JPH07304028A - スライシングマシン - Google Patents

スライシングマシン

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JPH07304028A
JPH07304028A JP10015094A JP10015094A JPH07304028A JP H07304028 A JPH07304028 A JP H07304028A JP 10015094 A JP10015094 A JP 10015094A JP 10015094 A JP10015094 A JP 10015094A JP H07304028 A JPH07304028 A JP H07304028A
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JP
Japan
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inner peripheral
blade
cutting
gas
coolant
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Withdrawn
Application number
JP10015094A
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English (en)
Inventor
Osamu Yoshida
治 吉田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Publication of JPH07304028A publication Critical patent/JPH07304028A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B28WORKING CEMENT, CLAY, OR STONE
    • B28DWORKING STONE OR STONE-LIKE MATERIALS
    • B28D5/00Fine working of gems, jewels, crystals, e.g. of semiconductor material; apparatus or devices therefor
    • B28D5/0058Accessories specially adapted for use with machines for fine working of gems, jewels, crystals, e.g. of semiconductor material
    • B28D5/0076Accessories specially adapted for use with machines for fine working of gems, jewels, crystals, e.g. of semiconductor material for removing dust, e.g. by spraying liquids; for lubricating, cooling or cleaning tool or work

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内周刃砥石による切断面の平坦精度を向上さ
せ歩留まりのよいスライシングを可能とする。 【構成】 偏平なリング状コア1の内周縁に切削部2が
設けられた内周刃ブレード4を有し、この内周刃ブレー
ド4の回転により、結晶インゴットWを薄片状に切断す
るスライシングマシンであって、結晶インゴットWの切
削部位BにクーラントC1 を供給する第1クーラントノ
ズル11と、切削後にブレード面U、Dに沿って流れる
クーラントC1 、C2 を除去するドライエアーGを噴射
するガス噴射手段20とが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコンインゴット等
の半導体の原材料を薄片状に切断するために使用される
スライシングマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】例えばシリコンインゴット等の結晶イン
ゴッドをスライシングし、薄肉のウェハとするために
は、内周刃砥石、外周刃砥石、ワイヤーソーあるいはバ
ンドソー等を使用しているが、最近では、刃先の変位が
