JP5277425B2 - 光学部材用プロテクトフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、液晶素子などの光学部材を保護するために使用されるプロテクトフィルムに関する。さらに詳しくは本発明は、液晶素子などの光学部材を保護するプロテクトフィルムであり、帯電防止性に優れるとともに透明性などの特性に優れたプロテクトフィルムに関する。
昨今では、CRTなどに代わって、液晶表示装置、プラズマディスプレイなどの薄型の表示装置が、広汎に使用されるようになってきている。
こうした薄型の表示装置は、その断面を見ると、種々の機能を有する薄膜の多重積層構造を有している。このような各種機能を有する種々の機能を有する薄膜の多層構造を有する表示装置の表面には、その製造工程における損傷を防止するために保護フィルムが貼着されている。
同時に、こうして製造される表示装置は、その製造工程において帯電し易いので、このようにして帯電した表示装置に蓄積された静電気を除去する必要がある。
従来、薄型の表示装置には、装置の保護および静電気が蓄積されないように、その表面にプロテクトフィルムが貼着されていた。
このプロテクトフィルムは、透明フィルムの一方の面に導電性物質を含有する粘着剤層を敷設した構成を有している。ここで導電性物質としては、透明性を考慮して、多くの場合、イオン性を有する界面活性剤型の導電性物質が使用されている。しかしながら、こう押した界面活性剤型の導電性物質は、粘着剤層の基材となる粘着剤中に溶解しているわけではなく、微細に分散された形態で存在しているので、経時的にこの導電性物質が粘着剤層の表面にブリードして、被着体である表示装置を汚染することがあった。また、このような導電性物質の移動に伴って、その帯電特性も経時的に変動することがある。例えば、特許文献1(特開2007-297446号公報)には、「異なる量の反応性水酸基を有
するアクリル系共重合体の混合物であってSP値が8.80〜9.00であるアクリル系共重合体混合物(A)、イソシアネート化合物(B)およびメチルエチルケトン(MEK
)に可溶で分子内に2個もしくは3個有する4級アンモニウム塩(C)を含むアクリル系感圧接着剤。」の発明が開示されている。しかしながら、特許文献1の段落〔0016〕に記載されているように、特許文献1に記載の感圧接着剤は、水酸基とイソシアネート化合物とによって形成された架橋構造物から帯電防止成分がブリードすることにより、帯電防止性を発現させているのである。このように帯電防止成分をブリードさせることにより、この感圧接着剤に帯電防止性能を付与することができるが、ブリードした帯電防止成分に微細な埃などが付着することがあり、表示装置の汚染に繋がる虞がある。
ところで、帯電防止成分がブリードすることによる問題に関しては、特許文献2(特開平9-111129号公報)の請求項1に記載の「(A)可撓性ポリマー99.5〜50
重量部と、(B)以下の特定の一般式(I)で表わされるα−オレフィン構造単位および/または下記の特定の一般式(II)で表わされる(メタ)アクリレート構造単位10〜
65モル%と、特定の一般式で表わされる(III),(IV),(V),(VI),(VII)および(VIII)で表わされる群から選ばれた1種類の第4級カチオン塩構造単位90〜35モル%とからなる重量平均分子量1000〜300000の第4級カチオン基含有重合体0.5〜50重量部と、(C)重量平均分子量が500〜1,000,000のポリエチレングリコール0〜20重量部とからなることを特徴とする熱可塑性ポリマー組成物。」の発明において、第4級カチオン基を含有するモノマーが特定の(メタ)ア
クリル構造単位(II)と結合して熱可塑性ポリマー組成物中に含有させることにより防止することができると記載されている。
この特許文献2において、第4級カチオン塩構造単位と特定の一般式(II)で表わされる(メタ)アクリレート構造単位との共重合体は、熱可塑性ポリマー(A)中に配合されているが、この第4級カチオン塩構造を有する共重合体は、熱可塑性ポリマー(A)のようなベースポリマーに対して大変相溶性が悪い。このため特許文献2の段落〔0069〕には、使用する熱可塑性ポリマーの種類によって、使用する第4級カチオン塩含有重合体を選択することが記載されており、例として、熱可塑性ポリマーがスチレン系樹脂の場合には、スチレン構造単位を有する第4級カチオン塩含有重合体を使用することが好ましいと記載されている。すなわち、特許文献2には、アクリル系ポリマーのような熱可塑性樹脂に、帯電防止剤としてアンモニウムポリマーを添加することができることが記載されており、このときに用いる熱可塑性樹脂とアンモニウムポリマーとの関連に関しては、両者が同様のポリマー種であることが好ましいことが開示されているに過ぎない。
この特許文献2に記載されているように熱可塑性樹脂とアンモニウムポリマーとを同様のポリマー種にすることにより、すなわち例えば両者をアクリル系ポリマーあるいはスチレン系ポリマーとすることにより、両者のポリマー相互の溶解性は改善されるものの、依然としてベースポリマーである熱可塑性樹脂に対するアンモニウムポリマーの溶解度は良好であるとは謂えず、熱硬化性樹脂中にアンモニウムポリマーを均一に溶解させることはできない。
このために特許文献2により得られた樹脂組成物においては、透明性が低下することがあり、さらに、帯電防止性能が一定しないといった問題がある。
特開2007-297446号公報 特開平9-111129号公報
本発明は、優れた帯電防止性能を有するとともに、透明性が高く、しかも汚染されにくい電子部品用プロテクトフィルムを提供することを目的としている。
本発明の光学部材用プロテクトフィルムは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、これと共重合可能な官能基含有モノマーとが共重合してなるアクリル系ポリマー(A):100重量部に対して、ジメチルアミノエチルアクリレートおよび/またはジメチルアミノエチルメタクリレートを用いて得られる三級アミンを有するアクリル系ポリマーを、アルキル基の総炭素数が2個以上の四級化剤である硫酸ジメチルおよび/または硫酸ジエチルを用いて四級化して得られる側鎖に四級アンモニウム基を有する重量平均分子量500〜3000のアクリル系ポリマー(B):2〜10重量部からなる粘着剤層が、基材フィルムに積層されてなり、
上記アクリル系ポリマー(B)は、
側鎖に四級アンモニウム基を有する繰り返し単位を、アクリル系ポリマー(B)全体の7〜30重量%含有しており、かつ該アリル系ポリマー(B)を構成する全モノマー中に、アクリル系ポリマー(A)に共重合しているアクリル酸アルキルエステルと同一のアクリル酸アルキルエステルを一種類以上と、官能基含有モノマーと同一の官能基含有モノマーを一種類以上を合計で70〜90重量%の割合で共重合させた共重合体であることを特徴している。
このように本発明の光学部材用プロテクトフィルムは、アンモニウム基を含有するアクリル系ポリマー(B)の基本骨格を形成するポリマー骨格が、基材となるアクリル系ポリマー(A)の組成と同一であることから、アンモニウム基を含有するアクリル系ポリマー(B)が基材となるアクリル系ポリマー(A)に対して非常に良好な溶解性を示す。この
アンモニウム基を含有するアクリル系ポリマー(B)を含有するアクリル系ポリマー(A)は、光学部材用プロテクトフィルムの粘着剤層を形成するものであり、アンモニウム基を含有するアクリル系ポリマー(B)がアクリル系ポリマー(A)に良好に分散するので、本発明の光学部材用プロテクトフィルムは、帯電防止性能に偏在がなく、具体的には、フィルム全体で剥離帯電圧が0.0Vである。このように本発明の光学部材用プロテクトフィルムは、優れた帯電防止性能を有するために、静電気によって周囲の粉塵を引き寄せることがなく、また、この粘着剤層のガラス転移温度をある程度高く設定することが可能であるので、本発明の光学部材用プロテクトフィルムあるいは被着体である表示装置が周囲の粉塵などによって汚染されにくい。粘着防止剤の透明性が高く、本発明の光学用プロテクトフィルムは、良好な透明性を有している。
