JPH07310778A - 制御式液体封入マウント - Google Patents

制御式液体封入マウント

Info

Publication number
JPH07310778A
JPH07310778A JP15116094A JP15116094A JPH07310778A JP H07310778 A JPH07310778 A JP H07310778A JP 15116094 A JP15116094 A JP 15116094A JP 15116094 A JP15116094 A JP 15116094A JP H07310778 A JPH07310778 A JP H07310778A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
orifice
liquid chamber
switching valve
partition wall
diaphragm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP15116094A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3454572B2 (ja
Inventor
Kazuto Daino
大能一登
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
N O K MEGURASUTEITSUKU KK
Nok Megulastik Co Ltd
Original Assignee
N O K MEGURASUTEITSUKU KK
Nok Megulastik Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by N O K MEGURASUTEITSUKU KK, Nok Megulastik Co Ltd filed Critical N O K MEGURASUTEITSUKU KK
Priority to JP15116094A priority Critical patent/JP3454572B2/ja
Publication of JPH07310778A publication Critical patent/JPH07310778A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3454572B2 publication Critical patent/JP3454572B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 全体を小型・軽量化するとともに、オリフィ
スの切換えを円滑にする。 【構成】 隔壁45と支持ばね58との間に主液室61
を、ダイアフラム62との間に副液室63をそれぞれ形
成する。隔壁45に、主液室61と副液室63との間を
連通する第1のオリフィス53、第2のオリフィス5
4、第1のオリフィス53の作動時にのみ作動するサブ
ダイアフラム56、第1のオリフィス53の作動時にの
み作動するとともに、サブダイアフラム56の下面側に
形成される補助液室57と副液室63との間を連通する
第3のオリフィス55、第1のオリフィス53および第
2のオリフィス54を切り換える切換え弁64を設け
る。さらに、切換え弁64を作動させるアクチュエータ
68をケース41内に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動車のエンジン等の
振動体を防振支持する液体封入マウントに関し、特に、
オリフィスの開閉用の切換え弁を制御するアクチュエー
タを内部に設けることにより、全体を小型・軽量化する
ようにした制御式液体封入マウントに関するものであ
る。
【0002】
【従来技術およびその問題点】一般に、自動車のエンジ
ン等の振動体にあっては、回転数に応じて種々の振動が
発生するため、これらの振動を効果的に減衰し得るマウ
ントが強く要求されている。
【0003】このようなマウントとしては、例えば、図
25に示すようなものが知られており、このマウントは
内部に液体を封入したいわゆる液体封入マウントであっ
て、ケース81内に設けた隔壁82の上面側に支持ばね
83によって囲まれる主液室84を形成するとともに、
隔壁82の下面側にダイアフラム85によって囲まれる
副液室86を形成し、さらに、前記隔壁82に前記主液
室84と前記副液室86との間を相互に連通する第1の
オリフィス87と、これよりも有効断面積の大きい第2
のオリフィス88と、両オリフィス87、88を開閉す
る切換え弁89を設けるとともに、前記ケース81外に
前記切換え弁89を作動させるアクチュエータ90を設
けて構成したものである。
【0004】前記切換え弁89は、前記隔壁82内に位
置する一端が閉塞された筒状をなす本体部89aと、こ
の本体部89aの閉塞されている部分の中心部に一端が
連結され、他端が隔壁82を貫通してケース81外に突
出するロッド89bとからなり、ロッド89bのケース
81から突出している部分が前記アクチュエータ90に
連結されるようになっている。
【0005】しかしながら、上記のように構成される従
来のマウントにあっては、切換え弁89を作動させるア
クチュエータ90がケース81外に取り付けられている
ため全体が大型化してしまい、小型・軽量化が要求され
る自動車のエンジン等のマウントとしては実用価値の低
いものとなってしまう。また、切換え弁89のロッド8
9bの一部がケース81外に突出しているため耐腐食性
が厳しく要求され、さらに、切換え弁89のロッド89
bをアクチュエータ90に連結しなければならないた
め、双方の連結部の形状が複雑となってしまい、製造コ
ストが高くなってしまうという問題点があった。
【0006】一方、特開平5−240290号公報には
前記のような問題点を解決したマウントが開示されてお
り、このマウントも内部に液体を封入したいわゆる液体
封入マウントであって、ハウジング内に設けた仕切壁の
上面側にばね要素(支持ばね)によって囲まれる作動室
を形成するとともに、仕切壁の下面側にばね要素(ダイ
アフラム)によって囲まれる補償室を形成し、さらに、
仕切壁に両室間を相互に連通する少なくとも一つの通孔
を形成するとともに、前記補償室内に前記通孔を開閉す
る調整部材を設け、この調整部材を前記ハウジング内に
形成した制御圧力隔室内に適宜の圧力媒体を導入するこ
とにより操作可能としたものである。
【0007】しかしながら、上記のように構成される従
来のマウントにあっては、作動室と補償室との間を連通
する通孔を開閉する調整部材を内部(補償室内)に設け
てあるため、全体を小型・軽量化することができるもの
の、振動が入力した際の作動室内の圧力変動が調整部材
に直接作用してしまうため調整部材の動きが妨げられ、
通孔を開閉する際の応答性に遅れ等が生じ、所望の減衰
効果が得られなくなってしまうという問題点があった。
【0008】この発明は前記のような従来のもののもつ
問題点を解決したものであって、全体を小型・軽量化す
るとともに、オリフィスを開閉する際の応答性を高める
ことによって、所望の減衰効果が確実に得られる制御式
