JPH08220694A - ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法

Info

Publication number
JPH08220694A
JPH08220694A JP7045079A JP4507995A JPH08220694A JP H08220694 A JPH08220694 A JP H08220694A JP 7045079 A JP7045079 A JP 7045079A JP 4507995 A JP4507995 A JP 4507995A JP H08220694 A JPH08220694 A JP H08220694A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
emulsion
styrene
poly
gelatin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7045079A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumio Kawamoto
二三男 川本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP7045079A priority Critical patent/JPH08220694A/ja
Publication of JPH08220694A publication Critical patent/JPH08220694A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】圧力カブリ、擦りカブリ、擦傷、巻ズレ及び寸
度安定性に優れたハロゲン化銀写真感光材料を提供する
ことにある。 【構成】主としてシンジオタクチック構造を有するスチ
レン系重合体である写真用支持体に感光剤層の少なくと
も一層の階調が2以上である乳剤をナーリング部分の乳
剤塗布面積の割合が5〜95%になるように塗布してフ
イルム層間に介在する気体の厚みが1.5〜10μmで
巻き取るハロゲン化銀写真感光材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料の製造方法に関し、特に階調が硬いハロゲン化銀写
真感光材料の製造方法に関するものであり、更に詳しく
は圧力カブリ、擦りカブリ、擦傷、巻ズレ及び寸度安定
性に優れたハロゲン化銀写真感光材料の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般にハロゲン化銀写真感光材料(以
下、感光材料あるいは感材と略する)は、温湿度、特に
湿度が変化すると寸法が変化しやすいという欠点を持っ
ている。この寸法変化は特に多色印刷のための網点画像
や、精密な線画の再現が要求される印刷用感材では、極
めて重大な問題となる。このような寸法変化は、感光層
を形成する保護コロイド(ゼラチン等)及び支持体の吸
脱湿寸度変化によって発生する。このため、寸度安定性
の改良には、保護コロイド層の改良と支持体の改良の両
者が存在するが本発明は後者の観点からの改良を行った
ものである。支持体の寸法安定性を改良する方法とし
て、従来一般に用いられてきたポリエチレンテレフタレ
ート(以下PETと略する)から、より吸脱湿寸度安定
性に優れた支持体に変更する方法がある。このような支
持体として、特開平3−131843号に記載されてい
るような、シンジオタクチック構造を有するスチレン系
重合体を用いることが知られている。この重合体を用い
た支持体および感材は、きわめて良好な吸脱湿寸度安定
性を示す。しかし、寸度安定性が強く要求されるグラフ
ィックアーツ感材は、一般アマチュア用のカラーネガと
かカラーリバーサルに比べ階調が硬く、グラフックアー
ツ用に用いる写真用支持体は、乳剤の塗布ムラを引き起
こす原因となるシワとかベコとか凹凸とか厚みムラが特
に問題となる。これらを対策するために写真用支持体支
持体においては、支持体の両端にナーリングをすること
が知られている。乳剤は、高価なハロゲン化銀を含むた
め通常は、商品としては価値のないナーリング部には乳
剤が塗布されてこなかった。従って、乳剤塗布後のバル
クロールは、バルクロールの自重により乳剤面に圧力が
かかり圧力カブリや乳剤塗布後巻取られるまでのパスロ
ールなどとの接触により擦りカブリや擦傷などの重大故
障を引き起こすことがあり、生産性向上に大きな問題が
あった。特に、圧力の高い巻芯部や特に、硬調の乳剤や
感度の高い乳剤は、より問題であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】写真処理した後の画像
が硬調であるハロゲン化銀写真感光材料を塗布、加工等
の製造時に圧力カブリ、擦りカブリ、擦り傷、巻ズレ等
の製造故障を起すことなく安定に製造し、製造後の画像
露光、現像処理等の写真処理の際に寸度安定性が優れる
ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題は、主としてシ
ンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体である
写真用支持体に感光乳剤層の少なくとも一層の階調が2
以上である乳剤をナーリング部分の乳剤塗布面積の割合
が5〜95%になるように塗布してフイルム層間に介在
する気体の厚みが1.5〜10μmで巻き取ることを特
徴とするハロゲン化銀写真感光材料の製造方法によって
達成された。
【0005】本発明でいう階調(γ値)は、写真処理し
た後の特性曲線の濃度0.3〜2.0での平均階調を示
すものであり、1.7を△logE(濃度2.0を与え
る露光量の対数値と濃度0.3を与える露光量の対数値
の差)で割って得られる値で示した。数値が大きいほど
高コントラストな画像特性を有している。支持体の面状
の欠陥は、その上に設けられる感光乳剤層の乳剤の階調
によって画像欠陥へ与える影響が異なる。すなわち、高
コントラストは画像特性を有するハロゲン化銀写真感光
材料が、低コントラストな感光材料に比べて面状の欠陥
の影響を受けやすい。
【0006】写真用支持体などのウェブの製造において
は、塗布、加工等の次工程の場所に移送されるために一
旦巻き取られる。そして後続工程の処理が行われるまで
に巻き取られたままで長い期間保管されることもある。
これらのウェブの片面または両面が、ウェブを接触させ
たまま、特に長く接触させておくかまたは大きな圧力を
加えた状態で接触させておくと、その接触面が傷むこと
が少なくない。従って、フイルム、特に写真フイルムを
製造する場合には、縁の厚みを増大させて巻かれたフイ
ルムの中央面を互いに離しておくかあるいは接触圧を十
分に開放して前記傷みの防止する必要がある。このため
に通常ウェブの縁部にナーリング処理することが知られ
ている。(特公昭47−16064号、特開昭54−7
4862号、特公昭58−54007号など) ナーリングは、支持体の両端0〜10mmの所から支持
体の内側にかけて3〜20mmの幅で施すのが好まし
く、より好ましくは、両端から2〜7mmのところから
施すのが好ましく、ナーリングの幅は5〜15mmが好
ましく、7〜13mmが最も好ましい。ナーリングの位
置が上記範囲を外れると巻き取るときにズレを生じ、巻
姿が悪くなり好ましくない。ナーリングの幅が狭すぎる
とナーリングの効果がなく、広すぎると支持体のロスが
大きくなり好ましくない。ナーリングの高さは、支持体
の厚みより5〜50μm厚いことが好ましい。
【0007】ナーリング部は加工時に廃却されるので、
高価な乳剤層を塗布しない方がよい。しかし、支持体の
両端より内側に乳剤層を塗布すると乳剤層とナーリング
の凸部の上端との差がちぢまり、乳剤面が圧力を受けや
すくなる。それを解決する方法としてナーリング部の凸
部の高さを高くすればよいが、高分子フイルムに凹凸を
設けるには、その高さに限界がある。よって、本発明は
ナーリング部に乳剤塗布してナーリングの高さを維持す
るものである。本発明のナーリング部における乳剤塗布
部の占める割合は、具体的には5〜95%であり、好ま
しくは10〜50%,更に好ましくは15〜35%であ
る。この範囲より小さいと圧力カブリ、擦りカブリおよ
び擦傷防止の効果が小さくこの範囲より大きいと巻ずれ
しやすくなりその後の搬送および裁断・穿孔等に支障と
なる。さらに、ロール内のフイルムの層間に介在する空
気の量を増やすことは、圧力カブリを防止にするのに有
効な手法である。好ましい空気層の厚みは、1.5μm
以上、10μm以下、より好ましくは、2μm以上、8
μm以下、さらに好ましくは、2.5μm以上、5μm
以下である。これ以上薄いと、フイルムどうしが強く接
するため圧力カブリが発生しやすくなる。一方、この範
囲以上では、ロールをハンドリング中に巻ズレが発生し
やすく好ましくない。空気層の厚みの測定方法は後記す
る実施例中に記載する。
【0008】また、巻取り速度によっても空気層の厚み
を制御できる。好ましい巻取り速度は10/m/分以
上、350m/分以下、より好ましくは50m/分以
上、300m/分以下、さらに好ましくは100m/分
以上、250m/分以下である。この範囲以上では巻取
り中に大量の空気を巻き込み空気層が厚くなり易い。一
方この範囲以下では空気層の厚みが薄くなり易く好まし
くない。その他、特開平5−51155号に記載の方法
により空気層の厚みを制御してもよい。さらに、支持体
間の空気層の厚みは、巻取り条件でも制御することがで
きる。最も重要な条件は巻取り張力であり、乳剤塗布後
のバルクロールの巻取りの初期テンションは、30〜1
00kg/mが好ましく、更に好ましくは40〜90k
g/mであり、最も好ましくは50〜80kg/mであ
る。巻取りテンションが強すぎると圧力カブリ発生しや
すい。一方、巻取り張力が弱すぎると巻ずれが発生し好
ましくない。このような巻取りは一定張力で行ってもよ
く、しだいに増加させながら実施してもよく、しだいに
減少させながら実施してもよい。なかでも好ましいの
は、しだいに減少させながら巻取る方法である。
【0009】また、乳剤塗布後のロールを巻き付けると
きの巻芯の直径は100mm以上、1500mm以下、
より好ましくは150mm以上、1000mm以下、さ
らに好ましくは200mm以上、800mm以下であ
る。直径がこの範囲より大きいと運搬等の取扱いが行い
にくくなり、一方、この範囲以下では巻き付ける支持体
の巻回数が多くなる。巻回数が多くなると、巻芯近くの
フイルムが受ける応力が高くなりやすく、圧力カブリ等
を引き起こし易い。巻き芯の材質は特に限定されない
が、例えばステンレス,アルミニウム、ガラスファイバ
ー入り樹脂を挙げることが出来る。また、これらの巻芯
上に、必要に応じて、ゴムや樹脂をライニングしてもよ
い。また、巻き付けを行う環境は、室温から50℃まで
の温度のどこで実施してもよいが、湿度には留意する必
要がある。好ましい相対湿度は0%以上、85%以下、
より好ましくは20%以上、80%以下、さらに好まし
くは30%以上、75%以下である。これ以上の湿度で
は、自着が発生しやすく好ましくない。
【0010】本発明における支持体の幅および長さに制
限はないが、幅は1m以上になると効果が大きく、1.
