JP6618396B2 - 粘着剤組成物及び粘着剤層付偏光板 - Google Patents

粘着剤組成物及び粘着剤層付偏光板 Download PDF

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Description

本発明は、粘着剤組成物及び粘着剤層付偏光板に関する。
携帯電子機器などに使用される液晶表示装置は、2枚のガラス基板に液晶層が挟まれた液晶セルと、液晶セルの両面に配置される偏光板と、を有することが多い。一般的に偏光板は、アクリル系粘着剤から形成された粘着剤層によりガラス基板に貼着される。
携帯電子機器は、例えば、移動によって使用環境が大きく変化する。そのため偏光板を液晶セルに貼着するために用いる粘着剤には、高温環境下においても剥がれや発泡が生じないように、高い耐熱性が求められる。
また、偏光板を液晶セルに貼着するために用いる粘着剤には、偏光板が不意にガラス基板から剥離しない程度の強い粘着力と、貼り直し作業時にガラス基板から容易に剥離できる程度の弱い粘着力と、の両立が求められる。
ところで、近年、液晶表示装置の駆動方式として、IPS(In Plane Switching)方式の採用が増えてきている。IPS方式においてガラス基板などに静電気が発生すると、適切に光を制御できず、表示品質が劣化するという、IPS方式独特の問題が知られている。この問題を解決するために、ガラス基板の液晶層が配置されている側とは反対側の表面に、酸化インジウムスズなどで構成される透明導電膜を形成することにより、帯電防止を図った液晶表示装置が知られている。
例えば、アクリル系粘着剤組成物から形成される粘着剤層を有し、粘着剤層を透明導電層に貼り合わせた粘着剤層付偏光フィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照)
特開2015−146013号公報
一般的に、粘着剤の粘着力は、被着体の種類によって変化する。そのため、液晶表示装置を製造する際に、ガラス基板における透明導電膜の有無によって偏光板の貼着に用いる粘着剤を使い分ける必要が生じるが、粘着剤の使い分けはコストの増加に繋がるため好ましくない。そのため、ガラス基板における透明導電膜の有無に関わらず使用できる粘着剤組成物が求められている。すなわち、ガラス基板における透明導電膜の有無にかかわらず、偏光板が不意にガラス基板から剥離しない程度の強い粘着力と、貼り直し作業時にガラス基板から容易に剥離できる程度に弱い粘着力と、を両立した粘着剤組成物が求められる。さらに、偏光板の貼着に用いる粘着剤において、高温環境下においても剥がれや発泡が生じないように、高い耐熱性が求められる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、粘着剤層としたときに、ガラス基板における透明導電膜の有無にかかわらず、偏光板が不意にガラス基板から剥離しない程度の粘着力と貼り直し作業時にガラス基板から容易に剥離可能な程度の粘着力との両立が可能であり、かつ耐熱性に優れた粘着剤組成物、及び前述の粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する粘着剤層付偏光板を提供することを目的とする。
上記課題を解決する手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> イオン性基を有する単量体に由来する構成単位を全構成単位に対して0.05質量%〜5質量%と、水酸基を有する単量体に由来する構成単位を全構成単位に対して0.5質量%〜6質量%と、を有する(メタ)アクリル系重合体100質量部と、イソシアネート化合物0.05質量部〜4質量部と、を含み、架橋反応後のゲル分率が60%〜90%である、粘着剤組成物。
<2> 前記イオン性基を有する単量体は、カチオン部を有し、前記カチオン部は、四級アンモニウムカチオンである、<1>に記載の粘着剤組成物。
<3> 前記イオン性基を有する単量体は、下記化学式(1)で表される単量体である、<1>又は<2>に記載の粘着剤組成物。(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、Xはカチオン部であり、Yはアニオン部であり、Zは炭素数1〜3のアルキレン基である。)
<4> 有機溶媒をさらに含み、前記有機溶媒の総質量に対して30質量%以上が、炭素数3以上のアルコール系有機溶媒である、<1>〜<3>のいずれか一つに記載の粘着剤組成物。
<5> 前記イソシアネート化合物が、トリレンジイソシアネート又はトリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体付加物である、<1>〜<4>のいずれか一つに記載の粘着剤組成物。
<6> 偏光板をガラス基板に貼着するために用いられる、<1>〜<5>のいずれか一つに記載の粘着剤組成物。
<7> 偏光板と、<1>〜<6>のいずれか一つに記載の粘着剤組成物から形成された粘着剤層と、を有する、粘着剤層付偏光板。
本発明によれば、粘着剤層としたときに、ガラス基板における透明導電膜の有無にかかわらず、偏光板が不意にガラス基板から剥離しない程度の粘着力と貼り直し作業時にガラス基板から容易に剥離可能な程度の粘着力との両立が可能であり、かつ耐熱性に優れた粘着剤組成物、及び前述の粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する粘着剤層付偏光板を提供することができる。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、本明細書において組成物中の各成分の量は、粘着剤組成物中に各成分に該当する物質を複数種併用する場合には、特に断らない限り、その成分に該当する複数種の物質の合計量を意味する。
さらに(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの少なくとも一方を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタアクリレートの少なくとも一方を意味する。
さらに(メタ)アクリル系重合体とは、(メタ)アクリル系重合体を構成する単量体のうち、少なくとも主成分である単量体が(メタ)アクリロイル基を有する単量体である重合体を意味する。ここでいう主成分である単量体とは、重合体を構成する単量体の中で最も含有率(質量%)が大きい単量体を意味する。本発明の一実施態様で用いる(メタ)アクリル系重合体では、主成分である(メタ)アクリロイル基を有する単量体に由来する構成単位の含有率が全構成単位の50質量%以上である。
さらに粘着剤組成物とは、架橋反応が終了する前の組成物であって、例えば、液状、ペースト状又は粉末状の組成物を意味する。
さらに粘着剤層とは、架橋反応が終了した後の層であって、例えば、固形状又はゲル状の層を意味する。
〔粘着剤組成物〕
本発明における粘着剤組成物は、イオン性基を有する単量体に由来する構成単位を全構成単位に対して0.05質量%〜5質量%と、水酸基を有する単量体に由来する構成単位を全構成単位に対して0.5質量%〜6質量%と、を有する(メタ)アクリル系重合体100質量部と、イソシアネート化合物0.05質量部〜4質量部と、を含み、架橋反応後のゲル分率が60%〜90%である。