液体封入マウントを提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【問題点を解決するための手段】上記の問題点を解決す
るためにこの発明は、ケース内に隔壁を設けるととも
に、隔壁の上面側に支持ばねを設けて隔壁と支持ばねと
の間に液体を封入した主液室を形成し、隔壁の下面側に
ダイアフラムを設けて隔壁とダイアフラムとの間に液体
を封入した副液室を形成し、前記隔壁に、前記主液室と
副液室との間を相互に連通する第1のオリフィスと、主
液室と副液室との間を相互に連通する第1のオリフィス
よりも有効断面積の大きい第2のオリフィスと、前記第
1のオリフィスの作動時にのみ作動するサブダイアフラ
ムと、第1のオリフィスまたは前記第2のオリフィスに
切り換える切換え弁を設け、さらに、前記ケース内に前
記切換え弁を作動させるアクチュエータを設けた手段を
採用したものである。また、前記切換え弁は、前記隔壁
内に上下方向に移動可能に設けられ、その移動方向と直
交する方向で前記第1のオリフィスまたは第2のオリフ
ィスの開閉を切り換えるようになっているとともに、第
1のオリフィスおよび第2のオリフィスの開閉部に前記
主液室内の圧力変動が直接加わらないようになっている
手段を採用したものである。さらに、ケース内に隔壁を
設けるとともに、隔壁の上面側に支持ばねを設けて隔壁
と支持ばねとの間に液体を封入した主液室を形成し、隔
壁の下面側にダイアフラムを設けて隔壁とダイアフラム
との間に液体を封入した副液室を形成し、前記隔壁に、
前記主液室と副液室との間を相互に連通する第1のオリ
フィスと、主液室と副液室との間を相互に連通する第1
のオリフィスよりも有効断面積の大きい第2のオリフィ
スと、第1のオリフィスの作動時にのみ作動するととも
に、上面側が前記主液室の液体に接触し、下面側に補助
液室を形成するサブダイアフラムと、第1のオリフィス
の作動時にのみ作動するとともに、前記補助液室と前記
副液室との間を相互に連通する第3のオリフィスと、前
記第1のオリフィスまたは前記第2のオリフィスに切り
換える切換え弁を設け、前記切換え弁は前記隔壁内に上
下方向に移動可能に設けられ、その移動方向と直交する
方向で前記第1のオリフィスまたは第2のオリフィスの
開閉を切り換え、第1のオリフィスおよび第2のオリフ
ィスの開閉部に前記主液室内の圧力変動が直接加わらな
いようになっているとともに、摺動面以外の箇所に上下
方向に貫通する窓穴が設けられ、さらに、前記ケース内
に前記切換え弁を作動させるアクチュエータを設けた手
段を採用したものである。そして、前記切換え弁は、前
記隔壁内に上下方向に移動可能に設けられ、その移動方
向と直交する方向で前記第1のオリフィスまたは第2の
オリフィスの開閉を切り換えるようになっているととも
に、第2のオリフィスから第1のオリフィスに切り換え
る際、第2のオリフィスの開閉部の開口面積が、一旦大
きくなった後に徐々に小さくなるように構成した手段を
採用したものである。
【0010】
【作用】この発明は前記のような手段を採用したことに
より、切換え弁により第1のオリフィスに切り換えた際
には、第1のオリフィスを介して主液室と副液室との間
が連通するとともに、サブダイアフラムが作動可能な状
態となる。一方、切換え弁により第2のオリフィスに切
り換えた際には、第2のオリフィスを介して主液室と副
液室との間が連通し、サブダイアフラムは拘束状態とな
る。また、サブダイアフラムの下面側に補助液室を形成
し、その補助液室と副液室との間を第3のオリフィスを
介して連通した場合には、切換え弁によって第1のオリ
フィスに切り換えた際、第1のオリフィス、第3のオリ
フィスを介して主液室と副液室との間が連通するととも
に、サブダイアフラムの下面側に補助液室、第3のオリ
フィスを介して副液室の液体が作用することになる。さ
らに、各オリフィスを開閉する切換え弁を隔壁内に設け
るとともに、開閉弁を作動させるアクチュエータをケー
ス内に設けるようにしたので、全体を小型・軽量化する
ことができることになる。そして、切換え弁の摺動面以
外の箇所に上下方向に貫通する窓穴を設けたことによ
り、切換え弁の動きを円滑にすることができる。そし
て、切換え弁によって第2のオリフィスから第1のオリ
フィスに切り換える際、第2のオリフィスの開閉部の開
口面積が、一旦大きくなった後に徐々に小さくなり、動
ばねの急激な上昇が防止される。
【0011】
【実施例】以下、図面に示すこの発明の実施例について
説明する。図1〜図8には、この発明による制御式液体
封入マウントの第1の実施例が示されていて、この制御
式液体封入マウントは、筒状をなすケース1の内側に隔
壁5を設けるとともに、隔壁5の上面側に支持ばね18
を設けて隔壁5と支持ばね18との間で液体を封入した
主液室20を、隔壁5の下面側にダイアフラム23を設
けて隔壁5とダイアフラム23との間で液体を封入した
副液室24をそれぞれ形成し、前記隔壁5に、前記主液
室20と副液室24との間を相互に連通する第1のオリ
フィス14と、これよりも有効断面積の大きい第2のオ
リフィス15と、前記第1のオリフィス14の作動時の
みに作動するサブダイアフラム31と、第1のオリフィ
ス14または前記第2のオリフィス15を開閉する切換
え弁28を設け、さらに、前記ケース1内に前記切換え
弁28を作動させるアクチュエータ25を設けて構成し
たものである。
【0012】前記ケース1は、筒状をなす上ケース2
と、この上ケース2の下端開口部に上端開口部が一体に
かしめ付けられる筒状の下ケース3とからなり、上ケー
ス2の内周側に前記隔壁5が設けられるようになってい
る。
【0013】前記隔壁5は、図2および図3に示すよう
に、上端が閉塞された筒状をなす第1のオリフィスプレ
ート6と、この第1のオリフィスプレート6の内側に嵌
合される円板状の第2のオリフィスプレート7と、第1
のオリフィスプレート6の開口部を閉塞する円板状の第
3のオリフィスプレート13とから構成され、これらオ
リフィスプレート6、7、13間で後述する第1のオリ
フィス14と第2のオリフィス15が形成されるように
なっている。
【0014】前記第1のオリフィスプレート6の閉塞さ
れている上端には、上面側から下面側に貫通する略扇形
状の開口部6aが同心円上に所定の間隔ごとに複数穿設
されているとともに、この開口部6aよりも径方向外方
で第1のオリフィスプレート6の中心を中心として対向
する位置には、上面側から下面側に貫通する円弧状の第
1のオリフィス入口6bと、これよりも長い円弧状の第
2のオリフィス入口6cとがそれぞれ穿設され、中心部
には上面側から下面側に貫通する適宜の大きさの圧抜き
用の穴6dが穿設されている(図4および図5参照)。
【0015】前記第2のオリフィスプレート7は図6お
よび図7に示すように、筒状の本体部8と、この本体部
8の径方向外方に所定の間隔をおいて位置する環状のオ
リフィス部9と、このオリフィス部9と前記本体部8と
の間の上下方向の適宜の位置間を全周に渡って一体に連
結する薄肉環状のリブ部10とから構成され、リブ部1
0の上面とオリフィス部9の内周面と本体部8の外周面
とによって囲まれる部分に後述するサブダイアフラム3
1を収納するための環状の凹部10aが形成されるよう
になっている。
【0016】前記オリフィス部9の前記本体部8の中心
