JP3059750U

JP3059750U - 断熱容器

Info

Publication number: JP3059750U
Application number: JP1998009798U
Authority: JP
Inventors: 光正高本
Original assignee: 高本工業株式会社
Priority date: 1998-12-10
Filing date: 1998-12-10
Publication date: 1999-07-13
Anticipated expiration: 2004-12-10

Abstract

(57)【要約】【課題】物を収容しないときには分解して全体の容積を
小さくでき、構成部材の一部が破損等した場合に当該部
材のみの交換を行えば済む経済的な、断熱容器を提供す
る。製作が容易で、かつ初心者でも比較的に良好な仕上
がりのものを製作できる、断熱容器を提供する。【解決手段】容器本体1とこの容器本体の開口を覆う蓋
体2とから成る。容器本体は、折り畳み自在な柔軟な素
材によって形成された容器本体カバー3と容器本体カバ
ーの底壁用断熱板4とそれ取囲む周壁用断熱板5〜8とを
有する。周壁用断熱板は容器本体カバー内面に面ファス
ナ11を介して着脱自在に固定されている。そして、断熱
性を有する蓋体が、上記面ファスナとは異なる面ファス
ナ13によって容器本体に着脱自在に止着される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、主として物流分野で使用される運搬用の断熱容器に関し、一層詳しくは、分解と組立の容易な運搬用の断熱容器に関するものである。

【０００２】

【従来技術】

例えば冷凍物などを運搬するために用いられる従来の断熱容器は、通常、函型の容器本体とその開口を覆う上蓋とが断熱材によってそれぞれ一体成形されている。また、断熱材をカバー材で覆ったボードを例えば直方体状になるように組み、ボード相互の接合部を縫製して函型の容器本体を形成するようにしたものもある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、こうした断熱容器は、函型の容器本体の各面を分離し得ないため、容器本体内に物を収容しない状態では、嵩張るだけでスペースの無駄を生じる。また、容器本体の一壁面の断熱材が破損したときにも容器を全体ごと交換しなければならない。更には、ボードを縫製加工するものの場合、接合部にたるみやゆるみのない状態で函型に縫い合わせるのは、作業に困難を伴なう。

【０００４】本考案の目的は、物を収容しないときには分解して全体の容積を小さくでき、また構成部材の一部が破損等した場合に当該部材のみの交換を行えば済む経済的な、断熱容器を提供することにある。また、本考案の別の目的は、製作が容易で、かつ初心者でも比較的に良好な仕上がりのものを製作できる、断熱容器を提供することにある。

【０００５】

【課題を達成するための手段】

本考案は、上記した目的を達成するために次の構成を備える点に特徴がある。すなわち、この断熱容器は、容器本体とこの容器本体の開口を覆う蓋体とから成る。容器本体は、折り畳み自在な柔軟な素材によって形成された容器本体カバーと容器本体カバーの底壁用断熱板とそれ取囲む周壁用断熱板とを有する。周壁用断熱板は容器本体カバー内面に面ファスナを介して着脱自在に固定されている。そして、断熱性を有する蓋体が、上記面ファスナとは異なる面ファスナによって容器本体に着脱自在に止着される、ものである。

【０００６】蓋体は、断熱性を有する素材によって一体形成されたものでも良いが、容器本体と同様に蓋体カバーに面ファスナを介して断熱板を着脱自在に固定するものであっても良い。この場合には、容器本体カバーと周壁用断熱板とを着脱自在に固定する第一の面ファスナと、蓋体カバーと蓋用断熱板を固定する第二の面ファスナと、蓋体カバーと容器本体カバーとを互いに止着する第三の面ファスナとが用いられる(請求項２の考案)。

