よりも上方に突出させているが、こ
れらを合面よりも下方に位置させれば、ケーシング4を
アッパーケーシング53から取り外した際、これらがケ
ーシング4から外に飛び出さず、保管スペースが小さく
て済むというメリットが得られる。
【0034】ところで、前記内軸5の先端部には遠心ポ
ンプ47が直結されており、該遠心ポンプ47によって
油室48,49内のオイルは通路54を通って前後進切
換機構20に供給され、前後進切換機構20の潤滑及び
冷却に供されたオイルは第2入力軸16の外側の通路5
5を下って油室48,49に戻される。
【0035】次に、本発明を船内外機に適用した例を図
10に基づいて説明する。
【0036】図10に示す船内外機110においては、
船体112内にエンジン122を配置し、船体112に
固定されるジンバルハウジング114に操軸を介してジ
ンバルリング116を操舵可能に支持し、ジンバルハウ
ジング114のチルト軸117を介して推進装置118
を傾動可能に支持している。即ち、推進装置118は一
対の傾動用チルトシリンダ120によってチルト軸11
7回りに傾動してチルトアップ可能とされる。
【0037】上記推進装置118の上部には入力軸12
4が略水平に配置され、該入力軸124の前端部の自在
継手126を介してエンジン122の出力軸128が連
結されている。又、推進装置118の上部から下部に
は、入力軸124の後端部に固定された正転ギヤ130
とこれに常時噛合する被動ギヤ132を上端部に固定す
る駆動軸134が推進装置118内で垂直に配置されて
いる。
【0038】上記駆動軸134は前後進切換機構136
に接続され、この前後進切換機構136からは推進装置
118内を垂直に被駆動軸138が配設されている。
尚、前後進切換機構136の構造は、図1〜図3に示し
た前後進切換機構20の構造と同じである。
【0039】又、前記被駆動軸138の下端部にはベベ
ルギヤ140が固定され、二重反転機構のプロペラ軸1
42の前端部及びその途中には、それぞれ前記ベベルギ
ヤ140に常時噛合する一対のベベルギヤ144,14
6が固定され、更に前記プロペラ軸142の後端部には
それぞれ反転する2つのプロペラ148,150が固定
されている。
【0040】ところで、本実施例に係る船内外機110
にはシフト機構152が設けられている。このシフト機
構152は、船体112内に設けられた遠隔操作装置1
54と前記前後進切換機構136シフトロッドとの間に
レバー装置156を配置し、遠隔操作装置154とレバ
ー装置156とを入力側リモコンケーブル158で連結
し、レバー装置156と前後進切換機構136のシフト
ロッドとを出力側リモコンケーブル160で連結して構
成されている。このとき、レバー装置156は基台16
2に揺動レバー164を有し、入力側リモコンケーブル
158を揺動レバー164の一端に連結し、出力側リモ
コンケーブル160を揺動レバー164の他端に連結し
て、前記遠隔操作装置154のシフトレバー155のシ
フト操作を前後進切換機構136に伝達するようになっ
ている。
【0041】次に、本実施例に係る船舶推進装置1の作
用を、船外機に適用した場合(図1〜図4)説明する。
尚、図10に示す船内外機110に適用した場合も同様
である。
【0042】不図示のエンジンが駆動され、該エンジン
によって第1入力軸15が一方向に回転駆動されると、
ウォーターポンプ17が回転駆動されるとともに、該第
1入力軸15の回転は水平ベベルギヤ22、垂直ベベル
ギヤ25及び水平ベベルギヤ24に伝達され、上下一対
の水平ベベルギヤ22,24が互いに逆方向に常時回転
駆動される。
【0043】ここで、不図示のシフトレバーを「中立位
置」にセットすると、図1及び図2に示すように、コー
ン29が中間に位置して中立状態に保たれ、該コーン2
9がドラム26,27の何れにも嵌合せず、水平ベベル
ギヤ22,24は入力軸15,16上で空転し、第1入
力軸15の回転は第2入力軸16に伝達されない。従っ
て、内軸5と外軸6及びこれらに結着されたプロペラ