を中心として対向する位置には、上面側から下面側に貫
通する円弧上の第1のオリフィス用溝9aと、これより
も有効断面積の大きい円弧状の第2のオリフィス用溝9
bとがそれぞれ穿設されている。
【0017】前記第1のオリフィス用溝9aの内壁の一
端には、溝内を前記リブ部10の下面側に開放させるた
めの第1の貫通孔9cが穿設されているとともに、この
第1の貫通孔9cに対向する前記本体部8の部分には、
本体部8内外を連通する第1の連通孔8aが穿設されて
いる。また、前記第2のオリフィス用溝9bの内壁の一
端には、溝内を前記リブ部10の下面側に開放させるた
めの第2の貫通孔9dが穿設されているとともに、この
第2の貫通孔9dに対向する前記本体部8の部分には、
本体部8内外を連通する第2の連通孔8bが穿設され、
この場合、第2の貫通孔9dから第2の連通孔8bに至
る前記リブ部10の下面側には、一対のリブ11、11
が一体に設けられている(図8参照)。
【0018】前記リブ部10の前記本体部8の中心を中
心とする同心円上には、上面側から下面側に貫通する扇
形状の開口部10bが周方向に向かって前記第1のオリ
フィスプレート6の開口部6aと同一ピッチで複数穿設
されているとともに、これらの開口部10bを閉塞する
ようにリブ部10の上面側に形成される前記凹部10a
内にはゴム状弾性体等の弾性体からなる薄肉環状のサブ
ダイアフラム31が装着されるようになっている。
【0019】そして、上記のようにサブダイアフラム3
1を装着した第2のオリフィスプレート7を第1のオリ
フィスプレート6の内側に嵌合するとともに、第1のオ
リフィスプレート6の下端開口部に円板状の第3のオリ
フィスプレート13を装着することにより、第1のオリ
フィス用溝9aの上下面開口部および第2のオリフィス
用溝9bの上下面開口部が閉塞され、第1のオリフィス
用溝9aに対応する部分で第1のオリフィス14が形成
され、第2のオリフィス用溝9bに対応する部分で第2
のオリフィス15が形成されるようになっている。
【0020】前記第1のオリフィス14の一端は、前記
第1のオリフィス入口6bを介して第1のオリフィスプ
レート6の上面側、すなわち隔壁5の上面側に開放され
るとともに、第1のオリフィス14の他端は、前記第1
の貫通孔9cおよび前記第1の連通孔8aを介して前記
本体部8の内側に開放され、さらに、第1の貫通孔9c
および第1の連通孔8aは、リブ部10の下面側、すな
わちサブダイアフラム31の下面側に開放されるように
なっている。また、前記第2のオリフィス15の一端
は、前記第2のオリフィス入口6cを介して第1のオリ
フィスプレート6の上面側、すなわち隔壁5の上面側に
開放されるとともに、第2のオリフィス15の他端は、
前記第2の貫通孔9dおよび前記第2の連通孔8bを介
して本体部8の内側に開放され、この場合、第2の貫通
孔9dおよび第2の連通孔8bは一対のリブ11、11
によってリブ部10の下面側、すなわちサブダイアフラ
ム31の下面側には開放されないようになっている。
【0021】前記上ケース2の上端部には、環状をなす
支持板16がボルト17により一体に連結されていると
ともに、この支持板16の内周側には、内部に下面側が
開口する空所19が設けられている略円錐状のゴム状弾
性体等の弾性体からなる支持ばね18の下端開口部が加
硫接着等により一体に連結され、このように上ケース2
の上端部に支持ばね18を設けることによって、支持ば
ね18の空所19と前記隔壁5との間で液体を封入した
主液室20が形成されるようになっている。
【0022】この場合、前記支持ばね18の頂部には剛
体からなるボススリーブ21が埋設されているととも
に、前記上ケース2の上端部には、前記支持ばね18を
囲むように碗形状のブラケット22の下端開口部が連結
され、このブラケット22により支持ばね18を衝撃等
から保護するようになっている。
【0023】前記上ケース2と下ケース3との間には、
中心部に適宜の大きさの孔23aを有する薄肉円板状の
ゴム状弾性体等の弾性体からなるダイアフラム23の周
縁部と、中心部に圧力導入用の孔4aが穿設されている
碗形状の下カバー4の周縁部とが、ダイアフラム23を
上側にした状態でかしめ付けられるようになっている。
この場合、ダイアフラム23の中心部の孔23a内に
は、上端が閉塞された略筒状をなす内環27の下端開口
部が加硫接着等により一体に連結されており、このよう
にダイアフラム23に内環27を連結することでダイア
フラム23の上面と前記隔壁5との間に液体を封入した
副液室24が形成されるようになっている。
【0024】前記下カバー4内の底面側には、中心部に
適宜の大きさの孔26aを有する逆碗形状のゴム状弾性
体等の弾性体からなるばね部材26の下端周縁部が嵌合
されているとともに、このばね部材26の中心部の孔2
6aには、前記内環27の下端開口部が加硫接着等によ
り一体に連結され、この場合、ばね部材26の中心部と
前記ダイアフラム23の中心部とは前記内環27上で一
体に連結されるようになっている。
【0025】前記内環27の閉塞されている上端中心部
には図中上方に突出する突起27aが一体に形成されて
いるとともに、その上面側には前記隔壁5の本体部8内
に嵌入し得る大きさの切換え弁28が溶接等により一体
に連結されている。この場合、前記切換え弁28は上端
が閉塞された筒状をなしていて、その開口部を下方に向
けた状態で前記突起27aの上端に一体に連結されてい
るとともに、周面の適宜の位置には内外を連通する前記
第1の連通孔8aと合致し得る第1の孔28a、および
前記第2の連通孔8bと合致し得る第2の孔28bがそ
れぞれ穿設されている。
【0026】前記内環27の内側にはスプリング29が
装着されていて、このスプリング29の付勢力によって
前記内環27は常時図中上方に付勢されるようになって
いる。
【0027】そして、前記内環27とスプリング29と
ばね部材26とによってアクチュエータ25が構成され
るとともに、前記下カバー4とばね部材26と内環27
とによって囲まれる部分に圧力室30が形成され、この
圧力室30内に前記下カバー4の中心部の圧力導入用の
孔4aを介して適宜の圧力を導入することにより、前記
内環27が前記スプリング29の付勢力に抗してまたは
順じて図中上下方向に移動し、これにより、前記切換え
弁28が前記第1のオリフィス14または前記第2のオ
リフィス15を開閉するようになっている。
【0028】次に、前記に示すものの作用について説明
する。まず、ボススリーブ21を振動体である図示しな
いエンジン側に連結し、下ケース3を支持体である図示
しない車体側に連結し、エンジンを始動させるとエンジ
ンから種々の振動が入力する。
【0029】そして、通常状態では、アクチュエータ2
5の内環27はスプリング29の付勢力によって図中上
方に付勢され、内環27の上部の切換え弁28の第1の
孔28aと第2のオリフィスプレート7の第1の連通孔
8aとが合致し、主液室20と副液室24との間が第1
のオリフィス入口6b、第1のオリフィス14、第1の
貫通孔9c、第1の連通孔8aおよび第1の孔28aを
介して連通状態となる。
【0030】また、この状態では、サブダイアフラム3
1の上面側に第1のオリフィスプレート6の各開口部6
aを介して主液室20の液体が作用し、サブダイアフラ