【０００７】断熱板の面ファスナを剥がして容器本体を分解縮小したときに、蓋体と容器本体とが分離しないようにするため、例えば次の構成が採用される。蓋体カバーと容器本体カバーの所定位置、つまり、底壁用断熱板と周壁用断熱板を第一の面ファスナによることことなく容器本体カバー内に積重ね収容して容器本体カバーの上部を折り畳み、この折り畳み上部を蓋体によって覆ったときに、互いを止着する位置に、第四の面ファスナを取付ける。

【０００８】容器本体は、さまざまな形状を採用できる。最も一般的な形状である直方体形状にした場合、断熱板は、蓋用断熱板と底壁用断熱板と左右両側壁用断熱板と前後壁用断熱板の６枚が用意される。容器本体は、その他の多角形状、筒状、あるいは異形形状であっても良く、断熱板の形状及び枚数も容器本体の形状に応じて適宜変更される。

【０００９】各断熱板は、その表面に直接、面ファスナを取りつけても良いが、これを被覆あるいは挿入可能な保護カバーを用意し、保護カバーの表面に第一もしくは第二の面ファスナの構成部材を取付けるようにしても良い。保護カバーは、蓋体カバーあるいは容器本体カバーの内面に縫い付けて固定することもできる。容器本体がわの断熱板の保護カバーは、底壁用のものと周壁用のものを独立して覆うものであっても良いが、各断熱板の収容部を持つ単一の保護カバーにすることもできる。なお、容器本体カバーには、運搬用の把手紐を設けるようにすると良い。

【００１０】

【実施の最良の形態】

以下、本考案を図示した実施例に基づいて詳説する。図１は、本考案の一実施例に係る断熱容器の開蓋状態を示す斜視図である。断熱容器は、直方体形状の容器本体１とその上部開口を覆う蓋体２とから成る。容器本体１は、布材、合成樹脂製シート材、あるいは合成樹脂含浸の紙シート材などある程度の強度を持つ折畳み可能な柔軟素材によって形成された容器本体カバー３を有する。容器本体カバーの内面には、１枚の底壁用断熱板４と前後左右の４枚の周壁用断熱板(前後壁断熱板を符号５，６、左右の両側壁断熱板を符号７，８とする)とが面ファスナを介して着脱自在に固定されている。以下の説明では、面ファスナの対を成す構成部材のうち、表面に多数のループを持つ部材を「一方の部材」、多数のフックを持った部材を「他方の部材」と、便宜上呼ぶ。

【００１１】容器本体カバー３は、図２と図３の展開図に示すように、一体的に連設された底面部３ａと左右側面部３ｂ，３ｃと前後面部３ｄ，３ｅとを備え、側面部３ｂ，３ｃの縁部と前後面部３ｄ，３ｅの縁部を縫合わせることにより四角いバッグ状に形成されている。容器本体カバー３の内表面には、図３に見られるように左右両側面部３ｂ，３ｃの上端縁と前後面部３ｄ，３ｅの上端縁に、第一の面ファスナ１１の「一方の部材(ループ状部材)」１１ａが帯状に取り付けられている。第一の面ファスナ１１は容器本体カバー内面に底壁用断熱板４と周壁用断熱板５〜８を着脱自在に固定するためのものである。

【００１２】容器本体カバー３の外表面には、図２に見られるように、両側面部３ｂ，３ｃの上端部と前後面部３ｄ，３ｅの上端部に、第三の面ファスナ１３の「一方の部材」１３ａが取付けられている。第三の面ファスナ１３は、容器本体１内に物を収容した状態で蓋体２を容器本体１に着脱自在に固定するためのものである。また、容器本体カバー３の両側面部３ｂ，３ｃと前後面部３ｄ，３ｅの外面下部には、第四の面ファスナ１４の「一方の部材」１４ａが取付けられている。第四の面ファスナ１４は、容器本体カバー３から分離した周壁用断熱板５〜８を内部に収容して容器本体カバー３の上部を折り畳んだ状態において、容器本体１と蓋体２とを着脱自在に固定するためのものである。