2m以上では更に大きく1.35m以上では最も効果的
である。長さは、1000m以上になると効果が大きく
2000mでは更に大きく2500m以上では最も効果
的である。
【0011】次に、本発明で用いる支持体について説明
を加える。本発明で用いるシンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体とは、炭素−炭素結合から形成さ
れる主鎖に対して側鎖であるフェニル基やその誘導体が
交互に反対方向に位置する立体構造を有するものであ
り、その立体規則性(タクティシティー)は同位炭素に
よる核磁気共鳴法(13C−NMR法)により定量される
のが一般的でかつ精度に優れる。この13C−NMR法に
より測定される立体規則性は、連続する複数個の構成単
位の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド、3個の
場合はトライアッド、5個の場合はペンダッドによって
示すことができる。本発明に言うシンジオタクチック構
造を有するスチレン系重合体とは、通常はラセミダイア
ッドで75%以上、100%以下、好ましくは85%以
上、100%以下、若しくははラセミペンタヘッドで3
0%以上、100%以下、好ましくは50%以上、10
0%以下の立体規則性を有するものである。具体的には
立体規則性のポリスチレン、ポリ(アルキルスチレ
ン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(ハロゲン化
アルキルスチレン)、ポリ(アルコキシスチレン)、ポ
リ(ビニル安息香酸エステル)が挙げられる。ここでポ
リ(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレ
ン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(プロピルスチレ
ン)、ポリ(ブチルスチレン)、ポリ(フェニルスチレ
ン)、ポリ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレ
ン)、ポリ(アセナフチン)などがある。また、ポリ
(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレ
ン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレ
ン)などがある。また、ポリ(アルコキシスチレン)と
しては、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシス
チレン)などがある。これらのなかで、より好ましいも
のは、ポリ(スチレン)、ポリ(メチルスチレン)であ
り、さらに好ましいのが、ポリ(スチレン)である。
【0012】これらのシンジオタクチック構造を有する
スチレン系重合体は、上述のようなホモポリマー以外に
も、共重合体であってもよい。共重合体のコモノマー成
分としては、上述のスチレン系重合体を構成するモノマ
ーのほか、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、
オクテン等のオレフィンモノマー、ブタジエン、イソプ
レン等のジエンモノマー、環状オレフィンモノマー、環
状ジエンモノマーやメタクリル酸メチル、無水マレイン
酸、アクリロニトリル等の極性ビニルモノマー等を挙げ
ることができる。これらの内、スチレンを主成分とし
て、これに、アルキルスチレン、水素化ポリスチレン、
ハロゲン化ポリスチレンを共重合したものが好ましい。
これらのなかでも、p−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−タ−シャリ−ブチルスチレン、p−クロロ
スチレン、m−クロロスチレン、p−フルオロスチレ
ン、水素化ポリスチレンであり、特に好ましいのがp−
メチルスチレンである。これらの添加量は好ましくは、
30wt%以下、0wt%以上、より好ましくは20w
t%以下、0wt%以上さらに好ましくは10wt%以
下、0wt%以上である。
【0013】また、シンジオタクチック構造を有するス
チレン系重合体と他のポリマーをブレンドして使用して
もよい。好ましいポリマーブレンド成分としては、上述
のようなシンジオタクチック構造を有するスチレン系重
合体や、アタクチック構造を有するスチレン系重合体が
相溶性の観点から好ましい。これらの中でとくに好まし
いのが、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン
を主成分とし、これに、p−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−タ−シャリ−ブチルスチレン、p−ク
ロロスチレン、m−クロロスチレン、p−フルオロスチ
レン、水素化ポリスチレンからなるシンジオタクチック
構造あるいはアタクチック構造のホモポリマ−、あるい
は/および、これらのモノマ−の少なくとも一種とスチ
レンからなるシンジオタクチック構造あるいはアタクチ
ック構造を有するコポリマーをブレンドするのが好まし
い。とくに、シンジオタクチック構造を有するp−メチ
ルスチレンやシンジオタクチック構造を有するp−メチ
ルスチレンとスチレンの共重合体をシンジオタクチック
構造を有するポリスチレンとブレンドしたものが好まし
い。これらの添加量は好ましくは、30wt%以下、0
wt%以上、より好ましくは20wt%以下、0wt%
以上さらに好ましくは10wt%、0wt%以下であ
る。
【0014】このような中で好ましいポリマー組成を下
記に示す。(ここで、syn はシンジオタクチック、atc
はアタクチックを示す。) (1)ホモポリマー P−1:syn−ポリ(スチレン) P−2: 〃 −ポリ(p−メチルスチレン) P−3: 〃 −ポリ(p−クロロスチレン) P−4: 〃 −ポリ(水素化スチレン) (2)コポリマー wt% P−5:syn−ポリ(スチレン/p−メチルスチレン) (95/5) P−6: 〃 −ポリ(スチレン/p−メチルスチレン) (85/15) P−7: 〃 −ポリ(スチレン/p−クロロスチレン) (95/5) P−8: 〃 −ポリ(スチレン/p−クロロスチレン) (85/15) P−9: 〃 −ポリ(スチレン/水素化スチレン) (95/5) P−10: 〃 −ポリ(スチレン/水素化スチレン) (85/15) P−11: 〃 −ポリ(スチレン/水素化スチレン/p−メチルスチレン) (95/5/5) (3)ポリマーブレンド 重量% P−12:snd−ポリ(スチレン)+syn−ポリ(p−メチルスチレン) (95/5) P−13: 〃 −ポリ(スチレン)+ 〃 (85/15) P−14: 〃 −ポリ(スチレン)+syn−ポリ(p−クロロスチレン) (95/5) P−15: 〃 −ポリ(スチレン)+ 〃 (85/15) P−16: 〃 −ポリ(スチレン)+syn−ポリ(水素化スチレン) (95/5) P−17: 〃 −ポリ(スチレン)+ 〃 (85/15) P−18: 〃 −ポリ(スチレン)+atc−ポリ(スチレン) (95/5) P−19: 〃 −ポリ(スチレン)+ 〃 (85/15) P−20: 〃 −ポリ(スチレン)+atc−ポリ(p−メチルスチレン) (95/5) P−21: 〃 −ポリ(スチレン)+ 〃 (85/15) P−22: 〃 −ポリ(スチレン)+atc−ポリ(水素化スチレン) (95/5) P−23: 〃 −ポリ(スチレン)+ 〃 (85/15) P−24: 〃 −ポリ(スチレン)+atc−ポリ(スチレン)+syn−ポ リ(p−メチルスチレン) (95/5/5) P−25:snd−ポリ(スチレン)+syn−ポリ(p−メチルスチレン+ス チレン共重合体(モル比=10:90) (70/30) P−26:snd−ポリ(スチレン)+syn−ポリ(p−メチルスチレン+ス チレン共重合体(モル比=10:90) (50/50) P−27:snd−ポリ(スチレン)+syn−ポリ(p−メチルスチレン+ス チレン共重合体(モル比=5:95) (70/30) P−28:snd−ポリ(スチレン)+syn−ポリ(p−メチルスチレン+ス チレン共重合体(モル比=30:70) (90/10)
