JP3700448B2 - ホース用ゴム材及びco2冷媒用ホース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超臨界状態のC02に接触し得る条件下で使用されるゴム材、及びこのゴム材を用いたC02冷媒用ホースに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車のカークーラーや室内用エアコン等の各種のクーラーシステムに使用される冷媒はフロン系や代替フロン系が主流であるが、これらのガスが冷媒ホースより大気中へ透過した場合の大気オゾン破壊作用等に鑑み、近年、C02冷媒が注目されている。C02冷媒は、フロン系冷媒等に比較して、大気中へ放出される温室効果ガスは3分の1ほどに減少する利点がある。しかしながら、クーラーシステムへの煩雑な冷媒補給を不要化したい、等の要求から、やはり冷媒ホースにおけるC02透過抑制は軽視できない問題である。
【0003】
一方、従来の各種クーラーシステムにおいて配管される冷媒輸送用ホースに関しては、基本的にはゴム内管とゴム外管との間に繊維補強層を介在させた構成のものが多く、最近は透過性の高いC02冷媒等も考慮して冷媒不透過性の一層の向上を考慮したものが増加して来ている。
【0004】
そしてこれらの冷媒輸送用ホースにおけるゴム内管には、ホースにおけるパイプ接続部の耐久的なシール性の確保、ゴム内管における冷媒透過抵抗等が主に期待されていた。従ってゴム内管を構成するゴム材の選択も、専らこれらの見地から検討されており、冷媒の作用によってゴム内管の形状,構造もしくは性能が短期的かつ劇的に変化すると言うようなことは想定されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら本願発明者の研究によれば、C02冷媒を用いたクーラーシステムにおいて、実際にはその作動時(冷媒加圧時)にC02が超臨界状態(液体と気体とが単一相となる状態)に至ること、ゴム内管の構成材料次第では、超臨界状態のC02の作用によってゴム内管が短時間に膨張、更には発泡と言う劇的な変化を受け得ることが判明した。ゴム内管がこのような変化を受けると、ホースとしての耐圧性能が大きく損なわれるだけでなく、ホ−ス管路の縮小もしくは閉塞が起こり得るし、ゴム内管に期待される接続部シール性等が損なわれ得る。
【0006】
そこで本発明は、超臨界状態のC02によって膨張,発泡等の変化を受け難く(又は、若干の変化を受けても、クーラーシステム非作動時に原状に戻り易く)、かつC02ガス不透過性等の従来からの要求物性にも適合するゴム材を提供すること、更には、ゴム内管に上記のゴム材を用いると共に好ましい複層構造に構成されたC02冷媒用ホースを提供することを、解決すべき課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(第1発明の構成)
上記課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の発明)の構成は、超臨界状態のCO2 と臨界点以下の状態のCO2 とに接触し得る条件下で使用されるホース用ゴム材であって、ポリマー100重量部に対してカーボンブラックの添加量が150重量部以下であるエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、又はポリマー100重量部に対してカーボンブラックの添加量が110重量部以下である塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)のいずれか一種又は二種以上のブレンド材からなり、かつ、引張り破断伸び(EB)が200%以上である、ホース用ゴム材である。
【0008】
(第2発明の構成)
上記課題を解決するための本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、金属箔層、金属蒸着層又は樹脂層を備えたCO2 ガス不透過層を有すると共に、その内周の全部又は少なくともパイプ接続部に、第1発明に係るホース用ゴム材を用いたゴム内管層を有する、CO2 冷媒用ホースである。
【0009】
(第3発明の構成)