3,2は共に回転せず、中立状態においては船舶推進装
置1は推力を発生しない。
【0044】次に、不図示のシフトレバーを「前進位
置」にセットすると、前記シフトロッド39とネジ軸3
8が反時計方向(図3のO方向)に所定量だけ回転せし
められ、ネジ軸38の回転によってスライダ37が上動
する。すると、スライダ37に一体に設けられたレバー
41も同時に上動し、該レバー41はその溝42に係合
する偏心ピン34を介して軸32をその中心軸周りに図
3のW方向に所定量だけ回動せしめるため、軸32の回
動中心に対して偏心した位置に取り付けられたシフタ3
3が上動する。
【0045】ところで、コーン29は中間軸16Aの螺
旋スプラインに係合していることから、前記シフタ33
と一体となって上方に移動する。すると、コーン29は
第1入力軸15の下端で該入力軸15と一体に回転する
ベベルギヤ22に固定されたドラム26内に更に進入
し、ドラム26の内面とコーン29の外面が係合して両
者の間に摩擦力が発生し、この摩擦力によってドラム2
6とコーン29とが一体回転可能に連結される。尚、ド
ラム26とコーン29とが一体回転すると、中間軸16
Aの螺旋スプラインの作用によって、ドラム26とコー
ン29との間の摩擦力が増大し、これによってドラム2
6からコーン29に伝達される回転力が更に増大する。
【0046】コーン29には前記中間軸16Aの螺旋ス
プラインに係合するスプライン溝が形成されており、こ
の螺旋スプラインは、コーン29を中間軸16Aの軸方
向に沿って上下動可能とする一方、中間軸16Aの回転
方向はロックされるように構成されていることから、コ
ーン29と中間軸16Aは、同一方向に一体に回転す
る。
【0047】尚、図1及び図2におけるコーン29は、
シフトレバー「中立位置」に選択されている状態を示し
ている。
【0048】上述のように、コーン29が上方のドラム
26に連結されると、上方の入力軸15の回転(回転方
向は図3の矢印Q方向)は、水平ベベルギヤ22、ドラ
ム26、コーン29及び中間軸16Aを経て下軸16B
に伝達され、該下方の入力軸16が上方の入力軸15と
同方向(エンジンの回転方向(図3のQ方向))に正転
せしめられる。尚、このとき、垂直ベベルギヤ25と下
方の水平ベベルギヤ24は自由回転(空転)して動力を
伝達していない。
【0049】而して、上述のように第2入力軸16が正
転せしめられると、その回転は水平ベベルギヤ19及び
垂直ベベルギヤ12,14を経て内軸5と外軸6にそれ
ぞれ伝達され、内軸5及びこれに結着された後側プロペ
ラ3と外軸6及びこれに結着された前側プロペラ2とが
互いに逆方向に回転駆動される。このように、本実施例
に係る船舶推進装置1においては、前進時に前後のプロ
ペラ2,3が互いに逆方向に回転駆動される二重反転方
式が採用されるため、これらのプロペラ2,3には高い
推進効率が得られる。
【0050】尚、エンジンからの排気ガスは、ケーシン
グ4に形成された前記排気通路10及びプロペラ2,3
の外筒2b,3b内に形成された前記排気通路9を流
れ、プロペラ3の後端部から水中に排出される。
【0051】次に、減速しながら不図示のシフトレバー
を「後進位置」にセットすると、前記シフトロッド39
とネジ軸38が前進時とは逆方向(図3の矢印P方向)
に所定量だけ回転せしめられ、ネジ軸38の逆転によっ
てスライダ37が下動する。すると、スライダ37に一
体に設けられたレバー41も同時に下動し、該レバー4
1はその溝42に係合する偏心ピン34を介して軸32
をその中心軸周りに図3の矢印V方向に所定量だけ回動
せしめるため、軸32の回動中心に対して偏心した位置
に取り付けられたシフタ33が下動し、図5の鎖線位置
まで下降する。このとき、図6にに示すように、シフタ
33は前記コーン29の係合溝29aの下面にFD で示
す下向きの付勢力を加える。このため、図7及び図8に
示すように、第1入力軸15の回転方向(図3のQ方
向)に抵抗する反力FS を生ずるが、この反力FS は前
記螺旋スプラインにより摩擦力Ffrと下向きの力FDA
