JP2783533B2 - 冷媒ガス用ホース - Google Patents
冷媒ガス用ホースInfo
- Publication number
- JP2783533B2 JP2783533B2 JP24321297A JP24321297A JP2783533B2 JP 2783533 B2 JP2783533 B2 JP 2783533B2 JP 24321297 A JP24321297 A JP 24321297A JP 24321297 A JP24321297 A JP 24321297A JP 2783533 B2 JP2783533 B2 JP 2783533B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- hose
- evoh
- rubber
- refrigerant
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として冷凍機、
クーラーなどの装置に用いられ、冷媒ガス、たとえばア
ンモニア、フロンガスなどが通る配管において、配管に
外部曲げ応力がかかりかつ微小な振動がたえず負荷され
る部分にも使用可能なガスバリアー性を有するホースに
関する。
クーラーなどの装置に用いられ、冷媒ガス、たとえばア
ンモニア、フロンガスなどが通る配管において、配管に
外部曲げ応力がかかりかつ微小な振動がたえず負荷され
る部分にも使用可能なガスバリアー性を有するホースに
関する。
【0002】
【従来の技術】冷凍機、クーラーなどの装置は冷媒を圧
縮循環させる閉鎖ループで構成されており、多数の配管
からなる設備である。そして、ループ内にある冷媒は一
度充填されると、通常2〜5年間以上無補給である事が
求められる。その為、金属パイプ、特に加工性が良い銅
系のパイプが使用されている。しかしながら、これらの
装置にはコンプレッサーからの振動、及び自動車に備え
付けられたクーラーの場合は、自動車の振動などによ
り、外部曲げ応力が負荷され、かつ、振動がくりかえし
かかる銅配管部分でクラック、ピンホールが発生し、冷
媒が飛散してしまう問題があった。従来、NBR、EP
DM等のゴム材料を用いたゴムホースは配管の一部分に
使用されてはいたが、冷媒のガスバリアー性が必ずしも
良くないため、やむを得ず使用する状況にあった。
縮循環させる閉鎖ループで構成されており、多数の配管
からなる設備である。そして、ループ内にある冷媒は一
度充填されると、通常2〜5年間以上無補給である事が
求められる。その為、金属パイプ、特に加工性が良い銅
系のパイプが使用されている。しかしながら、これらの
装置にはコンプレッサーからの振動、及び自動車に備え
付けられたクーラーの場合は、自動車の振動などによ
り、外部曲げ応力が負荷され、かつ、振動がくりかえし
かかる銅配管部分でクラック、ピンホールが発生し、冷
媒が飛散してしまう問題があった。従来、NBR、EP
DM等のゴム材料を用いたゴムホースは配管の一部分に
使用されてはいたが、冷媒のガスバリアー性が必ずしも
良くないため、やむを得ず使用する状況にあった。
【0003】また、特に最近、フロンガスによる成層圏
のオゾン層破壊が問題となり、フロン−12よりフロン
−22に切り替える必要が出て来ている。この場合、上
記ゴムホースのフロン−22のガスバリアー性はフロン
−12より数十倍も悪く該ゴムホースでは対応出来ない
状況にある。
のオゾン層破壊が問題となり、フロン−12よりフロン
−22に切り替える必要が出て来ている。この場合、上
記ゴムホースのフロン−22のガスバリアー性はフロン
−12より数十倍も悪く該ゴムホースでは対応出来ない
状況にある。
【0004】そこでゴムホースの内側にガスバリアー性
を有するプラスチック、たとえばポリアミド、エチレン
−ビニルアルコール共重合体(以下EVOH)などを複
