JPH07310061A - 遮光フィルム - Google Patents

遮光フィルム

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JPH07310061A
JPH07310061A JP6131389A JP13138994A JPH07310061A JP H07310061 A JPH07310061 A JP H07310061A JP 6131389 A JP6131389 A JP 6131389A JP 13138994 A JP13138994 A JP 13138994A JP H07310061 A JPH07310061 A JP H07310061A
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absorbing
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Masakazu Nakai
雅一 仲井
Ryuichi Yamamoto
隆一 山本
Nobuo Okamoto
申生 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 透光性のフィルム基材上に粘着層を形成した
遮光フィルムにおいて、粘着層が、粘着性高分子(A)
と、下記の化1の一般式(I)の重合性2−ヒドロキシ
ベンゾフェノン誘導体および/または重合性2−ヒドロ
キシベンゾトリアゾール誘導体から選ばれる少なくとも
一種の紫外線吸収性モノマーと、該モノマーと共重合可
能な重合性ビニル化合物とを重合して得られる紫外線吸
収共重合体(B)との混合物からなる遮光フィルム。 【効果】 透明度の高い遮光フィルムが得られ、視野性
が良好であり、接着力等の粘着層の物性の低下がなく、
強度的な品質に優れ、紫外線吸収剤のブリードによる紫
外線吸収効果の劣化、ガラスへの汚染がない。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線をカットする遮
光性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】有害な紫外線を遮蔽することを目的とし
て、ビルの窓などに紫外線(UV)カット性の遮光フィ
ルムを貼り付けるこが行なわれている。遮光フィルム
は、ポリエステルフィルムなどの透光性の基材フィルム
上に粘着層を形成してなり、輸送・保管時には粘着層上
に剥離フィルムが当てがわれている。使用時には剥離フ
ィルムを剥し、粘着層を利用して窓の内側(室内)に貼
り付けて有害な紫外線をカットする。
【0003】遮光フィルムとしては、顔料・染料等でポ
リエステルフィルムを着色したものが知られているが、
着色により可視光線もカットされるため、透明度が悪化
することは避られない。また、着色に使用した染料・顔
料自体も長期間の光曝露による紫外線のエネルギーによ
って光劣化して退色する欠点がある。
【0004】さらに、ポリエステルフィルムの着色を抑
えて透明度の高い遮光フィルムを作る場合は、フィルム
自体の紫外線カット率が低くなるため、従来は低分子紫
外線吸収剤を粘着層に多量に配合することによりこれを
補っていた。。しかしながら、低分子紫外線吸収剤は粘
着層の物性を劣化させ、また、経時によるブリードアウ
トによって、紫外線カット効果が悪化する。さらに、遮
光フィルムは貼替えることがあるため、粘着層を形成す
る粘着剤には再剥離タイプが使用されているが、粘着層
中の低分子紫外線吸収剤のブリードアウトにより、貼り
替えの際の剥離時にガラス上に粘着層が残存・付着し
て、ガラスを汚染するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明度およ
び紫外線吸収効果に優れ、しかも経時による粘着層の接
着力低下や貼替え時の粘着層の残存・汚染が防止された
遮光フィルムを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願には、以下の第1、
第2および第3の遮光フィルムが包含される。本発明の
第1の遮光フィルムは、透光性のフィルム基材上に粘着
層を形成した遮光フィルムにおいて、粘着層が、粘着性
高分子(A)と、下記の化7の一般式(I)および/ま
たは化8の一般式(II)から選ばれる少なくとも一種の
紫外線吸収性モノマーと、該モノマーと共重合可能な重
合性ビニル化合物とを重合して得られる紫外線吸収共重
合体(B)との混合物からなることを特徴とする。
【0007】
【化7】
【0008】
【化8】
【0009】この第1の遮光フィルムは、粘着層が紫外
線吸収性と接着特性の双方を具え、一方、粘着層におけ
る紫外線吸収と接着はそれぞれ別の素材が担うものであ
り、いわば機能分離単層型の遮光フィルムである。ま
た、本発明の第2の遮光フィルムは、透光性のフィルム
基材上に粘着層を形成した遮光フィルムにおいて、粘着
層が前述の一般式(I)および/または一般式(II)か
ら選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収性モノマーと、
該モノマーと共重合可能な重合性ビニル化合物とを重合
して得られる粘着性かつ紫外線吸収性の共重合体からな
ることを特徴とする。
【0010】この第2の遮光フィルムは、粘着層が紫外
線吸収特性と粘着特性との双方を具え、しかも、単一の
素材が粘着層に紫外線吸収性と接着性を与えており、い
わば複合機能単層型の遮光フィルムである。
【0011】さらに、本発明の第3の遮光フィルムは、
透光性のフィルム基剤上に粘着層を形成した遮光フィル
ムにおいて、前述の一般式(I)および/または一般式
(II)から選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収性モノ
マーと、該モノマーと共重合可能な重合性ビニル化合物
とを重合して得られる紫外線吸収共重合体からなる紫外
線吸収層を介して、フィルム基材上に粘着層が形成され
ていることを特徴とする。この第3の遮光フィルムは、
接着性能を有する粘着層と遮光(UVカット)のための