ム31の下面側に第1の貫通孔9cから第1の連通孔8
aに流れ込む液体の一部が作用する。したがって、サブ
ダイアフラム31の上面側が主液室20内の液体に、下
面側が副液室24内の液体に接触した状態となるので、
サブダイアフラム31が変位可能な状態となり、第1の
オリフィス14による液柱共振作用によって入力する振
動を減衰できるとともに、サブダイアフラム31の変位
により主液室20内の液体に入力する振動と逆位相の脈
動を発生させることができる。
【0031】一方、アクチュエータ25の圧力室30内
に下ケース4の圧力導入用の孔4aを介して適宜の圧力
(この実施例では負圧)を導入すると、アクチュエータ
25のばね部材26がスプリング29の付勢力に抗して
図中下方に変位するとともに、ばね部材26の変位に追
従して内環27および切換え弁28が図中下方に移動
し、切換え弁28の第1の孔28aと第1のオリフィス
プレート6の第1の連通孔8aとの間が閉塞され、第2
の孔28bと第2の連通孔8bとが合致し、主液室20
と副液室24との間は、第2のオリフィス入口6c、第
2のオリフィス15、第2の貫通孔9d、第2の連通孔
8b、第2の孔28bを介して連通状態となる。
【0032】この状態では、サブダイアフラム31の上
面側に第1のオリフィスプレート6の各開口部6aを介
して主液室20の液体が作用しているものの、サブダイ
アフラム31の下面側には第2の貫通孔9dと第2の連
通孔8bとの間に位置している一対のリブ11、11に
よって液体が作用するのが妨げられる。したがって、サ
ブダイアフラム31が拘束状態となるので、第2のオリ
フィス15による液柱共振作用のみによって入力する振
動を減衰することができる。
【0033】上記のように構成したこの実施例による制
御式液体封入マウントにあっては、主液室20と副液室
24との間を連通する第1のオリフィス14と第2のオ
リフィス15を開閉する切換え弁28を隔壁5内に設け
るとともに、この切換え弁28を作動させるアクチュエ
ータ25をケース1内に設けたので、全体を著しく小型
化することができる。
【0034】また、アクチュエータ25は、内環27と
ばね部材26とスプリング29で構成した簡単な構造の
ものであるので加工・組立てが容易となり、製造コスト
を大幅に低減させることができる。さらに、アクチュエ
ータ25の内環27の上部に切換え弁28を溶着等によ
って一体に連結するようにしたので、従来のように、切
換え弁とアクチュエータとの連結部の形状が複雑になる
ようなことはなく、部品の数も少なくすることができ
る。そして、アクチュエータ25の内環27に、その移
動方向と直交する方向に貫通する第1の孔28aおよび
第2の孔28bを穿設して、それらの孔28a、28b
を介して第1のオリフィス14または第2のオリフィス
15を開閉するようにしたので、主液室20内の圧力変
動が直接に内環27の開閉部に作用することがなくな
り、オリフィスを切り換える際の応答性を著しく高める
ことができることになる。
【0035】図9〜図18には、この発明による制御式
液体封入マウントの第2の実施例が示されていて、この
制御式液体封入マウントは、ケース41の内側に隔壁4
5を設けるとともに、隔壁45の上面側に支持ばね58
を設けて隔壁45と支持ばね58との間で液体を封入し
た主液室61を形成し、隔壁45の下面側にダイアフラ
ム62を設けて隔壁45とダイアフラム62との間で液
体を封入した副液室63を形成し、前記隔壁45に、前
記主液室61と副液室63との間を相互に連通する第1
のオリフィス53と、前記主液室61と副液室63との
間を相互に連通するとともに、前記第1のオリフィス5
3よりも有効断面積の大きい第2のオリフィス54と、
前記第1のオリフィス53の作動時にのみ作動するとと
もに、上面側が前記主液室61の液体に接触し、下面側
に補助液室57を形成するサブダイアフラム56と、前
記第1のオリフィス53の作動時にのみ作動するととも
に、前記補助液室57と前記副液室63との間を相互に
連通する第3のオリフィス55と、前記第1のオリフィ
ス53または前記第2のオリフィス54に切り換える切
換え弁64を設け、さらに、前記ケース41内に前記切
換え弁64を作動させるアクチュエータ68を設けて構
成したものである。
【0036】前記ケース41は、筒状をなす上ケース4
2と、この上ケース42の下端開口部に上端開口部が一
体にかしめ付けられる筒状の中ケース43と、この中ケ
ース43の下端開口部に嵌合される下端が閉塞された筒
状をなす下ケース44とを具え、前記中ケース43の内
側に前記隔壁45が設けられるようになっている。
【0037】前記隔壁45は、下端が閉塞された筒状を
なすとともに、閉塞されている部分の中心部に適宜の大
きさの貫通孔46aが穿設され、かつ、上端開口周縁部
が前記上ケース42と中ケース43との間で挟持固定さ
れる外枠46と、この外枠46の上端開口部を閉塞する
円板状のオリフィスプレート47と、外枠46の内側の
部分に形成される空所内に装着される略円柱状のオリフ
ィス体48とを具えている。
【0038】前記オリフィス体48の上面中央部には、
一部が切欠された円形状をなす窪み部49が適宜の深さ
で穿設され、この窪み部49の底面中央部には図中上方
に突出する円錐台形状の突起49aが一体に形成される
とともに、窪み部49の開口周縁部の内周側には全周に
渡って段部49bが穿設され、この段部49bにゴム状
弾性体等の弾性体からなる薄肉円板状の前記サブダイア
フラム56の周縁部が装着されるようになっている。そ
して、このように窪み部49の開口部にサブダイアフラ
ム56を装着することで、サブダイアフラム56の下面
と窪み部49の底面との間で一部が切欠された円形状を
なす補助液室57が形成されるようになっている。
【0039】前記オリフィス体48の下面中央部(前記
窪み部49の裏面側)には、円柱状の空所50が適宜の
深さで穿設され、この空所50内には後述する前記切換
え弁64が装着されるとともに、前記空所50の外側
(前記窪み部49の切欠されている部分の外側)には、
上端がオリフィス体48の上面側に開口し、下端がオリ
フィス体48の下面側に開口し、かつ、上端部の一部が
前記補助液室57に連通する円弧状の第3のオリフィス
用溝48aが穿設され、さらに前記空所50の外側(前
記窪み部49の切欠されていない部分の外側)には、上
端がオリフィス体48の上面側に開口する太くて短い円
弧状の第2のオリフィス用溝48bが適宜の深さで穿設
されている。このように、前記空所50の外側に第3の
オリフィス用溝48aおよび第2のオリフィス用溝48
bを穿設することで、空所50と第3のオリフィス用溝
48aとの間、および空所50と第2のオリフィス用溝
48bとの間にそれぞれ適宜の厚みの壁部48cが形成
され、この壁部48cには第3のオリフィス用溝48a
と空所50との間を連通する第1の出口51、および第
2のオリフィス用溝48bと空所50との間を連通する
第2の出口52がそれぞれ穿設されている。
【0040】前記オリフィス体48の周面には、オリフ
ィス体48の上面側から下面側に通じる細くて長い螺旋
状の第1のオリフィス用溝48dが穿設され、この第1
のオリフィス用溝48dの一端は前記第2のオリフィス
用溝48bの一端に連通し、他端は前記第1の出口51
