JPH07319118A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH07319118A
JPH07319118A JP6110881A JP11088194A JPH07319118A JP H07319118 A JPH07319118 A JP H07319118A JP 6110881 A JP6110881 A JP 6110881A JP 11088194 A JP11088194 A JP 11088194A JP H07319118 A JPH07319118 A JP H07319118A
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JP
Japan
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layer
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poly
gelatin
styrene
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Pending
Application number
JP6110881A
Other languages
English (en)
Inventor
Narikazu Hashimoto
斉和 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 階調が2以上の乳剤層を塗布してもムラがお
きずかつ寸度安定性に優れたハロゲン化銀写真感光材料
を提供する。 【構成】 支持体上にハロゲン化銀写真感光層を有し、
該感光剤層の階調が2以上でかつ、該支持体が主として
シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体であ
り、かつ該支持体が下記の厚みパターンを満足する感光
材料。 (1)全幅方向のMax−Min;TD R値 0〜6
μm (2)長さ方向1m長のMax−Min;MD R値
0〜6μm (3)隣接する山と谷の厚み差;MD・TD変動 0〜
6μm (4)両端の厚みの平均を基線としてこの基線より凸部
分の最大値;基線値 0〜5μm

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料に関し、更に詳しくは塗布ムラを改良し、かつ寸度安
定性に優れたハロゲン化銀写真感光材料に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般にハロゲン化銀写真感光材料(以
下、感光材料あるいは感材と略する)は温湿度、特に湿
度が変化すると寸法が変化しやすいという欠点を持って
いる。この寸法変化は特に多色印刷のための網点画像
や、精密な線画の再現が要求される印刷用感材では、極
めて重大な問題となる。このような寸法変化は感光層を
形成する保護コロイド層(ゼラチン等)および支持体の
吸湿寸度変化によって発生する。このため、寸法安定性
の改良には、保護コロイド層の改良と支持体の改良の両
者が存在するが、本発明は後者の観点から改良を行った
ものである。支持体の寸法安定性を改良する方法とし
て、従来一般に用いられてきたポリエチレンテレフタレ
ート(以下PETと略する)から、より吸湿寸度安定性
に優れた支持体に変更する方法がある。このような支持
体として、特開平3−131843号に記載されている
ような、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重
合体を用いる方法が知られている。この重合体を用いた
支持体は、極めて良好な吸湿寸度安定性を示す。しか
し、寸度安定性が強く要求される印刷感材は、カラーネ
ガとかカラーリバーサルなどに比べ階調が硬く乳剤塗布
した際にベース平面性の影響を強く受け易く乳剤のムラ
が目だち易いという問題点がある。工業的規模において
幅が50cm以上のベースに乳剤を塗布するには、ベー
スの厚みパターンの制御が極めて重要となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、階調
が2以上のいわゆる硬い感材において乳剤塗布ムラが起
きにくいシンジオタクチック構造を有する写真用支持体
とこれを用いたハロゲン化銀写真感光材料を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、感光剤
層の階調が2以上でかつ、該支持体が主としてシンジオ
タクチック構造を有するスチレン系重合体であり、かつ
該支持体が下記の厚みパターンを満足することにより達
成された。 (1)全幅方向のMax−Min;TD R値 0〜6
μm (2)長さ方向1m長のMax−Min;MD R値
0〜6μm (3)隣接する山と谷の厚み差;MD・TD変動 0〜
6μm (4)両端の厚みの平均を基線としてこの基線より凸部
分の最大値;基線値 0〜5μm これらの(1)〜(4)の技術的意義は、図解すると図
1に示す通りであって、(1)の条件は、シンジオタク
チックポリスチレン構造を有する写真用支持体の表面に
おける全幅方向の最大の高さMaxから最小の高さMi
nを引いた値をTD R値とし、その値が0〜6μmで
あるということである。同様に(2)の条件は、同支持
体の表面における長さ1mの長さの範囲での最大の高さ
Maxから最小の高さMinを引いた値をMD R値と
し、その値が0〜6μmであるということである。
(3)の条件は、同支持体における幅方向、長さ方向を
問わず、隣接する山と谷の厚み差をMD・TD変動と
し、その値が0〜6μmであるということである。(た
だし、TD方向は全巾、MD方向は、1m長測定した時
の値である。)(4)の条件は、同支持体の両端の厚み
の平均を基線としてこの基線より凸部分あるいは凹部分
の最大値を「TD基線値」とし、その値が0〜5μmで
あるということである。そして、これらの(1)の条件
からみて、この写真用支持体の表面がきわめて平滑であ
り、且つその厚みが極めて均一であるということであ
り、このような支持体を用いることにより、高コントラ
ストな画像を形成する乳剤(階調2以上)を塗布しても
乳剤の塗布ムラを生じないという極めて優れた効果を発
揮する。さらに熱収縮率を小さくすることにより、より
高コントラストな画像を形成する乳剤を塗布しても乳剤
の塗布ムラを生じない極めて優れた効果を発揮する。本
発明でいう階調(γ値)は、特性曲線の濃度0.3から
3.0での平均階調を示すものであり、2.7をΔlo
gE(濃度3.0を与える露光量の対数値と濃度0.3
を与える露光量の対数値の差)で割って得られる値で示
した。数値が大きいほど高コントラストな画像特性を有
している。
【0005】以下にこれらの支持体およびこれらの達成
方法について説明を加える。本発明の支持体に用いるシ
ンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体とは、
炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖である
フェニル基やその誘導体が交互に反対方向に位置する立
体構造を有するものであり、その立体規則性(タクティ
シティー)は同位炭素による核磁気共鳴法(13C−NM
R法)により定量されるのが一般的でかつ精度に優れ
る。この13C−NMR法により測定される立体規則性
は、連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば2個
の場合はダイアッド、3個の場合はトライアッド、5個
の場合はペンダッドによって示すことができる。本発明
に言うシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体とは、通常はラセミダイアッドで75%以上、100
%以下、好ましくは85%以上、100%以下、若しく
ははラセミペンタヘッドで30%以上、100%以下、
好ましくは50%以上、100%以下の立体規則性を有
するものである。具体的には立体規則性のポリスチレ
ン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチ
レン)、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)、ポリ
(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステ
ル)が挙げられる。ここでポリ(アルキルスチレン)と
しては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレ
ン)、ポリ(プロピルスチレン)、ポリ(ブチルスチレ
ン)、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ(ビニルナフタ
レン)、ポリ(ビニルスチレン)、ポリ(アセナフチ
