JP3781201B2 - 熱転写記録材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は熱転写記録材料に関するものであり、色素供与材料と、媒染剤を含有する受像材料とからなる新規な熱転写記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱転写記録方式で使用する色素供与材料は、サーマルヘッドへの負荷を小さくするため、また記録速度を上げるため、出来るだけ熱移行しやすい色素を用いるのが望ましい。しかし、そのため、長期保存中あるいは高温高湿の環境下に置かれた時、記録された受像材料中で色素が移動して画像の鮮鋭度が低下したり、接触物に移行し汚染したりする問題が生じる。
特開昭61−64492号、特開平1−188391号、特開平3−83685号には、これらの問題を解決するために、熱移行する色素に解離性色素を用い、又、受像層に媒染剤を含有せしめ、転写した色素を媒染する方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許明細書で開示された媒染剤の媒染力は十分でなく、上記方法は上記問題に対して十分な解決法とならなかった。更に、これらの媒染剤を含有せしめた受像層を解離性色素を共に用いると得られる転写画像の濃度が低いという別の大きな問題を上記方法は有していた。
本発明の第一の目的は、長期保存中あるいは高温高湿の環境下に置かれても、画像の鮮鋭度の低下がなく、かつ接触物を汚染することのない改良された熱転写記録材料を提供することにある。
本発明の第二の目的は、転写画像の濃度が高い改良された熱転写記録材料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、色素供与材料と、媒染剤を含有する受像層を支持体上に有する受像材料とからなる熱転写記録材料において、該媒染剤が一般式(I)で表わされるモノマー単位を少なくとも含有する高分子重合体であり、前記受像層が前記高分子重合体を単独で、又は前記高分子重合体とポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカプロラクトン樹脂及びポリアクリロニトリル樹脂からなる群から選ばれる、スチレン共重合体以外の樹脂の少なくとも一種とを混合して含有することを特徴とする熱転写記録材料によって達成された。
一般式(I)
【0005】
【化2】
Figure 0003781201
【0006】
式中、R1 は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、R2 、R3 は互いに 同一でも異なっていてもよいアルキル基又はシクロアルキル基を表わす。Xは−COO (CH2)n−(ここにnは0〜3の整数を表す。以下同じ。)又は−CONH(CH 2)n−を表わし、Lは置換されていてよいプロピレン基を表わす。
【0007】
本発明の一般式(I)で表わされるモノマー単位を含有する高分子重合体はそのモノマー単位を少なくとも10質量パーセント有する。
一般式(I)において、R1 は水素原子又は炭素数1〜4の置換されていてよいアルキル基を表わし、好ましくは、水素原子又はメチル基である。
2 、R3 は互いに同一でも異なっていてもよいアルキル基又はシクロアルキル基を表わし、これらの基は置換されていてよい。好ましくは炭素数1〜6の置換又は無置換アルキル基(例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル基、ベンジル基、フェニルエチル基等)もしくは炭素数3〜6の置換又は無置換シクロアルキル基(例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基等)であり、更に好ましくは炭素数1〜4の無置換アルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基)である。
【0008】
Xは、−COO ( CH 2 ) n −(ここにnは0〜3の整数を表わす。以下同じ。)又は−CONH ( CH 2 ) n −を表す。但し、の結合位置については、左方が重合体主鎖の炭素原子と、右方がLと結合するものとする。Lは置換されていてよいプロピレン基を表わし、例えば−CH2 CH2 CH2−、−CH2 CH(CH3 )CH2 −、−CH(C2 5 )CH2 CH2 −、−C(CH3 2 CH2 CH2 −であり、好ましくは無置換プロピレン(−CH2 CH2 CH2 −)である。但し、上記、置換プロピレン基の結合位置については左方がXと、右方がN原子と結合するものとする。
XとLが結合してる2価の基は、特に好ましくは−COO(CH2 n CH2 CH2 CH2 −又は−CONH(CH2 n CH2 CH2 CH2 −であり、最も好ましくは−COOCH2 CH2 CH2 −又は−CONHCH2 CH2 CH2−である。
【0009】