少なく、精密なスライシングが可能となる内周刃砥石を
使用したスライシングマシンが多用されている。
【0003】この内周刃砥石は、内周刃ブレードとも指
称され、高価な結晶インゴッドからカーフロスが少な
く、歩留まりよくスライシングするために、図5に示す
ように、肉厚A1 が約0.15mmという極めて薄肉の
鉄板、例えばSUS材等からなるリング状コア1を使用
し、このリング状コア1の内周縁に砥粒を固着して切削
部2を形成したものである。なお、結晶インゴッドWを
スライシングして形成したウェハの肉厚は、通常、0.
7〜1.0mm程度である。
【0004】このコア1は、図6に示すように、前記切
削部2が形成される内周コア部1aと、この内周コア部
1aの外周に設けられた外周コア部1bとから構成され
ており、内周コア部1aの周面には粒度50〜70μm
という極めて微細なダイアモンドをNi等により電着メ
ッキすることにより砥粒層3が形成され、この砥粒層3
が結晶インゴッドWをスライシングする切削部2とな
る。
【0005】この内周刃ブレード4は、図6に示すよう
に、テンションヘッド5に取り付けられた状態でスライ
シング作業を行うようになっているが、このテンション
ヘッド5に取り付ける場合には、外周コア部1bに開設
された取付孔6、6…(図5参照)に固定ボルト7を挿
通するとともにこの固定ボルト7近傍のコア1をプレス
ボルト8を用いて加圧しつつ、張り上げる。尚、この張
り上げは、コア1に反り、うねり等が生じないように、
またコア1の内周コア部1aが精度のよい真円になるよ
うに顕微鏡等を使用して1本1本のプレスボルト8を締
め上げることにより行なわれるが、熟練を要する作業と
なっている。
【0006】また、スライシングマシンには、内周刃ブ
レード4の図中上下方向の両端面に冷却ないし潤滑のた
めのクーラントを供給する第1クーラントノズル11
が、内周刃ブレード4により結晶インゴットWが切削さ
れる部位(以下、切削部位という)に近接して設けられ
ている。さらに、切削により発生した切粉を排出するた
めに、前記切削部位よりも内周刃ブレード4の回転方向
下流側の位置に、第2クーラントノズル12が設けられ
ている。
【0007】そして、結晶インゴットWを切断する際に
は、内周刃ブレード4は、テンションヘッド5が図示し
ない駆動手段により回転駆動されることにより高速で回
転駆動され、一方、結晶インゴットWは、内周刃ブレー
ド4の開口部9に挿入され、図6中矢印で示されるコア
1に対して平行な方向に向けて移動される。これら内周
刃ブレード4の回転と、結晶インゴットWの平行移動と
により、結晶インゴットWは、切削部2により薄片状に
順次切断される。結晶インゴットWの切断中には、第1
および第2クラントノズル11、12より、内周刃ブレ
ード4の両端面にクーラントが供給されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】内周刃ブレード4を用
いて結晶インゴッドWをスライシングしているときに、
図7に示すように、ブレード4の切断位置が変位して、
切断面が湾曲することがあった。かかる切断面の湾曲
は、切断されたウェハに厚さのむら、反り、うねりを発
生させ、品質の低下や材料のロスを招く結果となる。
【0009】上記ブレード4の切断位置が変位する原因
としては、切削部2の形状不均一、目詰まり、切削液の
表面張力、切断抵抗の変化等の要因があるが、従来よ
り、切断に伴って発生する反り等の防止を図るために、
スライシングマシンには種々の対策が施されてきた。例
えば、切削部2の形状不均一、目詰まりに対しては、定
期的にあるいは切断面の湾曲を検知したときに、切削部
2のドレッシングを行い切れ味を安定させるようにして
いた。
【0010】本発明者は、内周刃ブレード4の切断位置
が変位する原因を更に追及したところ、以下のことを見
出だした。つまり、図7に示すように、内周刃ブレード
4の高速回転に伴う遠心力により、ブレード4の図中上
下面に沿って流れるクーラントが、結晶インゴットWと
ブレード4上面との間、あるいは、ブレード4下面と切
り取られるウェーハとの間に多量に入り込み、空気が流
通する隙間が極めて小さくなる。そして、ブレード4に
おける一方の端面側U(図中上面側)と他方の端面側D
(図中下面側)との間で、最大50mmAq程度の差圧
が生じ、この上下面U、D間の差圧による吸着作用によ
り、内周刃ブレード4のコア1及び切削部2に図中上下
方向±10μm程度の振れが生じ、この結果、切断面の
