JPH07304273A - 熱転写記録材料 - Google Patents

熱転写記録材料

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JPH07304273A
JPH07304273A JP6097444A JP9744494A JPH07304273A JP H07304273 A JPH07304273 A JP H07304273A JP 6097444 A JP6097444 A JP 6097444A JP 9744494 A JP9744494 A JP 9744494A JP H07304273 A JPH07304273 A JP H07304273A
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次郎 塚原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】長期保存や高温高湿の環境下でも画像の鮮鋭度
が低下せず、インク汚れのない感熱転写記録材料を提供
する。 【構成】色素供与材料と媒染剤を含有する受像層を支持
体上に有する受像材料とから成る熱転写記録材料におい
て、該媒染剤が一般式(I)で表わされるモノマー単位
を少なくとも含有する高分子重合体であることを特徴と
する熱転写記録材料。 一般式(I) 【化1】 式中、R1 は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を
表わし、R2 、R3 は互いに同一でも異なっていてもよ
いアルキル基又はシクロアルキル基を表わす。Xは2価
の基を表わし、Lはプロピレン基を表わす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写記録材料に関する
ものであり、色素供与材料と媒染剤を受像材料中に含有
して成る新規な熱転写記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱転写記録方式で使用する色素供与材料
は、サーマルヘッドへの負荷を小さくするため、また記
録速度を上げるため、出来るだけ熱移行しやすい色素を
用いるのが望ましい。しかし、そのため、長期保存中あ
るいは高温高湿の環境下に置かれた時、記録された受像
材料中で色素が移動して画像の鮮鋭度が低下したり、接
触物に移行し汚染したりする問題が生じる。特開昭61
−64492号、特開平1−188391号、特開平3
−83685号には、これらの問題を解決するために、
熱移行する色素に解離性色素を用い、又、受像層に媒染
剤を含有せしめ、転写した色素を媒染する方法が開示さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
許明細書で開示された媒染剤の媒染力は十分でなく、上
記方法は上記問題に対して十分な解決法とならなかっ
た。更に、これらの媒染剤を含有せしめた受像層を解離
性色素を共に用いると得られる転写画像の濃度が低いと
いう別の大きさ問題を上記方法は有していた。本発明の
第一の目的は、長期保存中あるいは高温高湿の環境下に
置かれても、画像の鮮鋭度の低下がなく、かつ接触物を
汚染することのない改良された熱転写記録材料を提供す
ることにある。本発明の第二の目的は、転写画像の濃度
が高い改良された熱転写記録材料を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、色素供
与材料と媒染剤を含有する受像層を支持体上に有する受
像材料とから成る熱転写記録材料において、該媒染剤が
一般式(I)で表わされるモノマー単位を含有する高分
子重合体であることを特徴とする熱転写材料によって達
成された。 一般式(I)
【0005】
【化2】
【0006】式中、R1 は水素原子又は炭素数1〜4の
アルキル基を表わし、R2 、R3 は互いに同一でも異な
っていてもよいアルキル基又はシクロアルキル基を表わ
す。Xは2価の基を表わし、Lは置換されていてよいプ
ロピレン基を表わす。
【0007】本発明の一般式(I)で表わされる高分子
重合体はそのモノマー単位を少なくとも10重量パーセ
ント有する。一般式(I)において、R1 は水素原子又
は炭素数1〜4の置換されていてよいアルキル基を表わ
し、好ましくは、水素原子又はメチル基である。R2
3 は互いに同一でも異なっていてもよいアルキル基又
はシクロアルキル基を表わし、これらの基は置換されて
いてよい。好ましくは炭素数1〜6の置換又は無置換ア
ルキル基(例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n
−ヘキシル基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル
基、ベンジル基、フェニルエチル基等)もしくは炭素数
3〜6の置換又は無置換シクロアルキル基(例えばシク
ロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、
4−メチルシクロヘキシル基等)であり、更に好ましく
は炭素数1〜4の無置換アルキル基(メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基)である。
【0008】Xは2価の基を表わし、好ましくは、置換
されていてよいアルキレン基、置換されていてよいアリ
ーレン基、置換されていてよいアラルキレン基、−O
−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH
−、−NHCO−、−CONR(ここにRは置換されて
いてよいアルキル基を表わす。以下、同じ。)、又は−
NRCO−であり、又、これらの2価の基を組合わせて