に連通するようになっている。
【0041】前記オリフィスプレート47の中央部の前
記サブダイアフラム56に対応する部分には、上面側か
ら下面側に貫通する複数の孔47aが穿設されていて、
これらの孔47aを介してサブダイアフラム56の上面
側が隔壁45の上面側に開放されるとともに、この孔4
7aの外側の適宜の位置には前記第1のオリフィス用溝
48dおよび第2のオリフィス用溝48bを隔壁45の
上面側に開口させるための両溝共有の開口部(図示せ
ず)が穿設されている。
【0042】そして、上記のように構成したオリフィス
体48の窪み部49の開口部にサブダイアフラム56を
装着し、この状態でオリフィス体48を外枠46内に装
着するとともに、外枠46の開口部をオリフィスプレー
ト47で閉塞することにより、第1のオリフィス用溝4
8dに対応する部分で一端がオリフィスプレート47の
開口部(図示せず)を介して隔壁45の上面側に開口
し、他端がオリフィス体48の壁部48cの第1の出口
51を介してオリフィス体48の空所50に連通する細
くて長い螺旋状の第1のオリフィス53が、第2のオリ
フィス用溝48bに対応する部分で一端がオリフィスプ
レート47の開口部(図示せず)を介して隔壁45の上
面側に開口し、他端がオリフィス体48の壁部48cの
第2の出口52を介してオリフィス体48の空所50に
連通する太くて短い円弧状の第2のオリフィス54が、
第3のオリフィス用溝48aに対応する部分で一端がサ
ブダイアフラム56の下面側の補助液室57に連通し、
他端がオリフィス体48の壁部48cの第1の出口51
を介してオリフィス体48の空所50に連通する円弧状
の第3のオリフィス55がそれぞれ形成されるようにな
っている。
【0043】前記上ケース42の上端部内周側には、内
部に下面側が開口する空所が設けられている略円錐状の
ゴム状弾性体等の弾性体からなる支持ばね58の下端開
口部が加硫接着等により一体に連結されているととも
に、この支持ばね58の頂部にはエンジン等の振動体に
連結するためのボルト60が中心部に装着されている独
楽形状のボス59が埋設され、このように上ケース42
の上端部内周側に支持ばね58を設けるとともに、支持
ばね58の頂部にボス59を設けることによって、隔壁
45の上面側には適宜の液体を封入した主液室61が形
成されるようになっている。
【0044】前記隔壁45の外枠46の外周面と前記下
ケース44の内周面との間には、下端が閉塞された筒状
をなすゴム状弾性体等の弾性体からなるダイアフラム6
2の上端開口部が挟持固定されていて、このダイアフラ
ム62の上面と隔壁45の外枠46の下面との間で液体
を封入した副液室63が形成されるようになっている。
【0045】前記隔壁45のオリフィス体48の空所5
0内には、切換え弁64が上下動可能に装着されてい
て、この切換え弁64によってオリフィス体48の壁部
48cの第1の出口51および第2の出口52が開閉さ
れるようになっている。
【0046】前記切換え弁64は、下端が閉塞された筒
状をなす本体部67と、この本体部67の閉塞されてい
る部分に一端が一体に連結されるロッド部65とからな
り、ロッド部65の他端は前記ダイアフラム62の中心
部に一体に連結されるようになっている。また、前記本
体部67の閉塞されている部分には、上下方向に貫通す
る扇形状の窓穴66が3等配に穿設され、この窓穴66
を介して本体部67の上下面が相互に連通するととも
に、本体部67の外周面は前記空所50の内周面を摺動
接触するようになっている。
【0047】そして、前記切換え弁64が前記空所50
内を上方に移動した際には、前記第1の出口51が開放
されて前記第2の出口52が閉塞されるとともに(図1
4参照)、前記切換え弁64が前記空所50内を下方に
移動した際には、前記第1の出口51が閉塞されて前記
第2の出口52が開放されるようになっている(図15
参照)。この場合、前記窓穴66の総面積は、前記第2
のオリフィス54の有効面積よりも大きく設定されてい
るとともに、各部の寸法は図18に示すように、A≧
E、S≧C+D、S≧B(S;アクチュエータのストロ
ーク)のように設定されている。
【0048】前記ダイアフラム62の下方の前記下ケー
ス44内には、逆碗形状をなす本体部69と、この本体
部69の下端開口部に内周縁部が一体に連結されるとと
もに、外周縁部が前記下ケース44の内周面に嵌合され
る環状のゴム状弾性体等の弾性体からなるばね部70
と、前記本体部69と前記下ケース44の底面との間に
装着されるスプリング71とからなるアクチュエータ6
8が装着されている。
【0049】この場合、前記本体部69の頂部は前記ダ
イアフラム62の中心部に一体に連結されるとともに、
前記下ケース44の底面中央部には圧力導入孔72が穿
設され、この圧力導入孔72を介してアクチュエータ6
8内に形成される圧力室73内に適宜の圧力が導入され
るようになっている。
【0050】そして、例えば前記圧力導入孔72を介し
て前記アクチュエータ68の圧力室73内に負圧を導入
すると、前記ばね部70が図中下方に変位することによ
り前記本体部69が下方に変位し、これに追従して前記
切換え弁64が図中下方に変位し、オリフィス体48の
壁部48cの第1の出口51が閉塞され、オリフィス体
48の壁部48cの第2の出口52が開放される。一
方、前記アクチュエータ68の圧力室73への負圧の導
入を停止すると、前記ばね部70が図中上方に変位する
ことにより、前記本体部69が上方に変位し、これに追
従して前記切換え弁64が図中上方に変位し、オリフィ
ス体48の壁部48cの第1の出口51が開放され、オ
リフィス体48の壁部48cの第2の出口52が閉塞さ
れることになる。
【0051】次に、前記に示すものの作用について説明
する。まず、ボス59を振動体である図示しないエンジ
ン側に連結し、下ケース44を支持体である図示しない
車体側に連結し、エンジンを作動させるとエンジンから
種々の振動が入力する。
【0052】そして、通常状態では、アクチュエータ6
8の本体部69はスプリング71の付勢力によって図中
上方に付勢され、これに追従して切換え弁64が図中上
方に付勢され、切換え弁64の本体部67によって第2
の出口52が閉塞されるとともに第1の出口51が開放
され、主液室61と副液室63との間がオリフィスプレ
ート47の開口部(図示せず)、第1のオリフィス5
3、第1の出口51を介して相互に連通する。すなわ
ち、図中→→→→→→で示すような液体
の流れが発生する。
【0053】また、この状態ではサブダイアフラム56
の下面側の補助液室57と副液室63との間が第3のオ
リフィス55および第1の出口51を介して相互に連通
し、サブダイアフラム56の上面側にオリフィスプレー
ト47の孔47aを介して主液室61内の液体が作用
し、サブダイアフラム56の下面側に補助液室57およ
び第3のオリフィス55を介して副液室63内の液体が
作用し、サブダイアフラム56が変位可能な状態とな
る。
【0054】したがって、第1のオリフィス53による
液柱共振作用により入力する振動を減衰できるととも
に、サブダイアフラム56の変位により主液室61内の
液体に入力する振動と逆位相の振動を発生させることが
できる。
【0055】一方、アクチュエータ68の圧力室73内