本発明の光学部材用プロテクトフィルムは、上述のように、帯電防止に深く関与するする四級アンモニウム基を含有するアクリル系ポリマー(B)を構成するアンモニウム基を有する構成単位以外の基本骨格が、粘着剤の主剤をアクリル系ポリマー(A)の基本骨格とほぼ同一の構成を有している。このためにアクリル系ポリマー(B)の主骨格は、粘着剤の主剤であるアクリル系ポリマー(A)の主骨格を構成する成分単位と同一の成分単位で構成されているので、アクリル系ポリマー(A)とアクリル系ポリマー(B)の主骨格がほぼ同一になり、この両者は極めて高い相溶性を示す。すなわち主骨格の部分でアクリル系ポリマー(A)とアクリル系ポリマー(B)とを峻別することが極めて困難になる。その結果、アクリル系ポリマー(B)の側鎖に四級アンモニウム基が導入されていても、主鎖の部分の構成を同一にするアクリル系ポリマー(A)とアクリル系ポリマー(B)とを混合すると均一性の極めて高い粘着剤組成物が形成される。
そして、このアクリル系ポリマー(A)とアクリル系ポリマー(B)とからなる組成物は、帯電を防止するためのアンモニウム基が全体に均一に分布しており、非常に優れた帯電防止性能を有する。さらに、この帯電防止作用によってフィルムが帯電することがないので、粉塵などによりこのフィルムあるいは表示装置が汚染されることもない。
また、アクリル系ポリマー(A)とアクリル系ポリマー(B)との相溶性がよいので、光学部材用プロテクトフィルムの接着剤層も透明になるので、フィルム全体の透明性が損なわれることがない。
次に本発明の光学部材用プロテクトフィルムについて、具体的に説明する。
本発明の光学部材用プロテクトフィルムは、少なくとも、基材フィルムに粘着剤層が積層された構造を有する積層体である。
ここで使用される基材フィルムは、光透過性であって、光学部材を保護するとの機能を有することから、通常は透明樹脂フィルムが使用される。このような透明樹脂フィルムの例としては、(メタ)アクリル系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートのようなポリアルキレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、および、α-オレフ
ィン(共)重合体フィルムなどを挙げることができる。
このような基材フィルムの厚さは、保護しようとする光学部材に対応させて適宜設定することができるが、通常は10〜150μm、好ましくは20〜40μmの範囲以内にあ
る。上記厚さの下限を下回るフィルムは、充分な強度を有しているとは言い難く光学部材をプロテクトするという本発明の目的には適していない。また、フィルムの上限値は、光学部材をプロテクトするという点からすれば特に設定する必要はないが、上記範囲を超えるフィルムは、充分な可撓性を有していないことが多く、保護しようとする光学部材の形
状の変化に追随することができないことがある。
なお、本発明の光学部品用プロテクトフィルムは、通常は無色透明であるが、光学部材用プロテクトフィルムを光学部材に一時的に貼着して保護し、実際にこの光学部材を使用する際には、このプロテクトフィルムを剥離して使用するような場合のように、プロテクトフィルムの存在を明らかにする必要がある用途においては、この基材フィルムとして着色フィルムを使用することができ、このような場合には、基材フィルムの可視光線透過率は上述の範囲よりも低くなることもある。
本発明の光学部品用プロテクトフィルムは、上記のような基材フィルムの少なくとも一方の面、通常は一方の面に、アクリル系ポリマー(A)と、側鎖に特定のアンモニウム基を有するアクリル系ポリマー(B)とからなる粘着剤層が形成されている。
アクリル系ポリマー(A)は、一般に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、水酸基、カルボキシル基などの官能基を有する重合性単量体とから形成されている。
ここで使用する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、炭素数が通常は1〜18、好ましくは1〜8のアルキル基を有する。このアルキル基は、直鎖状であっても分岐を有していてもよい。
このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキ
シル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレー
ト、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、および、スチリル(メタ)アクリレートなどの直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート;
iso-プロピル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリ
レート、および、t-ブチル(メタ)アクリレートなどの分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
イソボルニル(メタ)アクリレート、および、シクロへキシル(メタ)アクリレートなどの環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどを挙げることができる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
上記のような(メタ)アクリル系モノマーとともに本発明で使用する官能基含有モノマーであるアクリル系ポリマー(A)を形成する水酸基含有モノマーの例としては、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-4-ヒドロキシジブチル、(メタ)アクリル酸とポリプロピレングリコール
またはポリエチレングリコールとのモノエステル、および、ラクトン類と(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチルとの付加物のようなヒドロキシル基含有ビニル化合物を挙げる
ことができる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
さらに、上記のような(メタ)アクリル系モノマーとともに本発明で使用する官能基含有モノマーであるアクリル系ポリマーを形成するカルボキシル基含有ポリマーの例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、および、フマル酸を挙げることができる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
上記のようなアクリル系ポリマー(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと官能基を有する重合性単量体との合計の共重合量を100重量部としたときに、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合量が通常は60〜99重量部、好ましくは70〜98重量部の範囲内になるように共重合させる。従って、このアクリル系ポリマー(A)中に
共重合している官能基を有する重合性単量体の重合量は通常は40〜0.1重量部、好ましくは30〜2重量部である。
また、官能基を有する重合性単量体として、水酸基含有重合性単量体とカルボキシル基含有重合性単量体とを使用する場合、水酸基含有重合性単量体とカルボキシル基含有重合性単量体とは、重量比で、通常は70:30〜99.5:0.5の範囲内の量、好ましくは90:10〜99:1の範囲内の比率で使用する。
なお、本発明で使用されるアクリル系ポリマー(A)は、基本的には、上記のようなモノマーの共重合体であるが、上記のアクリル系ポリマー(A)の特性を損なわない範囲内で、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの一部、具体的には(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量の通常は40重量%以下、好適には30重量%以下を他のモノマーで置き換えてもよい。このようにアクリル系ポリマー(A)の代わりに使用することができる他のモノマーの例としては、エトキシジエチレングリコールアクリレートのようなアルキレングリコールアルコキシアルキルアクリレート;ならびに、メトキシアクリレート、および、、エトキシアクリレートのようなアルコキシアクリレートを挙げることができる。本発明で使用するアクリル系ポリマー(A)に上記のような化合物に由来する成分単位が上記記載の範囲内の量で共重合してもアクリル系ポリマー(A)の特性に顕著な変動はなく、ここで使用されているアクリル系ポリマー(A)を構成する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと同等のものと看做すことができる。
