JPH07316079A - リポソーム - Google Patents

リポソーム

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JPH07316079A
JPH07316079A JP7068177A JP6817795A JPH07316079A JP H07316079 A JPH07316079 A JP H07316079A JP 7068177 A JP7068177 A JP 7068177A JP 6817795 A JP6817795 A JP 6817795A JP H07316079 A JPH07316079 A JP H07316079A
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寛 菊池
Kiyoto Yanai
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Kurabenesu Yoo
クラベネス ヨー
Berg Arne
ベルグ アルネ
Bee Jacobsen Torondo
ベー.ヤコブセン トロンド
Longbed Paul
ロングベド ポール
Ege Torfin
エゲ トルフィン
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 X線、MRI及び超音波造影のための改良さ
れた造影剤の提供。 【構成】 中性リン脂質及び荷電リン脂質とから成り平
均粒径が50〜3000nmの多重層リポソーム(一枚膜
リポソームが共存していてもよい)が分散した水性媒体
から成り、リポソーム中の水性相及びリポソーム外の水
性媒体に同濃度の造影剤が溶解している、診断用リポソ
ーム製剤。 【効果】 安定性が高く、且つオートクレーブ滅菌が可
能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は1又は複数の造影剤を封
入したリポソームを含んで成る注射用の診断用組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】造影剤は画像のコントラストを増強する
ために様々な分野の画像診断において使用されており、
それらのうちの最も重要なものはX線画像診断、磁気共
鳴画像診断(MRI)、超音波画像診断および核医学画
像(Nuclear Medicine Imagin
g)診断である。
【0003】コンピューター断層撮影(CT)やデジタ
ルサブトラクションアンギオグラフィ(DSA)などの
応用を含むX線画像診断では、造影は電子密度の差を基
にしている。現在使用されているX線造影剤は一般に重
元素を基剤としており、その例として胃腸系の視覚化を
増進するのに用いることができる硫酸バリウムなどのバ
リウム塩、胃腸系の視覚化や非経口投与に用いることが
できるヨウド系造影剤が挙げられる。
【0004】ヨウド系X線造影剤は、最も一般的にはヨ
ウ化フェニル基を含み、典型的には3位および/または
5位にカルボキシル、カルバモイル、N−アルキルカル
バモイル、N−ヒドロキシアルキルカルバモイル、アシ
ルアミノ、N−アルキルアシルアミノおよびアシルアミ
ノメチルから成る群から選ばれた基を有する2,4,6
−トリヨードフェニル基を少なくとも1個持つ。この型
のイオン性X線造影剤としては、メトリゾ酸、ジアトリ
アゾ酸、イオタラム酸、イオキサグル酸およびそれらの
酸の塩が挙げられる。
【0005】浸透圧が低くその結果として血行力学作用
が低いためにイオン性造影剤よりも一般に実質的に毒性
が低い非イオン性ヨウド系造影剤としては、イオヘキソ
ール、イオペントール、イオパミドール、イオジキサノ
ール、イオプロミド、イオトロランおよびメトリザミド
が挙げられる。例えばイオジキサノールやイオトロラン
といったいわゆる二量体もそれらの中に含まれ、それら
はその等張化によって300mgI/mlを越える濃度で血
液と等張になるように製剤化することができる。
【0006】最近、重金属クラスター/キレートを基材
とした非経口用X線造影剤が着目されている。例えば、
WO−A−9114460とWO−A−9217215
を参照のこと。親水性の点から見て、前述のX線造影剤
はいずれもほぼ同じ細胞外生体分布を有し、従って類似
した臨床上の適応を示し、腎で排出される。従ってより
一層臓器特異的な造影剤を見出す試みがなされている。
例えば、ヨウド系造影剤の血中半減期の改善を期待し
て、ヨウ素化フェニル基がデンプンなどの高分子支持体
に結合された。
【0007】生体内で分解可能な粒子を基にした可能性
ある肝造影剤が提唱され(例えばWO−A−89009
88とWO−A−9007491を参照のこと)、イオ
ン性または非イオン性のX線造影剤を含有するリポソー
ムが提案された(下記参照)。そのような製剤は安定性
や毒性の問題のためまだ販売されていなし後期の臨床開
発段階に達しておらず、従ってより安定で無毒で且つ臓
器特異的なX線造影剤への要求はいまだ満たされていな
い。
【0008】造影剤によって操作することができるMR
Iの主たる造影パラメーターは、スピン−格子緩和時間
(T1 )とスピン−スピン緩和時間(T2 )である。例
えばマンガン(2+)、ガドリニウム(3+)および鉄
(3+)を基剤とした常磁性キレートはスピン−格子緩
和時間(T1 )を減少させ、それによってシグナル強度
を増加させる。磁性/超常磁性粒子を基剤としたMRI
造影剤はスピン−スピン緩和時間(T2 )を減少させ、
シグナル強度の減少を引き起こす。
【0009】ジスプロシウムを基材とした常磁性キレー
トや常磁性化合物の大投与量もまたMRシグナル強度を
減少させるだろう。MRI造影剤(その幾つかは開発中
であるかまたは市販されている)の総説については、例
えばD.D.Stark およびW.G.Bradley:Magnetic Resonance
Imaging, Mosby 1992, Chapter 14を参照のこと。
【0010】GdDTPA, GdDOTA, GdHPDO3AおよびGdDTPA-B
MAといった親水性キレートは細胞外に分布され腎で排出
される。そのような化合物は、例えば、中枢神経系の病
変を視覚化するのに有用である。他に、より一層臓器ま
たは組織特異的な薬剤としては、MnDPDP, GdBOPA, GdEO
B-DTPA、常磁性ポルフィリン、高分子化合物、粒状物お
よびリポソームが挙げられる。
【0011】よって様々な常磁性金属イオンやキレート
がリポソーム中に封入されている。例えば、多様な脂質
組成、表面電荷および大きさを有する小さな一枚膜リポ
ソーム(SUV)、大きな一枚膜リポソーム(LUV)
および多重層リポソーム(MLV)がMRI造影剤とし
て提案されている〔例えば、S.E.Seltzer, Radiology17
1(1989)p.19; S.E.Seltzer ら、Invest. Radiol. 2
3(1988)P.131; C.Tilcockら、Radiology 171 (198
9)p.77; C.Tilcock ら、Biochim Biophys.Acta10222
(1990)p.181; E.C.Ungerら、Invest. Radiol. 25(19
90)p.638 ; E.C. Ungerら、Invest.Radiol.23(1988)
p.928; E.C.Ungerら、Radiology 171 (1989)p.81; E.
