JPH07300170A - ハンガーボックス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量化を図るとともに、使用済後の廃棄処分
を容易にしたハンガーボックスを提供する。 【構成】 ハンガー部５の対をなす被覆板部９ａ，９ｂ
を筒状体１の端板部６ａ，６ｂに巻付けて該端板部６
ａ，６ｂ上に折り重ねることにより、ハンガーボックス
のハンガー吊下部分に補強を施し、ハンガーボックスの
素材の板厚を厚くすることなく、衣類の荷重に耐え得る
構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、引越等の際に衣類を吊
り下げたままで運搬するのに適した簡易構造のハンガー
ボックスに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のハンガーボックは図１１
及び図１２に示すように、筒状体１とハンガー部２とを
組合せた構造からなっている。

【０００３】図に示すように、従来のハンガーボックス
は、筒状体１が段ボールから構成されており、ハンガー
部２としてスチール又はプラスチックのパイプを用いて
いた。パイプ２を筒状体１に取付けるにあたっては、図
１１に示す場合、パイプ２の両端にクランプ３を取付
け、クランプ３を筒状体１の上端開口縁１ａの切込み１
ｂに差込んでパイプ２を筒状体１の対向する端縁間に横
架させていた。

【０００４】また図１２に示す場合、筒状体１の上端開
口縁１ａに通孔１ｃを開口し、通孔１ｃを介してプラグ
４をパイプ２に嵌合しパイプ２を横架させていた。

【０００５】この種のハンガーボックス内に衣類を収納
するにあたっては、ハンガーのフックをパイプ２に引掛
け、衣類をハンガーに吊り下げて筒状体１内に収納させ
ており、パイプ２には衣類の重量が加重される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来のハンガーボック
スは、パイプ２の両端を筒状体１の上端開口縁１ａに固
定する構造であるため、筒状体１にはパイプ２の支持部
分に集中的に荷重が加わることとなり、この荷重に対す
る耐久性を得るためには、筒状体１に板厚の厚い段ボー
ルを用いる必要がある。

【０００７】したがって、ハンガーボックス自体の重量
が重くなり、その取扱いに不便を来たし、また板厚の厚
い段ボールを用いることにより、材料費がコストアップ
してしまうという問題があった。さらに、パイプ２とし
てプラスチック又はスチール製のものを用いているた
め、使用済のハンガーボックスを処分するには、筒状体
１とハンガー部５とに分解して廃棄処分しなければなら
なかった。

【０００８】本発明の目的は、軽量化を図るとともに、
使用済後の廃棄処分を容易にしたハンガーボックスを提
供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係るハンガーボックスは、筒状体とハンガ
ー部とを組合せてなるハンガーボックスであって、筒状
体は、前記ハンガー部に吊り下げられた衣類を収納する
断面矩形の中空体であり、上端開口部に対をなす端板部
を有し、前記対をなす端板部は、前記筒状体の上端開口
部の対向縁に付設され、該上端開口部を封止するもので
あり、ハンガー部は、前記筒状体の上部空間内に吊下支
持されるものであり、側矩形板部の対と被覆板部の対と
紙管とを有し、対をなす側矩形板部は、折曲縁を中心と
して斜上方にそれぞれ起立するものであり、対をなす被
覆板部は、前記側矩形板部の立上縁部にそれぞれ付設さ
れ、前記筒状体の端板部に巻付けて該端板部上に折り重
ねられるものであり、紙管は、前記側矩形板部間の折曲
縁の内側に掛止され、該側矩形板部の開口を通してハン
ガーのフックが引掛けられるものである。

【００１０】また、前記筒状体及び前記紙管を除くハン
ガー部は、段ボールで構成されたものである。

【００１１】また、前記対をなす被覆板部は、前記筒状
体の端板部と交差する方向で該端板部上に折り重ねられ
るものである。

【００１２】また、前記筒状体は、正面側に衣類の出入
口を有するものである。

【００１３】

【作用】ハンガー部の対をなす被覆板部を筒状体の端板
部に巻付けて該端板部上に折り重ねて２層にすることに
より、ハンガーボックスのハンガー吊下部分に補強を施
し、ハンガーボックスの素材の板厚を厚くすることな
く、衣類の荷重に耐え得る構造とする。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図により説明す
る。図１は、本発明の一実施例に係るハンガーボックス
を示す一部断面した斜視図、図２はハンガー部を示す透
視斜視図である。

【００１５】図において、本発明に係るハンガーボック
スは、筒状体１とハンガー部５とを組合せてなるもので
ある。

【００１６】筒状体１は、ハンガー部５に吊り下げられ
た衣類を収納する断面矩形の中空体であり、上端開口部
Ａに対をなす端板部６ａ，６ｂを有している。対をなす
端板部６ａ，６ｂは、筒状体１の上端開口部Ａの対向縁
１ｄ，１ｄに付設され、筒状体１の上端開口部Ａを封止
するものである。