上記のような構成を有するアクリル系ポリマー(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した重量平均分子量は、通常は、10万〜200万の範囲内、好ましくは20万〜150万の範囲内にある。また、このアクリル系ポリマー(A)のガラス転移温度(Tg)は、通常は−70〜+30℃未満の範囲内、好ましくは−70〜0℃の範囲内にある。
上記のようなアクリル系ポリマー(A)は、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法、シード重合法などの方法により製造することが可能であるが、本発明では特に溶液重合法により製造することが好ましい。
このアクリル系ポリマー(A)を溶液重合法により製造する場合、一般には、少なくとも攪拌装置、還流装置と、内部の空気を不活性ガスに置換可能な密閉手段とを備えた反応容器を用い、この反応容器内の空気を窒素ガスなどの不活性ガスで置換した後、この反応容器内に充填した反応溶媒に反応成分を加えて、加熱下に攪拌する。次いで、攪拌を続けながらこの反応液に重合開始剤を少量づつ加えて所定の温度で反応を行う。上記のような反応は、通常は、発熱反応であり、重合開始剤を加えて反応が進行するとともに反応溶液の温度も高くなるので、反応温度が一定になるように、冷却あるいは加熱する。また、得られる樹脂の重量平均分子量は、反応温度により異なるので、得ようとする樹脂の重量平均分子量は、使用する反応溶媒の沸点によって異なることが多い。
本発明において、このアクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は、上述のように通常は10万〜200万、好ましくは20万〜150万の範囲内にあり、アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量を上記のような範囲内にするためには、沸点が40〜120℃の範囲内にある有機溶媒を使用することが好ましい。
このような有機溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、N−プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、テトラリン、デカリンおよび芳香族ナフサなどの芳香族炭化水素類;
N−ヘキサン、N−ヘプタン、N−オクタン、i−オクタン、N−デカ ン、ジペンテ
ン、石油スピリット、石油ナフサおよびテレピン油などの脂肪系もしくは脂環族系炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸N−ブチル、酢酸N−アミル、酢酸2−ヒドロキシエチル、酢酸2−ブトキシエチル、酢酸3−メトキシブチルおよび安息香酸メチルなどのエステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンなどのケトン類;
エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、エチレングリコ−ルモノエチルエ−テル、エチレングリコ−ルモノブチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルモノエチルエ−テルおよびジエチレングリコ−ルモノブチルエ−テルなどのグリコ−ルエ−テル類;
メチルアルコール、エチルアルコール、N−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、N−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、s−ブチルアルコールおよびt−ブチルアルコールなどのアルコ−ル類などを挙げることができる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
これらの反応溶媒の中でも、アクリル系ポリマー(A)を製造するためには、重合反応中に連鎖移動を生じにくい有機溶媒、例えば、エステル類、ケトン類を使用することが好ましく、特に、アクリル系ポリマー(A)の溶解性、重合反応の容易さなどの点から、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトンなどの使用が好ましい。
このような反応溶媒の使用量は、得られるアクリル系ポリマー(A)を溶解もしくは分散する溶液もしくは分散液の粘度を考慮して適宜設定することができるが、通常は、得られるアクリル系ポリマー(A)の固形分100重量部に対して30〜300重量部の範囲内にすることにより、均一に攪拌を行うことができる。
また、上記のアクリル系ポリマー(A)の調製の際に用いられる重合開始剤としては、有機過酸化物、アゾ化合物など、通常の溶液重合法で使用される重合開始剤を使用することができる。
このような重合開始剤の具体的な例としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、カプロイルパーオキシド、ジ−i−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシル−パーオキシジカーボネート、t−ブチルパ−オキシビバレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルパ−オキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−α−クミルパ −オキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ
−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)ブタンおよび2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルパーオキシシクロヘキシル)ブタンなどの有機過酸化物;
2,2'−アゾビス−i−ブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルおよび2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル
などのアゾ化合物を挙げることができる。
このような重合開始剤は、使用するモノマー成分の合計100重量部に対して、通常は0.01〜2.0重量部、好ましくは0.1〜1.0重量部の範囲内の量で使用する。また、これらの重合開始剤は、長時間にわたって添加すると得られるアクリル系ポリマー(A)の均一性が損なわれることがあるので、速やかに添加することが好ましい。この場合、重合開始剤を、好適には、添加しようとする反応系で用いられている反応溶媒に溶解もしくは分散させて重合開始剤の有機溶媒溶液を調製し、この有機溶媒溶液を添加することが好ましい。
本発明ではアクリル系ポリマー(A)の反応温度を、通常は30〜100℃、好ましくは60〜90℃の範囲に設定し、このような条件において反応時間は通常は3〜15時間、好ましくは5〜10時間の範囲内に設定される。
本発明において、このアクリル系ポリマー(A)を製造する際に連鎖移動剤を使用することを必要とするものではないが、必要により連鎖移動剤を使用することもできる。本発明において使用することができる連鎖移動剤の例としては、n-ドデシルメルカプタン、
2-メルカプトエタノールを挙げることができる。このような連鎖移動剤は、反応する成
分に対して通常は0〜1重量部、好ましくは0.01〜0.10重量部の範囲内にある。
