JPH07299882A

JPH07299882A - ホースの端部構造

Info

Publication number: JPH07299882A
Application number: JP6114395A
Authority: JP
Inventors: Hiroyuki Hoshijima; 啓之星島; Taido Ogawa; 泰道小川
Original assignee: MARUGO GOMME KOGYO KK
Current assignee: MARUGO GOMME KOGYO KK
Priority date: 1994-04-28
Filing date: 1994-04-28
Publication date: 1995-11-14
Also published as: US5518035A

Abstract

(57)【要約】〔目的〕接続部である端部のみに低ガス透過構造を施
し、全体的なコストを下げたホースの端部構造を提供す
る。〔構成〕低ガス透過材の層を内層１２として有するホ
ース１０において、他部品との接続部となる端部１８の
内径を拡径するとともに、拡径した内周部にゴム層２８
を内層１２に接着して設けたことを特徴とするホースの
端部構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車の燃料供給経路
のように低ガス透過性が求められる部位に使用されて好
適なホ−スの端部構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自動車の燃料供給経路の形成及びこれに
類するような他の揮発性物質移送経路の形成において
は、成形性、緩衝性及びコスト面からゴムホースを主体
とする場合が多い。ところが、最近、これらの揮発性物
質が経路を移送される間に大気中に蒸散するのを抑制す
る気運が高まっており、その方策としてゴム層にフッ素
樹脂等の低ガス透過材を層状に入れることが行われてい
る（例えば、特開平５−４４８７４号公報参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この場合、揮発性物質
はホースの径方向ばかりでなく、長手方向を通って端面
から蒸散する事態もあるから、蒸散を最も効果的に抑え
るためには、低ガス透過材の層をホースの内層に設定す
るのが最善である。一方で、この種のホースは相手パイ
プ等と接続する必要もあるから、ホースの内層にこのよ
うな硬い樹脂層が存在すると、相手部材に対する密着性
が低下してシール性が悪くなり、この部分から蒸散する
事態が生ずる。

【０００４】このため、相手部材との接合部分にシ−ル
剤や接着剤を塗布する方法や、樹脂層の内側に更にゴム
層を形成する方法が提唱されているが、前者にあって
は、相手部材に対する脱装が困難又は不能になって部材
交換ができないといった事態が考えられ、後者にあって
は、接続部からの蒸散は抑えられるものの、全長に亘っ
てゴム層を設ける点で材料に無駄が生じ、コスト高にな
るといったことが指摘される。

【０００５】本発明は、このような課題に鑑みて案出さ
れたものであり、その目的とする処は、少なくとも内層
に低ガス透過材を用いたホ−スでありながら、他部品と
の接続部のシール性が向上され、しかも、部品の着脱所
作も難なく行えるホ−スの端部構造を得ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】以上の目的を達成する
為、本発明は、低ガス透過材の層を内層として有するホ
ースにおいて、他部品との接続部となる端部の内径を拡
径するとともに、拡径した内周部にゴム層を内層に接着
して設けたことを特徴とするホースの端部構造を提供す
るものである。

【０００７】

【作用】本発明が以上の手段をとることにより、ホース
の大部分は内層に低ガス透過材の層が形成されるので、
中を流通する揮発性物質の蒸散抑制効果が高い。一方、
端部の接続部のみ、内層にゴム層が形成されるので、相
手部材に対するシール性が向上する。又、このゴム層は
低ガス透過材の内層の内周に接着されるので、両層の間
からの滲出、蒸散も抑えられる。更に、これらの構成か
らして全体のコストを安くできる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は本発明に係るホ−スの断面図であるが、本
例のホース（１０）は、フッ素樹脂（例えば、ポリテト
ラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体、その他）やポリアミ
ド樹脂等の低ガス透過材の層を内層（１２）とし、その
外周にヒドリンゴム、その他の耐候性ゴム層を被覆して
外層（１４）とした複層（二層）ホースを示している。

【０００９】図２はこのホ−スの製造過程を示す説明図
であるが、このようなホース（１０）は、先ず、コイル
状に巻いた樹脂等の芯材（３０）を供給ローラ（３２）
で繰り出し、この芯材（３０）の表面（外周）に前記し
た低ガス透過材を樹脂押出機（３４）で押し出して内層
（１２）を形成する。尚、芯材（３０）は内層（１２）
に後述する種々の処理が施されるときの強度材となるも
ので、最後には抜き取られる。

【００１０】以上の内層（１２）を表面処理（コロナ放
電処理、レ−ザ−処理、火炎処理等があり、外層（１
４）の接着性を高めるためのものである）を施す表面処
理装置（３６）、接着剤を塗布する接着剤塗布装置（３
８）を通してゴム押出機（４０）に導き、内層（１２）
の表面に前記した耐候性ゴムを被覆して外層（１４）を
形成する。これを冷却装置（４２）で冷却し、巻取りロ
ーラ（４４）で巻き取り、最後に所定長さに切断し、芯
材（３０）を抜き取って製品寸法とする。

【００１１】以上のホース（１０）では、外層（１４）
を構成するゴムを加硫する必要があるが、加硫に当たっ
ては以下のような操作を施す。図３及び図４はその操作
の説明図であるが、他部品との接続部となる端部（１
８）の内周にその内径よりも径大の径を有する栓状治具
（２０）を挿入し（図３）、この状態で加硫する。する
と、端部（１８）は内径が拡径された状態になる。