成る2価の基(例えば、−COOCH2 −、−CONH
CH2 CH2 CONH−、−COOCH2 CH2 CH2
CONH−等)も好ましい。但し、上記2価の基の結合
位置については、左方が重合体主鎖の炭素原子と、右方
がLと結合するものとする。上記のうち、−COO(C
2 )n −(ここにnは0〜3の整数を表わす。以下、
同じ。)、−CONH(CH2 )n −が特に好ましい。
Lは置換されていてよいプロピレン基を表わし、例えば
−CH2 CH2 CH2−、−CH2 CH(CH3 )CH
2 −、−CH(C2 5 )CH2 CH2 −、−C(CH
3 2 CH2 CH2 −であり、好ましくは無置換プロピ
レン(−CH 2 CH2 CH2 −)である。但し、上記、
置換プロピレン基の結合位置については左方がXと、右
方がN原子と結合するものとする。XとLが結合して成
る2価の基は、特に好ましくは−COO(CH2 )n C
2 CH2 CH2 −又は−CONH(CH2 )n CH2
CH2 CH2 −であり、最も好ましくは−COOCH2
CH2 CH2 −又は−CONHCH2 CH2 CH2−で
ある。
【0009】一般式(I)で表わされるモノマー単位と
共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとしては、エチ
レン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフ
ィン類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン等のスチレン類、酢酸ビニル、酢酸アリル等の脂肪酸
のエチレン性不飽和エステル類、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、n−ヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレ
ート、ヒドロキシエチルメタクリレート等のメタクリル
酸エステル類、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、ヒドロキシエチルアクリレート等のアクリル
酸エステル類、メタクリルアミド、N−メチルメタクリ
ルアミド、ジメチルメタクリルアミド、n−プロピルメ
タクリルアミド等のメタクリルアミド類、アクリルアミ
ド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド
等のアクリルアミド類、アクリロニトリル、アクリル
酸、メタクリル酸、4−ビニルピリジン、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニルピロリドン等のモノエチレン性
不飽和化合物、ブタジエン、イソプレン等のジエン類、
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−プロピレングリコールジアクリレート、ト
リビニルシクロヘキサン、ペンタエリスリトールテトラ
メタクリレート等の多エチレン性不飽和化合物等を挙げ
ることができる。一般式(I)で表わされるモノマー単
位の共重合重量百分率は10以上100以下であり、好
ましくは30以上100以下、更に好ましくは50以上
100以下である。
【0010】一般式(I)で表わされるモノマー単位と
共重合し得る共重合モノマー単位は、1種でもよく、又
2種以上あってもよく、上記モノマー群から好ましく選
ぶことができる。
【0011】一般式(I)で表わされるモノマー単位を
有する本発明の高分子重合体は一般式(II)で表わされ
るモノマーMを単独で重合させるか、又は、共重合モノ
マーとを共重合させることによって得ることができる。
この際、一般式(II)で表わされるモノマーMは2種以
上でもよく、共重合モノマーも又、2種以上であっても
よい。 一般式(II)
【0012】
【化3】
【0013】ここに、R1 、R2 、R3 、X、Lは既に
示したとおりである。一般式(I)で表わされるモノマ
ー単位を有する本発明の重合体の製造は種々の重合方
法、例えば溶液重合、乳化重合、逆相乳化重合、沈澱重
合、懸濁重合、塊状重合等によってなされる。また、重
合の開始方法はラジカル開始剤を用いる方法、光又は放
射線を照射する方法、熱重合法、カチオン重合法、アニ
オン重合法等がある。これらの重合方法、重合の開始方
法は、例えば鶴田禎二著「高分子合成反応」改訂版(日
刊工業新聞社、1971)に記載されている。一般式
(I)で表わされるモノマー単位を有する本発明の高分
子重合体の分子量は3×103 〜1×107 が好まし
く、更に好ましくは1×104 〜1×10 6 である。一
般式(II)で表わされるモノマーMの例を以下に示す。
【0014】
【表1】
【0015】一般式(I)で表わされるモノマー単位を
有する本発明の高分子重合体の例を以下に示す。
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【化4】
【0019】本発明の高分子重合体の合成例を以下に示
す。 合成例1 ポリマー例P−4の合成 1リットル三ツ口フラスコにモノマーM−1 112
g、t−ブチルメタクリレート 48gおよびメチルエ
チルケトン 300mlを入れ、75℃に加熱した。系内
を窒素で置換したのち、アゾビスイソブチロニトリル
1.73gを加えた。75℃にて2時間攪拌を続けたの
ち、アゾビスイソブチロニトリル 0.86gを追加
し、更に2時間攪拌した。室温に冷却後、n−ヘキサン
/酢酸エチル(10/1)3リットルに攪拌しながら滴
下して再沈澱させた。上澄み液を捨て、乾燥後、メチル
エチルケトン 300mlに溶解し、ポリマー例P−4の
メチルエチルケトン溶液(濃度39.0wt%)395
gを得た。
