JPH07304198A - サーマルプリントヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

サーマルプリントヘッドおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH07304198A
JPH07304198A JP9673894A JP9673894A JPH07304198A JP H07304198 A JPH07304198 A JP H07304198A JP 9673894 A JP9673894 A JP 9673894A JP 9673894 A JP9673894 A JP 9673894A JP H07304198 A JPH07304198 A JP H07304198A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating
insulating layer
scanning direction
print head
thermal print
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9673894A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3470824B2 (ja
Inventor
Fumiaki Tagashira
史明 田頭
Masakatsu Tateya
真克 建矢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rohm Co Ltd
Original Assignee
Rohm Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rohm Co Ltd filed Critical Rohm Co Ltd
Priority to JP9673894A priority Critical patent/JP3470824B2/ja
Publication of JPH07304198A publication Critical patent/JPH07304198A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3470824B2 publication Critical patent/JP3470824B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 厚膜型サーマルプリントヘッドにおいて、そ
の発熱ドットの特に副走査方向の寸法をより縮小して高
密度印字が可能となるようにする。 【構成】 絶縁基板1上に交互に形成された共通電極2
および個別電極3とこれら共通電極と個別電極に重ねて
厚膜印刷法によって形成された発熱抵抗体4とを備え、
隣接する共通電極または/および個別電極によって上記
発熱抵抗体を主走査方向に区分して形成される発熱ドッ
トDを上記個別電極によって個別駆動するように構成さ
れたサーマルプリントヘッドにおいて、上記発熱抵抗体
4の下層に、所定間隔を隔てて対向する縁8a,8a を有す
る絶縁層8,8 を介装することにより、この絶縁層8,8 の
上記対向縁8a,8a により、上記発熱ドットDの副走査方
向の幅を規定するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、厚膜型サーマルプリ
ントヘッドおよびその製造方法に関し、印字ドット密度
を飛躍的に高めることができるように成したものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の厚膜型サーマルプリントヘッドの
発熱ドット形成部の一般的構成を図10および図11に
示す。絶縁基板1上には、主走査方向(通常は基板の長
手方向)と直交する方向(通常は基板幅方向)に延びる
細幅状の共通電極2と、個別電極3とが交互に形成され
る。各共通電極2は、同じく基板上に形成される共通配
線パターン21に共通接続される。各個別電極3は、基
板上に搭載される駆動IC(図示略)の各出力パッドに
接続される。
【0003】上記各共通電極2と各個別電極3に重ねる
ようにして、主走査方向に延びる発熱抵抗体4が、いわ
ゆる厚膜印刷法によって所定幅帯状に形成される。そし
て、図11に示すように、発熱抵抗体4ないし各電極
2,3を全面的に覆うようにして、ガラス等でできた保
護層5が形成される。なお、図11において符号6は、
ガラス等でできた蓄熱グレーズ層を示す。
【0004】符号3* で示す個別電極が駆動ICによっ
