JP3779340B2 - 写真用支持体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はハロゲン化銀写真感光材料、特に寸法安定性に優れ、加工適性に優れたハロゲン化銀写真感光材料に適する写真用支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にハロゲン化銀写真感光材料(以下、感光材料あるいは感材と略する)は温湿度、特に湿度が変化すると寸法が変化しやすいという欠点を持っている。この寸法変化は特に多色印刷のための網点画像や、精密な線画の再現が要求される印刷用感材では、極めて重大な問題となる。
このような寸法変化は感光層を形成する保護コロイド層(ゼラチン等)および支持体の吸湿寸度変化によって発生する。このため、寸法安定性の改良には、保護コロイド層の改良と支持体の改良の両者が存在するが、本発明は後者の観点から改良を行ったものである。
支持体の寸法安定性を改良する方法として、従来一般に用いられてきたポリエチレンテレフタレート(以下PETと略する)から、より吸湿寸度安定性に優れた支持体に変更する方法がある。このような支持体として、特開平3−131843号に記載されているような、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体を用いる方法が知られている。
この重合体を用いた支持体は、極めて良好な吸湿寸度安定性を示す。しかし、この支持体には、種々の問題点が存在し、そのまま写真用支持体として用いることができなかった。その最も大きな問題は、加工時に発生する屑の問題であった。
通常、写真用フィルムは、感光層等を塗布後、所定の大きさに裁断されるが、このシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体からなる支持体は、裁断時に屑が発生しやすく、この屑が感材上につくと、撮影時に画像欠陥となりやすいという問題を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、吸湿寸度安定性に優れ、加工適性に優れた写真用支持体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
これらの課題は、湿度膨張係数が1×10-6/%RHを越え8×10-6/%RH以下、より好ましくは1.2×10-6〜5×10-6/%RH、さらに好ましくは1.4×10-6〜2.5×10-6/%RHの写真用支持体によって達成された。
【0005】
以下にこれらの支持体およびこれらの達成方法について説明を加える。
本発明の支持体に用いるシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体とは、炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基やその誘導体が交互に反対方向に位置する立体構造を有するものであり、その立体規則性(タクティシティー)は同位炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR法)により定量されるのが一般的でかつ精度に優れる。この13C−NMR法により測定される立体規則性は、連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド、3個の場合はトライアッド、5個の場合はペンダッドによって示すことができる。本発明に言うシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体とは、通常はラセミダイアッドで75%以上、100%以下、好ましくは85%以上、100%以下、若しくははラセミペンタヘッドで30%以上、100%以下、好ましくは50%以上、100%以下の立体規則性を有するものである。具体的には立体規則性のポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)、ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)が挙げられる。ここでポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(プロピルスチレン)、ポリ(ブチルスチレン)、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)、ポリ(アセナフチン)などがある。また、ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレン)などがある。また、ポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)などがある。これらのなかで、より好ましいものは、ポリ(スチレン)、ポリ(メチルスチレン)であり、さらに好ましいのが、ポリ(スチレン)である。
【0006】
これらのシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体は、上述のようなホモポリマー以外にも、共重合体であってもよい。共重合体のコモノマー成分としては、上述のスチレン系重合体を構成するモノマーのほか、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等のオレフィンモノマー、ブタジエン、イソプレン等のジエンモノマー、環状オレフィンモノマー、環状ジエンモノマーやメタクリル酸メチル、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の極性ビニルモノマー等を挙げることができる。
これらの内、スチレンを主成分として、これに、アルキルスチレン、水素化ポリスチレン、ハロゲン化ポリスチレンを共重合したものが好ましい。これらのなかでも、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−タ−シャリ−ブチルスチレン、p−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−フルオロスチレン、水素化ポリスチレンであり、特に好ましいのがp−メチルスチレンである。
これらの添加量は好ましくは、30wt%以下、0wt%以上、より好ましくは20wt%以下、0wt%以上さらに好ましくは10wt%以下、0wt%以上である。
【0007】
また、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体と他のポリマーをブレンドして使用してもよい。好ましいポリマーブレンド成分としては、上述のようなシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体や、アタクチック構造を有するスチレン系重合体が相溶性の観点から好ましい。これらの中でとくに好ましいのが、シンジオタクチック構造を有するポリスチレンを主成分とし、これに、シンジオタクチック構造を有するポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(p−タ−シャリ−ブチルスチレン)、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリ(m−クロロスチレン)、ポリ(p−フルオロスチレン)、ポリ(水素化ポリスチレン)およびこれらのアタクチック構造を有する重合体をブレンドするのが好ましい。とくに、シンジオタクチック構造を有するp−メチルスチレンをブレンドしたものが好ましい。
これらの添加量は好ましくは、30wt%以下、0wt%以上、より好ましくは20wt%以下、0wt%以上さらに好ましくは10wt%、0wt%以下である。
【0008】
このような中で好ましいポリマー組成を下記に示す。(ここで、syn はシンジオタクチック、atc はアタクチックを示す。)
【0009】
これらのスチレン系重合体の分子量は、重量平均分子量が10万以上80万以下のものが好ましく、特に好ましくは、20万以上60万以下のものである。さらに分子量分布は、重量平均分子(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.5以上、5以下、さらに好ましくは2以上4以下が好ましい。
【0010】
このようなシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体は、例えば不活性炭化水素溶媒中または、溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水とトリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン系単量体(上記スチレン系重合体に対応する単量体)を重合することにより製造することができる。(特開昭62−187708号公報)。あるいは、チタン化合物及びカチオンと複数の基が元素に結合したアニオンとからなる化合物を触媒として重合することにより製造することができる。(特開平4−249504)。
【0011】
またさらに本発明の目的を妨げない範囲で、シリカ、タルク、チタニア、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、塩化カルシウム等およびこれらの混合物等の無機微粒子、架橋ポリスチレン、架橋ポリメチルメタクリレート等の有機微粒子、および酸化防止剤、帯電防止剤、色素等を配合することができる。
【0012】
さらに本発明において製膜中のモノマー析出防止のためには、スチレン系重合体あるいはその組成物中の残量スチレン単量体が7000ppm以下であることが好ましい。そのようなスチレン系重合体あるいは組成物を得るためには以下の方法に依るとよい。
(1) 重合後あるいはさらに処理後のスチレン系重合体を減圧乾燥する方法。
ここで減圧乾燥するにあたっては、乾燥温度を核重合体のガラス転移温度以上の温度にすると効率が良い。
(2) さらに押出機により脱気し、同時に成形用材料(ペレット)とする。ここで押出機はベント付きが好ましく、一軸、二軸いずれの押出機を用いてもよい。
【0013】
以上のような本発明のスチレン系重合体あるいは該重合体を含む組成物を素材として、フィルムを製造する。具体的には、加熱溶融して押し出し、冷却、固化させて製膜する。
