JP2008248994A - 低ガス透過性ホース - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリビニルアルコールの樹脂膜にて構成したガスバリア層による耐ガス透過性を低下させず、ガス透過を良好に抑制することのできる低ガス透過性ホースを提供する。
【解決手段】低ガス透過性ホース10を、ポリアミド樹脂の最内層12と、バリア層14と、内ゴム層16と、第1補強層18及び第2補強層22と、それらの間の中間ゴム層20と、外ゴム層24との積層構造とする。そのバリア層14は、けん化度90%以上のポリビニルアルコールの樹脂膜にて形成し、且つ第1補強層18は編組角度を静止角度よりも小さい角度とし、一方第2補強層22は編組角度を静止角度よりも大きい角度としてそれぞれ構成する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、エアコンホース等の冷媒輸送用ホース、燃料電池用ホース、あるいは燃料ホースに用いて好適な低ガス透過性ホースに関する。
従来より、ゴム層を主体として構成したホースが産業用,自動車用のホースとして各種用途に広く使用されている。
このようなホースを用いる主たる目的の1つはホースにて振動吸収することにある。
例えば自動車のエンジンルーム内に配設される配管用ホースの場合、エンジン振動やエアコンのコンプレッサ振動(エアコンホース即ち冷媒輸送用ホースの場合)、車両の走行に伴って発生する各種の振動をホース部分で吸収し、ホースを介して接続されている一方の部材から他方の部材へと振動が伝達されるのを抑制する役割を担っている。
このゴム層を主体としたホースはまた、自動車のエンジンルーム内等に配管用ホースとして用いる場合、その高い可撓性に基づいて配管レイアウトに沿った取回しや組付性にも優れている。
ところでエアコンホース等の冷媒輸送用ホースにあっては、近年、環境保全の観点から内部流体としての冷媒のガスに対する耐透過性(低透過性)の要求が高まっており、こうした要請に対して従来のゴムホースでは十分に対応することができない。
そこで、例えば下記特許文献1に開示されているようにポリアミド樹脂の層を最内層として形成し、その最内層にて内部流体のガスに対する耐透過性を持たせるようになしたものが提案されている。
ところで、従来からエアコンの冷媒として用いられてきたフロンは大気中のオゾン層破壊に繋がることから既にその使用が禁止されており、またこれに代わるR134a等の代替フロンも使用が制限される方向であり、そこでこれに代わる冷媒として二酸化炭素(CO)冷媒が注目され、実用化に向って研究が進められている。
しかしながら二酸化炭素冷媒は、従来から用いられている冷媒に比べてホースに対する透過性が著しく高く、冷媒のガスに対して耐透過性を持たせた従来の低ガス透過性ホースではガス透過を十分に抑制することができない。
而して二酸化炭素冷媒がガス透過によって失われて行くと、もともとこの二酸化炭素冷媒は冷媒としての能力が従来からのものに比べて低いために、エアコンの冷房能力が低下してしまう。
冷媒輸送用ホースにおいて、冷媒に対する耐透過性を高めるために金属箔のテープをゴム層にスパイラル状に巻き付けてバリア層としたものが、下記特許文献2に開示されているが、このようにホースの断面中間位置に金属層を形成してしまうとホースとしての柔軟性が失われ、また内圧の繰返し作用によるホースの変形等によって異質の金属層が長期の間に剥離を生じ易く、而してそうした剥離が生じると耐透過性を確保できなくなってしまう。
こうした事情の下で、本発明者らはガス透過に対する耐透過性(低透過性)に高い能力を有するポリビニルアルコール(けん化度90%以上)の樹脂膜をホース断面の中間に積層して、これをガスのバリア層となしたホースを開発し、先の特許願(特願2006−151305:未公開)において提案している。
ポリビニルアルコール(PVOH)は材料的に炭酸ガス,窒素ガス,酸素ガス等多くのガスを通し難く、優れたガスバリア性を有していることが従来知られており、そこで本発明者らはこのポリビニルアルコールの樹脂膜をホース断面の中間位置にガスのバリア層として積層したものを案出した。
そしてこのホースは、ポリビニルアルコールの樹脂膜(バリア層)によって、二酸化炭素冷媒に対しても優れた耐透過性を有していることを確認した。
このポリビニルアルコールの樹脂膜をバリア層として有する低ガス透過性ホースは、近い将来使用される二酸化炭素冷媒の輸送用ホースとして極めて有望なものである。