平坦精度に悪影響を及ぼすことを見出だした。
【0011】本発明は、切削部位に入り込む必要以上の
クーラントが切断面の平坦精度を左右する要因の1つと
なる点を見出だしてなされたものであり、内周刃砥石に
よる切断面の平坦精度を向上させ歩留まりのよいスライ
シングを可能としたスライシングマシンを提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、偏平なリング状コアの内周縁に切削部が設
けられた内周刃砥石を有し、この内周刃砥石の回転によ
り、結晶インゴットを薄片状に切断するスライシングマ
シンにおいて、前記内周刃砥石により前記結晶インゴッ
トを切削する部位にクーラントを供給するクーラントノ
ズルと、切削後に内周刃砥石のブレード面に沿って流れ
るクーラントを除去するガスを噴射するガス噴射手段
と、を有するスライシングマシンである。
【0013】また、前記ガス噴射手段には、内周刃砥石
の表裏のブレード面のそれぞれに独立してガスを噴射す
る第1と第2のガスノズルと、各ガスノズルから噴射さ
れるガス流量を調整する第1と第2の流量調整手段とが
設けられ、さらに、前記内周刃砥石の振れを検出する振
れ検出手段と、この振れ検出手段により検出した前記内
周刃砥石の振れに基づいて、前記流量調整手段を作動さ
せる制御手段と、を有してなるスライシングマシンであ
る。
【0014】前記ガス噴射手段は、前記ブレード面に衝
突した噴流が内周刃砥石の半径方向外方に向けて流れる
ように、前記ブレード面に対して傾斜してガスを噴射す
るように構成するのが好ましい。
【0015】また、前記ガス噴射手段は、内周刃砥石の
切断領域にガスを噴射するように構成するのが好まし
い。
【0016】
【作用】結晶インゴットは、その切削部位にクーラント
ノズルからクーラントが供給されつつ、内周刃砥石の回
転により薄片状に切断される。切削部位に供給されたク
ーラントは、切削後においても内周刃砥石のブレード面
に沿って流れるが、このブレード面に残留するクーラン
トは、ガス噴射手段から噴射されたガスにより吹き飛ば
され除去される。したがって、結晶インゴットの切削部
位には、クーラントノズルから供給されたクーラントの
みが入り込むことになる。このため、切削部位にクーラ
ントが多量に入り込むことがなく、切削部位における空
気が流通する隙間が小さくならない。空気が流通する隙
間を確保できるのに伴い、内周刃砥石のブレード表裏面
の間で生じる差圧が小さくなり、吸着現象が軽減され、
内周刃砥石のコア及び切削部が振れることがなくなる。
この結果、内周刃砥石における切削部の切断位置が変位
ないし変動せず、結晶インゴッドは切断面が平坦な薄片
状に切断され、カーフロスも少なく、歩留まりが良くな
る。また、切削部の切断位置が安定するため、切削部は
寿命の長いものとなる。
【0017】また、振れ検出手段により検出した前記内
周刃砥石の振れに基づいて、内周刃砥石のブレード表裏
面のそれぞれに噴射するガス流量を調整すれば、余剰の
クーラントが除去されつつ、さらに内周刃砥石の振れが
抑制されることとなり、内周刃砥石における切削部の切
断位置がより一層安定して、切断面の平坦精度が一層高
まる。
【0018】また、ブレード面に対して傾斜してガスを
噴射すれば、内周刃砥石の振れを招くことなく、余剰ク
ーラントの除去を行うことができる。
【0019】また、内周刃砥石の切断領域にガスを噴射
すれば、余剰クーラントの除去が確実となり、内周刃砥
石における切削部の切断位置が一層安定化する。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0021】図1は、本発明の一実施例に係るスライシ
ングマシンの要部を示す斜視図、図2は、同実施例の制
御系を示す構成図、図3は、図1および図2に示される
エアーノズルを示す構成図であり、図5〜図7に示した
部材と同一部材には同一符号を付し、その説明は一部省
略する。
【0022】図1に示すように、本実施例のスライシン
グマシンは、従来のスライシングマシンと同様に、偏平
なリング状コア1の内周縁に切削部2が設けられた内周
刃ブレード4を有している。この内周刃ブレード4は、
テンションヘッド5(図6参照)に取り付けられて、図
1中矢印Rで示す方向に約1500rpmの速度で回転
駆動される。一方、結晶インゴットWは、内周刃ブレー
ド4の開口部9に挿入され、図1中矢印Sで示されるコ
ア1に対して平行な方向に向けて移動される。これら内