紫外線吸収層とに機能分離しており、いわば機能分離積
層型遮光フィルムである。
【0012】
【発明の実施態様】本発明の遮光フィルムの基本的な構
成は、上述の第1、第2、第3のいずれの発明において
も同一であり、ポリエステル等の透光性合成樹脂フィル
ムの片面に粘着層が形成されてなり、この粘着層との関
連において、本発明の特定の紫外線吸収共重合体の利用
の態様が異なるのみである。
【0013】 他の粘着性高分子と混合して、本発明
の紫外線吸収共重合体を粘着層中に配合する。本発明の
紫外線吸収共重合体は、それ自体で粘着性を発現するも
のでも、発現しないものでもよい(本発明の第1の遮光
フィルム)。 紫外線吸収共重合体自体で粘着層を形成する。当然
のことではあるが、本発明の紫外線吸収共重合体は、粘
着性を発現する必要がある(本発明の第2の遮光フィル
ム)。
【0014】 粘着層とは別個に、本発明の紫外線吸
収共重合体を含むUV吸収層を透光性フィルム上に設け
る。具体的には、ポリエステル等の透光性フィルム基材
上に本発明の紫外線吸収共重合体からなるUV(紫外
線)吸収層を設け、その上に更に粘着層を設ける(本発
明の第3の遮光フィルム)。
【0015】上記〜のいずれの場合においても、透
明度および紫外線吸収効果に優れ、しかも経時による粘
着層の接着力の低下や、貼替え時の粘着層の残存・汚染
がない、UVカット効果を有する遮光フィルムが得られ
る。
【0016】透光性フィルムとしては、ポリエステルフ
ィルムが代表的であり、この他ポリメチルメタクリレー
トフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが用いられ
る。本発明の紫外線吸収共重合体は、特定の紫外線吸収
性モノマーと、このモノマーと共重合可能な重合性ビニ
ルモノマーとの共重合体からなる。ここで、上記紫外線
吸収性モノマーとしては、下記の化9の一般式(I)で
表わされる重合性2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体
または化10の一般式(II)で表わされる重合性2−ヒ
ドロキシベンゾトリアゾール誘導体が用いられる。
【0017】
【化9】
【0018】
【化10】
【0019】前記化9の一般式(I)で表わされるモノ
マー化合物の具体例としては、2−ヒドロキシ−4−ア
クリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−メタクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−(2−アクリロイルオキシ)エトキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオ
キシ)エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
(2−メチル−2−アクリロイルオキシ)エトキシベン
ゾフェノンなどが挙げられる。
【0020】また、前記化10の一般式(II)で表わさ
れるモノマー化合物の具体例としては、2−[2′−ヒ
ドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシ)フェニル]
ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−5′−
(アクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリアゾー
ル、2−[2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′
−(メタクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリアゾ
ール、2−[2′−ヒドロキシ−3′−メチル−5′−
(アクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリアゾー
ル、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイル
オキシプロピル)フェニル]−5−クロロベンゾリトリ
アゾール、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリ
ロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、
2−[2′−ヒドロキシ−5′−(アクリロイルオキシ
エチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−
ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−(メタクリロイ
ルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−
[2′−ヒドロキシ−3′−メチル−5′−(アクリロ
イルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2
−[2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキシ
プロピル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(アクロイルオキ
シブチル)フェニル]−5−メチルベンゾトリアゾー
ル、[2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−(アクリ
ロイルオキシエトキシカルボニルエチル)フェニル]ベ
ンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0021】また、上記の紫外線吸収性モノマーと共重
合可能な他のビニル化合物(以下、共重合モノマーと呼
ぶ)としては、アクリロニトリル、アクリル酸アルキル
エステル、メタクリル酸アルキルエステル、アルキルビ
ニルエーテル、アルキルビニルエステル、スチレンなど
があり、この場合のアルキル基の炭素数は特に制約され
