JPH09144955A - 固着層付き弾性ホース及びその接続構造体 - Google Patents

固着層付き弾性ホース及びその接続構造体

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JPH09144955A
JPH09144955A JP30702795A JP30702795A JPH09144955A JP H09144955 A JPH09144955 A JP H09144955A JP 30702795 A JP30702795 A JP 30702795A JP 30702795 A JP30702795 A JP 30702795A JP H09144955 A JPH09144955 A JP H09144955A
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hose
elastic hose
peripheral surface
fixing layer
elastic
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JP30702795A
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Kimihide Ito
公英 伊藤
Koichi Kitamura
浩一 北村
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性ホースを自動車エンジン回りの配管機器
に接続する場合、締結体がなくてもメンテナンスフリー
の要請に十分対応可能な優れたシール性を長期にわたっ
て維持できる弾性ホース、並びにこの弾性ホースを直接
又は接続継手を介して配管機器のパイプに接続した接続
構造体を提供する。 【解決手段】 樹脂の最内層10aをもち、端部の少な
くとも内周面に塗布されたゴム又は樹脂を主成分とする
固着層50を備えた弾性ホース10。この弾性ホース1
0の端部を、配管機器の金属パイプ20のようなホース
接続用管状部材に嵌挿した接続構造体は、固着層50に
よって弾性ホース10の端部内周面とホース接続用管状
部材の外周面とが密着固定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエンジン
やフューエルタンク等の回りに配設されるプレッシャー
レギュレータやフューエルストレーナ等の配管機器に、
直接又はクイックコネクター等の接続継手を介して接続
して使用される弾性ホース、及びその弾性ホースと配管
機器や接続継手等の管状部材との接続構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車エンジンの燃料ホース
等のような自動車に装着されるホースは、全体がゴムか
らなる弾性ホースか又は少なくとも一部にゴム層を有す
る弾性ホースが通常である。また、これらの弾性ホース
は、配管機器に接続した後、保守点検等のために使用途
中で取り外す必要のないメンテナンスフリーとすること
が要望されており、そのため通常の手段では取り外すこ
とができないように接続される傾向にある。
【0003】そこで従来は、燃料ホース等の弾性ホース
とプレッシャーレギュレータやフューエルストレーナ等
の配管機器との間に継手装置を介在させ、ホースと継手
装置の一端とを取り外しできないように固着することが
行われていた。例えば図1に示すように、弾性ホース1
0の一端部11にフレア継手等の接続金具30のインサ
ート部31を挿入し、予めホース製造工場で取り外しで
きないようにスリーブ41等の締結体でかしめて接続固
定しておき、その後自動車組立工場において接続金具3
0のインサート部31の反対側のナット状継手部32
を、フューエルストレーナー等の金属パイプ20にスリ
ーブ状締め付けネジ33等で接続固定していた。尚、図
中の12は補強系を編組した補強層である。
【0004】また、近年では、上記のような複雑な継手
装置を使用せず、ワンタッチで簡単にホース接続用管状
部材に接続できるクイックコネクターのような接続継手
が多用されている。更に、最近ではコスト削減の要望が
強くなり、部品点数を減らすことが避けられない状況に
あるため、ホースの機器への接続においても継手装置を