合する提案はなされてはいるが、いずれの場合も下記に
示す理由で使用に耐えないものであった。すなわちポリ
アミドは冷媒ガスバリアー性は多少認められるが十分で
ない。一方、EVOHは非常に有効な冷媒ガスバリアー
性を有するものの、成形加工時、特にゴムの加硫化時の
高温、高湿雰囲気下でEVOH層の変形、偏肉が生じホ
ース両端部の接続ジョイント取付け不良及びこれによる
ガスもれ、あるいは、外部曲げ応力の存在下、たえず振
動を受ける部分でのクラック、ピンホールの発生等によ
る冷媒ガスバリアー性ホースとしての信頼性に問題があ
った。
を有するプラスチック、たとえばポリアミド、エチレン
−ビニルアルコール共重合体(以下EVOH)などを複
合する提案はなされてはいるが、いずれの場合も下記に
示す理由で使用に耐えないものであった。すなわちポリ
アミドは冷媒ガスバリアー性は多少認められるが十分で
ない。一方、EVOHは非常に有効な冷媒ガスバリアー
性を有するものの、成形加工時、特にゴムの加硫化時の
高温、高湿雰囲気下でEVOH層の変形、偏肉が生じホ
ース両端部の接続ジョイント取付け不良及びこれによる
ガスもれ、あるいは、外部曲げ応力の存在下、たえず振
動を受ける部分でのクラック、ピンホールの発生等によ
る冷媒ガスバリアー性ホースとしての信頼性に問題があ
った。
【0005】また特開昭58−197040号にはEV
OH層を中間層として、ナイロン層を内層、ポリエステ
ル系エラストマー層を外層とするホースが記載されてい
るが、このホースでは長期間振動を与えると、EVOH
層とポリエステルエラストマー層との接着性がほとんど
ない事よりEVOH/ナイロン層にクラック、ピンホー
ルが発生しやすい。たとえ、EVOH層とポリエステル
エラストマー層との間に接着性樹脂層を入れ、接着性を
付与しても良好な接着性樹脂がみあたらないこともあり
必ずしも良好な結果が得られなかった。
OH層を中間層として、ナイロン層を内層、ポリエステ
ル系エラストマー層を外層とするホースが記載されてい
るが、このホースでは長期間振動を与えると、EVOH
層とポリエステルエラストマー層との接着性がほとんど
ない事よりEVOH/ナイロン層にクラック、ピンホー
ルが発生しやすい。たとえ、EVOH層とポリエステル
エラストマー層との間に接着性樹脂層を入れ、接着性を
付与しても良好な接着性樹脂がみあたらないこともあり
必ずしも良好な結果が得られなかった。
【0006】また特開昭59−70565号にはEVO
H層を中間層とし、内外層にポリエステルアミド層を設
けたホースが記載されているが、このホースでは上記同
様長期間振動を与えるとEVOH層とポリエステルアミ
ド層との接着性が低い為かEVOH層にピンホールが発
生するという問題がある。
H層を中間層とし、内外層にポリエステルアミド層を設
けたホースが記載されているが、このホースでは上記同
様長期間振動を与えるとEVOH層とポリエステルアミ
ド層との接着性が低い為かEVOH層にピンホールが発
生するという問題がある。
【0007】また特開平2−35291号にはEVOH
層を中間層とし、内外層のいずれかの層に11ナイロ
ン、12ナイロン層を設け、もう一方の層に11ナイロ
ン、12ナイロン、6ナイロン層を設けることが記載さ
れているが、このホースは、後述の比較例4〜5に示す
とおり長期間振動によりクラックが発生するという問題
がある。
層を中間層とし、内外層のいずれかの層に11ナイロ
ン、12ナイロン層を設け、もう一方の層に11ナイロ
ン、12ナイロン、6ナイロン層を設けることが記載さ
れているが、このホースは、後述の比較例4〜5に示す
とおり長期間振動によりクラックが発生するという問題
がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、冷凍
機、クーラーなどの装置に用いられる冷媒ガス用配管に
