JPH07309859A - 新規生理活性物質bm99−1、bm99−2およびbm99−3 - Google Patents

新規生理活性物質bm99−1、bm99−2およびbm99−3

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JPH07309859A
JPH07309859A JP6191346A JP19134694A JPH07309859A JP H07309859 A JPH07309859 A JP H07309859A JP 6191346 A JP6191346 A JP 6191346A JP 19134694 A JP19134694 A JP 19134694A JP H07309859 A JPH07309859 A JP H07309859A
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compound
culture
penicillium
salt
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JP6191346A
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English (en)
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Satoru Hyodo
哲 兵頭
Kenichi Fujita
研一 藤田
Isamu Takahashi
勇 高橋
Osamu Kasuya
修 糟谷
Machiko Futamata
待子 二又
Katsuyuki Futamata
克之 二又
Keizo Inoue
圭三 井上
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Kaken Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Kaken Pharmaceutical Co Ltd
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホスホリパーゼA2 阻害作用を有する新規な
化合物を提供する。腫瘍細胞に対する殺細胞作用を有す
る新規な化合物を提供する。 【構成】 式 【化1】 で示される新規生理活性物質BM99−1および式 【化2】 で示される新規生理活性物質BM99−2および新規物
質BM99−3。 【効果】 ホスホリパーゼA2 阻害作用による該酵素に
起因する様々な病態の治療および予防に用いることが期
待される。腫瘍細胞の殺細胞作用による腫瘍疾病の治療
および予防に用いることが期待される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホスホリパーゼA2
害作用および腫瘍細胞に対する殺細胞作用を有する新規
化合物、その製造法および用途に関する。
【0002】
【従来の技術】ホスホリパーゼA2 はリン脂質の2位の
アシル基のエステル結合を加水分解し、遊離脂肪酸を生
成する酵素である。炎症局所滲出液中など、いくつかの
疾患の病態と関連してホスホリパーゼA2 が高濃度に検
出されることが知られている。また、ホスホリパーゼA
2 が膜リン脂質からアラキドン酸を遊離し、アラキドン
酸カスケードによりプロスタグランジン、ロイコトリエ
ンなどの脂質性メディエーターを産生させることが示さ
れている。従って、ホスホリパーゼA2 の酵素活性に対
する阻害物質が得られれば、該酵素の作用に起因または
関連する様々な病態を抑制し、予防あるいは治療するこ
とができると考えられる。
【0003】ホスホリパーゼA2 が関与すると考えられ
る病態としては、1)感染性、外傷性、薬物性などの外
因性およびリュウマチ性関節炎、痛風、乾鮮などの炎
症、2)肝炎、膵炎、腎炎などの内臓疾患、3)喘息、
アトピーなどのアレルギー性疾患およびリュウマチなど
の自己免疫疾患、4)脳梗塞、心筋梗塞などの虚血性疾
患および虚血性再還流時の障害、5)1)〜4)の疾患
に伴う疼痛または神経伝達過剰による神経痛などがあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来知られているホス
ホリパーゼA2 阻害物質としては、マノアライド、メパ
クリン、p−ブロモフェナシルブロミドなどが存在する
が、上記病態を予防および治療するのには十分とは言え
ず、さらなるホスホリパーゼA2 阻害物質の開発が待た
れている。また、現在までに種々の抗腫瘍剤が開発さ
れ、実用化されているが、腫瘍疾患のより効果的な治療
および予防のために、さらに新たな有用物質が待たれて
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ホスホリパー
ゼA2 阻害作用および腫瘍細胞に対する殺細胞作用を有
する新規な化合物を提供することを目的としている。本
発明者らはホスホリパーゼA2 の阻害剤を微生物代謝産
物に求めて探索した結果、カビの一種であるペニシリウ
ム・エスピー(Penicillium sp.)BM
−99株がホスホリパーゼA2 阻害活性を有する化合物
を生産する事を見いだした。該微生物を培養し、培養物
からホスホリパーゼA2 阻害活性を有する2種類の化合
物を単離した。さらに該化合物の有用な生理活性につい
て鋭意研究を重ねた結果、腫瘍細胞に対し殺細胞作用を
有することを見いだした。さらに該培養物から該化合物
に類縁である化合物をも見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0006】すなわち、本発明は以下の構造式で示され
る化合物BM99−1およびBM99−2および以下の
物理化学的性状を有するBM99−3またはその塩、ペ
ニシリウム属に属する菌株を培養し、その培養物より該
化合物を採取することを特徴とする製造方法、該化合物
またはその塩を含有してなるホスホリパーゼA2 阻害剤
および抗腫瘍剤である。
【0007】本発明の化合物の物理化学的性状を以下に
列挙する。 [1]BM99−1の物理化学的性状 1)構造式
【化3】 2)形状:黄色粉末 3)分子量:820 4)分子式:C506010 5)精密質量分析値(m/z) 実測値:821.4224(MH)+ (ポジティブファブマスによ
る。) 計算値:821.4265(C506110) 6)比旋光度[α]D 25:-222゜(c=1.0,MeO
H) 7)紫外線吸収スペクトル(nm(ε)):216(51,00
0),240(30,000),267(30,000),302(14,000),393(20,000)
(メタノール溶液中) 8)赤外線吸収スペクトル(cm-1):3200,2959,172
5,1645,1534,1451 (KBr法) 9)13C−核磁気共鳴スペクトル(δ:ppm):207.
