JPH0730981B2 - 製氷機の保護装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、貯水タンク内の製氷水を冷凍装置を構成する
製氷部材にポンプ装置にて循環し製氷部材に氷塊を生成
する自動製氷機に関し、特にその製氷終了を検出する装
置の保護に関するものである。

従来の技術 従来の製氷機の一例について以下図面を参照しながら説
明する。第３図は従来の製氷機の構造を、第４図はその
動作のフローチャートを示しており、１は断熱壁にて形
成されている製氷機本体であり、製氷室２と機械室３か
ら構成されている。製氷室２内には蒸発器４を具備する
製氷部材５が傾斜設置されている。また製氷水を貯留す
る貯水タンク６及びこの貯水タンク６内に循環ポンプ装
置７が装設され、前記製氷部材５とで流水循環式製氷系
統が構成されている。前記製氷部材５には製氷部材５の
所定温度を検出することにより離氷を検出する離氷検出
装置22が密着されて取付けられている。また前記製氷部
材５の下方に貯氷室８及び離氷後の板氷を受け所定の大
きさの氷塊に切断する板氷切断用ヒータ装置９を設けて
いる。また機械室３には蒸発器４と共に冷凍回路を形成
する電動圧縮機10及び凝縮器11を配置している。12は凝
縮器11の空冷用ファン及びそのモータである。また13は
前記貯氷室８内の所定氷量を検出する感温部をもった貯
氷検出装置で、氷塊の接触温度を感知して貯氷を検出す
る様設定されている。14は水源に接続された給水管路15
を電気的に開閉し貯水タンク６内に製氷水を導入する給
水装置として給水弁である。貯水タンク６内には、所定
水位を維持する排水パイプ16と、上位レベル水位17を検
出する上位水位検出装置18と、下位レベル水位19を検出
する下位水位検出装置20が配設されている。

21は製氷部材５に生成した氷を離氷する際、蒸発器４に
電動圧縮機10より流すホットガスを電気的に制御する電
磁弁である。

次にその動作について説明する。まず貯水タンク６内に
製氷水を満水にした状態より製氷が開始され、製氷部材
５に氷が生成されるにつれ貯水タンク６内の水位が低下
し、所定氷厚にセットされている下位レベル水位19に達
すると下位水位検出装置20により検出され、製氷サイク
ルを停止させ離氷サイクルに切換る。離氷サイクルでは
電磁弁21の切換わりによってホットガスが蒸発器４に流
れ製氷部材５に生成した板氷を離氷すると共に、給水弁
14により製氷水が貯水タンク６に供給される。製氷水は
貯水タンク６の上位水位17に達すると一定量オーバーフ
ローされた後供給が停止される。このとき貯水タンク６
内水位は排水パイプ16により一定水位となっている。製
氷部材５より板氷が離氷と製氷部材５が所定温度に達す
ると離氷検出装置22が動作し離氷を停止させ製氷サイク
ルに切換わる。離氷された板氷は製氷部材５の下部に設
けられた板氷切断用ヒータ装置９により切断された貯氷
室８に貯えられる。貯氷室８に所定の氷塊が貯えられる
と貯氷検出装置13により検出され、そのサイクルの製氷
−離氷を終了した後、板氷切断用ヒータ装置９のみを通
電して残りは全停止となる。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記の構成の製氷機では、下位水位検出装
置にて製氷終了を検出して製氷−離氷を切換えるため、
この下位水位検出装置にて水位が検出されなかった場
合、氷ができないといった問題点が発生していた。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明では、製氷水を貯水
する貯水タンク内に上位レベルの水位を検出する上位水
位検出装置と、下位レベルの水位を検出する下位水位検
出装置を具備するとともに、正常な製氷動作時に前記上
位水位検出装置作動から前記下位水位検出装置作動まで
に要する時間より短く動作時間が設定され、製氷サイク
ル中に前記上位水位検出装置にて上位レベルの水位を検
出したとき動作を開始し、動作終了まで前記下位水位検
出装置の作動に関係なく製氷サイクルを継続させるため
の第１製氷保護タイマーと、正常な製氷動作時に前記上
位水位検出装置作動から前記下位水位検出装置作動まで
に要する時間より長く動作時間が設定され、製氷サイク
ル中に前記上位水位検出装置にて上位レベルの水位を検
出したとき動作を開始し、動作終了までに前記下位水位
検出装置が作動したかったときに製氷サイクルから離氷
サイクルへ切換えるための第２製氷保護タイマーとを備
えたのである。