C.Unger ら、Magn.Reson.Imaging 7 (1989)p.417 お
よびJ.Vion-Dury ら、J.Pharmacol.Exp.Ther. 250(19
89)p.1113を参照のこと〕。しかしながら、リポソーム
MRI造影剤に関する豊富な報告にもかかわらず、その
ような製品は1つも今日市販されていないし、また後期
臨床開発段階にない。
【0012】超音波画像診断は、例えば1〜10MHz の
周波数域の超音波を、変換器を介して人間または動物被
検体中に浸透させ、超音波が体組織や体液の界面と相互
作用することに基づいている。超音波画像の造影はその
ような界面における音波の示差的反射/吸収に由来す
る。血流を評価するためのカラードプラ(Colour
Doppler)の使用を含むドップラー技法を使って
結果を倍増させることができる。
【0013】造影剤を使って異なる組織/体液の音響特
性の差を増幅せしめることが有利であるだろうと長い間
理解されており、そして最初の超音波造影剤として19
68年にインドシアニングリーンが使われて以来、可能
性ある造影誘導剤が他に多数実験されている。それらと
しては、エマルジョン、固体粒状物、水溶性化合物、遊
離気泡および様々な型の封入気体含有系が挙げられる。
造影剤が生ずる音響の後方散乱の点から容易に圧縮でき
る低密度造影剤が特に効果的であることが一般に認めら
れている。よって気体含有系および気体発生系は他の型
の造影剤よりも著しく大きい効能を示す傾向がある。
【0014】3つの超音波造影剤が現在市販されている
かまたは後期臨床開発段階にある。それらは気体含有ガ
ラクトース微結晶を基剤としたEchovist(商
標)、脂肪酸でコーティングした気体含有ガラクトース
微結晶を含んで成るLevovist(商標)、および
部分変性されたヒト血清アルブミンにより封入された気
泡を含んで成るInfoson(商標)である。しかし
ながら、短い造影半減期(すなわち生体内での安定性の
相対的欠失)および/または限定された貯蔵安定性のた
め、それらの剤の臨床用途は制限される。
【0015】従って、優れた貯蔵安定性と生体内安定性
(好ましくは心臓および非心臓灌流分析の場合には少な
くとも数回の循環の通過の間)を合わせ持つ超音波造影
剤、特に心臓および非心臓灌流研究用の超音波造影剤へ
の要求が引き続き存在している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】リポソーム製剤の使用
や様々な型の造影剤の組織または臓器特異性を増加させ
る他の技術を提案する多数の刊行物にもかかわらず、市
販されているかまたは後期臨床開発段階にあるこの種の
製品は現在1つもない。これは低い封入率、毒性、不十
分な貯蔵安定性および/または生体内での不安定性また
は短い造影半減期に関係する問題の結果であると考えら
れる。従ってそれらの問題を解決する造影剤への要求が
残存している。超音波画像診断の分野では、心臓および
非心臓灌流での使用のため十分に高い生体内安定性を示
す造影剤、および効率的な肝画像診断を可能にするのに
十分安定である製剤への特別な要求が存在する。
【0017】一般に、脂質可溶性薬剤はリポソーム中に
容易に封入される。他方、水溶性薬剤のうち水溶性電解
質は、薬剤の電荷と荷電した脂質の電荷の相互作用によ
り(特開平2−187370)またはリポソームの外側
と内側のpH勾配により(WPI 88−271022/
38)リポソームの内部水相中に封入することができ
る。
【0018】しかしながら、上記方法を使っても封入さ
れる薬剤の量はそれ程多くない。特に、薬剤が水溶性非
電解質物質である場合、上述の手段を適用することはで
きず、従ってリポソーム中に水溶性非電解質を効率的に
封入することは容易ではない。水溶性非電解質を効率的
にリポソームの内部水相中に封入するための手段とし
て、逆相蒸発法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 75(9) 巻、
4194頁、1978) 、エーテル注入法(同書、443巻、6
29頁、1975)等が提唱された。
【0019】しかしながら、そのような方法は低い発火
点を有するエーテルを使用するため、多量のリポソーム
の工業生産に利用することができない。更に、それらの
方法によって製造されるリポソームは主に一枚膜リポソ
ームである。多重層リポソームに比べると、一枚膜リポ
ソームは血中での安定性が低いという欠点を有する。
【0020】国際特許出願W88/09165は、リポ
ソーム中のX線造影剤溶液及びリポソームが懸濁されて
いる緩衝化生理食塩水連続相を含む注射用リポソーム調
製物を記載している。X線造影剤を含有する水性媒体中
にリポソームが形成されるが、注射のためにはそれを遠
心分離により単離し、そして緩衝液に再懸濁しなければ
ならない。注射用無菌組成物を調製するためにリポソー
ム調製物をオートクレーブ滅菌することができれば非常
に便利である。無菌条件下で混合物の個々の成分から製
剤を調製することは高コストであり確実でない。又、該
リポソーム懸濁液は濾過滅菌も可能であるが、そのよう
な滅菌法はリポソームの粒子径を小さくし、その結果保
持率も低くなる。
【0021】更に、オートクレーブ温度(121℃)よ
り非常に低い相転移温度(Tc)を有するため、リポソー
ム懸濁液のオートクレーブ処理は成功しなかった。すな
わち、リポソームの内部にのみX線造影剤を有する、W
O88/09165のリポソーム調製物のごときリポソ
ーム調製物をオートクレーブ殺菌する際に、X線造影剤
がリポソームから出てしまうことを本発明者らは見出し
た。本発明者らはまた、リポソームの外側の溶解したX
線造影剤の濃度が脂質層の内水相のそれと実質的に同一
であるような、連続相中のリポソームをオートクレーブ
滅菌することにより、上記の問題を回避することができ
ることを見出した。この様なオートクレーブ滅菌は通
常、冷却及び貯蔵の後注射の直前に開放されるまで維持
されるシールされた容器中で行われる。
【0022】本発明はまた、リポソーム膜を形成するた
めに中性脂質及び荷電脂質を使用し、そしてリポソーム
の平均粒子径を比較的小さく、例えば50〜300nmの
サイズ範囲に保つことにより、封入効率、毒性、製造工
程及び/又は製品寿命に関して、造影における使用のた
めにリポソーム造影剤が改良され得るという知見に基い
ている。このリポソームは、例えば5ml/g以上の高い
封入容量をもたらすリポソーム膜間の静電的反発を提供
する正味負電荷又は正味正電荷を担持する。
【0023】本発明の1つの特徴によれば、本発明者ら
は、多重層リポソームを含有し且つ水性媒体中に懸濁し
た少なくとも1種の造影剤を含有するヒト又は動物に投
与するための診断組成物であって、該組成物は場合によ
って一枚膜リポソームが共存することもあり、前記リポ
ソームは中性リン脂質及び荷電リン脂質から成り、該リ
ポソームの平均粒子径は50〜3000nmであり、そし
て該リポソームの内部を満たす水性相中の造影剤の濃度
が、リポソームがその中に懸濁している水性媒体中のそ
れと同じであることを特徴とする診断組成物を提供す
る。
【0024】従って、液で満たされたリポソームを含ん
で成る本発明の組成物は、肝臓及び脾臓に集りそしてこ
れらの造影を助ける造影剤を含んで成るリポソームと共
に、全身的造影剤として常用の血液プール造影要求を満
たす常用の造影媒体の外部連続相を含んで成る。本発明
のリポソーム懸濁液は、内部水相での高い封入容量(例
えば5ml/g以上、好ましくは6ml/g以上)を有し、
