JPH05239023A - 生理活性物質mbp039−06およびその製造法 - Google Patents

生理活性物質mbp039−06およびその製造法

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JPH05239023A
JPH05239023A JP4345692A JP4345692A JPH05239023A JP H05239023 A JPH05239023 A JP H05239023A JP 4345692 A JP4345692 A JP 4345692A JP 4345692 A JP4345692 A JP 4345692A JP H05239023 A JPH05239023 A JP H05239023A
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mbp039
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Megumi Furui
恵 古井
Junko Takashima
純子 高嶋
Keiko Sudo
桂子 須藤
Noriko Chiba
紀子 千葉
Takashi Mikawa
隆 三川
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Mitsubishi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記式 【化1】 で表わされる生理活性物質MBP039−06。フェオ
スフェリア(Phaeosphaeria)属に属する
微生物を培養し、その培養物から該MBP039−06
物質を採取する。 【効果】 生理活性物質MBP039−06は新規であ
り、低濃度でプロリン水酸化酵素の阻害活性を有するこ
とから、肝硬変、肺線維化症等の臓器線維化症に対する
治療薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロリン水酸化酵素の
阻害活性を有する新規な生理活性物質MBP039−0
6およびその製造法に関し、詳しくは、フェオスフェリ
ア属に属する微生物の培養物から該MBP039−06
物質を採取することにより、該MBP039−06物質
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする問題点】肝硬
変、肺線維化症などの臓器線維化症はコラーゲンの異常
増加に起因する疾患とされているが、その線維化抑制剤
の一つとしてコラーゲン生合成に関与している酵素の一
つであるプロリン水酸化酵素の阻害剤が考えられる。こ
の阻害剤の添加によりプロリンの水酸化を抑制すると低
水酸化コラーゲン分子が得られるが、これは機能性を有
さず、細胞からわずかの量のみしか細胞外間隙に放出さ
れ得ない。更に低水酸化コラーゲンはコラーゲンマトリ
ックス中に導入され得ず、しかも非常に容易に蛋白質加
水分解による分解が進行する。これらの効果により、結
果的に細胞外で蓄積されるコラーゲン線維が全体として
減少することになる。従って、プロリン水酸化酵素の阻
害剤はコラーゲン線維の蓄積が病像に重大な影響を与え
るような疾患の治療に対して有効な手段となる。
【0003】従来、プロリン水酸化酵素の阻害剤として
ピリジン−2,4−ジカルボン酸及びピリジン−2,5
−ジカルボン酸さらに、それらの誘導体(Eur.J.
Biochem、138,239−245,1984:
特開昭61−60655号、同63−216870号、
同63−216871号、同63−216873号、同
63−238059号各公報)や、各種のペプチド類
(特公昭52−29740号、同53−27273号、
特開平2−42098号各公報)が知られているが、更
に新しいタイプの薬剤の出現が望まれていた。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、微生物
が抗生物質等の種々の生理活性物質を生産することに着
目し、自然界より多数の試料を採取してそれから分離さ
れた多種類の微生物の培養物について検討を重ねた結
果、フェオスフェリア(Phaeosphaeria
属に属するある種の菌株の培養物中に、上記のプロリン
水酸化酵素阻害作用を有する物質が生産されていること
を見出し、その構造を明らかにして、本発明を完成する
に至った。
【0005】すなわち本発明の要旨は、下記式(I)で
示される生理活性物質MBP039−06及びその製造
