JPS6337267Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は芯ガイドを嵌合固定した先具を外筒
の筒内でスライド可能とし、不使用時には先具お
よび芯ガイド全体をシヤープペンシル内部に収納
可能としたシヤープペンシルに関する。

従来のシヤープペンシルにおいては、先具の先
端パイプは鋭角をなしているため、芯が減るに従
つて筆記時先端パイプで紙面を破損したり、また
ポケツト等に入れておいて洋服に穴をあける等の
欠点があつた。

この考案は上記の欠点を解消し、芯ガイド自体
を嵌合固定した先具を外筒内でスライド可能にし
て、さらにこのスライドのストローク量を大きく
して１回の芯送り操作を行つておけば、芯の突出
長さの数倍に相当する長さの芯が消費されるまで
芯送り操作が不要であると共に、不使用時には先
金および芯ガイド全体を内部に収納して、洋服等
の破損を防止するシヤープペンシルを提供するこ
とを目的とする。

以下、この考案の一実施例につき図面を参照し
て説明する。第１図は本考案に係るシヤープペン
シルの縦断面図、第２図は他の実施例によるシヤ
ープペンシルの平面図を示す。

外筒１には、その先端に嵌合固定された円筒状
のスライド基筒２と、このスライド基筒２の後端
に螺着され、後述する第１の弾性体としてのクツ
シヨンスプリング２０の後端を係止する係止筒３
と、内部に軸方向に移動可能に収容された芯パイ
プ４とが内設す。上記芯パイプ４の後端部には着
脱可能に円筒状のキヤツプ５が嵌装され、このキ
ヤツプ５は嵌合孔６と後端開口部７の大径嵌合孔
８とから成り、外周面には軸方向にスリツト９が
また先端部に中心孔１０が穿設されている。そし
て、後端開口部７から挿入された折損芯除去ピン
１１が固定されたホルダー１２が、このキヤツプ
５の先端底部に強固に嵌装され、その後端には該
嵌合孔６より大径の消しゴム１３が挿着されて、
後端の大径嵌合孔８で強固に支持されている。

そして、上記芯パイプ４の後端には、外筒１の
後端近傍を十分外嵌するまでの長さを有するノツ
ク筒１４が外嵌され、このノツク筒１４の内部の
ノツク片１５に小径段部１６は芯パイプ４の後端
と当接し、ノツクすることにより芯パイプ４を前
進させるようになつている。ここで、ノツク筒１
４に外装された外筒１の後端には、後述するクツ
シヨンスプリング２０の後端を係止する係止筒３
が螺着などによつて組込まれている。この係止筒
３は、その先端で、クツシヨンスプリング２０の
後端を嵌合支持するので、従来のように例えば外
筒１の内壁にクツシヨンスプリング２０係止用の
突起を不要とし、しかもリードチヤツク等の芯送
出機構を外筒１の後端から組み込むことが可能と
なる。

他方、この係止筒３の外周の一部には、ノツク
筒１４の内壁と当接する突出部３ａが突設され、
ノツク筒１４のガタ付きを防止している。

また、第２図示のように、上記第１の実施例と
同様の構造を有する芯送出機構等を収納した外筒
１を外装したノツク筒１４を軸方向に長くして、
この外筒１をほとんどこのノツク筒１４で覆装し
たシヤープペンシルとすることもでき、非常にデ
ザイン的にも優れ、しかも使用し易い。

そして、芯パイプ４の先端に喰挿したリードチ
ヤツク１７の先端部は断面コ字状のチヤツク締付
け管１８の中心孔内を貫通し、このチヤツク締付
け管１８の後端は、外筒１内で軸方向に移動可能
なスリーブ１９の前端と対向している。このスリ
ーブ１９は係止筒３との間に挿着されたクツシヨ
ンスプリング２０によつてその移動範囲の前方に
向けて付勢され、また芯パイプ４はスリーブ１９
との間に挿着された第２の弾性体としてのノツク
スプリング２１によつて付勢されている。

