JPH07310753A - 液圧式トルク制限軸継手のスベリ検知機構 - Google Patents

液圧式トルク制限軸継手のスベリ検知機構

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JPH07310753A
JPH07310753A JP6105459A JP10545994A JPH07310753A JP H07310753 A JPH07310753 A JP H07310753A JP 6105459 A JP6105459 A JP 6105459A JP 10545994 A JP10545994 A JP 10545994A JP H07310753 A JPH07310753 A JP H07310753A
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peripheral surface
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fitting
proximity switch
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Takehiko Matsushige
武彦 松重
Fumio Nishimura
文生 西村
Shigeki Murakami
繁己 村上
Akihiko Morita
明彦 守田
Michihiro Ito
通浩 伊藤
Ikuo Takahashi
郁夫 高橋
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NAKAMURA JIKOU KK
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Nippon Steel Corp
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NAKAMURA JIKOU KK
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 近接スイッチ等のセンサの破壊を防止でき、
かつ短時間で継手本体のスベリを検知可能な液圧式トル
ク制限軸継手のスベリ検知機構を提供する。 【構成】 高圧の作動油を油圧室37に封入することによ
り、回転軸51と回転軸52とが連結され、作動油の圧力に
よって設定された許容トルクの範囲内でトルクが伝達可
能になる。油圧固定部材36の外周面に対向する近接スイ
ッチ21は、軸方向(矢印A方向)においてストライカ41と
同一位置になるように図示を省略した部材によって支持
されている。ここで、近接スイッチ21は、例えば、高周
波発信型近接スイッチを用い、ストライカ41が対向位置
にある場合にオンするようにストライカ41からの離間距
離が設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体の圧力により作動
して駆動側の回転軸と従動側の回転軸とを連結する液圧
式トルク制限軸継手において過負荷等によって発生する
駆動側の部材と従動側の部材とのスベリを検知する液圧
式トルク制限軸継手のスベリ検知機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液圧式トルク制限軸継手及びその
スベリ検知機構としては、例えば、特公平6−23680号
公報に示されているようなものがある。
【0003】図4は従来の液圧式トルク制限軸継手及び
そのスベリ検知機構の一例を示す構成図、図5は図4に
示した液圧式トルク制限軸継手の動作説明図である。1
は継手本体、2は継手本体1の一端面で開口した嵌合
孔、3は継手本体1内において嵌合孔2の内周面に沿っ
て環状に形成された油圧室、4は継手本体1の他端面に
固定されたフランジ、また、51及び52はそれぞれ回転軸
であり、一方が減速機等に連結され駆動軸として構成さ
れ、また他方が圧延ロール等に連結され従動軸として構
成されている。回転軸51の端部にはフランジ53が溶接等
によって固定され、回転軸52の外周面には剪断部材であ
るシャーラグ5が固定されている。回転軸52においてシ
ャーラグ5より先端側の部分は、前記嵌合孔2の内径よ
り僅かに直径が小さい嵌挿部52aとして形成されてい
る。
【0004】継手本体1には、継手本体1の外周面で開
口するねじ孔が形成され、このねじ孔の底部には油圧室