ン)などがある。また、ポリ(ハロゲン化スチレン)と
しては、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレ
ン)、ポリ(フルオロスチレン)などがある。また、ポ
リ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メトキシス
チレン)、ポリ(エトキシスチレン)などがある。これ
らのなかで、より好ましいものは、ポリ(スチレン)、
ポリ(メチルスチレン)であり、さらに好ましいのが、
ポリ(スチレン)である。
【0006】これらのシンジオタクチック構造を有する
スチレン系重合体は、上述のようなホモポリマー以外に
も、共重合体であってもよい。共重合体のコモノマー成
分としては、上述のスチレン系重合体を構成するモノマ
ーのほか、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、
オクテン等のオレフィンモノマー、ブタジエン、イソプ
レン等のジエンモノマー、環状オレフィンモノマー、環
状ジエンモノマーやメタクリル酸メチル、無水マレイン
酸、アクリロニトリル等の極性ビニルモノマー等を挙げ
ることができる。これらの内、スチレンを主成分とし
て、これに、アルキルスチレン、水素化ポリスチレン、
ハロゲン化ポリスチレンを共重合したものが好ましい。
これらのなかでも、p−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−タ−シャリ−ブチルスチレン、p−クロロ
スチレン、m−クロロスチレン、p−フルオロスチレ
ン、水素化ポリスチレンであり、特に好ましいのがp−
メチルスチレンである。これらの添加量は好ましくは、
30wt%以下、0wt%以上、より好ましくは20w
t%以下、0wt%以上さらに好ましくは10wt%以
下、0wt%以上である。
【0007】また、シンジオタクチック構造を有するス
チレン系重合体と他のポリマーをブレンドして使用して
もよい。好ましいポリマーブレンド成分としては、上述
のようなシンジオタクチック構造を有するスチレン系重
合体や、アタクチック構造を有するスチレン系重合体が
相溶性の観点から好ましい。これらの中でとくに好まし
いのが、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン
を主成分とし、これに、シンジオタクチック構造を有す
るポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(m−メチルスチ
レン)、ポリ(p−タ−シャリ−ブチルスチレン)、ポ
リ(p−クロロスチレン)、ポリ(m−クロロスチレ
ン)、ポリ(p−フルオロスチレン)、ポリ(水素化ポ
リスチレン)およびこれらのアタクチック構造を有する
重合体をブレンドするのが好ましい。とくに、シンジオ
タクチック構造を有するp−メチルスチレンをブレンド
したものが好ましい。これらの添加量は好ましくは、3
0wt%以下、0wt%以上、より好ましくは20wt
%以下、0wt%以上さらに好ましくは10wt%、0
wt%以下である。
【0008】このような中で好ましいポリマー組成を下
記に示す。(ここで、syn はシンジオタクチック、atc
はアタクチックを示す。) (1)ホモポリマー P−1:syn−ポリ(スチレン) P−2: 〃 −ポリ(p−メチルスチレン) P−3: 〃 −ポリ(p−クロロスチレン) P−4: 〃 −ポリ(水素化スチレン) (2)コポリマー wt% P−5:syn−ポリ(スチレン/p−メチルスチレン) (95/5) P−6: 〃 −ポリ(スチレン/p−メチルスチレン) (85/15) P−7: 〃 −ポリ(スチレン/p−クロロスチレン) (95/5) P−8: 〃 −ポリ(スチレン/p−クロロスチレン) (85/15) P−9: 〃 −ポリ(スチレン/水素化スチレン) (95/5) P−10: 〃 −ポリ(スチレン/水素化スチレン) (85/15) P−11: 〃 −ポリ(スチレン/水素化スチレン/p−メチルスチレン) (95/5/5) (3)ポリマーブレンド 重量% P−12:snd−ポリ(スチレン)+syn−ポリ(p−メチルスチレン) (95/5) P−13: 〃 −ポリ(スチレン)+ 〃 (85/15) P−14: 〃 −ポリ(スチレン)+syn−ポリ(p−クロロスチレン) (95/5) P−15: 〃 −ポリ(スチレン)+ 〃 (85/15) P−16: 〃 −ポリ(スチレン)+syn−ポリ(水素化スチレン) (95/5) P−17: 〃 −ポリ(スチレン)+ 〃 (85/15) P−18: 〃 −ポリ(スチレン)+atc−ポリ(スチレン) (95/5) P−19: 〃 −ポリ(スチレン)+ 〃 (85/15) P−20: 〃 −ポリ(スチレン)+atc−ポリ(p−メチルスチレン) (95/5) P−21: 〃 −ポリ(スチレン)+ 〃 (85/15) P−22: 〃 −ポリ(スチレン)+atc−ポリ(水素化スチレン) (95/5) P−23: 〃 −ポリ(スチレン)+ 〃 (85/15) P−24: 〃 −ポリ(スチレン)+atc−ポリ(スチレン)+syn−ポ リ(p−メチルスチレン) (95/5/5)
【0009】これらのスチレン系重合体の分子量は、重
量平均分子量が10万以上80万以下のものが好まし
く、特に好ましくは、20万以上60万以下のものであ
る。さらに分子量分布は、重量平均分子(Mw)/数平均
分子量(Mn)が1.5以上、5以下、さらに好ましくは
2以上4以下が好ましい。
【0010】このようなシンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体は、例えば不活性炭化水素溶媒中ま
たは、溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水とトリア
ルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレ
ン系単量体(上記スチレン系重合体に対応する単量体)
を重合することにより製造することができる。(特開昭
62−187708号公報)。あるいは、チタン化合物
及びカチオンと複数の基が元素に結合したアニオンとか
らなる化合物を触媒として重合することにより製造する
ことができる。(特開平4−249504)。
【0011】またさらに本発明の目的を妨げない範囲
で、シリカ、タルク、チタニア、アルミナ、炭酸カルシ
ウム、酸化カルシウム、塩化カルシウム等およびこれら
の混合物等の無機微粒子、架橋ポリスチレン、架橋ポリ
メチルメタクリレート等の有機微粒子、および酸化防止
剤、帯電防止剤、色素等を配合することができる。
【0012】さらに本発明において製膜中のモノマー析
出防止のためには、スチレン系重合体あるいはその組成
物中の残量スチレン単量体が7000ppm以下である
ことが好ましい。そのようなスチレン系重合体あるいは
組成物を得るためには以下の方法に依るとよい。 (1) 重合後あるいはさらに処理後のスチレン系重合体を
減圧乾燥する方法。ここで減圧乾燥するにあたっては、
乾燥温度を核重合体のガラス転移温度以上の温度にする
と効率が良い。 (2) さらに押出機により脱気し、同時に成形用材料(ペ
レット)とする。ここで押出機はベント付きが好まし
く、一軸、二軸いずれの押出機を用いてもよい。
【0013】以上のような本発明のスチレン系重合体あ
るいは該重合体を含む組成物を素材として、フィルムを
製造する。具体的には、加熱溶融して押し出し、冷却、
固化させて製膜する。ここで用いられる押し出し成型機
は、一軸押し出し成形機、二軸押し出し成形機のいずれ
でもよく、またベント付き、ベントなしのいずれでもよ
い。なお、押し出し機には二次凝集粒子を粉砕、除去あ
るいはゴミ、異物除去のためにメッシュフィルターを使
用することが好ましい。また押し出し温度は、用いるポ
リマーの融点〜分解温度より50℃高い温度の範囲で選
定しT−ダイ等を用いて行うのが好ましい。上記押し出
し成型後、得られた予備成形体(原反シート)を冷却固
化する。この際の冷媒は気体、液体、金属ロール等各種
のものを使用することができる。金属ロール等を用いる
場合、エアナイフ、エアチャンバー、タッチロール、静
電印加等の方法を用いても良い。これらのなかで、平面
性の観点から静電印加法を用いるのが好ましい。冷却固
化の温度は、原反シートのガラス転移温度(Tg)−7
0℃〜Tg、より好ましくはTg−50℃〜Tg−20
℃の範囲である。
【0014】次に冷却、固化した原反シートを延伸す
る。縦、横の均質性の要求される写真用支持体では、延
伸は縦、横の多軸延伸が好ましい。この多軸延伸は同時
延伸でも、逐次延伸でもよい。延伸方法としては、テン
ターによる方法、ロール間で延伸する方法、圧延による
方法などがあり、これらを組み合わせて適用すればよい
が、好ましいのは、テンターによる方法、ロール間で延
伸する方法である。より具体的には、ロール間延伸で縦