作用 本発明の製氷機の保護装置では、下位水位検出装置の誤
動作により下位水位に達していないのに下位水位検出動
作した場合は、第１製氷保護タイマーにより第１製氷保
護タイマーの動作終了まで製氷サイクルを継続させ、ま
た、下位水位検出装置の故障により下位水位に達してい
るのに下位水位検出動作しない場合は、第２製氷保護タ
イマーの動作終了により製氷サイクルから離氷サイクル
へ切換えるので、製氷−離氷のサイクルを継続でき、一
定氷厚の氷を確保できる。

実 施 例 以下本発明の一実施例の製氷機の制御装置について、図
面を参照しながら説明する。なお製氷機本体の制御装置
を除いた構成は従来と同じなので説明を省略する。

第１図及び第２図は本発明の製氷機の制御装置を示すブ
ロック線図及びフローチャートでその主要部分はマイク
ロコンピュータ（CPU）23にて構成されている。このマ
イクロコンピュータ23には製氷機の周知のプログラム
（給水→製氷→離氷の動作）が記憶されるとともに、正
常な製氷動作時に上位水位検出装置18の作動から下位水
位検出装置20の作動までに要する時間より短く作動時間
が設定され、製氷サイクル中に上位水位検出装置18にて
上位レベルの水位を検出したとき動作を開始し、動作終
了まで下位水位検出装置20の作動に関係なく製氷サイク
ルを継続させるための第１製氷保護タイマー25と、正常
な製氷動作時に上位水位検出装置18の作動から下位水位
検出装置20の作動までに要する時間より長く動作時間が
設定され、製氷サイクル中に上位水位検出装置18にて上
位レベルの水位を検出したとき動作を開始し、動作終了
までに下位水位検出装置20が作動しなかったときに製氷
サイクルから離氷サイクルへ切換えるための第２製氷保
護タイマー26と、製氷サイクルから離氷サイクルへ切換
える制御を行う製氷−離氷切換手段27とを備えている。
そして第１製氷保護タイマー25はその動作終了まで下位
水位検出装置20の下位水位検出信号の第２製氷保護タイ
マー26への出力を禁止し、第２製氷保護タイマー26はそ
の動作終了までに下位水位検出装置20の下位水位検出信
号を受信したときは信号受信時に、その動作終了までに
下位水位検出装置20の下位水位検出信号を受信しなかっ
たときは動作終了時に、製氷−離氷切換手段27に製氷サ
イクルから離氷サイクルへ切換える信号を出力するよう
に構成されている。

次にその動作について説明する。製氷サイクル時におい
て、製氷部材５に氷が生成され、貯水タンク６内の水位
が低下し上位レベルの水位17に達すると上位水位検出装
置18が作動し、第１製氷保護タイマー25と第２製氷保護
タイマー26が動作開始する。次に氷生成が進み貯水タン
ク６内の水位が下位レベルの水位19に達すると下位水位
検出装置20が作動し下位水位検出信号が第１製氷保護タ
イマー25と第２製氷保護タイマー26とを通り抜けて製氷
−離氷切換手段27に入力され、製氷−離氷切換手段27が
製氷サイクルを停止させて離氷サイクルに切換える。ま
た、接点溶着等による下位水位検出装置20の誤動作によ
り下位水位に達していないのに下位水位検出動作（下位
水位検出信号を出力）した場合は、第１製氷保護タイマ
ー25がその動作終了まで下位水位検出信号の第２製氷保
護タイマー26への出力を禁止するため、第１製氷保護タ
イマー25の動作終了までは離氷サイクルへ切換わらな
い。また、下位水位検出装置20の故障により下位水位に
達しているのに下位水位検出動作（下位水位検出信号を
出力）しない場合は、第２製氷保護タイマー26の動作終
了時に、第２製氷保護タイマー26が製氷−離氷切換手段
27に製氷サイクルから離氷サイクルへ切換える信号を出
力し、製氷−離氷切換手段27が製氷サイクルから離氷サ
イクルへ切換える。そのため、下位水位検出装置20の誤
動作や故障があって、下位水位に達していないのに下位
水位検出動作した場合と、下位水位に達しているのに下
位水位検出動作しない場合の両方で、製氷−離氷のサイ
クルを継続でき、一定氷厚の氷を確保できる。なお、第
１製氷保護タイマー25と第２製氷保護タイマー26の動作
起点を、製氷運転開始からでなく、上記水位検出装置18
の作動後にしているため、製氷運転開始時の水位から上
位レベルの水位に減り、製氷部材に氷がある程度できて
からの時間測定となり、循環ポンプの循環量や貯水タン
ク６内の水温に変動がある場合に、氷厚への影響を少な
くすることができる。また、第１製氷保護タイマー25と
第２製氷保護タイマー26の動作時間を外気温に応じて変
えるようにすれば、より正常に近い状態で離氷に切換え
ることができる。