しかしながらこのポリビニルアルコールの樹脂膜をガスのバリア層として用いた低ガス透過性ホースは、新たな問題として次のような問題を内包している。
通常、ホース断面に積層される樹脂の層は押出成形にてゴム層等と積層状態に形成されるが、このポリビニルアルコール樹脂は融点が230℃に対して分解温度が270℃前後であり、融点と分解温度が近く、通常の押出成形が難しい。
一方でこのポリビニルアルコール樹脂は、樹脂としては例外的に温水に可溶(メタノール,エタノール等のアルコールにも可溶)といった特徴的な性質を有しており、そこでこの性質に着目して本発明者らは、ホース断面へのポリビニルアルコールの樹脂膜の製膜の方法として、樹脂層を最内層として設け、そしてポリビニルアルコール樹脂の粉末を温水に溶解してコーティング液とし、そこに樹脂の最内層をディッピング(浸漬)して最内層の外面にコーティング液を塗布し、その後乾燥処理により溶剤である水を飛ばして除去し、樹脂の最内層の外面にポリビニルアルコールの樹脂膜を形成する方法を案出した。
この製膜の方法は先の特許願においても開示されている。
ポリビニルアルコールの樹脂膜を断面中に有する低ガス透過性ホースは、その後においてゴム層の押出成形、補強層の編組形成等によって得ることができる。
尚、ポリビニルアルコールの樹脂膜は上記のディッピング以外の他の様々な塗布方法によっても形成することが可能である。
しかしながら何れにしてもこのポリビニルアルコールの樹脂膜は、水溶液等の溶液状態での塗布処理によって形成されるものであることから、実際的に形成することのできる膜厚はおのずと限られている。具体的にはこのポリビニルアルコールの樹脂膜は、通常1回の塗布処理にて得られる膜厚は10μ程度のものである。
一方、二酸化炭素冷媒は従来の冷媒に比べて冷媒としての能力が低いことから、かかる二酸化炭素冷媒を用いたエアコンにおいては、必然的に二酸化炭素冷媒の流通する流路内圧、即ちホース内圧が従来に比べて格段と高くなる。
例えば従来、その内圧は常用圧力で1.5〜2MPa程度であったのが、二酸化炭素冷媒を用いる場合には常用圧力で15MPa程度となり、従来に比べて10倍に近い圧力増となる。
この場合、その高い内圧の負荷によってホースが膨らみ、これに伴ってポリビニルアルコールの樹脂膜、即ちバリア層の膜厚が薄くなってしまう。
このポリビニルアルコールの樹脂膜は、もともとの膜厚が薄いものであり、従ってホースの膨れによって膜厚が更に薄くなると、ガスバリア性能の低下の度合いが大となり、場合によってはその樹脂膜の本来有するガスバリア性を十分発揮できなくなってしまう問題を生じるのである。
以上エアコンホース等の冷媒輸送用ホースを中心として問題点を述べたが、こうした問題はガス透過を抑制すべき他のホース、例えば燃料ガスの透過が問題となる燃料ホースやその他低ガス透過性の求められる各種のホースにも共通して生じ得る問題である。
特許第3107404号公報 特開2003−336774号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、ポリビニルアルコールの樹脂膜にて構成したバリア層による耐ガス透過性を低下させず、その有する耐ガス透過性を十分に発揮させ得てガス透過を良好に抑制することのできる低ガス透過性ホースを提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、(イ)内ゴム層と、(ロ)該内ゴム層の外側に積層された、補強線材を編組して成る内側の第1補強層及び外側の第2補強層と、(ハ)該第2補強層の更に外側に積層された外ゴム層と、(ニ)前記内ゴム層の更に内側に積層された、内部流体のガスに対して耐透過性を有するバリア層と、を有する積層構造の低ガス透過性ホースであって、樹脂層にて最内層を形成するとともに、該最内層を支持層として、その外側にけん化度90%以上のポリビニルアルコールの樹脂膜を前記バリア層として積層形成し、且つ前記第1補強層は編組角度を静止角度よりも小さい角度とし、一方前記第2補強層は編組角度を該静止角度よりも大きい角度としてそれぞれ構成してあることを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1における低ガス透過性ホースが、前記内部流体として冷媒を輸送する冷媒輸送用ホースであることを特徴とする。
請求項3のものは、請求項2における低ガス透過性ホースが、前記冷媒が二酸化炭素冷媒であることを特徴とする。
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおける低ガス透過性ホースが、前記最内層がポリアミド樹脂を用いて構成してあることを特徴とする。