たとえば上記のようにして調製されたアクリル系ポリマー(A)は、貧溶媒の添加により生成物を析出させ、これを反応液から分離して使用することもできるが、反応溶媒から分離することなくそのまま次の工程で使用するのが有利である。
本発明の光学部材用プロテクトフィルムは、上記のアクリル系ポリマー(A)と、側鎖に特定の四級アンモニウム基を有するアクリル系ポリマー(B)とからなる。そして、本発明において、(B)成分として使用されるアクリル系ポリマー(B)を構成する成分は、側鎖の四級アミモニウム基を形成する成分単位を除いて、上述のアクリル系ポリマー(A)とほぼ同一の組成を有している。
すなわち、本発明で使用されるアクリル系ポリマー(B)は、側鎖に四級アンモニウム基を有し、重量平均分子量が500〜3000の四級アンモニウム基を有する共重合体であって、このアクリル系ポリマー(B)は、側鎖に四級アンモニウム基を有する繰り返し単位を、アクリル系ポリマー(B)全体の7〜30重量%含有しており、かつアクリル系
ポリマー(B)を構成する全モノマー中に、アクリル系ポリマー(A)に使用されるアク
リル酸アルキルエステルと同一のアクリル酸アルキルエステルを一種類以上と、官能基含有モノマーと同一の官能基含有モノマーを一種類以上とを70〜90重量%の割合で共重合させた重合体である。
本発明において、側鎖に四級アンモニウム基を有するアクリル系ポリマー(B)は、上記アクリル系ポリマー(A)を製造するのと同一のモノマーおよび三級アミン基を導入するためのモノマーを通常の方法、好ましくは溶液重合法により重合させた後、四級化剤を用いて側鎖にある三級アミン基を四級化することにより製造することができる。
このようにアクリル系ポリマー(B)が、前記アクリル系ポリマー(A)とほぼ同一組成のモノマーから誘導された成分単位を有することにより、アクリル系ポリマー(A)に対するアクリル系ポリマー(B)の溶解性が非常に良好になる。さらに、側鎖に四級アンモニウム基を有するアクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量が500〜3000の範囲内、好ましくは800〜2000の範囲内にすることにより、側鎖に四級アンモニウム基を有するアクリル系ポリマー(B)が粘着剤中で移動することがなく、粘着剤層中に安定に存在している。
このようなアクリル系ポリマー(B)を形成する方法としては、4級アンモニウム基を有するモノマーを共重合する方法、三級アミンモノマーを共重合した後、四級化剤を添加する方法がある。本発明では、共重合性が良好であり、製造が容易な点から、三級アミンモノマーを共重合した後、四級化剤を添加する方法が好ましい。
側鎖に三級アミノ基を導入するモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル、および、ジメチルアミノプロパン(メタ)アクリルアミドを挙げること
ができる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
このような三級アミン基含有モノマーの共重合量は、通常は7〜30重量%、好ましくは15〜25重量%の範囲内にある。
また、本発明で使用する四級化剤は、アルキル基の総炭素数が2以上の四級化剤を使用することが好ましく、このような四級化剤の例としては、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸のようなジアルキル硫酸;アルキルベンジルクロライド、ベンジルクロライド、エチルクロライド、プロピルクロライド、ブチルクロライド、エチルブロマイド、ブチルブロマイド、エチルアイオダイド、ブチルアイオダイド、α-クロロパラキシレンを挙げることがで
きる。これらの四級化剤は、通常は単独で使用するが、組み合わせて使用することもできる。
こうした四級化剤は、三級アミン基含有モノマーの使用量1モルに対して、通常は0.
5〜2.0モルの範囲内の量、好ましくは0.7〜1.0モルの範囲内の量で使用される。
ここで使用する有機溶媒および重合開始剤は、上述のアクリル系ポリマー(A)の製造の際に用いたものを使用することができるが、アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量が500〜3000、好ましくは800〜2000と、比較的分子量が低いことから、連鎖移動剤を添加して分子量を調整することが好ましい。本発明においてアクリル系ポリマー(B)を製造する際に連鎖移動剤を使用することにより、所望の分子量のポリマーを
製造することができる。本発明で使用することができる連鎖移動剤の例としては、n-ド
デシルメルカプタン、2-メルカプトエタノールを挙げることができる。このような連鎖
移動剤は、反応する成分に対して通常は1〜40重量部、好ましくは20〜30重量部の範囲内の量で使用することができる。
他の条件は上記アクリル系ポリマー(A)の製造条件と同一である。
こうして側鎖に三級アミン基を有する共重合体を形成した後、三級アミン基を四級化する。なお、四級化反応も有機溶媒中で行うので、得られた共重合体を反応液から分離せずにそのまま次の工程に移行させることが好ましい。
この四級化反応に際しては、上記のようにして製造された側鎖に三級アミン基を有する共重合体を有機溶媒に溶解もしくは分散させ、着色を避けるために反応容器内の空気を窒素ガスのような不活性ガスで置換した後、反応液の温度を通常は30〜80℃の範囲内に調整した後、四級化剤を添加する。添加する四級化剤の量によって、生成する四級化アンモニウム基の量は異なるが、残存する三級アミン基(個数)と生成した四級アンモニウム基(個数)との合計の個数に対する生成したアンモニウム基の個数との割合(四級アンモニウム基の数/(三級アミン基数+四級アンモニウム基数)を、通常は0.7〜1.0の範囲内、好ましくは0.8〜1.0の範囲内になるように四級化剤を反応させることにより、大変優れた帯電防止性を発現させることができる。且つ、残存する三級アミンは、後述する架橋剤(C)を添加した際に、反応を促進する効果を有するため、多量の三級アミン基の
残存は好ましくはなく、上述のように残存する三級アミンの量を調整することが望ましい。
このようにして得られた側鎖に四級アンモニウム基を有するアクリル系ポリマー(B)について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した重量平均分子量は、通常は、500〜3000の範囲内、好ましくは800〜2000の範囲内にある。また、このアクリル系ポリマー(A)のガラス転移温度(Tg)は、通常は−70〜+30℃の範囲内、好ましくは−70〜0℃の範囲内にある。
本発明の光学部材用プロテクトフィルムは、上記のようなアクリル系ポリマー(A)とアクリル系ポリマー(B)とからなる。アクリル系ポリマー(B)は、アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、2〜10重量部の範囲内の量で配合されていることが必要であり、さらに2〜8重量部の範囲内の量で配合されていることが好ましい。このような量でアクリル系ポリマー(B)を配合することにより、良好な帯電防止性を発現させることができるとともに、本発明の光学部材用プロテクトフィルムの汚れを防止することができ、さらに、本発明の光学部材用プロテクトフィルムが高い透明性を有するようになる。
本発明の光学部材用プロテクトフィルムは、上述のようにして製造したアクリル系ポリマー(A)と、上記アクリルム系ポリマー(B)とを混合することにより製造することができる。このアクリル系ポリマー(A)および上記アクリル系ポリマー(B)は、溶液重法で製造した場合に、反応溶媒に溶解もしくは分散していることがあるが、本発明では反応溶媒からポリマーを分離することなく、溶液とともに混合することができる。この場合、溶媒の種類が異なっていてもよい。さらに、粘着剤の特性を向上させ、アクリル系ポリマー(B)のブリードを防止するために、架橋剤(C)を添加することができる。
ここで使用される架橋剤としては、イソシアネート架橋剤、エポキシ架橋剤、金属キレート架橋剤を挙げることができる。これらの架橋剤を使用する場合、架橋剤の使用量は、アクリル系ポリマー(A)とアクリル系ポリマー(B)との合計量100重量部に対して、通常は0.5〜10重量部、好ましくは1〜7重量部の範囲内にある。