一般的に、(メタ)アクリル系粘着剤組成物から形成された粘着剤層は、透明導電膜に対する粘着力が低く、ガラス基板に対する粘着力が高い傾向にある。
本発明者らは、(メタ)アクリル系重合体を含む粘着剤組成物から形成された粘着剤層について、粘着剤組成物中のイオン性基を有する単量体に由来する構成単位の含有率によって、透明導電膜に対する粘着力とガラス基板に対する粘着力とが異なる挙動で変化することを見出し、本発明に至った。具体的には、本発明者らは、透明導電膜に対する粘着力は、イオン性基を有する単量体に由来する構成単位の含有率の増加と共に上昇する傾向にあることを見出し、さらに、ガラス基板に対する粘着力は、イオン性基を有する単量体に由来する構成単位の含有率が低い場合は含有率の増加により低下する傾向にあるが、イオン性基を有する単量体に由来する構成単位の含有率が高い場合は含有率の増加と共に上昇する傾向にあることを見出した。
本発明における粘着剤組成物から形成された粘着剤層において、透明導電膜に対する粘着力が上昇する作用機構は以下のように推測される。本発明における粘着剤組成物では、粘着主剤である(メタ)アクリル系重合体がイオン性基を有する単量体に由来する構成単位によって帯電している。そのため、粘着剤層と接する透明導電膜に静電誘導が生じ、(メタ)アクリル系重合体と、透明導電膜と、の間に電気的な結合が生じる。この電気的な結合によって、透明導電膜に対する粘着力が上昇すると推測される。さらに、(メタ)アクリル系重合体が帯電することにより、(メタ)アクリル系重合体同士も電気的に引き合い、疑似的な架橋構造を形成するため、本発明における粘着剤組成物から形成された粘着剤層において、弾性率が高くなり、透明導電膜に対する粘着力が上昇すると考えられる。
一方、本発明における粘着剤組成物から形成された粘着剤層において、ガラス基板に対する粘着力が変化する作用機構は以下のように推測される。本発明において、(メタ)アクリル系重合体はイオン性基を有する単量体に由来する構成単位を含むため、親水性作用によりガラス基板と粘着剤層界面との相互作用が低下して粘着力が低くなる作用と、上記のような疑似的な架橋構造により弾性率が高くなりガラス基板に対する粘着力が上昇する作用と、が併存する。イオン性基を有する単量体に由来する構成単位の含有率が低い場合、疑似的な架橋構造が少なく、粘着剤層界面の相互作用が低下する作用効果が勝り、ガラス基板に対する粘着力が低下すると推測される。イオン性基を有する単量体に由来する構成単位の含有率が高いと、疑似的な架橋構造が多くなり、凝集力の上昇による粘着力の上昇が勝り、ガラス基板に対する粘着力が上昇すると推測される。
本発明における粘着剤組成物は、イオン性基を有する単量体に由来する構成単位及び水酸基を有する単量体に由来する構成単位を所定量有する(メタ)アクリル系共重合体並びにイソシアネート化合物を含む。そのため、ガラス基板における透明導電膜の有無にかかわらず、偏光板が不意にガラス基板から剥離しない程度の強い粘着力と、貼り直し作業時にガラス基板から容易に剥離できる程度に弱い粘着力とが両立され、かつ耐熱性にも優れた粘着剤組成物を提供することができる。
さらに、本発明における粘着剤組成物において、ガラス基板における透明導電膜の有無によって偏光板の貼着に用いる粘着剤組成物を使い分ける必要がないため、粘着剤の使い分けによるコストの増加を防止できる。
後述するように、本発明における粘着剤組成物において、イオン性基を有する単量体のカチオン部が四級アンモニウム(好ましくは化学式(1)で表される単量体)であると、分子量が小さく、電気的、疑似的な架橋構造を形成しやすい。そのため、透明導電膜及びガラス基板に対する粘着力をより容易に調整しやすく、耐熱性にも優れ好ましい。
ここで、透明導電膜は、タッチパネルの電極として用いられることが多いが、帯電防止のため、IPSパネルにて透明導電膜が形成される場合がある。通常、タッチパネル用の透明導電膜は結晶化されているが、IPSパネル用の透明導電膜は結晶化されていない。透明導電膜に対するアクリル系粘着剤の粘着力は、結晶化タイプに比べ非結晶化タイプにて弱くなる傾向にある。また、一般的に、ガラス基板に対する粘着力のほうが、透明導電膜に対する粘着力に比べ、強い傾向にある。そのため、ガラス基板に対する粘着力と、透明導電膜に対する粘着力と、を両立することは、タッチパネル用に比べてIPSパネル用の方が困難である。本発明における粘着剤組成物は、非結晶化タイプの透明導電膜に対して高い粘着力を有するため、非結晶化タイプの透明導電膜を有するIPSパネルに好適に用いることが可能である。
[(メタ)アクリル系重合体]
本発明で用いる(メタ)アクリル系重合体は、イオン性基を有する単量体に由来する構成単位を全構成単位に対して0.05質量%〜5質量%と、水酸基を有する単量体に由来する構成単位を全構成単位に対して0.5質量%〜6質量%と、を有している。
イオン性基を有する単量体としては、カチオン部及びアニオン部を有する単量体であればよい。
カチオン部としては、例えば、四級アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピペリニジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピロールカチオン、四級ホスホニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、グアニジウムカチオンなどが挙げられる。これらの中でも、特に、四級アンモニウムカチオンであることが、電気的、疑似的な架橋構造を形成しやすく、ガラス基板における透明導電膜の有無にかかわらず、偏光板が不意にガラス基板から剥離しない程度の粘着力を好適に確保できる点から好ましい。
四級アンモニウムカチオンとしては、具体的に、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、メチルジエチルアンモニウムカチオン、エチルジメチルアンモニウムカチオン、メチルジプロピルアンモニウムカチオン、ジメチルベンジルアンモニウムカチオン、ジエチルベンジルアンモニウムカチオン、メチルジベンジルアンモニウムカチオン、エチルジベンジルアンモニウムカチオンなどが挙げられるが、中でも特に、トリメチルアンモニウムカチオン、メチルベンジルアンモニウムカチオンが安価な工業材料を入手し易い点から好ましい。
アニオン部としては、SCN、BF 、PF 、NO 、CHCOO、CFCOO、CHSO 、CFSO 、(FSO、(CFSO、(CFSO、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、F(HF) 、(CN)、CSO 、(CSO、CCOO、(CFSO)(CFCO)N、B(CN) 、C(CN) 、N(CN) 、CHOSO 、COSO 、COSO 、C13OSO 、C17OSO 、p−トルエンス
ルホネートアニオン、2−(2−メトキシエチル)エチルサルフェートアニオン、(CPF 、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなどが挙げられ、特に、フッ素原子を含むアニオン成分(含フッ素系アニオン)、塩化物イオンが好ましい。
本発明における粘着剤組成物では、イオン性基を有する単量体は、下記化学式(1)で表される単量体であることが好ましい。イオン性基を有する単量体が下記化学式(1)で表される単量体であると、電気的、疑似的な架橋構造を形成しやすく、ガラス基板における透明導電膜の有無にかかわらず、偏光板が不意にガラス基板から剥離しない程度の粘着力を好適に確保できる傾向がある。さらに、架橋触媒を用いずに養生完了までに要する時間を短縮できるため好ましい。