【0020】本発明の高分子重合体は、熱転写受像材料
の受像層に含有して用いられる。本発明の高分子重合体
は単独で、該受像層を形成することもでき、或いは後述
の受像層ポリマーと混合して形成することもできる。こ
れら本発明高分子重合体は、単独或いは他の受像層ポリ
マーと共に、例えばメチルエチルケトン等の有機溶媒に
溶解させたのち、支持体上に塗布し乾燥させて、本発明
の熱転写受像材料を得ることができる。本発明高分子重
合体の塗布量は0.2〜15g/m2が好ましく、更に好
ましくは0.5〜8g/m2である。本発明高分子重合体
を他の受像層ポリマーと混合して使用する際の混合比
(本発明高分子重合体/他の受像層ポリマー重量比)は
10/90〜100/0が好ましく、更に好ましくは5
0/50〜100/0である。本発明の高分子重合体
は、2種以上を混合して使用することもできる。
【0021】本発明に用いられる熱移行性色素の少なく
とも一つは、受像層に移行したのち本発明の媒染剤に水
素イオンを供与して陰イオンとなり得る解離性色素であ
る。該解離性色素のpKaは10以下が好ましく、更に
好ましくは8以下である。これら好ましく用いることの
できる解離性色素に、例えば、特開昭61−65592
号、特開平1−188391号、同3−83685号、
同3−83687号、同3−83688号、同3−83
689号、同3−90387号、同3−92385号、
同3−92386号、同3−114890号、特開昭6
4−48862号、同64−48863号、特開平3−
7938号、同3−103477号、同3−15019
4号、同3−275765号、同4−12891号、同
4−13774号、同4−78583号、同4−919
87号、同4−368885号、同5−70705号等
に記載の解離性色素を挙げることができる他、以下の解
離性色素も好ましく用いることができる。
【0022】
【化5】
【0023】次に本発明に用いられる熱転写色素供与材
料について述べる。熱転写色素供与材料はシート状また
は連続したロール状もしくはリボン状で使用できる。イ
エロー色素、マゼンタ色素、及びシアン色素は、通常各
々独立な領域を形成するように支持体上に配置される。
例えば、イエロー色素領域、マゼンタ色素領域、シアン
色素領域を面順次もしくは線順次に一つの支持体上に配
置する。また、上記のイエロー色素、マゼンタ色素、シ
アン色素を各々別々の支持体上に設けた3種の熱転写色
素供与材料を用意し、これらから順次一つの熱転写受像
材料に色素の熱転写を行うこともできる。本発明に用い
る色素はバインダー樹脂と共に適当な溶剤に溶解または
分散させて支持体上に塗布するか、あるいはグラビア法
などの印刷法により支持体上に印刷することができる。
これらの色素を含有する色素供与層の厚みは乾燥膜厚で
通常約0.2〜5μm、特に0.4〜2μmの範囲に設
定するのが好ましい。色素塗布量は0.03〜1g/
m2、より好ましくは0.1〜0.6g/m2である。上記
の色素と共に用いるバインダー樹脂としては、このよう
な目的に従来公知であるバインダー樹脂のいずれも使用
することができ、通常耐熱性が高く、しかも加熱された
場合に色素の移行を妨げないものが選択される。例え
ば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂(例
えばポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、
ポリスチレン−2−アクリロニトリル)、ポリビニルピ
ロリドンを始めとするビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系
樹脂(例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)、ポリ
カーボネート系樹脂、ポリスチレン、ポリフェニレンオ
キサイド、セルロース系樹脂(例えばメチルセルロー
ス、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
セルロースアセテート水素フタレート、酢酸セルロー
ス、セルロースアセテートプロピオネート、セルロース
アセテートブチレート、セルローストリアセテート)、
ポリビニルアルコール系樹脂(例えばポリビニルアルコ
ール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールな
どの部分ケン化ポリビニルアルコール)、石油系樹脂、
ロジン誘導体、クマロンーインデン樹脂、テルペン系樹
脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン)などが用いられる。本発明においてこの
ようなバインダー樹脂は、例えば色素100重量部当た
り約20〜600重量部の割合で使用するのが好まし
い。本発明において、上記の色素およびバインダー樹脂
を溶解または分散するためのインキ溶剤としては、従来
公知のインキ溶剤がいずれも使用できる。
【0024】熱転写色素供与材料の支持体としては従来
公知のものがいずれも使用できる。例えばポリエチレン
テレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、グラ
シン紙、コンデンサー紙、セルロースエステル、弗素ポ
リマー、ポリエーテル、ポリアセタール、ポリオレフィ
ン、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリプ
ロピレン、ポリスルフォン、セロファン等が挙げられ
る。熱転写色素供与材料の支持体の厚みは、一般に2〜
30μmである。必要に応じて下塗り層を付与してもよ
い。また、サーマルヘッドが色素供与材料に粘着するの
を防止するためにスリッピング層を設けてもよい。この