外力が作用していない状態では、スリーブ１９
は移動範囲の前端（図面に示した位置）に保持さ
れ、一方、後退方向に付勢されている芯パイプ４
に固定されたリードチヤツク１７はチヤツク締付
け管１８に対して後退するので、リードチヤツク
１７の先端部はその中心孔内を貫通する芯２２を
締付ける。この状態でノツク筒１４を押すと、芯
パイプ４およびリードチヤツク１７はその先端と
係合しているチヤツク締付け管１８と共に前進す
る。そしてチヤツク締付け管１８がスライド基筒
２の段部２ａと係合する位置に達したのちには、
チヤツク締付け管１８に対してリードチヤツク１
７が前進することにより、芯２２の締付けが解除
される。またノツク筒１４を解放すると、芯パイ
プ４およびリードチヤツク１７は後退し、チヤツ
ク締付け管１８がスリーブ１９と当接し、この位
置でリードチヤツク１７の先端を締付けた時点で
芯パイプ４およびスリーブ１９は停止する。この
操作を繰返すことによつて芯２２が順次に送出さ
れ、１回の芯送り操作で送出される芯２２の長さ
はチヤツク締付け管１８の前端から段部までの距
離にほぼ等しい。

またスライド基筒２は、その先端を内方に折曲
突起２ｂを突設すると共にその内部の軸方向に長
く伸びた空洞部２３には、円筒状の先具２４を軸
方向に大きなストローク量をもつてスライド自在
に嵌装支持している。この先具２４の後方外周面
には上記空洞部２３の内壁に摺接する突起部２５
が突設され、また中心孔２６内には内部に芯が貫
通する円筒状の芯ガイド２７が、後端部には、内
面部で芯２２に当接して所定の摩擦圧を付与し、
外周面で上記空洞部２３内壁に所定の摩擦圧で摺
動する摩擦部材２８がそれぞれ嵌合固定されてい
る。この先具２４は芯２２を保護する機能を果た
すと共に突起部２５と上記スライド基筒２の折曲
突起２ｂとの係合によつて芯ガイド２７の移動範
囲の前端を規制する。

以上記載の構成によれば、前述の芯送り操作に
よつて芯２２を前進させる過程では、芯２２と摩
擦部材２８との間の摩擦抵抗の方が摩擦部材２８
とスライド基筒２との間の摩擦よりも小さいため
に、芯２２は芯ガイド２７に対して前進する。こ
の状態で筆記中、芯２２の先端が摩滅もしくは折
損してその突出長が不足になつた場合には、外筒
１を保持したままの状態で芯２２の先端を紙面等
に押しつける操作を行う。この操作によつて、芯
２２を保持しているリードチヤツク１７およびこ
れと一体的な芯パイプ４に後退方向の押圧力が作
用し、これらの部材はチヤツクリング１７および
スリーブ１９とともにクツシヨンスプリング２０
に抗して後退する。この後退過程において芯２２
の先端が芯ガイド２７の先端位置まで後退したの
ちには芯ガイド２７にも紙面等からの押圧力が作
用することになり、芯ガイド２７は先具２４およ
び摩擦部材２８と共に後退する。次に外筒１を紙
面に向けて押圧力を解除するとクツシヨンスプリ
ング２０の復元力によつて、スリーブ１９がその
移動範囲の前端まで移動し、これによつてチヤツ
ク締付け管１８はリードチヤツク１７および芯２
２と共に前進して元の位置に復帰する。しかし先
具２４および芯ガイド２７は摩擦部材２８とスラ
イド基筒２との間の大きな摩擦抵抗のために前進
せず、従つて芯２２の先端は先具２４および芯ガ
イド２７の後退量に相当する長さだけ芯ガイド２
７の先端から突出することになる。

そして同様の動作は先具２４および芯ガイド２
７がその移動範囲の後端に達するまで繰返すこと
ができるが、スライド基筒２の空洞部２３は軸方
向に長く伸びた構造としたので、先具２４および
芯ガイド２７のストローク量は極めて大きく、ノ
ツク操作を行わないで、極めて多数回の繰返し動
作が可能であると共に不使用時には先具２４およ
び芯ガイド２７全体がスライド基筒２の空洞部２
３内に収納可能である。

そして先具２４および芯ガイド２７がその移動
範囲の後端に達したのちにさらに芯２２を突出さ
せる必要が生じた場合には、ノツク筒１４を押し
て通常の芯送り操作を行う。この操作においてリ
ードチヤツク１７は芯２２の締付けを解除してか
らさらに前進する過程で摩擦部材２８の後端と当
接してこれを移動範囲の前端まで前進させる。こ
のとき芯２２も摩擦部材２８と共に同じ距離だけ
前進し、芯２２は先端が芯ガイド２７の先端位置
とほぼ一致した状態を保つ。