上記課題を解決するための本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、前記第2発明に係るCO2 ガス不透過層の外側に、順次、中間ゴム層、補強層及びゴム外管層を備える、CO2 冷媒用ホースである。
【0012】
【発明の作用・効果】
(第1発明の作用・効果)
実験の結果、いわゆる極性ゴムは一般的に、超臨界状態のC02に浸漬したり接触させたりした場合、短時間の内に比較的著しい膨張や、発泡、更には発泡部が破裂して生成する破裂疵の発生、等の劇的な劣化を受け易く、しかも発泡破裂疵はもちろんのこと膨張や発泡等の変化も原状に戻り難いことが判明した。従って、クーラーシステムにおいてC02が臨界点以下の状態に戻るシステム非作動時でも、ゴム材が原状に復元し難い。
【0013】
一方、非極性ゴムやそのブレンド材は一般的に、超臨界状態のC02によって比較的軽度の膨張を起こすのみであり、かつ、その膨張もC02の超臨界状態が解除されると速やかに原状に戻り易いこと、とりわけゴム材の引張り破断伸び(EB)が200%以上である場合にその傾向が顕著であることも分かった。
【0014】
第1発明のゴム材は、超臨界状態のC02に接触し得る条件下で使用されるものであるが、引張り破断伸び(EB)が200%以上である非極性ゴムの一種又は二種以上のブレンド材を用いてなるため、超臨界状態のC02によって著しい膨張,発泡,発泡破裂疵の発生等の劣化を受け難く、比較的軽度の膨張を起こしても容易に原状に復帰する。
【0015】
従って、第1発明のゴム材をC02冷媒輸送用ホースのゴム内管層に用いた場合には、ゴム材の膨張と発泡に基づくホース管路の縮小や閉塞、パイプ接続部のシール性の阻害等の不具合を耐久的に回避することができる。又、かかるゴム内管層以外の、超臨界状態のC02に接触し得る条件下での用途に用いた場合でも、ゴム材の膨張,発泡,発泡破裂疵の発生に基づく各種の不具合を耐久的に回避することができる。
【0016】
(第2発明の作用・効果)
第2発明のように、非極性ゴムがエチレン−プロピレンゴム(EPM),エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM),ブチルゴム(IIR),塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)又は臭素化ブチルゴム(Br−IIR)である場合に、前記第1発明の作用・効果が特に顕著である。
【0017】
(第3発明の作用・効果)
第3発明においては、ゴム材のC02ガス透過量が、30×10-9cm3・cm/cm2・sec・cmHg以下のものを用いるので、元々そのC02ガス不透過性が大きく、しかも超臨界状態のC02との接触による著しい膨張,発泡,発泡破裂疵の発生等を殆ど生じないので、高度のC02ガス不透過性を耐久的に維持することができる。
【0018】
(第4発明の作用・効果)
第4発明においては、C02冷媒用ホースに所定の構成のC02ガス不透過層を設けるので、ホースの管壁部を径方向へ透過するC02ガス透過量を著しく低減できる。
【0019】
そしてC02ガス不透過層の内周の全部又は少なくともパイプ接続部に、第1発明〜第3発明に係るゴム材を用いたゴム内管層を設けるので、パイプ接続部のシール性が有効に確保される他、超臨界状態のC02によるゴム内管層の劣化が耐久的に避けられ、ゴム内管層の著しい膨張と発泡によるホース管路の縮小もしくは閉塞を生じる恐れがない。
【0020】
又、C02ガス不透過層によってC02ガスのホース管壁部径方向への透過を高度に遮断した場合、更に、パイプ接続部をゴム内管層沿いに軸方向へ透過するC02ガス透過量の有効な抑制が望まれるが、ゴム材が超臨界状態のC02により劣化することなくこの効果を耐久的に確保する。
【0021】
従って第4発明のC02冷媒用ホースは、フロン系や代替フロン系冷媒に比較して特に透過性の高いC02冷媒に対し、ホース全体として極めて高度なC02ガス不透過性を耐久的に実現することができる。
【0022】
(第5発明の作用・効果)
第5発明によって、第4発明に係るC02冷媒用ホースの実用的に優れた一実施態様が提供される。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、第1発明〜第5発明の実施の形態について説明する。以下において単に「本発明」と言うときは、第1発明〜第5発明を一括して指している。
