JP3464849B2 - スチレン系ポリマーからなる写真用支持体の製造方法 - Google Patents

スチレン系ポリマーからなる写真用支持体の製造方法

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JP3464849B2 JP16707795A JP16707795A JP3464849B2 JP 3464849 B2 JP3464849 B2 JP 3464849B2 JP 16707795 A JP16707795 A JP 16707795A JP 16707795 A JP16707795 A JP 16707795A JP 3464849 B2 JP3464849 B2 JP 3464849B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は寸法安定性に優れるシン
ジオタクチック構造を有するスチレン系ポリマーからな
写真用支持体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にハロゲン化銀写真感光材料(以
下、感光材料あるいは感材と略する)は温湿度、特に湿
度が変化すると寸法が変化しやすいという欠点を持って
いる。この寸法変化は特に多色印刷のための網点画像
や、精密な線画の再現が要求される印刷用感材では、極
めて重大な問題となる。即ち多色印刷のために原稿フィ
ルムを重ね焼きした場合、色ズレが発生する。このよう
な欠点を改良する方法として、従来一般に用いられてき
たポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す
る)から、より吸湿寸度安定性に優れるシンジオタクチ
ック構造を有するスチレン系重合体からなる支持体に変
更する方法が、特開平3−131843号に開示されて
いる。しかし、この支持体は温度膨張係数が大きく、湿
度のみならず温度も変化する実際の使用環境での寸法変
化は、従来用いられてきたPET感材より大きくなると
いう欠点を有していた。代表的なユ−ザ−のフィルム使
用環境は、温度が±2℃、湿度が±10%RHに制御され
ている。特開平3−131843号に開示されている方
法で製膜したところ、支持体の温度膨張係数が7×10
ー5/℃、湿度膨張係数が5×10ー7/%RHであった。こ
の支持体の上記環境変動幅(2℃、10%RH)での寸法
変化量は、2×(7×10ー5)+10×(5×10ー7
=14.5×10ー5となる。一方PETの温度膨張係数
は2×10ー5/℃、湿度膨張係数は1×10ー5/%RHで
あり、上記環境変動幅での寸法変化量は14×10ー5
なる。この結果、実際の使用環境下での寸法安定性は、
従来用いられてきたPET支持体より悪くなり、改善が
望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、寸法
安定性に優れたシンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系写真用支持体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題は、延伸と熱固
定の間に延伸温度+10℃以上、熱固定温度−5℃以下
の温度支持体を、0.1秒以上、300秒以下の時
間、熱処理することを特徴とするシンジオタクチック構
造を有するスチレン系ポリマーからなる写真用支持体の
製造方法によって達成された。以下に詳細に説明を加え
る。本発明で製造されるシンジオタクチック構造を有す
るスチレン系写真用支持体(以下、SPS支持体と略す
る)の好ましい温度膨張係数は、0.5×10-5/℃以
上、6.5×10-5/℃以下、より好ましくは、温度膨
張係数が1.0×10-5/℃以上、5.5×10-5/℃
以下、さらに好ましくは、温度膨張係数が2×10-5
℃以上、5×10-5/℃以下である。この範囲を上回る
と、PETより温湿度変動に伴う寸法安定性が低下し好
ましくない。一方、この範囲を下回ると内部ヘイズが上
昇し、光線透過性が低下し好ましくない。
【0005】このようなSPS支持体は、延伸と熱固定
の間に延伸温度+10℃以上、熱固定温度−5℃以下、
より好ましくは延伸温度+20℃以上、熱固定温度−1
0℃以下、さらに好ましくは延伸温度+30℃以上、熱
固定温度−15℃以下の温度支持体を処理することに
よって達成される。(ここで云う延伸温度とは、熱固定
の直前に行う延伸の温度を指す。)通常SPS支持体の
延伸は90℃〜140℃で延伸され、190℃〜240
℃で熱固定される。延伸後直ちに熱固定されると50℃
〜150℃の急激な温度変動を与えられる。このように
して得られた支持体は、この温度差で生じた熱膨張と熱
収縮両方に起因した応力による歪を蓄積し、不安定な構
造のまま熱固定されるため、熱に対し変動しやすい、即
ち熱膨張係数の大きな支持体となりやすい。このような
応力による歪がさらに大きくなると、製膜中に支持体の
破断をも引き起こす。このような急激な温度変化を緩和
するため、延伸の後支持体を本発明に従う温度範囲
処理し、熱固定する。このような処理(以降「延伸−熱
固定間処理」と称する)に伴い支持体中の分子は無理な
応力を受けずに熱固定される。従って、この温度範囲を
上回っても、下回っても温度膨張係数が大きくなりやす
い。このような「延伸−熱固定間処理」の処理時間は
0.1秒以上、300秒以下、好ましくは0.5秒以
上、240秒以下、さらに好ましくは1秒以上、60秒
以下である。この範囲を下回ると、上記効果が不十分で
あり温度膨張係数が大きくなり易い。この範囲を上回る
と球晶の発生に伴う内部ヘイズの上昇が起こり好ましく
ない。このような処理は、延伸ゾーンと熱固定ゾーンの
間に新たに熱処理ゾーンを設置することで達成される。
この熱処理ゾーンでの支持体の加熱は加熱風を送り込ん
でもよく、ヒーター(赤外線ヒーター、ハロゲンラン
プ、ニクロム線等)で行っても良く、熱ロ−ルにより加
熱してもよく、これらを組み合わせて実施してもよい。
この熱処理ゾーンの温度は一定温度で実施しても、温度
勾配(昇温、降温あるいはこれらの組み合わせ)を付与
して実施してもかまわない。この「延伸−熱固定間処
理」の間支持体は緊張状態、弛緩状態、制限収縮状態
いずれでも良い。
【0006】このような「延伸−熱固定間処理」で温度
膨張係数は小さくすることができるが、これに伴い内部
ヘイズが大きくなり易いという弊害を発生する。これ
は、この処理に伴い支持体中の分子の緊張が減少し安定
構造が形成されるが、進行しすぎるとより安定な構造で
ある結晶生成が進行する。SPS支持体はこの時球晶を
極めて生成しやすい特徴を有し、これが原因となり内部
ズを上昇させやすい。(ヘズは支持体表面の凹凸
に起因する外部ヘズと、支持体内部の屈折率の異なる
粒子、主に球晶に起因する内部ヘズの和である。しか
し、SPS支持体を用いた感材では外部ヘズはあまり
重要ではない。これは、SPS支持体の屈折率(1.5〜1.