化学式(1)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Xはカチオン部であり、Yはアニオン部であり、Zは炭素数1〜3のアルキレン基である。カチオン部及びアニオン部の具体例としては、前述した通りであるが、中でも、カチオン部としては、四級アンモニウムカチオンが好ましく、アニオン部としては、含フッ素系アニオン又は塩化物イオンが好ましい。
本発明における粘着剤組成物は、イオン性基を有する単量体に由来する構成単位を全構成単位に対して0.05質量%以上有する(メタ)アクリル系重合体を含むため、透明導電膜に対する粘着力が高い。さらに、(メタ)アクリル系重合体が帯電することにより、(メタ)アクリル系重合体同士も電気的に引き合い、疑似的な架橋構造が形成されるため、本発明における粘着剤組成物から形成された粘着剤層において、弾性率が高くなり、耐熱性に優れる。
本発明における粘着剤組成物は、イオン性基を有する単量体に由来する構成単位を全構成単位に対して5質量%以下有する(メタ)アクリル系重合体を含む。そのため、本発明における粘着剤組成物は、ガラス基板や透明導電膜付きのガラス基板に対する粘着力が高くなりすぎず、貼り直し作業時には、ガラス基板における透明導電膜の有無にかかわらず、ガラス基板から容易に剥離できる程度に弱い粘着力を有する。
本発明で用いる(メタ)アクリル系重合体は、イオン性基を有する単量体に由来する構成単位を、全構成単位に対して0.05質量%〜5質量%有していればよいが、0.05質量%〜0.15質量%又は1.0質量%〜5質量%有していることが好ましく、0.05質量%〜0.15質量%又は1.7質量%〜5質量%有していることがより好ましい。
水酸基を有する単量体としては、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体、不飽和アルコールが挙げられる。
なお、本発明において、これら水酸基を有する単量体は、イオン性基を有する単量体に含まれない。
水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,3−ジメチル−3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−3−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−3−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートに代表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートや、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミドが挙げられる。
中でも水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、他の単量体との相溶性及び共重合性が良好である点から、炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートがより好ましい。具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートがより好ましく、2−ヒドロキシエチルアクリレートが更に好ましい。
不飽和アルコールとしては、例えば、アリルアルコール、メタリルアルコールが挙げられる。
本発明における粘着剤組成物は、水酸基を有する単量体に由来する構成単位を全構成単位に対して0.5質量%以上有する(メタ)アクリル系重合体を含むため、(メタ)アクリル系重合体中の水酸基が、ガラス基板界面との粘着力に寄与し、ガラス基板に対する粘着力を上昇させることができる。さらに、ガラス基板に対する粘着力を上昇しているため、高温環境下にて剥がれが抑制され、耐熱性に優れる。
本発明における粘着剤組成物は、水酸基を有する単量体に由来する構成単位を全構成単位に対して6質量%以下有する(メタ)アクリル系重合体を含むため、ガラス基板や透明導電膜付きのガラス基板に対する粘着力が高くなりすぎず、貼り直し作業時には、ガラス基板における透明導電膜の有無にかかわらず、ガラス基板から容易に剥離できる程度に弱い粘着力を有する。
本発明で用いる(メタ)アクリル系重合体は、水酸基を有する単量体に由来する構成単位を、全構成単位に対して0.5質量%〜6質量%有していればよいが、1質量%〜5質量%有していることが好ましく、2質量%〜4質量%有していることがより好ましい。
本発明で用いる(メタ)アクリル系重合体は、イオン性基を有する単量体及び水酸基を有する単量体を共重合成分としているが、さらにアルキル(メタ)アクリレートを主成分とした共重合体であることが好ましい。
ここで、アルキル(メタ)アクリレートを主成分とした共重合体とは、共重合体中の構成単位100質量%に対し、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を50質量%以上有する共重合体である。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、その種類は特に制限されないが、無置換のアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基は、直鎖、分枝又は環状のいずれであっても良い。また、アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数は1〜18が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4が更に好ましい。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、耐熱性を向上させる観点から、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート及びt−ブチル(メタ)アクリレートの少なくともいずれかを含むことが好ましく、n−ブチル(メタ)アクリレート及びメチル(メタ)アクリレートの組合せ、又はn−ブチル(メタ)アクリレート及びt−ブチル(メタ)アクリレートの組合せの少なくともいずれかを含むことがより好ましい。
また、アルキル(メタ)アクリレートとしては、粘着剤層としたときの耐熱性をより向上させる点から、単独重合体のガラス転移温度がより低いアルキル(メタ)アクリレートと、単独重合体のガラス転移温度がより高いアルキル(メタ)アクリレートと、を含むものであってもよい。単独重合体のガラス転移温度がより低いアルキル(メタ)アクリレートとしては、単独重合体のガラス転移温度が−60℃以上−40℃以下のアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、具体的には、n−ブチルアクリレートが挙げられる。単独重合体のガラス転移温度がより高いアルキル(メタ)アクリレートとしては、単独重合体のガラス転移温度が0℃以上50℃以下のアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、具体的には、t−ブチルアクリレート、メチルアクリレートが挙げられる。
