JPH07322835A - 低カロリージャム類 - Google Patents

低カロリージャム類

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JPH07322835A
JPH07322835A JP6117838A JP11783894A JPH07322835A JP H07322835 A JPH07322835 A JP H07322835A JP 6117838 A JP6117838 A JP 6117838A JP 11783894 A JP11783894 A JP 11783894A JP H07322835 A JPH07322835 A JP H07322835A
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JP
Japan
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low
calorie
jams
sucrose
erythritol
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JP6117838A
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English (en)
Inventor
Takashi Nakahisa
尊司 中久
Ko Saruwatari
香 猿渡
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Aohata Corp
Original Assignee
Aohata Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 100gあたりのエネルギー量がおよそ15
0kcal以下であり、風味良好な低カロリージャム類
を提供する。 【構成】 果実および/または野菜を原料とするジャム
類において、エリスリトールを5〜18%、蔗糖を0.
5〜13%および他の低カロリー甘味料を含んでなる低
カロリージャム類。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、甘味料として蔗糖のみ
を配合して製した従来のジャム類に比べ、エネルギー量
(ヒトに消化・吸収されるエネルギー量を指す。以下同
様)が一段と低くなっており、100gあたりのエネル
ギー量がおよそ150kcal以下となっているジャム
類、すなわち、低カロリージャム類に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、イチゴジャムやオレンジマー
マレードなどのジャム類は、果実の果肉や野菜を用いる
か、または果実の果汁と果皮を用いて、蔗糖、ペクチン
および酸味料(クエン酸など)などとともに加熱し、全
体をゲル化して製されている。このようにして製された
ジャム類の糖濃度は、配合した蔗糖と果実や野菜中にも
ともと含まれている糖類に由来して、65〜70%程度
である。またpHは、酸味料や果実中の酸性成分に由来
して2.6〜3.7程度である。そして、このような糖
濃度とpHのときに作用する高メトキシルペクチンを用
いて製されるものが多い。このようなジャム類は、風味
が良好であるものの、100gあたり270kcal以
上のエネルギー量を有するので、近年のダイエット趣向
により、カロリー制限をしている需要者に敬遠されがち
であった。
【0003】そこで、糖濃度やpHにかかわらず、2価
の金属イオンの存在によってゲル化する低メトキシルペ
クチンを用いることによって、蔗糖の配合を減らして糖
濃度50%程度とした低糖度ジャム類が多く用いられる
ようになった。また近年は、蔗糖は配合せずに、マルチ
トールに代表される低カロリー甘味料と低メトキシルペ
クチンを用いた低カロリージャム類も知られるようにな
ってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蔗糖の
配合を減らして糖度を50%程度とした前記の低糖度ジ
ャム類は、従来から知られた糖度65〜70%程度のジ
ャム類と遜色ない風味を有しているものの、100gあ
たりのエネルギー量は200kcal程度であり、カロ
リー制限をしている需要者が積極的に摂取できるほどの
エネルギーダウンはなされていない。
【0005】また、蔗糖を配合せず、マルチトールに代
表される低カロリー甘味料を用いた従来の低カロリージ
ャム類のエネルギー量は、100gあたり130〜15
0kcal程度で、一応のエネルギーダウンはなされて
いるものの、低カロリー甘味料と蔗糖とでは風味が若干
異なるうえ、蔗糖を加えない場合は、加熱された蔗糖の
持つ独特のフレーバーが得られないため、風味の点で需
要者を満足させるに至っていないという問題がある。
【0006】そこで、エネルギー量が前記の低カロリー
ジャム類と同程度か、またはそれ以下、すなわち、10
0gあたりのエネルギー量がおよそ150kcal以下
であり、風味良好なジャム類の開発が望まれていた。
【0007】本発明の目的は、このような風味の良い低
カロリージャム類を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するため種々検討して本発明に到達した。すなわ
ち本発明の低カロリージャムは、果実および/または野
菜を原料として得られるジャム類において、エリスリト
ールを9〜18%、蔗糖を0.5〜13%および他の低