てオンとされると、この個別電極3 * を挟む2つの共通
電極2で挟まれる斜線領域に電流が流れ、これが発熱ド
ットDとして機能する。
【0005】たとえば、8ドット/mmの印字密度で印
字を行うようにするためには、共通電極2のピッチが1
25μmに設定される。すなわち、プリントヘッドの主
走査方向の印字密度は、共通電極2のピッチによって規
定される。
【0006】一方、プリントヘッドの副走査方向の印字
密度は発熱抵抗体4の幅によって規定される。たとえ
ば、8ドット/mmの印字密度を達成するためには、上
記発熱抵抗体4における副走査方向の発熱幅もまた、1
25μm程度に設定されることになる。
【0007】ところで、上記発熱抵抗体4は、上述した
ように、厚膜印刷法によって形成されるため、その幅を
所定以下に小さくすることができない。現状の印刷技術
においては、この発熱抵抗体4の幅は、最小でも100
μm程度であり、それ以下の幅の発熱抵抗体を適正に形
成することができない。したがって、図10および図1
1に示すようにして発熱ドットDを形成するタイプの厚
膜型サーマルプリントヘッドにおいては、特に副走査方
向の印字密度を高めるには限界がある。
【0008】特開昭61−266266号公報には、厚
膜型サーマルプリントヘッドにおいて、その印字密度を
高めるための提案がなされている。同公報の厚膜型サー
マルプリントヘッドにおいては、本願の図12および図
13に示すように、共通電極2および個別電極3を、主
走査方向に延びる所定幅をもつ縁2a,3aが、それぞ
れ所定間隔をあけて副走査方向に対向させられており、
共通電極2の上記縁2aと、個別電極3の上記縁3a間
の間隔よりも広い幅をもつ発熱抵抗体4が形成されてい
る。この構成によると、共通電極2の縁2aと、個別電
極3の縁3aで挟まれる矩形領域が発熱ドットとして機
能する。すなわち、この図12および図13に示された
サーマルプリントヘッドにおいては、発熱ドットDの副
走査方向の幅は、共通電極2と個別電極3の両縁2a,
3aの間隔によって規定されるのであり、発熱抵抗体4
の幅によって規定されるのではない。したがって、厚膜
型サーマルプリントヘッドにおいて、厚膜印刷形成され
る発熱抵抗体4の最小幅よりもさらに小さい副走査方向
幅をもつ発熱ドットの形成が可能であり、したがって、
印字密度を高めることが可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図12
および図13に示すような厚膜型サーマルプリントヘッ
ドにおいても、さらに次のような解決するべき問題があ
る。すなわち、たとえば符号3* で示す個別電極をオン
として、符号Dで示す発熱ドットを発熱させようとして
も、当該個別電極3* と対向する共通電極の隣の共通電
極との間にも電流が流れてしまい、したがって、不要な
部分にも発熱が起こり、その結果、印字ボケ等が発生し
て印字品位が低下してしまうのである。
【0010】本願発明は、上記した事情のもとで考え出
されたものであって、厚膜型サーマルプリントヘッドに
おいて、印字ボケ等の印字品位の低下をもたらすことな
く、発熱抵抗体の幅にかかわりなく、副走査方向につい
てより高い印字密度を達成することをその課題としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本願発明では次の各技術的手段を講じている。
【0012】本願の請求項1の記載した発明は、絶縁基
板上に交互に形成された共通電極および個別電極と、こ
れら共通電極と個別電極に重ねて厚膜印刷法によって形
成された発熱抵抗体とを備え、隣接する共通電極または
/および個別電極によって上記発熱抵抗体を主走査方向
に区分して形成される発熱ドットを上記個別電極によっ
て個別駆動するように構成されたサーマルプリントヘッ
ドにおいて、上記発熱抵抗体の下層に、所定間隔を隔て
て対向する縁を有する絶縁層を介装することにより、こ
の絶縁層の上記対向縁により、上記発熱ドットの副走査
方向の幅を規定するように構成したことを特徴としてい
る。
【0013】上記絶縁層は、厚膜印刷法によって形成す
ることもできるし(請求項2)、あるいは、蒸着または
スパッタリング等の薄膜形成法によって形成することも
できる(請求項3)。
【0014】さらに、上記発熱ドットは、1列に形成す
ることの他(請求項4)、2列に形成することもできる
(請求項5)。
【0015】本願の請求項6に記載した発明は、サーマ
ルプリントヘッドの製造方法であって、基板上に、主走
査方向と直交する方向に延出する共通電極と個別電極と
を上記主走査方向に交互に並ぶように形成するステッ
プ、上記共通電極と上記個別電極を交互に臨ませるよう