周刃ブレード4の回転と、結晶インゴットWの平行移動
とにより、結晶インゴットWは、切削部2により薄片状
に順次切断される。
【0023】また、スライシングマシンには、切削部位
Bよりも内周刃ブレード4の回転方向R上流側の位置
に、内周刃ブレード4の図中上下方向の両端面U、Dに
冷却ないし潤滑のためのクーラントC1 を供給する第1
クーラントノズル11が設けられている。さらに、切削
部位Bよりも内周刃ブレード4の回転方向R下流側の位
置には、切削により発生した切粉を排出するためのクー
ラントC2 を供給する第2クーラントノズル12が設け
られている。
【0024】クーラントC1 、C2 としては、15℃〜
20℃程度の超純水、あるいは、この超純水に界面活性
剤を2〜5%程度添加したものなどが使用される。クー
ラントC1 の流量は、例えば、100〜150cc/m
inであり、クーラントC2の流量は、200〜300
cc/minである。
【0025】特に、本実施例のスライシングマシンにあ
っては、内周刃ブレード4の回転方向Rに沿って、第2
クーラントノズル12よりも下流側、かつ、第1クーラ
ントノズル11よりも上流側の位置に、内周刃ブレード
4の上下面U、Dに沿って流れる余剰クーラントC1 、
C2 を除去するガスを噴射するガス噴射手段20が設け
られている。噴射するガスとしては本実施例ではドライ
エアーGを用いているが、噴射するガスは、ドライエア
ーGに限定されるものではなく、例えば窒素ガスなどで
も良い。
【0026】ガス噴射手段20は、内周刃ブレード4の
上方に設けられた第1エアーノズル部21と、内周刃ブ
レード4の下方に設けられた第2エアーノズル部22
と、バッファタンクなどの供給源から各ノズル部に圧縮
ドライエアーGを導く第1と第2の供給配管23、24
とを有している。図3にも示すように、第1と第2のエ
アーノズル部21、22は、ブレード4の半径方向に沿
って配置され、ブレード面U、Dに対向するように複数
の噴射口が形成されている。ドライエアーGの噴射方向
は、ブレード面U、Dに衝突した噴流がブレード4の半
径方向外方に向けて流れるように、ブレード面U、Dに
対して傾斜している。噴射圧力は、0.5〜2.0kg
/cmGである。
【0027】図1に示すように、結晶インゴットWの切
断中には、内周刃ブレード4全面のうち最内周に位置す
る切削部2から2点鎖線で示される円までの切断領域E
がインゴットWの切削部位Bが入り込むことになるが、
この内周刃ブレード4の切断領域EにエアーGを噴射す
るのが良い。
【0028】図2に示すように、第1エアーノズル部2
1に接続された第1供給配管23には第1流量調整弁2
5が設けられ、第2エアーノズル部22に接続された第
2供給配管24には第2流量調整弁26が設けられてい
る。これら流量調整弁25、26の開度調整は、コンピ
ュータなどからなる制御部27からの信号に基づいてな
されている。
【0029】また、スライシングマシンには、内周刃ブ
レード4の振れを検出するためのブレードセンサ28が
設けられている。このブレードセンサ28は、非接触式
の変位計であり、例えば、渦電流式変位検出センサより
構成されている。ブレードセンサ28は、例えば、切削
部位Bへの入口側位置にのみ、あるいは、切削部位Bの
出入口側位置の双方に配置されている。ブレードセンサ
28から出力される検出信号は、制御部27に入力され
ている。
【0030】前記制御部27は、ブレードセンサ28か
らの検出信号に基づいて、第1と第2の流量調整弁2
5、26の開度制御を行なう。例えば、制御部27は、
ブレードセンサ28からの検出信号により内周刃ブレー
ド4が基準位置から下方側に変位したことを検知した場
合には、第2流量調整弁26の開度を大きくし、内周刃
ブレード4の下方位置に配置されている第2エアーノズ
ル部22から噴射されるエアー流量を増加させる。逆
に、内周刃ブレード4が基準位置から上方側に変位した
ことを検知した場合には、第1流量調整弁25の開度を
大きくし、内周刃ブレード4の上方位置に配置されてい
る第1エアーノズル部21から噴射されるエアー流量を
増加させる。このように各ノズル部21、22から噴射
されるエアー流量を増減制御することにより、内周刃ブ
レード4の振れが抑制ないし修正される。
【0031】次に、本実施例の作用を説明する。内周刃
ブレード4をテンションヘッド5に取り付ける場合に
は、反り、うねり等が生じないように、前記図5および
図6に示すように、コア1の外周コア部1bに開設され