一般式(I)で表わされるモノマー単位と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類酢酸ビニル、酢酸アリル等の脂肪酸のエチレン性不飽和エステル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、n−プロピルメタクリルアミド等のメタクリルアミド類、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミド類、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、4−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン等のモノエチレン性不飽和化合物、ブタジエン、イソプレン等のジエン類、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロピレングリコールジアクリレート、トリビニルシクロヘキサン、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等の多エチレン性不飽和化合物等を挙げることができる。
一般式(I)で表わされるモノマー単位の共重合重量百分率は10以上100以下であり、好ましくは30以上100以下、更に好ましくは50以上100以下である。
【0010】
一般式(I)で表わされるモノマー単位と共重合し得る共重合モノマー単位は、1種でもよく、又2種以上あってもよく、上記モノマー群から好ましく選ぶことができる。
【0011】
一般式(I)で表わされるモノマー単位を有する本発明の高分子重合体は一般式(II)で表わされるモノマーMを単独で重合させるか、又は、共重合モノマーとを共重合させることによって得ることができる。この際、一般式(II)で表わされるモノマーMは2種以上でもよく、共重合モノマーも又、2種以上であってもよい。
一般式(II)
【0012】
【化3】
Figure 0003781201
【0013】
ここに、R1 、R2 、R3 、X、Lは既に示したとおりである。
一般式(I)で表わされるモノマー単位を有する本発明の重合体の製造は種々の重合方法、例えば溶液重合、乳化重合、逆相乳化重合、沈澱重合、懸濁重合、塊状重合等によってなされる。また、重合の開始方法はラジカル開始剤を用いる方法、光又は放射線を照射する方法、熱重合法、カチオン重合法、アニオン重合法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二著「高分子合成反応」改訂版(日刊工業新聞社、1971)に記載されている。
一般式(I)で表わされるモノマー単位を有する本発明の高分子重合体の分子量は3×103 〜1×107 が好ましく、更に好ましくは1×104 〜1×106 である。
一般式(II)で表わされるモノマーMの例を以下に示す。
【0014】
【表1】
Figure 0003781201
【0015】
一般式(I)で表わされるモノマー単位を有する本発明の高分子重合体の例を以下に示す。
【0016】
【表2】
Figure 0003781201
【0017】
【表3】
Figure 0003781201
【0018】
【化4】
Figure 0003781201
【0019】
本発明の高分子重合体の合成例を以下に示す。
合成例1 ポリマー例P−4の合成
1リットル三ツ口フラスコにモノマーM−1 112g、t−ブチルメタクリレート 48gおよびメチルエチルケトン 300mlを入れ、75℃に加熱した。系内を窒素で置換したのち、アゾビスイソブチロニトリル 1.73gを加えた。75℃にて2時間攪拌を続けたのち、アゾビスイソブチロニトリル 0.86gを追加し、更に2時間攪拌した。室温に冷却後、n−ヘキサン/酢酸エチル(10/1)3リットルに攪拌しながら滴下して再沈澱させた。上澄み液を捨て、乾燥後、メチルエチルケトン 300mlに溶解し、ポリマー例P−4のメチルエチルケトン溶液(濃度39.0wt%)395gを得た。
【0020】
本発明の高分子重合体は、熱転写受像材料の受像層に含有して用いられる。本発明の高分子重合体は、媒染剤として単独で用いることができ、或いは後述の受像層ポリマーと混合させて用いることができる。これら本発明高分子重合体は、単独或いは他の受像層のポリマーと共に、例えばメチルエチルケトン等の有機溶媒に溶解させたのち、支持体上に塗布し乾燥させて、本発明の熱転写受像材料を得ることができる。本発明高分子重合体の塗布量は0.2〜15g/m2が好ましく、更に好ましくは0.5〜8g/m2である。本発明高分子重合体を他の受像層ポリマーと混合して使用する際の混合比(本発明高分子重合体/他の受像層ポリマー重量比)は10/90〜100/0が好ましく、更に好ましくは50/50〜100/0である。本発明の高分子重合体は、2種以上を混合して使用することもできる。
【0021】
本発明に用いられる熱移行性色素の少なくとも一つは、受像層に移行したのち本発明の媒染剤に水素イオンを供与して陰イオンとなり得る解離性色素である。該解離性色素のpKaは10以下が好ましく、更に好ましくは8以下である。これら好ましく用いることのできる解離性色素に、例えば、特開昭61−65592号、特開平1−188391号、同3−83685号、同3−83687号、同3−83688号、同3−83689号、同3−90387号、同3−92385号、同3−92386号、同3−114890号、特開昭64−48862号、同64−48863号、特開平3−7938号、同3−103477号、同3−150194号、同3−275765号、同4−12891号、同4−13774号、同4−78583号、同4−91987号、同4−368885号、同5−70705号等に記載の解離性色素を挙げることができる他、以下の解離性色素も好ましく用いることができる。