延伸後、テンターで横延伸を行うのがさらに好ましい。
本発明の厚みパターンの支持体を得るうえでのポイント
は、この延伸プロセスでの温度制御によって達成でき
る。即ち、縦延伸、横延伸とも延伸ゾーンの温度のばら
つき;最高温度−最低温度)を0℃〜20℃、より好ま
しくは0℃〜05℃、さらに好ましくは0℃〜10℃以
内に抑制することによって達成される。この温度のバラ
ツキは、延伸ゾーン中に幅方向に5ヵ所以上、長手方向
に5ヶ所以上の碁盤目状に温度センサー(例えば熱電
対)を設置し、その最高温度と最低温度の差から求める
ことができる。この温度差が上述した範囲に入るように
延伸ゾーンを制御すればよい。制御は、セラミックヒー
ターのような熱源の場合、多分割し個々の出力を変える
ことで達成できる。また熱源が、熱風吹き出しによる場
合、吹き出し口を調整したり、じゃま板を設置し、風向
きを変えたり、また吹き出し口の開閉等で制御すること
ができる。延伸温度は、縦、横とも、原反シートのガラ
ス転移温度(Tg)〜Tg+50℃、より好ましくはT
g+5℃〜Tg+30℃、さらに好ましくはTg+10
℃〜Tg+25℃に設定すれば良い。延伸速度は、縦、
横とも1000〜8000%/分、好ましくは2000
〜6000%/分、さらに好ましくは、2500〜40
00%/分である。面積延伸倍率は10〜16倍、好ま
しくは11〜15倍、さらに好ましくは12〜14.5
倍である。
【0015】上述の条件で延伸して得られた延伸フィル
ムに、さらに熱固定を行う。本発明は、この熱固定条件
の改良により、さらに熱収縮率の小さな支持体を製膜す
ることができた。好ましい熱収縮率は、110℃30分
間の無張力下の熱処理で、0.4%以下より好ましくは
0.35%以下、さらに好ましくは0.3%以下であ
る。この範囲以上では、下塗り層あるいはバック層塗布
後の乾燥中に、シワが発生し易くなる。さらに後述のT
g以下の熱処理時に、横方向(TD方向)にスジ状の凹
凸が発生し易くなる。このような本発明の熱収縮率を有
するフィルムは、下記のような熱固定条件で達成するこ
とができる。本発明の熱固定は、0.1〜20%、より
好ましくは1〜15%、さらに好ましくは3〜10%、
幅方向に熱弛緩させると同時に、長手方向の幅1m当た
りの張力が3〜50kg、より好ましくは、5〜30k
g、さらに好ましくは10〜20kgで行うことにより
達成できる。熱弛緩量あるいは張力がこの範囲以下で
は、厚みパターンが低下し、一方、熱弛緩量、あるいは
張力がこの範囲以上では熱収縮量が大きくなる。このよ
うな熱固定温度はこのフィルムの200℃〜融点(T
m)、より好ましくは220℃〜Tm、さらに好ましく
は230℃〜Tmで、3〜60秒間、より好ましくは5
〜40秒、さらに好ましくは10〜30秒保持すること
によって行われる。なお、この熱固定は、上記範囲内で
条件を変えて二回以上行ってもよく、同様な効果が得ら
れる。
【0016】このようにして製膜した支持体の厚みは9
0〜300μm、より好ましくは、100〜250μ
m、さらに好ましくは、100〜200μmである。こ
の範囲以下では、力学強度が不足し取扱い上問題が発生
しやすい。一方これ以上厚くして、力学強度を上げる必
要はなく、コストが増加するだけである。さらにこのよ
うにして製膜したシンジオタクティックポリスチン系の
支持体は、極めて巻ぐせがつき易く、ロールで貯蔵中に
ついて巻ぐせのため、平坦な大の上に置いた時に端がも
ち上がり、ハンドリング性が悪かった。これは、印刷用
感材等で、重ね焼きを行う時大きな障害となる。このよ
うな対策として上述のUS−4141735のような熱
処理を施すと、巻ぐせが付きにくくなるが、これを実施
すると熱処理後の面状が著しく低下する問題があった。
しかし、本発明のように熱収縮性の小さな支持体にする
ことで、熱処理注に発生する熱収縮応力を現象指せるこ
とができ、さらに本発明のような厚みパターンの均一な
支持体を用いることで、熱収縮応力が均一に分散させる
(厚みの厚い所に集中しない)ことができ、写真支持体
として実用に耐えうる面状の支持体を作ることができる
ようになった。このような熱処理の温度は50℃以上T
g以下、さらに好ましくは、Tg−30℃以上Tg以
下、さらに好ましくはTg−20℃以上Tg以下、熱処
理時間は、0.5〜300時間、より好ましくは2〜2
50時間、さらに好ましくは5〜200時間である。こ
の熱処理は一定温度で行ってもよく、昇温しながら
行ってもよく、降温しながら行ってもよいが、より好
ましいのはとである。このような熱処理は製膜後か
ら乳剤塗設前までの間でどこで行ってもよいがもっとも
好ましいのは、帯電防止層塗布後、乳剤下塗り層塗布前
である。本発明の支持体には必要に応じ、グロー放電処
理、コロナ処理、紫外線照射処理、火炎処理、などの表
面処理を施してもよい。この中で接着性に優れ、最も好
ましいのが、グロー放電処理である。
【0017】以下、コロナ処理、紫外線処理、グロー処
理、火焔処理について説明を加える。コロナ処理は、最
もよく知られている方法であり、従来公知のいずれの方
法、例えば特公昭48−5043号、同47−5190
5号、特開昭47−28067号、同49−83767
号、同51−41770号、同51−131576号等
に開示された方法により達成することができる。放電周
波数は50Hz〜5000kHz、好ましくは5kHz
〜数100kHzが適当である。被処理物の処理強度に
関しては、0.001KV・A・分/m2〜5KV・A・
分/m2、好ましくは0.01KV・A・分/m2〜1KV
・A・分/m2が適当である。電極と誘電体ロールのギャ
ップクリアランスは0.5〜2.5mm、好ましくは1.
0〜2.0mmが適当である。
【0018】次に紫外線処理について述べる。紫外線処
理は、特公昭43−2603号、特公昭43−2604
号、特公昭45−3828号記載の処理方法によって行
われるのが好ましい。水銀灯は石英管からなる高圧水銀
灯、低圧水銀灯で、紫外線の波長が180〜380nm
の間であるものが好ましい。紫外線照射の方法について
は、365nmを主波長とする高圧水銀ランプであれ
ば、照射光量20〜10000(mJ/cm2 )がよく、
より好ましくは50〜2000(mJ/cm2 )である。
254nmを主波長とする低圧水銀ランプの場合には、
照射光量100〜10000(mJ/cm2 )がよく、よ
り好ましくは200〜1500(mJ/cm2 )である。
【0019】次にグロー処理について述べる。グロー処
理は、従来知られている方法、例えば特公昭35−75
78号、同36−10336号、同45−22004
号、同45−22005号、同45−24040号、同
46−43480号、特開昭53−129262号、米
国特許3,057,792号、同3,057,795
号、同3,179,482号、同3,288,638
号、同3,309,299号、同3,424,735
号、同3,462,335号、同3,475,307
号、同3,761,299号、同4,072,769
号、英国特許891,469号、同997,093号、
等を用いることができる。このようなグロー処理では、
特に雰囲気に水蒸気を導入した場合において最も優れた
接着効果を得ることができる。また、この手法は支持体
の黄色化抑制、ブロッキング防止にも非常に有効であ
る。水蒸気の存在下でグロー処理を実施する時の水蒸気
分圧は、10%以上100%以下が好ましく、更に好ま
しくは40%以上90%以下である。10%未満では充
分な接着性を得ることが困難となる。水蒸気以外のガス
は酸素、窒素等からなる空気である。さらに、表面処理
すべき支持体を加熱した状態で真空グロー処理を行う
と、常温で処理するのに比べ短時間の処理で接着性が向
上し、有効である。予熱温度は50℃以上Tg以下が好
ましく、60℃以上Tg以下がより好ましく、70℃以
上Tg以下がさらに好ましい。Tg以上の温度で予熱す
ると接着が悪化する。
【0020】グロー処理時の真空度は0.005〜20
Torrとするのが好ましい。より好ましくは0.02
〜2Torrである。また、電圧は、500〜5000
Vの間が好ましい。より好ましくは500〜3000V
である。また、使用する放電周波数は、従来技術に見ら
れるように、直流から数1000MHz、好ましくは5
0Hz〜20MHz、さらに好ましくは1KHz〜1M
Hzである。放電処理強度は、0.01KV・A・分/
m2〜5KV・A・分/m2が好ましく、更に好ましくは
0.15KV・A・分/m2〜1KV・A・分/m2で所望
の接着性能が得られる。このようにして、グロー処理を
施こした支持体は、直ちに冷却ロールを用いて温度を下
げることが好ましい。
【0021】火焔処理の方法は天然ガスでも液化プロパ
ンガスでもかまわないが、空気との混合比が重要であ
る。プロパンガスの場合は、プロパンガス/空気の好ま
しい混合比は、容積比で1/14〜1/22、好ましく
は1/16〜1/19である。また、天然ガスの場合
は、1/6〜1/10、好ましくは1/7〜1/9であ