上記のようにして得られた溶液を用いて、前述の基材フィルムの少なくとも一方の面に粘着剤層を形成することにより、本発明の光学部材用プロテクトフィルムを得ることができる。
粘着剤層は、基材フィルムの表面に直接上記塗布液を塗布して形成することもできるが、通常は、剥離処理をしたカバーフィルムの表面にこの塗布液を塗布し、溶剤を除去した後に、基材フィルムの表面にカバーフィルム表面に形成された粘着剤を転写して粘着剤層とすることができる。このように一旦剥離処理を施したカバーフィルム表面に粘着剤を塗布して形成してから基材フィルムの表面に粘着剤層を転写することにより、均質な粘着剤層を形成することができる。また、粘着剤層を転写した後に、このカバーフィルムを使用直前まで除去しないでおくことにより、粘着剤の表面がカバーフィルムによって保護されており、本発明の光学部材用プロテクトフィルムの粘着剤の表面が汚染されるのを防止することができる。
このようにして形成された光学部材用プロテクトフィルムの粘着剤の厚さは、通常は5〜50μm、好ましくは10〜30μmの範囲内にあり、基材フィルムの厚さが通常は10〜50μm、好ましくは20〜40μmであるから、本発明の光学部材用プロテクトフィルムの合計の厚さは、通常は15〜100μm、好ましくは30〜80μmの範囲内にある。
本発明の光学部材用プロテクトフィルムは、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、SEDディスプレイなどの光学表示装置の表面等にカバーフィルムを剥離して貼着することにより、上記のような光学表示装置の表面を保護することができる。また、このような表示装置だけでなく、こうした表示装置を構成する偏光板、位相差板、液晶セル板、透明電極版等の表示装置を構成する部品の表面に貼着してこれらの光学部品の表面を保護することができる。
次に本発明の光学部材用プロテクトフィルムについて、実施例および比較例を示して詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔製造例〕
〔製造例1・アクリル系ポリマー(A)の製造〕
<アクリル系ポリマー(A-1)の製造>
温度計、攪拌機、コンデンサーを備え、窒素パージした容量1リットルのセパラブルフ
ラスコに360重量部の酢酸エチル(EtAc)を入れ、ここに2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)383.2重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)12.8重量部と、アクリル酸(AA)4重量部とを加えて70℃で攪拌した。
次いで反応開始剤であるアゾビスイソブチルニトリル(AIBN)0.4重量部を4重量部の酢酸エチル(EtAc)に溶解した溶液を速やかに加えて70℃で1時間反応を続けた。
その後、反応開始1時間および2時間後に反応開始剤アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)0.4重量部を4重量部の酢酸エチル(EtAc)に溶解させた溶液を速やかに加えて、
合計で6時間反応を続けた。
6時間経過後、反応液の温度を室温まで戻し、得られたアクリル系ポリマーの反応液を得た。この反応液中におけるアクリル系ポリマーの不揮発分は50%であり、重量平均分子量は70万であった。
また、このアクリル系ポリマー(A-1)のガラス転移温度をFOXの式に従って算定したところ、このアクリル系ポリマー(A-1)のガラス転移温度(Tg)は−68℃であった。
<アクリル系ポリマー(A−2)の製造>
温度計、攪拌機、滴下ロートおよびコンデンサーを備え、窒素パージした容量1リットルのセパラブルフラスコに、500重量部の酢酸エチルを入れ、ここに、2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)280重量部と、エトキシジエレングリコールアクリレート(EDA
)103.2重量部,2-ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)12.8重量部と、アクリル酸(AA)4重量部とを加えて70℃で攪拌した。
次いで、反応開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.4重量部を4重量部の酢酸エチルに溶解させた溶液を分液ロートから速やかに滴下し、70℃の温度で6時間攪拌を続けた。
6時間経過後、反応液の温度を室温にまで戻して、反応生成物の一部を取り出して、GPCにより重量平均分子量を測定したところ、得られたアクリル系ポリマー(A−2)の重量平均分子量(Mw)は80万であった。
また、このアクリル系ポリマー(A−2)のガラス転移温度をFOXの式に従って算定したところ、このアクリル系ポリマー(A−2)のガラス転移温度(Tg)は、−68℃であった。
〔製造例2・アクリル系ポリマー(B)の製造〕
<アクリル系ポリマー(B−1)の製造>
温度計、攪拌機、滴下ロート、コンデンサーを備え、窒素パージした容量1リットルのセパラブルフラスコに121.8重量部のメチルエチルケトン(MEK)を入れ、これに2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)75.8重量部を入れ、さらに、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)20重量部と、連鎖移動剤としてのn−ドデスルメルカプタン(NDM)30重量部とを加えて攪拌した。
次いで反応開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1重量部を1重量部のメチルエチルケトン(MEK)に溶解した溶液を速やかに加え、70℃で1時間反応を続
けた。
その後、反応開始30分後・一時間後・一時間半後に反応開始剤であるアゾビスイソブチルニトリル(AIBN)0.1重量部を1重量部のメチルエチルケトン(MEK)に溶解させた溶液を速やかに加え、反応開始剤添加後2時間後にアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0
.1重量部を1重量部のメチルエチルケトン(MEK)に溶解した溶液および2-ヒドロキシエ
チルアクリレート(2HEA)3.2重量部とアクリル酸(AA)1重量部とを加えて合計6時
間反応を続けた。
6時間経過後、反応液の温度を室温まで戻した。得られた反応液中における三級アミンポリマーの不揮発分は50%、重量平均分子量は1300であった
また、このアクリル系ポリマーのガラス転移温度をFOXの式に従って算定したところ、このアクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、−54℃であった。
温度計、攪拌機、滴下ロートおよびコンデンサーを備え、窒素パージした容量1リットルのセパラブルフラスコに、上記のようにして製造した三級アミンポリマー全量を入れ、40℃で攪拌した。
次いで、滴下ロートに硫酸ジメチル17.6重量部を、17.6重量部をメチルエチルケトン(MEK)17.5重量部に入れ、30分間かけて滴下した。
滴下終了後5時間半反応を維持し、合計6時間反応を続けた。
6時間経過後、反応液を室温まで戻し、得られた四級アンモニウム基を有するアクリル系ポリマー(B-1)を得た。得られた反応液中における不揮発分は50%であった。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして四級アンモニウム基を含有するアクリル系ポリマー(B−1)の重量平均分子量を測定したところ、得られたアクリル系ポリマー(B−1)の重量平均分子量(Mw)は1300であった。
<アクリル系ポリマー(B-2)の製造>
温度計、攪拌機、滴下ロート、コンデンサーを備え、窒素パージした容量1リットルのセパラブルフラスコに121.8重量部のメチルエチルケトン(MEK)を入れ、これに2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)75.8重量部を入れ、さらに、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)20重量部と、連鎖移動剤としてのn−ドデスルメルカプタン(NDM)30重量部とを加えて攪拌した。