【0022】
【化5】
Figure 0003781201
【0023】
次に本発明に用いられる熱転写色素供与材料について述べる。
熱転写色素供与材料はシート状または連続したロール状もしくはリボン状で使用できる。イエロー色素、マゼンタ色素、及びシアン色素は、通常各々独立な領域を形成するように支持体上に配置される。例えば、イエロー色素領域、マゼンタ色素領域、シアン色素領域を面順次もしくは線順次に一つの支持体上に配置する。また、上記のイエロー色素、マゼンタ色素、シアン色素を各々別々の支持体上に設けた3種の熱転写色素供与材料を用意し、これらから順次一つの熱転写受像材料に色素の熱転写を行うこともできる。
本発明に用いる色素はバインダー樹脂と共に適当な溶剤に溶解または分散させて支持体上に塗布するか、あるいはグラビア法などの印刷法により支持体上に印刷することができる。これらの色素を含有する色素供与層の厚みは乾燥膜厚で通常約0.2〜5μm、特に0.4〜2μmの範囲に設定するのが好ましい。
色素塗布量は0.03〜1g/m2、より好ましくは0.1〜0.6g/m2である。
上記の色素と共に用いるバインダー樹脂としては、このような目的に従来公知であるバインダー樹脂のいずれも使用することができ、通常耐熱性が高く、しかも加熱された場合に色素の移行を妨げないものが選択される。例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂(例えばポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリスチレン−2−アクリロニトリル)、ポリビニルピロリドンを始めとするビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂(例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン、ポリフェニレンオキサイド、セルロース系樹脂(例えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテート水素フタレート、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルローストリアセテート)、ポリビニルアルコール系樹脂(例えばポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどの部分ケン化ポリビニルアルコール)、石油系樹脂、ロジン誘導体、クマロンーインデン樹脂、テルペン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)などが用いられる。
本発明においてこのようなバインダー樹脂は、例えば色素100質量部当たり約20〜600質量部の割合で使用するのが好ましい。
本発明において、上記の色素およびバインダー樹脂を溶解または分散するためのインキ溶剤としては、従来公知のインキ溶剤がいずれも使用できる。
【0024】
熱転写色素供与材料の支持体としては従来公知のものがいずれも使用できる。例えばポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、グラシン紙、コンデンサー紙、セルロースエステル、弗素ポリマー、ポリエーテル、ポリアセタール、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリスルフォン、セロファン等が挙げられる。
熱転写色素供与材料の支持体の厚みは、一般に2〜30μmである。必要に応じて下塗り層を付与してもよい。
また、サーマルヘッドが色素供与材料に粘着するのを防止するためにスリッピング層を設けてもよい。このスリッピング層はポリマーバインダーを含有したあるいは含有しない潤滑物質、例えば界面活性剤、固体あるいは液体潤滑剤またはこれらの混合物から構成される。
色素供与材料には背面より印字するときにサーマルヘッドの熱によるスティッキングを防止し、滑りをよくする意味で、支持体の色素供与層を設けない側にスティッキング防止処理を施すのがよい。
例えば、▲1▼ポリビニルブチラール樹脂とイソシアネートとの反応生成物、▲2▼リン酸エステルのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、および▲3▼充填剤を主体とする耐熱スリップ層を設けるのがよい。ポリビニルブチラール樹脂としては分子量が6万〜20万程度で、ガラス転移点が80〜110℃であるもの、またイソシアネートとの反応サイトが多い観点からビニルブチラール部分の質量%が15〜40%のものがよい。リン酸エステルのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては東邦化学製のガファックRD720などが用いられ、ポリビニルブチラール樹脂に対して1〜50質量%、好ましくは10〜40質量%程度用いるとよい。