6)と感光層の屈折率が、ほぼ等しいため、平滑な感光層
が塗設されると、支持体の外部ヘズは無視できるため
である。従ってSPS支持体は内部ヘズが重要とな
る。)このような球晶の発生に伴う内部ヘズの上昇は
90μm以上、さらには100μm以上、特に150μ
m以上(いずれも熱固定後の厚み)の厚手支持体で発生
しやすい。これは厚手支持体ほど蓄熱しやすく、熱固定
後の温度が下がりにくく、この間に球晶が成長しやすい
ためである。このような内部ヘズの上昇を防止する方
法として、熱固定後の支持体の温度を急冷する方法が有
効である。熱固定ゾ−ン出口から巻取りまでの冷却速度
は30℃/秒以上、400℃/秒以下が好ましく、50
℃/秒以上、250℃/秒以下がより好ましく、70℃
/秒以上、150℃/秒以下がさらに好ましい。この範
囲を下回ると内部ヘイズが大きくなり易い。一方この範
囲を上回ると、支持体内部に温度変化に伴う変形や歪を
発生し、温度膨張係数を大きくする。ただし、熱固定後
の温度変化の温度膨張係数への影響は、延伸−熱固定間
の温度差の与える影響ほど大きくはない。これは、熱固
定後の支持体は結晶が成長した堅固な構造となっている
ためである。このような冷却は、支持体に冷風を吹き付
けることでも、冷却ロールに接触させることでも容易に
達成できる。冷風を吹き付ける場合、フィルターを通し
た空気を用いたり、帯電させた空気を用いることも好ま
しい。このようにして、巻取り前の支持体の温度を好ま
しくはTg 以下、より好ましくは(Tg −20℃)以
下、さらに好ましくは(Tg −40℃)以下するとよ
い。
【0007】さらに上記の「延伸−熱固定間処理」に加
えて、SPS支持体中に占めるシンジオタクチック構造
を有するスチレンポリマーの含率を50wt%以上、99
wt%以下、より好ましくは70wt%以上、98wt%以
下、さらに好ましくは85wt%以上、96wt%以下にす
ることでより一層温度膨張係数を小さくすることができ
る。シンジオタクチック構造を有するポリスチレンは規
則性が高く、剛直な分子構造を有しているため、自由に
動ける「遊び」の部分が少ない。このため、歪を蓄積し
やすく、熱膨張係数が大きくなり易いものと推定され
る。これに規則性を低下させる成分を添加すると、その
部分が「遊び」となり歪を吸収してくれる結果、温度膨
張係数が小さくなるものと推定される。このような支持
体は、コポリマーの形で達成してもよく、ポリマーブレ
ンドの形で達成してもよい。例えば、スチレンとス
チレン以外のビニル系モノマ−を共重合しシンジオタク
チック構造を有するコポリマーを形成する方法、シン
ジオタクチック構造を有するポリスチレンホモポリマー
あるいはコポリマーと他のポリマー(例えばアタクチッ
クあるいはアイソタクチックを構造を有するポリマー、
ポリスチレン以外を主成分とするシンジオタクチックポ
リマー等)で達成される。シンジオタクチック構造を有
するスチレンポリマーの含率がこの範囲を下回ると、分
子配列の乱れが大きくなりすぎ、その結果結晶性が低
下し、湿度膨張係数が大きくなり易く好ましくない。一
方、この範囲を上回ると、温度膨張係数を小さくするこ
とができない。
【0008】ここで言うシンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体とは、炭素−炭素結合から形成され
る主鎖に対して側鎖であるフェニル基やその誘導体が交
互に反対方向に位置する立体構造を有するものであり、
その立体規則性(タクティシティー)は同位炭素による
核磁気共鳴法(13C−NMR法)により定量されるのが
一般的でかつ精度に優れる。この13C−NMR法により
測定される立体規則性は、連続する複数個の構成単位の
存在割合、例えば2個の場合はダイアッド、3個の場合
はトライアッド、5個の場合はペンダッドによって示す
ことができる。本発明に言うシンジオタクチック構造を
有するスチレン系重合体とは、通常はラセミダイアッド
で75%以上、100%以下、好ましくは85%以上、
100%以下、若しくはラセミペンタヘッドで30%以
上、100%以下、好ましくは50%以上、100%以
下の立体規則性を有するものである。
【0009】シンジオタクチック構造を有するスチレン
系重合体へのスチレン以外の成分の添加は、上述のよう
に共重合の形で添加してもよく、あるいはスチレン以外
の成分を含むポリマ−を混合(ポリマーブレンド)する
ことで行ってもよく、これら2つの方法を併用してもか
まわない。共重合体の場合、コモノマー成分としては、
ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレ
ン)、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)、ポリ(ア
ルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)
等のスチレン系モノマーのほか、エチレン、プロピレ
ン、ブテン、ヘキセン、オクテン等のオレフィンモノマ
ー、ブタジエン、イソプレン等のジエンモノマー、環状
オレフィンモノマー、環状ジエンモノマーやメタクリル
酸メチル、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の極性
ビニルモノマー等を挙げることができる。ここでポリ
(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレ
ン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(プロピルスチレ
ン)、ポリ(ブチルスチレン)などがある。他には、ポ
リ(フェニルスチレン)、ポリ(ビニルナフタレン)、
ポリ(ビニルスチレン)、ポリ(アセナフチン)など
がある。また、ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、
ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポ
リ(フルオロスチレン)などがある。また、ポリ(アル
コキシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレ
ン)、ポリ(エトキシスチレン)などがある。これらの
なかでも、アルキルスチレンが特に好ましく、p−メチ
ルスチレン、m−メチルスチレン、p−タ−シャリ−ブ
チルスチレン等が好ましく、これらの中で特に好ましい
のがp−メチルスチレンである。
【0010】また、ポリマーをブレンドを行う場合、好
ましいポリマーブレンド成分としては、上述のようなシ
ンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体や、ア
タクチック構造を有するスチレン系重合体が相溶性の観
点から好ましい。これらの中でとくに好ましいのが、シ
ンジオタクチック構造を有するポリスチレンを主成分と
し、これにp−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−タ−シャリ−ブチルスチレン、p−クロロスチレ
ン、m−クロロスチレン、p−フルオロスチレン、水素
化ポリスチレンからなるシンジオタクチック構造あるい
はアタクチック構造のホモポリマ−、あるいは/およ
び、これらのモノマ−の少なくとも一種とスチレンから
なるシンジオタクチック構造あるいはアタクチック構造
