JPS63676B2 - - Google Patents

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JPS63676B2
JPS63676B2 JP56061663A JP6166381A JPS63676B2 JP S63676 B2 JPS63676 B2 JP S63676B2 JP 56061663 A JP56061663 A JP 56061663A JP 6166381 A JP6166381 A JP 6166381A JP S63676 B2 JPS63676 B2 JP S63676B2
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rubber
layer
fuel
resistance
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Kyoyuki Sato
Tadashi Suzuki
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Nissan Motor Co Ltd
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は自動車の燃料回路に配設されるフユー
エルゴムホース及びその製造方法に関するもので
ある。 (従来の技術とその解決すべき問題点) 自動車の燃料回路に使用されるゴムホースとし
ては、内管に耐油性を有するニトリルゴムまたは
エピクロロヒドリン系合成ゴムなどを用い、その
外管を耐油性、耐侯性を有するクロロプレンゴム
またはエピクロロヒドリン系合成ゴムなどにより
形成したものが一般的である。 ところで最近の自動車の排気対策の徹底に伴う
燃料供給装置の複雑化により、燃料循環系におけ
る燃料の高温化、高圧化がもたらされ、この結果
燃料の酸化現象が促進されて、過酸化成分を含ん
だ酸化燃料(サワーガソリン等)が多く生成され
うるようになつた。 しかしながら、耐燃料性、耐油性を有するゴム
材料として一般的には、ニトリルゴム(NBR)、
エピクロロヒドリンゴム(CO,ECO)があり、
特殊なものとしてはチオコール(T)、ウレタン
ゴム(U)アクリルゴム(ACM,ANM)、クロ
ロスルホン化ポリエチレン(CSM)、弗素ゴム
(FKM)、エチレンアクリルポリマー(EAP)な
どがあるが、上記酸化燃料に対しては殆どのゴム
材料が何等かの異常を示し、わずかに弗素ゴムの
みがすぐれた耐性を有するにすぎない。 したがつて、従来のエピクロロヒドリンゴムで
つくられたフユーエルゴムホースは、安価で耐燃
料性(耐ガソリン性)、耐寒性にすぐれてはいて
も、過酸化物を含む酸化燃料に接触したときに当
該過酸化物によつてゴムが軟化し、耐性が消失す
る傾向があつた。 またニトリルゴムでつくられたゴムホースは、
エピクロロヒドリンゴムでつくられたホースより
さらに安価で耐燃料性も良好であるが、耐寒性、
耐熱性に劣り、さらに酸化燃料に接触すると、ゴ
ムが硬化してヒビ割れを起すおそれがあつた。 これらのゴムホースを、燃料回路圧力の比較的
高い燃料噴射装置付機関に用いると、長期間の使
用のうちに燃料漏れやホースの抜けなどを生じる
おそれもあり、とくに燃料系統は自動車の生命と
も言え、少しの不安や異常も許されないことを考
えると、安全性の点からはなはだ不充分であつ
た。 これに対して、弗素ゴムのみでゴムホースを形
成すれば、耐熱性、耐燃料性、そしてとくに耐酸
化燃料性にすぐれた特質を発揮するが、自動車の
使用条件からエンジンルーム内の温度は120℃を
越えることがあるかと思えば、寒冷地では−40℃
以下になることもあり、この点弗素ゴムは−25〜
−30℃程度の耐寒性しかないため問題がないとは
言えない。また、弗素ゴムは普通のゴム材料の10
〜20倍の価格(耐寒性のすぐれたものはさらに高
価で、通常の弗素ゴムの6〜10倍)であつて、経