た取付孔6、6…に固定ボルト7を挿通するとともにこ
の固定ボルト7近傍のコア1をプレスボルト8を用いて
加圧し、張り上げる。
【0032】このようにしてテンションヘッド5に取り
付けられた内周刃ブレード4を回転し、シリコンインゴ
ッドWをスライシングする場合には、切削部位Bへの入
口側では、第1クーラントノズル11から内周刃ブレー
ド4の上下両端面U、DにクーラントC1 が供給され、
切断中のブレード4の冷却ないし潤滑が行なわれる。ま
た、切削部位Bの出口側では、第2クーラントノズル1
2から内周刃ブレード4の上下両端面U、Dにクーラン
トC2 が供給され、切削により発生した切粉の排出が行
なわれる。各クーラントノズル11、12から供給され
たクーラントC1 、C2 は、ブレード4の高速回転に伴
う遠心力によってブレード4の外方に向けて流れてい
る。
【0033】一方、ガス噴射手段20の第1と第2のエ
アーノズル部21、22からは、所定流量、所定圧力の
ドライエアーGが内周刃ブレード4の上下両端面U、D
に噴射される。各ノズル部21、22から噴射されたド
ライエアーGは、ブレード4の上下両端面に衝突した
後、ブレード4の半径方向外方に向けて流れる。このド
ライエアーGの流れにより、図1および図3に1点鎖線
で示すように、クーラントC1 、C2 は、内周刃ブレー
ド4の切断領域Eから径方向外方に向けて吹き飛ばさ
れ、各エアーノズル部21、22が配置された部位で
は、内周刃ブレード4の切断領域E内に残存するクーラ
ントC1 、C2 の量が低減されることになる。したがっ
て、インゴッドWの切削部位Bには、第1クーラントノ
ズル11からのクーラントC1 のみが入り込むことにな
る。
【0034】このため、図4に示すように、結晶インゴ
ットWとブレード4上面との間、あるいは、ブレード4
下面と切り取られるウェーハとの間に多量に入り込むこ
とがなく、空気が流通する隙間Fは小さくならない。空
気が流通する隙間Fを確保できるのに伴い、ブレード4
の上面U側と下面D側との間で生じる差圧が小さくな
り、吸着現象が軽減され、内周刃ブレード4のコア1及
び切削部2が図中上下方向に振れることがなくなる。こ
の結果、内周刃ブレード4における切削部2の切断位置
が変位ないし変動せず、シリコンインゴッドWから切断
面が平坦な薄肉のウェハを円滑にスライシングすること
ができ、切断面の平坦精度が著しく向上し、加工歪みも
低減する。また、カーフロスも少なく、歩留まりが良く
なる。
【0035】更に、内周刃ブレード4は反り、うねり等
が少なくその切削部2の位置が安定することから、切削
部2ひいては内周刃ブレード4の寿命が長くなる。
【0036】各エアーノズル部21、22からは、ブレ
ード面U、Dに対して傾斜してドライエアーGが噴射さ
れているため、内周刃ブレード4の振れを招くことな
く、余剰クーラントC1 、C2 の除去を行うことができ
る。また、内周刃ブレード4の切断領域Fに対応してド
ライエアーGが噴射されているため、余剰クーラントC
1 、C2 の除去が確実となり、切削部2の切断位置が一
層安定化する。
【0037】本実施例のスライシングマシンでは、さら
に、制御部は27、ブレードセンサ28からの検出信号
に基づいて、内周刃ブレード4が基準位置から下方側あ
るいは上方側に変位したか否かを判別する。そして、制
御部27は、ブレード4の変位方向およびその変位量に
応じて、第1と第2の流量調整弁25、26の開度制御
を行ない、各ノズル部21、22から噴射されるエアー
流量を増減制御している。例えば、内周刃ブレード4が
基準位置から下方側に変位した場合には、制御部27
は、第2流量調整弁26の開度を大きくし、内周刃ブレ
ード4の下方位置に配置されている第2エアーノズル部
22から噴射されるエアー流量を増加させる。そして、
第2エアーノズル部22から噴射されたドライエアーG
の動圧によって、ブレード4は、押し上げられ、基準位
置に復帰する。
【0038】このように、余剰のクーラントC1 、C2
をブレード4の切断領域Eから除去するために噴射され
るドライエアーGによって、内周刃ブレード4の振れを
より一層抑制ないし修正することができ、切削部2の切
断位置がより安定化し、切断面の平坦精度が一層向上
し、加工歪みも低減する。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、切削後に内周刃砥
石のブレード面に沿って流れるクーラントを除去するガ
スを噴射するガス噴射手段を有する本発明のスライシン