次いで反応開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1重量部を1重量部のメチルエチルケトン(MEK)に溶解した溶液を速やかに加え、70℃で1時間反応を続
けた。
その後、反応開始30分後・一時間後・一時間半後に反応開始剤であるアゾビスイソブチルニトリル(AIBN)0.1重量部を1重量部のメチルエチルケトン(MEK)に溶解させた溶液を速やかに加え、反応開始剤添加後2時間後にアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0
.1重量部を1重量部のメチルエチルケトン(MEK)に溶解した溶液および2-ヒドロキシエ
チルアクリレート(2HEA)3.2重量部とアクリル酸(AA)1重量部とを加えて合計6時
間反応を続けた。
6時間経過後、反応液の温度を室温まで戻した。得られた反応液中における三級アミンポリマーの不揮発分は50%、重量平均分子量は1300であった。
また、このアクリル系ポリマーのガラス転移温度をFOXの式に従って算定したところ、このアクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、−54℃であった。
温度計、攪拌機、滴下ロートおよびコンデンサーを備え、窒素パージした容量1リットルのセパラブルフラスコに、上記で合成した三級アミンポリマー全量を入れ、40℃で攪拌した。
次いで、滴下ロートに硫酸ジエチル21.5重量部をメチルエチルケトン(MEK)21.5重量部に溶解した溶液を入れ、30分間かけて滴下した。
滴下終了後、5時間半反応液を継続し、合計6時間反応を続けた。
6時間経過後、反応液の温度を室温に戻した。得られた反応液中における不揮発分は50%であった。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして重量平均分子量を測定したところ、得られた三級アミンポリマーの重量平均分子量(Mw)は1300であり、同様にして算定したガラス転移温度(Tg)は、−54℃であった。
6時間経過後、反応液を室温まで戻し、得られた四級アンモニウム基を有するアクリル系ポリマー(B-2)を得た。得られた反応液中における不揮発分は50%であった。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして四級アンモニウム基を含有するアクリル系ポリマー(B−2)の重量平均分子量を測定したところ、得られたアクリル系ポリマー(B−2)の重量平均分子量(Mw)は1400であった。
<アクリル系ポリマー(B−3)の製造>
上記アクリル系ポリマー(B−1)の製造において、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)20重量部の代わりに、ジメチルメタクリルアミド(DM)を20重量部使
用し、硫酸ジメチル(DM2SO4)の使用量を17.6重量部から16.0重量部に変えMEK17.5重量部から16.0重量部に変えた以外は同様に操作した。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして重量平均分子量を測定したところ、得られた三級アミンポリマーの重量平均分子量(Mw)は1300であり、同様にして算定したガラス転移温度(Tg)は、−54℃であった。
6時間経過後、反応液を室温まで戻し、得られた四級アンモニウム基を有するアクリル系ポリマー(B-3)を得た。得られた反応液中における不揮発分は50%であった。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして四級アンモニウム基を含有するアクリル系ポリマー(B−3)の重量平均分子量を測定したところ、得られたアクリル系ポリマー(B−3)の重量平均分子量(Mw)は1300であった。
<アクリル系ポリマー(B−4)の製造>
上記アクリル系ポリマー(B−1)の製造において、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)20重量部の代わりに、ジメチルメタクリルアミド(DM)を20重量部使
用し、硫酸ジメチル(DM2SO4)の使用量を17.5重量部の代わりに、硫酸ジエチル(DE2SO4)を19.5重量部、MEKを19.5重量部使用した以外は同様に操作した。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして重量平均分子量を測定したところ、得られたアクリル系ポリマー(B−4)の重量平均分子量(Mw)は1300であり、同様にして算定したガラス転移温度(Tg)は、−54℃であった。
6時間経過後、反応液を室温まで戻し、得られた四級アンモニウム基を有するアクリル系ポリマー(B-4)を得た。得られた反応液中における不揮発分は50%であった。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして四級アンモニウム基を含有するアクリル系ポリマー(B−4)の重量平均分子量を測定したところ、得られたアクリル系ポリマー(B−1)の重量平均分子量(Mw)は1400であった。
<アクリル系ポリマー(B−5)の製造>
上記アクリル系ポリマー(B−1)の製造において、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)20重量部の代わりに、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAP
AA)を20重量部使用した以外は同様に操作した。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして重量平均分子量を測定したところ、得られた三級アミンポリマーの重量平均分子量(Mw)は1300であり、同様にして算定したガラス転移温度(Tg)は、−44℃であった。
6時間経過後、反応液を室温まで戻し、得られた四級アンモニウム基を有するアクリル系ポリマー(B-5)を得た。得られた反応液中における不揮発分は50%であった。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして四級アンモニウム基を含有するアクリル系ポリマー(B−5)の重量平均分子量を測定したところ、得られたアクリル系ポリマー(B−5)の重量平均分子量(Mw)は1300であった。
<アクリル系ポリマー(B−6)の製造>
上記アクリル系ポリマー(B−1)の製造において、DM2SO4の代わりに、パラトルエンスルホン酸メチル(PTSM)を26.0重量部に変えた以外は同様に操作した。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして重量平均分子量を測定したところ、得られた三級アミンポリマーの重量平均分子量(Mw)は1300であり、同様にして算定したガラス転移温度(Tg)は、−54℃であった。
6時間経過後、反応液を室温まで戻し、得られた四級アンモニウム基を有するアクリル系ポリマー(B-6)を得た。得られた反応液中における不揮発分は50%であった。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして四級アンモニウム基を含有するアクリル系ポリマー(B−6)の重量平均分子量を測定したところ、得られたアクリル系ポリマー(B−6)の重量平均分子量(Mw)は1400であった。
<アクリル系ポリマー(B−7)の製造>
上記アクリル系ポリマー(B−1)の製造において、2EHAの代わりに、ブチルアクリレート(BA)を75.8重量部使用した以外は同様に操作した。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして重量平均分子量を測定したところ、得られた三級アミンポリマーの重量平均分子量(Mw)は1300であり、同様にして算定したガラス転移温度(Tg)は、−54℃であった。