おいて、該配管がたえず外部応力をくりかえし受けても
ピンホール、クラック等が発生せず、かつ冷媒ガスに対
するガスバリアー性が良好なプラスチックホースを提供
することにある。
機、クーラーなどの装置に用いられる冷媒ガス用配管に
おいて、該配管がたえず外部応力をくりかえし受けても
ピンホール、クラック等が発生せず、かつ冷媒ガスに対
するガスバリアー性が良好なプラスチックホースを提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、冷媒ガス、
特にフロン−22に対するガスバリアー性が最も良好
な、EVOH単層パイプ及び該パイプの外側に補強用編
組層を含むゴム層で複合化したパイプを作成し、自動車
用クーラーホースとして、曲げ応力のかかる部分に使用
して実用テストを行なった。その結果、EVOHだけを
用いた多層ゴムホースの場合、加硫工程における高温、
多湿の雰囲気の影響、及び外層ゴムの収縮応力の為かE
VOH層に厚みムラ、偏肉及びパイプの偏心が生じホー
ス両端に取り付ける金属コネクターの接続不良、ガスも
れが生じやすく、また、長期間使用していると、EVO
H複合ホースは、曲げ曲率半径の小さい部分及び金属パ
イプと該パイプの接合部周辺に微小なクラックが発生
し、ガスバリアー性が悪化する現象が認められた。
特にフロン−22に対するガスバリアー性が最も良好
な、EVOH単層パイプ及び該パイプの外側に補強用編
組層を含むゴム層で複合化したパイプを作成し、自動車
用クーラーホースとして、曲げ応力のかかる部分に使用
して実用テストを行なった。その結果、EVOHだけを
用いた多層ゴムホースの場合、加硫工程における高温、
多湿の雰囲気の影響、及び外層ゴムの収縮応力の為かE
VOH層に厚みムラ、偏肉及びパイプの偏心が生じホー
ス両端に取り付ける金属コネクターの接続不良、ガスも
れが生じやすく、また、長期間使用していると、EVO
H複合ホースは、曲げ曲率半径の小さい部分及び金属パ
イプと該パイプの接合部周辺に微小なクラックが発生
し、ガスバリアー性が悪化する現象が認められた。
【0010】そこで本発明者らは、鋭意検討を行なった
結果、冷媒を通さないEVOH複合パイプでは、曲げ応
力がかかった状態で振動をあたえても、異常は発現しな
い事がわかった。従って、上記異常は、冷媒の存在下、
曲げ応力がかかった環境下での振動により、厚みが不均
一なEVOH層の部分でクラック、ピンホールの発生と
推定される。そこで本発明者らはさらに鋭意検討を行な
った結果、EVOH層を中間層とし、−CH2 −基と−
NHCO−基のモル比(CH2 /NHCO)が5〜8の
ポリアミド系樹脂層を内外層とする複合パイプを使用す
ると、おどろくべきことに、EVOH層の偏肉、金属コ
ネクターとの接続不良、ガスモレがなく、かつ冷媒の存
在下、曲げ応力がかかった環境下で振動によるクラッ
ク、ピンホールの発生が生じないパイプが製造出来る事
が見いだされ、本発明を完成するにいたった。ポリアミ
ド樹脂層を内外層のいずれか一方の層のみに設けたので
は本発明の目的は充分達せられない。
結果、冷媒を通さないEVOH複合パイプでは、曲げ応
力がかかった状態で振動をあたえても、異常は発現しな
い事がわかった。従って、上記異常は、冷媒の存在下、
曲げ応力がかかった環境下での振動により、厚みが不均
一なEVOH層の部分でクラック、ピンホールの発生と
推定される。そこで本発明者らはさらに鋭意検討を行な
った結果、EVOH層を中間層とし、−CH2 −基と−
NHCO−基のモル比(CH2 /NHCO)が5〜8の
ポリアミド系樹脂層を内外層とする複合パイプを使用す
ると、おどろくべきことに、EVOH層の偏肉、金属コ
ネクターとの接続不良、ガスモレがなく、かつ冷媒の存
在下、曲げ応力がかかった環境下で振動によるクラッ
ク、ピンホールの発生が生じないパイプが製造出来る事