済性に最大の難点がある。 この点について、高価な弗素ゴムの使用量を減
らしつつ、その耐熱性は確保する目的で、特開昭
52−44889号公報にて、耐熱ゴムを挾んでその内
外に弗素ゴムを積層したゴムホースが提案されて
いる。 しかし、このゴムホースでは、内側弗素ゴムの
外層の耐熱ゴムとして、クロロプレンゴム
(CR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴ
ム(X―IIR)、エチレンプロピレンターポリマ
(EPDM)、エチレンプロピレンゴム(EPR)等
を単独あるいはブレンドしたものを用いており、
これらが全て耐燃料性がないために、フユーエル
ゴムホースとしての使用には全く不向きである。 つまり、内層の弗素ゴムに耐燃料性があるとし
ても、燃料の透過を完全に防ぐことはできず、こ
の結果、微量ではあるが弗素ゴムを透過した燃料
によつて徐々に耐燃料性の乏しい外層のゴムが侵
されてしまうのである。 燃料の透過を少なくするように弗素ゴムの肉厚
を厚すくすれば、価格的に問題を生じるし、また
上記した耐寒性を考慮すると弗素ゴムのみで形成
したゴムホースと同様な欠陥は回避できない。 この他に、内管をテフロン、ナイロンなどの合
成樹脂で形成し、その外側に補強層や保護層を備
えるものとして、例えば実公昭49−7938号がある
が、このフユーエルゴムホースは、耐油性、耐燃
料性、耐寒性を有する反面、柔軟性に欠けるた
め、自動車の広範な振動を受けると、金属配管と
の接続部において無理がかかり、燃料漏れを生じ
ることが多く、また、耐酸化燃料性については、
テフロンを除いてほとんどの合成樹脂が耐性に劣
り、硬化や亀裂等を生じてしまい、さらに多層化
した合成樹脂製ホースは、内層と外層との接着性
が悪く剥離しやすいなど、自動車の燃料配管材料
としては難がある。 本発明は、鋭意研究の結果、弗素系ゴムは単に
酸化燃料に耐性があるだけでなく、これを酸化燃
料が透過するとき、酸化燃料中の過酸化成分の透
過を阻止するスクリーン効果をもち、しかもこの
スクリーン効果は生産上可能な限り薄い肉厚であ
つても常に同等に発揮されるという現象を発見
し、この点に着目してなされたもので、最内層を
ごく薄い弗素系ゴム層、その外側が過酸化物を含
まない透過燃料に対する耐性と耐寒性にすぐれた
同じく薄いエピクロロヒドリン系合成ゴムからな
る二重接着ゴム層を構成することにより、弗素系
ゴムのもつ長所、つまり耐酸化燃料(特に過酸化
物に対するスクリーン効果)、耐熱性を生かしつ
つ、その短所である耐寒性に劣りかつ高価である
ことをエピクロロヒドリン系合成ゴムのもつ耐寒
性と低価格性で補い、しかも酸化燃料に対するエ
ピクロロヒドリン系合成ゴムの決定的な欠陥を十
分にカバーして、この使用を実用上全く支障のな
いようにすることを目的とする。 (問題点を解決するための手段) そこで本発明は、第1の発明として、酸化燃料
に耐性がありかつ酸化燃料中の過酸化物の透過を
阻止するスクリーン効果をもつ弗素系ゴムの内層
と、その外側の透過燃料に対する耐性とすくなく
とも耐寒性をもつエピクロロヒドリン合成ゴム
(エピクロロヒドリンとエチレンオキシドの共重
合体をいう、学術名:ECO、略称:CHC)の外
層とで一体の二重接着ゴム層を構成し、前記内層
の肉厚は0.2〜0.7mmに、外層の肉厚は0.5〜1.0mm
にそれぞれ形成するとともに、前記二重接着ゴム
層の外側に繊維からなる補強層並びにその外側に
保護層をそれぞれ形成して自動車用フユーエルゴ
ムホースを構成した。 また、第2の発明はこのようなフユエルゴムホ
ースの製造方法であり、即ち二重環の口金の最内
径部に対し全周にわたつて隙間が得られるように
フレキシブル芯材を前記口金の中心部に配設し、
該芯材の外側に肉厚0.2〜0.7mmの弗素系ゴムを、
その外側に肉厚0.5〜1.0mmのエピクロロヒドリン
系合成ゴムをそれぞれ同一可塑状態において前記