耐熱スリップ層は下層に耐熱性を伴うことが望ましく、加熱により硬化しうる合成樹脂とその硬化剤の組合せ、例えばポリビニルブチラールと多価イソシアネート、アクリルポリオールと多価イソシアネート、酢酸セルロースとチタンキレート剤、もしくはポリエステルと有機チタン化合物などの組合せを塗布により設けるとよい。
【0025】
色素供与材料には色素の支持体方向への拡散を防止するための親水性バリヤー層を設けることもある。親水性の色素バリヤー層は、意図する目的に有用な親水性物質を含んでいる。一般に優れた結果がゼラチン、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(イソプロピルアクリルアミド)、メタクリル酸ブチルグラフトゼラチン、メタクリル酸エチルグラフトゼラチン、モノ酢酸セルロース、メチルセルロース、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ビニルアルコール)とポリ(酢酸ビニル)との混合物、ポリ(ビニルアルコール)とポリ(アクリル酸)との混合物またはモノ酢酸セルロースとポリ(アクリル酸)との混合物を用いることによって得られる。特に好ましいものは、ポリ(アクリル酸)、モノ酢酸セルロースまたはポリ(ビニルアルコール)である。
色素供与材料には下塗り層を設けてもよい。本発明では所望の作用をすればどのような下塗り層でもよいが、好ましい具体例としては、(アクリロニトリルー塩化ビニリデン−アクリル酸)共重合体(質量比14:80:6)、(アクリル酸ブチル−メタクリル酸−2−アミノエチル−メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル)共重合体(質量比30:20:50)、線状/飽和ポリエステル例えばボスティック7650(エムハート社、ボスティック・ケミカル・グループ)または塩素化高密度ポリ(エチレン−トリクロロエチレン)樹脂が挙げられる。下塗り層の塗布量には特別な制限はないが、通常0.1〜2.0g/m2の量で用いられる。
【0026】
熱転写色素供与材料と組合わせて用いられる熱転写受像材料は、支持体上に、供与材料から移行してくる色素を受容する受像層を設けたものである。この受像層に、本発明の高分子重合体を単独で又は以下に示すポリマーと混合して用いることができる。熱転写色素供与材料から移行してきた色素は、受像層において、水素イオンを本発明の高分子重合体媒染剤)に供与して陰イオンとなり、一方本発明高分子重合体は水素イオンを得てアンモニウム陽イオンとなって、移行した色素は強固に受像層に染着される。本発明の高分子重合体と混合して用いることのできるポリマーには次のものが挙げられる。
(イ)エステル結合を有するもの
テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸などのジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン基、カルボキシル基などが置換していてもよい)と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAなどとの縮合により得られるポリエステル樹脂:ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレートなどのポリアクリル酸エステル樹脂またはポリメタクリル酸エステル樹脂:ポリカーボネート樹脂:ポリ酢酸ビニル樹脂ビニルトルエンアクリレート樹脂など。具体的には特開昭59−101395号、同63−7971号、同63−7972号、同63−7973号、同60−294862号に記載のものを挙げることができる。また、市販品としては東洋紡製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130、花王製のATR−2009、ATR−2010などが使用できる。
(ロ)ウレタン結合を有するもの
ポリウレタン樹脂など。
(ハ)アミド結合を有するもの
ポリアミド樹脂など。
(ニ)尿素結合を有するもの
尿素樹脂など。
(ホ)スルホン結合を有するもの
ポリスルホン樹脂など。
(ヘ)その他極性の高い結合を有するもの
ポリカプロラクトン樹脂ポリアクリロニトリル樹脂など。
上記のような合成樹脂に加えて、これらの混合物あるいは共重合体なども使用できる。
【0027】
熱転写受像材料中、特に受像層中には、高沸点有機溶剤または熱溶剤を含有させることができる。
高沸点有機溶剤および熱溶剤の具体例としては特開昭62−174754号、同62−245253号、同61−209444号、同61−200538号、同62−8145号、同62−9348号、同62−30247号、同62−136646号に記載の化合物を挙げることができる。
本発明の熱転写受像材料の受像層は、熱移行性色素を受容しうる物質を水溶性バインダーに分散して担持する構成としてもよい。この場合に用いられる水溶性バインダーとしては公知の種々の水溶性ポリマーを使用しうるが、硬膜剤により架橋反応しうる基を有する水溶性のポリマーが好ましい。
受像層は2層以上の層で構成してもよい。その場合、支持体に近い方の層にはガラス転移点の低い合成樹脂を用いたり、高沸点有機溶剤や熱溶剤を用いて色素に対する染着性を高めた構成にし、最外層にはガラス転移点のより高い合成樹脂を用いたり、高沸点有機溶剤や熱溶剤の使用量を必要最小限にするかもしくは使用しないで表面のベタツキ、他の物質との接着、転写後の他の物質への再転写、熱転写色素供与材料とのブロッキング等の故障を防止する構成にすることが望ましい。本発明高分子重合体の層と、前記ポリマーの層とを分離して使用してもよい。