本発明で用いる(メタ)アクリル系重合体は、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を、全構成単位に対して85質量%〜99質量%有することが好ましく、89質量%〜98質量%有することがより好ましく、92質量%〜97質量%有することが更に好ましい。
また、本発明で用いる(メタ)アクリル系重合体は、単独重合体のガラス転移温度がより低いアルキル(メタ)アクリレートを、全構成単位に対して50質量%〜94質量%有することが好ましく、75質量%〜90質量%有することがより好ましく、78質量%〜85質量%有することが更に好ましい。さらに、本発明で用いる(メタ)アクリル系重合体は、粘着剤層としたときの耐熱性をさらに向上させる点から、単独重合体のガラス転移温度がより高いアルキル(メタ)アクリレートを、5質量%〜30質量%有することが好ましく、10質量%〜15質量%有することがより好ましい。
本発明で用いる(メタ)アクリル系重合体は、カルボキシル基を有する単量体を共重合成分としてもよい。カルボキシル基を有する単量体としては、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体が挙げられる。
なお、本発明において、カルボキシ基を有する単量体は、イオン性基を有する単量体に含まれない。
カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、桂皮酸、コハク酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フマル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,2−ジカルボキシシクロヘキサンモノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリル系重合体における、カルボキシル基を有する単量体に由来する構成単位の含有率は、透明導電膜の腐食を抑制する観点から、全構成単位に対して0.2質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0質量%すなわち含まないことが更に好ましい。
本発明で用いる(メタ)アクリル系重合体は、前述のアルキル(メタ)アクリレート、イオン性基を有する単量体、水酸基を有する単量体及びカルボキシル基を有する単量体以外のその他の単量体を共重合成分としてもよい。その他の単量体としては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートに代表される芳香族環を有する(メタ)アクリル系単量体、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートに代表される窒素原子を有する(メタ)アクリル系単量体、スチレン、α−メチルスチレンに代表される芳香族モノビニル単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルに代表されるシアン化ビニル単量体や、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルに代表されるカルボン酸ビニル単量体が挙げられる。
本発明で用いる(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量(Mw)は、とくに制約はないが、粘着剤層としたとき耐熱性をより向上させる点から、70万〜200万の範囲が好ましく、90万〜200万の範囲が好ましい。重量平均分子量は、重合反応温度、時間、有機溶媒の量などにより調整することができる。重量平均分子量が70万〜200万の範囲であれば、本発明の粘着剤組成物の粘度が低く、塗布性が良好であり好ましい。
(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量(Mw)は、下記の方法により測定された値である。
(重量平均分子量(Mw)の測定方法)
下記(1)〜(3)に従って測定する。
(1)(メタ)アクリル系重合体溶液を剥離紙に塗布し、100℃で1分間乾燥し、フィルム状の(メタ)アクリル系重合体を得る。
(2)前記(1)で得られたフィルム状の(メタ)アクリル系重合体をテトラヒドロフランにて固形分0.2%になるように溶解させる。
(3)下記条件にて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、標準ポリスチレン換算値として、(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量(Mw)を測定する。
(条件)
GPC:HLC−8220 GPC〔東ソー株式会社製〕
カラム:TSK−GEL GMHXL〔東ソー株式会社製〕4本使用
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.6ml/min
カラム温度:40℃
本発明で用いる(メタ)アクリル系重合体の製造方法は、特に制限されるものではなく、溶液重合、乳化重合、懸濁重合などの方法で単量体を重合して製造できる。なお、製造後に本発明における粘着剤組成物を調製するにあたり、処理工程が比較的簡単かつ短時間で行えることから、溶液重合が好ましい。
溶液重合は、一般に、重合槽内に所定の有機溶媒、単量体、重合開始剤、及び、必要に応じて用いられる連鎖移動剤を仕込み、窒素気流中又は有機溶媒の還流温度で、撹拌しながら数時間加熱反応させるなどの方法を使用することができる。なお、(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量は、反応温度、時間、溶剤量、触媒の種類や量を調整することにより、所望の値にできる。
(メタ)アクリル系重合体の重合反応時に用いられる有機溶媒としては、芳香族炭化水素化合物、脂肪系もしくは脂環族系炭化水素化合物、エステル化合物、ケトン化合物、グリコールエーテル化合物、アルコール化合物などが挙げられる。これらの有機溶媒はそれぞれ1種単独でも、2種以上混合して用いてもよい。
重合反応時に用いられる有機溶媒としては、より具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、テトラリン、デカリン、及び芳香族ナフサに代表される芳香族炭化水素系有機溶媒、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、i−オクタン、n−デカン、ジペンテン、石油スピリット、石油ナフサ、及びテレピン油に代表される脂肪族炭化水素系又は脂環族炭化水素系の有機溶媒、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸2−ヒドロキシエチル、酢酸2−ブトキシエチル、酢酸3−メトキシブチル、及び安息香酸メチルに代表されるエステル系有機溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、及びメチルシクロヘキサノンに代表されるケトン系有機溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及びジエチレングリコールモノブチルエーテルに代表されるグリコールエーテル系有機溶媒、並びに、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、及びt−ブチルアルコールに代表されるアルコール系有機溶媒が挙げられる。