【0015】これらのスチレン系重合体の分子量は、重
量平均分子量が10万以上、80万以下のものが好まし
く、特に好ましくは、20万以上、60万以下のもので
ある。さらに分子量分布は、重量平均分子(Mw)/数平
均分子量(Mn)が1.5以上、5以下、さらに好ましく
は2以上、4以下が好ましい。このようなシンジオタク
チック構造を有するスチレン系重合体は、例えば不活性
炭化水素溶媒中または、溶媒の不存在下に、チタン化合
物及び水とトリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触
媒として、スチレン系単量体(上記スチレン系重合体に
対応する単量体)を重合することにより製造することが
できる。(特開昭62−187708号公報)。あるい
は、チタン化合物及びカチオンと複数の基が元素に結合
したアニオンとからなる化合物を触媒として重合するこ
とにより製造することができる。(特開平4−2495
04号)。
【0016】また、さらに本発明の目的を妨げない範囲
で、シリカ、タルク、チタニア、アルミナ、炭酸カルシ
ウム、酸化カルシウム、塩化カルシウム等およびこれら
の混合物等の無機微粒子、架橋ポリスチレン、架橋ポリ
メチルメタクリレート等の有機微粒子、および酸化防止
剤、帯電防止剤、色素等を配合することができる。さら
に本発明において製膜中のモノマー析出防止のために
は、スチレン系重合体あるいはその組成物中の残量スチ
レン単量体が7000ppm以下であることが好まし
い。そのようなスチレン系重合体あるいは組成物を得る
ためには以下の方法に依るとよい。 (1) 重合後あるいはさらに処理後のスチレン系重合体を
減圧乾燥する方法。ここで減圧乾燥するにあたっては、
乾燥温度を核重合体のガラス転移温度以上の温度にする
と効率が良い。 (2) さらに押出機により脱気し、同時に成形用材料(ペ
レット)とする。ここで押出機はベント付きが好まし
く、一軸、二軸いずれの押出機を用いてもよい。
【0017】以上のような本発明のスチレン系重合体あ
るいは該重合体を含む組成物を素材として、フィルムを
製造する。具体的には、加熱溶融して押し出し、冷却、
固化させて製膜する。ここで用いられる押し出し成型機
は、一軸押し出し成形機、二軸押し出し成形機のいずれ
でもよく、またベント付き、ベントなしのいずれでもよ
い。なお、押し出し機には二次凝集粒子を粉砕、除去あ
るいはゴミ、異物除去のためにメッシュフィルターを使
用することが好ましい。また押し出し温度は、用いるポ
リマーの融点〜分解温度より50℃高い温度の範囲で選
定しT−ダイ等を用いて行うのが好ましい。上記押し出
し成型後、得られた予備成形体(原反シート)を冷却固
化する。この際の冷媒は気体、液体、金属ロール等各種
のものを使用することができる。金属ロール等を用いる
場合、エアナイフ、エアチャンバー、タッチロール、静
電印加等の方法を用いても良い。これらのなかで、平面
性の観点から静電印加法を用いるのが好ましい。冷却固
化の温度は、原反シートのガラス転移温度(Tg)−7
0℃〜Tg、より好ましくはTg−50℃〜Tg−20
℃の範囲である。
【0018】次に冷却、固化した原反シートを延伸す
る。縦、横の均質性の要求される写真用支持体では、延
伸は縦、横の多軸延伸が好ましい。この多軸延伸は同時
延伸でも、逐次延伸でもよい。延伸方法としては、テン
ターによる方法、ロール間で延伸する方法、圧延による
方法などがあり、これらを組み合わせて適用すればよい
が、好ましいのは、テンターによる方法、ロール間で延
伸する方法である。より具体的には、ロール間延伸で縦
延伸後、テンターで横延伸を行うのがさらに好ましい。
延伸温度は、縦、横とも、原反シートのガラス転移温度
(Tg)〜Tg+50℃、より好ましくはTg+5℃〜
Tg+30℃、さらに好ましくはTg+10℃〜Tg+
25℃に設定すれば良い。延伸速度は、縦、横とも10
00〜8000%/分、好ましくは2000〜6000
%/分、さらに好ましくは、2500〜4000%/分
である。面積延伸倍率は10〜16倍、好ましくは11
〜15倍、さらに好ましくは12〜14.5倍である。
【0019】上述の条件で延伸して得られた延伸フィル
ムに、さらに熱固定を行う。熱固定は緊張状態あるいは
弛緩状態あるいは制限収縮状態で200℃から溶融温度
の間で1秒から180秒実施するのが好ましい。より好
ましくは1%〜10%の制限収縮状態で220℃から溶
融温度の間で10秒から60秒行うものである。このよ
うにして製膜した支持体の厚みは90〜200μm、よ
り好ましくは、100〜180μmである。この範囲以
下では、力学強度が不足し取扱い上問題が発生しやす
い。一方これ以上厚くして、力学強度を上げる必要はな
い。本発明の支持体は、表面処理を行ってから下塗層・
バック層の塗設を実施するのが好ましい。好ましい表面
処理はグロー放電処理、コロナ処理、紫外線照射処理、
火炎処理が挙げられる。この中で最も好ましいのがグロ
ー放電処理である。以下、これらの表面処理について説
明を加える。
【0020】グロー処理は、従来知られている方法、例
えば特公昭35−7578号、同36−10336号、
同45−22004号、同45−22005号、同45
−24040号、同46−43480号、特開昭53−
129262号、米国特許3,057,792号、同
3,057,795号、同3,179,482号、同
3,288,638号、同3,309,299号、同
3,424,735号、同3,462,335号、同
3,475,307号、同3,761,299号、同
4,072,769号、英国特許891,469号、同
997,093号、等を用いることができる。このよう
なグロー処理では、特に雰囲気に水蒸気を導入した場合
において最も優れた接着効果を得ることができる。ま
た、この手法は支持体の黄色化抑制、ブロッキング防止
にも非常に有効である。水蒸気の存在下でグロー処理を
実施する時の水蒸気分圧は、10%以上、100%以下
が好ましく、更に好ましくは40%以上、90%以下で
ある。10%未満では充分な接着性を得ることが困難と
なる。水蒸気以外のガスは酸素、窒素等からなる空気で
ある。
【0021】さらに、表面処理すべき支持体を加熱した
状態で真空グロー処理を行うと、常温で処理するのに比
べ短時間の処理で接着性が向上し、有効である。予熱温
度は50℃以上、Tg以下が好ましく、60℃以上、T
g以下がより好ましく、70℃以上、Tg以下がさらに
好ましい。Tg以上の温度で予熱すると接着が悪化す
る。グロー処理時の真空度は0.005〜20Torr
とするのが好ましい。より好ましくは0.02〜2To
rrである。また、電圧は、500〜5000Vの間が
好ましい。より好ましくは500〜3000Vである。
使用する放電周波数は従来技術に見られるように、直流
から数1000MHz、好ましくは50Hz〜20MH
z、さらに好ましくは1KHz〜1MHzである。放電
処理強度は、0.01KV・A・分/m2〜5KV・A・
分/m2が好ましく、更に好ましくは0.15KV・A・
分/m2〜1KV・A・分/m2で所望の接着性能が得られ
る。このようにして、グロー処理を施こした支持体は、
直ちに冷却ロールを用いて温度を下げることが好まし
い。
【0022】コロナ処理は、最もよく知られている方法
であり、従来公知のいずれの方法、例えば特公昭48−
5043号、同47−51905号、特開昭47−28
067号、同49−83767号、同51−41770
号、同51−131576号等に開示された方法により
達成することができる。放電周波数は50Hz〜500
0kHz、好ましくは5kHz〜数100kHzが適当
である。被処理物の処理強度に関しては、0.001K
V・A・分/m2〜5KV・A・分/m2、好ましくは0.
01KV・A・分/m2〜1KV・A・分/m2が適当であ
る。電極と誘電体ロールのギャップクリアランスは0.