受像層の厚さは全体で0.5〜50μm、特に3〜30μmの範囲が好ましい。2層構成の場合最外層は0.1〜2μm、特に0.2〜1μmの範囲にするのが好ましい。
【0028】
本発明の熱転写受像材料は、支持体と受像層の間の中間層を有してもよい。
中間層は構成する材質により、クッション層、多孔層、色素の拡散防止層のいずれか又はこれらの2つ以上の機能を備えた層であり、場合によっては接着剤の役目も兼ねている。
色素の拡散防止層は、特に熱移行性色素が支持体に拡散するのを防止する役目を果たすものである。この拡散防止層を構成するバインダーとしては、水溶性でも有機溶剤可溶性でもよいが、水溶性のバインダーが好ましく、その例としては前述の受像層のバインダーとして挙げた水溶性バインダー、特にゼラチンが好ましい。
多孔層は、熱転写時に印加した熱が受像層から支持体へ拡散するのを防止し、印加された熱を有効に利用する役目を果たす層である。
本発明の熱転写受像材料を構成する受像層、クッション層、多孔層、拡散防止層、接着層等には、シリカ、クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、合成ゼオライト、酸化亜鉛、リトボン、酸化チタン、アルミナ等の微粉末を含有させてもよい。
本発明の熱転写受像材料に用いる支持体は転写温度に耐えることができ、平滑性、白色性、滑り性、摩擦性、帯電防止性、転写後のへこみなどの点で要求を満足できるものならばどのようなものでも使用できる。例えば、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系などの合成紙)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂またはエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙、セルロース繊維紙、ポリオレフィンコート紙(特にポリエチレンで両面を被覆した紙)などの紙支持体、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、メタクリレート、ポリカーボネート等の各種のプラスチックフィルムまたはシートとこのプラスチックに白色反射性を与える処理をしたフィルムまたはシート、また上記の任意の組合せによる積層体も使用できる。
【0029】
透過観察用の受像材料の支持体としては、熱転写処理に耐える程度の耐熱性と、転写画像が観察できる程度の透明性を有していれば、一般に知られている支持体を用いることができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、アイオノマー、アセチルセルローズ、セルローズエステル、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンサルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート等の樹脂フィルムが用いられる。
透明性、屈曲性、耐熱性等を考慮した場合、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド等のフィルムが好ましい。なかでもポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートのフィルムが特に好ましい。
これらの樹脂フィルムは単独で用いてもよいし、積層フィルムの形で使用してもよい。
これらの支持体の厚みは、通常25μm〜360μm、好ましくは75μm〜200μm程度である。
【0030】
熱転写受像材料には蛍光増白剤を用いてもよい。その例としては、K.Vevnkataraman 編「The Chemistry of Synthetic Dyes 」第5巻第8章、特開昭61−143752号などに記載されている化合物を挙げることができる。より具体的には、スチルベン系化合物、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリル系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物、2,5−ジベンゾオキサゾールチオフェン系化合物などが挙げられる。
蛍光増白剤は褪色防止剤と組み合わせて用いることができる。
本発明において、熱転写色素供与材料と熱転写受像材料との離型性を向上させるために、色素供与材料および/または受像材料を構成する層中、特に好ましくは両方の材料が接触する面に当たる最外層に離型剤を含有させるのが好ましい。
離型剤としては、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の固形あるいはワックス状物質:弗素系、リン酸エステル系等の界面活性剤:パラフィン系、シリコーン系、弗素系のオイル類等、従来公知の離型剤がいずれも使用できるが、特にシリコーンオイルが好ましい。