が見いだされ、本発明を完成するにいたった。ポリアミ
ド樹脂層を内外層のいずれか一方の層のみに設けたので
は本発明の目的は充分達せられない。
【0011】ところでEVOH層とポリアミド層とを積
層した構成体は公知であり、例えば特開昭61−179
737、同57−41924、同61−273931、
実開昭50−77474などがある。これらは、食品用
フィルム、ボトルの延伸性、耐レトルト性、02 ガスバ
リアー性の改善の為の発明であり、本発明者が目的とす
る冷媒、たとえばアンモニア、フロンガス等のバリアー
性に対する技術思想がないばかりでなく、この様なEV
OHの偏肉、金属コネクターとの接続不良、モレ等の改
善はもちろんのこと、冷媒の存在下、外部曲げ応力がか
かった状況下で、くりかえし振動を受けた場合のクラッ
ク、ピンホール発生防止に対する技術思想を、上記特許
からおしはかる事は不可能である。
層した構成体は公知であり、例えば特開昭61−179
737、同57−41924、同61−273931、
実開昭50−77474などがある。これらは、食品用
フィルム、ボトルの延伸性、耐レトルト性、02 ガスバ
リアー性の改善の為の発明であり、本発明者が目的とす
る冷媒、たとえばアンモニア、フロンガス等のバリアー
性に対する技術思想がないばかりでなく、この様なEV
OHの偏肉、金属コネクターとの接続不良、モレ等の改
善はもちろんのこと、冷媒の存在下、外部曲げ応力がか
かった状況下で、くりかえし振動を受けた場合のクラッ
ク、ピンホール発生防止に対する技術思想を、上記特許
からおしはかる事は不可能である。
【0012】それ故、EVOH層の両面にポリアミドを
積層したホースがEVOHの偏肉、金属コネクターとの
接続不良、ガスモレがなく、かつ冷媒のガスバリアー性
の付与及び冷媒の存在下、外部曲げ応力がかかった状況
下、振動によるクラック、ピンホールが生じない事を見
い出した事はまったく予想外の事である。
積層したホースがEVOHの偏肉、金属コネクターとの
接続不良、ガスモレがなく、かつ冷媒のガスバリアー性
の付与及び冷媒の存在下、外部曲げ応力がかかった状況
下、振動によるクラック、ピンホールが生じない事を見
い出した事はまったく予想外の事である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のEVOHとはエチレン−
酢酸ビニル共重合体けん化物であり、エチレン含有率2
0〜60モル%のものである。エチレン含有率が20モ
ル%未満では溶融成形性が悪く、一方60モル%以上で
は冷媒ガスバリアー性が不足する。また、酢酸ビニル成
分のけん化度は90モル%以上であることが好ましく、
それ未満では冷媒ガスバリアー性、及び熱安定性が悪く
なる。また、該EVOHは、本発明の効果を阻害しない
範囲内で、ブチレン、プロピレン、ビニルシラン系化合
物、ビニルピロリドン系化合物を共重合したり、可塑
剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フ
ィラー等をブレンドする事は自由である。
酢酸ビニル共重合体けん化物であり、エチレン含有率2
0〜60モル%のものである。エチレン含有率が20モ
ル%未満では溶融成形性が悪く、一方60モル%以上で
は冷媒ガスバリアー性が不足する。また、酢酸ビニル成
分のけん化度は90モル%以上であることが好ましく、
それ未満では冷媒ガスバリアー性、及び熱安定性が悪く
なる。また、該EVOHは、本発明の効果を阻害しない
範囲内で、ブチレン、プロピレン、ビニルシラン系化合
物、ビニルピロリドン系化合物を共重合したり、可塑
剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フ
ィラー等をブレンドする事は自由である。
【0014】本発明の上記層構成のホースの内径は7〜