5〜2.5mm、好ましくは1.0〜2.0mmが適当であ
る。
【0023】紫外線処理は、特公昭43−2603号、
特公昭43−2604号、特公昭45−3828号記載
の処理方法によって行われるのが好ましい。水銀灯は石
英管からなる高圧水銀灯、低圧水銀灯で、紫外線の波長
が180〜380nmの間であるものが好ましい。紫外
線照射の方法については、365nmを主波長とする高
圧水銀ランプであれば、照射光量20〜10000(m
J/cm2 )がよく、より好ましくは50〜2000(m
J/cm2 )である。254nmを主波長とする低圧水銀
ランプの場合には、照射光量100〜10000(mJ
/cm2 )がよく、より好ましくは200〜1500(m
J/cm2 )である。
【0024】火焔処理の方法は天然ガスでも液化プロパ
ンガスでもかまわないが、空気との混合比が重要であ
る。プロパンガスの場合は、プロパンガス/空気の好ま
しい混合比は、容積比で1/14〜1/22、好ましく
は1/16〜1/19である。また、天然ガスの場合
は、1/6〜1/10、好ましくは1/7〜1/9であ
る。火焔処理は1〜50Kcal/m2、より好ましくは
3〜30Kcal/m2の範囲で行うとよい。またバーナ
ーの内炎の先端と支持体の距離を4cm未満にするとより
効果的である。処理装置は春日電気(株)製フレーム処
理装置を用いることができる。また、火焔処理時に支持
体を支えるバックアップロールは中空型ロールで、冷却
水を通して水冷し、常に一定温度で処理するのがよい。
【0025】次に表面処理した支持体と感光層および/
またはバック層の間に設ける下塗り層について述べる。
下塗り層としては、第1層として支持体によく接着する
層(以下、下塗り第1層と略す)を設け、その上に第2
層として下塗り第1層と写真層をよく接着する層(以
下、下塗り第2層と略す)を塗布するいわゆる重層法
と、支持体と写真層をよく接着する層を一層のみ塗布す
る単層法とがある。重層法における下塗り第1層では、
例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、酢
酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸
エステル、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無
水マレイン酸等の中から選ばれた単量体を出発原料とす
る共重合体、エポキシ樹脂、ゼラチン、ニトロセルロー
ス、ポリ酢酸ビニルなどが用いられる。また必要に応じ
て、トリアジン系、エポキシ系、メラミン系、ブロック
イソシアネートを含むイソシアネート系、アジリジン
系、オキサザリン系等の架橋剤、コロイダルシリカ等の
無機粒子、界面活性剤、増粘剤、染料、防腐剤などを添
加してもよい。(これらについては、E.H.Immergut Po
lymer Handbook" VI187〜231、Intersciense Pu
b.New York 1966や特開昭50−39528、同5
0−47196、同50−63881、同51−133
526、同64−538、同63−174698、特願
平1−240965、特開平1−240965、同2−
184844、特開昭48−89870、同48−93
672などに詳しい)。また、下塗り第2層では、主と
してゼラチンが用いられる。
【0026】単層法においては、多くは支持体を膨潤さ
せ、下塗りポリマーと界面混合させる事によって良好な
接着性を得る方法が多く用いられる。この下塗りポリマ
ーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ガゼイン、寒
天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体
などの水溶性ポリマー、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースエステル、
塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデン含有共重合
体、アクリル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニル含有
共重合体、酢酸ビニル含有共重合体等のラテックスポリ
マー、などが用いられる。これらのうち好ましいのはゼ
ラチンである。ゼラチンとしては、いわゆる石灰処理ゼ
ラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチン
誘導体及び変性ゼラチン等当業界で一般に用いられてい
るものはいずれも用いることができる。これらのゼラチ
ンのうち、最も好ましく用いられるのは石灰処理ゼラチ
ン、酸処理ゼラチンである。これらの単層法および重層
法での乾燥温度は、通常50℃以上、200℃以下で行
う。
【0027】バック面の耐傷性付与、すべり性付与、カ
ール補償、帯電防止能の付与等のためにバック層を塗設
する。バック層は親水性コロイドをバインダーとしても
よく、疎水性ポリマーをバインダーとしてもよい。親水
性コロイドとして最も好ましいものはゼラチンである。
ゼラチンとしては、いわゆる石灰処理ゼラチン、酸処理
ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチン誘導体及び変性
ゼラチン等当業界で一般に用いられているものはいずれ
も用いることができる。これらのゼラチンのうち、最も
好ましく用いられるのは石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラ
チンである。ゼラチン以外の親水性コロイドとしてコロ
イド状アルブミン、カゼイン等の蛋白質、寒天、アルギ
ン酸ナトリウム、デンプン誘導体等の糖誘導体、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等
のセルロース化合物、ポリビニルアルコール、ポリ−N
−ビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等の合成親水
化合物等を挙げることができる。合成親水化合物の場
合、他の成分を共重合してもよい。これらの親水性コロ
イドは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用
いてもよい。これらの親水性ポリマ−を用いる場合、よ
り強固な密着性を付与するために、感光層と同じ下塗を
行った上にバック層を塗設することも好ましい。
【0028】疎水性ポリマー層のバインダーとしてはポ
リメチルメタクリレート、エチルアクリレート等の(メ
タ)アクリル酸エステルポリマー、ポリエチレン等のオ
レフィン系ポリマー、スチレン系ポリマー、塩化ビニリ
デン、ウレタン系ポリマー、ブタジエン等のゴム系ポリ
マーなどが用いられる。この層は1層でも2層以上でも
よい。これらの層には必要に応じてマット剤、すべり
剤、帯電調整剤、界面活性剤、架橋剤、又後述する表面
抵抗率低減のための導電性物質などを添加してもよい。
このようなバック層は、1層でも多層でもよく、各層の
厚みは0.02〜10μm、より好ましくは0.1〜7
μmの範囲が好ましく、これらの層の全厚みは0〜5μ
mが好ましい。
【0029】バック層には更にポリマーラテックスを添
加しても良い。本発明に用いられるポリマーラテックス
は平均粒径が20mμ〜200mμの水不溶性ポリマー
の水分散物で、好ましい使用量はバインダー1.0に対
して乾燥重量比で0.01〜1.0で特に好ましくは
0.1〜0.8である。本発明に用いられるポリマーラ
テックスの好ましい例としてはアクリル酸のアルキルエ
ステル、ヒドロキシアルキルエステルまたはグリシジル
エステル、あるいはメタアクリル酸のアルキルエステ
ル、ヒドロキシアルキルエステル、またはグリシジルエ
ステルをモノマー単位として持ち、平均分子量が10万
以上、特に好ましくは30〜50万のポリマーであり、
具体例は次式で示される。
【0030】
【化1】
【0031】このようなバック層塗設後の乾燥は、通常
50℃以上、200℃以下の温度で行うことがポイント
である。このようにして調製した下塗層の上にハロゲン
化銀感光層を塗設する。本発明に用いられるハロゲン化
銀写真感光材料のハロゲン化銀乳剤は通常、水溶性銀塩
(例えば硝酸銀)溶液と水溶性ハロゲン塩(例えば臭化
カリウム)溶液とをゼラチンの如き水溶性高分子溶液の
存在下で混合してつくられる。ハロゲン化銀としては塩
化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀及び塩沃臭化銀いづ
れも用いることが出来、その粒子形態、サイズ分布に特
に限定はない。ハロゲン化銀乳剤層は、感光性ハロゲン
化銀、化学増感剤、分光増感剤、カブリ防止剤、親水性
コロイド(特にゼラチン)、ゼラチン硬化剤、界面活性
剤など膜物理性改良剤、増粘剤、等を含有することが出
来る。これらについては、リサーチ・ディスクロージャ
ー誌、176巻17643項(1978年12月)の記
載、及び特開昭52−108130号、同52−114
328号、同52−121321号、同53−3217
号、同53−44025号明細書の記載等を参考にする
ことが出来る。これらのハロゲン化銀は親水性コロイド
層中に分散するのがこのましい。親水性コロイドは、バ
ック層のバインダーとして用いられているものと同様な
ものを用いることができる。このような親水性コロイド
層は、1層でも多層でもよく、各層の厚みは0.02〜
10μm、より好ましくは0.1〜7μmの範囲が好ま
しく、これらの層の全厚みは1.5〜10μmが好まし
い。
【0032】さらにバック層あるいは/および感光層中
に必要に応じて帯電防止剤を添加し、表面抵抗率を10
12以下に低下させてもよい。表面抵抗率を低下させる手
段に特に制限はない。例えば、特開昭58−62648
号、同58−62649号、同51−115291号公
報等に開示されたSn、Zn、Ti、In、V等の酸化
物の微粉末を添加する方法、特開昭57−204540
号、同54−133324号公報等に開示されたポリマ
ーを添加する方法、特開昭64−26849号、同61
−24907号公報等に開示されている界面活性剤を添
加する方法などがある。これらの方法のうち好ましいも
のはSnO2 等の金属酸化物を添加する方法である。
【0033】金属酸化物の微粉末としては導電性の結晶
性酸化物又はその複合酸化物が好ましい。導電性の結晶
性酸化物又はその複合酸化物の微粒子としては体積抵抗
率が107 Ωcm以下、より好ましくは105 Ωcm以下の
ものが望ましい。またその粒子サイズは0.01〜0.
