JP3454572B2 - 制御式液体封入マウント - Google Patents

制御式液体封入マウント

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JP3454572B2
JP3454572B2 JP15116094A JP15116094A JP3454572B2 JP 3454572 B2 JP3454572 B2 JP 3454572B2 JP 15116094 A JP15116094 A JP 15116094A JP 15116094 A JP15116094 A JP 15116094A JP 3454572 B2 JP3454572 B2 JP 3454572B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動車のエンジン等の
振動体を防振支持する液体封入マウントに関し、特に、
オリフィスの開閉用の切換え弁を制御するアクチュエー
タを内部に設けることにより、全体を小型・軽量化する
ようにした制御式液体封入マウントに関するものであ
る。
【0002】
【従来技術およびその問題点】一般に、自動車のエンジ
ン等の振動体にあっては、回転数に応じて種々の振動が
発生するため、これらの振動を効果的に減衰し得るマウ
ントが強く要求されている。
【0003】このようなマウントとしては、例えば、図
17に示すようなものが知られており、このマウントは
内部に液体を封入したいわゆる液体封入マウントであっ
て、ケース81内に設けた隔壁82の上面側に支持ばね
83によって囲まれる主液室84を形成するとともに、
隔壁82の下面側にダイアフラム85によって囲まれる
副液室86を形成し、さらに、前記隔壁82に前記主液
室84と前記副液室86との間を相互に連通する第1の
オリフィス87と、これよりも有効断面積の大きい第2
のオリフィス88と、両オリフィス87、88を開閉す
る切換え弁89を設けるとともに、前記ケース81外に
前記切換え弁89を作動させるアクチュエータ90を設
けて構成したものである。
【0004】前記切換え弁89は、前記隔壁82内に位
置する一端が閉塞された筒状をなす本体部89aと、こ
の本体部89aの閉塞されている部分の中心部に一端が
連結され、他端が隔壁82を貫通してケース81外に突
出するロッド89bとからなり、ロッド89bのケース
81から突出している部分が前記アクチュエータ90に
連結されるようになっている。
【0005】しかしながら、上記のように構成される従
来のマウントにあっては、切換え弁89を作動させるア
クチュエータ90がケース81外に取り付けられている
ため全体が大型化してしまい、小型・軽量化が要求され
る自動車のエンジン等のマウントとしては実用価値の低
いものとなってしまう。また、切換え弁89のロッド8
9bの一部がケース81外に突出しているため耐腐食性
が厳しく要求され、さらに、切換え弁89のロッド89
bをアクチュエータ90に連結しなければならないた
め、双方の連結部の形状が複雑となってしまい、製造コ
ストが高くなってしまうという問題点があった。
【0006】一方、特開平5−240290号公報には
前記のような問題点を解決したマウントが開示されてお
り、このマウントも内部に液体を封入したいわゆる液体
封入マウントであって、ハウジング内に設けた仕切壁の
上面側にばね要素(支持ばね)によって囲まれる作動室
を形成するとともに、仕切壁の下面側にばね要素(ダイ
アフラム)によって囲まれる補償室を形成し、さらに、
仕切壁に両室間を相互に連通する少なくとも一つの通孔
を形成するとともに、前記補償室内に前記通孔を開閉す
る調整部材を設け、この調整部材を前記ハウジング内に
形成した制御圧力隔室内に適宜の圧力媒体を導入するこ
とにより操作可能としたものである。
【0007】しかしながら、上記のように構成される従
来のマウントにあっては、作動室と補償室との間を連通
する通孔を開閉する調整部材を内部(補償室内)に設け
てあるため、全体を小型・軽量化することができるもの
の、振動が入力した際の作動室内の圧力変動が調整部材
に直接作用してしまうため調整部材の動きが妨げられ、
通孔を開閉する際の応答性に遅れ等が生じ、所望の減衰
効果が得られなくなってしまうという問題点があった。
【0008】この発明は前記のような従来のもののもつ
間鹿点を解決したものであって、全体を小型・軽量化す
るとともに、オリフィスを開閉する際の応答性を高める
ことによって、所望の減衰効果が確実に得られる制御式
液体封入マウントを提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【問題点を解決するための手段】上記の問題点を解決す
るためにこの発明は、ケース内に隔壁を設けるととも
に、前記隔壁の上面側に支持ばねを設けて前記隔壁と前
記支持ばねとの間に液体を封入した主液室を形成し、前
記隔壁の下面側にダイアフラムを設けて前記隔壁と前記
ダイアフラムとの間に液体を封入した副液室を形成し、
前記隔壁に、一端が前記主液室に連通し他端が前記副液
室に連通する第1のオリフィスと、一端が前記主液室に
連通し他端が前記副液室に連通する前記第1のオリフィ
スよりも有効断面積の大きい第2のオリフィスと、前記
第1のオリフィスの作動時にのみ作動するとともに、上
面側が前記主液室の液体に接触し下面側に補助液室を形
成するサブダイアフラムと、一端が前記補助液室に連通
し他端が前記第1のオリフィスと共通の連通孔を介して
前記副液室に連通する前記第1のオリフィスの作動時に
のみ作動する第3のオリフィスと、前記主液室と前記副
液室との連通状態を前記第1のオリフィス又は前記第2
のオリフィスに移動方向と直交する方向で切り換えると
ともに、前記第1のオリフィス、前記第2のオリフィ
ス、前記第3のオリフィス及び前記サブダイアフラムか
ら隔離された状態で上下方向に移動可能であり、かつ、
前記隔壁との摺動面以外の箇所に上下方向に貫通する窓
穴が設けられる切換え弁とを設け、さらに、前記ケース
内に前記切換え弁を作動させるアクチュエータを設けた
手段を採用したものである。また、前記切換え弁は、前
記隔壁内に上下方向に移動可能に設けられ、その移動方
向と直交する方向で前記主液室と前記副液室との間の連
通状態を前記第1のオリフィス又は前記第2のオリフィ
スに切り換えるように構成され、前記第2のオリフィス
から前記第1のオリフィスに切り換える際、前記第2の
オリフィスの開閉部の開口面積が、一旦大きくなった後
に徐々に小さくなるように構成されている手段を採用し
たものである。
【0010】
【作用】この発明は前記のような手段を採用したことに
より、切換え弁により主液室と副液室との間の連通状態
を第1のオリフィスに切り換えると、第1のオリフィス
を介して主液室と副液室との間が連通するとともに、補
助液室が第3のオリフィスを介して副液室と連通するこ
とによりサブダイアフラムが作動可能な状態となる。一
方、切換え弁により主液室と副液室との間の連通状態を
第2のオリフィスに切り換えると、第2のオリフィスを
介して主液室と副液室との間が連通するとともに、サブ
ダイアフラムは拘束状態となる。さらに、各オリフィス
を開閉する切換え弁を隔壁内に設け、切換え弁を作動さ
せるアクチュエータをケース内に設けたことにより、全
体を小型・軽量化することができることになる。そし
て、切換え弁の摺動面以外の箇所に上下方向に貫通する
窓穴を設けたことにより、切換え弁の動きを円滑にする
ことができる。そして、切換え弁によって第2のオリフ
ィスから第1のオリフィスに切り換える際、第2のオリ
フィスの開閉部の開口面積が、一旦大きくなった後に徐
々に小さくなり、動ばねの急激な上昇が防止される。
【0011】
【実施例】以下、図面に示すこの発明の実施例について
説明する。図1〜図10には、この発明による制御式液
体封入マウントの第1の実施例が示されていて、この制
御式液体封入マウントは、ケース41の内側に隔壁45
を設けるとともに、隔壁45の上面側に支持ばね58を
設けて隔壁45と支持ばね58との間で液体を封入した
主液室61を形成し、隔壁45の下面側にダイアフラム
62を設けて隔壁45とダイアフラム62との間で液体