(メタ)アクリル系重合体はイオン性基を有する単量体を構成成分とする。イオン性基を有する単量体は極性が高い。そのため、イオン性基を有する単量体を好適に溶解させる点から、重合反応時に用いられる有機溶媒は、極性が高い有機溶媒であること、又は極性が高い有機溶媒を含むことが好ましい。
極性が高い有機溶媒としては、前述のアルコール系有機溶媒が挙げられる。アルコール系有機溶媒としては、炭素数3以上のアルコール系有機溶媒が好ましい。(メタ)アクリル系重合体の重合反応時に極性が高い有機溶媒であるアルコール系有機溶媒を用いた場合、アルコール系有機溶媒と架橋剤であるイソシアネート化合物とが反応し、(メタ)アクリル系重合体とイソシアネート化合物との反応が阻害される懸念がある。しかしながら、(メタ)アクリル系重合体の重合反応時に炭素数3以上のアルコール系有機溶媒を用いることにより、アルコール系有機溶媒と架橋剤であるイソシアネート化合物とが反応しにくく、(メタ)アクリル系重合体とイソシアネート化合物との反応が阻害されにくくなり、好ましい。
さらに、アルコール系有機溶媒は、粘着剤組成物を塗布した際の残留溶媒を抑制する点から沸点が高くなりすぎないことが好ましく、例えば、炭素数7以下のアルコール系有機溶媒を用いることが好ましい。
また、重合開始剤としては、例えば、通常の重合方法で使用できる有機過酸化物、アゾ化合物が挙げられる。
[イソシアネート化合物]
本発明における粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系重合体100質量部に対して0.05質量部〜4質量部の範囲のイソシアネート化合物を含む。
イソシアネート化合物は、架橋剤として機能する。
イソシアネート化合物としては、例えば、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリレンジイソシアネートに代表される芳香族ポリイソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、前記した芳香族ポリイソシアネート化合物の水素添加物に代表される鎖状又は環状の脂肪族ポリイソシアネート化合物、これらのポリイソシアネート化合物のビュレット体、2量体、3量体又は5量体、これらのポリイソシアネート化合物と、トリメチロールプロパンなどのポリオール化合物とのアダクト体が挙げられる。これらのイソシアネート化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートの2量体、トリレンジイソシアネートとポリオールとのアダクト体、トリレンジイソシアネートの3量体又は5量体であるイソシアヌレート体、トリレンジイソシアネートのビュレット体などの各種トリレンジイソシアネートに由来するトリレンジイソシアネート化合物が好ましい。さらに、反応性に優れ架橋密度を高めることができる点、並びに(メタ)アクリル系重合体との相溶性に優れる点から、トリレンジイソシアネート、又はトリレンジイソシアネートとポリオールとのアダクト体が好ましく、特に配合時のゲル化を抑制する点から、トリレンジイソシアネート、又はトリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体が特に好ましい。
本発明における粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系重合体100質量部に対して、イソシアネート化合物を0.05質量部以上含む。そのため、(メタ)アクリル系重合体と、イソシアネート化合物と、の架橋反応を十分に進行させることができ、高温環境下にて発泡が抑制され、耐熱性に優れる。
本発明における粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系重合体100質量部に対して、イソシアネート化合物を4質量部以下含む。そのため、(メタ)アクリル系重合体と、イソシアネート化合物と、の架橋反応が過剰に進行せず、高温環境下にて剥離が抑制され、耐熱性に優れる。
粘着剤組成物におけるイソシアネート化合物の含有量は、(メタ)アクリル系重合体100質量部に対して、0.1質量部〜2質量部の範囲が好ましく、0.2質量部〜1質量部の範囲がより好ましく、0.2質量部〜0.5質量部の範囲が更に好ましい。
イソシアネート化合物は、市販品を使用できる。市販品としては、例えば、東ソー株式会社製の「コロネートHX」、「コロネートHL−S」、「コロネートL」、「コロネート2031」、「コロネート2030」、「コロネート2037」、「コロネート2234」、「コロネート2785」、「アクアネート200」、及び「アクアネート210」、住化コベストロウレタン株式会社製の「スミジュールN3300」、「デスモジュールN3400」、及び「スミジュールN−75」、旭化成ケミカルズ株式会社製の「デュラネートE−405−80T」、「デュラネート24A−100」、及び「デュラネートTSE−100」、並びに、三井化学株式会社製の「タケネートD−110N」、「タケネートD−120N」、「タケネートM−631N」、及び「MT−オレスターNP1200」の商品名により市販されているものを好適に使用できる。
[その他の架橋剤]
本発明における粘着剤組成物は、本発明の目的を損なわない範囲にて、イソシアネート化合物以外のその他の架橋剤を含んでもよい。その他の架橋剤としては、特に限定されず、例えば、ポリエポキシ化合物、ポリアジリジン化合物、金属キレート化合物が挙げられる。これらその他の架橋剤は、1種単独を、又は2種以上を、イソシアネート化合物と組み合わせて使用することができる。
[シランカップリング剤]
本発明における粘着剤組成物は、シランカップリング剤をさらに含んでいてもよい。粘着剤組成物がシランカップリング剤を含む場合、粘着剤層がガラス基板に対してより優れた接着性を示し、偏光板が組み込まれた液晶表示装置が高温環境下に曝されても、粘着剤層とガラス基板との間に剥がれがより発生し難くなる傾向がある。
シランカップリング剤としては、例えば、メルカプト基を有するカップリング剤、エポキシ基を有するカップリング剤、カルボキシル基を有するカップリング剤、アミノ基を有するカップリング剤、ヒドロキシル基を有するカップリング剤、アミド基を有するカップリング剤、イソシアネート基を有するカップリング剤、イソシアヌレート骨格を有するカップリング剤などが挙げられる。これらシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤は、上市されている市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製の「KBM−803」、「KBM−403」、「KBM−303」、「KBM−402」、「KBE−402」、「KBE−403」(商品名)に代表されるエポキシ基を有するシランカップリング剤を好適に使用することができる。
粘着剤組成物におけるシランカップリング剤の含有量は、(メタ)アクリル系重合体100質量部に対して、0.01質量部〜3.0質量部の範囲が好ましく、0.05質量部〜1.0質量部の範囲がより好ましく、0.1質量部〜0.5質量部の範囲が更に好ましい。