る。火焔処理は1〜50Kcal/m2、より好ましくは
3〜30Kcal/m2の範囲で行うとよい。またバーナ
ーの内炎の先端と支持体の距離を4cm未満にするとより
効果的である。処理装置は春日電気(株)製フレーム処
理装置を用いることができる。また、火焔処理時に支持
体を支えるバックアップロールは中空型ロールで、冷却
水を通して水冷し、常に一定温度で処理するのがよい。
【0022】次に表面処理した支持体と感光層の間に設
ける下塗り層について述べる。下塗り層としては、第1
層として支持体によく接着する層(以下、下塗り第1層
と略す)を設け、その上に第2層として下塗り第1層と
写真層をよく接着する層(以下、下塗り第2層と略す)
を塗布するいわゆる重層法と、支持体と写真層をよく接
着する層を一層のみ塗布する単層法とがある。重層法に
おける下塗り第1層では、例えば、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、ブタジエン、酢酸ビニル、スチレン、アクリ
ロニトリル、メタクリル酸エステル、メタクリル酸、ア
クリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等の中から選ば
れた単量体を出発原料とする共重合体、エポキシ樹脂、
ゼラチン、ニトロセルロース、ポリ酢酸ビニルなどが用
いられる。また必要に応じて、トリアジン系、エポキシ
系、メラミン系、ブロックイソシアネートを含むイソシ
アネート系、アジリジン系、オキサザリン系等の架橋
剤、コロイダルシリカ等の無機粒子、界面活性剤、増粘
剤、染料、防腐剤などを添加してもよい。(これらにつ
いては、E.H.Immergut "Polymer Handbook" VI187〜
231、Intersciense Pub.New York 1966や特開昭
50−39528、同50−47196、同50−63
881、同51−133526、同64−538、同6
3−174698、特願平1−240965、特開平1
−240965、同2−184844、特開昭48−8
9870、同48−93672などに詳しい)。また、
下塗り第2層では、主としてゼラチンが用いられる。
【0023】単層法においては、多くは支持体を膨潤さ
せ、下塗りポリマーと界面混合させる事によって良好な
接着性を得る方法が多く用いられる。この下塗りポリマ
ーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ガゼイン、寒
天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体
などの水溶性ポリマー、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースエステル、
塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデン含有共重合
体、アクリル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニル含有
共重合体、酢酸ビニル含有共重合体等のラテックスポリ
マー、などが用いられる。これらのうち好ましいのはゼ
ラチンである。ゼラチンとしては、いわゆる石灰処理ゼ
ラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチン
誘導体及び変性ゼラチン等当業界で一般に用いられてい
るものはいずれも用いることができる。これらのゼラチ
ンのうち、最も好ましく用いられるのは石灰処理ゼラチ
ン、酸処理ゼラチンである。
【0024】次に親水性コロイド層について述べる。親
水性コロイド層としてはハロゲン化銀乳剤層、保護層、
中間層、アンチハレーション層、バック層、バック保護
層等がある。これらの写真層のバインダーとして用いら
れる親水性コロイドとして最も好ましいものはゼラチン
である。ゼラチンとしては、いわゆる石灰処理ゼラチ
ン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチン誘導
体及び変性ゼラチン等当業界で一般に用いられているも
のはいずれも用いることができる。これらのゼラチンの
うち、最も好ましく用いられるのは石灰処理ゼラチン、
酸処理ゼラチンである。ゼラチン以外の親水性コロイド
としてコロイド状アルブミン、カゼイン等の蛋白質、寒
天、アルギン酸ナトリウム、デンプン誘導体等の糖誘導
体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース等のセルロース化合物、ポリビニルアルコー
ル、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリルアミド
等の合成親水化合物等を挙げることができる。合成親水
化合物の場合、他の成分を共重合してもよい。これらの
親水性コロイドは、単独で用いてもよいし、2種以上を
混合して用いてもよい。
【0025】このような親水性コロイド層は、1層でも
多層でもよく、各層の厚みは0.02〜10μm、より
好ましくは0.1〜7μmの範囲が好ましい。乳剤面、
バック面には複数の親水性コロイド層を塗設してよい
が、これらの層のトータル厚みは、乳剤面で1.5〜1
0μm、バック面で0〜5μm程度が好ましい。特にバ
ック面では、親水性コロイド層は塗設しない事も好まし
い。
【0026】バック面に親水性コロイド層を塗設しない
場合、バック面の耐傷性付与、マット剤、すべり剤等を
保持のため、疎水性ポリマーをバインダーとするポリマ
ー層を塗設してもよい。疎水性ポリマー層のバインダー
としてはポリメチルメタクリレート、エチルアクリレー
ト等の(メタ)アクリル酸エステルポリマー、ポリエチ
レン等のオレフィン系ポリマー、スチレン系ポリマー、
塩化ビニリデン、ウレタン系ポリマー、ブタジエン等の
ゴム系ポリマーなどが用いられる。この層は1層でも2
層以上でもよい。これらの層には必要に応じてマット
剤、すべり剤、帯電調整剤、界面活性剤、架橋剤、又後
述する表面抵抗率低減のための導電性物質などを添加し
てもよい。
【0027】バック層には更にポリマーラテックスを添
加しても良い。本発明に用いられるポリマーラテックス
は平均粒径が20mμ〜200mμの水不溶性ポリマー
の水分散物で、好ましい使用量はバインダー1.0に対
して乾燥重量比で0.01〜1.0で特に好ましくは
0.1〜0.8である。本発明に用いられるポリマーラ
テックスの好ましい例としてはアクリル酸のアルキルエ
ステル、ヒドロキシアルキルエステルまたはグリシジル
エステル、あるいはメタアクリル酸のアルキルエステ
ル、ヒドロキシアルキルエステル、またはグリシジルエ
ステルをモノマー単位として持ち、平均分子量が10万
以上、特に好ましくは30〜50万のポリマーであり、
具体例は次式で示される。
【0028】
【化1】
【0029】本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光
材料のハロゲン化銀乳剤は通常、水溶性銀塩(例えば硝
酸銀)溶液と水溶性ハロゲン塩(例えば臭化カリウム)
溶液とをゼラチンの如き水溶性高分子溶液の存在下で混
合してつくられる。ハロゲン化銀としては塩化銀、臭化
銀、塩臭化銀、沃臭化銀及び塩沃臭化銀いづれも用いる
ことが出来、その粒子形態、サイズ分布に特に限定はな
い。ハロゲン化銀乳剤層は、感光性ハロゲン化銀、化学
増感剤、分光増感剤、カブリ防止剤、親水性コロイド
(特にゼラチン)、ゼラチン硬化剤、界面活性剤など膜
物理性改良剤、増粘剤、等を含有することが出来る。こ
れらについては、リサーチ・ディスクロージャー誌、1
76巻17643項(1978年12月)の記載、及び
特開昭52−108130号、同52−114328
号、同52−121321号、同53−3217号、同
53−44025号公報の記載等を参考にすることが出
来る。
【0030】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、必
要に応じて表面抵抗率を1012以下に低下させてもよ
い。表面抵抗率を低下させる手段に特に制限はない。例
えば、特開昭58−62648号、同58−62649
号、同51−115291号等公報に開示されたSn、
Zn、Ti、In、V等の酸化物の微粉末を添加する方
法、特開昭57−204540号、同54−13332
4号等公報に開示されたポリマーを添加する方法、特開
昭64−26849号、同61−24907号等公報に
開示されている界面活性剤を添加する方法などがある。
これらの方法のうち好ましいものはSnO2 等の金属酸
化物を添加する方法である。
【0031】金属酸化物の微粉末としては導電性の結晶
性酸化物又はその複合酸化物が好ましい。導電性の結晶
性酸化物又はその複合酸化物の微粒子としては体積抵抗
率が10 7 Ωcm以下、より好ましくは105 Ωcm以下の
ものが望ましい。またその粒子サイズは0.01〜0.