【００１３】図中符号９は容器本体カバー３の両側面部３ｂ，３ｃの上端に連設された閉止片で、内表面に面ファスナの「他方の部材(フック状部材)」が１０ｂ取付けられ、容器本体カバー３の上記折り畳み状態において両側面部上端部の第三の面ファスナ１３の「一方の部材」１３ａに止着される。また、４０は容器本体カバー３の底面部外表面に縫い付けられた厚手の防護シート、２０は前後面部外表面に取付けられた帯状把手である。

【００１４】壁面用断熱板は、図５に示すように断熱効果のある発砲スチロールその他の断熱性を有する素材によって形成されたボード３１を、容器本体カバー３と同様な素材から成る保護カバー３０によって覆ってある。ボード３１の取出しと収納に用いられる保護カバー３０の前後及び左右の側端にある開閉部は、面ファスナ１０(１０ａ，１０ｂ)によって開閉自在になっている。

【００１５】前後壁用断熱板５，６と両側壁用断熱板７，８の保護カバー３０の一面上部に、容器本体カバー３の左右両側面部３ｂ，３ｃと前後面部３ｄ，３ｅの内面上端縁に取付けた第一の面ファスナ１１の「一方の部材(ループ状部材)」１１ａに止着する「他方の部材(フック状部材)」１１ｂが取付けられている(図４参照)。底壁用断熱板４と前後壁用断熱板５，６は、図６に見られるように一つの保護カバー３００内に収納し、両側壁用断熱板７，８は独立した他の保護カバーに収納するようにしても良い。この場合にも前後壁用断熱板５，６と両側壁用断熱板７，８の保護カバーの対応する表面位置に上記した第一の面ファスナ１１の「他方の部材」１１ｂが取付けられる。

【００１６】蓋体２は、容器本体カバー３と同様な素材によって形成された蓋体カバー２１と、この蓋体カバー２１の内面中央に第二の面ファスナ１２を介して止着された蓋用断熱板２２とを備える。蓋用断熱板２２は、容器本体１がわの壁面用断熱板４〜８と同じ素材によって同様な構造に形成され、蓋体カバー２１の内面中央に縫い付けられた保護カバー２３内に挿脱自在に収納されている。この保護カバー２３は図７に示すように一面を蓋体カバー２１の上面部２１ａが兼用し、三方向の側端部が面ファスナ１２ (１２ａ，１２ｂが対を成すループ部材とフック部材を示す)によって開閉自在になっている。勿論、底壁用断熱板４や周壁用断熱板５〜８と同様に独立した保護カバー３０を作成し、これを、面ファスナ１０を利用することで蓋体カバー２１の内面に着脱自在に固定するものであっても良い。

【００１７】蓋体カバー２１の上面部２１ａの４辺はそのまま延設され、左右側片２１ｂ，２１ｃと前後片２１ｄ，２１ｅとを形成している。左右側片２１ｂ，２１ｃと前後片２１ｄ，２１ｅの内表面先端には、前記した第三の面ファスナ１３の「他方の部材」１３ｂが取付けられ、容器本体カバー３の外表面に取付けられた第三の面ファスナ１３の「一方の部材」１３ａに止着される。また、左右側片の先端には、封止片２４が連設され、その内表面には第四の面ファスナ１４の「他方の部材」１４ｂが取付けられている。

【００１８】本断熱容器の使用状態を説明する。容器本体１は、容器本体カバー３内面に固定された底壁断熱板４と周壁断熱板５〜８とによって、内部に断熱用収容空間を持つ。したがって、同空間に物を入れ、蓋体２の蓋用断熱材２２によって容器本体１の上部開口を覆い、蓋体カバー２１の左右側片２１ｂ，２１ｃと前後片２１ｄ，２１ｅの内面に設けられた第三の面ファスナ１３の「他方の部材」１３ｂを、容器本体カバー外表面の第三の面ファスナ１３の「一方の部材」１３ａに押し付けると、蓋体２は容器本体１にしっかりと固定され、断熱用収容空間を密封する(図８参照)。蓋体２を開くには、第三の面ファスナ１３(１３ａ，１３ｂ)の結合を剥がせば良い。