6時間経過後、反応液を室温まで戻し、得られた四級アンモニウム基を有するアクリル系ポリマー(B-7)を得た。得られた反応液中における不揮発分は50%であった。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして四級アンモニウム基を含有するアクリル系ポリマー(B−7)の重量平均分子量を測定したところ、得られたアクリル系ポリマー(B−7)の重量平均分子量(Mw)は1300であった。
<アクリル系ポリマー(B−8)の製造>
上記アクリル系ポリマー(B−1)の製造において、反応条件を変えて、即ち具体的には反応溶媒を酢酸エチル(EtAc)に変えた以外は同様に操作した。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして重量平均分子量を測定したところ、得られた三級アミンポリマーの重量平均分子量(Mw)は8000であり、同様にして算定したガラス転移温度(Tg)は、−34℃であった。
6時間経過後、反応液を室温まで戻し、得られた四級アンモニウム基を有するアクリル系ポリマー(B-8)を得た。得られた反応液中における不揮発分は50%であった。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして四級アンモニウム基を含有するアクリル系ポリマー(B−8)の重量平均分子量を測定したところ、得られたアクリル系ポリマー(B−8)の重量平均分子量(Mw)は8000であった。
<アクリル系ポリマー(B−9)の製造>
上記アクリル系ポリマー(B−1)の製造において、2EHAと共重合する2HEAおよ
びAAを使用しなかった以外は同様に操作した。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして重量平均分子量を測定したところ、得られた三級アミンポリマーの重量平均分子量(Mw)は1300であり、同様にして算定したガラス転移温度(Tg)は、−57℃であった。
6時間経過後、反応液を室温まで戻し、得られた四級アンモニウム基を有するアクリル系ポリマー(B-9)を得た。得られた反応液中における不揮発分は50%であった。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして四級アンモニウム基を含有するアクリル系ポリマー(B−9)の重量平均分子量を測定したところ、得られたアクリル系ポリマー(B−9)の重量平均分子量(Mw)は1300であった。
<アクリル系ポリマーB−10の製造>
上記アクリル系ポリマー(B−1)の製造において、2EHAの使用量を90.8重量部
に変え、DMAEAの使用量を5重量部に変えた以外は、アクリル系ポリマー(B-1)と同様にしてアクリル系ポリマー(B-10)を製造した。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして重量平均分子量を測定したところ、得られた三級アミンポリマーの重量平均分子量(Mw)は1300であり、同様にして算定したガラス転移温度(Tg)は、−52℃であった。
6時間経過後、反応液を室温まで戻し、得られた四級アンモニウム基を有するアクリル系ポリマー(B-8)を得た。得られた反応液中における不揮発分は50%であった。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして四級アンモニウム基を含有するアクリル系ポリマー(B−10)の重量平均分子量を測定したところ、得られたアクリル系ポリマー(B−8)の重量平均分子量(Mw)は1300であった。
<アクリル系ポリマーB−11の製造>
上記アクリル系ポリマー(B−1)の製造において、2EHAの使用量を55.8重量部
に変え、DMAEAの使用量を40重量部に変えた以外は、アクリル系ポリマー(B-1)と同様にしてアクリル系ポリマー(B-11)を製造した。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして重量平均分子量を測定したところ、得られた三級アミンポリマーの重量平均分子量(Mw)は1300であり、同様にして算定したガラス転移温度(Tg)は、−39℃であった。
6時間経過後、反応液を室温まで戻し、得られた四級アンモニウム基を有するアクリル系ポリマー(B-11)を得た。得られた反応液中における不揮発分は50%であった。
アクリル系ポリマー(A−1)と同様にして四級アンモニウム基を含有するアクリル系ポリマー(B-11)の重量平均分子量を測定したところ、得られたアクリル系ポリマー(B-11)の重量平均分子量(Mw)は1300であった。
〔実施例1〕
上記製造例1のアクリル系ポリマー(A)の製造で得られたアクリル系ポリマー(A−1)100重量部と、製造例2のアクリル系ポリマー(B)の製造で得られたアクリル系ポ
リマー(B−1)4.0重量部と、架橋剤(C)としてイソシアネート架橋剤L−45(
綜研化学(株)製)5重量部を混合して粘着剤組成物溶液を製造した。
この粘着剤組成物溶液を、予め剥離処理された剥離フィルムに、乾燥厚が20μmになるようにより塗布し、溶剤を除去した。
次いで、この剥離フィルムを厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなる基材フィルムの表面に貼着して、23℃で、7日間放置した。
こうして得られた三層構成のフィルム(光学部材用プロテクトフィルムの粘着剤の表面に剥離フィルムが貼着されたフィルム)から剥離フィルムを除去し、ガラス基板に貼着して、剥離帯電圧、汚染性、透明度を測定した。
結果を表1に示す。
〔実施例2〕
実施例1において、製造例2のアクリル系ポリマー(B)の製造で得られたアクリル系ポリマー(B−1)4.0重量部の代わりに、製造例2のアクリル系ポリマー(B)の製造で得られたアクリル系ポリマー(B−2)4.0重量部を使用した以外は同様にして光学部材用プロテクトフィルムを製造し、その剥離帯電圧、汚染性、透明度を測定した。
結果を表1に示す。
〔実施例3〕
実施例1において、製造例2のアクリル系ポリマー(B)の製造で得られたアクリル系ポリマー(B−1)4.0重量部の代わりに、製造例2のアクリル系ポリマー(B)の製造で得られたアクリル系ポリマー(B−3)4.0重量部を使用した以外は同様にして光学部材用プロテクトフィルムを製造し、その剥離帯電圧、汚染性、透明度を測定した。
結果を表1に示す。
〔実施例4〕
実施例1において、製造例2のアクリル系ポリマー(B)の製造で得られたアクリル系ポリマー(B−1)4.0重量部の代わりに、製造例2のアクリル系ポリマー(B)の製造で得られたアクリル系ポリマー(B−4)4.0重量部を使用した以外は同様にして光学部材用プロテクトフィルムを製造し、その剥離帯電圧、汚染性、透明度を測定した。
結果を表1に示す。
〔実施例5〕
実施例1において、製造例1のアクリル系ポリマー(A)の製造で得られたアクリル系ポリマー(A−1)100重量部の代わりに、製造例1のアクリル系ポリマー(A)の製造で得られたアクリルポリマー(A−2)100重量部を使用した以外は同様にして光学部材用プロテクトフィルムを製造し、その剥離帯電圧、汚染性、透明度を測定した。
結果を表1に示す。
〔実施例6〕
実施例2において、製造例1のアクリル系ポリマー(A)の製造で得られたアクリル系ポリマー(A−1)100重量部の代わりに、製造例1のアクリル系ポリマー(A)の製造で得られたアクリルポリマー(A−2)100重量部を使用した以外は同様にして光学部材用プロテクトフィルムを製造し、その剥離帯電圧、汚染性、透明度を測定した。
結果を表1に示す。
〔実施例7〕
実施例3において、製造例1のアクリル系ポリマー(A)の製造で得られたアクリル系ポリマー(A−1)100重量部の代わりに、製造例1のアクリル系ポリマー(A)の製造で得られたアクリルポリマー(A−2)100重量部を使用した以外は同様にして光学部材用プロテクトフィルムを製造し、その剥離帯電圧、汚染性、透明度を測定した。
結果を表1に示す。
〔実施例8〕
実施例4において、製造例1のアクリル系ポリマー(A)の製造で得られたアクリル系ポリマー(A−1)100重量部の代わりに、製造例1のアクリル系ポリマー(A)の製造で得られたアクリルポリマー(A−2)100重量部を使用した以外は同様にして光学部材用プロテクトフィルムを製造し、その剥離帯電圧、汚染性、透明度を測定した。