に圧力導入孔72を介して適宜の圧力(この実施例では
負圧)を導入すると、アクチュエータ68のばね部70
がスプリング71の付勢力に抗して図中下方に変位する
とともに、ばね部70の変位に追従してアクチュエータ
68の本体部69および切換え弁64が図中下方に変位
し、切換え弁64の本体部67によってオリフィス体4
8の壁部48cの第1の出口51が閉塞され、第2の出
口52が開放され、主液室61と副液室63との間がオ
リフィスプレート47の開口部(図示せず)、第2のオ
リフィス54、およびオリフィス体48の第2の出口5
2を介して相互に連通する。すなわち、図中→→
で示すような液体の流れが発生する。
【0056】この状態では、サブダイアフラム56上面
側にオリフィスプレート47の孔47aを介して主液室
61内の液体が作用しているものの、第1の出口51が
閉塞されているためにサブダイアフラム56の下面側に
副液室63側の液体は作用せず、サブダイアフラム56
は拘束状態となる。
【0057】したがって、第2のオリフィス54による
液柱共振作用によってのみ入力する振動を減衰すること
ができることになる。
【0058】上記のように構成したこの実施例による制
御式液体封入マウントにあっては、主液室61と副液室
63との間を連通する第1のオリフィス53、第2のオ
リフィス54、第1のオリフィス53および第2のオリ
フィス54を開閉する切換え弁64を隔壁45内に設け
るとともに、切換え弁64を作動させるアクチュエータ
68をケース41内に設けるようにしたので、全体を著
しく小型化することができることになる。
【0059】また、切換え弁64を作動させるためのア
クチュエータ68は、逆碗型状をなす本体部69と、環
状をなすばね部70と、スプリング71とからなる簡単
な構造のものであるので、加工・組立てが容易となり、
製造コストを大幅に低減させることができる。
【0060】さらに、隔壁45を外枠46とオリフィス
プレート47とオリフィス体48とで構成し、オリフィ
ス体48に穿設した第1のオリフィス用溝48d、第2
のオリフィス用溝48b、第3のオリフィス用溝48a
に対応する部分でそれぞれ第1のオリフィス53、第2
のオリフィス54、第3のオリフィス55を形成すると
ともに、オリフィス体48の上面側に穿設した窪み部4
9の開口部にサブダイアフラム56を装着し、オリフィ
ス体48の下面側に穿設した空所50内に切換え弁64
を装着し、空所50と第3のオリフィス55との間に形
成した壁部48cに第1の出口51を、空所50と第2
のオリフィス54との間に形成した壁部48cに第2の
出口52をそれぞれ形成し、これらの出口を空所50内
の切換え弁64によって切換え弁64の移動方向と直交
する方向で開閉するようにしたので、主液室61内の圧
力変動が直接に切換え弁64の開閉部に作用することが
なくなり、オリフィスを切り換える際の応答性を著しく
高めることができることになる。
【0061】また、オリフィス体48の上面側に窪み部
49を穿設してその開口部にサブダイアフラム56を装
着するようにしたので、サブダイアフラム56の有効面
積を大きくとることができることになり、これにより、
振動に対する減衰性を大幅に高めることができることに
なる。
【0062】そして、この実施例によるものは、切換え
弁64の本体部67の閉塞されている部分に上下方向に
貫通する窓穴66を穿設するようにし、窓穴66が本体
部の摺動面に位置しないようにしたことにより、切換え
弁64の作動性をさらに向上させることができることに
なる。
【0063】図19および図20には、この発明による
制御式液体封入マウントの第3の実施例の部分図が示さ
れていて、この実施例に示す制御式液体封入マウント
は、前記第1、第2の実施例に示すものの変形例であっ
て、切換え弁28、64によって第2のオリフィス1
5、54から第1のオリフィス14、53に切り換える
際、第2のオリフィス15、54の開閉部の開口面積
が、一旦大きくなった後に徐々に小さくなるように構成
したものである。
【0064】すなわち、前記第1、第2の実施例で示し
た制御式液体封入マウントや従来技術の欄で述べた各種
の液体封入マウントや特開平4−151041号公報に
開示されている液体封入マウント等は、切換え弁28、
64によって第1のオリフィス14、53から第2のオ
リフィス15、54に、または第2のオリフィス15、
54から第1のオリフィス14、53に切り換える際、
動ばねが図24に示すように曲線A(実線)と曲線B
(破線)との間を相互に行き来し、特に、第2のオリフ
ィス15、54から第1のオリフィス14、53に切り
換える際に(切換え弁28、64のONからOFFへの
切換え時)動ばねが急激に上昇する欠点がある。
【0065】これに対してこの実施例に示すものは、第
2のオリフィス15、54の開閉部が全閉状態にある場
合(切換え弁28、64がOFFの場合)に、切換え弁
28、64側の開口部28b、66とオリフィスプレー
ト7又はオリフィス体48側の開口部8b、52との位
置関係が図19の状態となるように、第2のオリフィス
15、54の開閉部が全開状態にある場合(切換え弁2
8、64がONの場合)に、切換え弁28、64側の開
口部28b、66とオリフィスプレート7又はオリフィ
ス体48側の開口部8b、52との位置関係が図20の
ような状態、すなわちl2 >l1 の関係となるように、
切換え弁28、64のストローク範囲、各開口部28
b、66、8b、52の位置等を設定したものである。
【0066】この結果、第2のオリフィス15、54の
開閉部が全開状態(切換え弁28、64がONの状態)
から全閉状態(切換え弁28、64がOFFの状態)に
移る際、第2のオリフィス15、54の開閉部の開口面
積は、一旦大きくなった後に徐々に小さくなる。
【0067】したがって、動ばね特性は図21〜図23
に示すようになり、切換え弁28、64がONの状態に
おける曲線Cは一旦高周波側にずれた後にOFFの状態
となって曲線Dとなり、切換え弁28、64をONから
OFFに切り換える際に動ばねが急激に上昇することが
なくなる。
【0068】
【発明の効果】この発明は前記のように構成して、主液
室と副液室との間を連通する第1のオリフィス、第2の
オリフィスおよびそれらを開閉する切換え弁を隔壁内に
設けるとともに、切換え弁を作動させるアクチュエータ
をケース内に設けるようにしたので、全体を著しく小型
・軽量化することができ、小型・軽量化が要求される自
動車のエンジン等の振動を減衰するのに有効となる。ま
た、サブダイアフラムを第1のオリフィス作動時にのみ
作動させるようにしたことにより、ある周波数域の振動
に対しては第1のオリフィスによる液柱共振作用とサブ
ダイアフラムの変位の両方を利用でき、また、ある周波
数域の振動に対しては第2のオリフィスによる液柱共振
作用のみを利用することができることになる。また、サ
ブダイアフラムの下面側に補助液室を形成して、補助液
室と副液室との間を第3のオリフィスを介して相互に連
通するようにしたので、サブダイアフラムの有効面積を
大きくすることができ、これにより、さらに入力する振
動に対する減衰性を高めることができることになる。さ
らに、切換え弁の摺動面以外の箇所に上下方向に貫通す