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおける低ガス透過性ホースが、前記第1補強層の編組角度が45°〜55°未満の範囲内であり、前記第2補強層の編組角度が55°超〜60°の範囲内であることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように本発明は、樹脂層にて最内層を形成し、その最内層を支持層としてその外側に、けん化度90%以上のポリビニルアルコール(PVOH)の樹脂膜をバリア層として積層形成し、且つ第1補強層は編組角度を静止角度よりも小さい角度とし、一方第2補強層は編組角度を静止角度よりも大きい角度としてそれぞれ構成したものである。
断面の中間位置且つ補強層より内側にポリビニルアルコールの樹脂膜をバリア層として有する低ガス透過性ホースの場合、上記のように流体輸送時にホースに高い内圧がかかってポリビニルアルコールのバリア層が径方向外方への膨らみを生じると、かかるポリビニルアルコールのバリア層はもともとの形成可能な膜厚が薄いものであるため、膨らみによる膜厚の減少によってガスに対する耐透過性が低下してしまう。
そこで本発明は、内圧がかかったときにポリビニルアルコールのバリア層の膨らみ、即ち膜厚の減少変化を可及的に少なくするように補強層を構成したものである。
通常、補強線材を編組して成る内側の第1補強層と、外側の第2補強層とを有する補強ホースにあっては、第1補強層と第2補強層との間にゴム層等の中間層を介在させ、また第1補強層,第2補強層ともに編組角度を静止角度(55°)として各補強層を構成する。
これを本発明の低ガス透過性ホースに適用して第1補強層,第2補強層ともに編組角度を静止角度としたとき、流体輸送時にホースに内圧がかかったとき、第1補強層と第2補強層との間に径差(径方向寸法差)があるために、主として内側の第1補強層が補強層内側のポリビニルアルコールのバリア層の膨らみを抑える働きをなし、外側の第2補強層はバリア層の膨らみに対してその補強効果、即ち膨らみに対する抑制効果を十分に発揮しない。
そのため、内圧作用時に内側の第1補強層に主として荷重が集中して、第1補強層の糸切れを引き起こし、結果的にポリビニルアルコールのバリア層の膨らみを十分に抑止することができない。
しかるに本発明に従い、内側の第1補強層については編組角度を静止角度よりも小さい角度とし、一方外側の第2補強層については編組角度を静止角度よりも大きい角度としてそれぞれ構成した場合、流体輸送時にホースに内圧がかかったとき、その内圧の作用によって内側の第1補強層が大径化し(但しその程度は微小)径方向位置が第2補強層に近くなる。
一方外側の第2補強層は、内圧がかかったときに、その内圧の作用によって小径化し、径方向位置が内側の第1補強層に接近する。
その結果、第1補強層と第2補強層は当初よりも径方向に近接してそれらの径差が小となり、ホースにかかる内圧をそれら第1補強層と第2補強層とが協働して分担して補強効果を発揮し、補強層の内側のポリビニルアルコールのバリア層の、内圧による膨らみを効果的に抑制する。
その結果本発明のホースにあっては、第1補強層及び第2補強層によって、ポリビニルアルコールのバリア層の膨らみによる膜厚の減少が効果的に抑制され、これによりポリビニルアルコールのバリア層の膜厚の減少変化による耐透過性の低下を防止して、内部流体のガスの耐透過性を良好に確保することが可能となる。
即ち本発明では、ポリビニルアルコールのバリア層による高い耐ガス透過性と、補強層によるバリア層の膨らみ抑制効果とによって、優れた低ガス透過性をホースに付与することができる。
本発明のホースは、内部流体として冷媒を輸送する冷媒輸送ホースに用いて好適なものであり(請求項2)、特に冷媒として二酸化炭素冷媒を輸送するホースに適用して好適なものである(請求項3)。
また本発明のホースは、樹脂の最内層をポリアミド樹脂を用いて構成しておくことが望ましい(請求項4)。
このことによってホース全体の耐ガス透過性をより一層高めることができる。
また本発明では、第1補強層の編組角度を45°〜55°未満の範囲内の角度とし、一方第2補強層の編組角度は55°超〜60°の範囲内としておくことが望ましい(請求項5)。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は冷媒輸送用ホース、特に二酸化炭素冷媒の輸送用のホース等、常用圧15MPa以上で使用されるホースに用いて好適な低ガス透過性ホース(以下単にホースとする)で、樹脂層からなる最内層12と、その外側のポリビニルアルコールの樹脂膜からなるバリア層14と、その外側の内ゴム層16と、その外側の第1補強層18及び第2補強層22と、最外層としての外ゴム層24との積層構造をなしている。