【００１２】次に、端部（１８）の拡径された内周に内
金型（２２）を内挿する（図４）。この内金型（２２）
は、拡径された部分を通過して内層（１２）の内周に突
入される筒部（２４）と、筒部（２４）と拡径された内
層（１２）との間に形成される環状空間（２６）に連続
するゴム注入路（４６）とを有しているものである。
尚、内金型（２２）を挿入する前には拡径部の内周に再
度接着性向上のための表面処理、接着剤塗布等を施して
おく。

【００１３】一方、端部（１８）における拡径された外
層（１４）の外周には割型からなる外金型（４８）を嵌
着する。この外金型（４８）は、ゴム注入時に外層（１
４）が膨張するのを抑えるためのものである。以上の操
作が完了したなら、ゴム注入路（４６）からゴムを注入
する。すると、内層（１２）の内周にゴム層（２８）が
接着された状態で成形される。

【００１４】ところで、以上のゴム層（２８）も、ＦＫ
Ｍ（フッ素ゴム）、ＮＢＲ（ニトリルブタジエンゴ
ム）、ＮＢＲ／ＰＶＣ（ニトリルブタジエンゴム／ポリ
塩化ビニール）、Ｈ−ＮＢＲ（水素添加ニトリルブタジ
エンゴム）等の低ガス透過性のゴムが好ましく、この中
から１種又は２種以上の混和物を選択する。

【００１５】図５及び図６は以上のようにして成形され
たホース（１０）を相手部材（５０）に接合した状態を
示す断面図であるが（５２は外周を締め付けるバン
ド）、このように内層（１２）の内周に形成されたゴム
層（２８）が相手部材（５０）に対して弾性変形するか
ら、密着性が増してシール性が向上するのである。この
とき、内金型（２２）の筒状部（２４）の外周に凹形溝
を設けたりしてゴム層（２８）の内周に適宜シールリッ
プ（５４）等を形成すれば、シール性が一層向上する。

【００１６】図７及び図８はゴム層（２８）の装着の他
の例を示すホース（１０）の断面図であるが、外金型
（４８）等を変更して内周にシールリップ（５４）を形
成したゴム層（２８）を外層（１４）の外周まで回り込
ませるとともに、シールリップ（５４）の真上の位置に
バンド（５２）の位置を決めるためのバンド位置決め構
造（５６）や、バンド（５２）を一体的に保持するバン
ド保持構造（５８）を施したりすれば、シール性は更に
向上する。

【００１７】ところで、以上は、本発明の限られた実施
例を示すもので、本発明は、これらの実施例に限定され
るものではない。例えば、本発明に係るホースは、低ガ
ス透過材であり、且つ、耐候性材でもあるポリアミド樹
脂等の単層ホースであってもよい。この場合、加硫操作
は必要ないが、拡径するための加熱操作が必要となろ
う。又、図９及び図１０に示しているように、外層（１
４）が中間層（１４ａ）と補強層（１４ｂ）及び最外層
（１４ｃ）の積層構造になっている複層ホ−スであって
もよい。

【００１８】

【発明の効果】以上、本発明は、ホースの大部分は内層
を低ガス透過性の樹脂層で構成できたものであるから、
このホース内を流れる揮発性物質の蒸散抑制効果が最大
限に発揮される。又、相手部材と接続される端部のみは
最内層にゴム層が形成されるのであるから、相手部材に
対する密着性が向上してシール性に優れる。

【００１９】一方で、このゴム層を低ガス透過性のゴム
で形成することにより、揮発性物質がゴム層の端面から
蒸散するのも防ぐ。更に、このような構成にすることに
より、ホースの大部分は二層で足りるから、コストを安
く製作できる。その他、内層が樹脂層のものを相手部材
に無理やり突っ込んでこれを損傷したり、相手部材との
間に接着剤やシール剤を使用して脱装不能としたりする
こともない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るホ−スの断面図である。

【図２】本発明に係るホ−スの製造過程を示す説明図で
ある。

【図３】本発明に係るホ−スの端部構造を形成するため
の説明図である。

【図４】本発明に係るホ−スの端部構造を形成するため
の説明図である。

【図５】本発明に係るホ−スと相手部材との接続状態を
示す断面図である。

【図６】本発明に係るホ−スと相手部材との接続状態を
示す断面図である。

【図７】本発明が適用される他のホ−スの断面図であ
る。

【図８】本発明が適用される他のホ−スの断面図であ
る。

【図９】本発明が適用される他のホ−スの断面図であ
る。

【図１０】本発明が適用される他のホ−スの断面図であ
る。

【符号の説明】

１０ホ−ス１２内層１４外層１８端部２８ゴム層

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】低ガス透過材の層を内層として有するホ
ースにおいて、他部品との接続部となる端部の内径を拡
径するとともに、拡径した内周部にゴム層を内層に接着
して設けたことを特徴とするホースの端部構造。
【請求項２】内層がフッ素樹脂又はポリアミド樹脂で
ある請求項１のホースの端部構造。
【請求項３】ゴム層がＦＫＭ、ＮＢＲ、ＮＢＲ／ＰＶ
Ｃ、Ｈ−ＮＢＲのうちの１種又は２種以上の混和物から
なる低ガス透過材である請求項１又は２のホースの端部
構造。
【請求項４】ホースが内層だけの単層である請求項１
乃至３のホースの端部構造。
【請求項５】ホースが内層の外周に外層が形成された
複層ホースである請求項１乃至３のホースの端部構造。
【請求項６】外層が耐候性ゴムである請求項５のホー
スの端部構造。