にして、上記主走査方向に延びる2つの縁が所定間隔を
隔てて対向するように絶縁層を形成するステップ、上記
絶縁層の上記2つの縁で挟まれる領域に重ねるようにし
て、厚膜印刷法によって発熱抵抗体を形成するステッ
プ、を順次的に行うことを含む。
【0016】上記絶縁層は、厚膜印刷法あるいは蒸着や
スパッタリング等の薄膜形成法によって形成することが
できる他、請求項7に記載したように、連続形成された
絶縁層の所定幅領域を除去することによって形成するこ
ともできる。そして、このような絶縁層の所定幅領域の
除去は、微細な研掃材を高速空気流に乗せて噴射するブ
ラスト法によって行うことができる(請求項8)。
【0017】
【発明の作用および効果】本願発明のサーマルプリント
ヘッドは、交互に形成された共通電極および個別電極に
よって、発熱抵抗体を主走査方向に区分しているので、
こうして区分される発熱ドット以外の領域が余分に発熱
するということはなく、したがって、不要な部分が発熱
することによる印字ボケ等の印字品位の低下はない。
【0018】そして、上記発熱ドットの副走査方向の寸
法は、発熱抵抗体の印刷幅によって規定されるのではな
く、絶縁層の対向縁どうしの間隔によって規定されるの
で、この発熱ドットの副走査方向寸法をより小さくする
ことができる。以上の結果、本願発明のサーマルプリン
トヘッドによれば、基本的に、発熱抵抗体が厚膜印刷法
によって形成されるにもかかわらず、発熱ドットを、発
熱抵抗体の印刷限界にかかわらず、より小さく設定する
ことができ、印字密度を飛躍的に上げることができる。
【0019】上記絶縁層は、請求項2に記載したよう
に、厚膜印刷法によって形成することもできる。厚膜印
刷法によれば、その印刷幅の縮小には限界があっても、
2か所の絶縁層の縁を接近させることは可能である。し
たがって、上記絶縁層を簡便な厚膜印刷法によって形成
しても、発熱ドットの副走査方向寸法を、従前に比較し
て著しく小さくすることができるのである。
【0020】また、請求項3に記載したように、上記絶
縁層を、蒸着またはスパッタリング等のいわゆる薄膜形
成法によって形成することもできる。この方法によれ
ば、絶縁層の対向縁は、マスクの精度に依存して、高精
度に形成することができ、副走査方向の寸法がより縮小
された高密度の発熱ドットを、より精度よく形成するこ
とができるようになる。
【0021】請求項4の発明のように、上記発熱ドット
を1列に形成する場合には、上記絶縁層の対向縁の間隔
よりも広幅に発熱抵抗体を印刷形成すればよく、したが
って、発熱抵抗体の印刷精度がそれほど求められなくな
り、製造コストが低減される。
【0022】請求項5の発明のように、発熱ドットを2
列に形成する場合には、絶縁層の形成さえ精度よく行っ
ておけば、発熱抵抗体を、上記2列の発熱ドット形成領
域よりも広幅に印刷形成すればよく、発熱抵抗体印刷の
ためのスクリーンの作製が容易となるとともに、印刷位
置決め精度もそれほど求められなくなり、これによる製
造効率の向上が達成される。
【0023】請求項6の発明は、上記した本願発明のサ
ーマルプリントヘッドの製造方法の基本的工程を規定し
ている。従前の製造方法に比較し、絶縁層を形成するス
テップが付加されるが、かかるステップは、厚膜印刷法
あるいは薄膜形成法等、当分野において慣用されてきた
手法によって容易に行うことができるので、本願発明方
法の実施は、きわめて容易であり、コスト上昇もそれほ
ど招かない。
【0024】また、上記絶縁層の対向縁を正確に形成す
るにあたり、とりわけこの絶縁層を厚膜印刷法によって
形成する場合には、請求項8のように、連続的な絶縁層
を厚膜印刷法によって形成した後、これを乾燥後、焼成
前にサンドブラスト法によって不要部分を除去するとい
う手法によって簡便に形成することができる。この手法
によれば、それほど印刷精度が求められることなしに絶
縁層を厚膜印刷形成するにもかかわらず、発熱ドットの
副走査方向幅を規定する対向縁を正確にかつ簡便に形成
することができるようになる。
【0025】以上説明したように、本願発明によれば、
厚膜型サーマルプリントヘッドにおいて、その発熱ドッ
トの特に副走査方向の密度を、発熱抵抗体の厚膜印刷の
精度あるいは印刷限界に関わりなく、従前に比較して、
著しく高めることができるのである。印字密度を高める
ためには、薄膜型サーマルプリントヘッドが提供されて
いるが、この薄膜型サーマルプリントヘッドの製造には
きわめて複雑な工程が必要であり、その製造コストが高
騰するきらいがあるが、本願発明によれば、比較的安価
かつ簡便に製造しうる厚膜型サーマルプリントヘッドに
おいても、薄膜型サーマルプリントヘッドに匹敵する高