【0024】
〔ゴム材の用途〕
第1発明〜第3発明に係るゴム材は、超臨界状態のC02に接触し得る条件下で使用される限りにおいて用途を限定されない。その最も代表的な用途が、第4発明又は第5発明に係るC02冷媒用ホースにおけるゴム内管層への利用であるが、これらのC02ガス不透過層を備えないC02冷媒用ホースにおいてゴム内管層に使用されても良い。
【0025】
又、C02を冷媒とするクーラーシステムにおいて、あるいはC02が超臨界状態となり得る他の任意の装置又はシステムにおいて、そのC02に接触し得る条件下で使用される任意の部材(例えば、シ−ル部材(Oリング)等)の構成材料として使用されても良い。
【0026】
〔ゴム材の種類及び組成〕
本発明において用いるゴム材は、いわゆる非極性ゴム(分子内に極性基を持たないゴム)のいずれか一種又は二種以上のブレンドであって、その引張り破断伸び(EB)が200%以上のものである。
【0027】
これらの内、EPM,EPDM,IIR,Cl−IIR,Br−IIR,天然ゴム(NR),ブタジエンゴム(BR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等が超臨界状態のC02による劣化が特に少ない点でより好ましく、とりわけEPM,EPDM,IIR,Cl−IIR又はBr−IIRがC02ガス不透過性も非常に良好である点で特に好ましい。上記に具体的に列挙した各種ゴムの二種以上のブレンド材も好ましい。
【0028】
これらの非極性ゴムに対しては、公知又は常用の各種の添加剤、例えば、カーボンブラック,プロセスオイル,加硫剤や加硫促進剤,老化防止剤等を適宜に添加することができる。しかし、例えばカーボンブラックの添加はゴム材の引張破断伸び(EB)に影響を与え得るので、その種類及び添加量の最適設計に留意した方が良い。
【0029】
上記各種のゴム材の内、引張り破断伸び(EB)が200%以上であるものが、超臨界状態のC02に浸漬されたり接触したりしても特に劣化し難く、好ましい。より具体的には、超臨界状態のC02によって比較的軽度に膨張するだけであって、著しい膨張を起こさず、発泡や発泡破裂疵の発生等が認められない。そして膨張も可逆的であって、C02の超臨界状態が解除されると速やかに非膨張状態に復帰する。
【0030】
上記各種のゴム材であっても、例えばカーボンブラックを過剰に添加することにより引張り破断伸び(EB)が200%未満となるような場合には、超臨界状態のC02によって比較的著しい膨張(あるいは、C02の超臨界状態が解除されても速やかに非膨張状態に復帰し難い膨張)を生じる恐れがある。
【0031】
〔C02冷媒用ホース〕
C02冷媒用ホースは、少なくとも後述のC02ガス不透過層を有すると共に、その内周の全部又は少なくともパイプ接続部に上記ゴム材を用いたゴム内管層を有する構成を備えたものであれば足りる。
【0032】
C02冷媒用ホースは任意に上記以外の他の構成要素を備えることができる。例えば、C02ガス不透過層の外周側に補強層を設けること、この補強層と前記C02ガス不透過層との間に中間ゴム層を設けること、あるいは、補強層の外周側にゴム外管層を設けること等である。ゴム内管層とC02ガス不透過層との間に中間ゴム層を設けることも考えられるが、後述のようにゴム内管層をC02ガス不透過層の内周の全部には設けない場合には、この中間ゴム層も設けない方が良い(そのC02冷媒との接触を避けるため)。
【0033】
そしてこれらの中間ゴム層,補強層,ゴム外管層等の構成要素における使用材料の種類や具体的な構成は任意であるが、例えば中間ゴム層としては冷媒非透過性や柔軟性の優れたブチルゴム(IIR),ニトリルゴム(NBR),クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)等を、ゴム外管層としては耐候性の良いエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM),ブチルゴム(IIR),クロロプレンゴム(CR),クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)等を用いることができる。又、補強層としては、ワイヤーブレード層や、補強糸をブレード編みあるいは二層逆方向にスパイラル巻きしたもの、更には逆方向の二層のスパイラル巻きの間に中間ゴム層を介在させたもの等を用いることができる。