カロリー甘味料を含んでなることを特徴とする。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。なお、本
発明において「%」は、全て「重量%」を指し、また
「部」は、全て「重量部」を指す。本発明の低カロリー
ジャム類は果実および/または野菜を原料とする。本発
明において果実とは、例えばリンゴ、アンズ、ブドウ、
イチジク、ブルーベリー、ラズベリー、モモ、オレンジ
などの木本性植物に結実するものを指す。
【0010】また、本発明において野菜とは蔬菜類全般
のことを指し、例えば果菜類としてはイチゴ、カボチ
ャ、メロン、スイカ、トマト、ピーマン、インゲン豆な
どが、葉菜類としてはハクサイ、キャベツ、ホウレンソ
ウなどが、根菜類としてはダイコン、ニンジン、サツマ
イモ、ジャガイモ、レンコンなどが、また花菜類として
は、食用菊、カリフラワーなどがあげられる。
【0011】なお、イチゴ、メロン、スイカなどの果菜
類は果実として分類されることがあるが、本発明におい
てもこれらの果菜類を果実として用いても差し支えな
い。
【0012】本発明においてジャム類とは、上記の果実
および/または野菜を原料として、甘味料などで甘味を
付加し、煮熟してゲル化させた食品をいい、上記の果実
から選ばれる果肉部分や野菜の一種を用いたジャムや、
これらの果肉や野菜の二種以上を混合して用いるミック
スジャムの他に、オレンジ、レモンなどの柑橘類に属す
る果実の果汁と果皮を原料とするマーマレードなども含
むものである。
【0013】また、本発明において低カロリージャム類
とは、甘味料としてマルチトールのみを用いた従来から
知られるジャム類とエネルギー量が、同程度かそれ以
下、すなわち100gあたりおよそ150kcal以下
となっているジャム類を称することとする。本発明の低
カロリージャム類は、エリスリトールを5〜18%の範
囲で含んでいる。本発明の低カロリージャムに含まれる
エリスリトールとは、構造式
【0014】
【化1】
【0015】で表される四価の糖アルコールであり、主
にブドウ糖を原料として酵母による醗酵で生産される。
天然にも藻類、キノコ類などに存在し、またワインや清
酒、醤油などにも少量含まれている。またエリスリトー
ルは、ヒトなどにおける代謝、排泄試験、ならびに腸内
細菌の利用性などから極めて低エネルギーの甘味料と考
えられており、厚生省のエネルギー評価法(平成3年8
月改正)によると、エネルギー量は0とされている。
【0016】本発明において、エリスリトールの含有量
が5%未満であると、甘味を得るためには蔗糖や他の糖
類の配合を増す必要があるので、低カロリー化が図れな
くなるという問題があり、また18%を越えるとエリス
リトールが結晶化して、食した際ザラツキが感が出るよ
うになる。エリスリトールの好ましい含有割合は、8〜
15%である。
【0017】また本発明の低カロリージャム類は蔗糖を
0.5〜13%含んでいる。蔗糖は、サトウキビやビー
トなどから分離、精製して製される砂糖の主成分であ
る。砂糖には、結晶形や精製度合いなどによってグラニ
ュー糖、上白糖、三温糖などの様々な形態があるが、本
発明の低カロリージャム類は、蔗糖として0.5〜13
%含んでいれば、いかなる形態の砂糖が用いられていて
も差し支えない。
【0018】なお、ジャム類は通常、果実および/また
は野菜を原料とし、蔗糖などの他、必要によりペクチン
などのゲル化剤やクエン酸などの酸味料を加えて加熱す
る工程を経て得られ、加熱された蔗糖はコクのあるフレ
ーバーを有するので、蔗糖はジャム類に甘味を付与する
だけでなく、独特の風味を与える役割も担っている。本
発明において、蔗糖の含有量が0.5%未満であると、
このようなコクのあるフレーバーが得られず、また13
%を越えるとエネルギー量が増大し、低カロリーのジャ
ム類が得られなくなる。蔗糖の好ましい含有割合は、
0.5〜6%である。
【0019】なお、蔗糖は、酸性下で加熱すると一部が
果糖とブドウ糖に転化する。果糖やブドウ糖は果実や野
菜にも含まれる糖類で、ジャム類に爽快な甘味を付与す
ることができるが、本発明においては果糖を1〜7%お
よび/またはブドウ糖を1〜7%含んでいると、より爽
快な甘味を有する低カロリージャム類とすることができ
る。また、果糖やブドウ糖の含有割合は果実の配合量や
蔗糖の配合量を調整したり、pHや加熱温度、加熱時間
の設定により転化率を調整したりすることになどによっ
て変化させることができる。
【0020】また、甘味料としてエリスリトールを5〜
18%と蔗糖を0.5〜13%のみを含むジャム類は、
十分な甘味が得られず、風味良好とすることができない
ので、本発明の低カロリージャム類は、さらに他の低カ
ロリー甘味料を加配する必要がある。本発明において他
の低カロリー甘味料とは、エリスリトールを除く難消化
性糖類や高甘味度甘味料のことをさす。例えば、難消化
性糖類としてはマルチトール、ソルビトール、パラチニ
ット、ラクチトール、還元澱粉糖化物などの糖アルコー
ル類(エリスリトールを除く)や、ガラクトオリゴ糖、
フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、乳果オリゴ糖などの
オリゴ糖類などが、また高甘味度甘味料としては、ステ
ビア、グリチルリチンおよびアスパルテームなどがあげ
られる。
【0021】難消化性糖類、特に糖アルコールは、蔗糖
やエリスリトールとの風味上の相性が良く、より従来の
ジャム類に近い風味とすることができるので、本発明に
おいてその他の低カロリー甘味料が難消化性糖類、特に
糖アルコールであることが好ましく、さらにはマルチト