法に存する。
【0006】
【化2】
【0007】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明の新規生理活性物質MBP039−06は、例えばフ
ェオスフェリア(Phaeosphaeria)属に属
する新規生理活性物質MBP039−06生産菌を培養
し、その培養物から新規生理活性物質MBP039−0
6を単離することによって得ることができる。生理活性
物質MBP039−06の生産菌はフェオスフェリア属
に属する微生物であって、その培養液中に採取するに十
分な量の生理活性物質MBP039−06を生産する能
力を有するものであればいかなるものであってもよい。
このような菌株の例としては、本発明者らによりイネ科
植物体より新たに分離された小房子嚢菌に属するフェオ
スフェリア・エスピー(Phaeosphaeria
sp.)L288菌株(以下「本菌株」または「L28
8株」と略すこともある)が挙げられる。L288株の
微生物学的性質は下記の通りである。
【0008】(1) 形態学的特徴 子嚢果は宿主植物上に散在あるいは群生する。はじめ植
物表皮下に埋没して生じる、のちに表皮を破り、子嚢果
を露出させる。子嚢果は亜球形〜円錐形、直径150〜
500μm。殻壁は2〜4層の薄い層から成り、その細
胞は多角状、比較的柔軟。明瞭な頸部を欠く。基底部は
薄く平扁。殻壁表面は褐色の綿毛状菌糸におおわれる。
子嚢は多数生じる、広円筒形〜紡錘形、(78−85)
×(11.5−15)μm、頂端は丸く、厚膜、二重壁
構造、8胞子性、偽側糸は豊富に生じ、糸状、隔壁を有
し、分枝する。子嚢胞子は子嚢内に4列状に配列する、
紡錘形〜円筒形、(35−45)×(4.6−5.3)
μm、黄褐色、平滑、3隔壁を有する、各細胞は顕著な
膨大細胞を欠く、各細胞はほぼ均一の大きさである。ゼ
ラチン鞘におおわれることはない。
【0009】(2) 各種培地上における培養上の特徴 (イ)ジャガイモ・ブドウ糖寒天培地(PDA)上、2
0℃、3週間の培養コロニーは綿毛状、表面は灰色がか
った褐色を呈する、裏面は黄褐色を呈する、気生菌糸は
巾4.6−5.6μmに至る、隔壁を有する、淡黄色を
呈する、基底菌糸は放射状に伸長し、分枝する、巾4−
6.8μmに至る、多数の隔壁を有す、黄褐色。PDA
上、3週間の培養では子嚢果(テレモルフ)及び分生子
(アナモルフ)の形成は見られなかった。 (ロ)麦芽寒天培地(MA)上、20℃、3週間の培養
本培地上での培養上の特徴は上記PDA上での性状とほ
ぼ同一であった。
【0010】(3) 生理的性質 (イ)最適生育条件 最適pH:5−7〔LCA液体培地中、14日間培養
(三浦・工藤、1970日本菌学会報11:116−1
18)〕 最適温度:15−20℃(PDA寒天培地上、14日培
養) (ロ)生育の範囲 pH 3−9(LCA液体培地中、14日間培養) 温度 10−27℃(30℃以上では生育せず)
【0011】(4) 分類学的考察 (イ)高次の分類学上の位置 本菌株(L288)は、イネ科植物体上に着生して生
じ、亜球形〜円錐形の子嚢果を形成する。永続性の偽側
糸(Pseudoparaphysis)を持つ。子嚢
は二重壁構造を有する。子嚢胞子は隔壁を有し、多室で
ある等の主な特徴を持つことから、L.Holm,Sy
mb,Botan,Upsal,14(3)1−188
(1957);E.S.Lutterell,Locu
loascomycotes,The Fungi,V
ol,4A(ed.G.C.Ainsworth et
al.),135−219(1973);J.A.v
onArx & E.Muller,Stud.Myc
ol.,9,1−159(1975)等によって分類さ
れている小房子嚢菌綱(ロキュロアスコミセイテス,L
oculoascomycetes)−プレオスポラ目
(Pleosporales)−プレオスポラ科(Pl
eosporaceae)に帰属する。
【0012】(ロ)属レベルの同定 本菌株(L288)は、1)子嚢果は球形〜亜球形又は
円錐形、2)子嚢果殻壁は豊富な褐色糸状菌糸におおわ
れる、剛毛を欠く、3)隔壁は2−3層の薄い層から成
る、その細胞は多角状、柔軟、4)子嚢胞子は3〜8隔
壁から成り、通常7隔壁を有す、黄褐色を呈す、胞子は
ゼラチン鞘におおわれる、等の特徴を有する。これらの
性状について、L.Holm,Symb.Botan.
Upsal.,14(3):1−188;E,S,Lu
tterell,Loculoascomycete
s,The Fungi,Vol,4A(ed.G.