分解され(図9参照)、この下向きの力FDAが、シフタ
33がコーン29を下向きに付勢する力FD と合成され
る。
【0052】尚、図5に示すように、シフタ33が上下
動する際、シフタ33はFS 方向に若干移動する。一
方、図7に示すように、シフタ33の先端はコーン29
の係合溝29aの形状に合うように円周形状となってい
るが、シフタ33のFS 方向への前記移動を許容するた
めに、シフタ33と係合溝29aとの間には隙間が設け
られている。
【0053】この結果、コーン29はムドラム26より
遊離できるようになって下方(図3の矢印U方向)に移
動し、次いで中間軸16Aの上端で当該中間軸16Aに
回転自在に支持されるベベルギヤ24に固定されたドラ
ム27に連結される。
【0054】上述のように、コーン29が下方のドラム
27に連結されると、第1入力軸15の回転は、水平ベ
ベルギヤ22、垂直ベベルギヤ25、水平ベベルギヤ2
4、ドラム27、コーン29及び中間軸16Aを経て下
軸16Bに伝達され、該下方の入力軸16が上方の入力
軸15とは逆方向(エンジンの回転方向(図3の矢印Q
方向)とは逆方向)に逆転せしめられる。
【0055】而して、上述のように第2入力軸16が逆
転せしめられると、その回転は水平ベベルギヤ19及び
垂直ベベルギヤ12,14を経て内軸5と外軸6にそれ
ぞれ伝達され、内軸5及びこれに結着された後側プロペ
ラ3と外軸6及びこれに結着された前側プロペラ2とが
各々前進時とは逆方向に回転駆動される。尚、この後進
時においても、前側プロペラ2と後側プロペラとは互い
に逆方向に回転駆動されるため、これらのプロペラ2,
3には高い推進効率が得られる。
【0056】又、後進時においても、エンジンからの排
気ガスは、ケーシング4に形成された前記排気通路10
及びプロペラ2,3の外筒2b,3b内に形成された前
記排気通路9を流れ、プロペラ3の後端部から水中に排
出される。
【0057】以上のように、本実施例に係る船舶推進装
置1においては、二重反転機構の一部を構成する前後進
切換機構20が第1入力軸15と第2入力軸16の中間
に配されるため、船外機50の下部構造が単純化し、こ
のためプロペラ2,3の外筒2b,3b内に排気通路9
を確保することができる。
【0058】又、本実施例によれば、ウォーターポンプ
17が前後進切換機構20の上方に配され、シフト操作
とは無関係に、該ウォーターポンプ17は常に一方向に
のみ回転する第1入力軸15によって常時一方向に駆動
されるため、その作動が安定してその機能が損なわれる
ことがない。
【0059】ところで、第1入力軸15に前後進切換機
構20を設けた場合、これを収容するケーシング4が外
方に膨出して推進抵抗を増大することが考えられるが、
本実施例では、この前後進切換機構20の大半を、航走
時に水面とほぼ同一面となるキャビテーションプレート
18よりも上方に配置、即ち、前後進切換機構20の上
下方向の中心線(シフタ33位置)をキャビテーション
プレート18よりも上方に配置したため、キャビテーシ
ョンプレート18よりも下方においてケーシング4が外
方に大きく膨出することがなく、航走時の推進抵抗を小
さく抑えることができる。
【0060】更に、本実施例装置は以下の点においても
有用な効果を奏する。
【0061】即ち、ドッグクラッチ方式を用いた二重反
転プロペラ推進式の船舶推進機では、2つのドッグクラ
ッチを互いに反転する2つのギヤのそれぞれの爪に噛み
合わせることが必要であったが、爪とドッグクラッチの
噛み合いを許容する角度が2つのドッグクラッチの間で
同時に成立し難く、従って、シフトが入り難いことがあ
った。これに対して、本実施例のコーンクラッチ装置で
は、既述のように進行方向を逆転させるときコーン29
が他のドラム26又は27に容易に係合するため、シフ
トが入り易いというメリットがある。
【0062】
【発明の効果】以上の説明で明らかな如く、本発明によ
れば、鉛直方向に延在してエンジン動力を伝達する入力
軸と、該入力軸の下端部に結着された水平ベベルギヤ