【0034】
〔C02ガス不透過層〕
C02ガス不透過層は、上記ゴム材からなるゴム内管層の外周側に、直接に接して、あるいは前記第1中間ゴム層等を介して設けられ、少なくとも金属箔層,金属蒸着層又は樹脂層を備えたものである。
【0035】
上記の金属箔層や金属蒸着層は、少なくとも金属箔あるいは金属蒸着膜を含む限りにおいて構成は限定されないが、例えば、(1)金属箔、(2)金属箔及び補強材、(3)樹脂フィルム等の基材上に形成した金属蒸着膜、のいずれかを芯材とし、これに樹脂フィルムを積層して接着又は熱融着してなるラミネートシートの形態とすることができる。
【0036】
ラミネートシートは、特に、一旦テープ状に形成し、これをいわゆる螺旋巻きや縦添え巻き(テープ状ラミネートシートをホースの軸方向に平行に添えて巻回する巻き方)にして、その際にテープ状ラミネートシートの幅方向端部同士を若干重合させることにより、全体として切れ目のないC02ガス不透過層を形成する方法が好ましい。テープ状ラミネートシート同士の上記重合部を相互に接着すれば、更に好ましい。
【0037】
上記の樹脂フィルムの材料は限定されないが、好ましくはポリアミド樹脂(PA),ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET),エチレンビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)等の熱可塑性樹脂を用いることができ、上記の補強材の種類も限定されないが、好ましくは伸び抵抗が大きく、かつ柔軟性にも優れた補強材、例えばワイヤーメッシュ,補強布材(特にアラミド繊維,カーボン繊維,ガラス繊維等からなる帆布,不織布等),高強度樹脂フィルム等を用いることができる。
【0038】
〔ゴム内管層〕
ゴム内管層は、第1発明〜第3発明のいずれかに係るゴム材を以て構成され、C02冷媒用ホースの最内層をなすものであって、上記のC02ガス不透過層の内周の全部又は少なくともパイプ接続部に形成されるものである。
【0039】
ゴム内管層の形成の容易さの点からは、ゴム内管層をC02ガス不透過層の内周の全部に設ける方が有利である。ゴム内管層の厚さは必要に応じて任意に設計すれば良いが、例えば0.5〜2.0mm程度とすることができる。
【0040】
〔C02冷媒用ホースの構成例〕
図1に示す構成例において、C02冷媒用ホース1は、最内層より順に、ゴム内管層2、C02ガス不透過層3、中間ゴム層4、補強層5、ゴム外管層6からなる複層構造を備えている。
【0041】
ゴム内管層2は、引張破断伸び(EB)が200%を越すEPDMを用いて形成されている。ゴム内管層2の外周のC02ガス不透過層3は、金属箔をポリアミド樹脂で挟着したテープ状のラミネートシート3aを、ゴム内管層2の外周に螺旋巻きして形成したものである。C02ガス不透過層3の外周には、IIR製の中間ゴム層4を介して、補強糸をブレード編みしてなる補強層5が設けられ、更にその外周にはCR製のゴム外管層6が設けられている。
【0042】
【実施例】
(ゴム材試験片の調製)
末尾の表1及び表2における「ポリマー種」の欄に示すゴムにつき、各表の「配合成分」の欄に示すように、それぞれの未加硫ゴム(表中、「ポリマー」として表示)100重量部に対して各種の添加剤を表記の数値の重量部だけ添加し、常法に従って混練し厚さ2mmのシート状に加硫成形した。なお、各表の「促進剤TT、CZ、DM」はそれぞれ「テトラメチルチウラムジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、ジベンゾチアジルジスルフィド」を示し、又、「有機過酸化物(パ−クミルD)」は日本油脂社製のジクミルパ−オキサイドである。
【0043】
そして上記の各例に係るシート状の加硫成形物を100×100mmの方形にカットして各例に係るゴム材試験片とし、以下の評価に供した。
【0044】
(初期物性)
各例のゴム材試験片の初期物性として、JIS K 6521に準拠して引張り強さTB(MPa)、引張り破断伸びEB(%)を、JIS K 6252に準拠して引裂き強度Tr(N/mm)を、それぞれ評価し、その結果を表1及び表2に示した。