を封入した副液室63を形成し、前記隔壁45に、前記
主液室61と副液室63との間を相互に連通する第1の
オリフィス53と、前記主液室61と副液室63との間
を相互に連通するとともに、前記第1のオリフィス53
よりも有効断面積の大きい第2のオリフィス54と、前
記第1のオリフィス53の作動時にのみ作動するととも
に、上面側が前記主液室61の液体に接触し、下面側に
補助液室57を形成するサブダイアフラム56と、前記
第1のオリフィス53の作動時にのみ作動するととも
に、前記補助液室57と前記副液室63との間を相互に
連通する第3のオリフィス55と、前記第1のオリフィ
ス53または前記第2のオリフィス54に切り換える切
換え弁64を設け、さらに、前記ケース41内に前記切
換え弁64を作動させるアクチュエータ68を設けて構
成したものである。
【0012】前記ケース41は、筒状をなす上ケース4
2と、この上ケース42の下端開口部に上端開口部が一
体にかしめ付けられる筒状の中ケース43と、この中ケ
ース43の下端開口部に嵌合される下端が閉塞された筒
状をなす下ケース44とを具え、前記中ケース43の内
側に前記隔壁45が設けられるようになっている。
【0013】前記隔壁45は、下端が閉塞された筒状を
なすとともに、閉塞されている部分の中心部に適宜の大
きさの貫通孔46aが穿設され、かつ、上端開口周縁部
が前記上ケース42と中ケース43との間で挟持固定さ
れる外枠46と、この外枠46の上端開口部を閉塞する
円板状のオリフィスプレート47と、外枠46の内側の
部分に形成される空所内に装着される略円柱状のオリフ
ィス体48とを具えている。
【0014】前記オリフィス体48の上面中央部には、
一部が切欠された円形状をなす窪み部49が適宜の深さ
で穿設され、この窪み部49の底面中央部には図中上方
に突出する円錐台形状の突起49aが一体に形成される
とともに、窪み部49の開口周縁部の内周側には全周に
渡って段部49bが穿設され、この段部49bにゴム状
弾性体等の弾性体からなる薄肉円板状の前記サブダイア
フラム56の周縁部が装着されるようになっている。そ
して、このように窪み部49の開口部にサブダイアフラ
ム56を装着することで、サブダイアフラム56の下面
と窪み部49の底面との間で一部が切欠された円形状を
なす補助液室57が形成されるようになっている。
【0015】前記オリフィス体48の下面中央部(前記
窪み部49の裏面側)には、円柱状の空所50が適宜の
深さで穿設され、この空所50内には後述する前記切換
え弁64が装着されるとともに、前記空所50の外側
(前記窪み部49の切欠されている部分の外側)には、
上端がオリフィス体48の上面側に開口し、下端がオリ
フィス体48の下面側に開口し、かつ、上端部の一部が
前記補助液室57に連通する円弧状の第3のオリフィス
用溝48aが穿設され、さらに前記空所50の外側(前
記窪み部49の切欠されていない部分の外側)には、上
端がオリフィス体48の上面側に開口する太くて短い円
弧状の第2のオリフィス用溝48bが適宜の深さで穿設
されている。このように、前記空所50の外側に第3の
オリフィス用溝48aおよび第2のオリフィス用溝48
bを穿設することで、空所50と第3のオリフィス用溝
48aとの間、および空所50と第2のオリフィス用溝
48bとの間にそれぞれ適宜の厚みの壁部48cが形成
され、この壁部48cには第3のオリフイス用溝48a
と空所50との間を連通する第1の出口51、および第
2のオリフイス用溝48bと空所50との間を連通する
第2の出口52がそれぞれ穿設されている。
【0016】前記オリフィス体48の周面には、オリフ
ィス体48の上面側から下面側に通じる細くて長い螺旋
状の第1のオリフィス用溝48dが穿設され、この第1
のオリフィス用溝48dの一端は前記第2のオリフィス
用溝48bの一端に連通し、他端は前記第1の出口51
に連通するようになっている。
【0017】前記オリフィスプレート47の中央部の前
記サブダイアフラム56に対応する部分には、上面側か
ら下面側に貫通する複数の孔47aが穿設されていて、
これらの孔47aを介してサブダイアフラム56の上面
側が隔壁45の上面側に開放されるとともに、この孔4
7aの外側の適宜の位置には前記第1のオリフィス用溝
48dおよび第2のオリフイス用溝48bを隔壁45の
上面側に開口させるための両溝共有の開口部(図示せ
ず)が穿設されている。
【0018】そして、上記のように構成したオリフィス
体48の窪み部49の開口部にサブダイアフラム56を
装着し、この状態でオリフィス体48を外枠46内に装
着するとともに、外枠46の開口部をオリフィスプレー
ト47で閉塞することにより、第1のオリフイス用溝4
8dに対応する部分で一端がオリフィスプレート47の
開口部(図示せず)を介して隔壁45の上面側に開口
し、他端がオリフィス体48の壁部48cの第1の出口
51を介してオリフィス体48の空所50に連通する細
くて長い螺旋状の第1のオリフィス53が、第2のオリ
フイス用溝48bに対応する部分で一端がオリフィスプ
レート47の開口部(図示せず)を介して隔壁45の上
面側に開口し、他端がオリフィス体48の壁部48cの
第2の出口52を介してオリフィス体48の空所50に
連通する太くて短い円弧状の第2のオリフィス54が、
第3のオリフィス用溝48aに対応する部分で一端がサ
ブダイアフラム56の下面側の補助液室57に連通し、
他端がオリフィス体48の壁部48cの第1の出口51
を介してオリフィス体48の空所50に連通する円弧状
の第3のオリフィス55がそれぞれ形成されるようにな
っている。
【0019】前記上ケース42の上端部内周側には、内
部に下面側が開口する空所が設けられている略円錐状の
ゴム状弾性体等の弾性体からなる支持ばね58の下端開
口部が加硫接着等により一体に連結されているととも
に、この支持ばね58の頂部にはエンジン等の振動体に
連結するためのボルト60が中心部に装着されている独
楽形状のボス59が埋設され、このように上ケース42
の上端部内周側に支持ばね58を設けるとともに、支持
ばね58の頂部にボス59を設けることによって、隔壁
45の上面側には適宜の液体を封入した主液室61が形
成されるようになっている。
【0020】前記隔壁45の外枠46の外周面と前記下
ケース44の内周面との間には、下端が閉塞された筒状
をなすゴム状弾性体等の弾性体からなるダイアフラム6
2の上端開口部が挟持固定されていて、このダイアフラ
ム62の上面と隔壁45の外枠46の下面との間で液体
を封入した副液室63が形成されるようになっている。
【0021】前記隔壁45のオリフィス体48の空所5
0内には、切換え弁64が上下動可能に装着されてい
て、この切換え弁64によってオリフィス体48の壁部
48cの第1の出口51および第2の出口52が開閉さ
れるようになっている。
【0022】前記切換え弁64は、下端が閉塞された筒
状をなす本体部67と、この本体部67の閉塞されてい
る部分に一端が一体に連結されるロッド部65とからな
り、ロッド部65の他端は前記ダイアフラム62の中心
部に一体に連結されるようになっている。また、前記本
体部67の閉塞されている部分には、上下方向に貫通す
る扇形状の窓穴66が3等配に穿設され、この窓穴66
を介して本体部67の上下面が相互に連通するととも
に、本体部67の外周面は前記空所50の内周面を摺動
接触するようになっている。
【0023】そして、前記切換え弁64が前記空所50
内を上方に移動した際には、前記第1の出口51が開放
されて前記第2の出口52が閉塞されるとともに(図6
参照)、前記切換え弁64が前記空所50内を下方に移
動した際には、前記第1の出口51が閉塞されて前記第
2の出口52が開放されるようになっている(図7参
照)。この場合、前記窓穴66の総面積は、前記第2の
オリフィス54の有効面積よりも大きく設定されている
とともに、各部の寸法は図10に示すように、A≧E、
S≧C+D、S≧B(S;アクチュエータのストロー
ク)のように設定されている。
【0024】前記ダイアフラム62の下方の前記下ケー
ス44内には、逆碗形状をなす本体部69と、この本体