6(s),191.0(s),170.8(s),169.1(s),166.6(s),164.7(s),
159.6(s),154.4(s),152.0(s),145.3(s),145.3(s),137.2
(d),136.7(d),133.7(d),128.4(s),124.5(d),120.8(d),1
18.8(s),113.0(d),110.7(d),104.7(s),101.8(d),86.3
(s),71.3(d),64.6(t),56.1(d),55.9(s),48.4(d),44.7
(s),44.3(d),43.3(t),42.6(t),41.7(d),40.7(d),40.2
(t),37.5(s),37.3(t),37.3(t),34.4(d),33.8(d),32.4
(t),25.3(q),24.4(q),21.5(q),20.8(t),20.5(q),20.2
(q),20.0(q),18.5(q),18.3(q) (重メタノール中のケミ
カルシフト) 10)溶解性:メタノール、ジメチルスルホキシド、ア
セトンに可溶。クロロホルムに難溶。水に不溶。
【0008】[2]BM99−2の物理化学的性状 1)構造式
【化4】 2)形状:黄色の粉末 3)分子量:806 4)分子式:C495810 5)精密質量分析値(m/z) 実測値:807.4117(MH)+ (ポジティブファブマスによ
る。) 計算値:807.4108(C495910) 6)比旋光度[α]D 25:-503゜(c=1.0,MeO
H) 7)紫外線吸収スペクトル(nm(ε)):219(47,00
0),269(23,000),336(31,000)(メタノール溶液中) 8)赤外線吸収スペクトル(cm-1):3200,2961,172
5,1620,1449(KBr法) 9)13C−核磁気共鳴スペクトル(δ:ppm):194.
7(s),194.0(s),178.5(s),171.0(s),166.4(s),165.4(s),
164.5(s),156.1(d),148.6(s),146.8(s),145.5(s),145.2
(s),136.7(d),133.6(d),129.3(s),121.0(d),116.6(s),1
12.8(d),111.5(d),106.9(d),105.0(s),101.8(d),86.6
(s),71.2(d),56.2(d),52.3(d),48.5(d),48.0(d),44.3
(d),43.9(s),42.5(t),40.6(d),40.1(t),38.5(d),38.0
(d),37.6(s),37.2(t),36.9(t),34.4(d),32.3(t),24.2
(q),22.8(q),21.4(q),20.6(t),20.5(q),20.2(q),20.2
(q),18.7(q),18.1(q) (重メタノール中のケミカルシフ
ト) 10)溶解性:メタノール、ジメチルスルホキシド、ア
セトンに可溶。クロロホルムに難溶。水に不溶。
【0009】[3]BM99−3の物理化学的性状 1)構造式
【化5】 と推定される。 2)質量分析値(m/z):805(M-H)- (ネガティブフ
ァブマスによる。) 3)紫外吸収スペクトル(nm):388,300(sh),268,21
2 (メタノール溶液中) 4)13C−核磁気共鳴スペクトル(δ:ppm):208.
17,190.66,170.80,166.65,162.63,156.79,151.54,145.3
1,145.08,139.27,136.72,133.71,128.77,122.78,121.0
1,115.74,112.88,106.23,104.70,101.74,86.36,71.26,6
4.65,62.38,56.35,56.01,48.32,44.66,44.38,43.52,42.