二重環の口金を介して押出成形して一体の二重接
着ゴム層を構成し、このゴム層の外層に繊維から
なる補強層並びにその外側に保護層を形成すると
ともに、前記二重接着ゴム層、補強層、保護層を
加硫一体化した後にフレキシブル芯材を除去する
ことにより自動車用フユーエルゴムホースを形成
する。 (作用) 上記本発明のフユーエルゴムホースにおいて、
酸化燃料中の過酸化物は内層を構成する弗素系ゴ
ム層のスクリーン効果により外側への透過が阻止
されるので、この弗素系ゴム層を透過してきた燃
料は過酸化物を含まず、外層を構成するエピクロ
ロヒドリン系合成ゴムに対しては無害化する。一
方、このようにして酸化燃料の影響を除去された
外層により耐寒性、耐緊締力性など耐酸化燃料性
の他に自動車用フユーエルゴムホースとして保有
すべき特性が確保される。なお、前記スクリーン
効果は弗素系ゴムの耐酸性に依存するものではな
く、酸化燃料中の過酸化物の透過を阻止する機能
であるから、たとえ耐酸性があつても過酸化物の
透過を許容してしまう他の材料ではこれを期待す
ることはできない。 また、上記フユーエルゴムホースにあつては、
内層の肉厚0.2〜0.7mmに対応して外層の肉厚も0.5
〜1.0mmと薄いので、特に低温下での耐久性が向
上する。即ち、仮に外層の肉厚が数ミリ以上もあ
ると、内外層間で燃料透過率が著しく相違し、内
層を透過してきた燃料がこの厚い外層を通過して
大気へと拡散していくまでに時間がかかり、換言
すれば内外層の間に一時的に燃料が滞留した状態
になるため、特に低温下では内層の弗素系ゴムが
劣化して剥離するおそれが生じるが、内層に対応
して設定された外層が前記の厚さであれば燃料が
滞留することは無いため、このような不都合が生
じるおそれは無い。 他方、上記本発明の自動車用フユーエルゴムホ
ースの製造方法にあつては、最内側に位置させた
フレキシブル芯材が、弗素系ゴムからなる内層の
肉厚を0.2〜0.7mmと非常に薄くしてもその真円度
や内径・肉厚の精度を高く保つためホース内面に
確実に弗素系ゴムの層が形成される。また、エピ
クロロヒドリン系合成ゴムと弗素系ゴムとを同一
可塑状態で二重環の口金から押出成形するので、
弗素系ゴムの内層のみならず、その外側のゴム層
も均一な肉厚が得られ、かつ優れた同心性や相互
の接着性も得られる。さらに、各層を加硫一体化
した後にフレキシブル心材を除去するので製造中
の変形や亀裂発生が防止される。 (実施例) 以下、本発明の実施例を説明する。 第1図の実施例において、最も内側に位置する
ゴム層1は、耐酸化燃料性、耐燃料性、耐熱性に
すぐれ、しかも酸化燃料中の過酸化物の透過を阻
止するスクリーン効果のある弗素系ゴムで形成さ
れ、その外側のゴム層2は、上記透過燃料に対す
る耐性があるとともに耐寒性を備え、さらに耐緊
締力性、耐熱性にすぐれたエピクロロヒドリン系
合成ゴムで形成される。このゴム層2は酸化燃料
に対する耐性は必要ないが、通常の非酸化状態の
燃料に対する耐性をもつこてが必須の条件とな
る。 そして、内側のゴム層1は、その肉厚が0.2〜
0.7mmに、外側のゴム層は同じく0.5〜1.0mmにそれ
ぞれ設定され、これらゴム層1,2は押出機によ
り同時に二重チユーブ状に押出形成して、異質の
ゴム材料を強固に接着させて一体化する。 この場合、押出成型機の押出口金(ダイ)を二
重環構造として、その内側中心部にはゴム材料を
保持する中子としてフレキシブル芯材を配置し、
2台の押出成型機から同一的可塑状態の弗素系ゴ
ムとエピクロロヒドリン系合成ゴムとを、上記口
金の内外環状部へと送り出すことにより、二重チ
ユーブ状に押出成形する。 このとき、外層ゴム層2を形成する材料中に接
着付与物質を添加することにより、内外ゴム層
1,2の接着性をさらに良好にできる。 ゴム層1の内側に配設するフレキシブル芯材
は、上記のようなゴム層1の肉厚(0.2〜0.7mm)
あるいは真円度や内径の精度を良好に保つのに極