シリコーンオイルとしては、無変性のもの以外にカルボキシ変性、アミノ変性、エポキシ変性等の変性シリコーンオイルを用いることができる。その例としては、信越シリコーン(株)発行の「変性シリコーンオイル」技術資料の6〜18B頁に記載の各種変性シリコーンオイルを挙げることができる。有機溶剤系のバインダー中に用いる場合は、このバインダーの架橋剤と反応しうる基(例えばイソシアネートと反応しうる基)を有するアミノ変性シリコーンオイルが、また水溶性バインダー中に乳化分散して用いる場合は、カルボキシ変性シリコーンオイル(例えば信越シリコーン(株)製:商品名X−22−3710)が有効である。
【0031】
本発明に用いる熱転写色素供与材料および熱転写受像材料を構成する層は硬膜剤によって硬化されていてもよい。
有機溶剤系のポリマーを硬化する場合には、特開昭61−199997号、同58−215398号等に記載されている硬膜剤が使用できる。ポリエステル樹脂に対しては特にイソシアネート系の硬膜剤の使用が好ましい。
水溶性ポリマーの硬化には、米国特許第4,678,739号第41欄、特開昭59−116655号、同62−245261号、同61−18942号等に記載の硬膜剤が使用に適している。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N,N′−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタンなド)、N−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素など)、あるいは高分子硬膜剤(特開昭62−234157号などに記載の化合物)が挙げられる。
【0032】
熱転写色素供与材料や熱転写受像材料には褪色防止剤を用いてもよい。褪色防止剤としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、あるいはある種の金属錯体がある。
酸化防止剤としては、例えばクロマン系化合物、クマラン系化合物、フェノール系化合物(例えばヒンダードフェノール類)、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダン系化合物がある。また、特開昭61−159644号記載の化合物も有効である。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物(米国特許第3,533,794号など)、4−チアゾリドン系化合物(米国特許第3,352,681号など)、ベンゾフェノン系化合物(特開昭56−2784号など)、その他特開昭54−48535号、同62−136641号、同61−88256号等に記載の化合物がある。また、特開昭62−260152号記載の紫外線吸収性ポリマーも有効である。
金属錯体としては、米国特許第4,241,155号、同4,245,018号第3〜36欄、同4,254,195号第3〜8欄、特開昭62−174741号、同61−88256号(27)〜(29)頁、同63−199248号、特開平1−75568号、同1−74279号等に記載されている化合物がある。
有用な褪色防止剤の例は特開昭62−215272号(125)〜(137)頁に記載されている。
受像材料に転写された色素の褪色を防止するための褪色防止剤は予め受像材料に含有させておいてもよいし、色素供与材料から転写させるなどの方法で外部から受像材料に供給するようにしてもよい。
上記の酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属錯体はこれら同士を組み合わせて使用してもよい。
【0033】
熱転写色素供与材料や熱転写受像材料の構成層には塗布助剤、剥離性改良、スベリ性改良、帯電防止、現像促進等の目的で種々の界面活性剤を使用することができる。
例えば、サポニン(ステロイド系)、アルキレンオキサイド誘導体(例えばポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリコールエステル類、ポリエチレングリコールソルビタンエステル類、ポリアルキレングリコールアルキルアミンまたはアミド類、シリコーンのポリエチレンオキサイド付加物類)、グリシドール誘導体(例えばアルケニルコハク酸ポリグリセリド、アルキルフェノールポリグリセリド)、多価アルコールの脂肪酸エステル類、糖のアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤:アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル類、アルキルリン酸エステル類、N−アシル−N−アルキルタウリン類、スルホコハク酸エステル類、スルホアルキルポリエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル類などのカルボキシ基、スルホ基、フォスホ基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤:アミノ酸類、アミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸あるいはリン酸エステル類、アルキルベタイン類、アミンオキシド類などの両性界面活性剤:アルキルアミン塩類、脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウム塩類、ビリジニウム、イミダゾリウムなどの複数環第4級アンモニウム塩類、および脂肪族あるいは複数環を含むフォスフォニムあるいはスルホニウム塩類などのカチオン界面活性剤を用いることができる。これらの具体例は特開昭62−173463号、同62−183457号等に記載されている。