[有機溶媒]
また、本発明における粘着剤組成物は、塗布性向上のために有機溶媒が添加されていてもよい。粘着剤組成物に含まれる有機溶媒としては、例えば、前述の重合反応時に用いられる有機溶媒が挙げられる。
粘着剤組成物に含まれる有機溶媒としては、(メタ)アクリル系重合体が有するイオン性基を有する単量体に由来する構成単位との相溶性に優れる点から、極性が高い有機溶媒であること、又は極性が高い有機溶媒を含むことが好ましい。
極性が高い有機溶媒としては、前述のように、アルコール系有機溶媒が挙げられ、中でも炭素数3以上のアルコール系有機溶媒が好ましい。(メタ)アクリル系重合体の重合反応時に炭素数3以上のアルコール系有機溶媒を用いることにより、アルコール系有機溶媒と架橋剤であるイソシアネート化合物とが反応しにくく、(メタ)アクリル系重合体とイソシアネート化合物との反応が阻害されにくくなり、好ましい。
さらに、アルコール系有機溶媒は、粘着剤組成物を塗布した際の残留溶媒を抑制する点から沸点が高くなりすぎないことが好ましく、例えば、炭素数7以下のアルコール系有機溶媒を用いることが好ましい。
アルコール系有機溶媒は、有機溶媒の総質量に対して30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。中でも、炭素数3以上のアルコール系有機溶媒は、有機溶媒の総質量に対して30質量%以上であることが更に好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。
[その他の成分]
本発明における粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系重合体、イソシアネート化合物の他に、必要に応じて、前述の有機溶媒、シランカップリング剤及びその他の架橋剤や、架橋触媒、耐候性安定剤、タッキファイヤー、可塑剤、軟化剤、剥離助剤、染料、顔料、無機充填剤、界面活性剤、酸化防止剤、金属腐食防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物などの光安定剤などを適宜含有してもよい。
(ゲル分率)
本発明における粘着剤組成物は、架橋反応後のゲル分率が60%〜90%である。
粘着剤組成物は、架橋反応後のゲル分率が60%以上であるため、高温環境下に曝された場合に、発泡が抑制され、耐熱性に優れる。
また、粘着剤組成物は、架橋反応後のゲル分率が90%以下であるため、高温環境下に曝された場合に、剥離が抑制され、耐熱性に優れる。
さらに、粘着剤組成物は、高温環境下に曝された場合における剥離及び発泡をより好適に抑制する点から、架橋反応後のゲル分率が70%〜85%であることが好ましい。
本明細書において、架橋反応後のゲル分率は、酢酸エチルを抽出溶媒に用いて測定される、溶媒不溶分の割合である。具体的には、下記(1)〜(4)に従って測定する。
(1)精密天秤にて質量を正確に測定した250メッシュの金網(100mm×100mm)に、架橋反応後の粘着剤組成物(粘着剤層)を約0.25g貼付し、ゲル分が漏れないように包む。その後、精密天秤にて質量を正確に測定して試料を作製する。
(2)得られた試料を酢酸エチル80mlに3日間浸漬する。
(3)試料を取り出して少量の酢酸エチルにて洗浄し、120℃で24時間乾燥させる。その後、精密天秤にて質量を正確に測定する。
(4)下式によりゲル分率を算出する。
ゲル分率(質量%)=(Z−X)/(Y−X)×100
但し、Xは金網の質量(g)、Yは架橋反応後の粘着剤組成物を貼付した金網の浸漬前の質量(g)、Zは浸漬後乾燥させた、架橋反応後の粘着剤組成物を貼付した金網の質量(g)である。
本発明においては、ガラス基板における透明導電膜の有無にかかわらず、偏光板が不意にガラス基板から剥離しない程度の強い粘着力と、貼り直し作業時にガラス基板から容易に剥離できる程度に弱い粘着力とが両立され、かつ耐熱性にも優れた粘着剤組成物を提供することができる。
〔粘着シート〕
本発明は、上述した粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する粘着シートであってもよい。本発明における粘着シートは、基材を有しない無基材タイプの粘着シートでもよく、光学フィルムなどの基材の少なくとも片面に粘着剤層を有する有基材タイプの粘着シートでもよい。
本発明の粘着シートにおいて、粘着剤層の厚さは、特に制限されるものではなく、用途や要求性能により適宜選択することができる。粘着剤層の厚さとして、例えば1μm〜100μmの範囲が挙げられる。
本発明の粘着シートを光学用途に使用する場合、粘着剤層は、透明性が高いことが好ましい。具体的には、JIS K 7361(1997年)に従って測定される可視光波長領域における粘着剤層の全光線透過率は、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
また、JIS K 7136(2000年)に従って測定される粘着剤層のヘイズは、2.5%以下が好ましく、2.0%以下がより好ましく、1.5%以下が更に好ましい。
本発明における粘着シートの露出した粘着剤層は、剥離フィルムによって保護されていてもよい。剥離フィルムとしては、粘着剤層からの剥離が容易に行なえるものであれば特に限定されず、例えば、剥離処理剤を用いて少なくとも片面に易剥離処理が施された樹脂フィルムが挙げられる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムに代表されるポリエステルフィルムが挙げられる。剥離処理剤として、例えば、フッ素系樹脂、パラフィンワックス、シリコーン、長鎖アルキル基化合物が挙げられる。剥離フィルムは、粘着シートを実用に供するまでの間、粘着剤層の表面を保護し、使用時に剥離される。
本発明における粘着シートは、例えば、本発明における粘着剤組成物を剥離フィルムや基材に塗布し、乾燥後に一定期間養生することによって粘着剤層を形成して作製できる。養生の条件は、例えば23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で1〜10日間とすることができる。粘着剤層を養生することにより、イソシアネート化合物によって(メタ)アクリル系重合体を十分に架橋された状態とすることができる。
無基材タイプの粘着シートは、例えば、剥離フィルムの剥離処理面に粘着剤組成物を塗布し、乾燥させ、粘着剤組成物の層を形成し、得られた前記層の、剥離フィルムと接しない露出した面に、別の剥離フィルムを剥離処理面が接するように重ね、養生して粘着剤層を形成する方法により作製できる。
有基材タイプの粘着シートは、粘着剤組成物を光学フィルムなどの基材に塗布する方法により作製しても、粘着剤組成物を剥離フィルムに塗布する方法により作製してもよい。このような方法としては、例えば、剥離フィルムの剥離処理面に粘着剤組成物を塗布し、乾燥させ、粘着剤組成物の層を形成し、得られた前記層の剥離フィルムと接しない露出した面に基材を貼合し、養生して粘着剤層を形成する方法が挙げられる。
有基材タイプの粘着シートの基材は、光学フィルムを例示できる。光学フィルムとしては、具体的には、液晶表示装置に使用される光学フィルムが挙げられる。より具体的には、偏光板、位相差板、反射防止フィルム、視野角拡大フィルム、輝度向上フィルム、透明導電性フィルムなどの光学フィルムが挙げられる。