そしてそれ故に多量の水溶性薬物を保持することがで
き、そして血液中及び貯蔵の際並びにオートクレーブ滅
菌に対して安定である。
【0025】X線画像診断に使われる本発明の組成物
は、例えば、当業界で公知である例えば上述したような
ヨウド系X線造影剤および重金属クラスター/キレート
X線造影剤のいずれも取り込むことができる。本発明の
組成物中のヨウド系X線造影剤は、好ましくは1分子あ
たり3個以上のヨウ素原子を含有し、そして通常1個又
は複数個のヨード化されたフェニル基を含有する。非イ
オン性造影剤、特に高度に親水性であり且つ高濃度でも
低い浸透圧しか生じないいわゆる非イオン性二量体、例
えばイオジキサノールやイオトロランが好ましい。組成
物中の該造影剤の濃度は広範囲に異なることができ、該
造影剤の性質、意図する最終組成物の投与経路および臨
床上の指標といった因子により影響されるだろう。
【0026】典型的な濃度は、例えば、組成物1mlあた
り封入ヨウ素10〜300mg(好ましくは60〜180
mg、さらに好ましくは70〜110mg)の範囲内であろ
う。組成物ml当りの全ヨウ素の濃度は好ましくは40〜
450mg、さらに好ましくは160〜320mgである。
本発明の組成物は通常静脈内に投与され、その投与量も
同様に例えば臨床上の指標に応じて広範囲に異なること
ができるが、一般には血管または肝臓画像診断に典型的
な用量は、例えば体重1kgあたりヨウ素5〜300mgの
範囲内であることができる。
【0027】本発明のリポソーム製剤中の重金属クラス
ター/キレートは、好ましくはヨウ素の原子番号よりも
大きい原子番号を有する少なくとも2つの金属原子を含
む。この型の代表的造影剤としては、例えば、WO−A
−9114460およびWO−A−9217215中に
記載されたタングステンクラスター/キレートが挙げら
れる。非イオン性クラスター/キレートが好ましいだろ
う。
【0028】MR画像診断用の本発明の組成物は、例え
ば、当業界において公知の例えば上述したような常磁性
剤のいずれも含むことができる。そのような常磁性造影
剤は、例えば、小胞中に封入するかまたは共有結合させ
ることができ、あるいは脂質膜中に非共有結合的に取り
込むことができる。
【0029】常磁性造影剤は、例えば、生理学的に許容
される常磁性金属塩もしくはキレートであることがで
き、または遊離基、好ましくはニトロキシド型の遊離基
を含むことができる。常磁性剤が遊離金属イオンである
場合、マンガン(2+)塩が好ましい。キレートは好ま
しくはマンガン(2+)、ガドリニウム(3+)、ジス
プロシウム(3+)または鉄(3+)を基礎にしてお
り、文献(例えばWO−A−9110645を参照のこ
と)中に記載されたようなキレート化剤、例えばNT
A,EDTA,HEDTA,DTPA,DTPA−BM
A,BOPTA,TTHA,NOTA,DOTA,DO
3A,HP−DO3A,EOB−DTPA,TETA,
HAM,DPDP、ポルフィリンおよびそれらの誘導体
を含むことができる。
【0030】組成物中のそのような常磁性剤の濃度は、
例えば、1mM〜0.5Mの範囲内であることができる。
本発明のMR画像診断用組成物は、通常静脈内に投与さ
れ、その典型的な用量は、例えば、体重1kgあたり封入
金属キレート0.02ミリモルであろう。上記と同様、
濃度と用量は該常磁性剤の性質、意図する投与経路およ
び臨床上の指標といった因子により影響されるだろう。
【0031】MR画像診断用のリポソーム製剤はまた、
例えば封入により、超常磁性剤または強磁性剤、例えば
当業界で公知のもの、も含むことができる。この型の好
ましい剤としては、磁鉄鉱、γ−Fe23 、混合フェ
ライト、および有機強磁性材料を包含する磁性を有する
他の鉄含有化合物が挙げられる。封入される剤は、遊離
であるかまたは例えばデキストラン、脂肪酸もしくは磁
性材料を安定化することが知られている他の生体に無害
な化合物でコーティングすることができる。生成物が非
経口用である場合、該コーティング皮膜は生体内で分解
されなければならない。該剤は4nm〜1μm、好ましく
は4〜40nmの範囲内の粒径を有する粒子の水性懸濁液
の形であるのが好都合である。
【0032】そのような診断剤の濃度は、例えば0.0
1mM〜0.1Mの範囲内であることができ、その用量は
薬剤の性質、その生体分布および臨床上の指標により影
響されるだろう。血管画像診断(灌流を含む)または肝
画像診断用の典型的用量は、例えば、静脈内投与の場合
体重1kgあたり封入された鉄0.1〜100μモルの範
囲内であることができる。超音波画像診断用のリポソー
ム組成物は、ドップラー技術を包含するあらゆる型の超
音波技術において用いることができる。そのような組成
物は、好ましくは生理学的に許容される気体が中に封入
されているリポソームまたは気体前駆体が中に封入され
ているか共有結合されているリポソームを含んで成る。
【0033】一般にいずれの生体適合性気体でも本発明
に係る超音波組成物中に存在することができ、例えば空
気、窒素、酸素、水素、亜酸化窒素、二酸化炭素、ある
いはさらに好ましくは、水に不溶性の気体、例えばヘリ
ウム、アルゴン、六フッ化硫黄、および任意にフッ素化
されることがある低分子量の炭化水素、例えばパーフル
オロアルカン(C2 〜C7 )、アセチレンまたは四フッ
化炭素あるいはこれらの混合物が存在することができ
る。本明細書中で使用する「気体」なる用語は、37℃
の正常体温で気体形態である任意物質を包含し、従って
ジエチルエーテル又はある種のパーフルオロアルカン類
のような低温で沸騰する液体を包含する。
【0034】気体前駆体としては、アミノマロン酸塩;
炭酸塩および炭酸水素塩、例えば炭酸リチウム、炭酸水
素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸アンモニウム、炭酸カルシウムおよび炭酸水素マグネ
シウム;生理学的に許容されるジアゾニウム化合物;C
O−O−CR12 −O−CO−OR3 の型の基を含有
する炭酸エステル;並びにβ−ケト酸が挙げられる。
【0035】それらは様々な形式で反応して気体含有リ
ポソームを生成することができる。例えば、炭酸塩と炭
酸水素塩は投与後に体内で一般的である酸性pH値によっ
て生体内で二酸化炭素を発生することができ;ジアゾニ
ウム化合物は例えばUV光を照射すると窒素を発生する
ことができ;炭酸エステルは生体内で非特異的エステラ
ーゼと相互作用して二酸化炭素の発生をもたらし;β−
ケト酸は自然に脱炭酸するであろう。
【0036】本発明に係る超音波組成物は、例えば、経
口的または非経口的に投与することができるが、ファロ
ーピウス管のような体腔中への直接投与における特定適
用に有利であるかもしれない。しかしながら一般には、
心臓および心臓外灌流を包含する血管画像診断を増進す
るために、おそらく最も普通には静注による血管内投与
が用いられるだろう。その安定性のため、そのように投
与される組成物のほとんどが最終的には細網内皮細胞系
による取込み、主として肝臓中への取込みを受け、良好
な肝臓超音波造影強化を与えるだろう。
【0037】圧縮性の容易さは低密度超音波造影剤の望
ましい性質である。本発明の組成物中のリポソームは本
質的に非固体のマトリックスを含んで成るので、それら
は相当な程度の柔軟性を示すだろう。これは従って圧縮
性を増加させ、それにより本発明の気体充填型超音波組
成物のエコー源性(echogenicity)を増加
させるだろう。
【0038】本発明のリポソームの膜形成のための必須
成分の1つは、実質的に飽和された脂肪酸残基を含んで