ここで用いられる押し出し成型機は、一軸押し出し成形機、二軸押し出し成形機のいずれでもよく、またベント付き、ベントなしのいずれでもよい。なお、押し出し機には二次凝集粒子を粉砕、除去あるいはゴミ、異物除去のためにメッシュフィルターを使用することが好ましい。また押し出し温度は、用いるポリマーの融点〜分解温度より50℃高い温度の範囲で選定しT−ダイ等を用いて行うのが好ましい。
上記押し出し成型後、得られた予備成形体(原反シート)を冷却固化する。この際の冷媒は気体、液体、金属ロール等各種のものを使用することができる。金属ロール等を用いる場合、エアナイフ、エアチャンバー、タッチロール、静電印加等の方法を用いても良い。これらのなかで、平面性の観点から静電印加法を用いるのが好ましい。
冷却固化の温度は、原反シートのガラス転移温度(Tg)−70℃〜Tg、より好ましくはTg−50℃〜Tg−20℃の範囲である。
【0014】
次に冷却、固化した原反シートを延伸する。縦、横の均質性の要求される写真用支持体では、延伸は縦、横の多軸延伸が好ましい。この多軸延伸は同時延伸でも、逐次延伸でもよい。
延伸方法としては、テンターによる方法、ロール間で延伸する方法、圧延による方法などがあり、これらを組み合わせて適用すればよいが、好ましいのは、テンターによる方法、ロール間で延伸する方法である。より具体的には、ロール間延伸で縦延伸後、テンターで横延伸を行うのがさらに好ましい。
延伸温度は、縦、横とも、原反シートのガラス転移温度(Tg)〜Tg+50℃、より好ましくはTg+5℃〜Tg+30℃、さらに好ましくはTg+10℃〜Tg+25℃に設定すれば良い。
延伸速度は、縦、横とも1000〜8000%/分、好ましくは2000〜6000%/分、さらに好ましくは、2500〜4000%/分である。
面積延伸倍率は10〜16倍、好ましくは11〜15倍、さらに好ましくは12〜14.5倍である。
【0015】
上述の条件で延伸して得られた延伸フィルムに、さらに熱固定を行う。本発明は、この熱固定条件の改良により、吸湿膨張係数が小さく、加工適性に優れた支持体を製膜することができた。
本発明の熱固定は、0.1〜30%、より好ましくは1〜20%、さらに好ましくは3〜15%、熱弛緩させると同時に、熱固定ゾーンでの出口での支持体温度入口での支持体温度よりも、10℃以上、200℃以下、より好ましくは20℃以上、160℃以下、さらに好ましくは、30℃以上、130℃以下高くしながら熱固定を行うことを特徴とする。
熱固定中の熱弛緩量がこの範囲以下、および温度差がこの範囲以下では、吸湿膨張係数は小さくなるが、加工適性が低下し、裁断時に発生する屑の量が増加す。一方、熱弛緩量がこの範囲以上では、吸湿膨張係数は増加し、好ましくない。
また、温度差がこの範囲以上では、平面性が悪化し、好ましくない。
このような熱弛緩は、熱固定中のテンターの幅の制御で、温度匂配は熱固定ゾーン中に設置された複数の熱源の温度設定を変えたりすることで容易に達成可能である。
このような熱固定温度はこのフィルムの200℃〜融点(Tm)、より好ましくは220℃〜Tm、さらに好ましくは230℃〜Tmで、3〜60秒間、より好ましくは5〜40秒、さらに好ましくは10〜30秒保持することによって行われる。
なお、この熱固定は、上記範囲内で条件を変えて二回以上行ってもよく、同様な効果が得られる。
【0016】
このようにして製膜した支持体の厚みは90〜300μm、より好ましくは、94〜250μm、さらに好ましくは、98〜200μmである。この範囲以下では、力学強度が不足し取扱い上問題が発生しやすい。一方これ以上厚くして、力学強度を上げる必要はなく、コストが増加するだけである。
本発明の支持体には必要に応じ、グロー放電処理、コロナ処理、紫外線照射処理、火炎処理、などの表面処理を施してもよい。この中で接着性に優れ、最も好ましいのが、グロー放電処理である。
【0017】
以下、コロナ処理、紫外線処理、グロー処理、火焔処理について説明を加える。
コロナ処理は、最もよく知られている方法であり、従来公知のいずれの方法、例えば特公昭48−5043号、同47−51905号、特開昭47−28067号、同49−83767号、同51−41770号、同51−131576号等に開示された方法により達成することができる。放電周波数は50Hz〜5000kHz、好ましくは5kHz〜数100kHzが適当である。被処理物の処理強度に関しては、0.001KV・A・分/m2〜5KV・A・分/m2、好ましくは0.01KV・A・分/m2〜1KV・A・分/m2が適当である。電極と誘電体ロールのギャップクリアランスは0.5〜2.5mm、好ましくは1.0〜2.0mmが適当である。
【0018】
次に紫外線処理について述べる。紫外線処理は、特公昭43−2603号、特公昭43−2604号、特公昭45−3828号記載の処理方法によって行われるのが好ましい。水銀灯は石英管からなる高圧水銀灯、低圧水銀灯で、紫外線の波長が180〜380nmの間であるものが好ましい。
紫外線照射の方法については、365nmを主波長とする高圧水銀ランプであれば、照射光量20〜10000(mJ/cm2 )がよく、より好ましくは50〜2000(mJ/cm2 )である。254nmを主波長とする低圧水銀ランプの場合には、照射光量100〜10000(mJ/cm2 )がよく、より好ましくは200〜1500(mJ/cm2 )である。