を有するコポリマ−をブレンドするのが好ましい。とく
に、シンジオタクチック構造を有するp−メチルスチレ
ンやシンジオタクチック構造を有するp−メチルスチレ
ンとスチレンの共重合体をシンジオタクチック構造を有
するポリスチレンとブレンドしたものが好ましい。
【0011】このような中で好ましいポリマー組成を以
下に示す。(ここで、syn はシンジオタクチック、atc
はアタクチックを示す。) (1)コポリマー(共重合体) wt% P−1:syn−ポリ(スチレン/p−メチルスチレン) (95/5) P−2: 〃 −ポリ(スチレン/p−メチルスチレン) (85/15) P−3: 〃 −ポリ(スチレン/p−クロロスチレン) (95/5) P−4: 〃 −ポリ(スチレン/p−クロロスチレン) (85/15) P−5: 〃 −ポリ(スチレン/水素化スチレン) (95/5) P−6: 〃 −ポリ(スチレン/水素化スチレン) (85/15) P−7: 〃 −ポリ(スチレン/水素化スチレン/p−メチルスチレン) (95/5/5) (2)ポリマーブレンド 重量% P−8:snd−ポリ(スチレン)+syn−ポリ(p−メチルスチレン) (95/5) P−9: 〃 −ポリ(スチレン)+ 〃 (85/15) P−10: 〃 −ポリ(スチレン)+syn−ポリ(p−クロロスチレン) (95/5) P−11: 〃 −ポリ(スチレン)+ 〃 (85/15) P−12: 〃 −ポリ(スチレン)+syn−ポリ(水素化スチレン) (95/5) P−13: 〃 −ポリ(スチレン)+ 〃 (85/15) P−14: 〃 −ポリ(スチレン)+atc−ポリ(スチレン) (95/5) P−15: 〃 −ポリ(スチレン)+ 〃 (85/15) P−16: 〃 −ポリ(スチレン)+atc−ポリ(p−メチルスチレン) (95/5) P−17: 〃 −ポリ(スチレン)+ 〃 (85/15) P−18: 〃 −ポリ(スチレン)+atc−ポリ(水素化スチレン) (95/5) P−19: 〃 −ポリ(スチレン)+ 〃 (85/15) P−20: 〃 −ポリ(スチレン)+atc−ポリ(スチレン)+syn−ポ リ(p−メチルスチレン) (95/5/5) P−21:snd−ポリ(スチレン)+syn−ポリ(p−メチルスチレン+ス チレン共重合体(モル比=10:90)) (70/30) P−22:snd−ポリ(スチレン)+syn−ポリ(p−メチルスチレン+ス チレン共重合体(モル比=10:90)) (50/50) P−23:snd−ポリ(スチレン)+syn−ポリ(p−メチルスチレン+ス チレン共重合体(モル比=5:95)) (70/30) P−24:snd−ポリ(スチレン)+syn−ポリ(p−メチルスチレン+ス チレン共重合体(モル比=30:70)) (90/10)
【0012】これらのスチレン系重合体の分子量は、重
量平均分子量が10万以上80万以下のものが好まし
く、特に好ましくは、20万以上60万以下のものであ
る。さらに分子量分布は、重量平均分子(Mw)/数平均
分子量(Mn)が1.5以上、5以下、さらに好ましくは
2以上4以下が好ましい。このようなシンジオタクチッ
ク構造を有するスチレン系重合体は、例えば不活性炭化
水素溶媒中または、溶媒の不存在下に、チタン化合物及
び水とトリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒と
して、スチレン系単量体(上記スチレン系重合体に対応
する単量体)を重合することにより製造することができ
る。(特開昭62−187708号公報)。あるいは、
チタン化合物及びカチオンと複数の基が元素に結合した
アニオンとからなる化合物を触媒として重合することに
より製造することができる。(特開平4−24950
4)。またさらに本発明の目的を妨げない範囲で、シリ
カ、タルク、チタニア、アルミナ、炭酸カルシウム、酸
化カルシウム、塩化カルシウム等およびこれらの混合物
等の無機微粒子、架橋ポリスチレン、架橋ポリメチルメ
タクリレート等の有機微粒子を配合することができる。
これらの微粒子の好ましい大きさは、0.01μm以
上、30μm以下、より好ましくは0.05μm以上、
15μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上、8μ
m以下である。これらの添加量は0.001wt%以上、
3wt%以下であり、より好ましくは0.005wt%以
上、0.5wt%以下、さらに好ましくは0.008wt%
以上、0.1wt%以下である。これらは球形、針状、平
板、立方体、ピラミッド型等どのような形であってもか
まわない。無定型であってもよい。これらの微粒子は単
独で用いても良く、2種以上混合して用いてもよい。ま
た酸化防止剤、帯電防止剤、色素(耐熱性色素;例えば
アントラキノン系染料等)等を配合してもよい。さらに
本発明において製膜中のモノマー析出防止のためには、
スチレン系重合体あるいはその組成物中の残量スチレン
単量体が7000ppm以下であることが好ましい。
【0013】以下に本発明を実施した製膜工程を工程順
に説明する。上述のスチレン系重合体をペレット化し、
乾燥、結晶化した後、加熱溶融して押し出し、冷却、固
化させて未延伸フィルムを製膜する。ここで用いられる
押し出し成型機は、一軸押し出し成形機、二軸押し出し
成形機のいずれでもよく、またベント付き、ベントなし
のいずれでもよい。なお、押し出し機には二次凝集粒子
を粉砕、除去あるいはゴミ、異物除去のためにメッシュ
フィルターを使用することが好ましい。また押し出し温
度は、用いるポリマーの融点以上、融点+100℃以
下、より好ましくは(融点+20℃)以上、(融点+8
0℃)以下、さらに好ましくは(融点+40℃)以上、
(融点+70℃)以下の温度範囲で選定し、T−ダイ等
を用いて行うのが好ましい。上記押し出し成型後、得ら
れた未延伸(原反シート)を冷却固化する。この際の冷
媒は気体、液体、金属ロール等各種のものを使用するこ
とができる。金属ロール等を用いる場合、エアナイフ、
エアチャンバー、タッチロール、静電印加等の方法を用
いても良い。これらのなかで、平面性の観点から静電印
加法を用いるのが好ましい。冷却固化の温度は、原反シ
ートのガラス転移温度をTgとすると、(Tg−70
℃)以上、Tg以下、より好ましくは(Tg−50℃)
以上、(Tg−20℃)以下の範囲である。
【0014】次に冷却、固化した原反シートを延伸す
る。縦、横の均質性の要求される写真用支持体では、延
伸は縦、横の延伸を組み合わせて行う。例えば縦、横の
同時2軸延伸、縦延伸と横延伸をそれぞれ独立して1回
以上行う逐次延伸、およびこれらを組み合わせたものが
挙げられる。好ましいのは、逐次延伸であり、さらに好
ましいのは縦延伸後、横延伸を行う逐次2軸延伸であ
る。延伸方法としては、テンターによる方法、ロール間
で延伸する方法、圧延による方法などがあり、これらを
組み合わせて適用すればよいが、好ましいのは、テンタ
ーによる方法、ロール間で延伸する方法である。より具
体的には、ロール間延伸で縦延伸後、テンターで横延伸
を行うのがさらに好ましい。好ましい延伸温度は90℃
以上、140℃以下、より好ましくは95℃以上、13
5℃以下、さらに好ましくは100℃以上、130℃以
下である。延伸倍率は縦、横とも2.5倍以上、5倍以
下、より好ましくは3倍以上、4.7倍以下、さらに好
ましくは3.3倍以上、4.4倍以下である。好ましい
延伸速度は、縦、横とも3000〜50000%/分、