結果を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1において、製造例2のアクリル系ポリマー(B)の製造で得られたアクリル系ポリマー(B−1)4.0重量部の代わりに、製造例2のアクリル系ポリマー(B)の製造で得られたアクリル系ポリマー(B−5)4.0重量部を使用した以外は同様にして光学部材用プロテクトフィルムを製造し、その剥離帯電圧、汚染性、透明度を測定した。
結果を表1に示す。
〔比較例2〕
実施例1において、製造例2のアクリル系ポリマー(B)の製造で得られたアクリル系ポリマー(B−1)4.0重量部の代わりに、製造例2のアクリル系ポリマー(B)の製造で得られたアクリル系ポリマー(B−6)4.0重量部を使用した以外は同様にして光学部材用プロテクトフィルムを製造し、その剥離帯電圧、汚染性、透明度を測定した。
結果を表1に示す。
〔比較例3〕
実施例1において、製造例2のアクリル系ポリマー(B)の製造で得られたアクリル系ポリマー(B−1)4.0重量部の代わりに、製造例2のアクリル系ポリマー(B)の製造で得られたアクリル系ポリマー(B−7)4.0重量部を使用した以外は同様にして光学部材用プロテクトフィルムを製造し、その剥離帯電圧、汚染性、透明度を測定した。
結果を表1に示す。
〔比較例4〕
実施例1において、製造例2のアクリル系ポリマー(B)の製造で得られたアクリル系ポリマー(B−1)4.0重量部の代わりに、製造例2のアクリル系ポリマー(B)の製造で得られたアクリル系ポリマー(B−8)4.0重量部を使用した以外は同様にして光学部材用プロテクトフィルムを製造し、その剥離帯電圧、汚染性、透明度を測定した。
結果を表1に示す。
〔比較例5〕
実施例1において、製造例2のアクリル系ポリマー(B)の製造で得られたアクリル系ポリマー(B−1)4.0重量部の代わりに、製造例2のアクリル系ポリマー(B)の製造で得られたアクリル系ポリマー(B−9)4.0重量部を使用した以外は同様にして光学部材用プロテクトフィルムを製造し、その剥離帯電圧、汚染性、透明度を測定した。
結果を表1に示す。
〔比較例6〕
実施例1において、製造例2のアクリル系ポリマー(B−1)の使用量を1重量部に変えた以外は同様にして光学部材用プロテクトフィルムを製造し、その剥離帯電圧、汚染性、透明度を測定した。
結果を表1に示す。
〔比較例7〕
実施例1において、製造例2のアクリル系ポリマー(B−1)の使用量を15重量部に変えた以外は同様にして光学部材用プロテクトフィルムを製造し、その剥離帯電圧、汚染性、透明度を測定した。
結果を表1に示す。
Figure 0005277425
Figure 0005277425
Figure 0005277425
註)表1において、
「2EHA」は、2-エチルヘキシルアクリレート、
「EDA」は、エトキシジエチレングリコールアクリレート、
「2HEA」は、2-ヒドロキシエチルアクリレート、
「AA」は、アクリル酸、
「DMAEA」は、ジメチルアミノエチルアクリレート
「DM」は、ジメチルアミノエチルメタクリレート、
「DMAPAA」は、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
「DM2SO4」は、硫酸ジメチル、
「DE2SO4」は、硫酸ジエチル、
「PTSM」は、パラトルエンスルホン酸メチル、
「L−45」は、イソシアネート系架橋剤(綜研化学(株)製:L-45)
「NDM」は、n−ドデシルメルカプタンを表す。
なお、表1に示した光学部材用プロテクトフィルムの粘着剤層における〔四級アンモニウム基の数/(三級アミンの数+四級アンモニウム基の数)〕は、全て1であった。
上記のように、本発明の光学部材用プロテクトフィルムは、粘着剤に配合されている帯電防止性を付与するための成分単位と、この粘着剤を構成する粘着剤の成分単位が同一であることから、帯電防止性を付与するために配合する成分が粘着剤の主要構成成分に対して良好に分散する。従って、本発明の光学部材用プロテクトフィルムを貼着することにより、電子部品に蓄積される静電気を効率よく放電することができる。さらに、本発明の光学部材用プロテクトフィルムでは、帯電防止性を付与する成分と粘着剤とが均一になり、帯電防止性を付与する成分が粘着剤表面に滲みだすことがないので、光学部材用プロテクトフィルムが汚染されにくい。また、帯電防止性を付与するために配合する成分と粘着剤の主要成分との相溶性がよいので、本発明の光学部材用プロテクトフィルムの透明性が、
帯電性を付与するために配合する成分によって損なわれることがなく、高い透明度を示す。

Claims (7)

  1. (メタ)アクリル酸アルキルエステルと、これと共重合可能な官能基含有モノマーとが共重合してなるアクリル系ポリマー(A):100重量部に対して、ジメチルアミノエチルアクリレートおよび/またはジメチルアミノエチルメタクリレートを用いて得られる三級アミンを有するアクリル系ポリマーを、アルキル基の総炭素数が2個以上の四級化剤である硫酸ジメチルおよび/または硫酸ジエチルを用いて四級化して得られる側鎖に四級アンモニウム基を有する重量平均分子量500〜3000のアクリル系ポリマー(B):2〜10重量部からなる粘着剤層が、基材フィルムに積層されてなり、
    上記アクリル系ポリマー(B)は、
    側鎖に四級アンモニウム基を有する繰り返し単位を、アクリル系ポリマー(B)全体の7〜30重量%含有しており、かつ該アクリル系ポリマー(B)を構成する全モノマー中に、アクリル系ポリマー(A)に共重合しているアクリル酸アルキルエステルと同一のアクリル酸アルキルエステルを一種類以上と、官能基含有モノマーと同一の官能基含有モノマーを一種類以上を合計で70〜90重量%の割合で共重合させた共重合体であることを特徴とする光学部材用プロテクトフィルム。
  2. 上記光学部材用プロテクトフィルムの基材フィルムが、アクリル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリエチレンテレフタレート系フィルム、および、ポリカーボネート系フィルムよりなる群から選ばれる少なくとも一種類のフィルムであることを特徴とする請求項第1項記載の光学部材用プロテクトフィルム。
  3. 上記粘着剤層の厚さが、5〜50μmの範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載の光学部材用プロテクトフィルム。
  4. 上記アクリル系ポリマー(B)が、(b-1)上記アクリル系ポリマー(A)と同一組成のアクリル系モノマー:70〜90重量%と、(b-2)三級アミン基を有するモノマーを共重合させた後、四級化剤を用いて四級化反応を行って得られ得るものであることを特徴とする請求項第1項記載の光学部材用プロテクトフィルム。
  5. 上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、炭素数が2〜8のアルキル基を有し、該アクリル酸アルキルエステルに、水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーの少なくともいずれか一方の官能基含有モノマーが共重合してなることを特徴とする請求項第1項記載の光学部材用プロテクトフィルム。
  6. 上記アクリル系ポリマー(B)中の三級アミン基と四級アンモニウム基との比率〔四級アンモニウム基の数/(三級アミン基数+四級アンモニウム基数)〕が、0.7〜1.0の範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載の光学部材用プロテクトフィルム。
  7. 上記アクリル系ポリマー(A)のガラス転移温度(Tg)が−70以上30℃未満の範囲内にあり、上記アクリル系ポリマー(B)のガラス転移温度(Tg)が−70〜30℃の範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載の光学部材用プロテクトフィルム。
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