JPH026830Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、主として押入れ内に載置して季節
外れの衣服等を収納保管するのに用いられる組立
式の簡易ケースに関する。

従来の技術 従来、季節外れの衣服等を収納保管にはタンス
や衣裳ケースが用いられていたが、これらを用い
た場合には衣服等を折畳んで収納保管しなければ
ならずその作業が結構面倒であつたのみならず、
折りじわがついたりするなどの難があつた。また
一方において、吊下げた状態で一時保管する型式
のものとして、いわゆるフアンシーボツクスと称
される金属パイプ製のフレームにビニールカバー
等を覆つた簡易衣裳ケースが知られている。

考案が解決しようとする問題点 ところが、この種のケースは、押入れ内ではな
く室内に載置して使用される外置式のものであつ
たし、製造コストも高くついていたのみならず、
前記フレームを有するものであつたためカバーが
破損や汚損しても容易に廃棄処分できないという
問題点があつた。

この考案の目的とするところは、主として押入
れ内に載置して使用される型式のものであつて、
製造コストが安く、又購買者において容易に組み
立てることができ、しかも組立状態において堅牢
な強度が得られる一方、廃棄処分の容易な使い捨
てを可能とした衣裳等の収納保管用の組立式簡易
ケースを提供することにある。

実施例 以下、この考案を図示実施例に基づいて説明す
る。

この考案に係る簡易ケースは、その本体が組立
式の箱状天板部材１およびこれと同様の底板部材
２と、左右に２分割型とされた一対の周壁部材
３，３とで構成されたもので、これらの素材とし
てはいずれも内面側にビニルコーテイング処理を
施した両面段ボールが用いられている。

上記各部材１，２，３，３の組立前の展開状態
を第３図に示す。

箱状天板部材１は、矩形状の天板４の周縁に折
目線ｍ１，ｍ２，ｍ３，ｍ４を介して前後および
左右の折込み縁５，６，７，８を有するものであ
る。この左右の折込み縁７，８は、その中央部分
にハンガー吊下用のパイプ２０係止孔９，１０が
設けられたもので、両側端には接合片７ａ，７
ａ，８ａ，８ａが折目線ｍ５，ｍ５，ｍ６，ｍ６
を介して延設されている。一方、前後の折込み縁
５，６には、その長さ方向の中間部に側縁側から
段ボールの略２倍の厚さに相当する細幅状の切込
み部５ａ，６ａが幅方向に沿つて前記折込み縁
５，６の幅半分程度に至るまで形成されている。

箱状底板部材２は、上記天板部材１と、吊下げ
パイプ係止孔が形成されていない点を除けば、全
く同様であるので、対応する符号にダツシユを付
して説明を省略する。

周壁部材３は、矩形状の側面壁１１の両側に、
同一幅の前面壁１２および後面壁１３がそれぞれ
折目線ｍ７，ｍ８を介して連設されると共に、こ
れらの側端に、これらより上下端が短くなるよう
に形成された同一幅の前面および後面差込み縁１
４，１５が折目線ｍ９，ｍ１０を介して連設され
たものである。前記側面壁１１の横幅l₁は、前記
天板４の奥行き幅l₂と一致するように、またこの
周壁部材３を、第７図に示すように、折目線ｍ
７，ｍ８に沿つて折畳んだ場合に、前記差込み縁
１４，１５どおし等が折重なつて嵩張ることのな
いよう、前面および後面壁１２，１３、前面およ
び後面差込み縁１４，１５の各横幅l₃，l₄，l₅，l₆
の合計が側面壁１１の横幅l₁と略一致するように
予め設定されている。前記側面壁１１の上端部中
央には、前記と同様なパイプ係止孔１６が設けら
れている。一方、前記前面および後面壁１２，１
３の上部には、組立状態において内部がのぞける
ように、窓孔１２ａ，１３ａが穿設されると共
に、外部からの埃の侵入を防ぐために内面側から
透明な合成樹脂板１２ｂ，１３ｂが貼着されるこ
とによつて該窓孔１２ａ，１３ａが閉塞されてい
る。また、前記前面壁１２の上下方向の中間部に
は、この前面壁１２を開閉操作するための取つ手
１７が取付けられている。この周壁部材３に用い
られる段ボールは、その段の方向をケースの上下
方向と一致するようにして耐荷重性の向上が図ら
れている。