7μ、特に0.02〜0.5μであることが望ましい。
本発明に使用される導電性の結晶性金属酸化物あるいは
複合酸化物の微粒子の製造方法については特開昭56−
143430号の明細書に詳細に記載されている。第1
に金属酸化物微粒子で暁成により作製し、導電性を向上
させる異種原子の存在下で熱処理する方法、第2に焼成
により金属酸化物微粒子を製造するときに導電性を向上
させる為の異種原子を共存させる方法、第3に焼成によ
り金属微粒子を製造する際に雰囲気中の酸素濃度を下げ
て、酸素欠陥を導入する方法等が容易である。金属原子
を含む例としてはZnOに対してAl、In等、TiO
2に対してはNb、Ta等、SnO2 に対してはSb、
Nb、ハロゲン元素等があげられる。異種原子の添加量
は0.01〜30mol%の範囲が好ましいが0.1〜
10mol%であれば特に好ましい。これらのうちSb
を添加したSnO2 微粒子が最も好ましい。
【0032】ハロゲン化銀写真感光材料にはハレーショ
ン防止、セーフライト安全性向上、表裏判別性向上など
の目的で、染色された非感光性親水性コロイド層(以降
染色層と表わす)を設けてもよい。これらは下記特許に
詳しくのべられている、米国特許第3,455,693
号、同2,548,564号、同4,124,386
号、同3,625,694号、特開昭47−13935
号、同55−33172号、同56−36414号、同
57−161853号、同52−29727号、同61
−198148号、同61−177447号、同61−
217039号、同61−219039号等記載の染料
を媒染剤に吸着せしめる方法、特開昭61−21383
9号、同63−208846号、同63−296039
号、特開平1−158439号等記載の耐拡散型染料を
用いる方法、特願平1−142688号記載のオイルに
溶解した染料を油滴状に乳化分散する方法、米国特許
2,719,088号、同2,498,841号、同
2,496,843号、特開昭60−45237号、特
開平3−5748号等記載の染料を無機物表面に吸着せ
しめる方法、特開平2−298939号記載の染料をポ
リマーに吸着せしめる方法、特開昭56−12639
号、同55−155350号、同55−155351
号、同63−27838号、同63−197943号、
欧州特許第15,601号、同274,723号、同2
76,566号、同299,435号、世界特許(W
O)88/04794号、特開平2−264936号等
記載の水に不溶性の染料固体を用いる方法などがある。
これらの方法の中で染料を固体のまま分散する方法が染
料を特定層中に固定し、現像処理後の残色が少ないとい
う観点から好ましい。
【0033】最後に、本発明で行った各種評価法につい
て記載する。 (1)厚みパターン 安立電気製の電子マイクロメーターを用いて600mm
/分の速度で測定し、縮尺1/20、チャート速度30
mm/分でチャート紙上に記録した後、前述の方法に従
い、定規により計算し、小数点第1位を四捨五入した。 (2)熱収縮率 製膜直後の支持体の、110℃での熱収縮率を下記手順
で測定した。 幅5cm×長さ25cmにサンプルを裁断 25℃60%RH下で3時間以上調湿後、20cm基長
のピンゲージを用いて寸法を測定する(これをl1 とす
る)。 無張力下で、空気恒温槽中で110℃30分間熱処
理。 25℃60%RH下で3時間以上調湿しと同様にし
て寸法を測定、(l2とする)100×(l2 −l1
/l1 (%)を熱収縮率とした。 (3)巻ぐせ測定 コアセットカール ・18cm×1mに長手方向に裁断したサンプルを直径
20cmのアルミ製巻芯に乳剤塗設予定面を外向きにし
て30℃、50%RH下で30日間コアセットを実施 ・このサンプルを巻芯に巻いたまま25℃、60%RH
の中で24時間調湿後ANSI/ASC pH1.29
−1985のTestMethod Aに従って測定
し、1/R(Rはカールの半径〔m〕)で表示した。 コアセットカール低減率 ・50℃〜Tgの温度で熱処理したサンプルのカール
値:x ・熱処理しなかったサンプルのカール値:y カール低減率は{(y−x)/y}×100(%)で示
す。
【0034】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明を詳細に説明
するが、本発明は、これに限定されるものではない。 実施例1 (1)ポリマーの重合 反応容器に、反応溶媒としてトルエン6リットルおよび
テトラエトキシチタン5ミリモルおよびメチルアルミノ
キサンをアルミニウム原子として500ミリモル入れ、
50℃においてモル比でスチレン48.94:p−メチ
ルスチレン1.06とを加え、2時間重合反応を行っ
た。反応終了後、生成物を塩酸とメタノールとの混合液
で洗浄して、触媒成分を分解除去した。次いで乾燥する
ことにより共重合体640gを得た。この共重合体の重
量平均分子量(Mw)が44万であり、数平均分子量
(Mn)が24万であった。この共重合体中のp−メチ
ルスチレン単位の含有割合は5wt%であった。また、
この共重合体は12C−NMRによる分析から、145.
11ppm、145.22ppm、142.09ppm
に吸収が認められ、そのピーク面積から算出したスチレ
ン単位のラセミペンタッドでのシンジオタクティシティ
ーは72%であった。このポリマーのガラス転移温度
(Tg)、融点(Tm)はそれぞれ97℃、250℃で
あった。
【0035】なお、本発明で言うTg,Tmは次のよう
にして求められたものである。 試料10mgを示差熱分析計の中にセットしチッ素気流
中、20℃/分で330℃まで昇温後、室温まで急冷す
る。 再び20℃/分でチッ素気流中で昇温してゆき、ベー
スラインがシフトしはじめる温度と新たにベースライン
を形成する温度の中点をTgとする。 吸熱側に現われる大きなピークの最大吸熱点の温度を
Tmとする。
【0036】(2)支持体の製膜 これらのポリマー、コポリマーを150℃にて減圧、乾
燥後、ベント付単軸押出機、あるいは、ポリマーブレン
ドの時は、ベント付2軸押出機を用いてペレット化し、
このペレットを130℃の熱風中攪拌しながら結晶化さ
せた。この結晶化ペレット中のモノマー含有量は900
ppmであった。次に、このペレットを、フィルターの
内在する押出機の先端にT−ダイを取り付けた装置で押
出した。このときの溶融温度は、300℃であった。こ
の溶融状態のシートを静電印加法を用いて、2軸延伸後
表1に示した厚みになるようにキャスティングを行っ
た。このようにして得られた透明なシートの結晶化度は
9%であった。これを110℃で縦方向に3.6倍、次
いで120℃で横方向に3.8倍、逐次2軸延伸を行っ
た。なお縦延伸はロール間延伸、横方向はテンター延伸
で行った。この時の延伸速度は、縦方向、横方向とも3
000%/分で行った。さらに縦延伸、横延伸ゾーン内
の温度バラツキを0℃〜20℃に保つことで、本発明の
範囲内の厚みパターンを有する支持体を作ることができ
た。一方、温度ばらつきがこの範囲外では、本特許の範
囲外の大きな厚みパターンとなっている。このようにし
て2軸延伸ベースに240℃で15秒間熱固定を施し
た。この時の幅方向の緩和量を0.1〜20%、縦方向
の幅1m当たりの張力を3〜50kgにすることで11
0℃30分間の熱収縮率が0.4%以下の支持体を作る
ことができた。このようにして幅1.5m、長さ200
0mの支持体を製膜した。この支持体の厚みパターン、
熱収縮率を上述の方法に従い測定を行った。結果を表1
に示した。
【0037】
【表1】
【0038】(3)支持体の表面処理 これらの支持体の両面に以下の条件でグロー放電処理を
施こした。断面が直径2cm、長さ150cmの円柱状で冷
媒流路となる中空部を持つ棒状電極を、10cm間隔に4
本絶縁板状に固定した。この電極板を真空タンク内に固
定し、この電極面から15cm離れ、電極面に正対するよ
うに2軸延伸フィルムを走行させ、2秒間の表面対処が
行われるように速度をコントロールした。フィルムが電
極を通過する直前に、フィルム直径50cmの温度コント
ローラー付き加熱ロールに3/4周接触するように加熱
ロールを配置し、さらに加熱ロールと電極ゾーンの間の
フィルム面に熱電対温度計を接触させることによりフィ
ルム面温度を70℃にコントロールした。真空槽内の圧
力は0.2Torr、雰囲気気体内のH2 O分圧は75
%で行った。放電周波数は30KHz、出力2500
W、処理強度は0.5KV・A・分/m2で行った。放電
処理後の支持体が巻き取られる前に表面温度が30℃に
なるように、直径50cmの温度コントローラー付き冷却
ロールに接触させ巻き取った。
【0039】(4)写真感材の作成 グロー放電処理をした支持体の片面に下記バック第1層
を塗設した。 <バック第1層> ゼラチン 10.0重量部 水 24.0 〃 メターノール 961.0 〃 サリチル酸 3.0 〃 特開昭51−3619号記載 0.5 〃 合成例1 ポリアマイド−エピクロルヒドリン樹脂 特公平3−27099号記載 1.0 〃 ノニオン性界面活性剤 化合物I−13 この塗布液をワイヤーバーを用いて10ml/m2塗布し、
115℃で2分間乾燥後巻き取った。これを用いて下記
3種類の感材を作成した。
【0040】感材A(スキャナー用感材) この支持体のバック第1層の上に下記組成の導電層(バ
ック第2層)及びバックオーバーコート層(バック第3
層)を塗布した。 <導電層> SnO2/Sb2O5(9/1重量比、一次粒子:0.005μm、二次粒子0.08μ m) 200mg/m2 ゼラチン(Ca**含有量3000ppm) 77 〃 化合物−1 7 〃 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10 〃 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム 40 〃 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 9 〃
【0041】 <バックオーバーコート層> ゼラチン(Ca**含有量30ppm) 3.6g/m2 化合物−1 3mg/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3.4μm) 50 〃 化合物−2 40 〃 化合物−3 40 〃 化合物−4 80 〃 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 75 〃 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム 20 〃 化合物−5 5 〃 N−パーフルオロオクタンスルホニル−N−プロピルグリシンポタジウム 7 〃 硫酸ナトリウム 50 〃 酢酸ナトリウム 85 〃 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 150 〃
【0042】
【化2】
【0043】
【化3】
【0044】次いで、支持体の反対側の面に、バック第
1層と同じ処方の下塗り液を同様にして塗設した。この
上に下記組成の乳剤層、保護層下層、保護層上層を同時
に塗布した。 <乳剤層> 乳剤の調製 I液 水 1000ml ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 20g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20g ベンゼンスルホン酸ナトリウム 6mg II液 水 400ml 硝酸銀 100g III 液 水 400ml 塩化ナトリウム 30.5g 臭化カリウム 14g ヘキサクロロイリジウム(III) 酸カリウム(0.001%水溶液) 15ml ヘキサブロモロジウム(III) 酸アンモニウム(0.001%水溶液) 1.5ml 38℃、pH=4.5に保たれたI液にII液とIII 液を
攪拌しながら同時に10分間にわたって加え、0.16
μmの微粒子を形成した。続いて下記IV液、V液を10
分間にわたって加えた。さらにヨウ化カリウム0.15
gを加え粒子形成を終了した。
【0045】 IV液 水 400ml 硝酸銀 100g V液 水 400ml 塩化ナトリウム 30.5g 臭化カリウム 14g K4 Fe(CN)6 1×10-5モル/モルAg その後常法にしたがって、フロキュレーション法によっ
て、水洗し、ゼラチン40gを加えた。
【0046】この乳剤を、pH=5.3、pAg=7.