部69の下端開口部に内周縁部が一体に連結されるとと
もに、外周縁部が前記下ケース44の内周面に嵌合され
る環状のゴム状弾性体等の弾性体からなるばね部70
と、前記本体部69と前記下ケース44の底面との間に
装着されるスプリング71とからなるアクチュエータ6
8が装着されている。
【0025】この場合、前記本体部69の頂部は前記ダ
イアフラム62の中心部に一体に連結されるとともに、
前記下ケース44の底面中央部には圧力導入孔72が穿
設され、この圧力導入孔72を介してアクチュエータ6
8内に形成される圧力室73内に適宜の圧力が導入され
るようになっている。
【0026】そして、例えば前記圧力導入孔72を介し
て前記アクチュエータ68の圧力室73内に負圧を導入
すると、前記ばね部70が図中下方に変位することによ
り前記本体部69が下方に変位し、これに追従して前記
切換え弁64が図中下方に変位し、オリフィス体48の
壁部48cの第1の出口51が閉塞され、オリフィス体
48の壁部48cの第2の出口52が開放される。一
方、前記アクチュエータ68の圧力室73への負圧の導
入を停止すると、前記ばね部70が図中上方に変位する
ことにより、前記本体部69が上方に変位し、これに追
従して前記切換え弁64が図中上方に変位し、オリフィ
ス体48の壁部48cの第1の出口51が開放され、オ
リフィス体48の壁部48cの第2の出口52が閉塞さ
れることになる。
【0027】次に、前記に示すものの作用について説明
する。まず、ボス59を振動体である図示しないエンジ
ン側に連結し、下ケース44を支持体である図示しない
車体側に連結し、エンジンを作動させるとエンジンから
種々の振動が入力する。
【0028】そして、通常状態では、アクチュエータ6
8の本体部69はスプリング71の付勢力によって図中
上方に付勢され、これに追従して切換え弁64が図中上
方に付勢され、切換え弁64の本体部67によって第2
の出口52が閉塞されるとともに第1の出口51が開放
され、主液室61と副液室63との間がオリフィスプレ
ート47の開口部(図示せず)、第1のオリフィス5
3、第1の出口51を介して相互に連通する。すなわ
ち、図中→→→→→→で示すような液体
の流れが発生する。
【0029】また、この状態ではサブダイアフラム56
の下面側の補助液室57と副液室63との間が第3のオ
リフィス55および第1の出口51を介して相互に連通
し、サブタイアフラム56の上面側にオリフィスプレー
ト47の孔47aを介して主液室61内の液体が作用
し、サブダイアフラム56の下面側に補助液室57およ
び第3のオリフィス55を介して副液室63内の液体が
作用し、サブダイアフラム56が変位可能な状態とな
る。
【0030】したがって、第1のオリフィス53による
液柱共振作用により入力する振動を減衰できるととも
に、サブダイアフラム56の変位により主液室61内の
液体に入力する振動と逆位相の振動を発生させることが
できる。
【0031】一方、アクチュエータ68の圧力室73内
に圧力導入孔72を介して適宜の圧力(この実施例では
負圧)を導入すると、アクチュエータ68のばね部70
がスプリング71の付勢力に抗して図中下方に変位する
とともに、ばね部70の変位に追従してアクチュエータ
68の本体部69および切換え弁64が図中下方に変位
し、切換え弁64の本体部67によってオリフィス体4
8の壁部48cの第1の出口51が閉塞され、第2の出
口52が開放され、主液室61と副液室63との間がオ
リフィスプレート47の開口部(図示せず)、第2のオ
リフィス54、およびオリフィス体48の第2の出口5
2を介して相互に連通する。すなわち、図中→→
で示すような液体の流れが発生する。
【0032】この状態では、サブダイアフラム56上面
側にオリフィスプレート47の孔47aを介して主液室
61内の液体が作用しているものの、第1の出口51が
閉塞されているためにサブダイアフラム56の下面側に
副液室63側の液体は作用せず、サブダイアフラム56
は拘束状態となる。
【0033】したがって、第2のオリフィス54による
液柱共振作用によってのみ入力する振動を減衰すること
ができることになる。
【0034】上記のように構成したこの実施例による制
御式液体封入マウントにあっては、主液室61と副液室
63との間を連通する第1のオリフィス53、第2のオ
リフィス54、第1のオリフィス53および第2のオリ
フィス54を開閉する切換え弁64を隔壁45内に設け
るとともに、切換え弁64を作動させるアクチュエータ
68をケース41内に設けるようにしたので、全体を著
しく小型化することができることになる。
【0035】また、切換え弁64を作動させるためのア
クチュエータ68は、逆碗型状をなす本体部69と、環
状をなすばね部70と、スプリング71とからなる簡単
な構造のものであるので、加工・組立てが容易となり、
製造コストを大幅に低減させることができる。
【0036】さらに、隔壁45を外枠46とオリフィス
プレート47とオリフィス体48とで構成し、オリフィ
ス体48に穿設した第1のオリフィス用溝48d、第2
のオリフイス用溝48b、第3のオリフィス用溝48a
に対応する部分でそれぞれ第1のオリフィス53、第2
のオリフィス54、第3のオリフィス55を形成すると
ともに、オリフィス体48の上面側に穿設した窪み部4
9の開口部にサブダイアフラム56を装着し、オリフィ
ス体48の下面側に穿設した空所50内に切換え弁64
を装着し、空所50と第3のオリフィス55との間に形
成した壁部48cに第1の出口51を、空所50と第2
のオリフィス54との間に形成した壁部48cに第2の
出口52をそれぞれ形成し、これらの出口を空所50内
の切換え弁64によって切換え弁64の移動方向と直交
する方向で開閉するようにしたので、主液室61内の圧
力変動が直接に切換え弁64の開閉部に作用することが
なくなり、オリフィスを切り換える際の応答性を著しく
高めることができることになる。
【0037】また、オリフィス体48の上面側に窪み部
49を穿設してその開口部にサブダイアフラム56を装
着するようにしたので、サブダイアフラム56の有効面
積を大きくとることができることになり、これにより、
振動に対する減衰性を大幅に高めることができることに
なる。
【0038】そして、この実施例によるものは、切換え
弁64の本体部67の閉塞されている部分に上下方向に
貫通する窓穴66を穿設するようにし、窓穴66が本体
部の摺動面に位置しないようにしたことにより、切換え
弁64の作動性をさらに向上させることができることに
なる。
【0039】図11および図12には、この発明による
制御式液体封入マウントの第2の実施例の部分図が示さ
れていて、この実施例に示す制御式液体封入マウント
は、前記第1の実施例に示すものの変形例であって、切
換え弁64によって第2のオリフィス54から第1のオ
リフィス53に切り換える際、第2のオリフィス54の
開閉部の開口面積が、一旦大きくなった後に徐々に小さ
くなるように構成したものである。
【0040】すなわち、前記第1の実施例で示した制御
式液体封入マウントや従来技術の欄で述べた各種の液体
封入マウントや特開平4−151041号公報に開示さ
れている液体封入マウント等は、切換え弁64によって
第1のオリフィス53から第2のオリフィス54に、ま
たは第2のオリフィス54から第1のオリフィス53に
切り換える際、動ばねが図16に示すように曲線A(実
線)と曲線B(破線)との間を相互に行き来し、特に、
第2のオリフィス54から第1のオリフィス53に切り
換える際に(切換え弁64のONからOFFへの切換え
時)動ばねが急激に上昇する欠点がある。
【0041】これに対してこの実施例に示すものは、第
2のオリフィス54の開閉部が全開状態にある場合(切
換え弁64がOFFの場合)に、切換え弁64側の開口
部66とオリフィス体48側の開口部52との位置関係
が図11の状態となるように、第2のオリフィス54の
開閉部が全開状態にある場合(切換え弁64がONの場
合)に、切換え弁64側の開口部66とオリフィス体4
8側の開口部52との位置関係が図12のような状態、
すなわち12>11の関係となるように、切換え弁64の
ストローク範囲、各開口部66、52の位置等を設定し
たものである。
【0042】この結果、第2のオリフィス54の開閉部
が全開状態(切換え弁64がONの状態)から全開状態
(切換え弁64がOFFの状態)に移る際、第2のオリ
フィス54の開閉部の開口面積は、一旦大きくなった後
に徐々に小さくなる。
【0043】したがって、動ばね特性は図13〜図15
に示すようになり、切換え弁64がONの状態における
曲線Cは一旦高周波側にずれた後にOFFの状態となっ
て曲線Dとなり、切換え弁64をONからOFFに切り
換える際に動ばねが急激に上昇することがなくなる。
【0044】
【発明の効果】この発明は前記のように、主液室と副液
室との間を連通する第1のオリフィス、第2のオリフィ
ス、及びそれらを開閉する切換え弁を隔壁内に設けると
ともに、切換え弁を作動させるアクチュエータをケース
内に設けるように構成したので、全体を小型・軽量化す
ることができ、小型・軽量化が要求される自動車のエン
ジン等の振動を減衰するのに有効となる。また、サブダ
イアフラムを第1のオリフィスの作動時にのみ作動させ
るようにしたことにより、ある周波数域の振動に対して
は第1のオリフィスによる液柱共振作用とサブダイアフ
ラムの変位の両方を利用でき、また、ある周波数域の振
動に対しては第2のオリフィスによる液柱共振作用のみ
を利用することができる。さらに、サブダイアフラムの
下面側に補助液室を形成して、補助液室と副液室との間
を第3のオリフィスを介して相互に連通するようにした
ので、サブダイアフラムの有効面積を大きくすることが
でき、これにより、さらに入力する振動に対する減衰性
を高めることができることになる。さらに、切換え弁
は、主液室と副液室との間の連通状態を第1のオリフィ
ス又は第2のオリフィスに移動方向と直交する方向で切
り換えるように構成されているとともに、隔壁内に、第
1のオリフィス、第2のオリフィス、及びサブダイアフ
ラムから隔離された状態で設けられているので、主液室
からの圧力が切換え弁に直接に作用するようなことはな
く、切換え弁の動きを円滑にすることができ、切換え弁
によって第1のオリフィス又は第2のオリフィスに切り
換える際の応答性を高めることができる。さらに、切換
え弁の摺動面以外の箇所に上下方向に貫通する窓穴を設
けたことにより、切換え弁の動きを円滑にすることがで
き、これによっても、切換え弁による第1のオリフィス
又は第2のオリフィスへの切り換えを円滑にすることが
でき、切り換えの際の応答性を高めることができる。し
たがって、自動車のエンジン等のように、周波数に応じ
て種々の振動が発生する箇所において、優れた減衰効果
を発揮することができる。そして、切換え弁によって第
2のオリフィスから第1のオリフィスに切り換える際、
第2のオリフィスの開閉部の開口面積が一旦大きくなっ
た後に徐々に小さくなるようにしたので、第2のオリフ
ィスから第1のオリフィスに切り換える際に動ばねが急
激に上昇するのを防止でき、常に良好な減衰性が得られ
ることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による制御式液体封入マウントの第1
の実施例を示した概略縦断面図である。
【図2】図1に示すものの隔壁の縦断面図であり、図3
のA−A線に沿って見た断面図である。
【図3】図1に示すものの隔壁のオリフィス体の平面図
であり、液体の流れを示した説明図である。
【図4】図3に示すものの正面図であり、液体の流れを
示した説明図である。
【図5】図2に示すもののB−B線に沿って見た断面図
である。
【図6】切換え弁の位置と液体の流れとの関係を示した
説明図である。
【図7】切換え弁の位置と液体の流れとの関係を示した
説明図である。
【図8】切換え弁の本体部の平面図である。
【図9】図8に示すもののC−C線断面図である。
【図10】切換え弁の各部の寸法を示した説明図であ
る。
【図11】この発明による制御式液体封入マウントの第
2の実施例を示した部分であり、切換え弁のOFFの状
態を示した説明図である。
【図12】図11に示すものの切換え弁のONの状態を