ないが、好ましくは1〜18である。これら化合物の具
体例としては以下のものが挙げられる。
【0022】(1) アクリル酸アルキルエステル・メ
タクリル酸アルキルエステル メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチル
アクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアク
リレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメ
タクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメ
タクリレート
【0023】(2) アルキルビニルエーテル メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピ
ルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル (3) アルキルビニルエステル 酢酸ビニル、エチルビニル、ブチルビニル、2−エチル
ヘキシルビニル また、共重合成分として架橋性モノマーを用いて内部架
橋構造をもたせることにより、耐水性および耐久性を改
善することができる。
【0024】架橋性モノマーとしては、ジビニル化合
物、ジ(トリ)アクリル化合物、ジ(トリ)メタクリル
酸エステル化合物のように2重結合を分子内に2個以上
有するラジカル架橋性モノマー、およびN−メチロール
アクリルアミド、グリシジルアクレートのような自己縮
合官能基含有モノマー等が挙げられ、これらの架橋性モ
ノマーで内部架橋する。
【0025】ラジカル架橋性モノマーとしては、トリア
リルアミン、ジメタクリル酸エチル、ジビニルベンゼ
ン、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジアクリル
酸ネオペンチルグリコール、トリメタクリル酸メチロー
ルプロパン、ジアクリル酸1,6−ヘキサンジオール、
ジメタクリル酸1,3−ブチレン、テトラメタクリル酸
ペンタエリスリトール、トリメタクリル酸アリルなどが
挙げられる。
【0026】自己縮合官能基含有モノマーとしては、グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グ
リシジルアクリルエーテル等のエポキシ含有モノマー、
N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタク
リル酸アミド、N−メチロールクロトン酸アミド、N−
(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸アミド等のアミ
ド基含有モノマーなどが挙げられる。
【0027】反応性官能基含有モノマーの具体例として
は、以下のものが挙げられる。 (1) ヒドロキシ基含有モノマー ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタ
クリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ポリオ
キシエチレンモノアクリレート、ポリオキシプロピレン
モノメタクリレート
【0028】(2) アミノ基含有モノマー アミノエチルメタクリレート、アミノスチレン、アリル
アミン (3) カルボン酸含有モノマー アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸あ
るいは無水マレイン酸
【0029】本発明の紫外線吸収共重合体は、使用する
共重合モノマーの種類、割合を変化させることにより、
粘着性を有する共重合体と粘着性を有しない共重合体の
双方を得ることができる。本発明の紫外線吸収モノマー
は、比較的剛性の高い分子構造を有するため、共重合体
中の紫外線吸収性モノマーの共重合比が高くなると共重
合体の粘着性は低下する。また、剛性の高い共重合モノ
マー、例えばメチルメタクリレート、スチレン、酢酸ビ
ニルなどのように側鎖にメチル基やベンセン環などの剛
性の高い官能基が導入された共重合モノマー類の共重合
割合を高くすることによっても、粘着性を有しないか、
あるいは微粘着性の紫外線吸収共重合体を得ることがで
きる。
【0030】粘着性紫外線吸収共重合体の場合は、共重
合モノマーとしてブチルアクリレート、イソブチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリル
アクリレートで例示される炭素数が2〜12のアルキル
基をもつアクリル酸エステルが好適で使用できる。
【0031】本発明の粘着性紫外線吸収共重合体は、上
記のアクリル酸エステル、紫外線吸収性モノマー及び官
能基含有モノマーを必須成分とし、これに必要に応じて
共重合可能な他のビニル化合物を混合した単量体混合物
から調製することが好ましく、特にこれらアクリル系共
重合体は、アクリル基の炭素数が2〜12である粘着性
共重合モノマーを50重量%以上含んでいることが望ま
しい。アクリル酸エステルの量が50重量%に満たない
場合は、粘着性が減少し、目的である粘着性紫外線吸収
共重合体を得ることが困難となる場合がある。
【0032】また、粘着性紫外線吸収共重合体では、共
重合体の凝集性が不足傾向にあるため、再剥離性向上な
どの目的で、架橋剤が併用使用されることが多い。官能
基含有モノマーの具体例としては、下記のものが挙げら
れる。
【0033】(1)ヒドロキシ基含有モノマー(例示化
合物は前述と同じ) (2)アミノ基含有モノマー(例示化合物は前述と同
じ) (3)カルボン酸含有モノマー(例示化合物は前述と同
じ) 必要に応じて使用される共重合可能な他のビニル化合物
の具体例としては、下記のものが挙げられる。
【0034】(1)(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル メチルアクリレート、ステアリルアクリレート、メチル
メタクリレート、ブチルアクリレート、t−ブチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリル
メタクリレート、ステアリルメタクリレート。
【0035】(2)アルキルビニルエーテル(例示化合
物は前述と同じ) (3)アルキルビニルエステル(例示化合物は前述と同
じ) 架橋剤の具体例としては、下記のものが挙げられる。
【0036】(1)ポリイソシアネート化合物 トリレンジイソシアネート(3モル)とトリメチロール
プロパン(1モル)の付加物、ヘキサメチレンジイソシ
アネート(3モル)とトリメチロールプロパン(1モ
ル)の付加物、イソホロンジイソシアネート(3モル)
とトリメチロールプロパン(1モル)の付加物、キシレ
ンジイソシアネート(3モル)とトリメチロールプロパ
ン(1モル)の付加物。
【0037】(2)エポキシ化合物 エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレン
グリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグ
リシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテ
ル、フタル酸ジグリシジルエステル。
【0038】(3)メラミン樹脂 トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、
エチル化トリメチロールメラミン、ブチル化トリメチロ
ールメラミン。 (4)金属化合物 ジ−iso−プロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チ
タネート、エチルアセトアセテートアルミニウジイソプ
ロピレート、アルミニウムイソプロピレート。
【0039】この粘着性紫外線吸収共重合体は、一般
に、粘着層を形成するに当たって、架橋剤を混合して適
当な固形分濃度の塗工液を形成し、透光性フィルム上に
塗工・乾燥させることにより粘着性を発現する。
【0040】粘着性高分子は、天然ゴムやスチレンブタ
ジエンゴムなどを主原料としたゴム系粘着剤、アクリル
酸アルキルエステル共重合体などを主原料としたアクリ
ル系粘着剤、メチルフェニルポリシロキサンなどを主原
料としたシリコーン系粘着剤、エチレン酢酸ビニル共重
合体を主原料としたビニル系粘着剤あるいはウレタン系
粘着剤などがある。また、粘着性高分子は、必要に応じ
て架橋剤を使用し、一部分子内架橋を行うことにより、
高分子の凝集力を高め耐久性、再剥離性を改善すること
ができる。
【0041】本発明の第1の遮光フィルムでは、ポリエ
ステルフィルム等の透光性フィルム基材上に、本発明の
非粘着性または粘着性の紫外線吸収共重合体と粘着性高
分子との混合物からなる粘着層を形成する。
【0042】この非粘着性紫外線吸収共重合体において
は、共重合体中の5重量%以上、好ましくは10〜80
重量%を前述の一般式(I)または(II)の紫外線吸収
性モノマーに由来する構成単位が占めることが好まし
く、これにより十分な遮光性を付与することが望まし
い。一方、粘着性紫外線吸収共重合体においては、共重
合体中の1〜30重量%、好ましくは5〜25重量%を
前述の一般式(I)または(II)の紫外線吸収性モノマ
ーに由来する構成単位が占めることが望ましい。
【0043】また、上記粘着層において、(a)本発明
の紫外線吸収共重合体と(b)粘着性高分子とは、重量
比で(a)/(b)=5/100〜50/100の範囲
で混合することが好適であり、これにより遮光フィルム
にとって好ましい紫外線カット性と粘着性(接着力)と
が同時に得られる。
【0044】具体的には、上記共重合体と粘着性高分子
とを含み、さらに必要に応じて本発明の遮光フィルムに
必要な紫外線吸収能、透明性、粘着性(接着力)などを
害さない範囲で、その他の樹脂、各種添加剤などを配合
した塗工液を作成し、この塗工液をフィルム基材上に塗
工、乾燥させて粘着層を形成する。この粘着層の膜厚
は、2〜60μmが好適であり、好ましくは5〜30μ
mである。
【0045】本発明の第2の遮光フィルムでは、ポリエ
ステルフィルム等の透光性フィルム基材上に、本発明の
粘着性紫外線吸収共重合体からなる粘着層を形成する。
この粘着性紫外線吸収共重合体においては、共重合体中
の1〜30重量%、好ましくは5〜25重量%を前述の
一般式(I)または(II)の紫外線吸収性モノマーに由
来する構成単位が占めることが好ましく、これにより十
分な遮光性を付与することが望ましい。
【0046】具体的には、上記共重合体を含み、さらに
必要に応じて本発明の遮光フィルムに必要な紫外線吸収
能、透明性、粘着性(接着力)を害さない範囲で、その
他の樹脂、各種添加剤などを配合した塗工液を作成し、
この塗工液をフィルム基材上に塗工、乾燥させて粘着層
を形成する。この粘着層の膜厚は、2〜60μmが好適
であり、好ましくは5〜30μmである。
【0047】本発明の第3の透光フィルムでは、ポリエ
ステルフィルム等の透光性フィルム基材上に、まず、本
発明の紫外線吸収共重合体からなる紫外線吸収層を形成
する。ついで、この紫外線吸収層の上に、粘着性高分子
からなる粘着層を形成する。この紫外線吸収共重合体に
おいては、共重合体中の5重量%以上、好ましくは10
〜80重量%を前述の一般式(I)または(II)の紫外
線吸収性モノマーに由来する構成単位が占めることが好
ましく、これにより十分な遮光性を付与することが望ま
しい。
【0048】具体的には、上記共重合体を含む塗工液を
作成し、これをフィルム基材上に塗工、乾燥させて紫外
線吸収層を形成する。ついで、粘着性高分子を含む塗工
液を作成し、これを紫外線吸収層上に塗工、乾燥させて
粘着層を形成する。これら2つの塗工液には、必要に応
じて本発明の遮光フィルムに要求される紫外線吸収能、
透明性、粘着性(接着力)を害さない範囲で、その他の
樹脂、各種添加剤などを配合することができる。
【0049】さらに本願発明では、粘着層中に染料・顔
料等の色材を配合することにより、好みの色相いに着色
することができる。この場合にも、紫外線吸収効果は既
に本発明の共重合体により付与されているので、任意に
色調を選定することができ、しかも、透光性フィルムに