【００１７】また筒状体１は、下端開口部Ｂに覆板部７
ａ，７ｂ，７ｃ，７ｄを有している。覆板部７ａと７ｂ
とは、下端開口部Ｂの対向縁に付設され、一方の覆板部
７ａは切込縁７ｅを、他方の覆板部７ｂは差込縁７ｆを
それぞれ有している。覆板部７ｃと７ｄとは、下端開口
部Ｂの対向縁に付設され、両方の覆板部７ｃ，７ｄに
は、組立用の切込７ｇ，７ｈが設けられている。尚、筒
状体１は未使用状態では折り畳まれている。

【００１８】ハンガー部５は、筒状体１の上部空間内に
吊下支持されるものであり、側矩形板部８ａ，８ｂの対
と、被覆板９ａ，９ｂの対と、紙管１０とを有してい
る。

【００１９】対をなす側矩形板部８ａ，８ｂは、中央に
位置する折曲縁８ｃを中心として左右の斜上方にそれぞ
れ起立するものであり、対をなす被覆部９ａ，９ｂは、
左右の側矩形板部８ａ，８ｂの立上縁部に付設され、筒
状体１の端板部６ａ，６ｂに巻付けて端板部６ａ，６ｂ
上に折り重ねるものである。さらに、対をなす被覆板部
は、筒状体１の端板部６ａ，６ｂと交差する方向で端板
部６ａ，６ｂ上に折り重ねられるように端板部６ａ，６
ｂに巻付けられる。

【００２０】紙管１０は、左右の側矩形板部８ａ，８ｂ
間の折曲縁８ｃの内側に掛止され、側矩形板部８ａ，８
ｂの開口８ｄを通してハンガー１１のフック１１ａが引
掛けられるものである。ここに、紙管１０は細長い板紙
をらせん状に巻いてつくられたものである。

【００２１】さらに前記筒状体１及び前記紙管１０を除
くハンガー部５とは、段ボールで構成されている。ここ
に、段ボールは、表裏面に使用されるライナーと、段形
に型付けされて立体構造の媒体となる中心厚紙とからな
る構造のものである。

【００２２】また、筒状体１は、正面側に衣類の出入口
１２を有している。衣類出入口１２の一方の縦方向開口
縁には覆板部１３が付設され、覆板部１３には差込片１
３ａが設けられている。また衣類出入口１２の他方の縦
方向開口縁には、覆板部１３にあてがって覆板部１３と
筒状体１の突き合わせ部分を封止する当板１４が設けら
れ、当板１４には切込口１４ａが設けられている。

【００２３】また、筒状体１の上面一辺には、覆板部１
５が付設されている。覆板部１５は、折り重ねられた端
板部６ａ，６ｂと被覆板部９ａ，９ｂとを覆うものであ
り、その先端に差込片１５ａが設けられている。

【００２４】実施例において、本発明のハンガーボック
スを組立てるには、図７に示すようにまず折り畳まれて
いた筒状体１を箱型形状に押し拡げ、箱型形状をなす筒
状体１の下端開口部Ｂを上向きにし、覆板部７ａを内側
に折り曲げ、図８に示すように左右の覆板部７ｃ，７ｄ
を内側に折り曲げ、図９に示すように覆板部７ａの角部
を覆板部７ｃ，７ｄの切込７ｇ，７ｈに組み込み、最後
に図１０に示すように覆板部７ｂの差込縁７ｆを覆板部
７ａ，７ｃ，７ｄ間の隙間内に差込み、４枚の覆板部７
ａ，７ｂ，７ｃ，７ｄの組合せにより筒状体１の下端開
口部Ｂを封止する。

【００２５】筒状体１の下端開口部Ｂを封止した後、こ
の筒状体１の姿勢を上下に反転させる。図３，図４に示
すように、ハンガー部５の中央の折曲縁８ｃを中心とし
て左右の側矩形板部８ａ，８ｂを内側に折曲げて左右の
斜上方に起立させ、側矩形板部８ａ，８ｂを筒状体１の
上端開口部Ａ内にセットし、一方の被覆板部９ａを筒状
体１の覆板部１５の内側にあてがう。

【００２６】次に図４，図５に示すように、筒状体１の
端板部６ａ，６ｂを内側に折り曲げて筒状体１の上端開
口部Ａを封止する。これにより、一方の被覆板部９ａと
側矩形板部８ａとの間の折曲縁８ｃが端板部６ａ，６ｂ
と筒状体１との間に挟持されて固定される。

【００２７】次に図５に示すように、フリーになってい
る他方の被覆板部９ｂ側から紙管１０をハンガー部５に
差込み、これを左右の側矩形板部８ａ，８ｂ間の折曲縁
８ｃに沿わせてその内側に掛止させる。