成る中性リン脂質である。脂肪酸残基中の炭素原子の数
は通常少なくとも14、好ましくは少なくとも15、よ
り好ましくは少なくとも16である。脂肪酸残基中の炭
素原子の数が14未満であると、内部水相を収容するリ
ポソームの能力は低く、投与後の血中でのリポソームの
安定性も低い。他方、通常、脂肪酸残基中の炭素原子の
数が28以上であると、生体適合性が低くなり、リポソ
ームの製造時に非常に高い温度が必要となる。
【0039】「実質的に飽和された」という用語は、使
用する中性リン脂質中の脂肪酸残基が完全に飽和されて
いる(C−C二重結合を全く含まない)か、または不飽
和の程度が非常に低いことを意味する。実質的に飽和さ
れている脂肪酸残基よりなる中性リン脂質については、
ヨウ素価によって示される不飽和度が20以下であり、
好ましくはヨウ素価が10以下であることが必要であ
る。不飽和度が高すぎると、保持率が低くなり、又リポ
ソームが容易に酸化され、加熱滅菌するのが困難にな
る。
【0040】本発明において使われる中性リン脂質は、
例えば中性グリセロリン脂質、例えば、部分的にもしく
は完全に水素添加された天然、例えば大豆もしくは卵黄
由来、または合成のホスファチジルコリン、特に半合成
または合成のジパルミトイルホスファチジルコリン(D
PPC)またはジステアロイルホスファチジルコリン
(DSPC)を好ましい例としてあげることができる。
【0041】本発明のリポソームの膜形成のための必須
成分のもう1つは、実質的に飽和された脂肪酸残基を含
んで成る荷電リン脂質である。脂肪酸残基中の炭素原子
の数は通常少なくとも14、好ましくは少なくとも1
5、より好ましくは少なくとも16である。脂肪酸残基
中の炭素原子の数が14未満であると、内部水相を収容
するリポソームの能力は低く、投与後の血中でのリポソ
ームの安定性も低い。他方、通常、脂肪酸残基中の炭素
原子の数が28以上であると、生体適合性が低くなり、
リポソームの製造時に非常に高い温度が必要となる。
【0042】「実質的に飽和された」という用語は、使
用する荷電リン脂質の脂肪酸残基が完全に飽和されてい
る(C−C二重結合を全く含まない)か、または不飽和
の程度が非常に低いことを意味する。実質的に飽和され
ている脂肪酸残基よりなる荷電リン脂質については、ヨ
ウ素価によって示される不飽和度が20以下であり、好
ましくはヨウ素価が10以下であることが必要である。
不飽和度が高すぎると、保持率が低くなり、又リポソー
ムが容易に酸化され、加熱滅菌するのが困難になる。
【0043】本発明において使われる荷電リン脂質は、
例えば正または負に荷電したグリセロリン脂質である。
負に荷電したリン脂質としては、例えば、ホスファチジ
ルセリン、例えば部分的にもしくは完全に水素添加され
た天然、例えば大豆もしくは卵黄由来、または半合成の
ホスファチジルセリン、特に半合成または合成のジパル
ミトイルホスファチジルセリン(DPPS)またはジス
テアロイルホスファチジルセリン(DSPS)を;
【0044】ホスファチジルグリセロール、例えば部分
的にもしくは完全に水素添加された天然(例えば大豆ま
たは卵黄由来)または半合成のホスファチジルグリセロ
ール、特に半合成または合成のジパルミトイルホスファ
チジルグリセロール(DPPG)またはジステアロイル
ホスファチジルグリセロール(DSPG)を;ホスファ
チジルイノシトール、例えば部分的にもしくは完全に水
素添加された天然(例えば大豆または卵黄由来)または
半合成のホスファチジルイノシトール、特に半合成また
は合成のジパルミトイルホスファチジルイノシトール
(DPPI)またはジステアロイルホスファチジルイノ
シトール(DSPI)を;
【0045】ホスファチジン酸、例えば部分的にもしく
は完全に水素添加された天然(例えば大豆または卵黄由
来)または半合成のホスファチジン酸、特に半合成また
は合成のジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)
またはジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)が
挙げられる。このような荷電リン脂質は通常単独で使用
されるが、2種以上使用してもよい。但し、2種以上使
用した場合には、負電荷のリン脂質同士又は正電荷のリ
ン脂質同士で使用することが、リポソームの凝集防止の
観点から望ましい。
【0046】正に荷電したリン脂質は、例えば、ホスフ
ァチジン酸とアミノアルコールとのエステル、例えばジ
パルミトイルホスファチジン酸またはジステアロイルホ
スファチジン酸とヒドロキシエチレンジアミンとのエス
テルを好ましい例としてあげることができる。本発明に
よれば、中性リン脂質と荷電したリン脂質の重量比は、
通常は200:1〜3:1、好ましくは60:1〜4:
1、より好ましくは40:1〜5:1、例えば約10:
1である。
【0047】本発明のリポソームは、上述の2つの必須
成分に加えて様々な任意化合物を含むことができる。例
えば、酸化防止剤としてビタミンE(α−トコフェロー
ル)および/またはビタミンE酢酸エステルを脂質の総
量に関して0.01〜2モル%、好ましくは0.1〜1
モル%の量で添加することができる。このような脂質か
らなる本発明のリポソームからなる診断用組成物におい
ては、総脂質濃度として一般に20mg/ml〜100mg/
ml、好ましくは40mg/ml〜90mg/ml、更に好ましく
は50mg/ml〜80mg/mlとすることが造影剤のリポソ
ーム内への保持率の向上の点から好ましい。
【0048】上述の造影剤は、投与後にリポソームが体
内に安定に維持されるように、好ましくは等張溶液また
は懸濁液(体内の生理学的浸透圧に関して)の形でリポ
ソーム中に封入される。媒質として、水、緩衝液、例え
ばTris−HCl緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩
衝液等を使うことができる。
【0049】室温での好ましいpH範囲は6.5〜8.
5、さらに好ましくは6.8〜7.8である。X線造影
剤が多ヒドロキシル基を担持する非イオン性造影剤、例
えばイオヘキソール、イオジキサノール又はイオパミド
ールである場合、緩衝液は好ましくは、米国特許No. 4
278654に記載されているような、負の温度係数を
有するものである。アミン緩衝液は要求される性質を有
しており、好ましくはTRISである。このタイプの緩
衝液はオートクレーブ温度において低いpHを有し、この
ことがオートクレーブ中のX線造影剤の安定性を増し、
他方室温においては生理的に一層許容されるpHにもど
る。
【0050】等張溶液または懸濁液を得るためには、等
張溶液を提供する濃度で造影剤を媒質中に溶解または懸
濁させる。例えば造影剤の溶解性が低いために造影剤が
単独では等張溶液を提供できない場合、等張溶液が形成
されるように他の非毒性水溶性物質、例えば塩化ナトリ
ウムの如き塩類、マンニトール、グルコース、ショ糖、
ソルビトール等の糖類を媒質に添加することができる。
【0051】上述のごとく、本発明の組成物の1つの利
点はオートクレーブに対して耐えることである。これら
は、その脂質組成のためによい封入容量及び封入率を有
する。又、後述する如く、本発明のリポソームからなる
診断用組成物は優れた造影効果を有すると共に、副作用
の面でも優れている。
【0052】次に、本発明のリポソームの製造方法につ
いて説明する。本発明のリポソームは、多重層リポソー
ムの形成に使われる常法によって製造することができ
る。それらの方法としては、Bangham法(J.Mol.