適宜の色相いの粘着層を塗工すればよいので、色違いの
各種の透光性フィルムを用意しておく必要がなく、生産
コスト、生産性に優れている。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、特定の高分子紫外線吸
収共重合体を利用してUVカット性の粘着層系を構成す
るこにより、以下の作用効果が得られる。 透明度の高い遮光フィルムが得られ、視野性が良好
である。 接着力等の粘着層の物性の低下がなく、強度的な品
質に優れている。 紫外線吸収剤のブリードによる、紫外線吸収効果の
劣化、ガラスへの汚染がない。
【0051】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例
に限定されるものではない。
【0052】実施例1 (a) 非粘着性紫外線吸収共重合体の製造 撹拌機付きフラスコに酢酸エチル175重量部を入れて
撹拌しながら昇温し、78℃に加熱する。次に、重合開
始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)
0.1重量部、2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロ
イルオキシ)エトキシベンゾフェノン145部、n−ブ
チルアクリレート100重量部、メチルメタクリレート
40重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10重
量部を均一に溶解し約2時間要して滴下し反応させる。
更に、酢酸エチル2重量部にAIBN0.02重量部を
溶解させた溶液をモノマー滴下終了後、2時間目及び4
時間目に仕込んで、78℃にて8時間反応を行い非粘着
性紫外線吸収共重合体を得た。希釈溶剤として酢酸エチ
ルを加えて、樹脂分40%、粘度6000cpsの非粘
着性紫外線吸収共重合体溶液を得た。
【0053】(b) 粘着剤(粘着性高分子)の製造 撹拌機付きフラスコに酢酸エチル175重量部を入れて
撹拌しながら昇温し、78℃に加熱する。次に、重合開
始剤としてAIBN0.1重量部、n−ブチルアクリレ
ート210重量部、酢酸ビニル70重量部、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート7重量部、アクリル酸7重量部
を均一に溶解し約2時間要して滴下し反応させる。次
に、酢酸エチル2重量部にAIBN0.02重量部を溶
解させた溶液をモノマー滴下終了後、2時間目及び4時
間目に仕込んで、78℃にて8時間反応を行い共重合体
からなる粘着剤(粘着性高分子)を得た。希釈溶剤とト
ルエンを加えて、樹脂分40%、粘度6500cpsの
粘着剤溶液を得た。
【0054】(c) 遮光フィルムの製造 非粘着性紫外線吸収共重合体(a)10重量部(固形分
40重量%溶液)、粘着剤(b)90重量部(固形分4
0重量%溶液)に架橋剤としてトリレンジイソシアネー
ト(3モル)とトリメチロールプロパン(1モル)の付
加物の75重量%酢酸エチル溶液2重量部を添加し、ポ
リエステルフィルム(25μ)に塗工して、100℃に
て2分間乾燥させ、粘着層の塗工厚が25μ(dry)
の本発明の第1の遮光フィルムを製造した。
【0055】実施例2 (d) 非粘着性紫外線吸収共重合体の製造 撹拌機付きフラスコに酢酸エチル175重量部を入れて
撹拌しながら昇温し、78℃に加熱する。次に、重合開
始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)
0.1重量部、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(メタ
クリロイルオキシ)フェニル]−5−クロロベンゾトリ
アゾール145部、n−ブチルアクリレート100重量
部、メチルメタクリレート40重量部、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート10重量部を均一に溶解し約2時間
要して滴下し反応させる。更に、酢酸エチル2重量部に
AIBN0.02重量部を溶解させた溶液をモノマー滴
下終了後、2時間目及び4時間目に仕込んで、78℃に
て8時間反応を行い非粘着性紫外線吸収共重合体を得
た。希釈溶剤として酢酸エチルを加えて、樹脂分40
%、粘度6000cpsの非粘着性紫外線吸収共重合体
溶液を得た。
【0056】(e) 遮光フィルムの製造 非粘着性紫外線吸収共重合体(d)10重量部(固形分
40重量%溶液)、実施例1の(b)で製造した粘着剤
90重量部(固形分40重量%溶液)に架橋剤としてト
リレンジイソシアネート(3モル)とトリメチロールプ
ロパン(1モル)の付加物の75重量%酢酸エチル溶液
2.0重量部を添加し、ポリエステルフィルム(25
μ)に塗工して、100℃にて2分間乾燥させ、粘着層
の塗工厚が25μ(dry)の本発明の第1の遮光フィ
ルムを製造した。
【0057】実施例3 (f) 粘着剤の製造 撹拌機付きフラスコに酢酸エチル175重量部を入れて
撹拌しながら昇温し、78℃に加熱する。次に、重合開
始剤としてAIBN0.1重量部、2−エチルヘキシル
アクリレート210重量部、酢酸ビニル70重量部、2
−ヒドロキシエチルアクリレート7重量部、アクリル酸
1重量部を均一に溶解し約2時間要して滴下し反応させ
る。次に、酢酸エチル2重量部にAIBN0.02重量
部を溶解させた溶液をモノマー滴下終了後、2時間目及
び4時間目に仕込んで、78℃にて8時間反応を行い共
重合体からなる粘着剤を得た。希釈溶剤としてトルエン
を加えて、樹脂分40%、粘度4500cpsの粘着剤
溶液を得た。
【0058】(g) 遮光フィルムの製造 実施例1の(a)で製造した非粘着性紫外線吸収共重合
体10重量部(固形分40重量%溶液)、粘着剤(f)
90重量部(固形分40重量%溶液)に架橋剤としてト
リレンジイソシアネート(3モル)とトリメチロールプ
ロパン(1モル)の付加物の75重量%酢酸エチル溶液
2.0重量部を添加し、ポリエステルフィルム(25
μ)に塗工して、100℃にて2分間乾燥させ、粘着層
の塗工厚が25μ(dry)の本発明の第1の遮光フィ