C.Ainsworth et al.),135−2
19(1973);J.A.von Arx & E.Muller,Stud,Myco
l.,9:1−159(1975)のプレオスポラ科に
関する分類学的文献によって検索したところ、本菌株
(L288)はフェオスフェリア(Phaeospha
eria)属に帰属することが判明した。
【0013】(ハ)種レベルの同定 L.Holm,Symb.Bot.Upsal.,14
(3):1−188(1957)及びG.A.Hedj
aroude,Sydowia22:57−107(1
968)のフェオスフェリア(Phaeosphaer
ia)属に関するモノグラフによれば、本属には45種
が記載されている。種の識別点として、1)子嚢胞子の
諸性質、すなわち、胞子の形態、大きさ、隔壁数、膨大
細胞の位置、狭窄の有無、付属体の有無、胞子の色合、
2)宿主植物の違いが挙げられてるいる。
【0014】本菌株(L288)は1)子嚢胞子は紡錘
形〜円筒形、(35−45)×(4.6−5.3)μm
の大きさ、2)3隔壁を有す、3)顕著な膨大細胞を欠
く、各細胞はほぼ同一の大きさでなる、4)子嚢内での
配列は、4個の胞子が束状に並んで配列する性状を有
す。これらの形態学的性状について、上記文献を検索し
たところ、本菌株(L288)の子嚢胞子の形態学的性
状はPhaeosphaeria juncinaによ
く一致した。しかしながら、子嚢果が150−500μ
mと大形である点(P.juncina,75−150
μm)、宿主植物がイネ植物(P.juncinaはイ
グサ科、カヤツリグサ科植物)である点において、P.
juncinaとは異っていた。菌着生の宿主細胞の違
いはフェオスフェリア属の種同定の重要な識別形態の1
つとしてとり挙げられている。よって本菌株(L28
8)はPhaeosphaeria sp.L288と
同定した。
【0015】なお、L288株は工業技術院微生物工業
技術研究所に微工研菌寄第12800号(FERM P
−12800)として寄託されている。一般に、フェオ
スフェリア・エスピー(Phaeosphaeria
sp.)L288は、他の菌類の場合にみられるように
その性状が変化しやすい。例えば、L288株の、又は
この株に由来する突然変異株(自然発生又は誘発性)、
形質接合体又は遺伝子組換え体であっても、新規生理活
性物質MBP039−06物質の生産能を有するものは
すべて本発明の方法に使用することができる。
【0016】本発明においては、前記の菌を通常の微生
物が利用し得る栄養物を含有する培地で培養する。栄養
源としては、グルコース、水あめ、デキストリン、シュ
ークロース、澱粉、糖蜜、動・植物油等を使用できる。
また窒素源として、大豆粉、小麦胚芽、コーンスティー
プ・リカー、綿実粕、肉エキス、ペプトン、酵母エキ
ス、硫酸アンモニウム、硝酸ソーダ、尿素等を使用でき
る。その他、必要に応じ、ナトリウム、カリウム、カル
シウム、マグネシウム、コバルト、塩素、燐酸、硫酸及
びその他のイオンを生成することができる無機塩類を添
加することは有効である。また菌の生育を助け、生理活
性物質MBP039−06の生産を促進しようとするよ
うな有機及び無機物を適当に添加することができる。
【0017】培養法としては、好気的条件での培養法が
適している。培養に適当な温度は20〜30℃である
が、多くの場合、26〜30℃付近で培養する。MBP
039−06の生産は、培地や培養条件により異なる
が、通常3〜10日の間でその蓄積が最適に達する。培
養物中のMBP039−06の蓄積量が最大となったと
きに培養を停止し、培養液から、目的物質を単離する。
本発明のMBP039−06は、脂溶性物質であるので
培養物からMBP039−06を単離精製するにあたっ
ては、その特性を利用して行うことができる。すなわ
ち、酢酸エチル、クロロホルム等による溶媒抽出法;シ
リカゲル、アルミナ、ODS、ダイヤイオンHP−20
(三菱化成社製)等の合成吸着剤、またセファデックス
LH−20(ファルマシア社製)等のゲル濾過剤等によ
るカラムクロマトグラフィー;さらにシリカゲル等を担
体とした分取薄層クロマトグラフィー等が有効である。
【0018】本発明者らは、生理活性物質MBP039
−06を、上記のような手段・方法を用いて単離精製
し、その物理化学的性状を調べ、MBP039−06が
前記(I)式の構造式で示される化合物であること、か
つ本化合物が新規化合物であることを明らかにした。こ
のようにしてMBP039−06を製造することができ
るが、その物理的性状は、次の通りである。
【0019】1)外観:黄色結晶 2)融点:212−214℃ 3)分子量:277(EI−MS M+
【0020】4)紫外部吸収スペクトル:メタノール溶
液中及び水酸化ナトリウムアルカリ性メタノール溶液中
で測定した紫外部吸収の吸収極大波長は以下に示すとお
りである。 メタノール溶液中 λMAX :254nm(ε=5450) 386nm(ε=19500) アルカリ性メタノール溶液中 λMAX :257nm(ε=6770) 347nm(ε=15300)
【0021】5)CDスペクトル メタノール溶液中で測定したCDスペクトルの極値の波
長は以下に示すとおりである。 λEXT :250nm(Δε=−1.24) 358nm(Δε=−0.87)
【0022】6)赤外部吸収スペクトル:KBr法で測
定した赤外部吸収スペクトルの主な吸収極大の波数は以
下に示すとおりである。 ν(cm-1):3000,1710,1650,156
0,1440
【0023】7)水素核核磁気共鳴スペクトル:ジメチ
ルスルホキシド−d6 溶液中で測定した500MHz水
素核核磁気共鳴スペクトルは以下に示すとおりである。 δppm :1.82(3H,d,J=7.0Hz);2.