る窓穴を設けたことにより、切換え弁の動きを円滑にす
ることができ、これにより第1のオリフィスおよび第2
のオリフィスの切換えを確実に行うことができる。した
がって、自動車のエンジン等のように、周波数に応じて
種々の振動が発生する箇所において、優れた減衰効果を
発揮することができる。そして、切換え弁によって第2
のオリフィスから第1のオリフィスに切り換える際、第
2のオリフィスの開閉部の開口面積が一旦大きくなった
後に徐々に小さくなるようにしたので、第2のオリフィ
スから第1のオリフィスに切り換える際に動ばねが急激
に上昇するのを防止でき、常に良好な減衰性が得られる
ことになる等の優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による制御式液体封入マウントの第1
の実施例を示した概略縦断面図である。
【図2】図1に示す隔壁の平面図である。
【図3】図2に示すものの縦断面図である。
【図4】図1に示す第1のオリフィスプレートの平面図
である。
【図5】図4に示すもののX−X線断面図である。
【図6】図1に示す第2のオリフィスプレートの平面図
である。
【図7】図6に示すもののZ−Z線断面図である。
【図8】図6に示すもののY−Y線断面図である。
【図9】この発明による制御式液体封入マウントの第2
の実施例を示した概略縦断面図である。
【図10】図9に示すものの隔壁の縦断面図であり、図
11のA−A線に沿って見た断面図である。
【図11】図9に示すものの隔壁のオリフィス体の平面
図であり、液体の流れを示した説明図である。
【図12】図11に示すものの正面図であり、液体の流
れを示した説明図である。
【図13】図10に示すもののB−B線に沿って見た断
面図である。
【図14】切換え弁の位置と液体の流れとの関係を示し
た説明図である。
【図15】切換え弁の位置と液体の流れとの関係を示し
た説明図である。
【図16】切換え弁の本体部の平面図である。
【図17】図16に示すもののC−C線断面図である。
【図18】切換え弁の各部の寸法を示した説明図であ
る。
【図19】この発明による制御式液体封入マウントの第
3の実施例を示した部分であり、切換え弁のOFFの状
態を示した説明図である。
【図20】図19に示すものの切換え弁のONの状態を
示した説明図である。
【図21】図19に示すものの切換え弁がONの時の動
ばね特性を示した説明図である。
【図22】図19に示すものの切換え弁がONからOF
Fに移る時の動ばね特性を示した説明図である。
【図23】図19に示すものの切換え弁がOFFの時の
動ばね特性を示した説明図である。
【図24】第1、第2の実施例および従来のものの動ば
ね特性を示した説明図である。
【図25】従来の液体封入マウントの一例を示した概略
縦断面図である。
【符号の説明】
1、41、81……ケース 2、42……上ケース 3、44……下ケース 4……下カバー 4a、23a、26a、47a……孔 5、45、82……隔壁 6……第1のオリフィスプレート 6a……開口部 6b……第1のオリフィス入口 6c……第2のオリフィス入口 6d……圧抜き用の穴 7……第2のオリフィスプレート 8、69、89a……本体部 8a……第1の連通孔 8b……第2の連通孔 9……オリフィス部 9a、48d……第1のオリフィス用溝 9b、48b……第2のオリフィス用溝 9c……第1の貫通孔 9d……第2の貫通孔 10……リブ部 10a……凹部 10b……開口部 11……リブ 31、56……サブダイアフラム 13……第3のオリフィスプレート 14、53、87……第1のオリフィス 15、54、88……第2のオリフィス 16……支持板 17……ボルト 18、58、83……支持ばね 19……空所 20、61、84……主液室 21……ボススリーブ 22……ブラケット 23、62、85……ダイアフラム 24、63、86……副液室 25、68、90……アクチュエータ 26……ばね部材 27……内環 27a……突起 28、89……切換え弁 28a……第1の孔 28b……第2の孔 29、71……スプリング 30、73……圧力室 43……中ケース 46……外枠 46a……貫通孔 47……オリフィスプレート 48……オリフィス体 48a……第3のオリフィス用溝 48c……壁部 49……窪み部 49a……突起 49b……段部 50……空所 51……第1の出口 52……第2の出口 55……第3のオリフィス 57……補助液室 59……ボス 60……ボルト 64……切換え弁 65……ロッド部 66……窓穴 67……本体部 70……ばね部 72……圧力導入孔 89b……ロッド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース(1)内に隔壁(5)を設けると
    ともに、隔壁(5)の上面側に支持ばね(18)を設け
    て隔壁(5)と支持ばね(18)との間に液体を封入し
    た主液室(20)を形成し、隔壁(5)の下面側にダイ
    アフラム(23)を設けて隔壁(5)とダイアフラム
    (23)との間に液体を封入した副液室(24)を形成
    し、前記隔壁(5)に、前記主液室(20)と副液室
    (24)との間を相互に連通する第1のオリフィス(1
    4)と、主液室(20)と副液室(24)との間を相互
    に連通する第1のオリフィス(14)よりも有効断面積
    の大きい第2のオリフィス(15)と、前記第1のオリ
    フィス(14)の作動時にのみ作動するサブダイアフラ
    ム(31)と、第1のオリフィス(14)または前記第
    2のオリフィス(15)に切り換える切換え弁(28)
    を設け、さらに、前記ケース(1)内に前記切換え弁
    (28)を作動させるアクチュエータ(25)を設けた
    ことを特徴とする制御式液体封入マウント。
  2. 【請求項2】 前記切換え弁(28)は、前記隔壁
    (5)内に上下方向に移動可能に設けられ、その移動方
    向と直交する方向で前記第1のオリフィス(14)また
    は第2のオリフィス(15)の開閉を切り換えるように
    なっているとともに、第1のオリフィス(14)および
    第2のオリフィス(15)の開閉部に前記主液室(2
    0)内の圧力変動が直接加わらないようになっている請
    求項1記載の制御式液体封入マウント。
  3. 【請求項3】 ケース(41)内に隔壁(45)を設け
    るとともに、隔壁(45)の上面側に支持ばね(58)
    を設けて隔壁(45)と支持ばね(58)との間に液体
    を封入した主液室(61)を形成し、隔壁(45)の下
    面側にダイアフラム(62)を設けて隔壁(45)とダ
    イアフラム(62)との間に液体を封入した副液室(6
    3)を形成し、前記隔壁(45)に、前記主液室(6
    1)と副液室(63)との間を相互に連通する第1のオ
    リフィス(53)と、主液室(61)と副液室(63)
    との間を相互に連通する第1のオリフィス(53)より
    も有効断面積の大きい第2のオリフィス(54)と、第
    1のオリフィス(53)の作動時にのみ作動するととも
    に、上面側が前記主液室(61)の液体に接触し、下面
    側に補助液室(57)を形成するサブダイアフラム(5