58,41.94,40.66,40.22,37.50,37.39,37.32,34.39,33.8
3,32.38,25.51,24.27,21.46,20.84,20.47,20.13,19.90,
18.43,18.24(重メタノール中のケミカルシフト)
【0010】本発明化合物BM99−1、BM99−2
およびBM99−3は、常法にしたがって塩とすること
ができる。そのような塩としては例えばナトリウム、カ
リウム、カルシウム等のアルカリ金属との塩、アンモニ
ウム、トリエチルアミン、エタノールアミン等の有機ア
ミンとの塩またはリジン、アルギニン等の塩基性アミノ
酸との塩など、生理学的に許容される塩を形成させるこ
とができる。
【0011】本発明化合物BM99−1、BM99−2
およびBM99−3を生産する菌株は、本発明者らが、
静岡県小笠郡小笠町にて採取した草地の土壌から分離さ
れたペニシリウム・エスピー(Penicillium
sp.)BM−99株を挙げることができる。本菌株
の菌学的性状は次の通りである。
【0012】(1)形態 本菌株は、ツアペック・イーストエキストラクト寒天培
地、マルトエキストラクト寒天培地、バレイショ・ブド
ウ糖寒天培地で良好に生育し、分生子の着生も良好であ
る。ツアペック・イーストエキストラクト寒天培地とバ
レイショ・ブドウ糖寒天培地に生育したコロニーを光学
顕微鏡で観察すると、菌糸は隔壁を有し、よく分岐す
る。分生子柄は主に培地上の菌糸より気中に直立して長
さ30〜95μmまで伸長し、幅は2〜4μmである。
ペニシリは複輪生、散開型である。メトレは、長さ7〜
10μm、幅2.5〜3.5μmで、その先端にとっく
り型(acerose) の長さ7〜9μm、幅2〜
2.5μmのフィアライドが存在する。分生子は、黄緑
色を呈し、直径2〜3μmの球形から亜球形で、フィア
ライド上に連鎖して生じる。形成された分生子の連鎖
は、分散しやすい。
【0013】(2)各種培地上での性状 各種培地上で、25℃、7日間培養した場合の肉眼的観
察結果を表1に、生育状態を表2に示した。なお、色調
の表示はカラー・ハーモニー・マニュアル(colar harmo
ny manual)(コンテイナー・コーポレーション・オブ・
アメリカ(Container Corporation of America)社製)の
標準色の色調コード番号に従った。
【表1】
【表2】
【0014】(3)生理学的性質 1)生育温度範囲および最適温度 本菌株はポテトデキストロース寒天培地上において、生
育温度範囲は11〜40℃であり、最適生育温度は25
〜38℃である。 2)生育pH範囲および最適pH 本菌株はBM99−1、BM99−2およびBM99−
3を生産する培地中30℃において、pH2〜11の範
囲で生育し、最適生育pHはpH4〜7である。 3)好気性、嫌気性の区別:本菌株は好気性菌株であ
る。
【0015】上記BM−99株の形態的特徴、培養上の
諸性状、生理学的性状に基づき、既知菌種との比較を試
みた結果、本菌株をペニシリウム(Penicilli
um)属に属する一菌株と同定し、ペニシリウム・エス
ピー(Penicillium sp.)BM−99と
命名した。本菌株は、工業技術院生命工学工業技術研究
所に微工研菌寄第14231号(FERM P−142
31)として寄託されている。
【0016】ペニシリウム属の菌類の諸性質はきわめて
変異しやすく、一定したものではなく、自然的あるいは
通常行われる紫外線、X線または化学薬剤で人工的変異
手段によって容易に変化することは周知の通りである。
従って、本発明で使用しうる菌株は、人工的変異株は勿
論、自然変異株をも含め、ペニシリウム属に属するBM
99−1、BM99−2またはBM99−3を生産する
能力を有する全ての菌株を包含するものである。
【0017】本発明においては、ペニシリウム属に属す
るBM99−1、BM99−2およびBM99−3生産
菌が培地で培養される。本菌の培養には、通常のカビの
培養法が一般に用いられる。培養培地としては、使用さ
れる微生物が利用する炭素源、窒素源、さらに必要に応
じて無機塩などを程よく含有する培地であればよく、合
成培地、半合成培地あるいは天然培地が用いられる。
【0018】炭素源としては、グルコース、シュークロ
ース、グリセロール、フルクトース、マルトース、マン
ニトール、デキストラン、オート麦、ライ麦、澱粉、ジ
ャガイモ、トウモロコシ粉などが単独または組合わせて
用いられる。窒素源としては、ペプトン、肉エキス、酵
母エキス、麦芽エキス、乾燥酵母、コーンステープリカ
ー、カゼイン加水分解物、大豆粉、綿実粉、尿素、硫酸
アンモニウム、硝酸アンモニウムその他の有機、無機窒
素源が単独または組合わせて用いられる。
【0019】このほか、例えばリン酸水素二ナトリウ
ム、リン酸二水素カリウム、塩化ナトリウム、塩化マグ
ネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの無