57(1H,dd,J=17.0,6.5Hz);2.
63(1H,d,J=17.0,4.5Hz);4.0
6(1H,br);6.08(1H,dq,J=15.
0,7.0Hz);6.29(1H,dd,J=15.
0,11.0Hz);6.47(1H,dd,J=1
5.0,11.5Hz);6.83(1H,dd,J=
11.0,15.0Hz);7.02(1H,d,J=
15.5Hz);7.45(1H,dd,J=15.
0,11.5Hz);8.8(1H,br,OH);1
2.4(1H,br,OH)
【0024】8)炭素核核磁気共鳴スペクトル:ジメチ
ルスルホキシド−d6 で測定した 125MHz炭素核核磁気共鳴スペクトルは以下に示す
とおりである。 δppm :18.52(q);35.79(t);58.
18(d);100.05(s);119.62
(d);128.68(d);131.72(d);1
37.06(d);143.91(d);144.24
(d);171.20(s);172.29(s);1
75.32(s);194.37(s)
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明はその要旨をこえない限り以下の実
施例によって限定されるものではない。
【0026】(実施例1)コーンスターチ2.0%、グ
ルコース0.5%、大豆油0.5%、ファーマメディア
2.0%、大豆粉5.0%、スタミノール0.1%、炭
酸カルシウム1.0%、を含有する培地(pH6.0)
を200mlの三角フラスコ20本に40mlづつ分注
し、121℃において20分間高圧滅菌する。これに、
MBP039−06生産株、フェオスフェリア・エスピ
ーL288株を1白金耳づつ植菌し、27℃において3
日間、210回転にて振とう培養する。別に上記と同一
組成からなる培地を調製し、その80mlを500ml
三角フラスコ100本に分注し、121℃において20
分間高圧滅菌する。この主発酵培地に前記種培養液を4
mlずつ接種し27℃において5日間、210回転にて
培養する。得られた培養物を遠心法により、培養上清液
4.31と培養菌体2.61に分離した。
【0027】ここで得られた培養上清に濃塩酸を加え、
pHを2に調整したのち、ダイアイオンHP−20(三
菱化成社製)1Lを加えた。これを濾過した後、5.7
Lの1%酢酸水で洗浄する。1%酢酸を加えたアセトニ
トリル−水混液(1:4)2.5Lで洗浄した後、1%
酢酸を加えたアセトニトリル−水混液(2:3)2.5
L、次に1%酢酸を加えたアセトニトリル−水混液
(3:2)2.5Lで溶出した。溶出した画分それぞれ
について、アセトニトリルを減圧留去した後、濃塩酸で
pHを2に調整し、等量の酢酸エチルで二回抽出を行っ
た。酢酸エチル層をそれぞれ減圧留去し、あわせて、
3.1gの油状物質Aを得た。また、先に得られた培養
菌体に3.8Lのアセトンを加え抽出し、濾過により菌
体を除いた菌体抽出液を濃縮し、2Lとした。これに濃
塩酸を加え、pH2に調整し、等量の酢酸エチルにて二
回抽出を行った。抽出物を減圧下濃縮し10.2gの油
状物質を得た。この油状物質を1%酢酸を加えたメタノ
ール−水混液(1:9)に懸濁し、これにダイアイオン
HP−201Lを加えた。これを濾過し、1%酢酸を加
えたアセトニトリル−水混液(1:4)2.5Lで洗浄
した後、1%酢酸を加えたアセトニトリル−水混液
(2:3)2.5L、次に1%酢酸を加えたアセトニト
リル−水混液(3:2)2.5L、次に1%酢酸を加え
たアセトニトリル−水混液(4:1)2.5Lで溶出し
た。溶出した画分それぞれについて、アセトニトリルを
減圧留去した後、それぞれ等量の酢酸エチルで二回抽出
を行った。酢酸エチル層をそれぞれ減圧留去し、あわせ
て、5.1gの油状物質Bを得た。次に油状物質Aと油
状物質Bとをあわせ、オクタデシルシリカゲルを用いた
逆層分配クロマトグラフィーに付した。この油状物質を
MCI GEL ODS(三菱化成社製)20gにまぶ
し、減圧乾燥後、MCI GEL ODS200gを充