スリッピング層はポリマーバインダーを含有したあるい
は含有しない潤滑物質、例えば界面活性剤、固体あるい
は液体潤滑剤またはこれらの混合物から構成される。色
素供与材料には背面より印字するときにサーマルヘッド
の熱によるスティッキングを防止し、滑りをよくする意
味で、支持体の色素供与層を設けない側にスティッキン
グ防止処理を施すのがよい。例えば、ポリビニルブチ
ラール樹脂とイソシアネートとの反応生成物、リン酸
エステルのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、
および充填剤を主体とする耐熱スリップ層を設けるの
がよい。ポリビニルブチラール樹脂としては分子量が6
万〜20万程度で、ガラス転移点が80〜110℃であ
るもの、またイソシアネートとの反応サイトが多い観点
からビニルブチラール部分の重量%が15〜40%のも
のがよい。リン酸エステルのアルカリ金属塩またはアル
カリ土類金属塩としては東邦化学製のガファックRD7
20などが用いられ、ポリビニルブチラール樹脂に対し
て1〜50重量%、好ましくは10〜40重量%程度用
いるとよい。耐熱スリップ層は下層に耐熱性を伴うこと
が望ましく、加熱により硬化しうる合成樹脂とその硬化
剤の組合せ、例えばポリビニルブチラールと多価イソシ
アネート、アクリルポリオールと多価イソシアネート、
酢酸セルロースとチタンキレート剤、もしくはポリエス
テルと有機チタン化合物などの組合せを塗布により設け
るとよい。
【0025】色素供与材料には色素の支持体方向への拡
散を防止するための親水性バリヤー層を設けることもあ
る。親水性の色素バリヤー層は、意図する目的に有用な
親水性物質を含んでいる。一般に優れた結果がゼラチ
ン、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(イソプロピルアク
リルアミド)、メタクリル酸ブチルグラフトゼラチン、
メタクリル酸エチルグラフトゼラチン、モノ酢酸セルロ
ース、メチルセルロース、ポリ(ビニルアルコール)、
ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ
(ビニルアルコール)とポリ(酢酸ビニル)との混合
物、ポリ(ビニルアルコール)とポリ(アクリル酸)と
の混合物またはモノ酢酸セルロースとポリ(アクリル
酸)との混合物を用いることによって得られる。特に好
ましいものは、ポリ(アクリル酸)、モノ酢酸セルロー
スまたはポリ(ビニルアルコール)である。色素供与材
料には下塗り層を設けてもよい。本発明では所望の作用
をすればどのような下塗り層でもよいが、好ましい具体
例としては、(アクリロニトリルー塩化ビニリデン−ア
クリル酸)共重合体(重量比14:80:6)、(アク
リル酸ブチル−メタクリル酸−2−アミノエチル−メタ
クリル酸−2−ヒドロキシエチル)共重合体(重量比3
0:20:50)、線状/飽和ポリエステル例えばボス
ティック7650(エムハート社、ボスティック・ケミ
カル・グループ)または塩素化高密度ポリ(エチレン−
トリクロロエチレン)樹脂が挙げられる。下塗り層の塗
布量には特別な制限はないが、通常0.1〜2.0g/
m2の量で用いられる。
【0026】熱転写色素供与材料と組合わせて用いられ
る熱転写受像材料は、支持体上に、供与材料から移行し
てくる色素を受容する受像層を設けたものである。この
受像層に、本発明の高分子重合体を、単独で又は、以下
に示すポリマーと混合して用いることができる。熱転写
色素供与材料から移行してきた色素は、受像層におい
て、水素イオンを本発明の高分子重合体媒染剤に供与し
て陰イオンとなり、一方本発明高分子重合体は水素イオ
ンを得てアンモニウム陽イオンとなって、移行した色素
は強固に受像層に染着される。本発明の高分子重合体と
混合して用いることのできるポリマーには次のものが挙
げられる。 (イ)エステル結合を有するもの テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸などのジカルボ
ン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン基、
カルボキシル基などが置換していてもよい)と、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAな
どとの縮合により得られるポリエステル樹脂:ポリメチ
ルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメ
チルアクリレート、ポリブチルアクリレートなどのポリ
アクリル酸エステル樹脂またはポリメタクリル酸エステ
ル樹脂:ポリカーボネート樹脂:ポリ酢酸ビニル樹脂:
スチレンアクリレート樹脂:ビニルトルエンアクリレー
ト樹脂など。具体的には特開昭59−101395号、
同63−7971号、同63−7972号、同63−7
973号、同60−294862号に記載のものを挙げ
ることができる。また、市販品としては東洋紡製のバイ
ロン290、バイロン200、バイロン280、バイロ
ン300、バイロン103、バイロンGK−140、バ
イロンGK−130、花王製のATR−2009、AT
R−2010などが使用できる。 (ロ)ウレタン結合を有するもの ポリウレタン樹脂など。 (ハ)アミド結合を有するもの ポリアミド樹脂など。 (ニ)尿素結合を有するもの 尿素樹脂など。 (ホ)スルホン結合を有するもの ポリスルホン樹脂など。 (ヘ)その他極性の高い結合を有するもの ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹
脂、ポリアクリロニトリル樹脂など。上記のような合成
樹脂に加えて、これらの混合物あるいは共重合体なども
使用できる。