20mmφが一般的であるが、これに限定されるもので
はない。一方ホースの総厚みは0.2〜1.5mmの範
囲が良好である。厚みが0.2mm未満では、後で外側
にゴム層を複合する際、取り扱いが困難となる。一方
1.5mmを越えると、ホースの可撓性が劣り、クーラ
ーなどへの取り付けが困難となる。
20mmφが一般的であるが、これに限定されるもので
はない。一方ホースの総厚みは0.2〜1.5mmの範
囲が良好である。厚みが0.2mm未満では、後で外側
にゴム層を複合する際、取り扱いが困難となる。一方
1.5mmを越えると、ホースの可撓性が劣り、クーラ
ーなどへの取り付けが困難となる。
【0015】また、EVOH層の厚みは10〜150μ
が好適であり、10μ未満では冷媒のガスバリアー性が
不足する。一方150μを越えると可撓性が不良とな
る。ポリアミド系樹脂層の厚み(合計厚み)は、10〜
1350μが用いられ、特に50〜800μが好適であ
る。本発明の多層ホースを製造する方法については、特
に限定されるものではないが、共押出しホース成形、押
出しラミホース成形法、共押出しラミホース成形法等が
使用される。
が好適であり、10μ未満では冷媒のガスバリアー性が
不足する。一方150μを越えると可撓性が不良とな
る。ポリアミド系樹脂層の厚み(合計厚み)は、10〜
1350μが用いられ、特に50〜800μが好適であ
る。本発明の多層ホースを製造する方法については、特
に限定されるものではないが、共押出しホース成形、押
出しラミホース成形法、共押出しラミホース成形法等が
使用される。
【0016】本発明の多層ホースは、前述のホースの外
側、内側、あるいは内外両層にゴム層などを複合して使
用される。特にEVOH層とポリアミド系樹脂層との合
計厚みが0.5mm以下のホースに対しては、ゴム層と
の複合が好ましい。そして、該ゴム層としては補強用編
組層等を含む多層のゴム層で複合した構成が好適であ
る。ゴムとしては天然ゴム、合成ゴムのいずれも使用で
きる。また、ゴム層の厚みは、500μ〜10000
μ、好適には1000〜5000μが用いられる。
側、内側、あるいは内外両層にゴム層などを複合して使
用される。特にEVOH層とポリアミド系樹脂層との合
計厚みが0.5mm以下のホースに対しては、ゴム層と
の複合が好ましい。そして、該ゴム層としては補強用編
組層等を含む多層のゴム層で複合した構成が好適であ
る。ゴムとしては天然ゴム、合成ゴムのいずれも使用で
きる。また、ゴム層の厚みは、500μ〜10000
μ、好適には1000〜5000μが用いられる。
【0017】本発明の多層ホースにゴム層を積層する場
合、多層ホースはゴムホースの内層又は外層あるいは中
間層に設けられるが、多層ホースを内層として使用した
場合には多層ホース端部と接続用金具との接触部のガス
透過が最小におさえられる特長を持つ。また外層として
使用した場合には内層と同様、ガス透過が最小におさえ
られるだけでなく、ホース外層に付着しやすい油、有機
溶剤等によるゴムの劣化がおさえられる特長を持つ。一
方、中間層として使用する場合は、内層あるいは外層使
用と比較して、金具接続時、及び使用時におけるホース
端部の裂れなどによるガスもれの防止に有効である。し
かしながらこの方法は、ホースと金具との接触部分から
のガス透過が内層あるいは外層使用と比較して大きくな
る。したがって、多層ホースは出来る限り最内層又は最
外層に片寄せた構成にする事がのぞましい。
合、多層ホースはゴムホースの内層又は外層あるいは中
間層に設けられるが、多層ホースを内層として使用した
場合には多層ホース端部と接続用金具との接触部のガス
透過が最小におさえられる特長を持つ。また外層として
使用した場合には内層と同様、ガス透過が最小におさえ
られるだけでなく、ホース外層に付着しやすい油、有機
溶剤等によるゴムの劣化がおさえられる特長を持つ。一