【００１９】断熱用収容空間から物を取出した後は、容器本体カバー３と周壁断熱板５〜８との第一の面ファスナ１１(１１ａ，１１ｂ)の結合を剥がし、周壁断熱板５〜８を分離して底壁断熱板４の上に積み重ねる。容器本体カバー３の余裕のできた上部を折り畳み、閉止片９の面ファスナ１０の「他方の部材」１０ｂを、容器本体カバー３の側面部外面の上端部にある第三の面ファスナ１３の「一方の部材」１３ａの適所に押し付ければ、図８の収容状態に比べて約１／２以下の高さになる( 図１０参照)。この状態で、蓋体２を被せ、蓋体カバー２１と容器本体カバー３にある第四の面ファスナ１４(１４Ａ，１４ｂ)を止着すれば、蓋体２と容器本体１とが縮小状態で一体化する。なお、前後壁断熱板と底壁断熱板を一連の保護カバー３００で被覆した場合( 図６)には、前後壁断熱板を底壁断熱板との境いで折り畳んで積み重ねる。側壁断熱板はその上に積み重ねられる。

【００２０】この容器を乱暴に扱うなどして蓋用断熱板２２、底壁用断熱板４あるいは周壁用断熱板５〜８が破損した場合には、当該断熱板を止着している面ファスナの結合を剥がし、その断熱板あるいはボードのみを取り換えれば良い。本実施例の断熱容器の場合、帯状把手２０が付いているので、持ち運びを楽に行える。また、底面に防護カバー４０を取り付けてあるので、荷台上を滑らせたときなど底面の破損を防止できる。

【００２１】上記実施例では、断熱容器の蓋体を容器本体と同様に着脱自在なカバー部材と断熱材によって構成したが、本考案はこれに限定されるものではなく、断熱性を有する素材によって一体形成した蓋体を使用し、これを前記した第三の面ファスナによって容器本体に着脱自在に止着するようにしても良い。また、容器本体を他の多角形状や円筒形あるいは異形形状とした場合、第三の面ファスナは、容器本体カバー外周面と蓋体の対応位置に、容器本体の密封保持に必要な個数だけ設けられる。

【００２２】

【考案の効果】

本考案によれば、容器本体カバーの内面に面ファスナを介して壁面用の断熱板を着脱自在に固定し、蓋体と容器本体とを同様に面ファスナによって着脱自在に止着するようにしてあるので、物を収容しないときには、壁面用断熱板を容器本体カバー内に積み重ね、その上に容器本体カバーの余ったカバー上部を折り畳むことにより、全体の容積を小さくすることができる。

【００２３】また、断熱板の一部を損傷等したときは、損傷した断熱板の面ファスナを剥がしてこの断熱板を新しいものに交換することにより、そのまま再使用でき、経済的である。

【００２４】また、容器本体カバーと断熱板とが別体になっていて、面ファスナを介して一体化されて函型の容器を形成するので、初心者であっても仕上がりの良好な断熱容器を容易にかつ確実に製作できる。

【００２５】蓋体を蓋体カバーと蓋用断熱板とによって構成し、蓋用断熱板を蓋体カバーに面ファスナによって止着するようにした場合には、蓋体の断熱板に破損等を生じたときは、同様にして当該断熱板のみを交換するだけで済む。

【００２６】更にまた、蓋体カバーの外表面適所と蓋体カバーの封止片とを面ファスナによって着脱自在にすれば、容器本体が運搬物を収容していな上記折り畳み状態にある容器本体と蓋体とを一体化でき、分離状態に伴なう一方の紛失や破損を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る断熱容器の開蓋状態を
示す斜視図。