介在させず、燃料ホース等の弾性ホースをフューエルス
トレーナー等の配管機器に設けた金属パイプ等に直接接
続することが試みられている。
【0005】例えば、図2に示すように、弾性ホース1
0の一端部11を自動車に組み付けられたフューエルス
トレーナー等の配管機器に設けた金属パイプ20のイン
サート部21に直接嵌挿し、弾性ホース10の一端部1
1の外周にクリップ42等の各種の締結体を取り付け
て、弾性ホース10を金属パイプ20等に強く圧着固定
するものである。締結体としては、帯状弾性体をリング
状に形成し、縮径時の弾発力を利用して強く締結する図
示したクリップ42やクランプの外、締め付け部材の両
端をボルトとナット等の緊締手段により締め付け縮径す
るバンド等が知られている。尚、図中の22はホースの
抜け防止のため金属パイプ20のインサート部21の外
周面に設けた環状凸部である。
【0006】これらの従来方法は、いずれも締結体を使
用するものであるが、長期間にわたって使用すると弾性
ホースが熱劣化等をおこし、締結体で締め付けられた弾
性ホースの端部における緊締力が減少して、締結体がそ
の役目を果さなくなり、シール性が低下してしまう恐れ
があった。また、締結体の使用は、これを挿着する弾性
ホース端部に切れやクラック等を発生させる恐れがあっ
た。
【0007】実開昭61−96075号公報には、配管
等に接続したホースを締結体で締結する際に、ホースに
切れやクラックが発生することを防止するため、ホース
端末に挿着して使用するようにした、ホース端末の端面
及び内外面を囲む有底環状筒体のエラストマ材料からな
るホース端末保護キャップが開示されてる。しかし、こ
の保護キャップはホースとは別体の成形品であり、厚肉
であるうえホースに固着されていないので、ホース端末
から離脱しやすいという欠点があった。
【0008】一方、実開昭57−25292号公報に
は、可撓性チューブを接続する金属製の配管継手におい
て、その接続部分の外表面にシリコンゴム又はフッ素ゴ
ムをコーティングした配管継手が提案されている。しか
しながら、この継手にホース端部を圧入すると、挿入が
終わるまでにホース内周面で継手外周面の環状凸部がこ
すられ、環状凸部のコーティング層が局部的に摩耗する
ため、ホースと継手との間のシール性が損なわれやすい
という欠点がある。しかも、継手外周面に環状凸部があ
るため、コーティング層を均一な厚さに塗布することが
難しく、特に環状凸部の頂上部分が薄くなりやすい。こ
のため、更にシール性が低下しやすく、またシール性能
にバラツキを生じるため品質保証が難しくなる。
【0009】更に、この配管継手とホースとの接続構造
体においては、使用中にシール性が損なわれた場合、ホ
ースと配管継手の両方を交換しなければ元のシール性を
確保できない。何故なら、ホースは継手への圧入時の塑
性変形や使用中の熱劣化により緊締力が低下するため、
同じホースを再度利用しても当初の反発力がなく、継手
に充分に密着しないからである。他方、継手外周面に施
したコーティング層は、ホースを接続して一旦使用され
ると、熱と経時変化によってホースに固着し、完全に取
り除くことが容易ではないからである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の事情に鑑み、弾性ホースを自動車エンジン回りのフュ
ーエルストレーナ等の配管機器に接続する場合、締結体
を省略してコストの削減を図ると共に、締結体がなくて
も配管機器のパイプや接続継手に接続したときメンテナ
ンスフリーの要請に十分対応できるように優れたシール
性を長期にわたって維持でき、仮に使用中にシール性が
損なわれた場合であっても、ホースを更新するだけで優
れたシール性を回復できる弾性ホース、並びにこの弾性
ホースを直接又は接続継手を介して配管機器のパイプに
接続した接続構造体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供する弾性ホースは、樹脂からなる最内
層をもち、端部をホース接続用管状部材に接続して用い
る弾性ホースであって、該弾性ホースの片方又は両方の
端部の少なくとも内周面に塗布されたゴム又は樹脂を主
成分とする固着層を備えたことを特徴とする。
【0012】また、本発明の弾性ホースの接続構造体
は、樹脂からなる最内層をもち、片方又は両方の端部の