めて有効で、生産性の向上にも寄与する。 次に、ゴム層2の外側には補強層3が形成さ
れ、この補強層3はホース強度部材としての耐熱
性にもすぐれたガラス繊維、ポリエステル繊維、
ポリアマイド繊維あるいはビニロン繊維、綿など
の編組したもので、さらにその外側には補強層3
を保護する耐熱性、耐油性、耐候性及び難燃性の
ある合成ゴムの保護層4、例えばエチレンアクリ
ルゴム、クロロプレンゴム、エビクロロヒドリン
ゴムなどの被覆層を形成し、さらにこれら各層1
〜4を全て一体化するため加硫してフユーエルホ
ースを形成する。そしてこの加硫後にフレキシブ
ル芯材を除去する。 なお、第2図の実施例では、保護層4の外側に
さらに補強層5を繊維材料で形成し、その強度を
一層高めるようにしている。 以上のような構成からなり、したがつて燃料油
に直接的に触れる内側ゴム層1は弗素系ゴムで形
成してあるから、全ての燃料油に対して侵される
ことがなく、また製造時フレキシブル芯材により
真円度を確保できるとともに、長期間にわたり良
好な耐久性を備え、しかも極薄層とすることによ
り経済的にも高価格化が回避でき、かつ低温時の
柔軟性を失うこともない。 ところで、実験によれば酸化燃料が弗素ゴム層
を透過すると、既述したとおり弗素ゴムがスクリ
ーン効果を発揮し、酸化燃料中の過酸化物の透過
を阻止して、その内側ゴム層外面に透過してくる
量を著しく減少させ、外側のエピクロロヒドリン
合成ゴムに対してこれを侵すことのない不活性な
燃料になることが確認された。したがつて、仮に
弗素ゴム層1を上記のように燃料が透過したとし
てもその外側のエピクロロヒドリン系合成ゴムを
侵すことがなく、このため弗素系ゴムからなるゴ
ム層1を0.2〜0.7mmと非常に薄くしても、安全で
長寿命のフユーエルゴムホースが得られるのであ
る。そして、勿論外側のゴム層2は弗素ゴム層1
によつて酸化燃料との直接的な接触も避けられる
ので、これらが相まつてゴムの変質を確実に防止
しつつ、その特徴である耐寒性、耐緊締力性など
第1のゴム層1にない性質を充分に発揮し、これ
ら第1、第2のゴム層1,2が相まつて極めて良
好な性能が得られる。 また、上記フユーエルゴムホースにあつては、
内層の肉厚に対応して燃料の透過率が概略等しく
なるように、外層の肉厚も0.5〜1.0mmと薄くした
ので、内側のゴム層1と外側のゴム層2との間に
おける透過燃料の滞留を回避して低温下での劣化
を防止し、優れた耐久性を持たせられる。つま
り、内側のゴム層1はスクリーン効果により過酸
化物の透過は阻止するものの僅かずつではあるが
燃料の透過は免れない。この透過燃料はさらに外
側のゴム層2を拡散していくが、内外層間で燃料
の透過割合が相違すると、内外層間に燃料が滞留
し、内外層間の接着面に剥離等を引き起こす。本
発明は前記のとおり、内外のゴム層1,2の肉厚
を燃料の透過バランスを考慮して適切に設定した
ことから、このような問題を生じないのである。 また、これらゴム層1,2の機械的強度を補う
ための繊維質の補強層3,5があるから、振動な
どにもとづく引張りや折れ曲がりに対しても充分
な耐久性を発揮する。なお、この補強層3,5に
は、外層2が上述の通り薄肉であるのでバルジの
挿入性を良好に保ちつつも充分な耐圧強度を付与
することができる。 さらに、内部のゴム層1,2及び保護層4が全
て合成ゴムで形成されるため、従来のゴムホース
と比べても可撓性、柔軟性などの点で何等遜色は
なく、したがつて合成樹脂あるいは合成樹脂に合
成ゴムを被覆したホースに比べて、激しい振動を
うける自動車用フユーエルゴムホースとして振動
の吸収特性など格段とすぐれた性能を有する。勿
論、保護層4の存在により、耐油性、耐熱性など
も充分に高められ、かつ高温のエンジンルーム中
に配置される自動車用フユーエルゴムホースとし
て難燃性であるため火災の危険性も減じることが
できる。 また、第1、第2のゴム層の成形接着にあたつ
ては、同時に可塑状態で押出成形するため、接着
性が極めて良好であつて、従来のように接着前に