5に調整し、チオ硫酸ナトリウム5.2mg、塩化金酸1
0.0mgとN,N−ジメチルセレノ尿素を2.0mg加
え、ベンゼンスルホン酸ナトリウム8mg、ベンゼンスル
フィン酸ナトリウム2.0mgを加え、55℃で最適感度
になるように化学増感し、最終的に塩化銀80モル%を
含む、平均粒子径0.20μmのヨウ塩臭化銀立方体粒
子乳剤を調整した。次いで増感色素を5×10-4モル
/モルAg加えて、オルソ増感した。さらにカブリ防止
剤として、ハイドロキノン、1−フェニル−5−メルカ
プトテトラゾールをAg1モル当りそれぞれ2.5g、
50mg、コロイダルシリカ(日産化学製スノーテックス
C、平均粒径0.015μm)をゼラチンに対し、30
重量%加え、可塑剤としてポリエチルアクリレートラテ
ックス(0.05μm)をゼラチンに対し、40重量
%、硬膜剤として、1,1′−ビス(ビニルスルホニ
ル)メタンを100mg/m2加えた。
【0047】
【化4】
【0048】 <保護層下層処方> m2当り ゼラチン 0.7g ベンゼンスルホン酸ナトリウム 4mg 1,5−ジヒドロキシ−2−ベンズアルドキシム 25mg ポリエチルアクリレートラテックス 125mg <保護層上層処方> m2当り ゼラチン 0.5g ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径2.5μm) 40mg 化合物−6(滑り剤のゼラチン分散物) 60mg コロイダルシリカ(日産化学製スノーテックスC) 60mg 化合物−7 5mg ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 22mg
【0049】
【化5】
【0050】感材B(印刷用撮影感材) バック第1層塗布後の支持体に下記導電層(バック第2
層)バック層(バック第3層)、バック保護層(バック
第4層)を塗設した。 <導電層> SnO2 /Sb2 5(9/1 重量比、一次粒子:0.005 μm、二次粒子:0.08μm ) 200 mg/m2 ゼラチン(Ca**含有量3000ppm) 77 〃 化合物−4 7 〃 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10 〃 ジヘキシル−α−スルホサクシナ−トナトリウム 40 〃 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 9 〃
【0051】 (バック層) ゼラチン 3.0g/m2 界面活性剤 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 40mg/m2 ジヘキシル−α−スルホサクシナ−トナトリウム塩 40 〃 ゼラチン硬化剤1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 200 〃 染料(A) 20 〃 染料(B) 50 〃 染料(C) 20 〃 染料(D) 30 〃 プロキセル 10 〃
【0052】 (バック保護層) ゼラチン 1.1g/m2 ポリメチルメタクリレ−ト微粒子(平均粒径2.5μm) 20mg/m2 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 15 〃 ジヘキシル−α−スルホサクシナ−トナトリウム塩 15 〃 酢酸ナトリウム 60 〃 プロキセル 1 〃 次いでその反対側に下記処方の最下層、乳剤層第1層、
中間層、乳剤層第2層、保護層の順に同時塗布した。
【0053】 <最下層> ゼラチン 0.2g/m2 ポリエチルアクリレ−トラテックス(粒径0.05μ) 0.2 〃 1,1−ビス(ビニルスルホニル)メタン 0.04 〃 <乳剤層第1層> (ヒトラジン含有層乳剤および塗布液の調製)硝酸銀6
3gを溶解した硝酸銀水溶液250ccと、乳剤全体の
銀1モル当たり1×10-7モルに相当するK2 Rh(H
2 O)Cl5 および1×10-7モルに相当するK3 Ir
Cl6 を含む臭化カリウム20gと塩化ナトリウム14
gを溶解したハロゲン塩水溶液250ccを、塩化ナト
リウム(0.5%)と1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジンチオン(0.002%)とクエン酸(0.05
%)を含有する2%ゼラチン水溶液に攪拌しながら38
℃で12分間ダブルジェット法により添加し、平均粒子
サイズ0.20μm、塩化銀含量55モル%塩臭化銀粒
子を得ることにより核形成を行った。続いて、硝酸銀1
07gを溶解した硝酸銀水溶液450ccと、臭化カリ
ウム28gと塩化ナトリウム28gを溶解したハロゲン
塩水溶液450ccを、ダブルジェット法により20分
間かけて添加し、粒子形成を行った。その後、銀1モル
あたり1×10-3モルのKI溶液を加えてコンバ−ジョ
ンを行い、常法に従ってフロキュレ−ション法により水
洗した。そして、銀1モルあたりゼラチン40gを加
え、pH6.0、pAg7.5に調整した後、さらに銀
1モルあたりベンゼンチオスルホン酸ナトリウム7m
g、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム2mg、チオ硫酸
ナトリウム5mgおよび塩化金酸8mgを加え、60℃
で70分間加熱化学増感を施した後、安定剤として4−
ヒドロキシ−6−メチル1,3,3a,7−テトラザイ
ンデン150mgおよび防腐剤として、プロキセル10
0mgを加えた。得られた粒子は平均粒子サイズ0.2
7μm、塩化銀含有率60モル%の沃塩臭化銀立方体粒
子であった。(変動係数10%)
【0054】この乳剤に、それぞれ増感色素として銀1
モルあたり3×10-4モルの5−{3−(4−スルホブ
チル)−5−クロロ−2−ベンゾオキサゾリジリデン}
エチリデン−1−ヒドロキシエトキシエチル−3−(2
−フェニル)−2−チオヒダントインカリウム塩、およ
び3×10-4モルの5−{3−(4−スルホブチル)−
2−ベンゾオキサゾリジリデン}エチリデン−1−ヒド
ロキシエトキシエチル−3−(2−フェニル)−2−チ
オヒダントインカリウム塩を加え、さらに6×10-4
ルの下記構造式(E)で表される短波シアニン色素、3
×10-4モルの1−フェニル−5−メルカプトテトラゾ
−ル、6×10-4モルの、下記構造式(F)で表される
メルカプト化合物、および下記構造式(G)で表される
メルカプト化合物、3×10-4モルの下記構造式(H)
で表されるトリアジン化合物、3×10-4モルの下記構
造式(I)で表される化合物、6×10-4モルの5−ク
ロル−8−ヒドロキシキノリン、そしてヒドラジン化合
物として1×10-3モルの下記構造式(J)で表される
化合物および1×10-3モルの下記構造式(K)で表さ
れる化合物を添加し、さらにN−オレイル−N−メチル
タウリンナトリウム塩を30mg/m2 、コロイダルシ
リカ(日産化学製スノ−テックスC)を500mg/m
2 、ポリエチルアクリレ−トの分散物を500mg/m
2 、塗布されるように加えヒドラジン含有層塗布液を調
製した。塗布液のpHは6.0に調整した。この塗布液
をAg3.5g/m2 、ゼラチン1.7g/m2 になる
様に塗布した。
【0055】 <中間層> ゼラチン 1.0g/m2 プロキセル 3mg/m2 エタンチオスルホン酸ナトリウム 5 〃 染料(L) 100 〃 ハイドロキノン 100 〃 ポリエチルアクリレートラテックス(粒径0.05μ) 300 〃 <第2乳剤層> (レドックス化合物含有層乳剤および塗布液の調製)硝
酸銀170gを溶解した硝酸銀水溶液700ccと、銀
1モルあたり3×10-7モルに相当する(NH4 3
hCl6 を含有し、臭化カリウム36gと塩化ナトリウ
ム47gを溶解したハロゲン塩水溶液700ccを、塩