少なくとも内周面に塗布されたゴム又は樹脂を主成分と
する固着層を備えた弾性ホースと、ホース接続用管状部
材とからなり、該ホース接続用管状部材に前記弾性ホー
スの少なくとも内周面に固着層を有する端部が挿入さ
れ、該固着層によって弾性ホース端部とホース接続用管
状部材とが密着固定されていることを特徴とする。
【0013】本発明における弾性ホースは最内層が樹脂
からなり、その外側はゴムその他の材料からなる弾性ホ
ースである。特に自動車エンジン等の燃料ホースの場
合、最内層はガソリンが透過し難いフッ素樹脂(ETF
E)、ビニリデン系フッ素樹脂、ポリアミド樹脂からな
るものが好ましい。この燃料ホースの場合、最内層の厚
さは通常0.1〜1mm程度である。
【0014】また、他の望ましい燃料ホースの場合は、
内管は2層構造で構成され、その1層目(最内層)にフ
ッ素系樹脂(ETFE)を採用し、1層目の外側に2層
目としてアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R)、ヒドリンゴム(ECO)、クロロスルホン化ポリ
エチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CPE)、
アクリルゴム(ACM)等を採用する。この2層目の外
側にビニロン、ポリエステル、アラミド等の補強系から
なる補強層、更にその外側に2層目と同様の材料又はN
BRとPVCのブレンドからなる外側管を備えたものが
一般的である。
【0015】一方、この弾性ホースを接続するための接
続用管状部材は、自動車エンジンのフューエルストレー
ナー等の配管機器に設けた金属パイプのような各種配管
機器のパイプ類であっても、クイックコネクター等の接
続継手であってもよく、しかもこれら接続用管状部材は
金属製であっても樹脂製であっても良い。尚、接続用管
状部材は、接続した弾性ホースを抜け難くするため、イ
ンサート部の外周面に環状凸部を備えることが好まし
い。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の弾性ホースにおいては、
例えば図3に示すように、樹脂からなる最内層10aと
ゴムからなる外側層10bとで構成された弾性ホース1
0の少なくとも一端部11の最内層10aの内周面に、
固着層50が塗布形成してある。この固着層50を設け
た弾性ホース10は、その一端部11を配管機器の金属
パイプ20のインサート部21のようなホース接続用管
状部材に嵌挿することによって、弾性ホース10の内周
面に設けた固着層50が金属パイプ20等のホース接続
用管状部材の外周面と密着し、優れたシール性を発揮す
ると同時に、弾性ホース10をホース接続用管状部材に
固定する。
【0017】弾性ホースの端部の少なくとも内周面に施
される固着層としては、フッ素ゴム系コーティング剤、
フェノール系樹脂コーティング剤、シランカップリング
剤、高分子変成シリコーンオイル、又はフッ素、ポリエ
ーテル、アルコール等で変成した変成シリコーンゴム、
若しくはこれらの混合物等を挙げることができ、中でも
耐熱性、密着性、耐ガソリン性等に優れたフッ素ゴム系
コーティング剤が好ましい。
【0018】これらの固着剤は、溶剤で適当な粘度に希
釈して、弾性ホースに塗布される。固着剤を弾性ホース
の樹脂からなる最内層の内周面に施す方法としては、ホ
ースの端部から内側に固着剤を流し込むか又はスプレー
してホースの内周面に塗布する方法、ホースの一端部又
は両端部に固着剤を付着させたブラシ等を挿入してホー
スの一端部又は両端部の内周面にのみ塗布する方法、固
着層を構成すべき固着剤中にホースの一端部又は両端部
のみを浸漬して一端部又は両端部の端面を含め内周面と
外周面に塗布する方法、などがある。
【0019】かかる固着剤の塗布作業は、ホースの接続
直前に行っても良いが、ホース製造工場で前以て塗布す
ることが好ましい。即ち、ホース製造工程に関連して、
フッ素ゴム系コーティング剤やフェノール系樹脂コーテ
ィング剤は塗布後に容易に熱処理することができるの
で、生産性の向上が図れるからである。又、熱処理した
状態であれば、弾性ホースを組立工場に移送する途中で
固着層へのゴミ等の付着を防ぐことができるという利点
もある。
【0020】弾性ホースに塗布された固着層は、乾燥し