剥離フィルムや基材に粘着剤組成物を塗布する方法としては、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなどを用いた公知の方法が挙げられる。
本発明における粘着シートは、液晶表示装置の光学フィルムなどの貼合に好適に用いることができる。すなわち、本発明における粘着シートは、偏光板、位相差板、反射防止フィルム、視野角拡大フィルム、輝度上昇フィルム、透明導電性フィルムなどの光学フィルム同士の貼合、並びに前記光学フィルムと、液晶セルのガラス基板、保護フィルムとの貼合に好適に用いることができる。また、本発明における粘着シートは、タッチパネルと、液晶セルのガラス基板、保護フィルムなどとの貼合に好適に用いることができる。
本発明における粘着シートの例としては、粘着剤層の両面に剥離フィルムを貼り合せた構造(剥離フィルム/粘着剤層/剥離フィルム)を備えた無基材タイプの粘着シート、粘着剤層の一方の面に光学フィルム、他方の面に剥離フィルムを貼り合せた構造(光学フィルム/粘着剤層/剥離フィルム)を備えた有基材タイプの粘着シートが挙げられる。
〔粘着剤層付偏光板〕
上述した有基材タイプの粘着シートとしては、例えば、偏光板と、上述した粘着剤組成物から形成された粘着剤層と、を有する粘着剤層付偏光板が挙げられる。本発明における粘着剤層付偏光板は、ガラス基板における透明導電膜の有無にかかわらず、偏光板が不意にガラス基板から剥離しない程度の粘着力と貼り直し作業時にガラス基板から容易に剥離可能な程度の粘着力とが両立し、かつ耐熱性に優れる粘着剤層を有する。
偏光板は、少なくとも偏光子を有していればよく、例えば偏光子の片面に保護フィルムを有する偏光板や、偏光子の両面に保護フィルムを有する偏光板を用いることができる。偏光板の偏光子としては、例えば、ヨウ素が吸着配向されたポリビニルアルコール(PVA)フィルムが使用され、偏光子の保護フィルムとしては、例えばトリアセチルセルロース(TAC)フィルムが使用される。
偏光板を基材とする場合、粘着剤層は、PVAフィルム上に形成してもよいし、TACフィルム上に形成してもよい。
本発明における粘着剤層付偏光板は、粘着剤層の一方の面に偏光板、他方の面に剥離フィルムを貼り合わせた構造(偏光板/粘着剤層/剥離フィルム)であってもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[(メタ)アクリル系重合体の製造]
<製造例1>
温度計、撹枠機、窒素導入管、及び還流冷却管を備えた反応器内に、ブチルアクリレート(BA)81質量部、tert―ブチルアクリレート(t−BA)13質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)4質量部、2−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム=クロリド(DMAMC)2質量部、酢酸エチル(EAc)20質量部、t−ブチルアルコール(t−BuOH)60質量部を入れて混合した後、反応器内を窒素置換した。その後、反応器内の混合物を撹拌しながら70℃に昇温した後に、アゾビスジメチルバレロニトリル(ABVN)0.02質量部、酢酸エチル(EAc)20質量部、t−BuOH60質量部を逐次添加し6時間保持して重合反応させた。重合反応終了後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、固形分を15.0質量%にした。このようにして、(メタ)アクリル系重合体の溶液を得た。
製造例1にて製造した(メタ)アクリル系重合体の単量体組成を表1に示す。なお、表1において、MAはメチルアクリレート、AAはアクリル酸、Aは上記化学式(1)で表される単量体である2−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム=クロリドを表す。Bはグリシジルトリメチルアンモニウムカチオン・フッ素系アニオン塩(GTA−IL)とアクリル酸との反応物(GTA−ILのエポキシ基とアクリル酸のカルボキシル基を反応させた反応物)を表し、フッ素系アニオンはTFSI(トリフルオロメタンスルホニルイミド)であり、上記反応物はGTA−ILとアクリル酸とを1:1のモル比で反応させたものである。
<製造例2〜13>
以下の表1に示す単量体組成としたこと、重合開始剤や溶媒の量を変更して重量平均分子量を調整したこと以外は、前述の製造例1と同様にして、(メタ)アクリル系重合体の溶液を得た。
製造例2〜13にて製造した(メタ)アクリル系重合体の単量体組成を表1に示す。
製造例1〜13にて製造した(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量(Mw)については、前述の方法により測定された値である。
<粘着剤組成物の調製>
(実施例1)
製造例1にて製造した(メタ)アクリル系重合体の溶液(固形分として100質量部)と、架橋剤であるイソシアネート化合物としてコロネートL(東ソー株式会社製、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体、有効成分として0.25質量部)と、シランカップリング剤(SC剤)としてKBM−803(信越化学工業株式会社製、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、有効成分として0.1質量部)と、を十分に攪拌混合して粘着剤組成物を得た。
実施例1にて調製した粘着剤組成物の組成を表1に示す。なお、表1におけるSC剤について、種別CはKBM−803を表し、種別DはKBM−403(信越化学工業株式会社製、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を表す。
(実施例2〜11)
実施例2〜11では、以下の表1に示す粘着剤組成物の組成としたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物を調製した。
(比較例1〜6)
比較例1〜6では、以下の表1に示す粘着剤組成物の組成としたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物を調製した。
詳細には、比較例1、2では、それぞれ製造例10、11にて製造した(メタ)アクリル系重合体を用いており、これら(メタ)アクリル系重合体では、水酸基を有する単量体に由来する構成単位が全構成単位に対してそれぞれ0.5質量%未満、6質量%超であった。
また、比較例3、4では、それぞれ製造例12、13にて製造した(メタ)アクリル系重合体を用いており、これら(メタ)アクリル系重合体では、イオン性基を有する単量体に由来する構成単位が全構成単位に対してそれぞれ0.05質量%未満、5質量%超であった。
また、比較例5、6では、(メタ)アクリル系重合体100質量部に対してそれぞれ架橋剤であるイソシアネート化合物が0.05質量部未満、4質量部超であった。
<粘着剤層付偏光板サンプルの作製>
調製した粘着剤組成物をシリコーン系離型剤で表面処理された剥離フィルム(藤森工業株式会社製、100E−0010NO23)の表面処理面に、乾燥後の塗布厚みが20μmとなるように塗布した。次に、粘着剤組成物塗布後の剥離フィルムを100℃で60秒間の条件で熱風循環式乾燥機を用いて乾燥させ、剥離フィルム上に粘着剤組成物の層を形成した。続いて、偏光板と前記剥離フィルム上の粘着剤組成物の層とを重ねて貼り合せ、加圧ニップロールに通して圧着し、23℃、50%RHの条件下で1日間養生させ、偏光板/粘着剤層/剥離フィルムの積層構造を有する粘着剤層付偏光板サンプルを作製した。