方、中間層として使用する場合は、内層あるいは外層使
用と比較して、金具接続時、及び使用時におけるホース
端部の裂れなどによるガスもれの防止に有効である。し
かしながらこの方法は、ホースと金具との接触部分から
のガス透過が内層あるいは外層使用と比較して大きくな
る。したがって、多層ホースは出来る限り最内層又は最
外層に片寄せた構成にする事がのぞましい。
【0018】一方EVOH層は2層以上とすることもで
きる。この場合は、EVOH層の合計厚みが同じ1層と
比較して振動によるピンホールの発生、ガス透過性の増
加が大巾におさえられるのみならず、上記接続部からの
モレ、裂け、油などによるゴムの劣化等が大巾におさえ
られ、ガスパイプとしての性能が大巾に向上する。EV
OH層を2層以上とする場合の層構成としては、たとえ
ばポリアミド/EVOH/EVOH/ポリアミド、ポリ
アミド/EVOH/ポリアミド/EVOH/ポリアミド
などがあげられる。
きる。この場合は、EVOH層の合計厚みが同じ1層と
比較して振動によるピンホールの発生、ガス透過性の増
加が大巾におさえられるのみならず、上記接続部からの
モレ、裂け、油などによるゴムの劣化等が大巾におさえ
られ、ガスパイプとしての性能が大巾に向上する。EV
OH層を2層以上とする場合の層構成としては、たとえ
ばポリアミド/EVOH/EVOH/ポリアミド、ポリ
アミド/EVOH/ポリアミド/EVOH/ポリアミド
などがあげられる。
【0019】本発明において冷媒ガスとは、フロン12
(CCl2 F2 )、フロン22(CHClF2 )、フロ
ン134A、フロン115(CCl2 F2 +CCl
F3 )などを言うが、とくにフロン22に対して本発明
のホースは著効を示す。以下実施例により更に本発明を
説明するが、これにより、本発明がなんら限定されるも
のではない。
(CCl2 F2 )、フロン22(CHClF2 )、フロ
ン134A、フロン115(CCl2 F2 +CCl
F3 )などを言うが、とくにフロン22に対して本発明
のホースは著効を示す。以下実施例により更に本発明を
説明するが、これにより、本発明がなんら限定されるも
のではない。
【0020】本発明のポリアミド系樹脂としては、6ナ
イロン、6ナイロンエラストマー、6,9ナイロン、6
/12ナイロン(ε−カプロラクタムとε−ラウロラク
タムとの共重合体)などの−CH2 −基と−NHCO−
基のモル比(CH2 /NHCO)が5〜8のポリアミド
が使用される。CH2 /NHCOがこの範囲にある場
合、冷媒ガスバリアー性、成形性を改善し、さらに応力
存在下での振動によるクラック、ピンホールの発生を大
巾に減少させる効果がある。
イロン、6ナイロンエラストマー、6,9ナイロン、6
/12ナイロン(ε−カプロラクタムとε−ラウロラク
タムとの共重合体)などの−CH2 −基と−NHCO−
基のモル比(CH2 /NHCO)が5〜8のポリアミド
が使用される。CH2 /NHCOがこの範囲にある場
合、冷媒ガスバリアー性、成形性を改善し、さらに応力
存在下での振動によるクラック、ピンホールの発生を大
巾に減少させる効果がある。
【0021】EVOH層とポリアミド系樹脂層との間に
は、通常接着剤、接着性樹脂をとくに必要とせず、また
接着性樹脂を使用しない方がクラック、ピンホールの発
生防止に好ましい場合が多い。しかしながら接着性を大
きく付与したい場合には接着材層を阻外しない範囲で付
加する事は自由である。
は、通常接着剤、接着性樹脂をとくに必要とせず、また
接着性樹脂を使用しない方がクラック、ピンホールの発
生防止に好ましい場合が多い。しかしながら接着性を大
きく付与したい場合には接着材層を阻外しない範囲で付
加する事は自由である。
【0022】
実施例1〜5および比較例1〜5 3台の押出機と円形多層ダイからなる3種3層ホース用
共押出機を用いて、EVOH(メルトインデックス1.