より好ましくは4000〜40000%/分、さらに好
ましくは、5000〜30000%/分である。
【0015】このように延伸終了後、熱固定までの間に
本発明の特徴である「延伸−熱固定間処理」を上述の方
法に従って実施する。このようにして得た延伸フィルム
に、熱固定を行う。熱固定の温度は、融点をTmとする
と、(Tm−50℃)以上、(Tm+20℃)以下、よ
り好ましくは(Tm−40℃)以上、(Tm+10℃)
以下、さらに好ましくは(Tm−30℃)以上、Tm以
下の温度で行う。この温度範囲を上回ると力学強度の低
い膜になり易く、一方下回ると熱収縮の大きな膜になり
易く好ましくない。この時、支持体を緊張状態、弛緩状
態、制限収縮状態いずれで熱固定してもよい。より好ま
しいのは、弛緩しながら熱固定を行う方法であり、好ま
しい弛緩量は0.1%以上、15%以下、より好ましく
は1%以上、13%以下、さらに好ましくは2%以上、
10%以下である。熱固定時間は、好ましくは10秒以
上、100秒以下、より好ましくは15秒以上、80秒
以下、さらに好ましくは、20秒以上、60秒以下であ
る。熱固定終了後、上記の本発明の方法に従って支持体
を急冷し巻取る。
【0016】このようにして得られたSPS支持体上に
感光層および/またはバック層を塗設し写真感材を作製
する。最初にこれらの層と支持体の接着性向上のため
に、SPS支持体に表面処理および/または下塗り層の
塗設を行うのが好ましい。好ましい表面処理は、グロ−
放電処理、コロナ放電処理、紫外線処理、火炎処理等を
挙げることができる。グロー放電処理は、従来知られて
いる方法、例えば特公昭35−7578号、同36−1
0336号、同45−22004号、同45−2200
5号、同45−24040号、同46−43480号、
特開昭53−129262号、米国特許3,057,7
92号、同3,057,795号、同3,179,48
2号、同3,288,638号、同3,309,299
号、同3,424,735号、同3,462,335
号、同3,475,307号、同3,761,299
号、同4,072,769号、英国特許891,469
号、同997,093号、等を用いることができる。こ
のようなグロー放電処理では、特に雰囲気に水蒸気を導
入した場合において最も優れた接着効果を得ることがで
きる。また、この手法は支持体の黄色化抑制、ブロッキ
ング防止にも非常に有効である。水蒸気の存在下でグロ
ー放電処理を実施する時の水蒸気分圧は、10%以上、
100%以下が好ましく、更に好ましくは40%以上、
90%以下である。10%未満では充分な接着性を得る
ことが困難となる。水蒸気以外のガスは酸素、窒素等か
らなる空気である。
【0017】さらに、表面処理すべき支持体を加熱した
状態で真空グロー放電処理を行うと、常温で処理するの
に比べ短時間の処理で接着性が向上し、有効である。予
熱温度は50℃以上、Tg以下が好ましく、60℃以
上、Tg以下がより好ましく、70℃以上、Tg以下が
さらに好ましい。Tg以上の温度で予熱すると接着が悪
化する。グロー放電処理時の真空度は0.005〜20
Torrとするのが好ましい。より好ましくは0.02〜2
Torrである。また、電圧は、500〜5000Vの
間が好ましい。より好ましくは500〜3000Vであ
る。使用する放電周波数は従来技術に見られるように、
直流から数1000MHz、好ましくは50Hz〜20
MHz、さらに好ましくは1KHz〜1MHzである。
放電処理強度は、0.01KV・A・分/m2〜5KV・
A・分/m2が好ましく、更に好ましくは0.15KV・
A・分/m2〜1KV・A・分/m2で所望の接着性能が得
られる。このようにして、グロー放電処理を施こした支
持体は、直ちに冷却ロールを用いて温度を下げることが
好ましい。
【0018】コロナ処理は、最もよく知られている方法
であり、従来公知のいずれの方法、例えば特公昭48−
5043号、同47−51905号、特開昭47−28
067号、同49−83767号、同51−41770
号、同51−131576号等に開示された方法により
達成することができる。放電周波数は50Hz〜500
0kHz、好ましくは5kHz〜数100kHzが適当
である。被処理物の処理強度に関しては、0.001K
V・A・分/m2〜5KV・A・分/m2、好ましくは0.
01KV・A・分/m2〜1KV・A・分/m2が適当であ
る。電極と誘電体ロールのギャップクリアランスは0.
5〜2.5mm、好ましくは1.0〜2.0mmが適当であ
る。
【0019】紫外線処理は、特公昭43−2603号、
特公昭43−2604号、特公昭45−3828号記載
の処理方法によって行われるのが好ましい。水銀灯は石
英管からなる高圧水銀灯、低圧水銀灯で、紫外線の波長
が180〜380nmの間であるものが好ましい。紫外
線照射の方法については、365nmを主波長とする高
圧水銀ランプであれば、照射光量20〜10000(m
J/cm2)がよく、より好ましくは50〜2000(mJ
/cm2)である。254nmを主波長とする低圧水銀ラン
プの場合には、照射光量100〜10000(mJ/cm
2)がよく、より好ましくは200〜1500(mJ/cm
2)である。
【0020】火焔処理の方法は天然ガスでも液化プロパ
ンガスでもかまわないが、空気との混合比が重要であ
る。プロパンガスの場合は、プロパンガス/空気の好ま
しい混合比は、容積比で1/14以上、1/22以下、
好ましくは1/16以上、1/19以下である。また、
天然ガスの場合は、1/6以上、1/10以下、好まし
くは1/7以上、1/9以下である。火焔処理は1Kc
al/m2以上、50Kcal/m2以下、より好ましくは
3Kcal/m2以下、30Kcal/m2以下の範囲で行
うとよい。またバーナーの内炎の先端と支持体の距離を
4cm未満にするとより効果的である。処理装置は春日電
気(株)製フレーム処理装置を用いることができる。ま
た、火焔処理時に支持体を支えるバックアップロールは
中空型ロールで、冷却水を通して水冷し、常に一定温度
で処理するのがよい。
【0021】次に表面処理した支持体と感光層および/
またはバック層の間に設ける下塗り層について述べる。
下塗り層としては、第1層として支持体によく接着する
層(以下、下塗り第1層と略す)を設け、その上に第2
層として下塗り第1層と写真層をよく接着する層(以
下、下塗り第2層と略す)を塗布するいわゆる重層法
と、支持体と写真層をよく接着する層を一層のみ塗布す
る単層法とがある。重層法における下塗り第1層では、
例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、酢
酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸
エステル、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無
水マレイン酸等の中から選ばれた単量体を出発原料とす
る共重合体、エポキシ樹脂、ゼラチン、ニトロセルロー
ス、ポリ酢酸ビニルなどが用いられる。また必要に応じ
て、トリアジン系、エポキシ系、メラミン系、ブロック
イソシアネートを含むイソシアネート系、アジリジン
系、オキサザリン系等の架橋剤、コロイダルシリカ等の
無機粒子、界面活性剤、増粘剤、染料、防腐剤などを添
加してもよい。(これらについては、E.H.Immergut "Po
lymer Handbook" VI187〜231、Intersciense Pu