発明の効果 以上の説明からも明らかなように本発明では、正常な製
氷動作時に上位水位検出装置作動から下位水位検出装置
作動までに要する時間より短く動作時間が設定され、製
氷サイクル中に上位水位検出装置にて上位レベルの水位
を検出したとき動作を開始し、動作終了まで下位水位検
出装置の作動に関係なく製氷サイクルを継続させるため
の第１製氷保護タイマーと、正常な製氷動作時に上位水
位検出装置作動から下位水位検出装置作動までに要する
時間より長く動作時間が設定され、製氷サイクル中に上
位水位検出装置にて上位レベルの水位を検出したとき動
作を開始し、動作終了までに下位水位検出装置が作動し
なかったときに製氷サイクルから離氷サイクルへ切換え
るための第２製氷保護タイマーとを備えたので、下位水
位検出装置の誤動作や故障があって、下位水位に達して
いないのに下位水位検出動作した場合と、下位水位に達
しているのに下位水位検出動作しない場合の両方で、製
氷−離氷のサイクルを継続でき、一定氷厚の氷を確保で
きる。なお、第１製氷保護タイマーと第２製氷保護タイ
マーの動作起点を、製氷運転開始からでなく、上位水位
検出装置の作動後にしているため、製氷運転開始時の水
位から上位レベルの水位に減り、製氷部材に氷がある程
度できてからの時間測定となり、循環ポンプの循環量や
貯水タンク内の水温に変動がある場合に、氷厚への影響
を少なくすることができる。また従来から必要な上位水
位検出装置，下位水位検出装置をそのまま利用でき、別
途検出部材を必要とせず回路的にも簡単にできるので、
コスト的にも安価に製氷保護を行なえるという効果もあ
わせもつ。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における製氷機の制御装置を
示すブロック線図、第２図は同制御装置の動作を示すフ
ローチャート、第３図は従来の製氷機の断面図、第４図
は従来の製氷機の動作を示すフローチャートである。 ５……製氷部材、７……循環ポンプ装置、６……貯水タ
ンク、18……上位水位検出装置、20……下位水位検出装
置、25……第１製氷保護タイマー、26……第２製氷保護
タイマー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】氷塊を生成する製氷部材と、前記製氷部材
   に製氷水を循環する循環ポンプ装置と、製氷水を貯水す
   る貯水タンクと、前記貯水タンク内に設けられ上位レベ
   ルの水位と検出する上位水位検出装置と、下位レベルの
   水位を検出する下位水位検出装置と、正常な製氷動作時
   に前記上位水位検出装置作動から前記下位水位検出装置
   作動までに要する時間より短く動作時間が設定され、製
   氷サイクル中に前記上位水位検出装置にて上位レベルの
   水位を検出したとき動作を開始し、動作終了まで前記下
   位水位検出装置の作動に関係なく製氷サイクルを継続さ
   せるための第１製氷保護タイマーと、正常な製氷動作時
   に前記上位水位検出装置作動から前記下位水位検出装置
   作動までに要する時間より長く動作時間が設定され、製
   氷サイクル中に前記上位水位検出装置にて上位レベルの
   水位を検出したとき動作を開始し、動作終了までに前記
   下位水位検出装置が作動したかったときに製氷サイクル
   から離氷サイクルへ切換えるための第２製氷保護タイマ
   ーとを備えた製氷機の保護装置。