ルムを製造した。
【0059】実施例4 (h) 粘着性紫外線吸収共重合体の製造 撹拌機付きフラスコに酢酸エチル175重量部を入れて
撹拌しながら昇温し、78℃に加熱する。次に、重合開
始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)
0.1重量部、n−ブチルアクリレート210重量部、
酢酸ビニル70重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート7重量部、アクリル酸7重量部、2−ヒドロキシ−
4−アクリロイルオキシベンゾフェノン15.5重量部
を均一に溶解し約2時間要して滴下し反応させる。次
に、酢酸エチル2重量部にAIBN0.02重量部を溶
解させた溶液をモノマー滴下終了後、2時間目及び4時
間目に仕込んで、78℃にて8時間反応を行い粘着性紫
外線吸収共重合体を得た。希釈溶剤としてトルエンを加
えて、樹脂分40%、粘度6500cpsの粘着性紫外
線吸収共重合体溶液を得た。
【0060】(i) 遮光フィルムの製造 粘着性紫外線吸収共重合体(h)100重量部(固形分
40重量%溶液)、に架橋剤としてトリレンジイソシア
ネート(3モル)とトリメチロールプロパン(1モル)
の付加物の75重量%酢酸エチル溶液2.0重量部を添
加し、ポリエステルフィルム(25μm)に塗工して、
100℃にて2分間乾燥させ、粘着層の塗工厚が25μ
m(dry)の本発明の第2の遮光フィルムを製造し
た。
【0061】実施例5 (j) 粘着性紫外線吸収共重合体の製造 撹拌機付きフラスコに酢酸エチル175重量部を入れて
撹拌しながら昇温し、78℃に加熱する。次に、重合開
始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)
0.1重量部、n−ブチルアクリレート210重量部、
酢酸ビニル70重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート7重量部、アクリル酸7重量部、2−[2′−ヒド
ロキシ−5′−(メタクリロイルオキシ)フェニル]ベ
ンゾトリアゾール15.5重量部を均一に溶解し約2時
間要して滴下し反応させる。更に、酢酸エチル2重量部
にAIBN0.02重量部を溶解させた溶液をモノマー
滴下終了後、2時間目及び4時間目に仕込んで、78℃
にて8時間反応を行い粘着性紫外線吸収共重合体を得
た。希釈溶剤としてトルエンを加えて、樹脂分40%、
粘度6500cpsの粘着性紫外線吸収共重合体溶液を
得た。
【0062】(k) 遮光フィルムの製造 粘着性紫外線吸収共重合体(j)100重量部(固形分
40重量%溶液)、に架橋剤としてトリレンジイソシア
ネート(3モル)とトリメチロールプロパン(1モル)
の付加物の75重量%酢酸エチル溶液2.0重量部を添
加し、ポリエステルフィルム(25μm)に塗工して、
100℃にて2分間乾燥させ、粘着層の塗工厚が25μ
m(dry)の本発明の第2の遮光フィルムを製造し
た。
【0063】実施例6 (l) 粘着性紫外線吸収共重合体の製造 撹拌機付きフラスコに酢酸エチル175重量部を入れて
撹拌しながら昇温し、78℃に加熱する。次に、重合開
始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)
0.1重量部、2−エチルヘキシルアクリレート210
重量部、酢酸ビニル70重量部、2−ヒドロキシエチル
アクリレート7重量部、アクリル酸1重量部、2−ヒド
ロキシ−4−(2−メチル−アクリロイルオキシ)エト
キシベンゾフェノン15.5重量部を均一に溶解し約2
時間要して滴下し反応させる。更に、酢酸エチル2重量
部にAIBN0.02重量部を溶解させた溶液をモノマ
ー滴下終了後、2時間目及び4時間目に仕込んで、78
℃にて8時間反応を行い粘着性紫外線吸収共重合体を得
た。希釈溶剤としてトルエンを加えて、樹脂分40%、
粘度4500cpsの粘着性紫外線吸収共重合体溶液を
得た。
【0064】(m) 遮光フィルムの製造 粘着性紫外線吸収共重合体(l)100重量部(固形分
40重量%溶液)、に架橋剤としてトリレンジイソシア
ネート(3モル)とトリメチロールプロパン(1モル)
の付加物の75重量%酢酸エチル溶液2.0重量部を添
加し、ポリエステルフィルム(25μm)に塗工して、
100℃にて、2分間乾燥させ、粘着層の塗工厚が25
μm(dry)の本発明の第2の遮光フィルムを製造し
た。
【0065】実施例7 (n) 紫外線吸収性能を有したポリエステルフィルム
の製造 実施例1の(a)で製造した非粘着性紫外線吸収共重合
体溶液(固形分40重量%溶液)をポリエステルフィル
ム(25μm)に塗工して、100℃にて2分間乾燥さ
せ、紫外線吸収層の塗工厚が2μm(dry)の紫外線
吸収性能を有したポリエステルフィルムを製造した。
【0066】(o) 遮光フィルムの製造 実施例1の(b)で製造した粘着剤溶液(固形分40重
量%溶液)に架橋剤としてトリレンジイソシアネート
(3モル)とトリメチロールプロパン(1モル)の付加
物の75重量%酢酸エチル溶液2.0重量部を添加し、
(n)で製造した紫外線吸収性能を有したポリエステル
フィルム(27μm)の紫外線吸収層上に塗工して、1
00℃にて、2分間乾燥させ、粘着層の塗工厚が23μ
m(dry)の本発明の第3の遮光フィルムを製造し
た。
【0067】実施例8 (p) 紫外線吸収性能を有したポリエステルフィルム
の製造 実施例2の(d)で製造した非粘着性紫外線吸収共重合
体溶液(固形分40重量%溶液)をポリエステルフィル
ム(25μm)に塗工して、100℃にて2分間乾燥さ
せ、紫外線吸収層の塗工厚が2μm(dry)の紫外線
吸収性能を有したポリエステルフィルムを製造した。
【0068】(q) 遮光フィルムの製造 実施例1の(b)で製造した粘着剤溶液(固形分40重
量%溶液)に架橋剤としてトリレンジイソシアネート
(3モル)とトリメチロールプロパン(1モル)の付加
物の75重量%酢酸エチル溶液2.0重量部を添加し、
(p)で製造した紫外線吸収性能を有したポリエステル
フィルム(27μm)の紫外線吸収層上に塗工して、1