3g/10分、190℃)、ポリアミドより構成される
ホースを作成した。この時の各層の厚みは中間層(EV
OH層)100μおよび内外層(ポリアミド層)はそれ
ぞれ500μであり、内径は1.1mmであった。この
ホースに2mm厚みのEPDMゴム(最外層)を接着材
層を介してさらに多層化、次いで加硫化した。使用した
EVOH、ポリアミド、ポリウレタンの銘柄、層構成、
冷媒の透過性などを表1に示す。またこれらの多層ホー
スを50cmにカットし、ホースの片側は盲蓋を、他方
をフロン−22ガスが導入出来る片口、コック及び圧力
計を取り付け、R(曲率半径)〓15cmでパイプを1
80゜に曲げた。この状態で圧力計側を固定し、フロン
−22ガス2kgGで昇圧し、盲蓋側に振動試験機を取
り付け、周波数100HZ 、振巾5mmの振動を与え、
内圧の経時変化を測定した。その結果を表1に示す。な
お表中透過度はcc/m2 ・day・atmを示し、保
持圧力は2000時間運転後のホース内の圧力kg・G
を示す。
共押出機を用いて、EVOH(メルトインデックス1.
3g/10分、190℃)、ポリアミドより構成される
ホースを作成した。この時の各層の厚みは中間層(EV
OH層)100μおよび内外層(ポリアミド層)はそれ
ぞれ500μであり、内径は1.1mmであった。この
ホースに2mm厚みのEPDMゴム(最外層)を接着材
層を介してさらに多層化、次いで加硫化した。使用した
EVOH、ポリアミド、ポリウレタンの銘柄、層構成、
冷媒の透過性などを表1に示す。またこれらの多層ホー
スを50cmにカットし、ホースの片側は盲蓋を、他方
をフロン−22ガスが導入出来る片口、コック及び圧力
計を取り付け、R(曲率半径)〓15cmでパイプを1
80゜に曲げた。この状態で圧力計側を固定し、フロン
−22ガス2kgGで昇圧し、盲蓋側に振動試験機を取
り付け、周波数100HZ 、振巾5mmの振動を与え、
内圧の経時変化を測定した。その結果を表1に示す。な
お表中透過度はcc/m2 ・day・atmを示し、保
持圧力は2000時間運転後のホース内の圧力kg・G
を示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明の多層ホースは、冷媒、特にフロ
ン−22に対するガスバリアー性がすぐれているのみな
らず、ゴムとの多層化における工程で生じるEVOH層
の厚みムラ、偏肉、偏心による、ホール両端部の金属コ
ネクター接続不良、ガスモレ発生がほとんど認められ
ず、さらには局部的に曲げ応力が付加された状態でくり
かえし振動を受ける部分でのガスバリアー性の悪化もほ
とんど認められない。
ン−22に対するガスバリアー性がすぐれているのみな
らず、ゴムとの多層化における工程で生じるEVOH層
の厚みムラ、偏肉、偏心による、ホール両端部の金属コ
ネクター接続不良、ガスモレ発生がほとんど認められ
ず、さらには局部的に曲げ応力が付加された状態でくり
かえし振動を受ける部分でのガスバリアー性の悪化もほ
とんど認められない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 55:00 67:00
Claims (2)
- 【請求項1】 エチレン含有率20〜60モル%のエチ
レン−ビニルアルコール共重合体層を中間層とし、−C
H2 −基と−NHCO−基のモル比(CH2/NHC
O)が5〜8のポリアミド系樹脂層を内外層とする冷媒
ガス用ホース。 - 【請求項2】 請求項1記載のホースの少なくとも片面
にゴム層を有する冷媒ガス用ホース。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24321297A JP2783533B2 (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | 冷媒ガス用ホース |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24321297A JP2783533B2 (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | 冷媒ガス用ホース |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2052294A Division JP2766028B2 (ja) | 1990-03-02 | 1990-03-02 | 冷媒ガス用ホース |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1089548A JPH1089548A (ja) | 1998-04-10 |
JP2783533B2 true JP2783533B2 (ja) | 1998-08-06 |
Family
ID=17100502
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24321297A Expired - Lifetime JP2783533B2 (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | 冷媒ガス用ホース |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2783533B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009234259A (ja) * | 2008-03-03 | 2009-10-15 | Arkema France | 少なくとも一つの安定化層を有する多層構造物 |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