    6)と、第1のオリフィス(53)の作動時にのみ作動
    するとともに、前記補助液室(57)と前記副液室(6
    3)との間を相互に連通する第3のオリフィス(55)
    と、前記第1のオリフィス(53)または前記第2のオ
    リフィス(54)に切り換える切換え弁(64)を設
    け、前記切換え弁(64)は前記隔壁(45)内に上下
    方向に移動可能に設けられ、その移動方向と直交する方
    向で前記第1のオリフィス(53)または第2のオリフ
    ィス(54)の開閉を切り換え、第1のオリフィス(5
    3)および第2のオリフィス(54)の開閉部に前記主
    液室(61)内の圧力変動が直接加わらないようになっ
    ているとともに、摺動面以外の箇所に上下方向に貫通す
    る窓穴(66)が設けられ、さらに、前記ケース(4
    1)内に前記切換え弁(64)を作動させるアクチュエ
    ータ(68)を設けたことを特徴とする制御式液体封入
    マウント。
  4. 【請求項4】 前記切換え弁(28)(64)は、前記
    隔壁(5)(45)内に上下方向に移動可能に設けら
    れ、その移動方向と直交する方向で前記第1のオリフィ
    ス(14)(53)または第2のオリフィス(15)
    (54)の開閉を切り換えるようになっているととも
    に、第2のオリフィス(15)(54)から第1のオリ
    フィス(14)(53)に切り換える際、第2のオリフ
    ィス(15)(54)の開閉部の開口面積が、一旦大き
    くなった後に徐々に小さくなるように構成した請求項1
    および3記載の制御式液体封入マウント。
JP15116094A 1994-01-10 1994-07-01 制御式液体封入マウント Expired - Fee Related JP3454572B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15116094A JP3454572B2 (ja) 1994-01-10 1994-07-01 制御式液体封入マウント

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-979 1994-01-10
JP97994 1994-01-10
JP6-56197 1994-03-25
JP5619794 1994-03-25
JP15116094A JP3454572B2 (ja) 1994-01-10 1994-07-01 制御式液体封入マウント

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07310778A true JPH07310778A (ja) 1995-11-28
JP3454572B2 JP3454572B2 (ja) 2003-10-06

Family

ID=27274703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15116094A Expired - Fee Related JP3454572B2 (ja) 1994-01-10 1994-07-01 制御式液体封入マウント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3454572B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007029739A1 (ja) * 2005-09-07 2007-03-15 Bridgestone Corporation 防振装置
JP2007071313A (ja) * 2005-09-07 2007-03-22 Bridgestone Corp 防振装置
JP2008232168A (ja) * 2007-03-16 2008-10-02 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振装置
JP2009092235A (ja) * 2007-09-21 2009-04-30 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007029739A1 (ja) * 2005-09-07 2007-03-15 Bridgestone Corporation 防振装置
JP2007071313A (ja) * 2005-09-07 2007-03-22 Bridgestone Corp 防振装置
US8282086B2 (en) 2005-09-07 2012-10-09 Bridgestone Corporation Vibration isolator
JP2008232168A (ja) * 2007-03-16 2008-10-02 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振装置
JP2009092235A (ja) * 2007-09-21 2009-04-30 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3454572B2 (ja) 2003-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4699863B2 (ja) 防振装置
JP5325602B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP4921745B2 (ja) 防振装置
JPH07310778A (ja) 制御式液体封入マウント
JP3454571B2 (ja) 制御式液体封入マウント
JPH0540638U (ja) 流体封入式マウント装置
JP4263159B2 (ja) 防振装置
JP4648155B2 (ja) 防振装置
JP4732842B2 (ja) 防振装置
JP5069200B2 (ja) 防振装置
JP4728774B2 (ja) 防振装置
JP2007100954A (ja) 防振装置
JP3698186B2 (ja) 液体封入式マウント
JP3570278B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2007120566A (ja) 防振装置
JP3603653B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP3551989B2 (ja) 液体封入式マウント
JP4623428B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP4341932B2 (ja) 液封防振装置
JPH0389044A (ja) 流体封入式防振マウント
JPH0914335A (ja) 液封防振ゴム装置
JPH02240430A (ja) 流体封入式筒型マウント装置
JP3146193B2 (ja) 液封マウント
JPH08159210A (ja) 流体封入式防振装置
JP4341933B2 (ja) 液封防振装置

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees