JP2007263182A - 流体輸送樹脂ホース及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】流体輸送樹脂ホース10を、樹脂のホース本体12と、その端部16に装着された接続端部18とを含んで構成する。その接続端部18は、ホース本体12の端部16を筒壁の厚み方向中間部位で軸方向端面から筒壁内部に埋入させる状態にインジェクション成形により一体成形し且つこれをホース本体12の端部16に一体化する。
【選択図】 図2
Description
しかしながら近年、自動車燃料の透過規制は地球環境保全の観点から厳しく、今後も耐燃料透過性に対する要求は益々強まることが予想される。
そのための対策として、燃料に対する耐透過性に優れた樹脂を構成材料とする樹脂ホースが開発され、用いられている。
例えばこのクイックコネクタを用いたホースの接続構造が下記特許文献1に開示されている。
図9はこれを具体的に表したもので、ここでは予め樹脂ホース200の端部に樹脂製のクイックコネクタ(継手具)202を装着しておき、そこに金属製の相手パイプ204を挿入することで、そのクイックコネクタ202を介して樹脂ホース200と相手パイプ204とを抜止状態に接続し、そしてそのクイックコネクタ202に取り付けてあるOリング206によってそれらの間のシールを行う。
しかしながらこのようなクイックコネクタ202を用いた接続では、ホース接続のためにクイックコネクタ202が余分の部品として必要であり、また相手パイプ204もこれに合せた専用の部品となってしまい、所要コストが高くなってしまう問題のほか、万一自動車が衝突したときにクイックコネクタ202が他の部品と当って破損してしまう恐れがある。
また樹脂ホースを相手パイプに外嵌状態に嵌め込む際の変形抵抗が大きいために嵌込作業の際に大きな力を必要とし、ホースの接続作業性が悪化する問題を生ずる。
この特許文献2には、樹脂内管の外側に配したゴム外管の端部に延長部を設けてこれを内側に折り返し、そして折返し部分を樹脂内管の端部の内側に重ね合わせて、その重ね合わせた部分を相手パイプの外周面に嵌め合わせるようになした点、更には相手パイプからホースを抜き出したときにその折り返した部分がめくれてしまうのを防止するため、折り返した部分を外周面と内周面とから外側リング及び内側リングにより径方向に挟み込み、固定するようになした点が開示されている。
またゴム外管を備えていないホースについては適用できないといった問題がある。
またこの特許文献3のものでは、硬い樹脂を構成材料とするホース本体の外側からホースクランプにてこれを縮径方向に締め付け、相手パイプに締結することから、ホースクランプによる締結力が相手パイプと直接接触するシールゴムに及び難く、ひいてはシール性が不十分となる恐れがある問題を有する。
しかもこの接続端部は、樹脂を構成材料とするホース本体の端部を内周側と外周側とから包むように構成されているため、流体輸送樹脂ホースを相手パイプに接続する際に、ゴム弾性体から成る接続端部の相手パイプに対する良好な密着によって高いシール性を確保することができ、また流体輸送樹脂ホースを相手パイプに外嵌状態に嵌め込む際においても、接続端部の弾性変形により小さい力で簡単にこれを嵌込作業することができる。即ちホース接続作業を簡単に行うことができる。
この場合、接続端部におけるホース本体の端部即ち埋入部の内周側部分の肉厚を効果的に厚肉とすることができ、内部の流路断面積を大きく確保しつつ、埋入部の内周側部分を十分に圧縮弾性変形させる状態に相手パイプと接続することができ、高いシール性もまた併せて確保することができる。
更にこのように接続端部における埋入部の内周側部分を厚肉とすることで、接続端部を型成形により成形する際に、接続端部の構成材料であるゴム材料を良好にホース本体の端部の内周側まで回り込ませることができ、内周側部分を良好な形状に成形することが可能となる。
ここにおいて請求項4では、接続端部をインジェクション成形し且つ同時にホース本体に一体化するに際して、先ずホース本体の埋入部の内周側部分をインジェクション成形し、しかる後において外周側部分をインジェクション成形し且つそれらを一体化するようになしたものである。
即ち埋入部に射出圧による変形を生ぜしめることなく、良好に内周側部分をインジェクション成形することができる。
その理由については、既に先に行った内周側部分の射出成形により、かかる埋入部が内周側部分によりバックアップされることで変形が防止されるからである。
このようにすれば、内周側部分をインジェクション成形した後、引き続いて速やかに外周側部分及び埋入部より先端側部分をインジェクション成形することができ、先にインジェクション成形した内周側部分が加硫反応を起こす前に、後にインジェクション成形した外周側部分及び先端側部分を良好に内周側部分と一体化し、その状態で接続端部全体を加硫反応させることができる。
図1において、10は自動車の燃料注入口と燃料注入口から注入された燃料を燃料タンクに輸送する燃料輸送ホース(フィラーホース)等に用いて好適な流体輸送樹脂ホース(以下単にホースとする)で、12はその全体が樹脂にて構成されたホース本体である。
ホース本体12は蛇腹部14と、ホース軸方向にストレート形状をなす端部16とを有している。
接続端部18は、図2にも示しているようにホース本体12に対して短筒状(且つ非折曲げ形状)をなしており、その全体がゴム弾性体にて構成されている。接続端部18は、ホース本体12に対し一体に加硫接着されている。
この接続端部18は、金属製の相手パイプ20に外嵌状態に嵌め込まれて、相手パイプ20に接続される部分である。
詳しくは、ホース10は接続端部18において相手パイプ20に外嵌状態に嵌め込まれ、そしてその状態でホースクランプ22により外周面から縮径方向に締め付けられて、相手パイプ20に締結される。
このホースクランプ22は、ねじ26を締め込んで行くと締付バンド24が収縮して接続端部18を外周面から縮径方向に締め付け、これを相手パイプ20に締結し抜止めする。
尚、30は相手パイプ20の外周面から突出する状態に環状に一体形成された膨出部(バルジ部)である。
接続端部18は、ホース本体12の端部16を、所定軸長に亘って筒壁の厚み方向中間部位で軸方向端面から筒壁内部に、且つホースクランプ22による締付位置、具体的には締付部18-4まで到らない深さで埋入させる状態に、インジェクション成形により一体成形されたもので、そのインジェクション成形によりホース本体12の端部16に一体化されている。
図中16-1は、ホース本体12の端部16における接続端部18への埋入部を表している。
また18-1は、接続端部18における埋入部16-1の内周側部分を、18-2は埋入部16-1の外周側部分を、また18-3は埋入部16-1よりも先端側部分を表している。
上記締付部18-4は、この先端側部分18-3に形成されている。
この製造方法では、先ず樹脂製のホース本体12を成形し、そしてその端部16を成形型32にセットする(図3(I)参照)。
ここで成形型32は第1分割型34,第2分割型36及び第3分割型38を有している。
この図3(I)に示す工程では、先ず第1分割型34と第2分割型36との間に形成される成形キャビティ40内に、ホース本体12の端部16を挿入状態にセットする。
このときホース本体12における端部16、詳しくは埋入部16-1に対し射出圧が作用するが、埋入部16-1は第2分割型36の成形面42に接した状態にあって、成形面42によりバックアップされているため、射出圧によって埋入部16-1が変形を生ずるといったことは特に生じない。
そしてその状態で再びゴム材料を成形キャビティ44内部に射出し、これによって接続端部18の外周側部分18-2と先端側部分18-3とをインジェクション成形する(図4(IV)参照)。
従って次にインジェクション成形された外周側部分18-2,先端側部分18-3は、射出されるのと同時に内周側部分18-1と一体に融合し、その状態で加硫反応が進行せしめられて、接続端部18全体が加硫成形される。
そして同時に接続端部18がホース本体12の端部16、具体的には埋入部16-1に加硫接着により一体化される。
ここにおいて図2に示すホース10が得られる。
しかも樹脂を構成材料とするホース本体12の端部16を、内周側と外周側とから包むように樹脂端部18を構成しているため、図2に示すようにホース10を相手パイプ20に接続する際に、ゴム弾性体から成る接続端部18の相手パイプ20に対する良好な密着によって高いシール性を確保することができ、またホース10を相手パイプ20に対して外嵌状態に嵌め込む際においても、接続端部18の弾性変形により小さい力で簡単にこれを嵌込作業することができる。即ちホース接続作業を簡単に行うことができる。
しかるに本実施形態によれば、このような不具合を生じずに内周側部分18-1、更には外周側部分18-2及び先端側部分18-3を含む接続端部18を良好に成形することができるとととも、ホース本体12の端部、つまり埋入部16-1も良好な形状に保持することができる。
この例は、ホース本体12の端部16に拡径部46を設け、その拡径部46を内部に埋入させる状態に、接続端部18をインジェクション成形にて一体成形し且つホース本体12に一体化したものである。
この製造方法において、成形型32は第1分割型34,第2分割型48及び第3分割型50を有している。
この製造方法では、図7(I)に示しているように第1分割型34と第2分割型48とによって形成される成形キャビティ40内部に、ホース本体12における拡径部46を挿入する状態にセットし、その状態で成形キャビティ40にゴム材料を射出して、接続端部18における内周側部分18-1をインジェクション成形する。図7(II)はこのときの状態を表している。
そしてその状態でゴム材料を成形キャビティ52に射出し、外周側部分18-2と先端側部分18-3とを同時にインジェクション成形し、且つこれらを内周側部分18-1と一体に融合させて、その後加硫反応を進行させ、接続端部18を加硫成形するとともに、これをホース本体12に一体化する(図8(IV)参照)。
ここにおいて図6に示すホース10が得られる。
更にこのように接続端部18の内周側部分18-1を厚肉とすることで、接続端部18を型成形により成形する際に、接続端部18の構成材料であるゴム材料を良好にホース本体12の埋入部16-1の内側まで回り込ませることができ、内周側部分18-1を良好な形状に成形することができる。
12 ホース本体
16 端部
16-1 埋入部
18 接続端部
18-1 内周側部分
18-2 外周側部分
18-3 先端側部分
18-4 締付部
20 相手パイプ
22 ホースクランプ
32 成形型
34 第1分割型
36,48 第2分割型
38,50 第3分割型
46 拡径部
Claims (6)
- 樹脂を構成材料とするホース本体と、該ホース本体の端部に装着され、相手パイプに外嵌状態に嵌め込まれてホースクランプにより縮径方向に締め付けられ、締結されるゴム弾性体にて構成された接続端部とを有しており、
前記接続端部は、前記ホース本体に対して非折曲げ形状の短筒状をなし、前記ホース本体の端部を所定軸長に亘って筒壁の厚み方向中間部位で軸方向端面から該筒壁内部に、且つ前記ホースクランプによる締結位置まで到らない深さで埋入させる状態に型成形により一体成形されて前記ホース本体の端部に一体化されていることを特徴とする流体輸送樹脂ホース。 - 請求項1において、前記ホース本体の端部は拡径されていて、その拡径部が前記接続端部の内部に埋入していることを特徴とする流体輸送樹脂ホース。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記接続端部はインジェクション成形にて一体成形されていることを特徴とする流体輸送樹脂ホース。
- 請求項3の流体輸送樹脂ホースの製造方法であって、前記ホース本体の端部を成形型にセットした状態で、前記接続端部における前記ホース本体の埋入部の内周側部分をインジェクション成形し、続いて該埋入部の外周側部分をインジェクション成形して該内周側部分と一体化することを特徴とする流体輸送樹脂ホースの製造方法。
- 請求項4において、前記内周側部分をインジェクション成形する際に、前記接続端部の該埋入部より先端側部分は成形せず、前記外周側部分のインジェクション成形の際に該先端側部分を同時成形し且つ該先端側部分を介して前記外周側部分を前記内周側部分に一体化することを特徴とする流体輸送樹脂ホースの製造方法。
- 請求項4,5の何れかにおいて、前記内周側部分をインジェクション成形した後、前記成形型の位置をずらせることによって前記外周側部分をインジェクション成形することを特徴とする流体輸送樹脂ホースの製造方法。
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