【0045】
これらの結果より、各例のゴム材試験片は概ね200%以上の引張り破断伸びを示すが、EPDMとIIRの項目に示すように、カーボンブラックの添加量を多くすると引張り破断伸びが低減し、特に多量のカーボンブラックを添加した場合には、引張り破断伸びが200%を下回ることが分かる。
【0046】
更に、ASTM D−1434−75M法に基づき、80°Cの条件下においてC02ガスを用いて、GTRガス透過測定器により、各例に係るゴム材試験片の単位厚み当たりの気体透過係数(×10-9cm3・cm/cm2・sec・cmHg)を求めた。その結果を表1及び表2中の「C02ガス透過性」の欄に示すが、NR,SBR,BR以外のゴム材は、30×10-9cm3・cm/cm2・sec・cmHg以下の満足できる値を示した。
【0047】
(超臨界C02ガスへの浸漬処理)
各例に係るゴム材試験片を、それぞれステンレス製のオートクレーブ中に投入して蓋をボルトで締めつけた。次いでその内部に液化C02を充填させ、オートクレーブ内を昇温させてC02の臨界点(31°C以上/7.39MPa以上)を超える35°C×8MPaのC02 超臨界状態とし、この状態でゴム材試験片を30分間処理した。
【0048】
(浸漬処理後の発泡及び膨張の評価)
その後、オートクレーブ内を緩やかに減圧して常温常圧に戻した後、ゴム材試験片を取り出して、その時点(表中に「開放直後」と表記),その10分後,及び24時間後における発泡状態の表面目視観察と、膨張度の測定を行った。発泡状態の表面観察は、発泡が皆無もしくは殆どないものを「○」、多数の発泡が見られるものを「×」、発泡破裂疵が見られるものを「*」と表記した。一方、膨張度は処理前後の寸法変化率を測定し、体積変化を求め、増大率を%で表した。
【0049】
表1及び表2に示すこれらの評価結果によれば、CPE,NBR,ACM,FKMは膨張度が大きく、多数の発泡が見られ(24時間後も発泡は消滅しない)、更には発泡破裂疵が生じていたが、NR,SBR,BR,EPDM,IIR,Cl−IIR,Br−IIRは比較的膨張度が小さく、発泡や発泡破裂疵は見られなかった。
【0050】
(浸漬処理後の物性評価)
上記の超臨界C02ガスへの浸漬処理後の各例に係るゴム材試験片につき、前記「初期物性」の場合と同じ方法で引張り強さTB(MPa)及び引張り破断伸びEB(%)を評価した。但し、CPE,NBR,ACM,FKMについては、発泡破裂疵があるために有効な測定ができず、評価しなかった。
【0051】
表1及び表2に示す評価結果によれば、カーボンブラックを多量に添加したEPDMとCl−IIRのゴム材試験片については、引張り破断伸びEBが初期評価に比較してやや低下している。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】C02冷媒用ホースの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 C02冷媒用ホース
2 ゴム内管層
3 C02ガス不透過層
3a ラミネートシート
4 中間ゴム層
5 補強層
6 ゴム外管層
Claims (3)
- 超臨界状態のCO2 と臨界点以下の状態のCO2 とに接触し得る条件下で使用されるホース用ゴム材であって、ポリマー100重量部に対してカーボンブラックの添加量が150重量部以下であるエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、又はポリマー100重量部に対してカーボンブラックの添加量が110重量部以下である塩素化ブチルゴム( Cl −IIR)のいずれか一種又は二種以上のブレンド材からなり、かつ、引張り破断伸び(EB)が200%以上であることを特徴とするホース用ゴム材。
- 金属箔層、金属蒸着層又は樹脂層を備えたCO2 ガス不透過層を有すると共に、その内周の全部又は少なくともパイプ接続部に、請求項1に記載のホース用ゴム材を用いたゴム内管層を有することを特徴とするCO2 冷媒用ホース。
- 前記CO2 ガス不透過層の外側に、順次、中間ゴム層、補強層及びゴム外管層を備えることを特徴とする請求項2に記載のCO2 冷媒用ホース。
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