【0027】熱転写受像材料中、特に受像層中には、高
沸点有機溶剤または熱溶剤を含有させることができる。
高沸点有機溶剤および熱溶剤の具体例としては特開昭6
2−174754号、同62−245253号、同61
−209444号、同61−200538号、同62−
8145号、同62−9348号、同62−30247
号、同62−136646号に記載の化合物を挙げるこ
とができる。本発明の熱転写受像材料の受像層は、熱移
行性色素を受容しうる物質を水溶性バインダーに分散し
て担持する構成としてもよい。この場合に用いられる水
溶性バインダーとしては公知の種々の水溶性ポリマーを
使用しうるが、硬膜剤により架橋反応しうる基を有する
水溶性のポリマーが好ましい。受像層は2層以上の層で
構成してもよい。その場合、支持体に近い方の層にはガ
ラス転移点の低い合成樹脂を用いたり、高沸点有機溶剤
や熱溶剤を用いて色素に対する染着性を高めた構成に
し、最外層にはガラス転移点のより高い合成樹脂を用い
たり、高沸点有機溶剤や熱溶剤の使用量を必要最小限に
するかもしくは使用しないで表面のベタツキ、他の物質
との接着、転写後の他の物質への再転写、熱転写色素供
与材料とのブロッキング等の故障を防止する構成にする
ことが望ましい。本発明高分子重合体の層と、前記ポリ
マーの層とを分離して使用してもよい。受像層の厚さは
全体で0.5〜50μm、特に3〜30μmの範囲が好
ましい。2層構成の場合最外層は0.1〜2μm、特に
0.2〜1μmの範囲にするのが好ましい。
【0028】本発明の熱転写受像材料は、支持体と受像
層の間の中間層を有してもよい。中間層は構成する材質
により、クッション層、多孔層、色素の拡散防止層のい
ずれか又はこれらの2つ以上の機能を備えた層であり、
場合によっては接着剤の役目も兼ねている。色素の拡散
防止層は、特に熱移行性色素が支持体に拡散するのを防
止する役目を果たすものである。この拡散防止層を構成
するバインダーとしては、水溶性でも有機溶剤可溶性で
もよいが、水溶性のバインダーが好ましく、その例とし
ては前述の受像層のバインダーとして挙げた水溶性バイ
ンダー、特にゼラチンが好ましい。多孔層は、熱転写時
に印加した熱が受像層から支持体へ拡散するのを防止
し、印加された熱を有効に利用する役目を果たす層であ
る。本発明の熱転写受像材料を構成する受像層、クッシ
ョン層、多孔層、拡散防止層、接着層等には、シリカ、
クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、合成ゼ
オライト、酸化亜鉛、リトボン、酸化チタン、アルミナ
等の微粉末を含有させてもよい。本発明の熱転写受像材
料に用いる支持体は転写温度に耐えることができ、平滑
性、白色性、滑り性、摩擦性、帯電防止性、転写後のへ
こみなどの点で要求を満足できるものならばどのような
ものでも使用できる。例えば、合成紙(ポリオレフィン
系、ポリスチレン系などの合成紙)、上質紙、アート
紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合
成樹脂またはエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス
含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙、セルロース繊維紙、ポ
リオレフィンコート紙(特にポリエチレンで両面を被覆
した紙)などの紙支持体、ポリオレフィン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、メ
タクリレート、ポリカーボネート等の各種のプラスチッ
クフィルムまたはシートとこのプラスチックに白色反射
性を与える処理をしたフィルムまたはシート、また上記
の任意の組合せによる積層体も使用できる。
【0029】透過観察用の受像材料の支持体としては、
熱転写処理に耐える程度の耐熱性と、転写画像が観察で
きる程度の透明性を有していれば、一般に知られている
支持体を用いることができる。具体的には、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニル
アルコール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリア
ミド、ポリスチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、
エチレン/ビニルアルコール共重合体、アイオノマー、
アセチルセルローズ、セルローズエステル、ポリビニル
アセタール、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンサルフォ
ン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリエーテルイミド、ポリアクリレート、ポリメ
チルメタクリレート等の樹脂フィルムが用いられる。透
明性、屈曲性、耐熱性等を考慮した場合、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリアミド等のフィルムが好ま
しい。なかでもポリエチレンテレフタレート及びポリエ
チレンナフタレートのフィルムが特に好ましい。これら
の樹脂フィルムは単独で用いてもよいし、積層フィルム
の形で使用してもよい。これらの支持体の厚みは、通常
25μm〜360μm、好ましくは75μm〜200μ
m程度である。
【0030】熱転写受像材料には蛍光増白剤を用いても
よい。その例としては、K.Vevnkataraman 編「The Chem
istry of Synthetic Dyes 」第5巻第8章、特開昭61
−143752号などに記載されている化合物を挙げる
ことができる。より具体的には、スチルベン系化合物、
クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサ
ゾリル系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン
系化合物、カルボスチリル系化合物、2,5−ジベンゾ
オキサゾールチオフェン系化合物などが挙げられる。蛍
光増白剤は褪色防止剤と組み合わせて用いることができ
る。本発明において、熱転写色素供与材料と熱転写受像
材料との離型性を向上させるために、色素供与材料およ
び/または受像材料を構成する層中、特に好ましくは両
方の材料が接触する面に当たる最外層に離型剤を含有さ
せるのが好ましい。離型剤としては、ポリエチレンワッ
クス、アミドワックス、テフロンパウダー等の固形ある
いはワックス状物質:弗素系、リン酸エステル系等の界
面活性剤:パラフィン系、シリコーン系、弗素系のオイ
ル類等、従来公知の離型剤がいずれも使用できるが、特
にシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイルとし
ては、無変性のもの以外にカルボキシ変性、アミノ変
性、エポキシ変性等の変性シリコーンオイルを用いるこ
とができる。その例としては、信越シリコーン(株)発
行の「変性シリコーンオイル」技術資料の6〜18B頁
に記載の各種変性シリコーンオイルを挙げることができ
る。有機溶剤系のバインダー中に用いる場合は、このバ
インダーの架橋剤と反応しうる基(例えばイソシアネー
トと反応しうる基)を有するアミノ変性シリコーンオイ
ルが、また水溶性バインダー中に乳化分散して用いる場
合は、カルボキシ変性シリコーンオイル(例えば信越シ
リコーン(株)製:商品名X−22−3710)が有効
である。
【0031】本発明に用いる熱転写色素供与材料および
熱転写受像材料を構成する層は硬膜剤によって硬化され
ていてもよい。有機溶剤系のポリマーを硬化する場合に
は、特開昭61−199997号、同58−21539
8号等に記載されている硬膜剤が使用できる。ポリエス
テル樹脂に対しては特にイソシアネート系の硬膜剤の使
用が好ましい。水溶性ポリマーの硬化には、米国特許第
4,678,739号第41欄、特開昭59−1166
55号、同62−245261号、同61−18942
号等に記載の硬膜剤が使用に適している。より具体的に
は、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、ア
ジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン
系硬膜剤(N,N′−エチレン−ビス(ビニルスルホニ
ルアセタミド)エタンなド)、N−メチロール系硬膜剤
(ジメチロール尿素など)、あるいは高分子硬膜剤(特
開昭62−234157号などに記載の化合物)が挙げ
られる。
【0032】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料には
褪色防止剤を用いてもよい。褪色防止剤としては、例え
ば酸化防止剤、紫外線吸収剤、あるいはある種の金属錯
体がある。酸化防止剤としては、例えばクロマン系化合
物、クマラン系化合物、フェノール系化合物(例えばヒ
ンダードフェノール類)、ハイドロキノン誘導体、ヒン
ダードアミン誘導体、スピロインダン系化合物がある。
また、特開昭61−159644号記載の化合物も有効
である。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系
化合物(米国特許第3,533,794号など)、4−
チアゾリドン系化合物(米国特許第3,352,681
号など)、ベンゾフェノン系化合物(特開昭56−27
84号など)、その他特開昭54−48535号、同6
2−136641号、同61−88256号等に記載の
化合物がある。また、特開昭62−260152号記載
の紫外線吸収性ポリマーも有効である。金属錯体として
は、米国特許第4,241,155号、同4,245,
018号第3〜36欄、同4,254,195号第3〜
8欄、特開昭62−174741号、同61−8825
6号(27)〜(29)頁、同63−199248号、
特開平1−75568号、同1−74279号等に記載
されている化合物がある。有用な褪色防止剤の例は特開
昭62−215272号(125)〜(137)頁に記
載されている。受像材料に転写された色素の褪色を防止
するための褪色防止剤は予め受像材料に含有させておい
てもよいし、色素供与材料から転写させるなどの方法で
外部から受像材料に供給するようにしてもよい。上記の
酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属錯体はこれら同士を組
み合わせて使用してもよい。
【0033】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料の構
成層には塗布助剤、剥離性改良、スベリ性改良、帯電防
止、現像促進等の目的で種々の界面活性剤を使用するこ
とができる。例えば、サポニン(ステロイド系)、アル
キレンオキサイド誘導体(例えばポリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリ
エチレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリ
エチレングリコールエステル類、ポリエチレングリコー
ルソルビタンエステル類、ポリアルキレングリコールア
ルキルアミンまたはアミド類、シリコーンのポリエチレ
ンオキサイド付加物類)、グリシドール誘導体(例えば
アルケニルコハク酸ポリグリセリド、アルキルフェノー
ルポリグリセリド)、多価アルコールの脂肪酸エステル