なお、図中１９は止釦挿通孔である。

この考案による簡易ケースは、上記各部材１，
２，３，３を、第７図に示すように、平たく折畳
んで積重ね、全体を偏平状態に梱包して、吊下げ
用パイプ２０、止釦１９…と共に、運搬、販売し
て供せられるものであり、購買者においてこれを
組立てて使用するものである。

而して、この組立ては、まず天板部材１および
底板部材２を箱状に組立てることから行う。即
ち、第１図に示すように、ビニルコーテイングさ
れた面が内側になるように、各折込み縁５，６，
７，８，５′，６′，７′，８′を折目線ｍ１，ｍ
２，ｍ３，ｍ４，ｍ１′，ｍ２′，ｍ３′，ｍ４′に
沿つて折込むと共に、接合片７ａ，７ａ，８ａ，
８ａ，７a′，７a′，８a′，８a′を折目線ｍ５，ｍ
５，ｍ６，ｍ６，ｍ５′，ｍ５′，ｍ６′，ｍ６′に
沿つて折込み、この接合片７ａ，７ａ，８ａ，８
ａ，７a′，７a′，８a′，８a′と前記前後の折込み
縁５，６，５′，６′とを、これらに設けられた止
釦挿通孔１９…に止釦１８…を差し込んで固定す
る。

次に、これら両部材１，２の左右の折込み縁
７，８，７′，８′を、ビニルコーテイングされた
面が内側となるようにして対向状に配設された周
壁部材３，３の側面壁１１，１１の対応する上下
端に、上記と同様に止釦１８…を用いて固定す
る。なお、上記のいずれの場合にも、その固定手
段として前記止釦１８のみならず、更に両面粘着
テープや接着剤を適宜併用することが好ましい。
そして、吊下げパイプ２０の両端部２０ａ，２０
ａを前記パイプ係止孔９，１６，１０，１６に挿
通させると共にキヤツプ２１を被せる。この状態
では、第４図に示すように、前記パイプ２０の両
端部２０ａ，２０ａが前記折込み縁７，８と側面
壁１１，１１との両者を挿通しているから、両者
の連結強度が向上され、ひいてはケース自体が堅
牢な組立強度を有するものとなされると共に、前
記係止孔９，１６，１０，１６の周縁が荷重によ
つて容易に裂けるようなことなく耐荷重性にも優
れたものとなつている。

最後に、第２図に示すように、前面壁１２およ
び後面壁１３を折目線ｍ７，ｍ８に沿つて内方へ
折込むと共に、差込み縁１４，１５を折目線ｍ
９，ｍ１０に沿つて内方へ折込み、その上下端部
１４ａ，１４ｂ，１５ａ，１５ｂを前記切込み部
５ａ，５a′，６ａ，６a′に嵌め込んで完了する。
この嵌めこんだ状態は、第４図ないし第６図に示
すように、左右の差込み縁１４，１４，１５，１
５が互いに重ね合わされた状態となつており、使
用に際しては取つ手１７，１７を引くことにより
その前面壁１２，１２が観音開き式に開閉しうる
ようになつている。

なお、この考案は上記実施例に限定されるもの
ではなく、例えば、後面壁１３，１３にも取つ手
を設け、前後いずれの側からでも開閉しうるよう
にしても良く、また内部に棚を設けて上下複数段
に仕切つてワイシヤツ等を折畳んだ状態で収納す
るようにしても良い。あるいは前記周壁部材３に
おける前面壁１２および後面壁１３の幅l₃，l₄を
異なるように設定し、左右の前面壁１２，１２の
うち幅の広い方の前面壁１２にのみ取つ手１７を
設け、あるいはこの前面壁１２と左右の後面壁１
３，１３のうち幅の広い方の後面壁１３に取つ手
１７を設け、これら取つ手１７を有する側の前面
壁１２または後面壁１３のみを開閉するようにし
た所謂片開き式としても良い。もつとも、この場
合には上記実施例と同様に組立前の折畳み状態に
おいて差込み縁どおし等が互いに折重ならないよ
うに各寸法を設定することが好ましい。