Dial. 13, 238-252, 1965)、多価アルコール法(特公平
4−36734)、脂質溶解法(特公平4−3673
5)、メカノケミカル法(特公平4−28412)が挙
げられる。
【0053】一般的には、上記のごときリン脂質をクロ
ロホルム、メタノール、ジクロロメタン、エタノール等
の揮発性有機溶媒や該有機溶媒と水との混合溶媒に溶解
の後、該溶媒を除去し、得られる残渣と造影剤を含有し
た水相とを混合し、振とうまたは攪拌することにより、
目的とする多重層リポソームを製造することができる。
該製造法における溶媒の除去工程につき、除去手段と
してエバポレーションを用いた場合には該製造法はバン
ガム法となり、また噴霧乾燥を用いた場合には上記製造
法は噴霧乾燥法となり、更に凍結乾燥を用いることも可
能である。
【0054】上記のごときリポソームの製造法におい
て、脂質に対する溶媒の使用量は特に限定されず、脂質
を十分溶解できる量であればよい。得られた脂質と溶媒
との混合物より、エバポレーションにより溶媒を除去す
るには常法、具体的には減圧下、所望によっては不活性
ガスの雰囲気下で溶媒を蒸発させればよく、その際具体
的に使用する溶媒としては上記のごとき揮発性有機溶媒
や該有機溶媒10容量部と多くとも水1容量部との混合
溶媒を例示することができる。
【0055】また、凍結乾燥により溶媒を除去するには
凍結温度を使用した溶媒の凝固点以下、一般的には−3
0〜−50℃で凍結し次いで0.005〜0.1Torr程
度の減圧条件で除去可能な溶媒を選択し、これを除去す
ればよい。更に、噴霧乾燥により溶媒を除去するには一
般的には空気圧を1.0kg/cm2 、風量を0.35cm 3
/分とし、この時の入口温度は使用した溶媒の沸点以上
とすればよく、例えば溶媒としてクロロホルムを使用し
た場合には60〜90℃として、以下常法に従って溶媒
を除去すればよい。
【0056】かくして得られた脂質の残渣を、用いた脂
質の相転移温度(Tc)以上の温度で造影剤含有水溶液と
混合し、次いで該Tc以上の温度で激しくもしくは穏やか
に振とうもしくは攪拌することにより目的とするリポソ
ーム及びその製剤を製造することができる。使用する水
溶液の電解質イオン濃度は保持率等の点から可及的少量
が望ましく、具体的には、薬物以外の陽イオン及び陰イ
オンを含めた総イオン濃度として約40mM以下、より好
ましくは約20mM以下とすることが望ましい。リポソー
ムの粒子径の表示としては一般に重量平均粒子径と個数
平均粒子径が用いられるが、リポソームの保持容量の観
点からは重量平均粒子径で表わすことが望ましい。
【0057】本発明のリポソームの重量平均粒子径は一
般に50nm〜3,000nm、好ましくは150nm〜10
00nm、より好ましくは200nm〜500nmである。上
記の所望の粒径を得るためには、予め決められたポアサ
イズを有するフィルターを通して大きい粒径のリポソー
ムを濾過するという押出濾過法〔Biochim.Biophys.Acta
557巻、第9頁(1979)〕を使用すればよい。
【0058】本発明のリポソームは多重膜を有するリポ
ソームを一定の比率で含む。一般に、上記の方法により
最初に形成されたとき、リポソームは多重膜であるが、
上記の好ましい技法によれば、リポソーム懸濁液は例え
ば約1ミクロンの孔サイズを有する1又は複数の微孔フ
ィルターに通され、脂質の外層が除去されて一枚膜リポ
ソーム及び多重層リポソームの混合物が残る。一般に、
多重層リポソームの比率は30重量%以上であり、好ま
しくは40重量%以上である。多重層リポソームは安定
性の点で幾つか利点を有するが、比較的大比率の一枚膜
リポソームも許容される。一枚膜リポソームは多重層リ
ポソームよりも大きい封入容量を提供するからである。
【0059】こうして調製したリポソームは水性媒質
(外液)中の懸濁液として存在し、診断用組成物として
利用される。リポソームの形成中にリポソームの中に封
入されなかった造影剤の溶液は外液中に存在する。ある
いは、リポソームの外側に存在する溶液を別の外液で置
換することができるが、内液及び外液中の造影剤の濃度
は同じであるべきである。いずれの場合にせよ、外液
(分散媒)はリポソームの内部水相に対して等張である
のが好ましい。かくして製されたリポソーム懸濁液中に
おける電解質イオン濃度は保存安定性や加熱滅菌での安
定性の点から、可及的少量にすることが望ましく一般的
には薬物以外の陽イオン及び陰イオンを含めた総イオン
濃度として約40mM以下、より好ましくは約20mM以下
とすることが望ましい。
【0060】本発明のリポソームの封入容量は少なくと
も5ml/g脂質、好ましくは少なくとも6ml/gであ
る。本発明の方法によってヨウド系X線造影剤を封入す
る時、比較的高いヨウ素/脂質比を有する生成物を与え
ることにより費用と潜在的毒性問題を削減するために、
最初の水性溶液中の該造影剤の濃度は高い方が望まし
い。しかしながら、本発明によれば、ヨウ素と脂質との
重量比の好ましい範囲は1.3〜1.45である。これ
は幾つかの従来技術の比率より低い。WO88/091
65の場合、下限は1.5である。
【0061】本発明の最も好ましいX線造影組成物は中
性リン脂質としての水素添加ホスファチジルコリン及び
荷電脂質としての水素添加ホスファチジルセリンを、好
ましくは10:1の比率で含んで成る。この様な組成物
は7ml/gを超える封入容量を有することができる。こ
のような組成物において使用するための最も好ましいX
線造影剤はイオジキサノールである。リポソームの内側
及び外側の水性媒体は好ましくは約400mg/mlのイオ
ジキサノール、並びにソルビトールのごとき浸透圧調節
剤、EDTANa2 −Caのごとき安定化剤及びTRI
S緩衝剤(pH約7.4)を含有する。
【0062】MR画像診断用のリポソーム組成物は、こ
の方法により、例えばGdHPD03Aのような常磁性
MR造影剤の水性溶液または例えば約10nmの粒度を有
するFe34 のような超常磁性MRI造影剤の水性懸
濁液を封入することにより、調製することができる。前
記のような懸濁液は、例えば、鉄(2+)塩と鉄(3
+)塩の混合物からの磁鉄鉱の制御沈澱により調製する
ことができる。造影剤がリポソーム膜に共有結合されて
いるリポソーム組成物は、例えば、US−A−5135
737に記載のものと同様な方法を使って製造すること
ができる。
【0063】超音波画像診断用の気体含有組成物は、様
々な方法で、例えば気体含有一枚膜リポソームおよび多
重層リポソームの調製について記載されているのと同様
な技術を使って、調製することができる。そのような技
術は、例えば、US−A−4544545,US−A−
4900540,WO−A−9109629およびWO
−A−9115244中に記載されている。例えば、pH
感受性気体前駆体の溶液を封入し、次いで系のpHを変化
させてリポソーム内部での気体の生成を促す。
【0064】そのような場合、膜を通過する水素イオン
または水酸化物イオンの輸送を助け、それによってpH変