機塩や鉄、マンガン、亜鉛、コバルトなどの微量の重金
属塩も必要に応じて単独かまたは組合わせて培地に添加
される。また、培養中発泡の著しい時には、消泡剤とし
てシリコン化合物、高級アルコール、植物油などを用い
ることができる。
【0020】培養方法は通常振盪培養または通気攪拌培
養などの好気的条件下が適している。培養温度は20〜
37℃の範囲が望ましいが、通常は24〜30℃に保つ
のがよい。培地のpHを4〜7の範囲に調整すると好結
果が得られる。培養時間は、培地の組成、温度条件に応
じて変化するが、通常2〜7日間培養するのが好まし
い。
【0021】培養より生成したBM99−1、BM99
−2およびBM99−3は、菌体内および培養濾液中に
含有されているが、通常、菌体内の方が蓄積される生成
量が多いので、培養物を遠心分離または濾過によって菌
体と培養濾液とに分離した後、菌体から目的物質の抽出
する方法が有利である。
【0022】
【実施例】次に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的
に説明する。
【0023】<実施例1>500ml容三角フラスコに
グルコース5%、大豆粉0.5%、麦芽エキス0.5
%、酵母エキス0.1%、ポリペプトン0.5%、硫酸
鉄0.05%、硫酸マンガン0.05%、硫酸マグネシ
ウム0.05%を含む培地(pH6.5)を80mlず
つ分注し、121℃で20分間蒸気滅菌したものに、ポ
テトデキストロース寒天培地上に生育させたペニシリウ
ム・エスピーBM−99株の菌糸をかき取って接種し、
25℃で30時間振盪培養して種培養液を得た。
【0024】次に、上記の培地40lを作製し、これを
500ml三角スラスコに80mlずつ分注し、121
℃で20分間蒸気滅菌したものに、種培養液を1%の割
合で移植し、25℃で5日間振盪培養を行った。培養終
了後、培養液を遠心分離により培養上澄液と菌体に分け
た。得られた40l分の培養液の菌体にアセトン27l
を加えて一晩抽出した。アセトンでの抽出をさらに1回
行った後、抽出液を減圧濃縮して粗製物を得た。蒸留水
12lで懸濁した後、酢酸エチル12lを加えてよく攪
拌し、酢酸エチル層を分離した。酢酸エチルでの抽出を
さらに2回繰返した。
【0025】減圧濃縮乾固した物質をクロロホルムに溶
解し、クロロホルムで平衡化したシリカゲル(ワコーゲ
ルC−200、和光純薬社製、200g)のカラムに吸
着させた。クロロホルム−メタノール(10:1、5:
1)の混合溶媒で溶出した分画を集め、減圧濃縮乾固し
た後、再度シリカゲルのカラムに吸着させた。ヘキサン
−酢酸エチル(1:2)の混合溶媒で活性成分が回収さ
れた。得られた活性画分を減圧濃縮乾固した後メタノー
ルに溶解し、この溶液をセファデックスLH−20(フ
ァルマシア社製)のカラムを用いてメタノール溶媒にて
ゲル濾過を行った。
【0026】活性画分をメタノール20mlに溶解し、
次いで逆相クロマトグラフィーに付して精製した。すな
わち、逆相カラムのカプセルパックC18 AG120
(20mm i.d.×250mm、資生堂社製)を用
い、40回に分けてカラムに付した。カラムは、95%
アセトニトリル・水の移動相で10ml/分で溶出し
た。カラムに接続したUV検出器(390nm)が示す
14分から15分のピークを分取してBM99−2を2
00mg得、18分から19分のピークを分取してBM
99−1を60mg得た。
【0027】さらに、回収画分を再度逆相クロマトグラ
フィーに付した。すなわち、カプセルパックC18 A
G120(20mm i.d.×250mm)を用い、
3回に分けてカラムに付した。カラムは10ml/分の
流速で、85%アセトニトリル・水の移動相で0分から
30分溶出した後、30分から45分に85%アセトニ
トリル・水からアセトニトリルのリニアグラジエントで
溶出し、45分からはアセトニトリルで溶出をした。4
6.5分から47.5分のピークを分取してBM99−
3を0.1mg得た。得られた化合物はいずれも、先に
示した物理化学的性状を示した。
【0028】次に、本発明化合物の生理活性について例
を挙げて説明する。 <実施例2> ホスホリパーゼA2 阻害作用 酵素活性の測定は、ジミリストイル−sn−グリセロ−
3−ホスホエタノールアミンを基質とし、生成した遊離
脂肪酸を蛍光標識して定量した(藤田ら,実験医学,Vo
l.9,No.3,p.91(1991))。ラット血小板由来のホスホリ
パーゼA2 に対するIC50値はBM99−1が0.44
μM、BM99−2が0.56μMで、インドメタシン
のIC50値39.8μMよりも強い阻害作用を示した。
また、ブタ膵臓由来ホスホリパーゼA2 (シグマ社製)
に対するIC50値はBM99−1が51.7μM、BM
99−2が39.0μMであった。
【0029】<実施例3> 腫瘍細胞に対する殺細胞作