なお、実施例4、10、比較例3については、養生完了日数が3日以上であった。
以下の表1に、実施例1〜11、比較例1〜6にて得られた粘着剤組成物の組成、粘着剤組成物及び粘着剤層付偏光板サンプルの測定結果、評価結果を示す。
<ゲル分率の測定>
まずゲル分率の測定のため、試験用サンプルを以下のようにして作製した。調製した粘着剤組成物を、シリコーン系剥離剤で表面処理された剥離フィルム(藤森工業株式会社製、100E−0010NO23)の表面処理面に、乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布し、塗布層を形成した。その後、得られた塗布層を有する剥離フィルムを、100℃、1分間の乾燥条件にて乾燥させ、剥離フィルム上に粘着剤組成物の層を形成した。粘着剤組成物の層が露出した面を、別途用意した剥離フィルム(藤森工業株式会社製、100E−0010NO23)に貼り合わせ、無基材タイプの粘着シートを作製した。その後、温度23℃、50%RHの環境下で1日間養生して架橋反応を進行させ、粘着剤層を有する試験用サンプルを得た。
作製した試験用サンプルのゲル分率は、表1の通りであった。なお、ゲル分率は、既述の方法により測定した。
<粘着力の評価方法>
スーパーカッターにて粘着剤層付偏光板サンプルを25mm幅にカットし、剥離フィルムを剥離後、ラミネーターを用いて無アルカリガラス(コーニング社製、商品名イーグルXG)又は非結晶タイプの透明導電膜(ITO膜)付きガラス(日本カーバイド工業社製、抵抗値300Ω/□非結晶タイプITOスパッタ膜付ガラス)に貼合した。なお、非結晶タイプのITO膜付きガラスについては、粘着剤層とITO膜とが接するように貼合した。貼合後、オートクレーブ処理(0.49MPa、50℃、20分)した後、23℃50%RHの条件で24時間放置した。その後、23℃の雰囲気下で、180゜剥離における粘着力(N/25mm)を、剥離速度300mm/minで測定した。下記評価基準にしたがって粘着力を評価した。
−評価基準−
A:粘着力が4N/25mmを超えて8N/25mm以下であり、不意な剥離が生じずリワーク性も良好である。
B:粘着力が2N/25mmを超えて4N/25mm以下であり不意な剥離が生じにくくリワーク性が良好である。又は、粘着力が8N/25mmを超えて10N/25mm以下であり不意な剥離が生じずリワーク性もやや良好である。
C:粘着力が2N/25mm以下であり不意な剥離が生じる場合があるため問題がある。又は、粘着力が10N/25mmを超えておりリワーク性が不良であるため問題がある。
<耐熱性の評価方法>
粘着剤層付偏光板サンプルについて、吸収軸に対して長辺が90°になるように87mm×155mmの長方形状にカットし、0.7mm厚みの無アルカリガラス(コーニング社製、商品名イーグルXG)又は非結晶タイプのITO膜付きガラス(日本カーバイド工業社製、抵抗値300Ω/□非結晶タイプITOスパッタ膜付ガラス)の片面にラミネーターを用いて貼合した。なお、非結晶タイプのITO膜付きガラスについては、粘着剤層とITO膜とが接するように貼合した。貼合後、オートクレーブ処理(50℃、5kg/cm(490kPa)、20分)した後、23℃、50%RHの条件で24時間放置した。その後、85℃の耐熱条件で168時間放置した後、目視で観察し、発泡、又は剥がれの状態を確認し、下記評価基準で評価した。
−評価基準−
A:無アルカリガラスとITO膜付きガラスの両方で、発泡がほとんど認められなかった。さらに2辺において外周部から内側に0.5mm以上の位置に剥がれが認められなかった。
B:無アルカリガラスとITO膜付きガラスの一方で、発泡がわずかに認められた。又は2辺において外周部から内側に0.8mm以上の位置に剥がれが認められなかった。(Aに分類されるものを除く)
C:無アルカリガラスとITO膜付きガラスの両方で、発泡がわずかに認められた。又は2辺において外周部から内側に0.8mm以上の位置に剥がれが認められなかった。(Aに分類されるものを除く)
D:無アルカリガラスとITO膜付きガラスの一方又は両方で、発泡が顕著に認められた。又は2辺において外周部から内側に1.0mm以上の位置に剥がれが認められた。
[結果]
実施例1〜11では、架橋反応後のゲル分率が60%〜90%であり、ITO及びガラスに対する粘着力の評価がそれぞれB以上、かつ耐熱性の評価がC以上であった。
一方、比較例1〜4では、ITO及びガラスに対する粘着力の評価のいずれかがCであり、さらに比較例1、3では、耐熱性の評価がDであった。
また、比較例5では、架橋反応後のゲル分率が60%未満であり、ITO及びガラスに対する粘着力の評価がそれぞれC、かつ耐熱性の評価がDであった。
さらに、比較例6では、架橋反応後のゲル分率が90%超であり、耐熱性の評価がDであった。

Claims (7)

  1. イオン性基を有する単量体に由来する構成単位を全構成単位に対して0.05質量%〜5質量%と、水酸基を有する単量体に由来する構成単位を全構成単位に対して0.5質量%〜6質量%と、を有する重量平均分子量70万〜200万の(メタ)アクリル系重合体100質量部と、
    トリレンジイソシアネート、又はトリレンジイソシアネートとポリオールとのアダクト体であるイソシアネート化合物0.05質量部〜4質量部と、
    シランカップリング剤0.01質量部〜3.0質量部と、
    を含み、
    架橋反応後のゲル分率が60%〜90%である、粘着剤組成物。
  2. 前記イオン性基を有する単量体は、カチオン部を有し、
    前記カチオン部は、四級アンモニウムカチオンである、請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記イオン性基を有する単量体は、下記化学式(1)で表される単量体である、請求項1又は請求項2に記載の粘着剤組成物。


    (式中、Rは水素原子又はメチル基であり、Xはカチオン部であり、Yはアニオン部であり、Zは炭素数1〜3のアルキレン基である。)
  4. 有機溶媒をさらに含み、
    前記有機溶媒の総質量に対して30質量%以上が、炭素数3以上のアルコール系有機溶媒である、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  5. 前記イソシアネート化合物が、トリレンジイソシアネート又はトリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体である、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  6. 偏光板をガラス基板に貼着するために用いられる、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  7. 偏光板と、
    請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の粘着剤組成物から形成された粘着剤層と、
    を有する、粘着剤層付偏光板。
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