3に連通する連通孔6が開口している。前記ねじ孔には
シャーチューブ7がねじ込まれており、シャーチューブ
7は、先端部で開口し後端部が蓋部7aによって封止さ
れた流出孔7bを備え、この流出孔7bは継手本体1の連
通孔6に接続している。また、蓋部7aは継手本体1の
外周面から突出し、外周面に沿った方向の剪断力によっ
て容易に剪断される形状に形成されている。
【0005】回転軸51のフランジ53が継手本体1のフラ
ンジ4にボルト等によって固定されることにより、回転
軸51と継手本体1とが同軸に固定されている。また、回
転軸52は嵌挿部52aを嵌合孔2に嵌挿し、この状態でシ
ャーラグ5を継手本体1の端面及び外周面から僅かに離
間した位置で保持する。シャーラグ5にはU字状の切欠
部5aが形成されており、回転軸52は、シャーチューブ
7の蓋部7aが回転方向において切欠部5aのセンタとな
るように初期位置が調整される。
【0006】継手本体1には、図5に示すように外周面
で開口する注油口8と、この注油口8の底部及び油圧室
3で開口する通油孔9とが形成されており、前記注油口
8には注油ニップル10がねじ込まれている。注油ニップ
ル10は、先端部が半球状に形成され、注油口8との間に
形成される隙間及び後端部において開口する注油孔10a
を備えている。注油ニップル10を締め付けることによ
り、注油口8内において注油ニップル10の先端部が通油
孔9の開口に圧着して通油孔9を封止し、また注油ニッ
プル10を緩めることにより、注油口8との隙間を介して
注油孔10a及び通油孔9が連通する。
【0007】注油ニップル10に油圧ホース55を接続し、
図示を省略した油圧ユニットによって高圧の作動油を油
圧室3に充填した場合、嵌合孔2に回転軸52の嵌挿部52
aが嵌挿していないならば、嵌合孔2の内周面と油圧室
3との間に形成された隔壁11は2点鎖線によって示すよ
うに半径方向に膨出し、また、この状態で注油ニップル
10を締め付けることにより油圧室3内に高圧の作動油が
封入される。
【0008】図4に示すように、嵌合孔2内に回転軸52
の嵌挿部52aを嵌挿した状態で油圧室3内に高圧の作動
油を封入することにより、嵌合孔2の内周面が嵌挿部52
aの外周面に圧接して作動油の圧力に対応する摩擦力を
発生させ、この摩擦力によって回転軸51と回転軸52とが
連結されトルク伝達が可能になる。
【0009】ここで、何らかの異常によって回転軸51,
52間で伝達されるトルクが許容トルクより大きくなった
場合、継手本体1は、嵌合孔2の内周面が嵌挿部52aの
外周面に作用させる摩擦力に抗して回転軸52の外周面で
滑ることにより、回転軸52に対する位相が変位する。
【0010】回転軸52に対する継手本体1の位相が初期
位置から変位すると、シャーラグ5の切欠部5aがシャ
ーチューブ7の蓋部7aを剪断し、このことにより流出
孔7bの後端部が開放され、流出孔7bから油圧室3の高
圧の作動油が流出する。油圧室3から高圧の作動油が流
出することにより、嵌合孔2の内周面と嵌挿部52aの外
周面との間の油圧によって生じていた摩擦力が消失する
ので、回転軸52に対して継手本体1は空転してトルク伝
達が行われなくなる。このように、作動油の圧力によっ
て設定される許容トルクより大きい過大トルクが発生す
ることにより、継手本体1を空転させてトルク伝達を中
断することにより、回転軸51,52や図示を省略した駆動
機構等が過負荷によって破損することを防止できる。
【0011】また、継手本体1の外周面に対向する近接
スイッチ21は、軸方向においてシャーチューブ7と同一
位置になるように、図示を省略した部材によって支持さ
れている。ここで、近接スイッチ21は、例えば、高周波
発信型近接スイッチを用い、蓋部7aが対向位置にある
場合にオンするようにシャーチューブ7からの離間距離
が設定されている。
【0012】回転軸51,52の回転時における近接スイッ
チ21からのオン信号は、回転軸51,52の回転速度に対応
する周期でスベリ発生検知回路22に出力される。スベリ
発生検知回路22は、近接スイッチ21からのオン信号が入
力したタイミングで内部タイマ(図示省略)によって計時
開始し、次のオン信号の入力によって内部タイマの計時
時間をリセットし再び計時開始する。前述したようにシ
ャーラグ5によって蓋部7aがシャーチューブ7から切
り落された場合、近接スイッチ21は、蓋部7aによって
オンしなくなるのでオン信号が出力されなくなる。この
とき、スベリ発生検知回路22は、前回の入力時から回転
軸51,52の回転速度に対応させ設定したスベリ発生検知
時間だけ近接スイッチ21からのオン信号が入力しなかっ
た場合、スベリ発生検知信号を出力する。スベリ発生検
知信号は、例えば、駆動機構のモータ制御回路に出力さ
れ、このことにより、モータ制御回路は駆動機構を非常
停止させる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
液圧式トルク制限軸継手において、シャーチューブ7
は、高圧の作動油を封入しているので、過大トルクの発
生時に剪断部材であるシャーラグ5によって蓋部7aが
剪断された場合、作動油の圧力によって蓋部7aが高速
で半径方向に飛び出す。このため、近接スイッチ21が対
向する位置にあったときには蓋部7aが近接スイッチ21
に衝突して近接スイッチ21を破壊し、またシャーチュー
ブ7から流出した作動油の飛沫が近接スイッチ21に付着
して近接スイッチ21の作動不良及び故障の原因となる。
【0014】また、図4及び図5においては説明を簡略
化するため、継手本体1にはシャーチューブ7が1個し
か示されていないが、継手本体1に複数個のシャーチュ
ーブ7を設け、過大トルクの発生時にそれぞれの蓋部7
aをシャーラグ5によって同時に剪断することにより、
スベリ発生から継手本体1の空転開始までの応答時間が
短縮され、また継手本体1のスベリを判断するためのス
ベリ発生検知時間を短くできる。しかし、シャーチュー
ブ7の設置数の増加とともに、蓋部7aが近接スイッチ2
1を破壊する可能性が高くなるという問題が生じる。
【0015】本発明の目的は、上記の問題を解決するた
め、近接スイッチ等のセンサの破壊が防止され、かつ短
時間で継手本体のスベリを検知可能な液圧式トルク制限
軸継手のスベリ検知機構を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の第1の手段は、第1の回転軸の端部に設け
られた円柱状の嵌挿部と、第2の回転軸と同軸に固定さ
れ少なくとも一端面で開口する円形断面の嵌合孔が形成
された継手本体と、前記嵌合孔に沿って前記継手本体内
部に形成された環状の液圧室と、この液圧室に高圧の作
動液が充填された場合、半径方向に膨出して前記嵌合孔
に嵌挿する前記嵌挿部外周面に嵌合孔内周面を圧着させ
る嵌合孔内周面と前記液圧室との間に形成された隔壁
と、前記液圧室に連通した連通孔に止着され、この連通
孔を封止する蓋部を継手本体外周面から突出させたシャ
ーチューブと、前記第1の回転軸に対して固定され、前
記嵌挿部に対して継手本体が回転方向において変位した
場合、前記蓋部を剪断して前記液圧室内の高圧の作動液
を外部に流出させる剪断部材とを備えた液圧式トルク制
限軸継手において前記嵌挿部材に対する前記継手本体の
回転方向における変位を検知する液圧式トルク制限軸継
手のスベリ検知機構であって、軸方向において前記シャ
ーチューブと異なる位置で前記継手本体に止着され、前
記嵌挿部に対し継手本体が回転方向において変位した場
合、前記剪断部材によって継手本体外周面から突出した
被検知部が剪断されるストライカと、継手本体外周面に
対向配置され対向位置を通過する前記被検知部を検知す
るセンサとを備えたことを特徴とする。
【0017】さらに、第2の手段は、前記ストライカを
周方向において同一線上に複数配置したことを特徴とす
る。
【0018】さらに、第3の手段は、前記センサを周方
向において同一線上に複数配置したことを特徴とする。
【0019】
【作用】上記の第1の手段によれば、許容トルク以下の
トルク伝達時にはセンサが回転軸の回転速度に対応する
周期で被検知部を検知し、過負荷等によって嵌挿部に対
し継手本体が回転方向において変位した場合、ストライ
カの被検知部及びシャーチューブの蓋部が剪断されるの
で、継手本体が嵌挿部に対して空転するとともにセンサ
が被検知部を検知しなくなり、かつ液圧室から高圧の作
動液が外部に流出する。
【0020】さらに、第2の手段によれば、継手本体の
回転時にセンサがストライカの被検知部を検知してから
次に被検知部を検知するまでの時間が短縮される。
【0021】さらに、第3の手段によれば、継手本体の
回転時に被検知部がセンサによって検知されてから次に
検知されるまでの時間が短縮される。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。尚、図1又は図2において図4又は図5に基づい
て説明した部材に対応する部材については、同一符号を