ここで第1補強層18と第2補強層22との間には中間ゴム層20が介装されている。
最内層12の材料としては各種の樹脂材を用いることが可能であるが、ここではポリアミド樹脂を用いて最内層12を構成するのが望ましい。
ポリアミド樹脂としては、例えばポリアミド6(PA6),ポリアミド66(PA66),ポリアミド99(PA99),ポリアミド610(PA610),ポリアミド612(PA612),ポリアミド11(PA11),ポリアミド912(PA912),ポリアミド12(PA12),ポリアミド6とポリアミド66との共重合体(PA6/66),ポリアミド6とポリアミド12との共重合体(PA6/12)等を例示することができ、これらを単独或いは2種以上併せて用いることができる。
なかでも層間接着性に優れることと、冷媒に対する耐透過性(低透過性)に優れることからポリアミド6を好適に用いることができる。
またポリアミド6と無水マレイン酸変性ポリオレフィンとをアロイ化したものは曲げ弾性率が小さく柔軟性に優れ、耐熱性にも優れるので好適に用いることができる。具体的にはデュポン社製のザイテルST801,ザイテルST811,ザイテルST811HS等のザイテルSTシリーズ(何れも商品名)等、ポリアミドと変性ポリオレフィンとのブレンドも好適に用いることができる。
またその厚みとしては0.02〜2.0mmの範囲内とすることができる。
バリア層14は、上記のようにポリビニルアルコールの樹脂膜にて形成されるが、ここではけん化度90%以上のポリビニルアルコールを用いることが必要である。
ポリビニルアルコールは、工業的にはポリ酢酸ビニルをけん化(加水分解)することによって得られ、そのけん化度は以下の化学式(化1)におけるmとnとの値によって定まる。
詳しくはこれらmとnとの値を用いて下記式(数1)によって算出される。
このけん化度は、加水分解の程度を表わす数値で、完全加水分解されたものはけん化度が100%となる。
Figure 2008248994
Figure 2008248994
けん化度の大きいものは高分子中の水酸基の量が多く、これに伴って耐ガス透過性能が高くなる。
本実施形態では、けん化度が90%以上のポリビニルアルコールを用いることが必要である。
けん化度が90%未満であると、ガスに対する耐透過性が不十分であり、特に二酸化炭素冷媒に対して所望のレベルでの耐透過性能(低透過性能)を得ることができなくなる。
このバリア層14は、厚みとしては5〜100μmの範囲内としておく。
5μm未満であると耐透過性が不十分となり、またピンホールが発生し易くなる。一方100μm超では膜硬さが硬くなり、ホースとしての柔軟性に悪影響を及ぼすとともに、割れ(クラック)を発生する恐れも生ずる。
尚、ポリビニルアルコールの樹脂膜からなるバリア層14は、一般に最内層12に対して直接的に接着することが難しいことから、それらの間に接着剤層を形成して、その接着剤層にて最内層12とバリア層14とを接着する。
この場合においてその接着剤としてはゴム糊系,ウレタン系,ポリエステル系,イソシアネート系,エポキシ系等の接着剤を例示することができ、これらを単独で或いは2種以上併せて用いることができる。なかでもゴム糊系接着剤が、最内層12とバリア層14との層間接着性に優れることから、特に好適である。
一方内ゴム層16,外ゴム層24としては、例えばブチルゴム(IIR),塩素化ブチルゴム(Cl−IIR),臭素化ブチルゴム(BR−IIR)等のハロゲン化ブチルゴム,アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR),クロロプレンゴム(CR),エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM),エチレン−プロピレンゴム(EPM),フッ素ゴム(FKM),エピクロロヒドリンゴム(ECO),アクリルゴム,シリコンゴム,塩素化ポリエチレンゴム(CPE),ウレタンゴム等のゴム材料を好適に用い得るが、特に内ゴム層16としてはブチルゴム(IIR),ハロゲン化ブチルゴムが、外からの水に対する耐水性に優れていることから、特に好適であり、また外ゴム層24としては耐候性の観点からEPDMが特に好適である。
ここで各ゴム材は、通常はカーボンブラック等の充填剤や加硫剤その他各種の配合剤を適宜に配合して用いることとなる。
尚、内ゴム層16についてはその厚みを0.5〜5.0mmの範囲内とすることが望ましく、また外ゴム層24についてはその厚みを0.5〜2.0mmの範囲内とすることが望ましい。
上記第1補強層18,第2補強層22の材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET),ポリエチレンナフタレート(PEN),アラミド,ポリアミド,ビニロン,レーヨン,金属ワイヤ等の補強線材を用いることができ、これをスパイラル編組,ブレード編組,ニット編組等により編組してそれら第1補強層18,第2補強層22を構成することができる。
尚、第1補強層18と第2補強層22との間の中間ゴム層20については、内ゴム層16,外ゴム層24と同様の上記例示した材料を用いることができる。
但しこの中間ゴム層20は、その厚みを0.1〜0.5mmの範囲内としておくことが望ましい。
本実施形態では、図2に示す第1補強層18の編組角度θが静止角度(55°)よりも小さい角度となしてあり、一方第2補強層22についてはその編組角度θが静止角度よりも大角度となしてある。
第1補強層18及び第2補強層22における補強線材の編組角度は次のような意味を有している。
図3(ロ)に示しているように編組角度(編角)が静止角度である場合、内圧が作用したときに補強層はホース軸方向にも径方向にも変化を生じない。
これに対して編組角度が静止角度よりも小さい場合には、図3(ハ)に示すように内圧の作用によって補強層がホース軸方向の収縮を伴って大径化する。
逆に編組角度が静止角度よりも大きい場合には、図3(イ)に示しているように補強層がホース軸方向の伸長を伴って小径化する。
従ってこの実施形態では、ホース10に対し内圧がかかったとき、第1補強層18は図3(ハ)に示しているように大径化し、また一方第2補強層22は図3(イ)に示しているように小径化する。
その結果として、内圧の作用により第1補強層18と第2補強層22とは径方向の寸法変化を伴って互いに接近し、第1補強層18と第2補強層22とが当初よりも近接した状態となる。
そのため、ホース10に対し高い内圧が加わったときに、第1補強層18と第2補強層22とは協働してホース10にかかる内圧を分担して耐圧補強効果を発揮し、補強層より内側の各層、具体的にはバリア層14の膨らみ変形を抑制する。
この実施形態では、第1補強層18及び第2補強層22における上記補強効果を十分に発揮させるために、第1補強層18については編組角度θを45°〜55°未満の範囲内としておくことが望ましく、より望ましくは編組角度θを50°〜54°未満となしておく。
また第2補強層22については、その編組角度θを55°超〜60°の範囲内としておくことが望ましい。
本実施形態のホース10は、例えば次にようにして製造することができる。
先ず、樹脂層からなる最内層12を押出成形にて成形し、その外面に接着剤層を塗布等にて形成する。
そしてポリビニルアルコールの粉末を温水に溶解してコーティング液を調製し、そこに最内層12を例えばディッピング(浸漬)することにより最内層12の外面(詳しくは接着剤層の外面)にコーティング液を塗布し、しかる後乾燥処理を行ってコーティング液の溶剤としての水を飛ばして除去し、これによりポリビニルアルコールの樹脂膜を最内層12の外面に接着剤層を介して形成する。
但し上記のディッピングによらないでスプレー,ロールコート,刷毛塗り等他の手法を適用することも可能である。
この1回のコーティングにより得られるポリビニルアルコールの樹脂膜の厚みは10μm程度である。
樹脂膜の厚みを更に厚くするには同様の処理を何回か繰り返す、或いはポリビニルアルコール水溶液濃度を上げる。
以上のようにしてポリビニルアルコールの樹脂膜からなるバリア層14を最内層12の外面に積層形成した後、常法に従って内ゴム層16をバリア層14の外面に積層し、更に第1補強層18の編組、中間ゴム層20の押出成形、第2補強層22の編組、外ゴム層24の押出成形を行って長尺の押出成形体を得、これを加硫処理後に所定寸法ごとに切断することによって図1に示すホース10を得ることができる。
尚ホース10の内径は5〜40mm程度である。
以下はホース10の各層の構成の具体例である。
最内層12
材質:PA6,厚み:0.15mm
バリア層14
材質:けん化度99%のポリビニルアルコール樹脂,厚み:10μm
内ゴム層16
材質:臭素化ブチルゴム,厚み:1.6mm
第1補強層18
材質及び編組:アラミド糸のブレード編組,編組角度θ=51°
中間ゴム層20
材質:EPDM,厚み:0.3mm
第2補強層22
材質及び編組:アラミド糸のブレード編組,編組角度θ=57°
外ゴム層24
材質:EPDM,厚み:1.0mm
以上のような本実施形態では、内側の第1補強層18については編組角度を静止角度よりも小さい角度とし、一方外側の第2補強層22については編組角度を静止角度よりも大きい角度としてそれぞれ構成してあるため、流体輸送時にホース10に内圧がかかったとき、その内圧の作用によって内側の第1補強層18が大径化し、径方向位置が第2補強層22に近くなる。
一方外側の第2補強層22は、内圧がかかったときに、その内圧の作用によって小径化し、径方向位置が内側の第1補強層18に接近する。
その結果、第1補強層18と第2補強層22は当初よりも径方向に近接してそれらの径差が小となり、ホース10にかかる内圧をそれら第1補強層18と第2補強層22とが協働して分担して補強効果を発揮し、補強層の内側のポリビニルアルコールのバリア層14の、内圧による膨らみを効果的に抑制する。
その結果、本実施形態のホース10にあっては第1補強層18及び第2補強層22によって、ポリビニルアルコールのバリア層14の膨らみによる膜厚の減少が効果的に抑制され、これによりポリビニルアルコールのバリア層14の膜厚の減少変化による耐透過性の低下を防止して、内部流体のガスの耐透過性を良好に確保することが可能となる。
即ち本実施形態のホース10は、ポリビニルアルコールのバリア層14による高い耐ガス透過性と、補強層18によるバリア層14の膨らみ抑制効果とによって、優れた低ガス透過性能をホース10に付与することができる。
また本実施形態のホース10は、最内層12をポリアミド樹脂を用いて構成してあるため、ホース10全体の耐ガス透過性をより一層高めることができる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば本発明の低ガス透過性ホースは冷媒輸送用ホース、特に二酸化炭素冷媒の輸送用ホースとして好適なものであるが、他の低ガス透過性の要求される各種ホースにも適用可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
本発明の一実施形態である低ガス透過性ホースの断面図である。 同実施形態のホースの要部を切り欠いて示す模式図である。 同実施形態の作用の説明図である。
符号の説明
10 低ガス透過性ホース
12 最内層
14 バリア層
16 内ゴム層
18 第1補強層
20 中間ゴム層
22 第2補強層
24 外ゴム層

Claims (5)

  1. (イ)内ゴム層と、(ロ)該内ゴム層の外側に積層された、補強線材を編組して成る内側の第1補強層及び外側の第2補強層と、(ハ)該第2補強層の更に外側に積層された外ゴム層と、(ニ)前記内ゴム層の更に内側に積層された、内部流体のガスに対して耐透過性を有するバリア層と、を有する積層構造の低ガス透過性ホースであって
    樹脂層にて最内層を形成するとともに、該最内層を支持層として、その外側にけん化度90%以上のポリビニルアルコールの樹脂膜を前記バリア層として積層形成し、且つ前記第1補強層は編組角度を静止角度よりも小さい角度とし、一方前記第2補強層は編組角度を該静止角度よりも大きい角度としてそれぞれ構成してあることを特徴とする低ガス透過性ホース。
  2. 前記内部流体として冷媒を輸送する冷媒輸送用ホースである請求項1に記載の低ガス透過性ホース。
  3. 前記冷媒が二酸化炭素冷媒である請求項2に記載の低ガス透過性ホース。
  4. 前記最内層がポリアミド樹脂を用いて構成してあることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の低ガス透過性ホース。
  5. 前記第1補強層の編組角度が45°〜55°未満の範囲内であり、前記第2補強層の編組角度が55°超〜60°の範囲内である請求項1〜4の何れかに記載の低ガス透過性ホース。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010106930A (ja) * 2008-10-29 2010-05-13 Bridgestone Corp ホースおよびホースの製造方法
JP2012082938A (ja) * 2010-10-14 2012-04-26 Furukawa Electric Co Ltd:The ガス輸送用可撓管の端末構造
JP2018025236A (ja) * 2016-08-10 2018-02-15 横浜ゴム株式会社 ホース
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