いずれか一方の接着面にエツチング等の粗面形成
をする必要がなく、接着性能も振動、曲げにもと
づく剥離に対してすぐれた耐久性を発揮する。 次に、上記弗素ゴムのもつ酸化燃料に対するス
クリーン効果を証明するための実験結果を示す。 第3図の実験装置は、弗素ゴムシート10とヒ
ドリンゴムシート11とを積層して仕切つたタン
ク12の内槽Aに、循環試験でできた酸化燃料
(サワーガソリン)13を1入れて、約100℃の
状態で336時間にわたり、加熱保持する。 なお、ゴムシート10,11を支えるために、
内槽B側にメツシユの金綱14を張設する。 そして、ゴムシート10,11を透過して内槽
Bに移動した燃料ベーパを、管路15を経由して
冷却装置16に導き、その貯留槽17に液化燃料
をためる。 内槽Aの酸化燃料に含まれる過酸化物濃度は、
20000PPM[ただしL.P・O(Lauroyl Peroxide)
換算濃度]である。 この実験により、弗素ゴムシート10及びヒド
リンゴムシート11を透過してきたガソリンの量
と、その中に含まれる過酸化物濃度は第21頁の
表(1)のようになつた。ただし、表中の実施例
1と2は弗素ゴム(FPM)、ヒドリンゴム
(CHC)の厚みをそれぞれ変化させた場合、比較
例1と2はそれぞれを単独で用いた場合である。 この表(1)から、弗素ゴム(FPM)が酸化燃料
中の過酸化物の透過を防止する機能、つまりスク
リーン効果のあることがわかる。なお、ヒドリン
ゴムのみの場合はゴム自体が軟化してしまい、耐
食性そのものがない。 次に同頁の表(2)に、弗素ゴムの厚みを異なつた
ものとしたときの、ヒドリンゴムの性状(機械的
強度)の変化についての試験結果を示す。 この表(2)からは、弗素ゴムが薄くても、厚くて
もそのスクリーン効果はほとんど変化しないこと
が判る。 したがつて、弗素ゴムを内層として用いる限
り、その厚みは実用上可能な限り薄くすること
が、耐寒性や生産コストの点からむしろ好まし
い。 次に内管の最内側弗素ゴムとその外層のエピク
ロロヒドリンゴムの肉厚構成別ホースの低温燃料
洩れ性能試験結果を同頁の表(3)に示す。 この表(3)において、最低圧力とは−30℃で洩れ
が発生する最低圧力であり、これが低くなるほど
燃料洩れが生じやすいことを意味するから、耐寒
性の観点から弗素ゴムのみのホースは不適当であ
ることが判り、一方本発明の弗素ゴムの厚み
(0.2〜0.7mm)の範囲内では充分な耐洩れ特性を
示している。 さらに、第22頁の表(4)―1,2に、それぞれ弗
素ゴムとエピクロロヒドリンゴムとの耐酸化燃料
性についての試験結果を示す。 この表(4)―1,2からは、エピクロロヒドリン
ゴムは弗素ゴムを透過してそのスクリーン効果に
より、過酸化物濃度の低い(ただし約1000PPM)
燃料に対しては充分な耐食性を発揮できるが、透
過前の濃度(約10000PPM)の酸化燃料に対する
耐食性はほとんどないに等しいことが判る。ちな
みに、表(1)に示したように20000PPMの過酸化物
濃度の酸化燃料が、0.3〜0.5mmの厚さのFPM層を
透過したのちは、その過酸化物濃度は230〜
250PPMにすぎない。むろん、弗素ゴム自体は高
濃度の酸化燃料に対しても、全く侵されない。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 (発明の効果) このように本発明によれば、フユーエルゴムホ
ースとして、肉厚が0.2〜0.7mmという極く薄い弗
素系ゴムからなる内層と、その外側の肉厚0.5〜
1.0mmのエピクロロヒドリン系合成ゴムからなる
外層とで一体の二重接着ゴム層を形成したので、
薄肉弗素系ゴムにより酸化燃料中の過酸化物の透
過を阻止するというスクリーン効果が発揮でき、
酸化燃料による外層のエピクロロヒドリン系合成
ゴムの侵食が防止できると共に、内外層内におけ
る透過燃料の滞留を防いで特に低温下での内層の
劣化及び剥離を防止して優れた安定性を確保でき
る。また、外層に用いたエピクロロヒドリン系合
成ゴムにより、内側の弗素ゴムにない耐寒性、耐
緊締力性などの性質が充分発揮でき、内外両層が
相まつて極めて良好なフユーエルゴムホースが得
られると共に、さらにこの外側に補強層、保護層
を付加したため、自動車用フユーエルゴムホース
としての信頼性が一層向上する。また、内層を構
成する弗素系ゴムの肉厚が前述の通り極めて薄く
て済むので、価格的にも低廉に抑えられるという
効果が得られる。 また、本発明の自動車用フユーエルゴムホース
の製造方法では、最内側にフレキシブル芯材を配
置するため、弗素ゴムの肉厚を0.2〜0.7mmと薄く
しても真円度や内径の精度が高く、また、弗素ゴ
ムと外層のエピクロロヒドリン系合成ゴムとは、
同一可塑状態で、二重環の口金を介して押出成形
するので、各層の肉厚が均一化し、かつ同心性や
相互の接着性が良好になり、これにより振動や曲
げにもとづく剥離が防止できる。また、二重接着
ゴム層、補強層、保護層を加硫一体化した後にフ
レキシブル芯材を除去するので製造中の変形や亀
裂等が防止できホースの真円度や径の精度が確保
できる。 このように本発明によれば、自動車用燃料系統
のフユーエルゴムホースとして過酷な使用条件に
対し、多層のゴム層の各々の特性を十分に活かす
と同時に、各々の欠点点を補い、これらが相乗的
に作用して耐酸化燃料性、耐寒性などの性能改
善、並びに価格の低減化、生産性の向上が期待で
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例の一部を切欠い
た斜視図、第2図は第2の実施例の同じく斜視
図、第3図は酸化燃料の透過試験を行うための試
験装置の概略構成図である。 1…内側ゴム層、2…外側ゴム層、3…補強
層、4…保護層、5…補強層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酸化燃料に耐性がありかつ酸化燃料中の過酸
    化物の透過を阻止するスクリーン効果をもつ弗素
    系ゴムの内層と、その外側の過酸化物を含まない
    透過燃料に対する耐性とすくなくとも耐寒性をも
    つエピクロロヒドリン合成ゴムの外層とで一体の
    二重接着ゴム層を構成し、前記内層の肉厚は0.2
    〜0.7mmに、外層の肉厚は0.5〜1.0mmに各々形成す
    るとともに、前記二重接着ゴム層の外側に繊維か
    らなる補強層並びにその外側に保護層をそれぞれ
    形成したことを特徴とする自動車用フユーエルゴ
    ムホース。 2 二重環の口金の最内径部に対し全周にわたつ
    て隙間が得られるようにフレキシブル芯材を前記
    口金の中心部に配設し、該芯材の外側に肉厚0.2
    〜0.7mmの弗素系ゴムを、その外側に肉厚0.5〜1.0
    mmのエピクロロヒドリン系合成ゴムをそれぞれ同
    一可塑状態において前記二重環の口金を介して押
    出成形して一体の二重接着ゴム層を構成し、この
    ゴム層の外層に繊維からなる補強層並びにその外
    側に保護層を形成するとともに、前記二重接着ゴ
    ム層、補強層、保護層を加硫一体化した後にフレ
    キシブル芯材を除去することを特徴とする自動車
    用フユーエルゴムホースの製造方法。
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JPS5244889A (en) * 1975-10-07 1977-04-08 Bridgestone Corp Thermostable rubber laminates

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JPS571889A (en) 1982-01-07

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