用 殺細胞作用の判定にはMTT法(Mosmann,T.,J.Immuno
l.Methods,65,55-63,(1983))に若干の改良を加えたも
のを用いた。RPMI1640培地(日水製薬社製)を
用いて、HeLa(ヒト子宮頸部ガン)を5×104
ell/ml、P388(マウス白血病)を1×105
cell/mlに調整し、96ウェルマルチプレート
(ファルコン社製、No.3072)に100μlずつ
分注した。該培地を用いてBM99−1およびBM99
−2を調製し、上記96ウェルマルチプレートに50μ
lずつ添加した。CO2 インキュベーターで37℃、3
日間培養した。5mg/mlに調製したMTT(シグマ
社製)を10μl添加し、5時間反応した。
【0030】上清を捨て、0.04規定塩酸−イソプロ
パノール溶液100μlで懸濁し、水50μlを添加し
た後、マイクロプレートリーダー(東ソー社製、MPR
A4)にて測定を行った。すなわち、620nmをリフ
ァレンスに設定し、570nmの吸光度を測定して、サ
ンプルブランクに対する吸光度の%を求めた。表3にH
eLa細胞およびP388細胞に対するED50値を記載
する。
【表3】
【0031】
【発明の効果】これらの結果から明らかなように、新規
生理活性物質BM99−1およびBM99−2はホスホ
リパーゼA2 阻害作用を有し、該酵素に起因する様々な
病態の治療および予防に用いることが期待される。ま
た、該化合物は腫瘍細胞の殺細胞作用を有し、腫瘍疾病
の治療および予防に用いることが期待される。新規化合
物BM99−3はこれらの結果から明らかなようにBM
99−1およびBM99−2と類縁の化合物であり、同
様の生理活性が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】BM99−1の1H−NMRスペクトルであ
る。
【図2】BM99−2の1H−NMRスペクトルであ
る。
【図3】BM99−3の1H−NMRスペクトルであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12P 17/06 C12R 1:80) (72)発明者 糟谷 修 静岡県藤枝市源助301番地 科研製薬株式 会社中央研究所内 (72)発明者 二又 待子 静岡県藤枝市源助301番地 科研製薬株式 会社中央研究所内 (72)発明者 二又 克之 静岡県藤枝市源助301番地 科研製薬株式 会社中央研究所内 (72)発明者 井上 圭三 東京都江東区越中島1−3−17−605

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の構造式で示される化合物BM99−
    1またはその塩。 【化1】
  2. 【請求項2】以下の構造式で示される化合物BM99−
    2またはその塩。 【化2】
  3. 【請求項3】以下の性状を有する化合物BM99−3ま
    たはその塩。 1)質量分析値(m/z):805(M-H)-(ネガティブ
    ファブマスによる。) 2)紫外吸収スペクトル(nm):388,300(sh),268,21
    2(メタノール溶液中) 3)13C−核磁気共鳴スペクトル(δ:ppm):208.
    17,190.66,170.80,166.65,162.63,156.79,151.54,145.3
    1,145.08,139.27,136.72,133.71,128.77,122.78,121.0
    1,115.74,112.88,106.23,104.70,101.74,86.36,71.26,6
    4.65,62.38,56.35,56.01,48.32,44.66,44.38,43.52,42.
    58,41.94,40.66,40.22,37.50,37.39,37.32,34.39,33.8
    3,32.38,25.51,24.27,21.46,20.84,20.47,20.13,19.90,
    18.43,18.24,(重メタノール中のケミカルシフト)
  4. 【請求項4】ペニシリウム属に属する請求項1、2およ
    び3に記載の化合物を生産する菌株を培養し、その培養
    物より該化合物を採取することを特徴とする該化合物の
    製造方法。
  5. 【請求項5】ペニシリウム属に属する菌株が、ペニシリ
    ウム・エスピー(Penicillium sp.)B
    M−99(微工研菌寄第14231号(FERM P−
    14231))である請求項4記載の製造法。
  6. 【請求項6】請求項1、2および3記載の化合物または
    その塩を含有してなるホスホリパーゼA2 阻害剤。
  7. 【請求項7】請求項1、2および3記載の化合物または
    その塩を含有してなる抗腫瘍剤。
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