い印字密度を達成しうるのである。
【0026】
【実施例の説明】以下、本願発明の好ましい実施例を、
図1ないし図9を参照して具体的に説明する。
【0027】図1は、本願発明のサーマルプリントヘッ
ドの第1実施例の要部拡大平面図、図2は、図1のII−
II線に沿う拡大断面図である。アルミナセラミック等で
できた基板1の表面には、所定厚みの蓄熱グレーズ層6
を介して、以下に説明する発熱部が形成される。上記蓄
熱グレーズ層6の表面には、共通電極パターンと個別電
極パターンとが形成される。図1によく表れているよう
に、共通電極パターンは、通常基板長手方向に延びる共
通電極配線部21と、この共通電極配線部21から基板
幅方向に延出する櫛歯状の共通電極2とからなってい
る。この共通電極2は、プリントヘッドの印字密度と対
応したピッチで形成される。たとえば8ドット/mmの
密度で印字を行うようにする場合には、共通電極2のピ
ッチは、125μmとされる。16ドット/mmの密度
とするためには、上記ピッチは62.5μmとされる。
【0028】上記各櫛歯状の共通電極2の間に入り込む
ようにして、同じく基板幅方向に延びる個別電極3が形
成されている。個別電極3の各共通電極間への延入量
は、少なくとも形成するべき発熱ドットの副走査方向
(基板幅方向)の寸法より長く設定される。こうして、
共通電極2と個別電極3とが、主走査方向(基板長手方
向)に交互に配置されることになる。なおこの共通電極
2および個別電極3は、基板上に導電被膜を形成した
後、これをフォトリソ法を用いて不要部分をエッチング
により除去することにより形成されるので、微細な配線
パターンとすることが可能である。
【0029】上記配線パターンに重ねるようにして、絶
縁層8,8が形成される。この絶縁層8,8は、主走査
方向(基板長手方向)に延びる縁8a,8aが、所定間
隔をあけて対向するように形成される。これら絶縁層の
対向縁8a,8a間の間隔は、プリントヘッドの印字密
度に対応して設定される。すなわち、8ドット/mmの
印字密度を達成するためには、上記間隔は、125μm
と基準として設定される。また、16ドット/mmの印
字密度を達成するためには、62.5μmを基準として
設定される。
【0030】ここで重要なことは、上記各絶縁層8,8
の対向縁8a,8aで挟まれる領域に、上記共通電極2
および個別電極3が交互に臨むようにするということで
ある。この絶縁層8,8は、厚膜印刷法によって形成す
ることもできるし、蒸着やスパッタリング等のいわゆる
薄膜形成法によって形成することもできる。厚膜印刷法
によって形成する場合には、たとえばガラスペーストを
用いることができる。また、薄膜形成法による場合に
は、5酸化タンタル、サイアロン、酸化シリコン等が好
適に選択される。
【0031】続いて、図2に示すように、所定幅の発熱
抵抗体4が、基板長手方向に延びるように厚膜印刷法に
よって形成される。この発熱抵抗体4の印刷幅は、少な
くとも、上記絶縁層8,8の対向縁8a,8aの間隔よ
りも広く設定され、上記絶縁層8,8の対向縁8a,8
aが少なくともこの発熱抵抗体4で覆われるようにして
形成される。この発熱抵抗体4の材質としては、従来と
同様、たとえば酸化ルテニウム等が好適に選択される。
【0032】なお、上記配線パターンおよび発熱抵抗体
4を覆うようにして、基板上の所定領域がガラス等でで
きた保護層5で覆われる点は、従前のこの種の厚膜型サ
ーマルプリントヘッドと同様である。
【0033】上記各個別電極3の基端は、基板上に搭載
される図示しない駆動ICの出力パッドに対し、たとえ
ばワイヤボンディングによって結線される。個別電極3
* が駆動ICによってオンとされると、この個別電極3
* を挟んで両側に位置する2つの共通電極2から個別電
極3へ駆動電流が流れる。すなわち、隣合う共通電極に
よって、発熱ドットDの主走査方向(基板長手方向)の
寸法が規定される。そして、上記駆動電流はまた、絶縁
層8の対向縁8a,8aで挟まれた領域のみを流れるこ
とになる。すなわち、発熱ドットDの副走査方向(基板
幅方向)の寸法は、上記絶縁層8,8の対向縁8a,8
aどうしの間隔によって規定される。
【0034】従来は、発熱ドットDの副走査方向の寸法
は、厚膜印刷形成される発熱抵抗体の幅によって主に規
定されていたのであるが、本願発明においては、上記の
ように、発熱ドットDの副走査方向の寸法は、発熱抵抗
体4の幅にかかわりなく、上記絶縁層8,8の対向縁8
a,8aの間隔によって規定されることになる。したが
って、本願発明によれば、厚膜型のサーマルプリントヘ
ッドであるにもかかわらず、発熱ドットDの副走査方向
の寸法を、厚膜印刷法によって形成されうる発熱抵抗体