て溶剤を蒸発させ、流動や剥離が起こらない程度に固化
させる。その後、フッ素ゴム系コーティング剤と変成シ
リコーンゴムの場合は加熱により加硫又は半加硫し、フ
ェノール系樹脂コーティング剤、高分子変成シリコーン
オイル、シランカップリング剤の場合はそのままの状態
で、この固着層を設けた弾性ホースの端部を接続用管状
部材に圧入する。
【0021】尚、パイプ等のホース接続用管状部材に容
易に嵌挿するため、弾性ホースに塗布する固着層の厚さ
は1〜200μmの範囲が好ましく、5〜100μmの
範囲が更に好ましい。固着層の厚さが1μm未満ではそ
の効果がなく、200μmを越えると圧入時の抵抗が増
し、圧入が困難となるからである。
【0022】このようにして、固着層を有する弾性ホー
スの端部をホース接続用管状部材に嵌挿してホース構造
体を構成したとき、弾性ホースの端部と接続用管状部材
は固着層によって密着固定されると同時に優れたシール
性を発現する。即ち、フッ素ゴム系コーティング剤や変
成シリコーンゴムの固着層は、優れた弾性効果により管
状部材と密着し、特に自動車ホースでは使用中に加熱が
加わることにより更に固着層の加硫が進行して、一層優
れたシール性と固着が達成される。また、フェノール系
樹脂コーティング剤、高分子変成シリコーンオイル、シ
ランカップリング剤の場合には、前記のごとく管状部材
に圧入した後、熱処理して管状部材と接着させることに
よって優れたシール性が確保される。
【0023】固着層による弾性ホースの樹脂からなる最
内層の内周面とホース接続用管状部材との密着作用ない
し固着作用を更に強めるため、金属パイプ等のホース接
続用管状部材の外周面に表面処理を施すことも可能であ
る。かかる表面処理としては、例えば、Znメッキ又は
ZnNiメッキを施した後にクロメート処理を行う方法
が望ましい。
【0024】従って、本発明によれば、初期の使用にお
いて十分なシール性を備えることは勿論、長期間にわた
って使用を続けた場合に弾性ホースの緊迫力が低下して
も、固着層による弾性ホースの最内層の内周面とホース
接続用管状部材の外周面との密着作用ないし固着作用に
よって、良好なシール性を維持することができ、メンテ
ナンスフリーを達成することが可能となる。
【0025】更に、弾性ホースの内周面は平滑であるか
ら、固着層を均一な厚さに塗布することが容易である。
その結果、弾性ホースと管状部材との間で固着層が偏在
したり、固着層が存在しない箇所又は極端に薄い箇所が
なくなり、シール性にバラツキがなく、高い信頼性の接
続構造体が得られる。
【0026】また、本発明の接続構造体では、上記のご
とく長期にわたって優れたシール性を達成できるのであ
るが、更に使用中にシール性が損なわれた場合であって
も、弾性ホースを新しい固着層を備えたものに更新する
だけで優れたシール性を回復することができ、接続用管
状部材は元のものをそのまま続けて使用できる。
【0027】
【実施例】実施例1 本発明の一実施例を図4に基づいて説明する。図4に図
示したホース接続構造体において、弾性ホース100は
自動車の燃料系ゴムホースであり、最内層をなす第1層
100aのフッ素系樹脂と第2層100bのNBRとの
2層構造の内側層になっている。この第2層100bの
外周上にはポリエステルの補強系を編組した補強層10
0cが施され、補強層100cの外周上をCSMからな
る外側層100dが被覆している。
【0028】この弾性ホース100は加硫成形された長
尺体ホースを所定の長さに切断したものであり、その弾
性ホース100の一端部101を溶剤に溶かしたフッ素
ゴム系コーティング剤中に浸漬して、一端部101の内
周面と外周面及び端面に1〜200μmの厚さに塗布し
た後、150℃の熱風炉に30分程度投入することによ
りフッ素ゴム系コーティグ剤を半加硫して、コーティン
グ層で形成された固着層50を設けた。
【0029】この弾性ホース100の一端部101を、
図示されていない自動車エンジン回りに配設されたプレ
ッシャーレギュレータに設けた金属パイプ200のイン
サート部201に圧入して差し込んだ。金属パイプ20
0のインサート部201の先端部には、環状凸部202
が形成してある。
【0030】かくして得られた弾性ホース100と金属
パイプ200の接続構造体は、自動車を日常運行するこ
とによって、弾性ホース100の一端部101の内周面