化ナトリウム(0.5%)と1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジンチオン(0.002%)を含有そる2%ゼ
ラチン水溶液に攪拌しながら45℃で30分間ダブルジ
ェット法により添加し、平均粒子サイズ0.30μm、
塩化銀含有量70モル%の塩臭化銀粒子を得た。その
後、銀1モルあたり1×10-3モルのKI溶液を加えて
コンバ−ジョンを行い、常法に従ってフロキュレ−ショ
ン法により水洗し、銀1モルあたりゼラチン40gを加
え、pH6.0、pAg7.5に調整し、さらに銀1モ
ルあたりベンゼンチオスルホン酸ナトリウム7mgとベ
ンゼンスルフィン酸ナトリウム2mg、塩化金酸8mg
およびチオ硫酸ナトリウム5mgを加え、60℃で60
分間加熱し化学増感を施した後、安定剤として4−ヒド
ロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザイン
デン350mgおよび防腐剤としてプロキセル100m
gを加えた。得られた粒子は平均粒子サイズ0.30μ
m、塩化銀含有率70モル%の塩臭化銀立方体であっ
た。(変動係数9%)
【0056】こうして得られた乳剤に、それぞれ増感色
素としてレドックス化合物含有層乳剤の銀1モルあたり
5×10-4モルの5−{3−(4−スルホブチル)−5
−クロロ−2−ベンゾオキサゾリジリデン}エチリデン
−1−ヒドロキシエトキシエチル−3−(2−フェニ
ル)−2−チオヒダントインカリウム塩、および6×1
-4モルのヒドラジン含有層塗布液に添加した構造式
(F)で表されるメルカプト化合物、3×10-4モルの
構造式(H)で表されるトリアジン化合物、6×10-4
モルの5−クロル−8−ヒドロキシキノリン、さらに下
記構造式(M)で表される染料を10mg/m2、下記
構造式(N)で表されるレドックス化合物を60mg/
2、ポリエチルアクリレ−トの分散物(300mg/
2)硬膜剤として1,2−ビス(ビニルスルホニルア
セトアミド)エタン(30mg/m2)を添加した。こ
の塗布液をAg0.3g/m2 、ゼラチン0.3g/m
2 になる様に塗布した。
【0057】 <保護層> ゼラチン 0.3g/m2 SiO2 微粒子(細孔径170゜A,平均粒径2.5μm) 60mg/m2 コロイダルシリカ(日産化学社製スノ−テックスC) 100mg/m2 流動パラフィン 50 〃 フッ素界面活性剤(O) 5 〃 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20 〃 本発明の感光材料に用いられる各種添加剤等に関して
は、特に制限は無く、例えば下記に示す該当箇所に記載
されたものを好ましく用いることができる。
【0058】1)ハロゲン化銀乳剤とその製法 特開平2−97937号公報第20頁右下欄12行目か
ら同第21頁左下欄14行目及び特開平2−12236
号公報第7頁右上欄19行目から、同第8頁左下欄12
行目、特願平3−116573号、特願平3−1895
32号に記載のセレン増感法。 2)分光増感色素 特開平2−55349号公報第7頁左下欄8行目から同
第8頁右下欄8行目、同2−39042号公報第7頁右
下欄8行目から第13頁右下欄5行目。特開平2−12
236号公報第8頁左下欄13行目から同右下覧4行
目、同2−103536号公報第16頁右下覧3行目か
ら同第17頁左下覧20行目、さらに特開平1−112
235号、同2−124560号、同3−7928号、
特願平3−189532号及び同3−411064号。 3)ヒドラジン造核剤 特開平2−12236号公報第2頁右上欄19行目から
同第7頁右上欄3行目の記載、同3−174143号公
報第20頁右下欄1行目から同第27頁右上欄20行目
の一般式(II)及び化合物II−1ないしII−54。 4)造核促進剤 特開平2−103536号公報第9頁右上欄13行目か
ら同第16頁左上欄10行目の一般式(II−m)ないし
(II−p)及び化合物例II−1ないしII−22、特開平
1−179939号公報に記載の化合物。 5)界面活性剤、帯電防止剤 特開平2−12236号公報第右上欄7行目から同右下
欄7行目及び特開平2−18542号公報第2頁左下欄
13行目から同第4頁右下欄18行目。
【0059】6)ポリマ−ラテックス 特開平2−103536号公報第18頁左下欄12行目
から同第20行目。 7)酸基を有する化合物 特開平2−103536号公報第18頁右下欄6行目か
ら同第19頁左下欄1行目、及び同2−55349号公
報第8頁右下欄13行目から同第11頁左上欄8行目。 8)カブリ防止剤 特開平2−103536号公報第17頁右下欄19行目
から同第18頁右上欄4行目及び同右下欄1行目から5
行目、さらに特開平1−237538号公報に記載のチ
オスルフィン酸化合物。 9)ポリヒドロキシベンゼン類 特開平2−55349号公報第11貢左上欄9頁から同
右下欄17行目。 10)マット剤、滑り剤、可塑剤 特開平2−103536号公報第19頁左上欄15行目
から同第19貢右上欄15行目。 11)硬膜剤 特開平2−103536号公報第18頁右上欄5行目か
ら同第17行目。 12)染料 特開平2−103536号公報第17頁右下欄1行目か
ら同18行目、同2−39042号公報第4頁右上欄1
行目から第6頁右上欄5行目、同2−294638号公
報及び特願平3−185773号に記載の固体染料。
【0060】13)バインダ− 特開平2−18542号公報第3頁右下欄1行目から2
0行目。 14)黒ポツ防止剤 米国特許第4956257号及び特開平1−11883
2号公報に記載の化合物。 15)レドックス化合物 特開平2−301743号公報の一般式(I)で表され
る化合物(特に化合物例1ないし50)、同3−174
143号公報第3頁ないし第20頁に記載の一般式(R
−1)、(R−2)、(R−3)、化合物例1ないし7
5、さらに特願平3−69466号、同3−15648
号に記載の化合物。 16)モノメチン化合物 特開平2−287532号公報の一般式(II)の化合物
(特に化合物例II−1ないしII−26)。 17)コロイド状シリカ 特開平4−214551号段落記号「0005」記載の
化合物。 18)現像液及び現像方法 特開平2−103536号公報第19頁右上覧16行目
から同第21頁左上覧8行目。特開平2−55349号
公報第13頁右下欄1行目から同第16頁左上欄10行
目。以下に本実施例で用いた化合物例を示す。
【0061】
【化6】
【0062】
【化7】
【0063】
【化8】
【0064】感材C(印刷用返し感材) バック第1層塗布後の支持体の反対面にこれと同じ処方
の下塗り液を同様にして塗設した。この支持体の一方の
側に下記乳剤第1層および第2層、保護層下層および上
層を、同時塗布した。 <乳剤層第1層>40℃に保った4−ヒドロキシ−6−
メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン(銀1モ
ル当たり5×10-3モル)を含有するゼラチン水溶液中
に硝酸銀水溶液と銀1モル当たり2×10-5モルの(NH
4)2Rh(H2O)Cl5 を含む塩化ナトリウム水溶液を同時に7
分で添加し、その間の電位を95mVにコントロ−ルす
ることにより、芯部の粒子0.12μmを調製した。そ
の後、硝酸銀水溶液と銀1モル当たり1.2×10-4
ルの(NH4)2RH(H2O)CL5を含む塩化ナトリウム水溶液を同
時に14分間で添加しその間の電位を95mVにコント
ロ−ルすることによって平均粒子サイズ0.15μmの
塩化銀立方体粒子を調製した。この乳剤にポリエチルア
クリレ−トラテックス(平均粒径0.05μm)を60
0mg/m2、下記のヒドラジン化合物、をモル比
で1:1に混合した溶液を各々2.2×10-5mol/
2 、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7