の最少幅よりも小さくすることが可能となる。発熱ドッ
トDの主走査方向の寸法は、微細なパターンニングが可
能な共通電極のピッチによって規定されるため、相当に
寸法を小さくすることが問題なく可能であることを考慮
すると、本願発明によれば、発熱ドットの主走査方向お
よび副走査方向の寸法を、従前の厚膜型サーマルプリン
トヘッドに比較し、著しく縮小することができ、より高
密度な印字を行えるように構成することが可能となる。
【0035】図3ないし図5は、上記絶縁層8,8を厚
膜印刷法によって形成する場合の本願発明のサーマルプ
リントヘッドの製造工程を模式的に示している。図3に
示すように、基板1上に蓄熱グレーズ層6を形成した
後、共通電極2および個別電極3が基板幅方向に互いに
交互に延入するように形成される。次に図4に示すよう
に、絶縁層8,8が、その対向縁8a,8aが所定間隔
をもって平行に対向するように形成される。この絶縁層
8,8は、ガラスペーストを用いてスクリーン印刷をす
ることにより形成することができる。スクリーン印刷を
する場合、その印刷最小幅には限界があるが、印刷され
た部分の縁どうしをきわめて近接させることは可能であ
る。したがって、この絶縁層8,8を厚膜印刷法によっ
て形成する場合においても、結果的な発熱ドットDの副
走査方向の幅を、かかる発熱ドットの幅をスクリーン印
刷された発熱抵抗体の幅によって規定する場合に比較
し、より小さくすることが可能になるのである。
【0036】次いで図5に示すように、上記絶縁層8,
8の対向縁8a,8aで挟まれる領域に交互に臨む共通
電極2および個別電極3を覆うようにして、発熱抵抗体
4が印刷形成される。この発熱抵抗体4の印刷幅は、上
記絶縁層8,8の対向縁8a,8aで囲まれた領域を少
なくとも覆うようにすればよく、それほど厳しい精度が
求められない。そのため、発熱抵抗体を印刷形成するこ
とに関しては、その製造工程が簡略されることになる。
【0037】そして、図2に示したように、上記の工程
を終えた基板の所定領域が、ガラス等でできた保護層5
で覆われる。この保護層5もまた、厚膜印刷法によって
簡便に形成することができる。
【0038】図6は、上記絶縁層8,8を厚膜印刷法に
よって形成する場合において、その対向縁8a,8aの
間隔を、より小さくすることができる方法を示してい
る。図6(a) に示すように、共通電極2および個別電極
3の形成の後、保護層5’を上記個別電極および共通電
極の交互配置部を含むように連続形成する。すなわち、
この時点で対向縁8a,8aが形成されない。そして、
この保護層5’の上面に、フォトリソ用のドライフィル
ム9を形成する。そして、図6(b) に示すように、フォ
トリソ法の手法により、上記ドライフィルムの一部を除
去する。すなわち、このドライフィルム9にあけられた
開口9aの間隔は、形成するべき発熱ドットDの副走査
方向の寸法と対応させられる。
【0039】次に図6(c) に示すように、基板の上面か
ら、微細な研掃材を高速空気に乗せて噴きつけるサンド
ブラスト処理を行う。これにより、ドライフィルム9に
よって覆われていない領域の保護層5’が研削除去され
る。このサンドブラストは、上記保護層の印刷乾燥後、
焼成前に行うのが好ましく、図6(c) に示すように、上
記共通電極2および個別電極3が露出するまで継続され
る。
【0040】次いで、ドライフィルム9を除去すると、
図5(d) に示すように、絶縁層8に、所定間隔で対向す
るとともに、それらの間に上記各電極2,3を交互に露
出させる縁8a,8aが形成されることになる。
【0041】これに引き続いて、上記発熱抵抗体4の印
刷形成ないし絶縁層8の形成が行われることは、繰り返
し説明することなく明らかであろう。
【0042】上記において、上記絶縁層8,8を、厚膜
印刷法によって形成することについて説明したが、この
絶縁層8は、蒸着あるいはスパッタリング等の薄膜形成
法によって形成することも可能である。この場合、微細
なマスクパターンを用いることができるので、形成され
る絶縁層8の対向縁間隔を、上記厚膜印刷法によること
に比較してさらに縮小することができ、より高密度な印
字が可能な微小な発熱ドットを形成することができるよ
うになる。
【0043】図7および図8は、本願発明のサーマルプ
リントヘッドの第2の実施例を示している。この実施例
では、発熱ドットDが2列に形成されている。第1の共
通配線パターンCOM1 が基板一側縁近傍に形成される
一方、第2の共通配線パターンCOM2 が、たとえば、
駆動IC10の下層を潜るようにして形成されている。
第1の共通配線パターンCOM1 および第2の共通配線