【図２】同断熱容器を構成する容器本体カバーの外表面
の展開図。

【図３】同容器本体カバーの内表面の展開図。

【図４】容器本体カバーとその内面に固定された断熱板
の分解斜視図。

【図５】断熱板とこれを被覆する保護カバーの斜視図。

【図６】底壁用断熱板と前後壁用断熱板並びにこれらの
断熱板を収容する保護カバーの斜視図。

【図７】蓋体の分解斜視図。

【図８】本考案に係る断熱容器の閉蓋状態の斜視図。

【図９】底壁断熱板に周壁断熱板を積重ねる状態の斜視
図。

【図１０】図８の積重ね断熱板を収容した容器本体を一
部切欠いた斜視図。

【図１１】図９の容器本体に蓋体を覆う状態の斜視図。

【図１２】図８の容器本体を容器本体で覆い一体化した
状態の断熱容器の斜視図。

【符号の説明】

１容器本体２蓋体３容器本体カバー４底面壁５，６前後面壁７，８側面壁１１(１１ａ，１１ｂ) 第一の面ファスナ１２(１２ａ，１２ｂ) 第二の面ファスナ１３(１３ａ，１３ｂ) 第三の面ファスナ１４(１４ａ，１４ｂ) 第四の面ファスナ２１蓋体カバー２２蓋用断熱板３０，３００補助カバー４０防護カバー

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】容器本体とこの容器本体の開口を覆う蓋体
とから成り、容器本体は、折り畳み自在な柔軟な素材によって形成さ
れた容器本体カバーと容器本体カバーの底壁用断熱板と
それ取囲む周壁用断熱板とを有し、少なくとも周壁用断
熱板が容器本体カバー内面に面ファスナを介して着脱自
在に固定され、断熱性を有する蓋体が、上記面ファスナ
とは異なる面ファスナによって容器本体に着脱自在に止
着される、ことを特徴とする断熱容器。
【請求項２】容器本体とこの容器本体の開口を覆う蓋体
とから成り、容器本体は、折り畳み自在な柔軟な素材によって形成さ
れた容器本体カバーと容器本体カバーの底壁用断熱板と
それ取囲む周壁用断熱板とを有し、少なくとも周壁用断
熱板が容器本体カバー内面に第一の面ファスナを介して
着脱自在に固定され、蓋体は、蓋体カバーと当該蓋体カバーの中央部に第二の
面ファスナを介して着脱自在に固定された蓋用断熱板と
を備え、蓋体カバーと容器本体カバーは、蓋体が容器本体の開口
を覆ったときに、互いを止着する位置に第三の面ファス
ナが取付けられている、ことを特徴とする断熱容器。
【請求項３】蓋体カバーと容器本体カバーは、周壁用断
熱板を容器本体カバー内に積重ね収容して容器本体カバ
ーの上部を折り畳み、この折り畳み上部を前記蓋体によ
って覆ったときに、互いを止着する位置に第四の面ファ
スナが取り付けられている、請求項２記載の断熱容器。
【請求項４】容器本体が直方体形状をしており、断熱板が、蓋用断熱板と底壁用断熱板と４つの周壁用断
熱板とから成る、請求項１もしくは２記載の断熱容器。
【請求項５】蓋用断熱板と底壁用断熱板と周壁用断熱板
が保護カバーによって覆われ、保護カバー表面に前記第一の面ファスナの一方の部材が
取付けられ、蓋体カバーあるいは容器本体カバーの対応
する位置に第一の面ファスナの他方の部材が取付けられ
ている、請求項２記載の断熱容器。
【請求項６】蓋用断熱板の保護カバーが、蓋体カバーの
内面に固定され、その開口部が第五の面ファスナによっ
て開閉自在に封止される、請求項５記載の断熱容器。
【請求項７】蓋用断熱板が蓋体カバーの中央部に固着さ
れることにより、蓋体を形成する、請求項１記載の断熱容器。