−テトラザインデンを30mg/m2 、下記の化合物−
16、−17を各々40mg/m2 、10mg/m2
硬膜剤として、下記化合物−18を98mg/m2 にな
る様に加え、銀量2.0g/m2 、ゼラチン0.9g/
2 になる様に塗布した。
【0065】<乳剤層第2層>40℃に保った5,6−
シクロペンタン−4−ヒドロキシ−1,3,3a,7−
テトラザインデン(銀1モル当たり5×10-3モル)を
含有するゼラチン水溶液中に硝酸銀水溶液と銀1モル当
たり4×10-5モルの(NH4)Rh(H2O)Cl5 を含む塩化ナト
リウム水溶液を同時に3分半で添加し、その間の電位を
95mVにコントロ−ルすることにより、芯部の粒子
0.08μmを調製した。その後、硝酸銀水溶液と銀1
モル当たり1.2×10-4モルの(NH4)2Rh(H2O)Cl5を含
む塩化ナトリウム水溶液を同時に7分間で添加しその間
の電位を95mVにコントロ−ルすることによって平均
粒子サイズ0.10μmの塩化銀立方体粒子を調製し
た。この乳剤を用いる以外は上記乳剤第1層と同様の乳
剤層を銀量1.5g/m2ゼラチン0.7g/m2 にな
るように塗布した。 <保護層下層> ゼラチン 0.55g/m2 1−ヒドロキシ−2−ベンズアルドオキシウム 15mg/m2 化合物−19 80 〃 化合物−20 10 〃 ポリエチルアクリレ−トラテックス(平均粒径0.05μm) 280 〃
【0066】 <保護層上層> ゼラチン 0.95g/m2 不定形マット剤(SiO2、平均粒径3.0μm) 30mg/m2 球形マット剤(PMMA、平均粒径2.7μm) 30 〃 流動パラフィン(ゼラチン分散物) 50 〃 N−パ−フルオロオクタンスルホニル−N−プロピルグリシンポタジウム 5 〃 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10 〃 *固体分散染料A 80 〃 *固体分散染料B 40 〃 *固体分散染料A、Bの微粒子分散物の調製方法 本発明での調製方法は特開昭63−197943号の方
法に準じた。すなわち、水(434ミリリットル)及び
TritonX−200R界面活性剤(TX−200R)(5
3g)(Rohm &Haas社から販売)の6.7%溶液とを、
1.5リットルネジ蓋ビンに入れた。これに、染料の2
0gと酸化ジルコニウム(ZrO2 )のビ−ズ(800
ミリリットル)(2mm径)を添加し、このビンの蓋を
しっかりしめて、ミル内に置き、内容物を4日間粉砕し
た。内容物を12.5%のゼラチン水溶液(160g)
に添加し、ロ−ルミルに10分間置いて泡を減少させ
た。得られた混合物をろ過して、ZrO2 ビ−ズを除去
した。このままだと平均粒径が約0.3μmであるが、
まだ粗粒子を含んでいるので、この後遠心分離法によっ
て分級し、最大粒子サイズが1μm以下になるようにし
た。ついで、支持体の反対側の面に、下記に示す導電層
及びバック層を同時塗布した。
【0067】 <導電層> SnO2Sb2O5(9/1重量比、一次粒子:0.005μm、二次粒子0.08μm ) 200mg/m2 ゼラチン(Ca++含有量3000ppm) 77 〃 化合物−21 7 〃 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10 〃 ジヘキシル−α−スルホサクシナ−トナトリウム 40 〃 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 9 〃 <バック層> ゼラチン(Ca2+含有量30ppm) 2.82g/m2 ポリメチルメタクリレ−ト微粒子(平均粒径4.7μ) 54mg/m2 化合物−21 3 〃 化合物−22 40 〃 化合物−23 40 〃 化合物−24 80 〃 化合物−25 150 〃 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 75 〃 ジヘキシル−α−スルホサクシナ−トナトリウム 20 〃 化合物−26 5 〃 硫酸ナトリウム 50 〃 酢酸ナトリウム 85 〃 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 150 〃 以下に本実施例で用いた化合物例を示す。
【0068】
【化9】
【0069】
【化10】
【0070】
【化11】
【0071】(5)熱処理 一部の感材は、熱処理を施した支持体を用いた。熱処理
は1.5m幅×1500mの支持体を1m幅当たり20
kgの張力で直径30cmのアルミニウム製中空巻芯に
巻きつけ、表1に示した温度および時間で行った。な
お、この熱処理は感材A(本発明2)、感材B(本発明
7)はバック面に帯電防止層を塗設した後に、また感材
Cは製膜直後に実施した。
【0072】(6)感材の評価 次の方法で感材の乳剤塗布ムラを評価した。 ・露光:現像処理後の発色透過濃度がX−rite社製
モデル310−T濃度計における緑光濃度値で0.9〜
1.1の範囲になるように白色露光を与えた。なお各感
材の現像処理は下記方法にて行った。 感材A 現像:SR−D1現像液(富士写真フイルム製) 38℃14秒 定着:SR−F1定着液( 〃 ) 現像機:FG−710NH( 〃 ) 感材B 現像:GR−D1現像液( 〃 ) 34℃30秒 定着:GR−F1定着液( 〃 ) 現像機:FG−680A( 〃 ) 感材C 現像:GR−D1現像液( 〃 ) 38℃20秒 定着:GR−F1定着液( 〃 ) 現像機:FG−680AG( 〃 ) ・乳剤塗布ムラの評価 上記方法で露光・現像後のサンプルをライトテーブル
(LT−77H、写真科学(株)製)の上に並べて目視
で評価した。全く塗布ムラが観察されるものを○、わず
かに観察されるものを○’弱く発生しているものを△。
強く発生しているものを×とした。
【0073】(7)結論 本発明の厚みパターンを有する支持体は乳剤塗布ムラが
発生しにくい。さらに、熱収縮率を改良することによ
り、この効果は一層顕著になる。また、本発明の支持体
を熱処理することで巻くせがつきにくくなり、さらに熱
処理中の面状の低下はほとんど見られなかった。
【0074】
【発明の効果】本発明の支持体を用いることで、階調が
2以上の乳剤を塗布してもムラが発生せず、かつ寸度安
定性にすぐれたハロゲン化銀写真感光材料を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の測定値の測定例を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一層のハロゲン化
    銀写真感光層を有し、該感光剤層の階調が2以上でか
    つ、該支持体が主としてシンジオタクチック構造を有す
    るスチレン系重合体であり、かつ該支持体が下記の厚み
    パターンを満足することを特徴とするハロゲン化銀写真
    感光材料。 (1)全幅方向のMax−Min:TD R値 0〜6
    μm (2)長さ方向1m長のMax−Min:MD R値
    0〜6μm (3)隣接する山と谷の厚み差;MD・TD変動 0〜
    6μm (4)両端の厚みの平均を基線としてこの基線より凸部
    分の最大値または、凹部分の最大値;基線値 0〜5μ
  2. 【請求項2】 該支持体の110℃、30分における熱
    収縮率が0.4%以下であることを特徴とする請求項1
    のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 該支持体が、乳剤塗布前までに50℃以
    上ガラス転移温度以下で熱処理されることを特徴とする
    請求項1,2のハロゲン化銀写真感光材料。
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