パターンCOM2 からは、櫛歯状の共通電極2が基板幅
方向に延出させられている。これら第1の共通配線パタ
ーンCOM1 からの共通電極2および第2の共通配線パ
ターンCOM2からの共通電極2は、同一ピッチに形成
されてはいるが、互いに主走査方向に1/2ピッチずら
されている。
【0044】第1の共通配線パターンCOM1 から延び
る櫛歯状の共通電極2間に入り込んでいる個別電極3
は、1/2ピッチ中間部において変位させられながら、
第2の共通配線パターンCOM2 から延びる共通電極2
間にも延入させられている。この個別電極3の端部は、
駆動IC10上の出力パッド11に対してワイヤボンデ
ィングによって結線されている。
【0045】図8によく表れているように、絶縁層8,
8,8が、2列の発熱ドットDを形成するべく印刷形成
される。すなわち、第1の共通配線パターンCOM1
ら延びる共通電極2と、これらの間に延入する個別電極
3が形成された部位において、これらの電極が交互に臨
むように対向縁8a,8aが形成されるとともに、第2
の共通電極パターンCOM2 から延びる共通電極2間に
上記個別電極3が延入する部位に、これら電極が交互に
臨むように対向縁8a,8aが形成されるようにして、
3つの部分に分けられた絶縁層8,8,8が形成される
のである。
【0046】そうして、上記絶縁層8,8,8の対向縁
8aで挟まれる2つの領域とを覆うようにして、発熱抵
抗体4が印刷形成される。
【0047】前述したことからわかるように、本願発明
においては、発熱ドットDの副走査方向の寸法は、発熱
抵抗体4の印刷幅とは関係なく規定されるので、図8に
表れているように、第1の発熱ドット列、第2の発熱ド
ット列を同時に覆う広幅の発熱抵抗体4を印刷しても何
ら差し支えなくなるのである。このように、本願発明に
おいては、発熱抵抗体の印刷は、その幅寸法が厳しく制
限されることなく、また印刷精度もそれほど厳しく求め
られることはないので、かかる発熱抵抗体の印刷工程
を、より簡便に行うことができるようになる。
【0048】図7および図8に表れているサーマルプリ
ントヘッドにおいては、同一の共通電極3* をオンとし
つつ、共通配線パターンCOM1,COM2 を選択するこ
とにより、図7に符号Aで示す発熱ドットと、符号Bで
示す発熱ドットとを別個に発熱制御させることができ
る。このことは、1列についての発熱ドットのドットピ
ッチの半分のドットピッチでの印刷が可能となることを
意味し、これによると、厚膜型のサーマルプリントヘッ
ドであるにもかかわらず、より印字密度を高めることが
可能になる。
【0049】図9は、本願発明のサーマルプリントヘッ
ドの第3実施例を示している。この実施例は、基板上に
部分グレーズ6’を設け、この部分グレーズ6’上に発
熱ドットDが配置されるようにした例である。共通電極
2および個別電極3の交互配置部が上記部分グレーズ
6’上に位置するようにし、そして、これら電極の交互
配置部が臨むように、所定間隔で対向する縁8a,8a
を有する絶縁層8,8が形成される。そして、この絶縁
層8,8の対向縁8a,8aで挟まれる領域を覆うよう
にして、発熱抵抗体4が印刷形成される。そして、これ
らの工程の後、基板表面が保護層5で覆われる。
【0050】この実施例についても、発熱ドットDの副
走査方向の寸法が、発熱抵抗体4の印刷幅によるのでは
なく、絶縁層8,8の対向縁8a,8aどうしの間隔に
よって規定される点は、上述した各実施例と同様であ
り、厚膜型のサーマルプリントヘッドであるにもかかわ
らず、その発熱ドットの特に副走査方向の寸法を、従来
に比較して著しく縮小することが可能になるのである。
【0051】もちろん、本願発明の範囲は上述した実施
例に限定されることはない。共通電極と個別電極とを交
互に配置することによって発熱ドットの主走査方向の寸
法が規定されるようにした厚膜型サーマルプリントヘッ
ドの全てに本願発明を適用することができる。基板上の
その他の構成については、全く問われず、駆動ICの配
置位置、あるいは制御方法もまた、適宜選択すればよ
い。また、発熱ドットを1列に配置するとともに、共通
電極配線パターンを2系統とし、共通電極と個別電極で
囲まれる領域を1ドットとするようにした厚膜型サーマ
ルプリントヘッドも存在するが、もちろんこの場合につ
いても、本願発明を問題なく適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のサーマルプリントヘッドの第1実施
例の部分拡大平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う拡大断面図である。
【図3】図1および図2に示す実施例の製造方法説明図