付して説明を省略する。図1は本発明のスベリ検知機構
の一実施例が適用された油圧式トルク制限軸継手を示す
構成図、図2は本実施例の油圧式トルク制限軸継手及び
そのスベリ検知機構における要部の断面図である。31は
円柱状のスリーブであり、嵌挿部であるスリーブ31は回
転軸52の外周面の端部にキー32により固定されている。
33はスリーブ31の端面にボルト等によって固定された剪
断部材であるシャーラグ、34はスリーブ31の外周面の両
端部付近にそれぞれ配置された一対のロータリベアリン
グである。
【0023】35は一方の端面に円形断面の嵌合孔35aが
開口し他方の端部にフランジ部35bが形成されたフラン
ジハブであり、フランジハブ35は、フランジ部35b及び
フランジ53がボルト等によって締結されることにより回
転軸51と同軸に固定されている。36はフランジハブ35に
外嵌するリング状の油圧固定部材であり、油圧固定部材
36内には、内周面に沿って環状の油圧室37が形成されて
いる。フランジハブ35の内周面及び油圧固定部材36の内
周面の一端部付近は、それぞれロータリベアリング34の
外周面に圧着している。ここで、フランジハブ35及び油
圧固定部材36は回転軸51と同軸に固定されて継手本体を
構成する。
【0024】油圧固定部材36に配置された注油ニップル
(図示省略)を通して高圧の作動油を油圧室37に充填し、
注油ニップルを締めて高圧の作動油を油圧室37に封入す
ることにより、油圧固定部材36において内周面と油圧室
37との間の隔壁38が半径方向に膨出する。このことによ
り、油圧固定部材36は、フランジハブ35の外周面に対し
て均一な圧縮応力を作用させ、半径方向においてフラン
ジハブ35を収縮させる。フランジハブ35が半径方向にお
いて収縮することにより、フランジハブ35の嵌合孔35a
に嵌挿したスリーブ31の外周面には作動油の圧力に対応
する摩擦力が作用し、この摩擦力によってフランジハブ
35とスリーブ31とが固定される。このことにより、回転
軸51と回転軸52とは連結され、作動油の圧力によって設
定された許容トルクの範囲内でトルク伝達が可能にな
る。
【0025】また、油圧固定部材36の外周面には、軸方
向(矢印A方向)においてシャーチューブ7と異なる位置
にストライカ41が螺着し、ストライカ41は継手本体1の
外周面から被検知部41aを突出させている。油圧固定部
材36の外周面に対向する近接スイッチ21は、軸方向にお
いてストライカ41と同一位置になるように図示を省略し
た部材によって支持されている。ここで、センサである
近接スイッチ21は、例えば、高周波発信型近接スイッチ
を用い、被検知部41aが対向位置にある場合にオンする
ようにストライカ41からの離間距離が設定されている。
【0026】回転軸51,52の回転時における近接スイッ
チ21からのオン信号は、回転軸51,52の回転速度に対応
する周期でスベリ発生検知回路22に出力される。スベリ
発生検知回路22は、近接スイッチ21からのオン信号が入
力したタイミングで内部タイマ(図示省略)によって計時
開始し、次のオン信号の入力によって内部タイマの計時
時間をリセットし再び計時開始する。
【0027】ここで、何らかの異常によって回転軸51,
52間で伝達されるトルクが許容トルクより大きくなった
場合、嵌合孔35aの内周面が摩擦力に抗してスリーブ31
の外周面で滑ることにより、フランジハブ35及び油圧固
定部材36のスリーブ31に対する位相が変位する。スリー
ブ31に対する油圧固定部材36の位相が初期位置から変位
することにより、シャーラグ33の切欠部33aがシャーチ
ューブ7の蓋部7a及びストライカ41の被検知部41aを剪
断する。
【0028】蓋部7aが剪断されることにより、シャー
チューブ7を通して油圧室37の高圧の作動油が外部に流
出し、嵌合孔35aの内周面とスリーブ31の外周面との間
の油圧によって生じていた摩擦力が消失する。このと
き、フランジハブ35及び油圧固定部材36がロータリベア
リング34を介してスリーブ31に対して空転し、回転軸5
1,52間においてトルク伝達が行われなくなる。このと
き、シャーチューブ7が軸方向においてストライカ41と
は異なる位置に配置されているので、シャーチューブ7
から流出した作動油は近接スイッチ21に付着することが
防止される。
【0029】また、シャーラグ33によってストライカ41
の被検知部41aが剪断されることにより、近接スイッチ2
1は、被検知部41aによってオンしなくなりオン信号を出
力しなくなる。このとき、スベリ発生検知回路22は、前
回の入力時からスベリ発生検知時間だけ近接スイッチ21
からのオン信号が入力しなかった場合、スベリ発生検知
信号を出力する。スベリ発生検知信号は、例えば、駆動
機構のモータ制御回路に出力され、このことにより、モ
ータ制御回路は駆動機構を非常停止させる。
【0030】ストライカ41は、例えば、SS41等の容易
に剪断可能な材料によって形成する。また、ストライカ
41の被検知部41aは、シャーラグ33によって剪断された
場合、遠心力及び油圧固定部材36の外周面接線方向の慣
性力のみが作用するため、作動油の圧力が加えられたシ
ャーチューブ7の蓋部7aのように高速で半径方向に飛
び出すことがない。このため、剪断された被検知部41a
が近接スイッチ21に衝突しても、その衝突時の衝撃力が
抑制されて近接スイッチ21が破壊されることを防止でき
る。
【0031】また、ストライカ41は、アルミやプラスチ
ック等の比重の小さい材料によって形成することも可能
であるので、このような材料によって形成した場合には
衝突時の安全性をさらに向上できる。
【0032】図3(a),(b)は、それぞれ本実施例のスベ
リ検知機構におけるストライカ及び近接スイッチの配置
例を示す説明図である。
【0033】図3(a)に示す油圧固定部材36において
は、周方向において2個のストライカ41が180°間隔で
配置されており、回転時には1個の近接スイッチ21によ
って2個のストライカ41の被検知部41aが交互に検知さ
れる。油圧固定部材36に2個のストライカ41を配置する
ことにより、正常なトルク伝達時には1/2回転周期で
被検知部41aが近接スイッチ21によって検知されるの
で、回転軸51,52の回転速度に対応させて設定するスベ
リ発生検知時間を短縮でき、シャーラグ33によって被検
知部41aが剪断された場合のスベリ発生からスベリ発生
検知信号が出力されるまでの時間を短縮できる。むろ
ん、油圧固定部材36に3個以上のストライカ41を設ける
ことも可能であり、ストライカ41の増加とともに、スベ
リ発生からスベリ発生検知信号が出力されるまでの時間
をさらに短縮できる。
【0034】図3(b)に示す油圧固定部材36には2個の
近接スイッチ21が対向しており、2個の近接スイッチ21
が被検知部41aを交互に検知する。油圧固定部材36に対
向させて2個の近接スイッチ21を配置することにより、
正常なトルク伝達時には1/2回転周期で近接スイッチ
21が交互に被検知部41aを検知するので、回転軸51,52
の回転速度に対応させて設定するスベリ発生検知時間を
短縮でき、シャーラグ33によって被検知部41aが剪断さ
れた場合のスベリ発生からスベリ発生検知信号が出力さ
れるまでの時間を短縮できる。むろん、油圧固定部材36
に対向させて3個以上の近接スイッチ21を配置すること
も可能であり、近接スイッチ21の増加とともに、スベリ
発生からスベリ発生検知信号が出力されるまでの時間を
さらに短縮できる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の手
段によれば、許容トルク以下のトルク伝達時にはセンサ
が回転軸の回転速度に対応する周期で被検知部を検知
し、過負荷等によって嵌挿部に対し継手本体が回転方向
において変位した場合、ストライカの被検知部及びシャ
ーチューブの蓋部が剪断されて、センサが被検知部を検
知しなくなり、かつ液圧室から高圧の作動液が外部に流
出することにより、センサからの検知信号と回転軸の回
転速度とに対応させて嵌挿部材に対する継手本体のスベ
リを検知することが可能になり、さらに剪断部材によっ
て被検知部及び蓋部が剪断された場合、ストライカの被
検知部には遠心力及び継手本体の外周面接線方向の慣性
力のみが作用するため、剪断された被検知部がセンサに
衝突しても、その衝突時の衝撃力が抑制されてセンサが
破壊されることを防止でき、かつ継手本体の液圧室から
高圧の作動液が流出するので、液圧によって生じていた
嵌挿部材と継手本体との摩擦力が消失して継手本体が空
転可能になる。
【0036】さらに、第2の手段によれば、継手本体の
回転時にセンサがストライカの被検知部を検知してから
次に被検知部を検知するまでの時間が短縮されることに
より、ストライカの増加とともに、剪断部材によって被
検知部が剪断されたことを検知するための時間を短縮で
き、嵌挿部材に対する継手本体のスベリが検知されるま
での時間を短縮できる。