b.New York 1966や特開昭50−39528、同5
0−47196、同50−63881、同51−133
526、同64−538、同63−174698、特願
平1−240965、特開平1−240965、同2−
184844、特開昭48−89870、同48−93
672などに詳しい)。また、下塗り第2層では、主と
してゼラチンが用いられる。
【0022】単層法においては、多くは支持体を膨潤さ
せ、下塗りポリマーと界面混合させる事によって良好な
接着性を得る方法が多く用いられる。この下塗りポリマ
ーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ガゼイン、寒
天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体
などの水溶性ポリマー、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースエステル、
塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデン含有共重合
体、アクリル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニル含有
共重合体、酢酸ビニル含有共重合体等のラテックスポリ
マー、などが用いられる。これらのうち好ましいのはゼ
ラチンである。ゼラチンとしては、いわゆる石灰処理ゼ
ラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチン
誘導体及び変性ゼラチン等当業界で一般に用いられてい
るものはいずれも用いることができる。これらのゼラチ
ンのうち、最も好ましく用いられるのは石灰処理ゼラチ
ン、酸処理ゼラチンである。
【0023】バック面の耐傷性付与、すべり性付与、カ
−ル補償、帯電防止能の付与等のためにバック層を塗設
する。バック層はは親水性コロイドをバインダ−として
もよく、疎水性ポリマーをバインダーとしてもよい。親
水性コロイドとして最も好ましいものはゼラチンであ
る。ゼラチンとしては、いわゆる石灰処理ゼラチン、酸
処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチン誘導体及び
変性ゼラチン等当業界で一般に用いられているものはい
ずれも用いることができる。これらのゼラチンのうち、
最も好ましく用いられるのは石灰処理ゼラチン、酸処理
ゼラチンである。ゼラチン以外の親水性コロイドとして
コロイド状アルブミン、カゼイン等の蛋白質、寒天、ア
ルギン酸ナトリウム、デンプン誘導体等の糖誘導体、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス等のセルロース化合物、ポリビニルアルコール、ポリ
−N−ビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等の合成
親水化合物等を挙げることができる。合成親水化合物の
場合、他の成分を共重合してもよい。これらの親水性コ
ロイドは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して
用いてもよい。これらの親水性ポリマ−を用いる場合、
より強固な密着性を付与するために、感光層と同じ下塗
を行った上にバック層を塗設することも好ましい。
【0024】疎水性ポリマー層のバインダーとしてはポ
リメチルメタクリレート、エチルアクリレート等の(メ
タ)アクリル酸エステルポリマー、ポリエチレン等のオ
レフィン系ポリマー、スチレン系ポリマー、塩化ビニリ
デン、ウレタン系ポリマー、ブタジエン等のゴム系ポリ
マーなどが用いられる。この層は1層でも2層以上でも
よい。これらの層には必要に応じてマット剤、すべり
剤、帯電調整剤、界面活性剤、架橋剤、又後述する表面
抵抗率低減のための導電性物質などを添加してもよい。
このようなバック層は、1層でも多層でもよく、各層の
厚みは0.02〜10μm、より好ましくは0.1〜7
μmの範囲が好ましく、これらの層の全厚みは0〜5μ
mが好ましい。
【0025】バック層には更にポリマーラテックスを添
加しても良い。本発明に用いられるポリマーラテックス
は平均粒径が20mμ〜200mμの水不溶性ポリマー
の水分散物で、好ましい使用量はバインダー1.0に対
して乾燥重量比で0.01〜1.0で特に好ましくは
0.1〜0.8である。本発明に用いられるポリマーラ
テックスの好ましい例としてはアクリル酸のアルキルエ
ステル、ヒドロキシアルキルエステルまたはグリシジル
エステル、あるいはメタアクリル酸のアルキルエステ
ル、ヒドロキシアルキルエステル、またはグリシジルエ
ステルをモノマー単位として持ち、平均分子量が10万
以上、特に好ましくは30〜50万のポリマーであり、
具体例は次式で示される。
【0026】
【化1】
【0027】このよにして調製した下塗層の上にハロゲ
ン化銀感光層を塗設する。本発明に用いられるハロゲン
化銀写真感光材料のハロゲン化銀乳剤は通常、水溶性銀
塩(例えば硝酸銀)溶液と水溶性ハロゲン塩(例えば臭
化カリウム)溶液とをゼラチンの如き水溶性高分子溶液
の存在下で混合してつくられる。ハロゲン化銀としては
塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀及び塩沃臭化銀い
づれも用いることが出来、その粒子形態、サイズ分布に
特に限定はない。ハロゲン化銀乳剤層は、感光性ハロゲ
ン化銀、化学増感剤、分光増感剤、カブリ防止剤、親水
性コロイド(特にゼラチン)、ゼラチン硬化剤、界面活
性剤など膜物理性改良剤、増粘剤、等を含有することが
出来る。これらについては、リサーチ・ディスクロージ
ャー誌、176巻17643項(1978年12月)の
記載、及び特開昭52−108130号、同52−11
4328号、同52−121321号、同53−321
7号、同53−44025号明細書の記載等を参考にす
ることが出来る。これらのハロゲン化銀は親水性コロイ
ド層中に分散するのがこのましい。親水性コロイドは、
バック層のバインダ−として用いられているものと同様
なものを用いることができる。このような親水性コロイ
ド層は、1層でも多層でもよく、各層の厚みは0.02
〜10μm、より好ましくは0.1〜7μmの範囲が好
ましく、これらの層の全厚みは1.5〜10μmが好ま
しい。
【0028】さらにバック層あるいは/および感光層中
に必要に応じて帯電防止剤を添加し、表面抵抗率を10
12以下に低下させてもよい。表面抵抗率を低下させる手
段に特に制限はない。例えば、特開昭58−62648
号、同58−62649号、同51−115291号等
に開示されたSn、Zn、Ti、In、V等の酸化物の
微粉末を添加する方法、特開昭57−204540号、
同54−133324号等に開示されたポリマーを添加
する方法、特開昭64−26849号、同61−249
07号等に開示されている界面活性剤を添加する方法な
どがある。これらの方法のうち好ましいものはSnO2
等の金属酸化物を添加する方法である。
【0029】金属酸化物の微粉末としては導電性の結晶
性酸化物又はその複合酸化物が好ましい。導電性の結晶
性酸化物又はその複合酸化物の微粒子としては体積抵抗
率が10 7 Ωcm以下、より好ましくは105 Ωcm以下の
ものが望ましい。またその粒子サイズは0.01〜0.