である。
【図4】図1および図2に示す実施例の製造方法説明図
である。
【図5】図1および図2に示す実施例の製造方法説明図
である。
【図6】絶縁層の形成方法の他の例の説明図である。
【図7】本願発明のサーマルプリントヘッドの第2実施
例を示す部分拡大平面図である。
【図8】図7のVIII−VIIIに沿う拡大断面図である。
【図9】本願発明のサーマルプリントヘッドの第3実施
例を示す拡大断面図である。
【図10】従来例のサーマルプリントヘッドの部分拡大
平面図である。
【図11】図10のXI一XI線に沿う拡大断面図である。
【図12】従来例のサーマルプリントヘッドの他の例を
示す部分拡大平面図である。
【図13】図12のXIII−XIII線に沿う拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1 基板 2 共通電極 3 個別電極 4 発熱抵抗体 5 保護層 8 絶縁層 8a 対向縁 D 発熱ドット

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に交互に形成された共通電極
    および個別電極と、これら共通電極と個別電極に重ねて
    厚膜印刷法によって形成された発熱抵抗体とを備え、隣
    接する共通電極または/および個別電極によって上記発
    熱抵抗体を主走査方向に区分して形成される発熱ドット
    を上記個別電極によって個別駆動するように構成された
    サーマルプリントヘッドにおいて、 上記発熱抵抗体の下層に、所定間隔を隔てて対向する縁
    を有する絶縁層を介装することにより、この絶縁層の上
    記対向縁により、上記発熱ドットの副走査方向の幅を規
    定するように構成したことを特徴とする、サーマルプリ
    ントヘッド。
  2. 【請求項2】 上記絶縁層は、厚膜印刷法によって形成
    されている、請求項1のサーマルプリントヘッド。
  3. 【請求項3】 上記絶縁層は、蒸着またはスパッタリン
    グによって形成されている、請求項1のサーマルプリン
    トヘッド。
  4. 【請求項4】 上記発熱ドットは、1列に形成されてお
    り、上記発熱抵抗体は、所定幅の帯状に形成されるとと
    もに、上記絶縁層は、上記帯状発熱抵抗体の下層におい
    て、その幅よりも狭い間隔を隔てて縁が対向させられて
    いる、請求項1のサーマルプリントヘッド。
  5. 【請求項5】 上記発熱ドットは、2列に形成されてお
    り、上記発熱抵抗体は、上記2列の発熱ドット形成領域
    よりも広幅に印刷形成されている、請求項1のサーマル
    プリントヘッド。
  6. 【請求項6】 基板上に、主走査方向と直交する方向に
    延出する共通電極と個別電極とを上記主走査方向に交互
    に並ぶように形成するステップ、 上記共通電極と上記個別電極を交互に臨ませるようにし
    て、上記主走査方向に延びる2つの縁が所定間隔を隔て
    て対向するように絶縁層を形成するステップ、 上記絶縁層の上記2つの縁で挟まれる領域に重ねるよう
    にして、厚膜印刷法によって発熱抵抗体を形成するステ
    ップ、 を順次的に行うことを含む、サーマルプリントヘッドの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 上記絶縁層の2つの対向縁の形成は、上
    記共通電極および個別電極に重ねて連続形成された絶縁
    層の所定幅領域を除去することによって形成する、請求
    項6の方法。
  8. 【請求項8】 上記絶縁層の所定幅領域の除去は、ブラ
    スト法によって行う、請求項7の方法。
JP9673894A 1994-05-10 1994-05-10 サーマルプリントヘッド Expired - Fee Related JP3470824B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9673894A JP3470824B2 (ja) 1994-05-10 1994-05-10 サーマルプリントヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9673894A JP3470824B2 (ja) 1994-05-10 1994-05-10 サーマルプリントヘッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07304198A true JPH07304198A (ja) 1995-11-21