類、糖のアルキルエステル類などの非イオン性界面活性
剤:アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル
類、アルキルリン酸エステル類、N−アシル−N−アル
キルタウリン類、スルホコハク酸エステル類、スルホア
ルキルポリエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリ
オキシエチレンアルキルリン酸エステル類などのカルボ
キシ基、スルホ基、フォスホ基、硫酸エステル基、リン
酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤:ア
ミノ酸類、アミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキ
ル硫酸あるいはリン酸エステル類、アルキルベタイン
類、アミンオキシド類などの両性界面活性剤:アルキル
アミン塩類、脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウム
塩類、ビリジニウム、イミダゾリウムなどの複数環第4
級アンモニウム塩類、および脂肪族あるいは複数環を含
むフォスフォニムあるいはスルホニウム塩類などのカチ
オン界面活性剤を用いることができる。これらの具体例
は特開昭62−173463号、同62−183457
号等に記載されている。また、熱移行性色素を受容しう
る物質、離型剤、褪色防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白
剤その他の疎水性化合物を水溶性バインダー中に分散す
る際には、分散助剤として界面活性剤を用いるのが好ま
しい。この目的のためには、上記の界面活性剤の他に、
特開昭59−157636号の37〜38頁に記載の界
面活性剤が特に好ましく用いられる。
【0034】熱転写色素供与材料や熱転写受像材料の構
成層には、スベリ性改良、帯電防止、剥離性改良等の目
的で有機フルオロ化合物を含ませてもよい。有機フルオ
ロ化合物の代表例としては、特公昭57−9053号第
8〜17欄、特開昭61−20944号、同62−13
5826号等に記載されているフッ素系界面活性剤、ま
たはフッ素油などのオイル状フッ素系化合物もしくは四
フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ素化合物樹脂など
の疎水性フッ素化合物が挙げられる。熱転写色素供与材
料や熱転写受像材料にはマット剤を用いることができ
る。マット剤としては二酸化ケイ素、ポリオレフィンま
たはポリメタクリレートなどの特開昭61−88256
号(29)頁記載の化合物の他に、ベンゾグアナミン樹
脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、AS樹脂ビー
ズなどの特開昭63−274944号、同63−274
952号記載の化合物がある。
【0035】本発明においては、熱転写色素供与材料を
熱転写受像材料と重ね合わせ、いずれかの面から、好ま
しくは熱転写色素供与材料の裏面から、例えばサーマル
ヘッド等の加熱手段により画像情報に応じた熱エネルギ
ーを与えることにより、色素供与層の色素を熱転写受像
材料に加熱エネルギーの大小に応じて転写することがで
き、優れた鮮明性、解像性の階調のあるカラー画像を得
ることができる。加熱手段はサーマルヘッドに限らず、
レーザー光(例えば半導体レーザ)、赤外線フラッシ
ュ、熱ペンなどの公知のものが使用できる。レーザーを
用いるシステムでは、色素供与材料は、レーザ光線を強
く吸収する材料を含有する。色素供与材料にレーザ光線
を照射すると、この吸収性材料が光エネルギーを熱エネ
ルギーに変換してすぐに近くの色素にその熱を伝達し、
色素を受像材料に転写するためその熱移行温度まで加熱
する。この吸収性材料は色素の下部に層をなして存在し
及び/又は色素と混合される。レーザビームは、元の画
像の形状及び色を表わす電気信号で変調され、元の対象
の色を再構成するため色素供与材料上に存在する必要あ
る域の色素のみが加熱されて熱移行する。本プロセスの
更に詳しい説明は英国特許2,083,726A号に記
載されている。本発明において、熱転写色素供与材料は
熱転写受像材料と組合せることにより、熱印字方式の各
種プリンターを用いた印字、ファクシミリ、あるいは磁
気記録方式、光記録方式等による画像のプリント作成、
テレビジョン、CRT画面からのプリント作成等に利用
できる。熱転写記録方法の詳細については、特開昭60
−34895号の記載を参照できる。本発明の好ましい
実施態様では、色素供与材料はポリエチレンテレフタレ
ート支持体をシアン色素、マゼンタ色素およびイエロー
色素の逐次繰返し域で塗布したものからなり、前記工程
を各色毎に逐次実施して三色の転写画像を形成する。勿
論、この工程を単色で実施した際には、モノクロームの
転写画像が得られる。色素供与材料から受像材料に色素
を熱転写するのに、アルゴンやクリプトンのようなイオ
ンガスレーザ、銅、金及びカドミウムのような金属蒸気
レーザ、ルビーやYAGのような固体レーザ、又は75
0〜870nmの赤外域で放出するガリウムーヒ素のよう
な半導体レーザなど数種のレーザが使用できる。しかし
ながら実際的には、小型、低コスト、安定性、信頼性、
耐久性及び変調の容易さの点で半導体レーザが有利であ
る。本発明の熱転写記録材料は、更に、カラーフィルタ
ーアレイ素子、熱転写記録型IDカードにも使用するこ
とができる。
【0036】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に詳細に説
明する。 実施例1 〔熱転写色素供与材料の作成〕片面に熱硬化アクリル樹
脂からなる耐熱滑性層を設けた厚さ6μm、巾95mmの
ポリエステルフィルムを支持体とし、この支持体の耐熱
滑性層を設けた側と反対側の面に、墨版用グラビアイン
クにて20mmの長の検知マークと下記組成の色素供与層
形成用インク組成物を乾燥後の塗布量が1.2g/m2
なるように長さ170mmで面順次に塗布して色素供与材
料1を作成した。
【0037】 (熱転写色素供与層塗布用インク組成物) 解離性色素D−12(特開平3−90387色素例Dye(30)) 3g ポリビニルブチラール樹脂 3g (電気化学製デンカブチラール5000A) シリコーンオイル(信越化学製KF−96) 0.05ml トルエン 50ml メチルエチルケトン 50ml ポリイソシアネート 0.05ml (武田薬品製タケネートD110N) 〔熱転写受像材料の作成〕表3に示した支持体上に下記
組成の色素受像層塗布液組成物において、色素受容性の
樹脂を表4に示すように種々かえて、ワイヤーバーコー
ティング法により乾燥後の厚さが8μmとなるように塗
布して本発明および比較用熱転写色素受像材料1〜13
を作製した。サンプルサイズは100mm×140mm
にカットした。
【0038】
【表4】
【0039】 (熱転写受像材料塗布用組成物) 樹脂〔表4〕 25g 硬化剤(大日本インキ化学製ポリイソシアネートKP−90) 4g 離型剤(信越シリコーン製シリコーンオイルKF−857) 0.05g メチルエチルケトン 85g トルエン 85g
【0040】
【表5】
【0041】
【化6】
【0042】上記のようにして得られた色素供与材料1
と色素受像材料1〜13を各々色素供与層と受像層が接
するように重ね合わせて、熱転写色素供与材料の支持体
側から、サーマルヘッドを使用し、サーマルヘッドの出
力0.25W/ドット、パルス幅0.1〜5msec、
ドット密度6ドット/mmの条件で加熱を行い、受像材
料の受容層に色素を像状に染着させた。このとき得られ
た記録済みの受像材料の最大濃度部分(Dmax ) を、反
射型濃度計(X Rite Inc.製、ステータスA
フイルター内蔵)を用いて画像の反射濃度を測定した。
【0043】そして、記録済みの受像材料を60℃のオ
ーブンに2週間放置した後の画像のにじみの程度を観察
した。判定基準は、画像が200倍前後の光学顕微鏡で
観て保存前とほとんど変化しないものを◎、少しにじむ
が目視では殆どボケていると感じないものを○、少しに
じんでいると目視で感じるものを△、非常ににじんでぼ
けるものを×で表示した。記録済みの受像材料の最高濃
度部分を、使用前の受像シートの表面及び裏面と重ね、
受像材料が完全に重なる様に3g/cm2 の重りをのせ、
60℃のオーブンに1週間放置した後で色移りの程度を
観察した。判定基準は、画像の10%以下の面に色移り
が生じたものを○、画像の50%以下の面に色移りが生
じたものを△、全面に色移りが生じたものを×で表示し
た。結果を下記表5に示した。
【0044】
【表6】
【0045】表5から明らかなように、本発明の高分子
重合体を受像層に含有させた熱転写材料の転写濃度は高
く、又、転写画像は強制経時条件下でも、ほとんど滲む
ことなく、かつ接触物を汚染することがほとんどないこ
とが分かる。一方、比較用の高分子重合体を含有させた
熱転写材料の転写濃度は低く、又、転写画像は強制経時
条件下で滲んだり、接触物を汚染してしまうことが分か
る。
【0046】実施例2 実施例1において、解離性色素D−12に代え、解離性
色素D−2、D−6、D−16、D−22、D−23又
はD−24を用いて熱転写色素供与材料2〜7を同様に
作成し本発明および比較用熱転写受像材料1〜13に同
様に熱転写させ同様に評価した結果を表6に示す。
【0047】
【表7】
【0048】表6から明らかなように、本発明の高分子
重合体を受像層に含有させた熱転写材料は、何れの解離
性色素を用いた場合でも、実施例1と同様の効果が得ら
れることが分かる。
【0049】実施例3 実施例1および2において熱転写受像材料の支持体を表
3に示した上質紙に代え、厚み150μmの透明ポリエ
チレンテレフタレートフィルムを用いて、同様にして、
透過型熱転写受像材料を作成し、熱転写させ、同様にし
て転写濃度と画像の滲みを評価したところ、実施例1お
よび2と同様の効果が得られた。
【0050】
【発明の効果】本発明の高分子重合体を受像層に含有さ
せた熱転写受像材料と、水素イオンを放出して陰イオン
となり得る解離性色素を含有させた色素供与材料を用い
ることによって、高い転写濃度の転写画像が得られ、又
その転写画像は経時で滲むことかなく、接触物を汚染す
ることがない。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色素供与材料と媒染剤を含有する受像層
    を支持体上に有する受像材料とから成る熱転写記録材料
    において、該媒染剤が一般式(I)で表わされるモノマ
    ー単位を少なくとも含有する高分子重合体であることを
    特徴とする熱転写記録材料。 一般式(I) 【化1】 式中、R1 は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を
    表わし、R2 、R3 は互いに同一でも異なっていてもよ
    いアルキル基又はシクロアルキル基を表わす。Xは2価
    の基を表わし、Lはプロピレン基を表わす。
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US6783558B2 (en) 2001-03-15 2004-08-31 Kao Corporation Hair coloring method and composition

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