00℃にて、2分間乾燥させ、粘着層の塗工厚が23μ
m(dry)の本発明の第3の遮光フィルムを製造し
た。
【0069】実施例9 (r) 紫外線吸収性能を有したポリエステルフィルム
の製造 実施例1の(a)で製造した非粘着性紫外線吸収共重合
体溶液(固形分40重量%溶液)をポリエステルフィル
ム(25μm)に塗工して、100℃にて2分間乾燥さ
せ、紫外線吸収層の塗工厚が2μm(dry)の紫外線
吸収性能を有したポリエステルフィルムを製造した。
【0070】(s) 遮光フィルムの製造 実施例3の(f)で製造した粘着剤溶液(固形分40重
量%溶液)に架橋剤としてトリレンジイソシアネート
(3モル)とトリメチロールプロパン(1モル)の付加
物の75重量%酢酸エチル溶液2.0重量部を添加し、
(r)にて製造した紫外線吸収性能を有したポリエステ
ルフィルム(27μm)の紫外線吸収層上に塗工して、
100℃にて、2分間乾燥させ、粘着層の塗工厚が23
μm(dry)の本発明の第3の遮光フィルムを製造し
た。
【0071】比較例1 実施例1で製造した粘着剤(b)97重量部(固形分4
0重量%溶液)、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
3重量部に架橋剤としてトリレンジイソシアネート(3
モル)とトリメチロールプロパン(1モル)の付加物の
75重量%酢酸エチル溶液2.0重量部を添加し、ポリ
エステルフィルム(25μm)に塗工して、100℃に
て、2分間乾燥させ、粘着層の塗工厚が25μm(dr
y)の遮光フィルムを製造した。
【0072】比較例2 実施例1で製造した粘着剤(b)97重量部(固形分4
0重量%溶液)、有機顔料3重量部に架橋剤としてトリ
レンジイソシアネート(3モル)とトリメチロールプロ
パン(1モル)の付加物の75重量%酢酸エチル溶液、
2.0重量部を添加し、ポリエステルフィルム(25μ
m)に塗工して、100℃にて2分間乾燥させ、粘着層
の塗工厚が25μm(dry)の遮光フィルムを製造し
た。
【0073】比較例3 実施例1で製造した粘着剤(b)100重量部(固形分
40重量%溶液)に架橋剤としてトリレンジイソシアネ
ート(3モル)とトリメチロールプロパン(1モル)の
付加物の75重量%酢酸エチル溶液2.0重量部を添加
し、ポリエステルフィルム(25μm)に塗工して、1
00℃にて、2分間乾燥させ、粘着層の塗工厚が25μ
m(dry)の遮光フィルムを製造した。
【0074】光透過性試験 実施例1〜9、比較例1〜3において、得られたフィル
ムについて、500nmにおける光透過率を分光光度計
U−3200((株)日立製作所製)を用いて測定し
た。
【0075】試験結果を表1に示す。実施例1〜9及び
比較例1の紫外線吸収剤を使用した遮光フィルム及び比
較例3のフィルムは可視光線をよく透過させるが、有機
原料を使用した比較例2の遮光フィルムは可視光線を遮
蔽してしまい、透明性に欠ける。
【0076】光透過性および遮光性試験 実施例1〜9および比較例1〜3において得られたフィ
ルムについて、室外試験場(兵庫県小野市小田町、南向
き、45度の角度)に展張し(展張日:平成元年8月8
日)、定期的にサンプリングし、すなわち、被着体であ
るガラスより実施例1〜9および比較例1〜3のフィル
ムを剥離し、剥離したフィルムの遮光性(紫外線遮断
性)および光透過性(可視光透過性)を分光光度計
((株)日立製作所製U−3200)で測定した。遮光
性は波長350nmでの光透過率で測定し、光透過性は
波長500nmの光透過率で測定した。
【0077】試験結果を表2および表3に示す。低分子
紫外線吸収剤を配合した比較例1で製造した遮光フィル
ムは、試験当初は良好な紫外線吸収率を示すが、経過月
数の増加に従って、低分子紫外線吸収剤が粘着剤よりブ
リードアウトし紫外線透過率が増加する(紫外線吸収率
が低下する)。然るに、非粘着性紫外線吸収共重合体を
配合した実施例1〜3の遮光フィルム、粘着性紫外線吸
収共重合体を塗工した実施例4〜6の遮光フィルム及び
非粘着性紫外線吸収共重合体をポリエステルフィルムに
塗布した実施例7〜9の遮光フィルムは、経過月数が増
加しても、ブリードアウトしないため、紫外線透過率の
増加(紫外線吸収率の低下)も認められず、紫外線吸収
性、遮光持続性に優れていることが解る。有機顔料を配
合した比較例2の遮光フィルムは、可視光線を遮蔽する
ため、透明性にかけ尚かつ、結過月数の増加に従い、粘
着剤よりブリードアウトし比較例1同様に遮蔽率が低下
する。然るに、非粘着性紫外線吸収共重合体を配合した
実施例1〜3の遮光フィルム、粘着性紫外線吸収共重合
体を塗工した実施例4〜6の遮光フィルム及び非粘着性
紫外線吸収共重合体をポリエステルフィルムに塗布した
実施例7〜9の遮光フィルムは、経過月数が増加して
も、紫外線透過率の変化が認められず、透明性、紫外線
吸収性、遮光持続性に優れていることが解る。
【0078】
【表1】表1:光透過性試験 500nm透過率(%T) 実 施 例 比 較 例 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 2 3 89.7 89.5 90.1 90.2 90.2 89.9 90.1 90.0 90.0 90.1 11.5 90.1
【0079】
【表2】表2:遮光性(経時) 350nm透過率(%T) 実 施 例 比 較 例 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 2 3 経過月数 0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 11.4 79.8 6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 3.5 12.5 80.4 12 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 10.0 15.9 80.4 18 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 15.4 19.6 80.9 24 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 22.4 22.3 81.5 30 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 33.9 25.5 79.8 36 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 35.5 30.1 79.9