7μ、特に0.02〜0.5μであることが望ましい。
本発明に使用される導電性の結晶性金属酸化物あるいは
複合酸化物の微粒子の製造方法については特開昭56−
143430号の公報に詳細に記載されている。第1に
金属酸化物微粒子で暁成により作製し、導電性を向上さ
せる異種原子の存在下で熱処理する方法、第2に焼成に
より金属酸化物微粒子を製造するときに導電性を向上さ
せる為の異種原子を共存させる方法、第3に焼成により
金属微粒子を製造する際に雰囲気中の酸素濃度を下げ
て、酸素欠陥を導入する方法等が容易である。金属原子
を含む例としてはZnOに対してAl、In等、TiO
2 に対してはNb、Ta等、SnO2 に対してはSb、
Nb、ハロゲン元素等があげられる。異種原子の添加量
は0.01〜30mol%の範囲が好ましいが0.1〜
10mol%であれば特に好ましい。これらのうちSb
を添加したSnO2 微粒子が最も好ましい。
【0034】またハレーション防止、セーフライト安全
性向上、表裏判別性向上などの目的で、染色された非感
光性親水性コロイド層(以降染色層と表わす)を設けて
もよい。これらは下記特許に詳しくのべられている、米
国特許第3,455,693号、同2,548,564
号、同4,124,386号、同3,625,694
号、特開昭47−13935号、同55−33172
号、同56−36414号、同57−161853号、
同52−29727号、同61−198148号、同6
1−177447号、同61−217039号、同61
−219039号等記載の染料を媒染剤に吸着せしめる
方法、特開昭61−213839号、同63−2088
46号、同63−296039号、特開平1−1584
39号等記載の耐拡散型染料を用いる方法、特開平3−
109535号記載のオイルに溶解した染料を油滴状に
乳化分散する方法、米国特許2,719,088号、同
2,498,841号、同2,496,843号、特開
昭60−45237号、特開平3−5748号等記載の
染料を無機物表面に吸着せしめる方法、特開平2−29
8939号記載の染料をポリマーに吸着せしめる方法、
特開昭56−12639号、同55−155350号、
同55−155351号、同63−27838号、同6
3−197943号、欧州特許第15,601号、同2
74,723号、同276,566号、同299,43
5号、世界特許(WO)88/04794号、特開平2
−264936等記載の水に不溶性の染料固体を用いる
方法などがある。これらの方法の中で染料を固体のまま
分散する方法が染料を特定層中に固定し、現像処理後の
残色が少ないという観点から好ましい。
【0035】本発明の感光材料に用いられる各種添加剤
等に関しては、特に制限は無く、例えば下記に示す該当
箇所に記載されたものを好ましく用いることができる。 1)ハロゲン化銀乳剤とその製法 特開平2−97937号公報第20頁右下欄12行目か
ら同第21頁左下欄14行目及び特開平2−12236
号公報第7頁右上欄19行目から、同第8頁左下欄12
行目、特開平4−330430号、特開平5−1138
9号に記載のセレン増感法。 2)分光増感色素 特開平2−55349号公報第7頁左下欄8行目から同
第8頁右下欄8行目、同2−39042号公報第7頁右
下欄8行目から第13頁右下欄5行目。特開平2−12
236号公報第8頁左下欄13行目から同右下覧4行
目、同2−103536号公報第16頁右下覧3行目か
ら同第17頁左下覧20行目、さらに特開平1−112
235号、同2−124560号、同3−7928号、
同5−11389号。 3)ヒドラジン造核剤 特開平2−12236号公報第2頁右上欄19行目から
同第7頁右上欄3行目の記載、同3−174143号公
報第20頁右下欄1行目から同第27頁右上欄20行目
の一般式(II)及び化合物II−1ないしII−54。 4)造核促進剤 特開平2−103536号公報第9頁右上欄13行目か
ら同第16頁左上欄10行目の一般式(II−m)ないし
(II−p)及び化合物例II−1ないしII−22、特開平
1−179939号公報に記載の化合物。 5)界面活性剤、帯電防止剤 特開平2−12236号公報第右上欄7行目から同右下
欄7行目及び特開平2−18542号公報第2頁左下欄
13行目から同第4頁右下欄18行目。
【0036】6)ポリマーラテックス 特開平2−103536号公報第18頁左下欄12行目
から同第20行目。 7)酸基を有する化合物 特開平2−103536号公報第18頁右下欄6行目か
ら同第19頁左下欄1行目、及び同2−55349号公
報第8頁右下欄13行目から同第11頁左上欄8行目。 8)カブリ防止剤 特開平2−103536号公報第17頁右下欄19行目
から同第18頁右上欄4行目及び同右下欄1行目から5
行目、さらに特開平1−237538号公報に記載のチ
オスルフィン酸化合物。 9)ポリヒドロキシベンゼン類 特開平2−55349号公報第11貢左上欄9頁から同
右下欄17行目。 10)マット剤、滑り剤、可塑剤 特開平2−103536号公報第19頁左上欄15行目
から同第19貢右上欄15行目。 11)硬膜剤 特開平2−103536号公報第18頁右上欄5行目か
ら同第17行目。 12)染料 特開平2−103536号公報第17頁右下欄1行目か
ら同18行目、同2−39042号公報第4頁右上欄1
行目から第6頁右上欄5行目、同2−294638号公
報及び特開平5−11382号に記載の固体染料。
【0037】13)バインダー 特開平2−18542号公報第3頁右下欄1行目から2
0行目。 14)黒ポツ防止剤 米国特許第4956257号及び特開平1−11883
2号公報に記載の化合物。 15)レドックス化合物 特開平2−301743号公報の一般式(I)で表され
る化合物(特に化合物例1ないし50)、同3−174
143号公報第3頁ないし第20頁に記載の一般式(R
−1)、(R−2)、(R−3)、化合物例1ないし7
5、さらに特開平5−257239号、同4−2789
39号に記載の化合物。 16)モノメチン化合物 特開平2−287532号公報の一般式(II)の化合物
(特に化合物例II−1ないしII−26)。 17)コロイド状シリカ 特開平4−214551号段落記号「0005」記載の
化合物。 18)現像液及び現像方法 特開平2−103536号公報第19頁右上覧16行目
から同第21頁左上覧8行目。特開平2−55349号
公報第13頁右下欄1行目から同第16頁左上欄10行
目。
【0038】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明を詳細に説明
するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0039】実施例1 (1)ポリマーの重合 反応容器に、反応溶媒としてトルエン6リットルおよび
テトラエトキシチタン5ミリモルおよびメチルアルミノ
キサンをアルミニウム原子として500ミリモル入れ、
50℃においてモル比でスチレン48.94:p−メチ
ルスチレン1.06とを加え、2時間重合反応を行っ
た。反応終了後、生成物を塩酸とメタノールとの混合液
で洗浄して、触媒成分を分解除去した。次いで乾燥する
ことにより共重合体640gを得た。この共重合体の重
量平均分子量(Mw)が44万であり、数平均分子量
(Mn)が24万であった。この共重合体中のp−メチ
ルスチレン単位の含有割合は5wt%であった。また、
この共重合体は12C−NMRによる分析から、145.
11ppm、145.22ppm、142.09ppm
に吸収が認められ、そのピーク面積から算出したスチレ
ン単位のラセミペンタッドでのシンジオタクティシティ
ーは72%であった。このポリマーのガラス転移温度
(Tg)、融点(Tm)はそれぞれ97℃、250℃で
あった。
【0040】なお、本発明で言うTg,Tmは次のよう
にして求められたものである。 試料10mgを示差熱分析計の中にセットしチッ素気流
中、20℃/分で330℃まで昇温後、室温まで急冷す
る。 再び20℃/分でチッ素気流中で昇温してゆき、ベー
スラインがシフトしはじめる温度と新たにベースライン
を形成する温度の中点をTgとする。 吸熱側に現われる大きなピークの最大吸熱点の温度を
Tmとする。
【0041】(2)支持体の製膜 これらのポリマー、コポリマーを150℃にて減圧、乾
燥後、ベント付単軸押出機、あるいは、ポリマーブレン
ドの時は、ベント付2軸押出機を用いてペレット化し、
このペレットを130℃の熱風中攪拌しながら結晶化さ
せた。この結晶化ペレット中のモノマー含有量は900
ppmであった。次に、このペレットを、フィルターの
内在する押出機の先端にT−ダイを取り付けた装置で押
出した。このときの溶融温度は、300℃であった。こ
の溶融状態のシートを静電印加法を用いて、2軸延伸後
表1に示した厚みになるようにキャスティングを行っ
た。このようにして得られた透明なシートの結晶化度は
9%であった。これを110℃で縦方向に3.6倍、次
いで120℃で横方向に3.8倍、逐次2軸延伸を行っ
た。なお縦延伸はロール間延伸、横方向はテンター延伸
で行った。この時の延伸速度は、縦方向、横方向とも3
000%/分で行った。さらに縦延伸、横延伸ゾーン内
の温度バラツキを0℃〜20℃に保つことで、本発明の
範囲内の厚みパターンを有する支持体を作ることができ
た。一方、温度ばらつきがこの範囲外では、本発明の範
囲外の大きな厚みパターンとなっている。このようにし
て2軸延伸ベースに240℃で15秒間熱固定を施し
た。この時の幅方向の緩和量を0.1〜20%、縦方向
の幅1m当たりの張力を3〜50kgにすることで11
0℃30分間の熱収縮率が0.4%以下の支持体を作る
ことができた。このようにして厚み100μm、幅1.