グマシンによれば、ブレード面に残留する余剰クーラン
トが除去されるので、内周刃砥石の表裏ブレード面の間
に差圧が生じることがなく、内周刃砥石のコア及び切削
部が振れることがない。このため、結晶インゴッドの切
断面の平坦精度が著しく向上し、加工歪みの低減を図る
ことができる。また、カーフロスも少なく歩留まりが向
上し、さらには内周刃砥石の切削部の位置が安定するこ
とから、切削部ひいては内周刃砥石は寿命の長いものと
なる。
【0040】また、振れ検出手段により検出した内周刃
砥石の振れに基づいて、内周刃砥石の表裏ブレード面の
それぞれに噴射するガス流量を調整するようにした本発
明のスライシングマシンによれば、余剰のクーラントが
除去されつつ、さらに内周刃砥石の振れが抑制ないし修
正されることとなり、内周刃砥石における切削部の切断
位置をより一層安定化させることができ、切断面の平坦
精度や歩留まりなどが一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るスライシングマシン
の要部を示す斜視図である。
【図2】 同実施例の制御系を示す構成図である。
【図3】 図1および図2に示されるエアーノズルを示
す構成図である。
【図4】 本発明のスライシングマシンによってインゴ
ットを切断している状態を示す要部断面図である。
【図5】 一般的なスライシングマシンで使用される内
周刃砥石を示す斜視図である。
【図6】 内周刃砥石をテンションヘッドに取付けた状
態を示す断面図である。
【図7】 従来のスライシングマシンにおける不具合例
を示す要部断面図
【符号の説明】 1…リング状コア 2…切削部 4…内周刃ブレード(内周刃砥石) 11…第1クーラントノズル(クーラントノズル) 12…第2クーラントノズル 20…ガス噴射手段 21…第1エアーノズル部(第1のガスノズル部) 22…第2エアーノズル部(第2のガスノズル部) 25…第1流量調整弁(第1の流量調整手段) 26…第2流量調整弁(第2の流量調整手段) 27…制御部(制御手段) 28…ブレードセンサ(振れ検出手段) B…切削部位 C1 、C2 …クーラント E…切断領域 G…ドライエアー(ガス) U…上面(ブレード面) D…下面(ブレード面) W…シリコンインゴット(結晶インゴット)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏平なリング状コア(1) の内周縁に切削
    部(2) が設けられた内周刃砥石(4) を有し、この内周刃
    砥石(4) の回転により、結晶インゴット(W)を薄片状に
    切断するスライシングマシンにおいて、 前記内周刃砥石(4) により前記結晶インゴット(W) を切
    削する部位(B) にクーラント(C1)を供給するクーラント
    ノズル(11)と、 切削後に内周刃砥石(4) のブレード面(U,D) に沿って流
    れるクーラント(C1)を除去するガス(G) を噴射するガス
    噴射手段(20)と、を有することを特徴とするスライシン
    グマシン。
  2. 【請求項2】 前記ガス噴射手段(20)には、内周刃砥石
    (4) の表裏のブレード面(U,D) のそれぞれに独立してガ
    スを噴射する第1と第2のガスノズル部(21,22) と、各
    ガスノズル部(21,22) から噴射されるガス流量を調整す
    る第1と第2の流量調整手段(25,26) とが設けられ、 さらに、前記内周刃砥石(4) の振れを検出する振れ検出
    手段(28)と、 この振れ検出手段(28)により検出した前記内周刃砥石
    (4) の振れに基づいて、前記流量調整手段(25,26) を作
    動させる制御手段(27)と、を有してなる請求項1記載の
    スライシングマシン。
  3. 【請求項3】 前記ガス噴射手段(20)は、前記ブレード
    面(U,D) に衝突した噴流が内周刃砥石(4) の半径方向外
    方に向けて流れるように、前記ブレード面(U,D) に対し
    て傾斜してガス(G) を噴射してなる請求項1または請求
    項2に記載のスライシングマシン。
  4. 【請求項4】 前記ガス噴射手段(20)は、内周刃砥石
    (4) の切断領域(E) にガス(G) を噴射してなる請求項1
    〜3のいずれかに記載のスライシングマシン。
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