化を促進させるために、小胞の膜の中に1または複数の
イオノホアを組み込んでおくことが有利であるかもしれ
ない。例えば、上述のWO−A−9109629を参照
のこと。あるいは、炭酸エステル溶液を非特異的ヒトエ
ステラーゼと一緒に封入し、生じたリポソームを例えば
37℃で5日間インキュベートしてもよい。その後、浮
んでいる二酸化炭素含有小胞を分離し、適宜製剤すれば
よい。
【0065】気体含有小胞の他の製造方法は、水性媒質
を封入している予め形成されたリポソームの懸濁液に気
体の外圧を適用することを含む。一般に気体は非常に高
圧で、例えば少なくとも約5気圧で適用されるだろう。
【0066】他の製造方法は、水性媒体、又はグリセロ
ール及びポリエチレングリコールのごときリン脂質を安
定化することが知られている水溶性生体受容性有機溶剤
と水との混合物に、選択されたリン脂質を分散せしめ、
そしてこの溶液を、選択された気体又は気体混合物の存
在下で激しく撹拌することを含む。あるいは、前記リン
脂質溶液を選択された気体又は気体混合物の存在下で超
音波処理することによりリポソームを形成することもで
きる。本発明の超音波造影剤を製造するために任意の気
体、例えば空気、窒素、酸素、水素、亜酸化窒素、二酸
化炭素、又はさらに好ましくは水不溶性気体、例えばヘ
リウム、キセノン、アルゴン、六弗化硫黄、及び低分子
量の場合によっては弗素化されている炭化水素、例えば
メタン、アセチレン又は四弗化炭素、あるいはこれらの
混合物を用いることができる。一般に、いずれかの画像
診断方式で使われる本発明の組成物は、所望であればリ
ポソームの循環半減期を増加させるためにポリエチレン
グリコールのような物質で改質せしめることができる。
これは心血管画像診断を含む用途において特に有利であ
ろう。下記の非限定的実施例は本発明を例証するための
ものである。
【0067】
【実施例】実験 (1)粒径の測定 得られたリポソームの重量平均粒子径は、ダイナミック
光散乱測定器DLS−700(大塚電子株式会社)を使
って準弾性光散乱法によって測定した。
【0068】(2)封入容量の測定 リポソームの内部水相の容積は、リポソーム製剤中に収
容された水溶性非電解質であるイオジキサノールの比率
により算出した。即ち、1mlのリポソーム製剤のうち内
部水相の容積が0.4mlである時、イオジキサノールの
封入率は40%である。封入容量はグラム単位の脂質あ
たりの内部水性相の容積として定義される。例えば、リ
ポソーム製剤の脂質の濃度が0.056g/mlであり、
リポソーム中イオジキサノールの封入率が40%である
時、リポソーム1ml中に0.056gの脂質が0.4ml
の内部水相を収容するので、封入容量は71ml/g脂質
となる。
【0069】リポソーム製剤中のイオジキサノールの封
入率はゲル濾過法によって測定した。すなわち、移動相
として生理的食塩水を使ってゲル濾過カラム(担体:P
harmacia,Sephadex G50;カラム
直径16mm;カラム高さ300mm)を通してリポソーム
製剤をゲル濾過し、溶出液を分画した(2.5ml/分
画)。各分画より0.8mlを採取し、メタノール2mlを
加えて攪拌した後、クロロホルム1mlを加えて攪拌し、
いったん全体を澄明に溶解させた。
【0070】これにクロロホルム1mlを加えて攪拌し、
更に蒸留水1.2mlを加えて攪拌後、冷却遠心分離機
(久保田商事(株)KR−702型)にて遠心分離(3
500rpm 、10分、室温)し、分離した二層の上層
(水及びメタノール相)に回収されるイオジキサノール
濃度を246nmでの吸光度により測定した。溶出液中の
イオジキサノール濃度が高い場合には、蒸留水にて適宜
希釈した後、0.8mlを採取し、メタノール、クロロホ
ルム及び蒸留水による抽出操作を行った。
【0071】Void volumeに溶出するリポソ
ーム分画中のイオジキサノール量を溶出液に回収された
イオジキサノール量の総量(25フラクションまでに回
収されたイオジキサノール量)で除し、主薬保持率とし
た。なおリポソーム分画の終点は、イオジキサノール濃
度が極小となる分画とした。
【0072】実施例1:X線造影剤イオジキサノールの
封入 卵黄由来の水素添加ホスファチジルコリン(HEPC)
0.640g、HEPCから合成した水素添加ホスファ
チジルセリン(HEPS)0.064g、およびクロロ
ホルムとメタノールと水の混合物(重量比100:2
0:0.1)60mlをフラスコ中で混合した。この混合
物を湯浴(65℃)上で加熱してリン脂質を溶解させ、
そして生じた溶液をロータリーエバポレーター中で60
℃で加熱して溶剤を蒸発させた。
【0073】残渣を更に2時間真空乾燥し、脂質フィル
ムを形成せしめた。イオジキサノール(1,3−ビス
(アセチルアミノ)−N,N′−ビス〔3,5−ビス
(2,3−ジヒドロキシプロピルアミノカルボニル)−
2,4,6−トリヨードフェニル〕−2−ヒドロキシプ
ロパン0.4g/ml)とショ糖(0.05g/ml)を含
む水溶液を65℃に加熱し、この加熱した溶液10mlを
脂質フィルムと混合し、この混合物を65℃に加熱しな
がらミキサーで10分間攪拌した。この混合物を1.0
μmのポアサイズを有するポリカーボネートメンブラン
フィルターを通して加圧下で1回濾過し、多重層リポソ
ーム(MLV)を調製した。
【0074】こうして調製したMLVをガラスバイアル
中に入れ、121℃で20分間オートクレーブ滅菌し
た。その結果を表1に示す。尚、保持容量の測定は、実
験例の(3)と同様に行なった。重量平均粒子径の測定
は実験例の(1)と同様に行なった。
【0075】
【表1】
【0076】実施例2:イオジキサノールの封入 実施例1に記載の方法に従って、イオジキサノールを含
有するリポソーム製剤を調製した。結果を表2に示す。
【0077】
【表2】 実施例3.実施例1で得られたリポソーム懸濁液を等張
グルコースにより希釈して50mg封入ヨウ素/mlの濃度
とした。希釈の後、懸濁液は乳白色に変わった。この乳
懸液の顕微鏡分析の際にリポソームの凝集体は観察され
なかった。乳濁液を1年間貯蔵した後、封入されたイオ
ジキサノールの量及びサイズ分布への影響は観察されな
かった。
【0078】実施例4.実施例3の乳濁液をラットに静
脈内注射した。封入されたイオジキサノールの大部分
が、注射後に肝臓に分布することを確認したが、脾臓に
も高濃度のイオジキサノール濃度が検出された。注射
後、組織に分布したイオジキサノールは時間と共に減少
し、最終的にはこれら2つの器官中にイオジキサノール
は見られなくなった。他のすべての器官のイオジキサノ
ールのレベルは血中イオジキサノールのレベルと平行し
て低下した。注射されたイオジキサノールの大部分は尿
中に回収された。
【0079】実施例5.実施例3の乳濁液を多数の肝癌
転移を有するラットに静脈内注射した。封入ヨウ素50
mg及び100mg/kgの投与量において、それぞれ42及
び62HUCT値のX線減衰が肝臓の正常領域で観察された
が、腫瘍転移部での減衰への影響は最小であった。肉視
的観察により、検出された腫瘍が直径5mm未満であるこ
とが示された。
【0080】実施例6.実施例3の乳濁液を、封入ヨウ
素200〜7500mg/kg体重の投与量においてマウス
の群に静脈内注射した。体重増加及び死亡を14日間に
わたり追跡した。分析の結果により、すべての動物は、
リポソーム封入イオジキサノール3g/kgの注射に対し
て生存したことが示された。これらの動物は、注射され
なかった動物に比べて、観察期間にわたり体重増加の鈍
化を示さなかった。リポソーム封入イオジキサノール4
g及び5g/kgの投与量において、体重増加のわずかな
投与量依存的減少が存在し、そして死が観察された。L
50はリポソーム封入イオジキサノール5g/kgと推定
された。
【0081】実施例7.ラットでの封入ヨウ素100〜
1000mg/kgの投与量での実施例1の乳濁液の1回の
又は反復(3注射/週、3週間)静脈内注射の後、種々
の組織結合酵素の血中レベルを測定し、そしてすべての
主要器官の組織を種々の時点で分析した。血清酵素につ
いて、食塩水を注射した対照動物と比べてわずかな効果
のみが観察された。肝臓及び脾臓中の貪食細胞の投与量
依存的な空胞変性の増加とは別に、リポソームによる組
織学的変化は検出されなかった。貪食細胞の空胞変性の
程度は、肝臓及び脾臓に分布するイオジキサノールの減
少と平行して低下した。
【0082】実施例8.次の成分: イオジキサノール(全量) 400mg/mL 封入されたヨウ素 80mg/mL ソルビトール 20mg/mL トロメタモール(TRIS) 0.097mg/mL EDTANa2 Ca 0.1mg/mL 水素添加ホスファチジルコリン 51.2mg/mL 水素添加ホスファチジルセリン 5.1mg/mL 注射用水(添加して右の量にする) 1mL(約0.9mL) を含んで成る診断組成物。
【0083】方法 リン脂質をクロロホルム/メタノール/水(容量比
(4:1:0.025)に溶解し、そして溶剤を蒸発さ
せた(ロータリーエバポレーション)。イオジキサノー
ル及びソルビトールの等張液を作り、そして60〜70
℃に加熱し、そしてその後の工程の間この温度を維持し
た。リン脂質混合物を撹拌しながら加え、そしてリポソ
ームを形成した。リポソームのサイズを調整するため、
この調製物をホモジナイズした(Rotor/Stat
orホモジナイザー)。次に、リポソームを、直列に配
置された7枚のポリカーボネートフィルター(孔直径1
μm)を通して押出した。生成物を、イオジキサノール
及びソルビトールの等張溶液で希釈し、そしてトロメタ
モール及びEDTAを添加した。生成物を濾過してガラ
スバイアルに入れ、そして121℃にて15分間オート
クレーブ滅菌した。
【0084】実施例9.イオトロラン含有リポソーム イオジキサノールの代りにイオトロラン(iotrol
an)を用い、実施例8に記載したのと同様にしてリポ
ソームを調製した。実施例10.水素添加ホスファチジルグリセロールによ
るイオジキサノール含有リポソーム 水素添加ホスファチジルセリンの代りに水素添加ホスフ
ァチジルグリセロールを使用し、実施例8に記載したの
と同様にしてリポソームを調製した。
【0085】実施例11.MRI造影剤(ガドリニウ
ム) 水素添加ホスファチジルコリン及び水素添加ホスファチ
ジルセリンの脂質フィルムを、実施例1に記載したよう
にして調製する。10mlのGd HPDO3Aの0.5
M溶液を65℃に加熱する。この混合物を65℃で加熱
しながらミキサーにより15分間攪拌する。この混合物
を、孔サイズ1.0μmのポリカーボネート膜フィルタ
ーを通して加圧下に濾過して多重層リポソーム(ML
V)を調製する。MLVをガラスバイアルに入れ、そし
て121℃にて20分間オートクレーブ滅菌する。ML
VはGd HPDO3Aを含有している。
【0086】実施例12.MRI造影剤(マンガン) Gd HPDO3Aの代わりに3,6−ビス〔N−
(2,3−ジヒドロキシプロピル)−N−メチルカルバ
モイルメチル〕−3,6−ジアザスベリン酸のマンガン
キレートの溶液(0.07M)(WO 93/2196
0(Nycomedlmaging AS)に従って調
製)を用いて実施例11に従ってリポソームを調製す
る。MLVはマンガンキレートを含有する。
【0087】実施例13.MRI造影剤(ジィスプロシ
ウム) Gd HPDO3Aの代わりにDy DTPA−BMA
の溶液(0.5M)を用いて実施例11に従ってリポソ
ームを調製する。MLVはDy DTPA−BMAを含
有する。
【0088】実施例14.MRI造影剤(酸化鉄) Gd HPDO3Aの代わりに磁性酸化鉄の懸濁液(1
0mM、粒子サイズ10〜30nm)を用いて実施例11に
従ってリポソームを調製する。MLVは磁性酸化鉄を含
有する。
【0089】実施例15.リポソーム性Gd HPDO
3A(HEPC−HEPS) 卵黄由来の水素添加ホスファチジルコリン(HEPC)
640mgと実施例1に記載したようにしてHEPCから
合成した水素添加ホスファチジルセリン(HEPS)6
4mgとの前調製混合物を、250mM Gd HPDO3
A(ガドテリドール)を含有するグルコースの5%水溶
液(等張溶液)10mlを収容したバイアルに加えた。こ
の混合物を65℃にて30分間撹拌し、そしてさらに1
時間、この温度に保持した。このリポソーム溶液を5回
凍結−融解処理し、そして65℃にて2枚重ねの400
nmポリカーボネートフィルターを通して5回押出し、標
記生成物を得た。
【0090】実施例16.リポソーム性Gd HPD3
0A(DPPC/DPPG) ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)64
0mgと実施例1に記載したようにして調製したジパルミ
トイルホスファチジルグリセロール(DPPG)との脂
質ブレンドを、250mM Gd HPDO3Aを含有す
るグルコースの5%水溶液(等張液)10mlを収容した
バイアルに加えた。この混合物を50℃にて30分間撹
拌し、そしてさらに1時間この温度で保持した。リポソ
ーム溶液を5回凍結−融解処理し、そして50℃にて2
枚重ねの400nmポリカーボネートフィルターを通して
5回押出した。
【0091】実施例17.リポソーム性Gd DTPA
−BMA 水溶液がGd HP−DO3Aの代りに250mM Gd
DTPA−BMA(ガドジアミド)を含有した他は、
実施例15と同じ方法を用いた。実施例18.リポソーム性Dy TTHA 溶液がGd HP−DO3Aの代りに250mM Dy
TTHA(トリエチレンテトラミン六酢酸のジスプロシ
ウム錯体)を含有した他は、実施例15と同じ方法を用
いた。
【0092】実施例19.超音波造影剤 Gd HPDO3Aの代わりに食塩水を用いて実施例8
に従ってリポソームを調製する。混合物を窒素により1
時間加圧する(70psi)。過剰の窒素を除去し、そして
生ずる混合物を、1.0μmの孔サイズを有するポリカ
ーボネート膜フィルターを通して濾過する。得られるM
LVは窒素ガスを含有する。実施例20. 実施例8の分散液をラットに注射(i.