また、熱移行性色素を受容しうる物質、離型剤、褪色防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤その他の疎水性化合物を水溶性バインダー中に分散する際には、分散助剤として界面活性剤を用いるのが好ましい。この目的のためには、上記の界面活性剤の他に、特開昭59−157636号の37〜38頁に記載の界面活性剤が特に好ましく用いられる。
【0034】
熱転写色素供与材料や熱転写受像材料の構成層には、スベリ性改良、帯電防止、剥離性改良等の目的で有機フルオロ化合物を含ませてもよい。有機フルオロ化合物の代表例としては、特公昭57−9053号第8〜17欄、特開昭61−20944号、同62−135826号等に記載されているフッ素系界面活性剤、またはフッ素油などのオイル状フッ素系化合物もしくは四フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ素化合物樹脂などの疎水性フッ素化合物が挙げられる。
熱転写色素供与材料や熱転写受像材料にはマット剤を用いることができる。マット剤としては二酸化ケイ素、ポリオレフィンまたはポリメタクリレートなどの特開昭61−88256号(29)頁記載の化合物の他に、ベンゾグアナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、AS樹脂ビーズなどの特開昭63−274944号、同63−274952号記載の化合物がある。
【0035】
本発明においては、熱転写色素供与材料を熱転写受像材料と重ね合わせ、いずれかの面から、好ましくは熱転写色素供与材料の裏面から、例えばサーマルヘッド等の加熱手段により画像情報に応じた熱エネルギーを与えることにより、色素供与層の色素を熱転写受像材料に加熱エネルギーの大小に応じて転写することができ、優れた鮮明性、解像性の階調のあるカラー画像を得ることができる。
加熱手段はサーマルヘッドに限らず、レーザー光(例えば半導体レーザ)、赤外線フラッシュ、熱ペンなどの公知のものが使用できる。
レーザーを用いるシステムでは、色素供与材料は、レーザ光線を強く吸収する材料を含有する。色素供与材料にレーザ光線を照射すると、この吸収性材料が光エネルギーを熱エネルギーに変換してすぐに近くの色素にその熱を伝達し、色素を受像材料に転写するためその熱移行温度まで加熱する。この吸収性材料は色素の下部に層をなして存在し及び/又は色素と混合される。レーザビームは、元の画像の形状及び色を表わす電気信号で変調され、元の対象の色を再構成するため色素供与材料上に存在する必要ある域の色素のみが加熱されて熱移行する。本プロセスの更に詳しい説明は英国特許2,083,726A号に記載されている。本発明において、熱転写色素供与材料は熱転写受像材料と組合せることにより、熱印字方式の各種プリンターを用いた印字、ファクシミリ、あるいは磁気記録方式、光記録方式等による画像のプリント作成、テレビジョン、CRT画面からのプリント作成等に利用できる。
熱転写記録方法の詳細については、特開昭60−34895号の記載を参照できる。
本発明の好ましい実施態様では、色素供与材料はポリエチレンテレフタレート支持体をシアン色素、マゼンタ色素およびイエロー色素の逐次繰返し域で塗布したものからなり、前記工程を各色毎に逐次実施して三色の転写画像を形成する。勿論、この工程を単色で実施した際には、モノクロームの転写画像が得られる。色素供与材料から受像材料に色素を熱転写するのに、アルゴンやクリプトンのようなイオンガスレーザ、銅、金及びカドミウムのような金属蒸気レーザ、ルビーやYAGのような固体レーザ、又は750〜870nmの赤外域で放出するガリウムーヒ素のような半導体レーザなど数種のレーザが使用できる。しかしながら実際的には、小型、低コスト、安定性、信頼性、耐久性及び変調の容易さの点で半導体レーザが有利である。
本発明の熱転写記録材料は、更に、カラーフィルターアレイ素子、熱転写記録型IDカードにも使用することができる。
【0036】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
〔熱転写色素供与材料の作成〕
片面に熱硬化アクリル樹脂からなる耐熱滑性層を設けた厚さ6μm、巾95mmのポリエステルフィルムを支持体とし、この支持体の耐熱滑性層を設けた側と反対側の面に、墨版用グラビアインクにて20mmの長の検知マークと下記組成の色素供与層形成用インク組成物を乾燥後の塗布量が1.2g/m2となるように長さ170mmで面順次に塗布して色素供与材料1を作成した。
【0037】
(熱転写色素供与層塗布用インク組成物)
解離性色素(特開平3−90387色素例Dye(30)) 3g
ポリビニルブチラール樹脂 3g
(電気化学製デンカブチラール5000A)
シリコーンオイル(信越化学製KF−96) 0.05ml
トルエン 50ml
メチルエチルケトン 50ml