ールであることが風味上より好ましい。また、その他の
低カロリー甘味料として難消化性糖類を用いた際の低カ
ロリージャム類中の含有割合は12〜35%が好まし
く、より好ましくは18〜24%である。難消化性糖類
を上記範囲含むことによって、従来からのジャム類の甘
味により近づけることができる。
【0022】なお、他の低カロリー甘味料としてマルチ
トールを含む低カロリージャム類を得るには、マルチト
ールを主成分とする還元麦芽糖水飴を配合すればよい。
【0023】次に、本発明の代表的な製造方法について
説明する。まず、果実および/または野菜45〜55部
に対して、エリスリトール8〜15部、蔗糖2.5〜8
部、他の低カロリー甘味料(マルチトールを約60%含
有する還元麦芽糖水飴を用いる際は30〜40部)およ
び必要により清水(各原料がなじみやすくなる)を二重
釜などに総量が105〜120部となるように入れて品
温80℃程度に達するまで攪拌しながら加熱し各原料を
なじませる。イチゴなどを用いてジャムを製するには、
ヘタなどを除いた果肉部分をそのまま、または磨り潰し
たり、裁断したりしたものを、また、柑橘類に属する果
実を用いてマーマレードを製するには果肉を圧搾して得
た果汁と、千切りしブランチングした果皮とを用いれば
良い。次に減圧濃縮機を用いて、50〜60℃で加熱し
全量が100〜105部となるように濃縮する。その後
低メトキシルペクチン、クエン酸を加え常圧下、95℃
くらいで全量が100部になるまで加熱後ただちにガラ
ス瓶などの密封容器に充填し、密封したものを必要によ
り加熱殺菌し、冷却して製する。
【0024】
【作用】本発明の低カロリージャム類が、蔗糖をわずか
0.5〜13%しか含有していないにもかかわらず、甘
味料として蔗糖のみを配合した従来から知られるジャム
類に近い良好な風味を有する理由は定かではないが、お
そらく、加熱された蔗糖の風味がエリスリトールによっ
て予想外に増幅されるためではないかと思われる。ま
た、蔗糖を含んでいるにもかかわらず、低カロリーとす
ることができるのは低カロリー甘味料であるエリスリト
ールを5〜18%含み、さらに他の低カロリー甘味料を
含んでいることによるものと思われる。
【0025】
【実施例】
(実施例1)低カロリーイチゴジャム まず、原料イチゴの果肉部分(ホール品)5,200g
にエリスリトール1,500g、蔗糖320g、還元麦
芽糖水飴(マルチトール約60%含有)3,700gお
よび清水800gを二重釜を用いて品温80℃に達する
まで攪拌しながら加熱し各原料をなじませた。次に減圧
濃縮機を用いて、全量が10.3kgになるまで55℃
で加熱し濃縮する。その後低メトキシルペクチン40
g、クエン酸10gを加え全量が10.0kgになるま
で常圧下、95℃で加熱後ただちにガラス瓶に充填し、
密封したものを90℃で10分間加熱殺菌し、冷却し
て、低カロリーイチゴジャム10.0kgを得た。この
低カロリーイチゴジャムの各甘味成分の含有割合を分析
したところ、エリスリトールが15%、蔗糖が0.7
%、果糖が3.5%、ブドウ糖が3.8%およびマルチ
トールが22%であった。
【0026】また、この低カロリーイチゴジャムは、1
00gあたりのエネルギー量が約90kcalと十分な
低カロリー化が図れており、風味も、甘味料としてマル
チトールのみを用いた低カロリーイチゴジャムに比べ、
一段と良好であった。 (実施例2)低カロリーオレンジマーマレード まず、原料オレンジの果肉を圧搾して得た果汁3,20
0gと千切りし、ブランチングした果皮1,800g
に、エリスリトール1,250g、蔗糖320g、還元
麦芽糖水飴(マルチトール約60%含有)3,600g
および清水800gを二重釜を用いて品温80℃に達す
るまで攪拌しながら加熱し各原料をなじませた。次に減
圧濃縮機を用いて、全量が10.3kgになるまで55
℃で加熱し濃縮する。その後低メトキシルペクチン40
g、クエン酸10gを加え全量が10.0kgになるま
で常圧下、95℃で加熱後ただちにガラス瓶に充填し、
密封したものを90℃で10分加熱殺菌し、冷却して、
10.0kgを得た。この低カロリーオレンジマーマレ
ードの各甘味成分の含有割合を分析したところ、エリス
リトールが12%、蔗糖が2.3%、果糖が2.2%、
ブドウ糖が2.3%およびマルチトールが22%であっ
た。
【0027】また、この低カロリーオレンジマーマレー
ドは、100gあたりのエネルギー量が約80kcal
と十分な低カロリー化が図れており、風味も、甘味料と
してマルチトールのみを用いた低カロリーオレンジマー
マレードに比べ、一段と良好であった。
【0028】
【発明の効果】本発明により、100gあたりのエネル
ギー量がおよそ150kcal以下と十分に低カロリー
化が図れており、風味も良好な低カロリージャム類が提
供される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 果実および/または野菜を原料とするジ
    ャム類において、エリスリトールを5〜18%、蔗糖を
    0.5〜13%および他の低カロリー甘味料を含んでな
    る低カロリージャム類。
  2. 【請求項2】 他の低カロリー甘味料がマルチトールで
    ある請求項1記載の低カロリージャム類。
JP6117838A 1994-05-31 1994-05-31 低カロリージャム類 Pending JPH07322835A (ja)

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