5m、長さ2000mの支持体を製膜した。
【0042】(3)支持体の表面処理 これらの支持体の両面に以下の条件でグロー放電処理を
施こした。断面が直径2cm、長さ150cmの円柱状で冷
媒流路となる中空部を持つ棒状電極を、10cm間隔に4
本絶縁板状に固定した。この電極板を真空タンク内に固
定し、この電極面から15cm離れ、電極面に正対するよ
うに2軸延伸フィルムを走行させ、2秒間の表面対処が
行われるように速度をコントロールした。フィルムが電
極を通過する直前に、フィルム直径50cmの温度コント
ローラー付き加熱ロールに3/4周接触するように加熱
ロールを配置し、さらに加熱ロールと電極ゾーンの間の
フィルム面に熱電対温度計を接触させることによりフィ
ルム面温度を70℃にコントロールした。真空槽内の圧
力は0.2Torr、雰囲気気体内のH2 O分圧は75
%で行った。放電周波数は30KHz、出力2500
W、処理強度は0.5KV・A・分/m2で行った。放電
処理後の支持体が巻き取られる前に表面温度が30℃に
なるように、直径50cmの温度コントローラー付き冷却
ロールに接触させ巻き取った。なお、巻き取る前に、表
1に示すようなナーリングを形成するように押し付け圧
力および温度を選択して行った。
【0043】(4)写真感材の作成 グロー放電処理をした支持体の片面に下記バック第1層
を塗設した。 <バック第1層> ゼラチン 10.0重量部 水 24.0 〃 メターノール 961.0 〃 サリチル酸 3.0 〃 特開昭51−3619号記載 0.5 〃 合成例1 ポリアマイド−エピクロルヒドリン樹脂 特公平3−27099号記載 1.0 〃 ノニオン性界面活性剤 化合物I−13 この塗布液をワイヤーバーを用いて10ml/m2塗布し、
115℃で2分間乾燥後巻き取った。これを用いて下記
3種類の感材を作成した。
【0044】感材A(スキャナー用感材)(階調7) この支持体のバック第1層の上に下記組成の導電層(バ
ック第2層)及びバックオーバーコート層(バック第3
層)を塗布した。 <導電層> SnO2/Sb2O5(9/1重量比、一次粒子:0.005μm、二次粒子0.08μ m) 200mg/m2 ゼラチン(Ca**含有量3000ppm) 77 〃 化合物−1 7 〃 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10 〃 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム 40 〃 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 9 〃
【0045】 <バックオーバーコート層> ゼラチン(Ca**含有量30ppm) 3.6g/m2 化合物−1 3mg/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3.4μm) 50 〃 化合物−2 40 〃 化合物−3 40 〃 化合物−4 80 〃 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 75 〃 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム 20 〃 化合物−5 5 〃 N−パーフルオロオクタンスルホニル−N−プロピルグリシンポタジウム 7 〃 硫酸ナトリウム 50 〃 酢酸ナトリウム 85 〃 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 150 〃
【0046】
【化2】
【0047】
【化3】
【0048】次いで、支持体の反対側の面に、バック第
1層と同じ処方の下塗り液を同様にして塗設した。この
上に下記組成の乳剤層、保護層下層、保護層上層を同時
に塗布した。 <乳剤層> 乳剤の調製 I液 水 1000ml ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 20g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20g ベンゼンスルホン酸ナトリウム 6mg II液 水 400ml 硝酸銀 100g III 液 水 400ml 塩化ナトリウム 30.5g 臭化カリウム 14g ヘキサクロロイリジウム(III) 酸カリウム(0.001%水溶液) 15ml ヘキサブロモロジウム(III) 酸アンモニウム(0.001%水溶液) 1.5ml 38℃、pH=4.5に保たれたI液にII液とIII 液を
攪拌しながら同時に10分間にわたって加え、0.16
μmの微粒子を形成した。続いて下記IV液、V液を10
分間にわたって加えた。さらにヨウ化カリウム0.15
gを加え粒子形成を終了した。
【0049】 IV液 水 400ml 硝酸銀 100g V液 水 400ml 塩化ナトリウム 30.5g 臭化カリウム 14g K4 Fe(CN)6 1×10-5モル/モルAg その後常法にしたがって、フロキュレーション法によっ
て、水洗し、ゼラチン40gを加えた。
【0050】この乳剤を、pH=5.3、pAg=7.
5に調整し、チオ硫酸ナトリウム5.2mg、塩化金酸1
0.0mgとN,N−ジメチルセレノ尿素を2.0mg加
え、ベンゼンスルホン酸ナトリウム8mg、ベンゼンスル
フィン酸ナトリウム2.0mgを加え、55℃で最適感度
になるように化学増感し、最終的に塩化銀80モル%を
含む、平均粒子径0.20μmのヨウ塩臭化銀立方体粒
子乳剤を調整した。次いで増感色素を5×10-4モル
/モルAg加えて、オルソ増感した。さらにカブリ防止
剤として、ハイドロキノン、1−フェニル−5−メルカ
プトテトラゾールをAg1モル当りそれぞれ2.5g、
50mg、コロイダルシリカ(日産化学製スノーテックス
C、平均粒径0.015μm)をゼラチンに対し、30
重量%加え、可塑剤としてポリエチルアクリレートラテ
ックス(0.05μm)をゼラチンに対し、40重量
%、硬膜剤として、1,1′−ビス(ビニルスルホニ
ル)メタンを100mg/m2加えた。
【0051】
【化4】
【0052】 <保護層下層処方> m2当り ゼラチン 0.7g ベンゼンスルホン酸ナトリウム 4mg 1,5−ジヒドロキシ−2−ベンズアルドキシム 25mg ポリエチルアクリレートラテックス 125mg <保護層上層処方> m2当り ゼラチン 0.5g ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径2.5μm) 40mg 化合物−6(滑り剤のゼラチン分散物) 60mg コロイダルシリカ(日産化学製スノーテックスC) 60mg 化合物−7 5mg ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 22mg
【0053】
【化5】
【0054】感材B(印刷用撮影感材)(階調12) バック第1層塗布後の支持体に下記導電層(バック第2
層)バック層(バック第3層)、バック保護層(バック
第4層)を塗設した。 <導電層> SnO2 /Sb2 5 (9/1重量比、一次粒子:0.005 μm、二次粒子:0.08μm ) 200 mg/m2 ゼラチン(Ca**含有量3000ppm) 77 〃 化合物−4(前出) 7 〃 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10 〃 ジヘキシル−α−スルホサクシナ−トナトリウム 40 〃 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 9 〃
【0055】 (バック層) ゼラチン 3.0g/m2 界面活性剤 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 40mg/m2 ジヘキシル−α−スルホサクシナ−トナトリウム塩 40 〃 ゼラチン硬化剤1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 200 〃 染料(A) 20 〃 染料(B) 50 〃 染料(C) 20 〃 染料(D) 30 〃 プロキセル 10 〃
【0056】
【化6】
【0057】 (バック保護層) ゼラチン 1.1g/m2 ポリメチルメタクリレ−ト微粒子(平均粒径2.5μm) 20mg/m2 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 15 〃 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム塩 15 〃 酢酸ナトリウム 60 〃 プロキセル 1 〃 次いでその反対側に下記処方の最下層、乳剤層第1層、
中間層、乳剤層第2層、保護層の順に同時塗布した。
【0058】 <最下層> ゼラチン 0.2g/m2 ポリエチルアクリレ−トラテックス(粒径0.05μ) 0.2 〃 1,1−ビス(ビニルスルホニル)メタン 0.04〃 <乳剤層第1層> (ヒトラジン含有層乳剤および塗布液の調製)硝酸銀6
3gを溶解した硝酸銀水溶液250ccと、乳剤全体の
銀1モル当たり1×10-7モルに相当するK2 Rh(H
2 O)Cl5 および1×10-7モルに相当するK3 Ir
Cl6 を含む臭化カリウム20gと塩化ナトリウム14
gを溶解したハロゲン塩水溶液250ccを、塩化ナト
リウム(0.5%)と1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジンチオン(0.002%)とクエン酸(0.05
%)を含有する2%ゼラチン水溶液に攪拌しながら38
℃で12分間ダブルジェット法により添加し、平均粒子
サイズ0.20μm、塩化銀含量55モル%塩臭化銀粒
子を得ることにより核形成を行った。続いて、硝酸銀1