【００２８】次に図６に示すように、ハンガー部５の左
右側矩形板部８ａ，８ｂを筒状体１の端縁板部６ａ，６
ｂにそれぞれ巻き付け、左右の側矩形板部８ａ，８ｂを
端板部６ａ，６ｂ上に折り重ねる。

【００２９】次に、左右の側矩形板部８ａ，８ｂの合わ
せ目に沿ってテープ１６を貼付け、テープ１６の両端を
筒状体１に貼着し、側矩形板部８ａ，８ｂと端板部６
ａ，６ｂとを筒状体１に固定する。

【００３０】次に覆板部１５を内側に折り曲げ、覆板部
１５で左右の側矩形板部８ａ，８ｂを覆い、その差込片
１５ａを当板１４と筒状体１との隙間内に差し込み、こ
れを固定する。以上でハンガーボックスの組立を完了さ
せる。

【００３１】次に覆板部１３を開いて衣類出入口１２を
通して、衣類をかけたハンガー１１を筒状体１内に入
れ、ハンガー１１のフック１１ａを紙管１０に引掛け、
衣類をハンガー１１に吊り下げたままこれを筒状体１内
に収納する。

【００３２】必要枚数の衣類が筒状体１内に保管された
ときに覆板部１３を閉じ、このハンガーボックスを運搬
する。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ハ
ンガー部の対をなす側矩形板部を筒状体の端板部に巻付
けて該端板部上に折り重ねて２層としたため、荷重が加
わるハンガーボックスのハンガー吊下部分に補強を施す
ことができ、ハンガーボックスの素材の板厚を厚くする
ことなく、衣類の荷重に耐え得る構造とすることができ
るとともに、軽量化を図ることができる。

【００３４】さらに、ハンガーボックスの素材に段ボー
ルを用いることにより、ハンガーボックス全体が紙製と
なり、従来のように廃棄処分する際に廃棄対象物毎に多
種類に分別する必要がなく、廃棄処分を容易に行うこと
ができ、かつ紙製のハンガーボックスを再生資源として
用いることができる。

【００３５】また、ハンガー部の被覆板部と筒状体の端
板部とを交差させて折り重ねることにより、荷重による
曲げモーメントに打ち勝って衣類を確実に支持すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るハンガーボックスを示
す一部断面した斜視図である。

【図２】ハンガー部を示す透視斜視図である。

【図３】本発明に係るハンガーボックスを示す分解斜視
図である。

【図４】ハンガー部のセット状態を示す斜視図である。

【図５】ハンガー部の固定状態を示す斜視図である。

【図６】ハンガーボックスの組立完了状態を示す斜視図
である。

【図７】ハンガーボックスの底部組立を説明する斜視図
である。

【図８】ハンガーボックスの底部組立を説明する斜視図
である。

【図９】ハンガーボックスの底部組立を説明する斜視図
である。

【図１０】ハンガーボックスの底部組立を説明する斜視
図である。

【図１１】従来のハンガーボックスを示す斜視図であ
る。

【図１２】従来のハンガーボックスを示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 筒状体 ５ ハンガー部 ６ａ，６ｂ 端板部 ８ａ，８ｂ 側矩形板部 ９ａ，９ｂ 被覆板部 １０ 紙管

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒状体とハンガー部とを組合せてなるハ
   ンガーボックスであって、 筒状体は、前記ハンガー部に吊り下げられた衣類を収納
   する断面矩形の中空体であり、上端開口部に対をなす端
   板部を有し、 前記対をなす端板部は、前記筒状体の上端開口部の対向
   縁に付設され、該上端開口部を封止するものであり、 ハンガー部は、前記筒状体の上部空間内に吊下支持され
   るものであり、側矩形板部の対と被覆板部の対と紙管と
   を有し、 対をなす側矩形板部は、折曲縁を中心として斜上方にそ
   れぞれ起立するものであり、 対をなす被覆板部は、前記側矩形板部の立上縁部にそれ
   ぞれ付設され、前記筒状体の端板部に巻付けて該端板部
   上に折り重ねられるものであり、 紙管は、前記側矩形板部間の折曲縁の内側に掛止され、
   該側矩形板部の開口を通してハンガーのフックが引掛け
   られるものであることを特徴とするハンガーボックス。
2. 【請求項２】 前記筒状体及び前記紙管を除くハンガー
   部は、段ボールで構成されたものであることを特徴とす
   る請求項１に記載のハンガーボックス。
3. 【請求項３】 前記対をなす被覆板部は、前記筒状体の
   端板部と交差する方向で該端板部上に折り重ねられるも
   のであることを特徴とする請求項１に記載のハンガーボ
   ックス。
4. 【請求項４】 前記筒状体は、正面側に衣類の出入口を
   有するものであることを特徴とする請求項１に記載のハ
   ンガーボックス。