【0080】
【表3】表3:光透過性(経時) 500nm透過率(%T) 実 施 例 比 較 例 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 2 3 経過月数 0 89.7 89.5 90.1 90.2 90.2 89.9 90.1 90.0 90.0 90.1 11.5 90.1 6 89.9 89.6 89.9 89.7 89.9 90.1 90.0 90.1 89.9 89.9 12.6 89.9 12 90.4 89.7 90.1 89.4 90.1 89.7 90.1 89.9 90.1 89.1 15.8 89.8 18 89.4 90.1 90.2 89.7 89.9 90.1 89.9 90.2 90.0 89.2 19.5 90.0 24 89.1 90.2 89.9 89.6 89.9 90.1 90.1 90.0 89.9 89.5 22.1 90.1 30 89.9 90.4 89.7 89.7 89.7 90.2 90.0 90.0 89.8 89.2 25.0 89.8 36 90.1 90.1 90.1 89.9 89.6 89.9 90.0 89.9 89.9 89.5 30.0 89.9
【0081】被着体への汚染性 実施例1〜9および比較例1〜3において得られたフィ
ルムについて、ガラス板に貼り付け、室外試験場(兵庫
県小野市小田町、南向き、45度の角度)に遮光フィル
ム面を上面に展張し(展張日:平成元年8月8日)、定
期的にサンプリングして遮光フィルムを剥がし、ガラス
板に対する汚染を目視にて観察した。
【0082】試験結果を表4に示す。低分子紫外線吸収
剤を配合した比較例1で製造した遮光フィルム及び有機
顔料を配合した比較例2で製造した遮光フィルムは、試
験当初はガラス板に対する汚染は発生しないが、経過月
数の増加に従って、ガラス板に対する汚染が発生して行
く。然るに、非粘着性紫外線吸収共重合体を配合した実
施例1〜3の遮光フィルム、粘着性紫外線吸収共重合体
を塗工した実施例4〜6の遮光フィルム及び非粘着性紫
外線吸収共重合体をポリエステルフィルムに塗布した実
施例7〜9の遮光フィルムは、経過月数が増加したも、
ガラス板に対する汚染の発生が認められず、紫外線吸収
共重合体等のブリードアウトがないことが解る。
【0083】
【表4】表4:ガラスに対する汚染 実 施 例 比 較 例 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 2 3 経過月数 0 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 6 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ ○ 12 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ × ○ 18 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × × ○ 24 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × × ○ 30 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × × ○ 36 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × × ○ ○:ガラス板に曇りなし △:ガラス板に若干の曇り発生 ×:ガラス板に曇り発生
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/00 Z G02B 5/22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性のフィルム基材上に粘着層を形成
    した遮光フィルムにおいて、 粘着層が、粘着性高分子(A)と、下記の化1の一般式
    (I)および/または化2の一般式(II)から選ばれる
    少なくとも一種の紫外線吸収性モノマーと、該モノマー
    と共重合可能な重合性ビニル化合物とを重合して得られ
    る紫外線吸収共重合体(B)との混合物からなることを
    特徴とする遮光フィルム。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 透光性のフィルム基材上に粘着層を形成
    した遮光フィルムにおいて、 粘着層が下記の化3の一般式(I)および/または化4
    の一般式(II)から選ばれる少なくとも一種の紫外線吸
    収性モノマーと、該モノマーと共重合可能な重合性ビニ
    ル化合物とを重合して得られる粘着性紫外線吸収共重合
    体からなることを特徴とする遮光フィルム。 【化3】 【化4】
  3. 【請求項3】 透光性のフィルム基材上に粘着層を形成
    した遮光フィルムにおいて、 下記の化5の一般式(I)および/または化6の一般式
    (II)から選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収性モノ
    マーと、該モノマーと共重合可能な重合性ビニル化合物
    とを重合して得られる紫外線吸収共重合体からなる紫外
    線吸収層を介して、フィルム基材上に粘着層が形成され
    ていることを特徴とする遮光フィルム。 【化5】 【化6】
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