この考案に係る簡易ケースは、必ずしも衣服の
収納保管用に限定されるものではなく、それ以外
の用途、例えばシユーズボツクス等の収納保管用
としても使用しうるものである。

考案の効果 この考案に係る簡易ケースは上述の如く簡単な
操作で組立可能なものであり、購買者側での組立
に適するものであるから、分解状態で輸送、販売
することができ、かつこの分解状態では全体を偏
平状態に梱包しうるから嵩張らず、輸送、保管等
に極めて有利である。

また、組立状態では、天板部材１および底板部
材２がいずれも保形性に優れた箱状体であり、か
つ周壁部材３，３の差込み縁１４，１４，１５，
１５の上下端部１４ａ，１４ａ，１４ｂ，１４
ｂ，１５ａ，１５ａ，１５ｂ，１５ｂが、前記天
板部材１および底板部材２に設けられた切込み部
５ａ，５a′，６ａ，６a′に嵌め込まれるようにな
されているから、横ゆれにも強い堅牢な組立強度
が得られるし、耐荷重性にも優れている。

また、前面壁１２，１２の少なくともいずれか
一方に取つ手１７が設けられているから、その開
閉操作を極めて容易になしうる。更には、段ボー
ルを素材としているので、製造も簡単にできて量
産に適し安価に提供できるし、廃棄処分も容易に
行えるなどの優れた実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は組立途上の斜視図、第２図は組立状態の斜視
図、第３図は各部材の展開図、第４図および第５
図は組立状態の垂直断面図、第６図は第４図−
線の断面図、第７図は各部材を折畳んだ状態を
示す斜視図である。 １……箱状天板部材、２……箱状底板部材、３
……周壁部材、５，５′，６，６′，７，７′，８，
８′……折込み縁、５ａ，５a′，６ａ，６a′……
切込み部、１１……側面壁、１２……前面壁、１
３……後面壁、１４……前面差込み縁、１４ａ，
１４ｂ……端部、１５……後面差込み縁、１５
ａ，１５ｂ……端部、１７……取つ手、１８……
止釦、ｍ１，ｍ１′，ｍ２，ｍ２′，ｍ３，ｍ３′，
ｍ４，ｍ４′ｍ７，ｍ８，ｍ９，ｍ１０……折目
線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 周縁に折目線ｍ１，ｍ２，ｍ３，ｍ４，ｍ
   １′，ｍ２′，ｍ３′，ｍ４′を介して前後及び左
   右の折込み縁５，６，７，８，５′，６′，７′，
   ８′を有する段ボール製の組立式箱状天板部材
   １および同様の底板部材２と、左右に２分割型
   とされた一対の段ボール製の周壁部材３，３と
   からなり、該周壁部材３，３は、側面壁１１の
   前後両側に前面壁１２および後面壁１３がそれ
   ぞれ折目線ｍ７，ｍ８を介して連設されると共
   に、該前面壁１２および後面壁１３の側端に、
   これらより上下端が短くなるように形成された
   前面および後面差込み縁１４，１５が折目線ｍ
   ９，ｍ１０を介して連設され、これら両周壁部
   材３，３が対向状に配設される一方、前記天板
   部材１および底板部材２が上記側面壁１１，１
   １の上下端間にそれぞれ配設されると共に、該
   側面壁１１，１１に止釦１８…で固定されてな
   り、前記周壁部材３，３の前面および後面差込
   み縁１４，１４，１５，１５の上下端部１４
   ａ，１４ａ，１４ｂ，１４ｂ，１５ａ，１５
   ａ，１５ｂ，１５ｂを嵌め込む切込み部５ａ，
   ６ａ，５a′，６a′が、前記天板部材１および底
   板部材２の前後の折込み縁５，６，５′，６′の
   対応位置に設けられ、更に左右の前記前面壁１
   ２，１２の少なくともいずれか一方に取つ手１
   ７が設けられてなる衣服等の収納保管用組立式
   簡易ケース。 (2) 側面壁１１が、前面壁１２、後面壁１３、前
   面および後面差込み縁１４，１５の各幅l₃，l₄，
   l₅，l₆の合計と同一又はそれ以上の幅l₁を有す
   るものである実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の衣装等の収納保管用組立式簡易ケース。