次にノツク筒１４を解放するとリードチヤツク
１７は芯２２および先具２４および芯ガイド２７
をその位置の残したまま後退し、チヤツクリング
１７と係合した位置で停止する。この状態で再び
ノツク筒１４のノツクを行なえば、前述の動作に
よつて芯２２を所定の長さづつ前進させることが
できる。

以上のように、外筒１の後端には係止筒３が組
込まれ、その先端でクツシヨンスプリング２０の
後端を係合支持すると共に、ノツク筒１４に当接
しているので、従来のようにクツシヨンスプリン
グ２０を係止する突起等を外筒１内壁に形成する
ことは全く不要となり、しかも芯送出機構を外筒
１の後端から組み込み後、係止筒３を装着すれ
ば、組立て作業が終了し、効率的な組立作業が行
える。

また、係止筒３の突出部３ａでノツク筒１４に
当接しているので、ノツク筒１４のガタ付き等を
確実に防止できる。

次に、ガタツ付きを防止されたノツク筒１４は
外筒１を十分外装する長さに形成されているの
で、ノツク動作が確実に行え、しかもデザイン的
にも使い易い斬新感を使用者に与える。

さらに、先具２４および芯ガイド２７は外筒１
先端に嵌合されたスライド基筒２の内部で軸方向
に通常より長く伸びた先具スライド用の空洞部２
３内をスライドするので、先具２４、芯ガイド２
７はスライド専用のスライド基筒２によつて極め
て確実かつスムーズにスライドし、その動作が極
めて円滑に行われる。また、このスライド基筒２
の空洞部２３は軸方向に通常より長く、しかもリ
ードチヤツク１７も同様に長く形成されているの
で、先具２４および芯ガイド２７のストローク量
は極めて大きくノツク操作を行わないで極めて多
数回の繰返し動作が可能であると共に、不使用時
には先具２４、芯ガイド２７全体がスライド基筒
２の空洞部２３内に収納可能となる。

以上のように、この考案によれば、外筒内壁に
弾性体係止用の突起を形成する必要がなく、しか
も、ノツク筒のガタ付きを防止できる。また、１
回の芯送り操作を行つておけば、相当する長さの
芯が消費されるまで芯送り操作が不要でかつ不使
用時には先具および芯ガイド全体を外筒の内部に
収容して、洋服等に穴をあける虞れがなく、外観
上先具の見えないシヤープペンシルを提供するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係るシヤープペンシルの
縦断面図、第２図は他の実施例によるシヤープペ
ンシルの平面図を示す。 １……外筒、２……スライド基筒、３……係止
筒、４……芯パイプ、１４……ノツク筒、１７…
…リードチヤツク、１８……チヤツク締付け管、
１９……スリーブ、２０……クツシヨンスプリン
グ（第１の弾性体）、２１……ノツクスプリング
（第２の弾性体）、２２……芯、２３……空洞部、
２４……先具、２７……芯ガイド、２８……摩擦
部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外筒１の先端に嵌合され、内部に軸方向に通常
   より長く伸びた先具スライド用の空洞部２３を有
   するスライド基筒２と、上記外筒１内に軸方向に
   移動可能に収容された芯パイプ４後端に外嵌さ
   れ、上記外筒１を十分外装する長さに形成された
   ノツク筒１４と、上記芯パイプ４の先端に連結さ
   れ、ストローク拡大用に通常より軸方向に長いリ
   ードチヤツク１７と、このリードチヤツク１７を
   締付けるチヤツク締付け管１８と、このチヤツク
   締付け管１８の後端と当接した状態で上記外筒１
   に対して移動可能なスリーブ１９を前進方向に付
   勢する第１の弾性体２０と、上記外筒１の後端に
   組込まれ、先端で上記第１の弾性体２０の後端を
   係合指示すると共に外周に一部に突設された突出
   部３ａを上記ノツク筒１４に当接させ該ノツク筒
   １４のガタ付きを防止する係止筒３と、上記スリ
   ーブ１９に対して上記芯パイプ４を後退方向に付
   勢する第２の弾性体２１と、上記スライド基筒２
   の空洞部２３内に芯ガイド２７全体を収納可能範
   囲内で、該スライド基筒２に対して軸方向に移動
   可能に嵌挿された先具２４と、この先具２４の後
   端に嵌合固定され、内面部では挿通される芯２２
   に対して所定摩擦圧を付与するとともに外周面で
   は上記スライド基筒２の内壁面に対して上記内面
   部で芯２２に対して付与する摩擦圧よりも大きな
   摩擦圧で摺接する摩擦部材２８とからなるシヤー
   プペンシル。