JPS5842154Y2 - シヤ−プペンシルのガイドパイプスライダ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はシャープペンシルのスライド基筒内をスライ
ドするガイドパイプスライダの改良に関する。

従来のガイドパイプスライド型のシャープペンシルは、
例えば第１図示のように外筒１０１の先端に嵌合された
先具１０２の内部にガイドパイプスライダ１０３を摺動
自在に収容され、しかもこのガイドパイプスライダ１０
３は芯１０４に付与する摩擦圧と、先具内壁１０５に付
与する摩擦圧差を利用して微妙な動作を行うために、極
めて高い精度が要求され、特に先具１０２の突出穴１０
６と芯ガイド１０７との間は隙間がほとんど生じないよ
うに形成されている。

そこで、ガイドパイプスライダ１０３をノック動作によ
ってリードチャック１０８で押圧前進する過程で、先具
１０２内部のａ空間に存在する空気が圧縮された状態と
なり、この圧縮空気によってガイドパイプスライダ１０
３が押し戻され、ガイドパイプスライダ１０３の摺動範
囲が極めて狭められ、しかも摺動動作の精度を低下させ
ていた。

この考案は上記欠点を解消し、極めて高い精度の摺動を
可能とし、しかも、組立てが容易なガイドパイプスライ
ダを提供することを目的とする。

以下この考案の一実施例について第２図から第３図を参
照して説明する。

第２図の縦断面図示のように、外筒１にはその先端に嵌
合固定されたスライド基筒（又は先具）２と、内部に軸
方向に摺動可能に収納された芯パイプ３とが配置されて
いる。

上記スライド基筒２は、先具であってもよく、また後述
するパイプガイドスライダ４がより高い精度の摺動動作
を可能とするために、基筒パイプを中空部５の内壁に設
けてもよい。

そしてこのスライド基筒（又は先具）２の中空部５には
ガイドパイプスライダ４が軸方向に摺動可能に嵌挿され
ている。

上記ガイドパイプスライダ４はその中心孔６に第２図示
のように内部を芯７が貫通するスライド筒８に嵌合され
た芯ガイド９が、後端部には内面部で芯７に当接して所
定の摩擦圧を付与し、外周面で上記スライド基筒２の内
壁に所定の摩擦圧で摺接する摩擦部材１０がそれぞれ嵌
合固定されている。

そして上記摩擦部材１０には、第２図のＡ−Ａ線縦断面
図（第３図）示のように空気抜孔１１が軸方向に穿設さ
れている。

この空気抜孔１１は、摩擦部材１０の所定の摩擦圧を維
持できるものであれば第３図の実施例に限定されず、如
何なる形状であってもよい。

ここで摩擦部材１０の外周縁はスライド基筒２に所定の
摩擦圧を付与できればその形状を問わないか゛、特に第
２図示のように、前方方向に向けて順大小径となって、
ガイドパイプスライダ４は前進方向への摺動は比較的円
滑に行なわれるが、後退方向の摺動は大きな摩擦力が付
与されるように形成されることが望ましい。

さらにこの摩擦部材１０は上記内周面で芯７に付与する
摩擦圧よりも上記外周面で上記スライド基筒２内壁に付
与する摩擦圧の方が大きくなるように形成されている。

また上記芯パイプ３の後端には消しゴム１２が取付けら
れたキャップ筒１３が着脱可能に嵌合され、一方、先端
部には芯送り出し機構１４が挿備されている。

次にこの考案の作用効果について説明する。

キャップ筒１３のノック動作によって、リードチャック
１５は芯７の締付けを解除してから前進する過程でガイ
ドパイプスライダ４の後端と当接してこれを移動範囲の
前端まで前進させる。

このとき芯７もガイドパイプスライダ４と共に同じ距離
だけ前進し、芯７は先端が芯ガイド４の先端位置とほぼ
一致した状態を保つ。

ここで、この考案では、摩擦部材１０に空気抜孔１１が
穿設されているので、スライド基筒２とガイドパイプス
ライダ４の先端部との間の空気は、圧縮状態とはならず
、空気抜孔１１からスムーズに抜けていき、従来技術の
ようにガイドパイプスライダ４が内部に押し戻されるこ
とは全くない。

従って、極めて円滑にガイドパイプスライダ４を移動範
囲の前端まで前進させることができる。

この状態で筆記中、芯７の先端が摩滅もしくは折損して
その突出長が不足した場合には、外筒１を保持したまま
の状態で芯７の先端を紙面等に押しつける操作を行う。

この操作によって、芯７を保持しているリードチャック
１５およびこれと一体的な芯パイプ３に後退方向の押圧
力が作用し、これらの部材はチャック締め付は管１６お
よびスリーブ１７と共に第１のスプリング（弾性体）１
８に抗して退没する。

この退没過程において、芯７の先端が芯ガイド９の先端
位置まで後退した後は芯ガイド９にも紙面等からの押圧
力が作用することとなり、ガイドパイプスライダ４は後
退する。

次に外筒１を紙面に向けて押圧力を解除すると第１のス
プリング（弾性体）１８の復元力によって、スリーブ１
７がその移動範囲の前端まで移動し、これによってチャ
ック締め付は管１６はリードチャック１５および芯７と
共に前進して元の位置に復帰する。

しかし、ガイドパイプスライダ４は摩擦部材１０とスラ
イド基筒２との間の大きい摩擦抵抗のために前進せず、
従って、芯７の先端はガイドパイプスライダ４の後退量
に相当する長さだけ芯ガイド９の先端から突出すること
になる。

そして同様の動作はガイドパイプスライダ４がその移動
範囲の後端に達するまで繰返すが、ガイドパイプスライ
ダ４はスライド基筒２内の圧縮空気等によって何らの影
響を受けないので、極めて高い精度をもって微妙な動作
を行うことができる。

そしてガイドパイプスライダ４がその移動範囲の後端に
達した後にさらに芯７を突出させる必要が生じた場合に
は上記キャップ筒１３のノック動作を行えばよい。

また、摩擦部材１０はスライド基筒２に対して、確実に
所定摩擦圧を付与するために、スライド基筒２の内壁よ
り大径に形成されているので、従来からガイドパイプス
ライダ４の組み込みには多くの手数を費していた。

しがし、この考案では、摩擦部材１０に空気抜孔１１が
穿設されているために直径方向に変形させ易いので、組
み込みを能率的に行うことができる。

以上記載のようにこの考案のガイドパイプスライダによ
れば、摩擦部材に空気抜孔を穿設したので、極めて高い
精度で摺動を可能とし、しかも組立て作業が能率的に行
える等極めて優れた実用的効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のガイドパイプスライダの縦断面図、第２
図はこの考案を適用したシャープペンシルの縦断面図、
第３図は第２図のＡ−Ａ緑樹断面図を示す。 １・・・・・・外筒、２・・・・・・スライド基筒、４
・・・・・・ガイドパイプスライダ、７・・・・・・芯
、１０・・・・・・摩擦部材、１１・・・・・・空気抜
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外筒１の先端に嵌合したスライド基筒２内に摺動可能に
   嵌挿されたガイドパイプスライダ４において、上記ガイ
   ドパイプスライダ４は内面部で芯７に、外面部で上記ス
   ライド基筒２に所定の摩擦圧で摺接し、かつ、所定位置
   に空気抜孔１１を穿設した摩擦部材１０を設けたことを
   特徴とするシャープペンシルのガイドパイプスライダ。