【0019】
次にグロー処理について述べる。グロー処理は、従来知られている方法、例えば特公昭35−7578号、同36−10336号、同45−22004号、同45−22005号、同45−24040号、同46−43480号、特開昭53−129262号、米国特許3,057,792号、同3,057,795号、同3,179,482号、同3,288,638号、同3,309,299号、同3,424,735号、同3,462,335号、同3,475,307号、同3,761,299号、同4,072,769号、英国特許891,469号、同997,093号、等を用いることができる。
このようなグロー処理では、特に雰囲気に水蒸気を導入した場合において最も優れた接着効果を得ることができる。また、この手法は支持体の黄色化抑制、ブロッキング防止にも非常に有効である。
水蒸気の存在下でグロー処理を実施する時の水蒸気分圧は、10%以上100%以下が好ましく、更に好ましくは40%以上90%以下である。10%未満では充分な接着性を得ることが困難となる。水蒸気以外のガスは酸素、窒素等からなる空気である。
さらに、表面処理すべき支持体を加熱した状態で真空グロー処理を行うと、常温で処理するのに比べ短時間の処理で接着性が向上し、有効である。
予熱温度は50℃以上Tg以下が好ましく、60℃以上Tg以下がより好ましく、70℃以上Tg以下がさらに好ましい。Tg以上の温度で予熱すると接着が悪化する。
【0020】
グロー処理時の真空度は0.005〜20Torrとするのが好ましい。より好ましくは0.02〜2Torrである。
また、電圧は、500〜5000Vの間が好ましい。より好ましくは500〜3000Vである。
また、使用する放電周波数は、従来技術に見られるように、直流から数1000MHz、好ましくは50Hz〜20MHz、さらに好ましくは1KHz〜1MHzである。
放電処理強度は、0.01KV・A・分/m2〜5KV・A・分/m2が好ましく、更に好ましくは0.15KV・A・分/m2〜1KV・A・分/m2で所望の接着性能が得られる。
このようにして、グロー処理を施こした支持体は、直ちに冷却ロールを用いて温度を下げることが好ましい。
【0021】
火焔処理の方法は天然ガスでも液化プロパンガスでもかまわないが、空気との混合比が重要である。プロパンガスの場合は、プロパンガス/空気の好ましい混合比は、容積比で1/14〜1/22、好ましくは1/16〜1/19である。また、天然ガスの場合は、1/6〜1/10、好ましくは1/7〜1/9である。
火焔処理は1〜50Kcal/m2、より好ましくは3〜30Kcal/m2の範囲で行うとよい。またバーナーの内炎の先端と支持体の距離を4cm未満にするとより効果的である。処理装置は春日電気(株)製フレーム処理装置を用いることができる。また、火焔処理時に支持体を支えるバックアップロールは中空型ロールで、冷却水を通して水冷し、常に一定温度で処理するのがよい。
【0022】
次に表面処理した支持体と感光層の間に設ける下塗り層について述べる。下塗り層としては、第1層として支持体によく接着する層(以下、下塗り第1層と略す)を設け、その上に第2層として下塗り第1層と写真層をよく接着する層(以下、下塗り第2層と略す)を塗布するいわゆる重層法と、支持体と写真層をよく接着する層を一層のみ塗布する単層法とがある。
重層法における下塗り第1層では、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸エステル、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等の中から選ばれた単量体を出発原料とする共重合体、エポキシ樹脂、ゼラチン、ニトロセルロース、ポリ酢酸ビニルなどが用いられる。また必要に応じて、トリアジン系、エポキシ系、メラミン系、ブロックイソシアネートを含むイソシアネート系、アジリジン系、オキサザリン系等の架橋剤、コロイダルシリカ等の無機粒子、界面活性剤、増粘剤、染料、防腐剤などを添加してもよい。(これらについては、E.H.Immergut “Polymer Handbook" VI187〜231、Intersciense Pub.New York 1966や特開昭50−39528、同50−47196、同50−63881、同51−133526、同64−538、同63−174698、特願平1−240965、特開平1−240965、同2−184844、特開昭48−89870、同48−93672などに詳しい)。また、下塗り第2層では、主としてゼラチンが用いられる。
【0023】