07gを溶解した硝酸銀水溶液450ccと、臭化カリ
ウム28gと塩化ナトリウム28gを溶解したハロゲン
塩水溶液450ccを、ダブルジェット法により20分
間かけて添加し、粒子形成を行った。その後、銀1モル
あたり1×10-3モルのKI溶液を加えてコンバージョ
ンを行い、常法に従ってフロキュレーション法により水
洗した。そして、銀1モルあたりゼラチン40gを加
え、pH6.0、pAg7.5に調整した後、さらに銀
1モルあたりベンゼンチオスルホン酸ナトリウム7m
g、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム2mg、チオ硫酸
ナトリウム5mgおよび塩化金酸8mgを加え、60℃
で70分間加熱化学増感を施した後、安定剤として4−
ヒドロキシ−6−メチル1,3,3a,7−テトラザイ
ンデン150mgおよび防腐剤として、プロキセル10
0mgを加えた。得られた粒子は平均粒子サイズ0.2
7μm、塩化銀含有率60モル%の沃塩臭化銀立方体粒
子であった。(変動係数10%)
【0059】この乳剤に、それぞれ増感色素として銀1
モルあたり3×10-4モルの5−{3−(4−スルホブ
チル)−5−クロロ−2−ベンゾオキサゾリジリデン}
エチリデン−1−ヒドロキシエトキシエチル−3−(2
−フェニル)−2−チオヒダントインカリウム塩、およ
び3×10-4モルの5−{3−(4−スルホブチル)−
2−ベンゾオキサゾリジリデン}エチリデン−1−ヒド
ロキシエトキシエチル−3−(2−フェニル)−2−チ
オヒダントインカリウム塩を加え、さらに6×10-4
ルの下記構造式(E)で表される短波シアニン色素、3
×10-4モルの1−フェニル−5−メルカプトテトラゾ
−ル、6×10-4モルの、下記構造式(F)で表される
メルカプト化合物、および下記構造式(G)で表される
メルカプト化合物、3×10-4モルの下記構造式(H)
で表されるトリアジン化合物、3×10-4モルの下記構
造式(I)で表される化合物、6×10-4モルの5−ク
ロル−8−ヒドロキシキノリン、そしてヒドラジン化合
物として1×10-3モルの下記構造式(J)で表される
化合物および1×10-3モルの下記構造式(K)で表さ
れる化合物を添加し、さらにN−オレイル−N−メチル
タウリンナトリウム塩を30mg/m2 、コロイダルシ
リカ(日産化学製スノ−テックスC)を500mg/m
2 、ポリエチルアクリレ−トの分散物を500mg/m
2 、塗布されるように加えヒドラジン含有層塗布液を調
製した。塗布液のpHは6.0に調整した。この塗布液
をAg3.5g/m2 、ゼラチン1.7g/m2 になる
様に塗布した。
【0060】
【化7】
【0061】
【化8】
【0062】 <中間層> ゼラチン 1.0g/m2 プロキセル 3mg/m2 エタンチオスルホン酸ナトリウム 5 〃 染料(L) 100 〃 ハイドロキノン 100 〃 ポリエチルアクリレートラテックス(粒径0.05μ) 300 〃
【0063】
【化9】
【0064】<第2乳剤層> (レドックス化合物含有層乳剤および塗布液の調製)硝
酸銀170gを溶解した硝酸銀水溶液700ccと、銀
1モルあたり3×10-7モルに相当する(NH4)3 Rh
Cl6 を含有し、臭化カリウム36gと塩化ナトリウム
47gを溶解したハロゲン塩水溶液700ccを、塩化
ナトリウム(0.5%)と1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジンチオン(0.002%)を含有そる2%ゼラ
チン水溶液に攪拌しながら45℃で30分間ダブルジェ
ット法により添加し、平均粒子サイズ0.30μm、塩
化銀含有量70モル%の塩臭化銀粒子を得た。その後、
銀1モルあたり1×10-3モルのKI溶液を加えてコン
バ−ジョンを行い、常法に従ってフロキュレ−ション法
により水洗し、銀1モルあたりゼラチン40gを加え、
pH6.0、pAg7.5に調整し、さらに銀1モルあ
たりベンゼンチオスルホン酸ナトリウム7mgとベンゼ
ンスルフィン酸ナトリウム2mg、塩化金酸8mgおよ
びチオ硫酸ナトリウム5mgを加え、60℃で60分間
加熱し化学増感を施した後、安定剤として4−ヒドロキ
シ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
350mgおよび防腐剤としてプロキセル100mgを
加えた。得られた粒子は平均粒子サイズ0.30μm、
塩化銀含有率70モル%の塩臭化銀立方体であった。
(変動係数9%)
【0065】こうして得られた乳剤に、それぞれ増感色
素としてレドックス化合物含有層乳剤の銀1モルあたり
5×10-4モルの5−{3−(4−スルホブチル)−5
−クロロ−2−ベンゾオキサゾリジリデン}エチリデン
−1−ヒドロキシエトキシエチル−3−(2−フェニ
ル)−2−チオヒダントインカリウム塩、および6×1
-4モルのヒドラジン含有層塗布液に添加した構造式
(F)で表されるメルカプト化合物、3×10-4モルの
構造式(H)で表されるトリアジン化合物、6×10-4
モルの5−クロル−8−ヒドロキシキノリン、さらに下
記構造式(M)で表される染料を10mg/m2 、下記
構造式(N)で表されるレドックス化合物を60mg/
2 、ポリエチルアクリレ−トの分散物(300mg/
2 )硬膜剤として1,2−ビス(ビニルスルホニルア
セトアミド)エタン(30mg/m2)を添加した。こ
の塗布液をAg0.3g/m2 、ゼラチン0.3g/m
2 になる様に塗布した。
【0066】
【化10】
【0067】 <保護層> ゼラチン 0.3g/m2 SiO2 微粒子(細孔径170゜A,平均粒径2.5μm) 60mg/m2 コロイダルシリカ(日産化学社製スノ−テックスC) 100mg/m2 流動パラフィン 50 〃 フッ素界面活性剤(O) 5 〃 p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20 〃 感材C(印刷用返し感材)(階調16) バック第1層塗布後の支持体の反対面にこれと同じ処方
の下塗り液を同様にして塗設した。この支持体の一方の
側に下記乳剤第1層および第2層、保護層下層および上
層を、同時塗布した。 <乳剤層第1層>40℃に保った4−ヒドロキシ−6−
メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン(銀1モ
ル当たり5×10-3モル)を含有するゼラチン水溶液中
に硝酸銀水溶液と銀1モル当たり2×10-5モルの(NH
4)2Rh(H2O)Cl5 を含む塩化ナトリウム水溶液を同時に7
分で添加し、その間の電位を95mVにコントロ−ルす
ることにより、芯部の粒子0.12μmを調製した。そ
の後、硝酸銀水溶液と銀1モル当たり1.2×10-4
ルの(NH4)2RH(H2O)CL5を含む塩化ナトリウム水溶液を同
時に14分間で添加しその間の電位を95mVにコント
ロ−ルすることによって平均粒子サイズ0.15μmの
塩化銀立方体粒子を調製した。この乳剤にポリエチルア
クリレ−トラテックス(平均粒径0.05μm)を60
0mg/m2、下記のヒドラジン化合物、をモル比
で1:1に混合した溶液を各々2.2×10-5mol/
2 、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7
−テトラザインデンを30mg/m2 、下記の化合物−
16、−17を各々40mg/m2 、10mg/m2
硬膜剤として、1,1−ビス(ビニルスルホニル)メタ
ンを98mg/m2 になる様に加え、銀量2.0g/m
2 、ゼラチン0.9g/m2 になる様に塗布した。
【0068】
【化11】
【0069】<乳剤層第2層>40℃に保った5,6−
シクロペンタン−4−ヒドロキシ−1,3,3a,7−
テトラザインデン(銀1モル当たり5×10-3モル)を
含有するゼラチン水溶液中に硝酸銀水溶液と銀1モル当
たり4×10-5モルの(NH4)Rh(H2O)Cl5 を含む塩化ナト
リウム水溶液を同時に3分半で添加し、その間の電位を
95mVにコントロ−ルすることにより、芯部の粒子
0.08μmを調製した。その後、硝酸銀水溶液と銀1
モル当たり1.2×10-4モルの(NH4)2Rh(H2O)Cl5を含
む塩化ナトリウム水溶液を同時に7分間で添加しその間
の電位を95mVにコントロ−ルすることによって平均
粒子サイズ0.10μmの塩化銀立方体粒子を調製し
た。この乳剤を用いる以外は上記乳剤第1層と同様の乳
剤層を銀量1.5g/m2ゼラチン0.7g/m2 にな
るように塗布した。 <保護層下層> ゼラチン 0.55g/m2 1−ヒドロキシ−2−ベンズアルドオキシウム 15mg/m2 化合物−19 80 〃 化合物−20 10 〃 ポリエチルアクリレ−トラテックス(平均粒径0.05μm) 280 〃
【0070】 <保護層上層> ゼラチン 0.95g/m2 不定形マット剤(SiO2 、平均粒径3.0μm) 30mg/m2 球形マット剤(PMMA、平均粒径2.7μm) 30 〃 流動パラフィン(ゼラチン分散物) 50 〃 N−パ−フルオロオクタンスルホニル−N−プロピルグリシンポタジウム 5 〃 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10 〃 *固体分散染料A 80 〃 *固体分散染料B 40 〃 *固体分散染料A、Bの微粒子分散物の調製方法 本発明での調製方法は特開昭63−197943号の方
法に準じた。すなわち、水(434ミリリットル)及び
TritonX−200R界面活性剤(TX−200R)(5
3g)(Rohm & Haas 社から販売)の6.7%溶液と
を、1.5リットルネジ蓋ビンに入れた。これに、染料
の20gと酸化ジルコニウム(ZrO2 )のビ−ズ(8
00ミリリットル)(2mm径)を添加し、このビンの
蓋をしっかりしめて、ミル内に置き、内容物を4日間粉
砕した。内容物を12.5%のゼラチン水溶液(160
g)に添加し、ロ−ルミルに10分間置いて泡を減少さ
せた。得られた混合物をろ過して、ZrO2 ビ−ズを除
去した。このままだと平均粒径が約0.3μmである
が、まだ粗粒子を含んでいるので、この後遠心分離法に
よって分級し、最大粒子サイズが1μm以下になるよう
にした。ついで、支持体の反対側の面に、下記に示す導
電層及びバック層を同時塗布した。
【0071】
【化12】
【0072】 <バック層> ゼラチン(Ca2+含有量30ppm) 2.82g/m2 化合物−21 40mg/m2 化合物−22 40 〃 化合物−23 40 〃 化合物−24 80 〃 化合物−25 150 〃 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 40 〃 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 125 〃 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム 20 〃 <バック保護層> ゼラチン(Ca++含有量3000ppm) 0.7g/m2 化合物−1 3mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10 〃 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム 10 〃 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 9 〃 化合物−26 5 〃 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径2.5μm) 30 〃 硫酸ナトリウム 60 〃
【0073】
【化13】
【0074】
【化14】
【0075】(5)評価 1)圧力カブリ,擦りカブリ 巻芯部にまかれていた未露光サンプルを下記方法にて現
像処理を行った後圧力カブリ、擦りカブリを測定した。 感材A 現像:SR−D1現像液(富士写真フイルム製) 38℃14秒 定着:SR−F1定着液( 〃 ) 現像機:FG−710NH( 〃 ) 感材B 現像:SGX−D1現像液( 〃 ) 34℃30秒 定着:GR−F1定着液( 〃 ) 現像機:FG−680A( 〃 ) 感材C 現像:SGX−D1現像液( 〃 ) 38℃20秒 定着:GR−F1定着液( 〃 ) 現像機:FG−680AG( 〃 )
【0076】2)長さ1mm以上の擦傷の数(1m2
り) 乳剤塗布後のサンプルを全幅×5mの長さ1mm維持用
の擦傷を3000ルクスの明るさのもとで肉眼で数え
た。
【0077】3)ハンドリング中の巻ズレ 下記方法で乳剤塗布後のロールに対して、評価した。ロ
ールを台車上に載せ、時速10km/hrで走行させ
る。これを厚み10mmのゴムを張ったコンクリート壁
に対して衝突させる。この時に発生するロール端面のズ
レ(最も出っぱっている所と引っ込んでいる所の差)を
測定する。
【0078】4)気体層の厚み 乳剤塗布後に巻き取ったロールの半径を、幅方向に5
点(幅方向に7等分し、両端の2点を除いた5点)測定
し、平均値R(mm)を求める。 巻芯の半径r(mm)、フイルムの厚みT(μm)、
フイルムの長さL(m)を求め、下記式から層間空気層
の厚みA(μm)を求める。 A={(π/L)×(R2 −r2 )}−T 空気層厚みは、テンションおよびレイオンロールの圧力
を適宜選択した。
【0079】(6)結果 本発明の実施結果を表1にまとめた。
【0080】
【表1】
【0081】
【発明の効果】本発明により、巻ずれが少なく、擦傷の
発生もなくしかも圧力カブリおよび擦りカブリに優れた
寸度安定性に優れたハロゲン化銀写真感光材料を製造す
ることができた。本発明により、生産性の向上とコスト
ダウンが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の支持体のナーリング部に対する乳剤塗
布幅についての説明図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてシンジオタクチック構造を有す
    るスチレン系重合体である写真用支持体に感光乳剤層の
    少なくとも一層の階調が2以上である乳剤をナーリング
    部分の乳剤塗布面積の割合が5〜95%になるように塗
    布してフイルム層間に介在する気体の厚みが1.5〜1
    0μmで巻き取ることを特徴とするハロゲン化銀写真感
    光材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 該ハロゲン化銀写真感光材料の巻初めの
    テンションが30〜100kg/mでありかつ巻終わり
    のテンションが30〜100kg/mであることを特徴
    とする請求項1に記載のハロゲン化銀写真感光材料の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 該支持体の幅が1m以上で長さが100
    0m以上であることを特徴とする請求項1または2に記
    載のハロゲン化銀写真感光材料の製造方法。
JP7045079A 1995-02-10 1995-02-10 ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法 Pending JPH08220694A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7045079A JPH08220694A (ja) 1995-02-10 1995-02-10 ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7045079A JPH08220694A (ja) 1995-02-10 1995-02-10 ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08220694A true JPH08220694A (ja) 1996-08-30

Family

ID=12709331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7045079A Pending JPH08220694A (ja) 1995-02-10 1995-02-10 ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08220694A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5188930A (en) Photographic film of syndiotactic styrene polymer
US5558979A (en) Silver halide photographic material
EP0677778B1 (en) Silver halide photographic material
JPH08220694A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法
JP3779340B2 (ja) 写真用支持体
JP3464849B2 (ja) スチレン系ポリマーからなる写真用支持体の製造方法
EP0423712A1 (en) Photographic film
JP3447843B2 (ja) 写真用支持体の製造方法
JPH07319118A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH08239497A (ja) 塗布層を有するスチレンポリマーフイルム、その製造方法およびハロゲン化銀写真感光材料
JP3739942B2 (ja) 低熱収縮フイルムおよびそれを支持体とする熱現像写真感光材料
JP2000029165A (ja) 低熱収縮フイルムおよびそれを支持体とする熱現像写真感光材料
JPH08201968A (ja) 写真用支持体およびそれを用いたハロゲン化銀写真材料
US6274247B1 (en) Low-heat-shrinkage polyester support and heat-development photographic light-sensitive material
JPH06332110A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP3290135B2 (ja) 低熱収縮ポリエステル支持体および熱現像写真感光材料
JPH08190172A (ja) 写真用支持体およびその製造方法
JP2003131344A (ja) 低熱収縮フィルムからなる感光材料支持体の製造方法および熱現像写真感光材料の製造方法
US5773125A (en) Syndiotactic styrenic polymer film, process for the preparation of the same and photographic material
JPH0954389A (ja) ハロゲン化銀黒白写真感光材料
JP2000029166A (ja) 熱現像写真感光材料
JPH11333922A (ja) 低熱収縮ポリエステル支持体および熱現像写真感光材料
US20050118543A1 (en) Photothermographic recording material
JP2002023310A (ja) 写真感光材料用支持体
WO1995022786A1 (fr) Materiau photosensible a base d'halogenure d'argent