7μ、特に0.02〜0.5μであることが望ましい。
本発明に使用される導電性の結晶性金属酸化物あるいは
複合酸化物の微粒子の製造方法については特開昭56−
143430号に詳細に記載されている。第1に金属酸
化物微粒子で暁成により作製し、導電性を向上させる異
種原子の存在下で熱処理する方法、第2に焼成により金
属酸化物微粒子を製造するときに導電性を向上させる為
の異種原子を共存させる方法、第3に焼成により金属微
粒子を製造する際に雰囲気中の酸素濃度を下げて、酸素
欠陥を導入する方法等が容易である。金属原子を含む例
としてはZnOに対してAl、In等、TiO2 に対し
てはNb、Ta等、SnO2 に対してはSb、Nb、ハ
ロゲン元素等があげられる。異種原子の添加量は0.0
1〜30mol%の範囲が好ましいが0.1〜10mo
l%であれば特に好ましい。これらのうちSbを添加し
たSnO2 微粒子が最も好ましい。
【0030】またハレーション防止、セーフライト安全
性向上、表裏判別性向上などの目的で、染色された非感
光性親水性コロイド層(以降染色層と表わす)を設けて
もよい。これらは下記特許に詳しくのべられている、米
国特許第3,455,693号、同2,548,564
号、同4,124,386号、同3,625,694
号、特開昭47−13935号、同55−33172
号、同56−36414号、同57−161853号、
同52−29727号、同61−198148号、同6
1−177447号、同61−217039号、同61
−219039号等記載の染料を媒染剤に吸着せしめる
方法、特開昭61−213839号、同63−2088
46号、同63−296039号、特開平1−1584
39号等記載の耐拡散型染料を用いる方法、特開平3−
109535号記載のオイルに溶解した染料を油滴状に
乳化分散する方法、米国特許2,719,088号、同
2,498,841号、同2,496,843号、特開
昭60−45237号、特開平3−5748号等記載の
染料を無機物表面に吸着せしめる方法、特開平2−29
8939号記載の染料をポリマーに吸着せしめる方法、
特開昭56−12639号、同55−155350号、
同55−155351号、同63−27838号、同6
3−197943号、欧州特許第15,601号、同2
74,723号、同276,566号、同299,43
5号、世界特許(WO)88/04794号、特開平2
−264936等記載の水に不溶性の染料固体を用いる
方法などがある。これらの方法の中で染料を固体のまま
分散する方法が染料を特定層中に固定し、現像処理後の
残色が少ないという観点から好ましい。
【0031】最後に本発明で用いた測定方法について説
明を加える。 (1)温度膨張係数 製膜後未処理、未塗布の支持体あるいは、感光層および
バック層を塗設した感材に対し、熱機械測定法(TM
A)を用いて、次のようにして求めたものである。 25℃60%RH下で調湿後の試料を4mm幅に裁断
し、チャック間距離が25mmになるようにセットした
あと、下記式に基づいて荷重を掛ける。 荷重(g)={試料厚み(μm)/100}×6 25℃から40℃まで2℃/分で昇温し、寸法変化量
(△L)を読みとる。 下記式に従って温度膨張係数を求める。 温度膨張係数(/℃)=△L(mm)/{25(mm)×15
(℃)} この測定を支持体の長手方向、幅方向で測定し、その
平均値を求める。 (2)湿度膨張係数 製膜後未処理、未塗布の支持体あるいは、感光層および
バック層を塗設した感材に対し、25℃、60%RHと2
5℃、20%RHの間の平均湿度膨張係数をピンゲ−ジを
用い、下記方法で求めた。 試料を幅5cm、長さ25cmに裁断し、ピンゲ−ジ
測定用の20cm間隔の孔をあける。 25℃、60%RH下で5時間以上調湿後、ピンゲ−ジ
で孔間を測長する。(L1mm) 25℃、20%RH下で5時間以上調湿後、ピンゲ−ジ
で孔間を測長する。(L2mm) 下記式に従って湿度膨張係数を求める。 湿度膨張係数(/%RH)={L1 −L2 }(mm)/{40
(%RH) ×200(mm)} この測定を支持体の長手方向、幅方向で測定し、その
平均値を求める。 (3)ガラス転移温度(Tg)、融点(Tm) 重合体ペレットに対し、走査型示差熱分析計(DSC)
を用いて、次のようにして求めたものである。 試料10mgをDSCの中にセットしチッ素気流中、2
0℃/分で330℃まで昇温後、室温まで急冷する。 再び20℃/分でチッ素気流中で昇温してゆき、ベー
スラインがシフトしはじめる温度と新たにベースライン
を形成する温度の中点をTgとする。 吸熱側に現われる大きなピークの最大吸熱点の温度を
Tmとする。 (4)内部ヘ−ズ 製膜後未処理、未塗布の支持体をトリクレジルフォスフ
ェ−トに浸漬した状態で、JIS−K6714に準じて
25℃で測定する。
【0032】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 (1)ポリマーの重合 反応容器に、反応溶媒としてトルエン6リットルおよび
テトラエトキシチタン5ミリモルおよびメチルアルミノ
キサンをアルミニウム原子として500ミリモル入れ、
50℃においてモル比でスチレン48.94:p−メチ
ルスチレン1.06とを加え、2時間重合反応を行っ
た。反応終了後、生成物を塩酸とメタノールとの混合液
で洗浄して、触媒成分を分解除去した。次いで乾燥する
ことにより共重合体640gを得た。この共重合体の重
量平均分子量(Mw)が44万であり、数平均分子量
(Mn)が24万であった。またガラス転移温度(T
g)、融点(Tm)はそれぞれ97℃、250℃であった。
この共重合体中のp−メチルスチレン単位の含有割合は
5wt%であった。また、この共重合体は13C−NMR
による分析から、145.11ppm、145.22p
pm、142.09ppmに吸収が認められ、そのピー
ク面積から算出したスチレン単位のラセミペンタッドで
のシンジオタクティシティーは72%であった。このよ
うにして得た共重合体を水準1〜14、20〜23に用
いた。同様にして、スチレンとp−メチルスチレンの仕
込み比を変えることで表1の水準15〜18の重合体の
重合を行った。水準15〜18のMwはそれぞれ41
万、42万、40万、43万、Mnはそれぞれ21万、
22万、22万、22万、シンジオタクティシティーは
それぞれ73、70、71、72、Tg は99℃、98
℃、95℃、94℃、Tm は262℃、260℃、23
0℃、229℃であった。さらに、上述の方法で調製し
たp−メチルスチレン含率10wt%の共重合体(Mw
=43万、Mn=22万、シンジオタクティシティー=
72)と水準15のスチレンホモポリマ−を1:1の重
量比で混練押出しし、水準19のポリマ−ブレンド(混
合体)を得た。この混合体のTg 、Tm はそれぞれ97
℃、249℃であった。
【0033】(2)支持体の製膜 ペレット化されたこれらのポリマ−を150℃にて5時
間減圧下で乾燥させた。このペレット中のモノマー含有
量は1,100〜900ppmであった。この後、単軸
押出機を用いて、融点(Tm )より45℃高い温度で押
し出しを行った。このときのポリマ−の押し出しスクリ
ュ−の中の滞留時間はいずれも15分であった。これら
をを焼結金属フィルタ−を通した後(Tm +45℃)に
加熱したT−ダイから押出した。この溶融状態のシート
を静電印加法を用いて60℃に温調した冷却ドラムの上