単層法においては、多くは支持体を膨潤させ、下塗りポリマーと界面混合させる事によって良好な接着性を得る方法が多く用いられる。この下塗りポリマーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ガゼイン、寒天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体などの水溶性ポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースエステル、塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデン含有共重合体、アクリル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニル含有共重合体、酢酸ビニル含有共重合体等のラテックスポリマー、などが用いられる。これらのうち好ましいのはゼラチンである。ゼラチンとしては、いわゆる石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチン誘導体及び変性ゼラチン等当業界で一般に用いられているものはいずれも用いることができる。これらのゼラチンのうち、最も好ましく用いられるのは石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチンである。
【0024】
次に親水性コロイド層について述べる。
親水性コロイド層としてはハロゲン化銀乳剤層、保護層、中間層、アンチハレーション層、バック層、バック保護層等がある。
これらの写真層のバインダーとして用いられる親水性コロイドとして最も好ましいものはゼラチンである。ゼラチンとしては、いわゆる石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチン誘導体及び変性ゼラチン等当業界で一般に用いられているものはいずれも用いることができる。これらのゼラチンのうち、最も好ましく用いられるのは石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチンである。ゼラチン以外の親水性コロイドとしてコロイド状アルブミン、カゼイン等の蛋白質、寒天、アルギン酸ナトリウム、デンプン誘導体等の糖誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース化合物、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等の合成親水化合物等を挙げることができる。合成親水化合物の場合、他の成分を共重合してもよい。これらの親水性コロイドは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0025】
このような親水性コロイド層は、1層でも多層でもよく、各層の厚みは0.02〜10μm、より好ましくは0.1〜7μmの範囲が好ましい。
乳剤面、バック面には複数の親水性コロイド層を塗設してよいが、これらの層のトータル厚みは、乳剤面で1.5〜10μm、バック面で0〜5μm程度が好ましい。
特にバック面では、親水性コロイド層は塗設しない事も好ましい。
【0026】
バック面に親水性コロイド層を塗設しない場合、バック面の耐傷性付与、マット剤、すべり剤等を保持のため、疎水性ポリマーをバインダーとするポリマー層を塗設してもよい。
疎水性ポリマー層のバインダーとしてはポリメチルメタクリレート、エチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルポリマー、ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、スチレン系ポリマー、塩化ビニリデン、ウレタン系ポリマー、ブタジエン等のゴム系ポリマーなどが用いられる。
この層は1層でも2層以上でもよい。
これらの層には必要に応じてマット剤、すべり剤、帯電調整剤、界面活性剤、架橋剤、又後述する表面抵抗率低減のための導電性物質などを添加してもよい。
【0027】
バック層には更にポリマーラテックスを添加しても良い。本発明に用いられるポリマーラテックスは平均粒径が20mμ〜200mμの水不溶性ポリマーの水分散物で、好ましい使用量はバインダー1.0に対して乾燥重量比で0.01〜1.0で特に好ましくは0.1〜0.8である。本発明に用いられるポリマーラテックスの好ましい例としてはアクリル酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステルまたはグリシジルエステル、あるいはメタアクリル酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル、またはグリシジルエステルをモノマー単位として持ち、平均分子量が10万以上、特に好ましくは30〜50万のポリマーであり、具体例は次式で示される。
【0028】
【化1】
【0029】
本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光材料のハロゲン化銀乳剤は通常、水溶性銀塩(例えば硝酸銀)溶液と水溶性ハロゲン塩(例えば臭化カリウム)溶液とをゼラチンの如き水溶性高分子溶液の存在下で混合してつくられる。
ハロゲン化銀としては塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀及び塩沃臭化銀いづれも用いることが出来、その粒子形態、サイズ分布に特に限定はない。
ハロゲン化銀乳剤層は、感光性ハロゲン化銀、化学増感剤、分光増感剤、カブリ防止剤、親水性コロイド(特にゼラチン)、ゼラチン硬化剤、界面活性剤など膜物理性改良剤、増粘剤、等を含有することが出来る。これらについては、リサーチ・ディスクロージャー誌、176巻17643項(1978年12月)の記載、及び特開昭52−108130号、同52−114328号、同52−121321号、同53−3217号、同53−44025号明細書の記載等を参考にすることが出来る。
【0030】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、必要に応じて表面抵抗率を1012以下に低下させてもよい。
表面抵抗率を低下させる手段に特に制限はない。例えば、特開昭58−62648号明細書、同58−62649号明細書、同51−115291号明細書等に開示されたSn、Zn、Ti、In、V等の酸化物の微粉末を添加する方法、特開昭57−204540号明細書、同54−133324号明細書等に開示されたポリマーを添加する方法、特開昭64−26849号明細書、同61−24907号明細書等に開示されている界面活性剤を添加する方法などがある。これらの方法のうち好ましいものはSnO2 等の金属酸化物を添加する方法である。
【0031】
金属酸化物の微粉末としては導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物が好ましい。
導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物の微粒子としては体積抵抗率が107 Ωcm以下、より好ましくは105 Ωcm以下のものが望ましい。またその粒子サイズは0.01〜0.7μ、特に0.02〜0.5μであることが望ましい。
本発明に使用される導電性の結晶性金属酸化物あるいは複合酸化物の微粒子の製造方法については特願昭55−47663号の明細書に詳細に記載されている。第1に金属酸化物微粒子で暁成により作製し、導電性を向上させる異種原子の存在下で熱処理する方法、第2に焼成により金属酸化物微粒子を製造するときに導電性を向上させる為の異種原子を共存させる方法、第3に焼成により金属微粒子を製造する際に雰囲気中の酸素濃度を下げて、酸素欠陥を導入する方法等が容易である。金属原子を含む例としてはZnOに対してAl、In等、TiO2 に対してはNb、Ta等、SnO2 に対してはSb、Nb、ハロゲン元素等があげられる。異種原子の添加量は0.01〜30mol%の範囲が好ましいが0.1〜10mol%であれば特に好ましい。
これらのうちSbを添加したSnO2 微粒子が最も好ましい。
【0032】
ハロゲン化銀写真感光材料にはハレーション防止、セーフライト安全性向上、表裏判別性向上などの目的で、染色された非感光性親水性コロイド層(以降染色層と表わす)を設けてもよい。これらは下記特許に詳しくのべられている、米国特許第3,455,693号、同2,548,564号、同4,124,386号、同3,625,694号、特開昭47−13935号、同55−33172号、同56−36414号、同57−161853号、同52−29727号、同61−198148号、同61−177447号、同61−217039号、同61−219039号等記載の染料を媒染剤に吸着せしめる方法、特開昭61−213839号、同63−208846号、同63−296039号、特開平1−158439号等記載の耐拡散型染料を用いる方法、特願平1−142688号記載のオイルに溶解した染料を油滴状に乳化分散する方法、米国特許2,719,088号、同2,498,841号、同2,496,843号、特開昭60−45237号、特願平1−139691号等記載の染料を無機物表面に吸着せしめる方法、特願平1−119851号記載の染料をポリマーに吸着せしめる方法、特開昭56−12639号、同55−155350号、同55−155351号、同63−27838号、同63−197943号、欧州特許第15,601号、同274,723号、同276,566号、同299,435号、世界特許(WO)88/04794号、特願平1−87367等記載の水に不溶性の染料固体を用いる方法などがある。これらの方法の中で染料を固体のまま分散する方法が染料を特定層中に固定し、現像処理後の残色が少ないという観点から好ましい。
【0033】
このようにして調製された感材は、所定の大きさに裁断される。裁断は、送り出し機と巻取り機の間に設置された上下2枚のロール刃によって行なわれる。
裁断された感材は、シート状で用いるのが好ましい。この支持体は巻癖カールが強くつきやすく、その結果、ロール状で使用した場合、取扱い性が著しく悪いためである。
【0034】
最後に、本発明で行った各種評価法について記載する。
(1)湿度膨張係数
製膜直後の支持体の、25℃、20%RH〜80%RHの間の平均寸法変化率を下記手順で測定した。
▲1▼幅5cm×長さ25cmにサンプルを裁断
▲2▼これを各湿度で3時間以上調湿後、20cm基長のピンゲージを用いて寸法変化を測定する。
長手方向、幅方向で測定し、その平均値を表記した。
(2)加工適性
感光層塗設後のサンプルに対し、特開平4−13598号の実施例に従い、クリアランス率を10%に設定し、35mm幅で50m裁断した。
このフィルムを、曝光後現像処理し、投影機で100倍に拡大投影した。
裁断屑の付着により発生した白抜け部の数を目視にて全長検査した。
・白抜け箇所が2箇所以下を○
・ 〃 3〜5箇所を△
・ 〃 6箇所以上を×
(△以上が、実用上問題の無いレベル)
(3)取扱い性(クニックの発生)
感光層塗設後のA4サイズのサンプル100枚を、手で1枚ずつ、暗室内で50cmはなれた台に移す作業を行う。これを現像し、クニックに起因する半月状のかぶりの発生した感材の枚数を数える。
・全く発生しなかったものを○
・1枚でも発生したものを×
【0035】
【実施例】
以下に実施例をあげて、本発明を詳細に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
実施例1
(1)ポリマーの重合
反応容器に、反応溶媒としてトルエン6リットルおよびテトラエトキシチタン5ミリモルおよびメチルアルミノキサンをアルミニウム原子として500ミリモル入れ、50℃においてモル比でスチレン48.94:p−メチルスチレン1.06とを加え、2時間重合反応を行った。
反応終了後、生成物を塩酸とメタノールとの混合液で洗浄して、触媒成分を分解除去した。次いで乾燥することにより共重合体640gを得た。この共重合体の重量平均分子量(Mw)が44万であり、数平均分子量(Mn)が24万であった。この共重合体中のp−メチルスチレン単位の含有割合は5wt%であった。また、この共重合体は12C−NMRによる分析から、145.11ppm、145.22ppm、142.09ppmに吸収が認められ、そのピーク面積から算出したスチレン単位のラセミペンタッドでのシンジオタクティシティーは72%であった。
このポリマーのガラス転移温度(Tg)、融点(Tm)はそれぞれ97℃、250℃であった。
同様にして、スチレンとp−メチルスチレンの仕込み比(モル比)を50/0、47.88/2.12、46.82/3.18とし重合を行った。
【0036】
その結果、それぞれp−メチルスチレン含率が0.10、15wt%のシンジオタクティック構造を有するスチレン系重合体を得た。これらのMwはそれぞれ40万、42万、43万、Mnはそれぞれ22万、23万、24万、シンジオタクティシティーはそれぞれ74、71、70%、Tgはそれぞれ100℃、95℃、93℃、Tmはそれぞれ257、248、246℃であった。
また、同様にしてスチレンと水素化スチレンをモル比で48.20/1.80を加えて重合を行った。その結果、水素化スチレン含率が5wt%のシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体を得た。このMw=43万、Mn=22万、シンジオタクティシティーは74%、Tg=97℃、Tm=252℃であった。
またアタクチックポリスチレンは出光石油化学(株)製HH−30Eを用いた。
【0037】
なお、本発明で言うTg,Tmは次のようにして求められたものである。
▲1▼試料10mgを示差熱分析計の中にセットしチッ素気流中、20℃/分で330℃まで昇温後、室温まで急冷する。
▲2▼再び20℃/分でチッ素気流中で昇温してゆき、ベースラインがシフトしはじめる温度と新たにベースラインを形成する温度の中点をTgとする。
▲3▼吸熱側に現われる大きなピークの最大吸熱点の温度をTmとする。
【0038】
(2)支持体の製膜
これらのポリマー、コポリマーを150℃にて減圧、乾燥後、ベント付単軸押出機、あるいは、ポリマーブレンドの時は、ベント付2軸押出機を用いてペレット化し、このペレットを130℃の熱風中攪拌しながら結晶化させた。この結晶化ペレット中のモノマー含有量は1,100〜900ppmであった。
次に、このペレットを、フィルターの内在する押出機の先端にT−ダイを取り付けた装置で押出した。このときの溶融温度は、300℃であった。
この溶融状態のシートを静電印加法を用いて、2軸延伸後表1に示した厚みになるようにキャスティングを行った。このようにして得られた透明なシートの結晶化度は9%であった。
これを表1に示した条件で縦方向、次いで横方向に逐次2軸延伸を行った。なお縦延伸はロール間延伸、横方向はテンター延伸で行った。この時の延伸速度は、縦方向、横方向とも3000%1分で行った。
このようにして2軸延伸ベースに熱固定を施した。
熱固定中の条件は表1に示したとうりである。
また、PETは常法に従って、製膜を行った。このようにして製膜したフィルムの湿度膨張係数を上述の方法に従い測定を行った。結果を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】
(3)支持体の表面処理
これらの支持体の両面に以下の条件でグロー放電処理を施こした。
断面が直径2cm、長さ150cmの円柱状で冷媒流路となる中空部を持つ棒状電極を、10cm間隔に4本絶縁板状に固定した。この電極板を真空タンク内に固定し、この電極面から15cm離れ、電極面に正対するように2軸延伸フィルムを走行させ、2秒間の表面対処が行われるように速度をコントロールした。
フィルムが電極を通過する直前に、フィルム直径50cmの温度コントローラー付き加熱ロールに3/4周接触するように加熱ロールを配置し、さらに加熱ロールと電極ゾーンの間のフィルム面に熱電対温度計を接触させることによりフィルム面温度を70℃にコントロールした。
真空槽内の圧力は0.2Torr、雰囲気気体内のH2 O分圧は75%で行った。放電周波数は30KHz、出力2500W、処理強度は0.5KV・A・分/m2で行った。放電処理後の支持体が巻き取られる前に表面温度が30℃になるように、直径50cmの温度コントローラー付き冷却ロールに接触させ巻き取った。
【0041】
(4)写真感材の作成
グロー放電処理をした支持体の両面に下記下塗りを塗設した。
<下塗り層>
ゼラチン 10.0重量部
水 24.0 〃
メターノール 961.0 〃
サリチル酸 3.0 〃
特開昭51−3619号記載 0.5 〃
合成例1 ポリアマイド−エピクロルヒドリン樹脂
特公平3−27099号記載 1.0 〃
ノニオン性界面活性剤 化合物I−13
この塗布液をワイヤーバーを用いて10ml/m2塗布し、115℃で2分間乾燥後巻き取った。
【0042】
この支持体の下塗り層の反対側に下記組成の導電層及びバック層を塗布した。
<導電層>
SnO2/Sb (9/1重量比、平均粒径0.25μ) 200mg/m2
ゼラチン(Ca**含有量3000ppm) 77 〃
化合物−4 7 〃
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10 〃
ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム 40 〃
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 9 〃
【0043】
【0044】
【化2】
【0045】
【化3】
【0046】
次いで、支持体の反対側の面に、下記組成の乳剤層、保護層下層、保護層上層を同時に塗布した。
38℃、pH=4.5に保たれたI液にII液とIII 液を攪拌しながら同時に10分間にわたって加え、0.16μmの微粒子を形成した。続いて下記IV液、V液を10分間にわたって加えた。さらにヨウ化カリウム0.15gを加え粒子形成を終了した。
【0047】
その後常法にしたがって、フロキュレーション法によって、水洗し、ゼラチン40gを加えた。
【0048】
この乳剤を、pH=5.3、pAg=7.5に調整し、チオ硫酸ナトリウム5.2mg、塩化金酸10.0mgとN,N−ジメチルセレノ尿素を2.0mg加え、ベンゼンスルホン酸ナトリウム8mg、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム2.0mgを加え、55℃で最適感度になるように化学増感し、最終的に塩化銀80モル%を含む、平均粒子径0.20μmのヨウ塩臭化銀立方体粒子乳剤を調整した。
次いで増感色素▲1▼を5×10-4モル/モルAg加えて、オルソ増感した。さらにカブリ防止剤として、ハイドロキノン、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールをAg1モル当りそれぞれ2.5g、50mg、コロイダルシリカ(日産化学製スノーテックスC、平均粒径0.015μm)をゼラチンに対し、30重量%加え、可塑剤としてポリエチルアクリレートラテックス(0.05μm)をゼラチンに対し、40重量%、硬膜剤として、1,1′−ビス(ビニルスルホニル)メタンを100mg/m2加えた。
【0049】
【化4】
【0050】
【0051】
【化5】
【0052】
このようにして作成した感光材料の加工適性、取扱い性(クニックの発生)について上述の方法に従って評価を行った。この結果を表2に示した。
【0053】
【表2】
【0054】
(5)結論
本発明を実施した水準1−1、−2、−4、−6、−8〜17は良好な湿度膨張係数、加工適性を達成した。一方、湿度膨張係数が本発明の範囲以下の水準1−3では加工適性が許容範囲外であった。また水準1−5、1−7は加工適性は良好であったが、湿度膨張係数がPET(水準1−18)以上になってしまった。
本発明のこのような吸湿膨張係数、加工適性は主に熱固定中の熱弛緩と温度匂配により達成されるが、この条件を同時に満足する必要があり水準1−7のように一方でも欠落すると本発明は達成されない。
さらに本発明の支持体は90μm以上で取扱われることがより好ましく、水準1−8に示したように、この範囲以下では、クニックが発生し易い。従って、90μm以上で取扱われることが、より好ましい。
このような本発明は、水準1−1で代表されるシンジオタクチック構造を有するスチレン、p−メチルスチレン共重合体以外にも、ポリスチレンホモポリマー(水準1−12〜14)、スチレン、水素化ポリスチレン共重合体(水準1−15)水準1−16〜17のようなポリマーブレンドでも有効であった。
【0055】
【発明の効果】
本発明の支持体を用いることにより吸湿寸度安定性、加工適性にすぐれた写真用支持体およびそれを用いた写真感材を提供することができる。
Claims (1)
- 湿度膨張係数が1×10−6/%RHを越え8×10−6/%RH以下であり、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体あるいはそれを含む組成物であることを特徴とする写真用支持体。
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