JPH0730390Y2 - コンパス用シヤープペンシル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、コンパスに用いるシャ
−プペンシルに関する。

【０００２】

【従来の技術】製図やデザイン等に使用するため、コン
パスの脚に組み込むようにしたシャ−プペンシルが種々
知られている。この種シャ−プペンシルとしては、回転
繰出式やノック繰出式等があり、芯繰出操作の容易性か
らノック繰出式のコンパス用シャ−プペンシルが広く用
いられている。

【０００３】ノック繰出式のコンパス用シャ−プペンシ
ルは、コンパスの脚に連結される内筒に芯を挿入し、該
内筒の先部にチャックと締環を設け、該内筒の外周に外
筒を摺動自在に設け、該外筒を軸方向へ移動させてチャ
ックを解放し、芯を繰り出すように構成されている。

【０００４】

【考案の解決課題】従来のノック繰出式のコンパス用シ
ャ−プペンシルは上記のように構成されているので、コ
ンパスを使用する際、芯を強く紙面に押圧すると、内筒
が移動し、チャックがゆるんで芯が外筒内に没入してし
まうことがあった。

【０００５】そこて、本考案の目的は、上記のようなノ
ック繰出式のコンパス用シャ−プペンシルにおいて、芯
を強く紙面に押圧しても芯が没入しないようにしたコン
パス用シャ−プペンシルを提供することである。

【０００６】また、上記のようなコンパス用シャ−プペ
ンシルでは、芯の太さは直径０.3mm〜０.5mmというよう
に細く、弱いものであるので、上記操作中に簡単に芯折
れしないようなコンパス用シャ−プペンシルを提供する
ことを目的とする。

【０００７】

【課題解決の手段】本考案によれば、ノック繰出式のコ
ンパス用シャ−プペンシルにおいて、芯を保持している
内筒と外筒を、芯繰出しの際は移動可能にし、コンパス
使用の際は移動できないよう係止するピンを設けたこと
を特徴とするコンパス用シャ−プペンシルが提供され、
上記目的が達成される。

【０００８】また、上記ピンにより内筒と外筒を係止す
る際、芯を保持しているチャック及び締環により芯を喰
い切ることがないよう、上記内筒を後退可能に設けたこ
とを特徴とするコンパス用シャ−プペンシルが提供さ
れ、上記目的が達成される。

【０００９】

【実施例】以下実施例と共に説明する。図１に示すよう
に、コンパス用シャ−プペンシルは、コンパス（１）の
脚（２）に着脱可能に取付けられる連結部（３）を後端
に有する内筒（４）と、該内筒（４）の外周に摺動可能
に嵌挿した外筒（５）を有している（図２）。

【００１０】上記内筒（４）は、図において、上方から
芯（６）を挿入できるようにした芯収納部（７）を有
し、先端にチャック（８）と締環（９）を具備し、外筒
（５）に設けた段部(10)と芯収納部（７）の間にばね(1
1)を設けてある。

【００１１】上記外筒（５）の先部には、弾性保持片(1
2)を有する先端キャップ（13) を取付けてあり、公知の
ように、該先端キャップ(13)内に形成した段部に上記締
環（９）が当るとチャック（８）が解放され、芯（６）
を繰り出しできるようになっている。

【００１２】また、上記締環（９）の後面は、受板(14)
で支持されており、該受板(14)と上記段部(10)の間に
は、上記ばね(11)よりもばね力の強い後退用ばね(15)が
設けられている。該受板(14)の前方には、上記外筒
（５）に圧入等により固着した止着部材(16)が設けられ
ており、該受板(14)は、上記後退用ばね(15)に抗して移
動可能に設けられている。

【００１３】上記内筒（４）と外筒（５）の間には、コ
ンパスを使用する際に内筒（４）が下方に、若しくは外
筒（５）が上方に移動しないように係止する手段が設け
られている。

【００１４】すなわち、上記内筒（４）にピン(17)を突
設してあり、該ピン(17)が出入可能に挿入する長溝(18)
を外筒（５）に形成してある。該長溝(18)は、外筒
（５）の軸方向に１ヶ所設けてあるが、複数個所に設け
ることもでき、その長さは、上記外筒（５）を移動させ
チャック（８）と締環（９）の係合を外して芯（６）を
繰出操作するに充分な長さとする。