【0037】さらに、第3の手段によれば、継手本体の
回転時に被検知部がセンサによって検知されてから次に
検知されるまでの時間が短縮されることにより、センサ
の増加とともに、剪断部材によって被検知部が剪断され
たことを検知するための時間を短縮でき、嵌挿部材に対
する継手本体のスベリが検知されるまでの時間を短縮で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスベリ検知機構の一実施例が適用され
た油圧式トルク制限軸継手を示す構成図である。
【図2】本実施例の油圧式トルク制限軸継手及びそのス
ベリ検知機構における要部の断面図である。
【図3】本実施例のスベリ検知機構におけるストライカ
及び近接スイッチの配置例を示す説明図である。
【図4】従来の液圧式トルク制限軸継手及びそのスベリ
検知機構の一例を示す構成図である。
【図5】図4に示した液圧式トルク制限軸継手の動作説
明図である。
【符号の説明】
7…シャーチューブ、 7a…蓋部、 21…近接スイッ
チ、 22…スベリ発生検知回路、 33…シャーラグ、
35…フランジハブ、 35a…嵌合孔、 36…油圧固定部
材、 37…油圧室、 41…ストライカ、 41a…被検知
部、 51,52…回転軸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 文生 茨城県鹿島郡鹿島町大字光3番地 住友金 属工業株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者 村上 繁己 神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号 川 崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 守田 明彦 神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号 川 崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 伊藤 通浩 東京都中央区築地3丁目10番10号 株式会 社中村自工内 (72)発明者 高橋 郁夫 東京都中央区築地3丁目10番10号 株式会 社中村自工内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の回転軸の端部に設けられた円柱状
    の嵌挿部と、第2の回転軸と同軸に固定され少なくとも
    一端面で開口する円形断面の嵌合孔が形成された継手本
    体と、前記嵌合孔に沿って前記継手本体内部に形成され
    た環状の液圧室と、この液圧室に高圧の作動液が充填さ
    れた場合、半径方向に膨出して前記嵌合孔に嵌挿する前
    記嵌挿部外周面に嵌合孔内周面を圧着させる嵌合孔内周
    面と前記液圧室との間に形成された隔壁と、前記液圧室
    に連通した連通孔に止着され、この連通孔を封止する蓋
    部を継手本体外周面から突出させたシャーチューブと、
    前記第1の回転軸に対して固定され、前記嵌挿部に対し
    継手本体が回転方向において変位した場合、前記蓋部を
    剪断して前記液圧室内の高圧の作動液を外部に流出させ
    る剪断部材とを備えた液圧式トルク制限軸継手において
    前記嵌挿部材に対する前記継手本体の前記回転方向にお
    ける変位を検知する液圧式トルク制限軸継手のスベリ検
    知機構であって、軸方向において前記シャーチューブと
    異なる位置で前記継手本体に止着され、前記嵌挿部に対
    し継手本体が前記回転方向において変位した場合、前記
    剪断部材によって継手本体外周面から突出した被検知部
    が剪断されるストライカと、継手本体外周面に対向配置
    され対向位置を通過する前記被検知部を検知するセンサ
    とを備えたことを特徴とする液圧式トルク制限軸継手の
    スベリ検知機構。
  2. 【請求項2】 前記ストライカを周方向において同一線
    上に複数配置したことを特徴とする請求項1記載の液圧
    式トルク制限軸継手のスベリ検知機構。
  3. 【請求項3】 前記センサを周方向において同一線上に
    複数配置したことを特徴とする請求項1記載の液圧式ト
    ルク制限軸継手のスベリ検知機構。
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