填したカラムにのせ、0.2%トリフルオロ酢酸を加え
たアセトニトリル−水混液(3:7)1Lで洗浄した。
次いで0.2%トリフルオロ酢酸を加えたアセトニトリ
ル−水混液(2:3)0.6Lで洗浄した後、0.2%
トリフルオロ酢酸を加えたアセトニトリル−水混液
(2:3)0.4Lで溶出し、次いで0.2%トリフル
オロ酢酸を加えたアセトニトリル−水混液(1:1)
0.6Lにて溶出した。溶出液を集め減圧下濃縮乾固し
1.04gの粘性物質を得た。これをメタノールより結
晶化しMBP039−06の結晶88.6mgを得た。
本物質の物理的性質は、前記の通りである。
【0028】(試験例1)次にMBP039−06によ
るプロリン水酸化酵素の活性を阻害する作用を示す。M
BP039−06によるプロリン水酸化酵素の阻害活性
の測定はK.I.Kivirikko等の方法[Eu
r.J.Biochemistry 52 9−16
(1975)]に準じて鶏胚より調製した部分精製酵素
を使用し、(Pro−Pro−Gly)10・9H2 Oを
基質として、R.E.Rhoad等の方法[Metho
ds in Enzymology,X VIII B,3
06(1971)]に準じて行った。すなわち反応液2
00μl中に、0.05Mトリス塩酸緩衝液pH7.
8、上記基質40μg、硫酸第一鉄0.05mM、アス
コルビン酸2mM、ジチオスレイトール0.1mM、牛
血清アルブミン0.4mg、14Cでラベルした放射性の
α−ケトグルタル酸を含む0.1mMα−ケトグルタル
酸、カタラーゼ50μg、プロリン水酸化酵素0.4m
lを含有させ、37℃で20分間反応を行った。つい
で、反応液と等量の25%トリクロロ酢酸で反応を停止
し、放出される二酸化炭素を補集し放射能を測定した。
同様に基質を含まない反応液でも反応を行い基質を含む
場合の反応での放射能測定値から基質を含まない反応で
の放射能測定値を引き、それをプロリン水酸化酵素の活
性の指標とし、その活性を50%阻害するのに必要な阻
害物質の濃度を50%阻害濃度とした。その結果、MB
P039−06の50%阻害濃度は16μMであった。
【0029】
【発明の効果】本発明の新規生理活性物質MBP039
−06は低濃度でプロリン水酸化酵素の阻害活性を有す
ることから、肝硬変、肺線維化症等の臓器線維化症に対
する治療薬として期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:645) (72)発明者 千葉 紀子 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 三川 隆 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 で示される生理活性物質MBP039−06。
  2. 【請求項2】 フェオスフェリア属に属する新規生理活
    性物質MBP039−06生産菌を培養し、その培養物
    から新規生理活性物質MBP039−06を採取するこ
    とを特徴とする生理活性物質MBP039−06の製造
    法。
JP4345692A 1992-02-28 1992-02-28 生理活性物質mbp039−06およびその製造法 Pending JPH05239023A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112795494A (zh) * 2021-01-05 2021-05-14 浙江大学 一种基因工程菌及其构建方法和用途

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CN112795494A (zh) * 2021-01-05 2021-05-14 浙江大学 一种基因工程菌及其构建方法和用途
CN112795494B (zh) * 2021-01-05 2022-07-19 浙江大学 一种基因工程菌及其构建方法和用途

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