BR0301971A (pt) | 2002-06-06 | 2005-03-15 | Goodyear Tire & Rubber | Mangueira de célula de combustìvel com propriedades de barreira |
JP4537006B2 (ja) * | 2003-01-14 | 2010-09-01 | 株式会社ブリヂストン | 燃料電池用高圧低水素透過性ホース |
JP2005315406A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-11-10 | Bridgestone Corp | 冷媒輸送用ホース |
US20090123683A1 (en) * | 2007-11-09 | 2009-05-14 | Miller Lance D | Low-Permeation Flexible Fuel Hose |
JP2010184404A (ja) * | 2009-02-12 | 2010-08-26 | Bridgestone Corp | 冷媒輸送用ホース及びその製造方法 |
KR101088039B1 (ko) | 2010-11-29 | 2011-11-30 | 소민철 | 에어컨용 냉매관 및 그 제작방법 |
-
1997
- 1997-09-08 JP JP24321297A patent/JP2783533B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009234259A (ja) * | 2008-03-03 | 2009-10-15 | Arkema France | 少なくとも一つの安定化層を有する多層構造物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1089548A (ja) | 1998-04-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR960006172B1 (ko) | 호스 | |
KR101474059B1 (ko) | 저투과성 플렉시블 연료 호스 | |
US5957164A (en) | Refrigerant hose | |
EP2212605B1 (en) | Low-permeation flexible fuel hose | |
US7849887B2 (en) | Refrigerant transportation hose | |
JP5092724B2 (ja) | ホース内管用積層樹脂管状体及び冷媒輸送用ホース | |
JP2007292303A (ja) | 燃料輸送ホース | |
JP2783533B2 (ja) | 冷媒ガス用ホース | |
JP3905225B2 (ja) | 二酸化炭素冷媒輸送用ホース | |
JP2766028B2 (ja) | 冷媒ガス用ホース | |
JP2007537893A (ja) | ナイロン複合体製品およびその作製方法 | |
CN103398241A (zh) | 一种高压柔性橡胶软管及其接头连接方法 | |
JP2005119017A (ja) | 積層構造体 | |
JP2013241547A (ja) | 樹脂組成物及び冷媒輸送用ホース | |
CN113833912A (zh) | 多层管的组成和制造方法 | |
JPH0374691A (ja) | 低透過性ホース | |
JPH0222050A (ja) | 冷媒輸送用ホース | |
JP2008019901A (ja) | ホース構造体 | |
EP3974172A1 (en) | Composition of a multi-layer tube with a polyamide outer layer and process for making | |
JP2703285B2 (ja) | 冷媒ガス用ホース | |
JP2004232728A (ja) | 二酸化炭素冷媒輸送用ホース | |
JP2004263866A (ja) | 蛇腹金属管付ホース | |
US20240102585A1 (en) | Hose, specifically for refrigerant applications | |
JP2006258128A (ja) | 空調装置用エラストマ製ホース | |
JPH0552781B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090522 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 11 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090522 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 12 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100522 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100522 Year of fee payment: 12 |