ポリイソシアネート 0.05ml
(武田薬品製タケネートD110N)
〔熱転写受像材料の作成〕
表3に示した支持体上に下記組成の色素受像層塗布液組成物において、色素受容性の樹脂を表4に示すように種々かえて、ワイヤーバーコーティング法により乾燥後の厚さが8μmとなるように塗布して本発明および比較用熱転写色素受像材料1〜13を作製した。サンプルサイズは100mm×140mmにカットした。
【0038】
【表4】
Figure 0003781201
【0039】
(熱転写受像材料塗布用組成物)
樹脂〔表4〕 25g
硬化剤(大日本インキ化学製ポリイソシアネートKP−90) 4g
離型剤(信越シリコーン製シリコーンオイルKF−857) 0.05g
メチルエチルケトン 85g
トルエン 85g
【0040】
【表5】
Figure 0003781201
【0041】
【化6】
Figure 0003781201
【0042】
上記のようにして得られた色素供与材料1と色素受像材料1〜13を各々色素供与層と受像層が接するように重ね合わせて、熱転写色素供与材料の支持体側から、サーマルヘッドを使用し、サーマルヘッドの出力0.25W/ドット、パルス幅0.1〜5msec、ドット密度6ドット/mmの条件で加熱を行い、受像材料の受容層に色素を像状に染着させた。このとき得られた記録済みの受像材料の最大濃度部分(Dmax ) を、反射型濃度計(X Rite Inc.製、ステータスAフイルター内蔵)を用いて画像の反射濃度を測定した。
【0043】
そして、記録済みの受像材料を60℃のオーブンに2週間放置した後の画像のにじみの程度を観察した。判定基準は、画像が200倍前後の光学顕微鏡で観て保存前とほとんど変化しないものを◎、少しにじむが目視では殆どボケていると感じないものを○、少しにじんでいると目視で感じるものを△、非常ににじんでぼけるものを×で表示した。
記録済みの受像材料の最高濃度部分を、使用前の受像シートの表面及び裏面と重ね、受像材料が完全に重なる様に3g/cm2 の重りをのせ、60℃のオーブンに1週間放置した後で色移りの程度を観察した。判定基準は、画像の10%以下の面に色移りが生じたものを○、画像の50%以下の面に色移りが生じたものを△、全面に色移りが生じたものを×で表示した。
結果を下記表5に示した。
【0044】
【表6】
Figure 0003781201
【0045】
表5から明らかなように、本発明の高分子重合体を受像層に含有させた熱転写材料の転写濃度は高く、又、転写画像は強制経時条件下でも、ほとんど滲むことなく、かつ接触物を汚染することがほとんどないことが分かる。一方、比較用の高分子重合体を含有させた熱転写材料の転写濃度は低く、又、転写画像は強制経時条件下で滲んだり、接触物を汚染してしまうことが分かる。
【0046】
実施例2
実施例1において、解離性色素D−12に代え、解離性色素D−2、D−6、D−16、D−22又はD−24を用いて熱転写色素供与材料2〜7を同様に作成し本発明および比較用熱転写受像材料1〜13に同様に熱転写させ同様に評価した結果を表6に示す。
【0047】
【表7】
Figure 0003781201
【0048】
表6から明らかなように、本発明の高分子重合体を受像層に含有させた熱転写材料は、何れの解離性色素を用いた場合でも、実施例1と同様の効果が得られることが分かる。
【0049】
実施例3
実施例1および2において熱転写受像材料の支持体を表3に示した上質紙に代え、厚み150μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いて、同様にして、透過型熱転写受像材料を作成し、熱転写させ、同様にして転写濃度と画像の滲みを評価したところ、実施例1および2と同様の効果が得られた。
【0050】
【発明の効果】
本発明の高分子重合体を受像層に含有させた熱転写受像材料と、水素イオンを放出して陰イオンとなり得る解離性色素を含有させた色素供与材料を用いることによって、高い転写濃度の転写画像が得られ、又その転写画像は経時で滲むことかなく、接触物を汚染することがない。

Claims (1)

  1. 色素供与材料と、媒染剤を含有する受像層を支持体上に有する受像材料とからなる熱転写記録材料において、該媒染剤が一般式(I)で表わされるモノマー単位を少なくとも含有する高分子重合体であり、前記受像層が前記高分子重合体を単独で、又は前記高分子重合体とポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカプロラクトン樹脂及びポリアクリロニトリル樹脂からなる群から選ばれる、スチレン共重合体以外の樹脂の少なくとも一種とを混合して含有することを特徴とする熱転写記録材料。
    一般式(I)
    Figure 0003781201
    式中、R1 は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、R2 、R3 は互いに同一でも異なっていてもよいアルキル基又はシクロアルキル基を表わす。Xは−COO(CH2)n−(ここにnは0〜3の整数を表す。以下同じ。)、−CONH(CH2)n−を表わし、Lはプロピレン基を表わす。
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