に設けた固着層50がエンジンルームの熱により、次第
に金属パイプ200のインサート部201の外周面と弾
性ホース100の一端部101の内周面とを固着する。
その結果、この接続構造体は、長期耐久老化試験によ
り、優れたシール性を長期にわたり維持できることが確
認できた。
【0031】実施例2 図5に示すように、一端部111に固着層50を設けた
曲がり形状の弾性ホース110を、自動車エンジンのフ
ューエルストレーナー(図示せず)に接続するためのク
イックコネクターの雌部材210のインサート部211
に接続した。弾性ホース110は2層構造であり、最内
層110aにナイロン等のポリアミドが用いられ、外側
層110bとしてクロロプレンゴム(CR)が採用され
ている。
【0032】この弾性ホース110の一端部111の内
周面には、予めホース製造工程においてフッ素ゴム系コ
ーティング剤を塗布し、半加硫せしめた固着層50が設
けてある。この弾性ホース110の一端部111をクイ
ックコネクターの雌部材210のインサート部211に
圧入して接続構造体を得た。
【0033】かくして得られた弾性ホース110と接続
用管状部材であるクイックコネクターの雌部材210と
の接続構造体では、実施例1の場合と同様に、自動車を
日常運行することによって、弾性ホース110の最内層
110aの内周面に設けた固着層50が、エンジンルー
ムからの熱により次第にクイックコネクターの雌部材2
10のインサート部211の外周面と弾性ホース110
の一端部111の最内層110aの内周面とを固着する
ことができ、その結果この接続構造体は長期の耐久老化
試験により、優れたシール性を長期にわたり維持できる
ことが確認できた。
【0034】比較例として、上記と同じクイックコネク
ターの雌部材を使用し、そのインサート部の外周面に固
着層として上記と同じフッ素ゴム系コーティング剤に塗
布し、同様に乾燥及び加熱して半加硫させた後、この固
着層を設けたインサート部に、上記と同じ2層構造の弾
性ホースの端部(固着層なし)を圧入し、比較例の接続
構造体を製造した。
【0035】上記の本発明例及び比較例の各接続構造体
を、各々接続部分の複数箇所で切断し、その断面を顕微
鏡で目視観察することにより、弾性ホースの内周面とク
イックコネクターの雌部材のインサート部の外周面との
間に存在する固着層の厚さをそれぞれ測定した。その結
果、比較例では固着層が環状凸部のあるインサート部外
周面に塗布されているので厚さに大きなバラツキがあ
り、特に環状凸部の頂上部分で薄くなっているが、本発
明例ではほぼ均一な厚さであることが分かった。
【0036】次に、上記と同様にして得た本発明例と比
較例の各接続構造体について、弾性ホースの老化時間と
シール性との関係を評価した。試験は、接続構造体を1
20℃の雰囲気に一定老化時間だけ保持した後、接続構
造体の一端を閉鎖した状態で他端に圧力を付加し、漏れ
圧力(漏れが生じたときの圧力)を測定した。その結
果、比較例の接続構造体は老化時間が長くなるのに伴っ
て次第に漏れ圧力も低下してゆくが、本発明例の接続構
造体では老化時間が長くなっても約70kgf/cm2
の圧力で弾性ホースが破裂するまで漏れがなく、長期に
わたって優れたシール性を有していることが分かった。
【0037】他の実施例として、ナイロン11等のポリ
アミド樹脂からなる最内層の外周上にヒドリンゴム(E
CO)からなる中間層を施し、この中間層の外周に塩化
ポリエチレン(CPE)からなる外側層を備えた弾性ホ
ースを用い、該ホースの一端部の最内層の内周面にフェ
ノール系樹脂コーティング剤を塗布し、これをそのまま
ホース接続用管状部材に嵌挿して接続構造体を構成する
ことができる。
【0038】更に、他の実施例として、ビニレン系フッ
素樹脂からなる最内層の外周上にナイロン12等のポリ
アミド樹脂層を施し、ポリアミド樹脂層の外周上にクロ
ロプレンゴム(CR)からなる中間層を施し、中間層の
外周上にアラミド繊維等の補強層を施し、補強層の外周
にNBRとPVCとをブレンドした外側層を備えた弾性
ホースの一端部の最内層の内周面に、フッ素ゴム系コー
ティング剤を塗布した弾性ホースを用いて、同様に接続
構造体を構成することができる。
【0039】本発明は、上記した実施例を適宜組合せて
実施できることは勿論のこと、金属パイプに換えて樹脂
パイプであっても差し支えない等、本発明の主旨を逸脱
しない範囲において、他の多くの形態及び態様で実施す
ることができる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、最内層が樹脂からなる
弾性ホースの端部内周面にゴム又は樹脂を主成分とする
固着層を設けたことにより、通常使用されている配管機
器のパイプや接続継手に接続したとき、メンテナンスフ
リーの要請に十分対応することができる優れたシール性
を長期にわたって維持でき、仮に使用中にシール性が損
なわれた場合であっても、ホースを更新するだけで優れ
たシール性を回復することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】弾性ホースを継手装置を介して配管機器に設け
た金属パイプに接続した従来の接続構造体の要部を示す
概略の断面図である。
【図2】弾性ホースを継手装置を用いず配管機器に設け
た金属パイプに直接接続した従来の接続構造体の要部を
示す概略の断面図である。
【図3】弾性ホースを継手装置を用いず配管機器に設け
た金属パイプに直接接続した本発明による接続構造体の
一具体例を示す要部の概略の断面図である。
【図4】弾性ホースを継手装置を用いず配管機器に設け
た金属パイプに直接接続した本発明による接続構造体の
他の具体例を示す要部の概略の断面図である。
【図5】弾性ホースを接続継手の金属パイプに直接接続
した本発明による接続構造体の一具体例を示す要部の概
略の断面図である。
【符号の説明】
10、100、110 弾性ホース 10a、110a 最内層 10b、110b 外側層 12 補強層 20、200 金属パイプ 210 クイックコネクターの雌部材 21、31、201、211 インサート部 22、202 環状凸部 30 接続金具 41 スリーブ 42 クリップ 50 固着層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂からなる最内層をもち、端部をホー
    ス接続用管状部材に接続して用いる弾性ホースであっ
    て、該弾性ホースの片方又は両方の端部の少なくとも内
    周面に塗布されたゴム又は樹脂を主成分とする固着層を
    備えたことを特徴とする固着層付き弾性ホース。
  2. 【請求項2】 前記固着層が、フッ素ゴム系コーティン
    グ剤、フェノール系樹脂コーティング剤、シランカップ
    リング剤、高分子変性シリコーンオイル、変性シリコー
    ンゴム、又はこれらの混合物からなることを特徴とす
    る、請求項1に記載の固着層付き弾性ホース。
  3. 【請求項3】 前記固着層の厚さが1〜200μmであ
    ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の固着層付
    き弾性ホース。
  4. 【請求項4】 前記最内層が、フッ素系樹脂、ビニリデ
    ン系フッ素樹脂、ポリアミド系樹脂から選ばれた少なく
    とも1種からなることを特徴とする、請求項1に記載の
    固着層付き弾性ホース。
  5. 【請求項5】 樹脂からなる最内層をもち、片方又は両
    方の端部の少なくとも内周面に塗布されたゴム又は樹脂
    を主成分とする固着層を備えた弾性ホースと、ホース接
    続用管状部材とからなり、該ホース接続用管状部材に前
    記弾性ホースの少なくとも内周面に固着層を有する端部
    が挿入され、該固着層によって弾性ホース端部とホース
    接続用管状部材とが密着固定されていることを特徴とす
    る弾性ホースの接続構造体。
  6. 【請求項6】 前記ホース接続用管状部材が金属製又は
    樹脂製のパイプ又は接続継手であることを特徴とする、
    請求項5に記載の弾性ホースの接続構造体。
  7. 【請求項7】 前記ホース接続用管状部材に接続した弾
    性ホースが使用中に自動的に加熱され、前記樹脂からな
    る最内層をもつ弾性ホースの端部内周面とホース接続用
    管状部材の外周面とが固着層で固着されていることを特
    徴とする、請求項5又は6に記載の弾性ホースの接続構
    造体。
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