示した説明図である。
【図13】図11に示すものの切換え弁がONの時の動
ばね特性を示した説明図である。
【図14】図11に示すものの切換え弁がONからOF
Fに移る時の動ばね特性を示した説明図である。
【図15】図11に示すものの切換え弁がOFFの時の
動ばね特性を示した説明図である。
【図16】第1、第2の実施例および従来のものの動ば
ね特性を示した説明図である。
【図17】従来の液体封入マウントの一例を示した概略
縦断面図である。
【符号の説明】
41、81……ケース 42……上ケース 43……中ケース 44……下ケース 45、82……隔壁 46……外枠 46a……貫通孔 47……オリフィスプレート 47a……孔 48……オリフィス体 48a……第3のオリフィス用溝 48b……第2のオリフィス用溝 48d……第1のオリフィス用溝 48c……壁部 49……窪み部 49a……突起 49b……段部 50……空所 51……第1の出口 52……第2の出口 53、87……第1のオリフィス 54、88……第2のオリフィス 55……第3のオリフィス 56……サブダイアフラム 57……補助液室 58、83……支持ばね 59……ボス 60……ボルト 61、84……主液室 62、85……ダイアフラム 63、86……副液室 64……切換え弁 65……ロッド部 66……窓穴 67……本体部 68、90……アクチュエータ 69、89a……本体部 70……ばね部 72……圧力導入孔 71……スプリング 73……圧力室 89……切換え弁 89b……ロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 13/00 - 13/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース内に隔壁を設けるとともに、前記
    隔壁の上面側に支持ばねを設けて前記隔壁と前記支持ば
    ねとの間に液体を封入した主液室を形成し、前記隔壁の
    下面側にダイアフラムを設けて前記隔壁と前記ダイアフ
    ラムとの間に液体を封入した副液室を形成し、前記隔壁
    に、一端が前記主液室に連通し他端が前記副液室に連通
    する第1のオリフィスと、一端が前記主液室に連通し他
    端が前記副液室に連通する前記第1のオリフィスよりも
    有効断面積の大きい第2のオリフィスと、前記第1のオ
    リフィスの作動時にのみ作動するとともに、上面側が前
    記主液室の液体に接触し下面側に補助液室を形成するサ
    ブダイアフラムと、一端が前記補助液室に連通し他端が
    前記第1のオリフィスと共通の連通孔を介して前記副液
    室に連通する前記第1のオリフィスの作動時にのみ作動
    する第3のオリフィスと、前記主液室と前記副液室との
    連通状態を前記第1のオリフィス又は前記第2のオリフ
    ィスに移動方向と直交する方向で切り換えるとともに、
    前記第1のオリフィス、前記第2のオリフィス、前記第
    3のオリフィス及び前記サブダイアフラムから隔離され
    た状態で上下方向に移動可能であり、かつ、前記隔壁と
    の摺動面以外の箇所に上下方向に貫通する窓穴が設けら
    れる切換え弁とを設け、さらに、前記ケース内に前記切
    換え弁を作動させるアクチュエータを設けたことを特徴
    とする制御式液体封入マウント。
  2. 【請求項2】 前記切換え弁は、前記隔壁内に上下方向
    に移動可能に設けられ、その移動方向と直交する方向で
    前記主液室と前記副液室との間の連通状態を前記第1の
    オリフィス又は前記第2のオリフィスに切り換えるよう
    に構成され、前記第2のオリフィスから前記第1のオリ
    フィスに切り換える際、前記第2のオリフィスの開閉部
    の開口面積が、一旦大きくなった後に徐々に小さくなる
    ように構成されている請求項1に記載の制御式液体封入
    マウント。
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