v)したところ、このラットは75mgI(封入されたも
の)/kgの47ΔHU及び100mgI(封入されたも
の)/kgの70ΔHUにおいて、肝臓でX線減衰を与え
た。実施例21. 実施例8の分散液を雄性及び雌性のラット
に注射した。ラットにおける静脈投与のおよそのLD5
0は2000mgI(封入されたもの)/kg体重であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 49/04 A (72)発明者 谷内 清人 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内 (72)発明者 ヨー クラベネス ノルウェー国,エン−1166 オスロ,ミド テーゼン 5 ベー (72)発明者 アルネ ベルグ ノルウェー国,エン−1300 サンドビカ, スタスヨンスバイエン 37 デー (72)発明者 トロンド ベー.ヤコブセン ノルウェー国,エン−1177 オスロ,パル リウスバイ 15 ベー (72)発明者 ポール ロングベド ノルウェー国,エン−1450 ネソッドタン ゲン,ホブデンスバイ 11 (72)発明者 トルフィン エゲ ノルウェー国,エン−3408 トランビー, カプリフォルバイエン 16

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多重層リポソームを含有し且つ水性媒体
    中に懸濁した少なくとも1種の造影剤を含有するヒト又
    は動物に投与するための診断用組成物であって、該組成
    物は場合によって一枚膜リポソームが共存することもあ
    り前記リポソームは中性リン脂質及び荷電リン脂質から
    成り、該リポソームの平均粒子直径は50〜3000nm
    であり、そして該リポソームの内部を満たす水性相中の
    造影剤の濃度が、リポソームがその中に懸濁している水
    性媒体中のそれと実質的に同じであることを特徴とする
    診断用組成物。
  2. 【請求項2】 前記リポソームが懸濁している水性媒体
    がイオン性である、請求項1に記載の診断用組成物。
  3. 【請求項3】 前記中性リン脂質及び/又は荷電リン脂
    質が、少なくとも14個の炭素原子を含有する実質的に
    胞和された脂肪酸残基を含んで成る、請求項1に記載の
    診断用組成物。
  4. 【請求項4】 前記中性リン脂質及び/又は荷電リン脂
    質の脂肪酸残基が28個以下の炭素原子を含有する、請
    求項1に記載の診断用組成物。
  5. 【請求項5】 前記中性リン脂質がホスファチジルコリ
    ンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の診断用
    組成物。
  6. 【請求項6】 前記荷電したリン脂質がホスファチジル
    セリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジル
    イノシトール、ホスファチジン酸、又はホスファチジン
    酸とアミノアルコールとのエステルである、請求項1〜
    5のいずれか1項に記載の診断用組成物。
  7. 【請求項7】 ホスファチジル基が合成又は半合成のジ
    パルミトイルホスファチジル又はジステアロイルホスフ
    ァチジル基である、請求項5又は6に記載の診断用組成
    物。
  8. 【請求項8】 前記リポソームの平均粒子直径が150
    nm〜1000nmである、請求項1〜7のいずれか1項に
    記載の診断用組成物。
  9. 【請求項9】 前記リポソームの封入容量が少なくとも
    5ml/gである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    診断用組成物。
  10. 【請求項10】 前記リポソームの封入容量が少なくと
    も6ml/gである、請求項9に記載の診断用組成物。
  11. 【請求項11】 前記中性リン脂質と荷電リン脂質との
    重量比が60:1〜4:1である、請求項1〜10のい
    ずれか1項に記載の診断用組成物。
  12. 【請求項12】 全脂質の濃度が20mg/ml〜100mg
    /mlである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の診
    断用組成物。
  13. 【請求項13】 全脂質の濃度が50mg/ml〜80mg/
    mlである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の診断
    用組成物。
  14. 【請求項14】 前記造影剤がX線、磁気共鳴画像(M
    RI)又は超音波造影剤である、請求項1〜13のいず
    れか1項に記載の診断用組成物。
  15. 【請求項15】 前記X線造影剤が1又は複数のイオン
    化フェニル基又は重金属クラスターもしくはキレートで
    ある、請求項14に記載の診断用組成物。
  16. 【請求項16】 前記造影剤がイオジキサノールであ
    る、請求項1に記載の診断用組成物。
  17. 【請求項17】 前記造影剤が磁気共鳴画像(MRI)
    造影剤である請求項15に記載の診断用組成物。
  18. 【請求項18】 前記磁気共鳴画像造影剤がマンガンで
    ある、請求項17に記載の診断用組成物。
  19. 【請求項19】 前記磁気共鳴画像造影剤がガドリニウ
    ムキレートである、請求項17に記載の診断用組成物。
  20. 【請求項20】 前記磁気共鳴画像造影剤がリポソーム
    膜に共有結合している、請求項17に記載の診断用組成
    物。
  21. 【請求項21】 超音波造影剤を含有するリポソームを
    含んで成り、そして全脂質濃度が少なくとも20mg/ml
    である、診断用組成物。
  22. 【請求項22】 前記超音波造影剤が体温において気体
    である、請求項1又は21に記載の診断用組成物。
  23. 【請求項23】 前記超音波造影剤が、生体内で気体を
    形成する液体、固体又は半固体の化合物である、請求項
    22に記載の診断用組成物。
  24. 【請求項24】 診断用組成物の製造方法において、中
    性リン脂質及び荷電リン脂質を溶剤中に溶解し、溶剤を
    除去して残渣を得、そして前記残渣を造影剤含有水溶液
    と混合し、そして造影剤を封入するリポソームを形成す
    ることを特徴とする方法。
  25. 【請求項25】 前記のごとくして形成されたリポソー
    ムをメンブランフィルターを通して押し出し、リポソー
    ムの粒子径を小さくすることを特徴とする請求項24に
    記載の方法。
  26. 【請求項26】 請求項1に記載の診断用組成物を用い
    た生体の診断方法。
  27. 【請求項27】 請求項1〜26のいずかれ1項に記載
    された診断用組成物を無菌製剤とするためのオートクレ
    ーブ滅菌。
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