と、該水平ベベルギヤに噛合する前後一対の垂直ベベル
ギヤと、互いに独立して回転する内軸及び外軸と、該内
軸と外軸の各々に結着されたプロペラを有し、前記垂直
ベベルギヤの回転を前記内軸と外軸に伝達して前進時に
前記プロペラを互いに逆方向に回転駆動する船舶推進装
置において、前記内軸と外軸の各一端に前記垂直ベベル
ギヤの各々を結着するとともに、前記入力軸の中間に前
後進切換機構を介設したため、船外機等の下部の構造を
単純化してプロペラボス部内に排気通路を確保すること
ができるという効果が得られる。
【0063】又、本発明によれば、前記前後進切換機構
をウォーターポンプよりも下方であって、且つ、キャビ
テーションプレートよりも上方に配置したため、ウォー
ターポンプは常に一方向にのみ回転駆動され、作動が安
定してその機能が損なわれることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る船舶推進装置を示す船外機下部の
側断面図である。
【図2】本発明に係る船舶推進装置の前後進切換機構部
の拡大断面図である。
【図3】本発明に係る船舶推進装置の前後進切換機構部
の斜視図である。
【図4】船外機の側面図である。
【図5】シフタの移動を示す模式図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】図2のB−B線断面図である。
【図8】図7のC−C線断面図である。
【図9】シフタがコーンに与える反力の分解図である。
【図10】船内外機の構成図である。
【符号の説明】
1 船舶推進装置 2 前側プロペラ 3 後側プロペラ 5 内軸 6 外軸 12,14 垂直ベベルギヤ 15,16 入力軸 17 ウォーターポンプ 18 キャビテーションプレート 19 水平ベベルギヤ 20 前後進切換機構

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛直方向に延在してエンジン動力を伝達
    する入力軸と、該入力軸の下端部に結着された水平ベベ
    ルギヤと、該水平ベベルギヤに噛合する前後一対の垂直
    ベベルギヤと、互いに独立して回転する内軸及び外軸
    と、該内軸と外軸の各々に結着されたプロペラを有し、
    前記垂直ベベルギヤの回転を前記内軸と外軸に伝達して
    前進時に前記プロペラを互いに逆方向に回転駆動する船
    舶推進装置において、前記内軸と外軸の各一端に前記垂
    直ベベルギヤの各々を結着するとともに、前記入力軸の
    中間に前後進切換機構を介設したことを特徴とする船舶
    推進装置。
  2. 【請求項2】 前記前後進切換機構は、前記入力軸上に
    設けられたウォーターポンプよりも下方であって、且
    つ、キャビテーションプレートよりも上方に配置される
    ことを特徴とする請求項1記載の船舶推進装置。
  3. 【請求項3】 前記前後進切換機構は、前記内軸と外軸
    を収容するケーシングに支持されていることを特徴とす
    る請求項1記載の船舶推進装置。
  4. 【請求項4】 前記入力軸を、エンジンによって回転さ
    れる第1入力軸と、この第1入力軸と同軸に配置されて
    該第1入力軸の回転が伝達される第2入力軸とで構成
    し、前記第2入力軸と一体に回転するよう支持されたク
    ラッチ体と、前記第1入力軸によって回転される第1の
    歯車体と、該第1の歯車体に対して逆回転する第2の歯
    車体とを有する前記前後進切換機構を前記第1入力軸と
    第2入力軸との間に介設するとともに、前記クラッチ体
    は前記第2入力軸の軸方向に沿って移動して前記第1又
    は第2軸の歯車体に係合することにより、前記第1入力
    軸の回転を正転又は逆転可能に前記第2入力軸に伝達す
    ることを特徴とする請求項1記載の船舶推進装置。
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