【００１５】上記長溝(18)は、上記外筒（５）の後端に
開口しており、その開口縁（19) は、好ましくは図２に
示すように、一方を傾斜面とし、他方は上記ピンが当接
するよう直線面としたり、図５に示すように両方を傾斜
面とすることができる。

【００１６】而して、図２に示すように、ピン(17)が上
記長溝(18)に対向している位置では、上記外筒（５）は
軸方向へ摺動させることができ、芯（６）を繰り出すこ
とができる。

【００１７】上記外筒（５）若しくは内筒（４）を回転
させ上記ピン(17)を上記長溝に対向する位置から外筒
（５）の後端縁(20)に係合させると、図３に示すよう
に、外筒（５）を上方向へ移動させさたり、内筒（４）
を下方向へ移動させたりできないから、芯（６）が没入
することはなく、コンパスとして通常のように使用する
ことができる。

【００１８】この際、上記開口縁(19)に傾斜面を設けて
おけば、上記ピン(17)を該傾斜面の任意の部分に係合さ
せただけでも移動を拘束することができ、便利である。

【００１９】また、上記のように内筒（４）を後退用ば
ね(15)に抗して後退可能にしておけば、芯（６）を保持
した状態は変わらないでチャック等が後退するので、細
い芯でも喰い切るおそれもない。なお、このような目的
のため、上記受板(14)は、上記ピン(17)が外筒（５）の
後端縁(20)に係合した状態でもさらに後退する余有があ
るように移動範囲を定めてある。

【００２０】図４は、上記止着部材部分の他の実施例を
示し、上記図２に示す実施例では止着部材(16)を独立し
て設けてあるのに対し、この実施例では、上記先端キャ
ップ(13)に連結筒(21)を形成し、該連結筒(21)を外筒
（５）にねじ着することにより受板(14)の止着部材とし
たものである。なお、上記図２及び図４に示す実施例
は、先端キャップ(13)を外筒（５）にねじ着している
が、嵌め込み式に構成することもできる。

【００２１】上記実施例においては、内筒（４）のばね
(11)と後退用ばね(15)の２本のばねを用いているが、１
本のばねを用いることもできる。

【００２２】図５に示すように、受板(14)と外筒（５）
の段部(22)の間にばね(23)を設けておくと、ピン(17)が
長溝(18)に対向する位置で外筒（５）を該ばね(23)に抗
して軸方向に移動させることにより芯（６）を繰り出す
ことができる。

【００２３】そして、図５鎖線に示すように、ピン(17)
が上記長溝(18)から外れて傾斜した開口縁(19)や外筒
（５）の後端縁(20)に係合した位置では、外筒（５）を
移動させることはできないので、芯（６）が没入するお
それはなく、コンパスとして普通に使用することができ
る。

【００２４】この場合でも、上記チャック等は芯（６）
を保持した状態で、ばね(23)に抗して後退できるので、
芯を喰い切るおそれはない。

【００２５】

【考案の効果】本考案は以上のように構成され、コンパ
ス使用中に芯が没入しないようにでき、また操作中にチ
ャックが芯を喰い切るようなこともない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す正面図。

【図２】芯繰出し状態を示す一部切欠拡大正面図。

【図３】使用状態を示す一部切欠拡大正面図。

【図４】他の実施例を示す一部拡大断面図。

【図５】さらに他の実施例を示す一部切欠拡大正面図。

【符号の説明】

１ コンパス ２ 脚 ３ 連結部 ４ 内筒 ５ 外筒 ８ チャック ９ 締環 14 受板 17 ピン 18 長溝

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンパスの脚に取付けられる連結部を後
   端に有し先部に芯を保持するチャック及び締環を有する
   内筒と、該内筒の外周に摺動可能に設けた外筒を有し、
   上記外筒を介して締環を移動しチャックを解放して芯を
   繰出すようにしたコンパス用シャ−プペンシルにおい
   て、上記内筒にピンを設け、上記外筒の後端に上記ピン
   が出入可能に挿入する長溝を設けたことを特徴とするコ
   ンパス用シャ−プペンシル。
2. 【請求項２】 上記外筒の後端に開口する長溝の開口縁
   は、傾斜面に形成されている請求項１に記載のコンパス
   用シャ−プペンシル。
3. 【請求項３】 上記内筒は、芯を保持している状態で後
   退可能に設けられている請求項１に記載のコンパス用シ
   ャ−プペンシル。
4. 【請求項４】 上記締環の後面は、移動可能な受板に支
   持されている請求項３に記載のコンパス用シャ−プペン
   シル。