に押出し、未延伸シ−トを得た。この厚みは2軸延伸、
熱固定後表1に示した厚みになるように調製した。これ
を赤外線ヒ−タ−と加熱ロ−ルを用いて、ガラス転移温
度(Tg)より8℃高い温度に加熱し、3.3倍に縦延
伸を行った。この延伸は入り口と出口のロ−ルスピ−ド
を変えることで実施し、延伸速度は10,000%/分
であった。さらに、縦延伸温度−5℃に40秒間予熱し
た後、縦延伸温度と同じ温度で3.5倍に横延伸を行っ
た。横延伸はテンタ−を用い、延伸速度10,000%
/分で実施した。
【0034】この後、表1に示した条件で、本発明の
「延伸−熱固定間処理」を施した。これは、横延伸後、
直ちに支持体を所定の温度に設定したゾ−ンに導き、一
定速度、一定幅で搬送しながら処理した。なおこのゾ−
ンの温度調節は熱風を吹き込むことで実施し、温度変動
は±10℃以内にした。この後直ちに熱固定ゾ−ンに導
いた。横延伸から熱固定までの間支持体は外気に触れ温
度変化しないように、これら3ゾ−ンは直結されてい
る。この後、Tm −20℃で40秒間、5%弛緩させな
がら熱固定を実施した。これを表1に示した速度で冷却
したあと、チャック部分をトリミングし巻取った。なお
支持体の冷却は、支持体に冷風をあてることで実施し
た。比較例(水準24,25)のPET支持体は写真用
に常法に従って重合、製膜したものを用いた。 (3)支持体の評価 これらの支持体に対し、温度膨張係数、湿度膨張係数、
内部ヘイズを上記方法に従って測定した。また、これら
の測定値から、代表的な環境変動条件として、2℃、1
0%RH変動した場合の寸法変化を下記しきから算出
し、「環境寸法変化率「として求めた。 環境寸法変化率={(温度膨張係数)×2℃}+{(湿
度膨張係数)×10%RH} これらの結果をまとめて表1および表2に示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】(4)支持体の表面処理/下塗り層の塗設 これらの支持体の両面に以下の条件でグロー放電処理を
施こした。断面が直径2cm、長さ150cmの円柱状で冷
媒流路となる中空部を持つ棒状電極を、10cm間隔に4
本絶縁板状に固定した。この電極板を真空タンク内に固
定し、この電極面から15cm離れ、電極面に正対するよ
うに2軸延伸フィルムを走行させ、2秒間の表面対処が
行われるように速度をコントロールした。フィルムが電
極を通過する直前に、フィルム直径50cmの温度コント
ローラー付き加熱ロールに3/4周接触するように加熱
ロールを配置し、さらに加熱ロールと電極ゾーンの間の
フィルム面に熱電対温度計を接触させることによりフィ
ルム面温度を70℃にコントロールした。真空槽内の圧
力は0.2Torr、雰囲気気体内のH2 O分圧は75%で
行った。放電周波数は30KHz、出力2500W、処
理強度は0.5KV・A・分/m2で行った。放電処理後
の支持体が巻き取られる前に表面温度が30℃になるよ
うに、直径50cmの温度コントローラー付き冷却ロール
に接触させ巻き取った。この支持体の両面に下記組成の
下塗り液をワイヤーバーを用いて10ml/m2塗布した。
この後110℃で5分間乾燥した。 <下塗り層> ゼラチン 10.0重量部 水 24.0 〃 メターノール 961.0 〃 サリチル酸 3.0 〃 特開昭51−3619号記載 0.5 〃 合成例1 ポリアマイド−エピクロルヒドリン樹脂 特公平3−27099号記載 1.0 〃 ノニオン性界面活性剤 化合物I−13
【0038】(5)写真感材の作成 下塗り後の支持体に対し、下記2種類のバック層、感光
層を塗設した。 (イ)バック層/感光層=イ(表1中に記載の記号) 水準1〜19、24に対し、下記バック層、感光層を塗
設した。 (1) バック層の塗設 支持体の一方の側に支持体から近い順に下記処方の導電
層及びバック層をスライドコーターを用いて同時に塗布
した。 (1-1) 導電層処方 ゼラチン(Ca2+含有量3000ppm) 100mg/m2 化合物−A 1 〃 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム 11 〃 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 15 〃 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 10 〃 SnO2 /Sb(9/1重量比、平均粒径0.25μm) 200 〃
【0039】 (1-2) バック層処方 ゼラチン(Ca2+含有量30ppm) 1.5g/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3.4μm) 20mg/m2 化合物−A 4 〃 染料− 60 〃 〃− 40 〃 〃− 32 〃 ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム 20 〃 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 80 〃 酢酸 7 〃 硫酸ナトリウム 200 〃 化合物−C 8 〃 化合物−D 9 〃 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 16 〃 1,3−ビス(ビニルスルホニル)−プロパノール−2 ゼラチンの1.8 wt%
【0040】
【化2】
【0041】(2) 感光層の塗設 ついで、もう一方の面に支持体から近い順に非感光性
層、乳剤層、保護層をスライドコーターを用いて同時に
塗設して乾燥した。 (2-1) 非感光層処方 ゼラチン 1.0g/m2 化合物−A 2mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 15mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 7 〃 1,3−ビス(ビニルスルホニル)−プロパノール−2 15 〃 ポリエチルアクリレートラテックス(粒径0.05μm) 600 〃
【0042】(2-2) 乳剤層処方 Ag1モル当り3.5×10-7モルのロジウムを含む、
臭化銀30モル%、塩化銀70モル%のハロゲン化銀乳
剤を当業界でよく知られた常法で調製し、可溶性塩類を
除去した後、ゼラチンを加えた。この乳剤にAg1モル
当りチオ硫酸ナトリウム6mg、塩化金酸8.5mg加え、
60℃50分間の化学増感を行った。得られた乳剤の平
均粒子サイズは0.25μの立方体粒子で乳剤1kg当り
のAgは125g、ゼラチンは53gであった。この乳
剤にオルソ増感色素として、1−(2−ヒドロキシエト
キシエチル)−3−(ピリジン−2−イル)−5−
〔(3−スルホブチル−5−クロロ−2−ベンゾオキサ
ゾリニデン)エチリデン〕−2−チオヒダントインカリ
ウム塩11mg/m2を加え、さらにα−リボ酸7mg/m2
ハイドロキノン27mg/m2、化合物−3mg/m2、1−
フェニル−5−メルカプト−テトラゾール1mg/m2、化
合物−1mg/m2、化合物−6mg/m2、化合物−4
mg/m2、化合物−2mg/m2、安定剤として6−メチル
−4−ヒドロキシ−1,3,3a,7−テトラザインデ
ン8mg/m2、硬膜剤として、1,3−ビス(ビニルスル
ホニル)−プロパノール−2 40mg/m2を加え、さら
にエチルアクリレートラテックス(平均粒子サイズ0.
05μm)900mg/m2、増粘剤としてポリスチレンス
ルホン酸ナトリウム塩40mg/m2を加えた。この塗布液
を銀量3.5g/m2、ゼラチン1.6g/m2になる様に
塗布した。
【0043】
【化3】
【0044】 (2-3) 保護層処方 ゼラチン 1.0g/m2 ポリメチルメタアクリレート微粒子(平均粒径2.5μm) 40mg/m2 化合物−B 50 〃 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 40 〃 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 8 〃 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 18 〃
【0045】
【化4】
【0046】(ロ)バック層/感光層=ロ(表1中に記
載の記号) 水準20〜23,25に対し、下記バック層、感光層を
塗設した。 (1) バック層の塗設 支持体の一方の側に支持体から近い順に下記処方の導電
層及びバック層をスライドコーターを用いて同時に塗布
し、40℃で5分間乾燥した。 (1-1) 導電層 SnO2 /Sb(9/1重量比、平均粒径0.25μm) 200mg/m2 ゼラチン(Ca2+含有量3000ppm) 77 〃 化合物−11 7 〃 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10 〃 ジヘキシル−α−スルホサクシナ−トナトリウム 40 〃 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 9 〃
【0047】 (2) バック層 ゼラチン(Ca2+含有量30ppm) 3.6g/m2 化合物−11 3mg/m2 ポリメチルメタクリレ−ト微粒子(平均粒径3.4μm) 50 〃 化合物−12 40 〃 化合物−13 40 〃 化合物−14 80 〃 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 75 〃 ジヘキシル−α−スルホサクシナ−トナトリウム 20 〃 化合物−15 5 〃 N−パ−フルオロオクタンスルホニル−N−プロピル 7 〃 グリシンポタジウム 硫酸ナトリウム 50 〃 酢酸ナトリウム 85 〃 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 150 〃
【0048】
【化5】
【0049】(2) 感光層の塗設 次いで、支持体の反対側の面に、下記組成の乳剤層、保
護層下層、保護層上層を同時に塗布した。 (2-1) 乳剤層 乳剤の調節 I液 水 1000ml ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 20g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20g ベンゼンスルホン酸ナトリウム 6mg II液 水 400ml 硝酸銀 100g III 液 水 400ml 塩化ナトリウム 30.5g 臭化カリウム 14g ヘキサクロロイリジウム(III )酸カリウム (0.001%水溶液) 15ml ヘキサブロモジウム(III )酸アンモニウム (0.001%水溶液) 1.5ml 38℃、pH=4.5に保たれたI液にII液とIII 液を
攪拌しながら同時に10分間にわたって加え、0.16
μmの微粒子を形成した。続いて下記IV液、V液を10
分間にわたって加えた。さらにヨウ化カリウム0.15
gを加え粒子形成を終了した。 IV液 水 400ml 硝酸銀 100g V液 水 400ml 塩化ナトリウム 30.5g 臭化カリウム 14g K4 Fe(CN)6 1×10-5モル/モルAg その後常法にしたがって、フロキュレ−ション法によっ
て、水洗し、ゼラチン40gを加えた。この乳剤を、p
H=5.3、pAg=7.5に調節し、チオ硫酸ナトリ
ウム5.2mg、塩化金酸10.0mgとN,N−ジメ
チルセレノ尿素を2.0mg加え、ベンゼンスルホン酸
ナトリウム2.0mgを加え、55℃で最適感度になる
ように化学増感し、最終的に塩化銀80モル%を含む、
平均粒子径0.20μmのヨウ塩臭化銀立方体粒子乳剤
を調製した。次いで増感色素を5×10-4モル/モル
Ag加えて、オルソ増感した。さらにカブリ防止剤とし
て、ハイドロキノン、1−フェニル−5−メルカプトテ
トラゾ−ルをAg1モル当たりそれぞれ2.5g,50
mg、コロイダルシリカ(日産化学製スノ−テックス
C、平均粒径0.015μm)をゼラチンに対し、30
重量%加え、可塑剤としてポリエチルアクリレ−トラテ
ックス(0.05μm)をゼラチンに対し、40重量
%、硬膜剤として、1,1’−ビス(ビニルスルホニ
ル)メタンを100mg/m2 加えた。この塗布液をA
g3.9g/m2 、ゼラチン1.8g/m2 になる様に
塗布した。
【0050】
【化6】
【0051】 (2-2) 保護層下層処方 m2 当たり ゼラチン 0.7g ベンゼンスルホン酸ナトリウム 4mg 1,5−ジヒドロキシ−2−ベンズアルドキシム 25mg ポリエチルアクリレ−トラテックス 125mg (2-3) 保護層上層処方 m2 当たり ゼラチン 0.5g ポリメチルメタクリレ−ト微粒子(平均粒径2.5μm) 40mg 化合物−16(滑り剤のゼラチン分散物) 60mg コロイダルシリカ(日産化学製スノ−テックスC) 60mg 化合物−17 5mg ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 22mg この試料の動摩擦係数はすべて0.22±0.03(2
5℃60%RH、サファイヤ針φ=1mm、荷重100
g、スピ−ド60cm/min)であった。
【0052】
【化7】
【0053】(6)感材の評価 このようにして得られた試料を塗布後10日間25℃6
0%RH下で保管した後、上記方法に従って温度膨張係
数、湿度膨張係数を求めた。これらの値を基に、下記式
に従って環境寸法変化率(2℃、10%RH変化したとき
の寸法変化)を求めた。これらの結果を表3に示した。 環境寸法変化率={(温度膨張係数)×2℃}+{(湿
度膨張係数)×10%RH}
【0054】
【表3】
【0055】(7)結果 本発明に従い製造した支持体、およびそれを用いた感材
は、PET支持体およびそれを用いた感材に比べ、良好
な環境寸法安定性を示す。このような支持体は、本発明
の「延伸−熱固定間処理」を実施することで達成でき
る。さらに、支持体中のシンジオタクチック構造を有す
るポリスチレン含率を調節することで、温度膨張係数を
より小さくすることができる。さらに、熱固定後の巻き
込み前の支持体冷却速度を調節することで内部ヘイズも
低くできる。これらの特徴は厚みが90μm以上の支持
において、とくに顕著に現れる。
【0056】
【発明の効果】本発明に従い、寸法安定性に優れたシン
ジオタクチック構造を有するスチレン系写真用支持体
製造された
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小倉 徹 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写 真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−131843(JP,A) 特開 平6−91749(JP,A) 特開 平7−32470(JP,A) 特開 平6−297563(JP,A) 特開 平6−114925(JP,A) 特開 平6−87158(JP,A) 特開 平8−277363(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/795 C08F 12/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 延伸と熱固定の間に延伸温度+10℃以
    上、熱固定温度−5℃以下の温度で支持体を0.1秒以
    上、300秒以下の時間、熱処理することを特徴とする
    シンジオタクチック構造を有するスチレン系ポリマーか
    らなる写真用支持体の製造方法。
  2. 【請求項2】 延伸ゾーンと熱固定ゾーンの間に熱処理
    ゾーンを設け、熱処理ゾーンで支持体を熱処理する請求
    項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 延伸と熱固定の間に延伸温度+10℃以
    上、熱固定温度−5℃以下の温度で支持体を0.1秒以
    上、300秒以下の時間、熱処理することにより製造さ
    れたシンジオタクチック構造を有するスチレン系ポリマ
    ーからなる写真用支持体。
  4. 【請求項4】 スチレン系ポリマーの温度膨張係数が
    0.5×10 -5 /℃以上、6.5×10 -5 /℃以下であ
    る請求項3に記載の写真用支持体。
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