JP3470824B2 JP3470824B2 (ja) 2003-11-25

Family

ID=14173052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9673894A Expired - Fee Related JP3470824B2 (ja) 1994-05-10 1994-05-10 サーマルプリントヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3470824B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999058341A1 (fr) * 1998-05-08 1999-11-18 Rohm Co., Ltd. Tete d'imprimante thermique a couche epaisse
JP2018192694A (ja) * 2017-05-17 2018-12-06 ローム株式会社 サーマルプリントヘッドおよびサーマルプリントヘッドの製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999058341A1 (fr) * 1998-05-08 1999-11-18 Rohm Co., Ltd. Tete d'imprimante thermique a couche epaisse
US6424367B1 (en) 1998-05-08 2002-07-23 Rohm Co., Ltd. Thick-film thermal printhead
JP2018192694A (ja) * 2017-05-17 2018-12-06 ローム株式会社 サーマルプリントヘッドおよびサーマルプリントヘッドの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3470824B2 (ja) 2003-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6923358B2 (ja) サーマルプリントヘッドおよびサーマルプリントヘッドの製造方法
JP3470824B2 (ja) サーマルプリントヘッド
JPH08310024A (ja) 薄膜型サーマルプリントヘッドおよびその製造方法
JP2001232838A (ja) サーマルプリントヘッドおよびその製造方法
US6753893B1 (en) Thermal head and method for manufacturing the same
JP2815787B2 (ja) サーマルヘッド
US5701659A (en) Method of making a thin film thermal printhead
JP2022052544A (ja) サーマルプリントヘッドの製造方法
JP3472755B2 (ja) サーマルヘッドおよびその製造方法
JP7063905B2 (ja) サーマルプリントヘッドおよびサーマルプリントヘッドの製造方法
JPH0419155A (ja) 厚膜型サーマルヘッド
JP2863283B2 (ja) サーマルヘッド及びその製造方法
JP3261145B2 (ja) サーマルヘッドの製造方法
JP2575554B2 (ja) 端面型サーマルヘッド
JP2746358B2 (ja) サーマルヘッド
JP2554556B2 (ja) サ−マルプリントヘッド
JPH04249164A (ja) サーマルヘッドの製造方法
JP3348927B2 (ja) 厚膜型サーマルプリントヘッドの製造方法
JP2022029229A (ja) 金属層の製造方法、サーマルプリントヘッドの製造方法およびサーマルプリントヘッド
JPH0872279A (ja) 厚膜型サーマルヘッドの製造方法
JPH081976A (ja) サーマルヘッド
JPH07242011A (ja) サーマルプリントヘッド
JPH05301364A (ja) 端面型サーマルヘッドの製造法
JPS63267566A (ja) サ−マルヘツド
JPH0611549B2 (ja) サ−マルヘツド

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090912

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100912

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110912

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees