JPH07298607A - 半導体昇圧回路 - Google Patents

半導体昇圧回路

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JPH07298607A
JPH07298607A JP10467394A JP10467394A JPH07298607A JP H07298607 A JPH07298607 A JP H07298607A JP 10467394 A JP10467394 A JP 10467394A JP 10467394 A JP10467394 A JP 10467394A JP H07298607 A JPH07298607 A JP H07298607A
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transistor
stage
booster circuit
mos transistor
voltage
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Kikuzo Sawada
喜久三 澤田
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板効果に起因した昇圧能力の低下を防止す
る。 【構成】 トランジスタQ1 〜Q9 の基板部を互いに電
気的に分離するとともに、それらの基板部を夫々のトラ
ンジスタQ1 〜Q9 のソース端子N3 〜N12に接続し、
各基板部を各トランジスタQ1 〜Q9 のソース電位に固
定して、基板効果によるトランジスタQ1 〜Q9 のしき
い値電圧の上昇を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、EEPROM
(Electrically Erasable and ProgramableRead Only M
emory) やフラッシュメモリに用いられるチャージポン
プ回路等の半導体昇圧回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、EEPROMやフラッシュメモリ
などの半導体集積回路の単一5V電源化や単一3V電源
化に伴って、集積回路の内部で電圧の昇圧が行われるよ
うになってきており、このために、チャージポンプ回路
などの半導体昇圧回路が用いられる。
【0003】図11に、従来の半導体昇圧回路の構成を
示す。
【0004】図示のように、NチャネルMOSトランジ
スタQ20〜Q24が縦列接続されてn段の昇圧回路を構成
している。各トランジスタQ20〜Q24のゲート端子はソ
ース端子に接続されており、また、夫々のソース端子N
20〜N24にはキャパシタンスC20〜C24を介してクロッ
ク信号φA 又はφB が入力される。
【0005】図12に示すように、クロック信号φA
φB は互いに逆位相の信号であり、周期が1/fで振幅
はVφである。このクロック信号φA 、φB は、クロッ
ク信号CKを、図11のNAND回路ND1 、ND2
びインバータ回路IV1 〜IV3 に通して得ており、ク
ロック信号φA 、φB の振幅Vφは電源電圧Vddと等し
い。なお、図11において、Gは接地端子である。
【0006】図11に示すように、この半導体昇圧回路
では、入力信号として電源電圧VddがトランジスタQ25
のソース端子N27から入力され、出力信号として出力電
圧VPOUTが出力端子N26から出力される。
【0007】このような半導体昇圧回路の出力電圧V
POUTは、例えば "Analysis and Modeling of On-Chip H
igh-voltage Generator Circuits for Use in EEPROM C
ircuits" (IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS, vo
l.24, No.5, OCTOBER 1989) に記載されているように、
以下に示すような式で表される。 VPOUT=Vin−Vt +n〔Vφ・C/( C+Cs ) −Vt −IOUT /f( C+Cs ) 〕 …(1) Vt =VtO+K2 ・〔( Vbs+2φf )1/2−( 2φf )1/2〕 …(2) ここで、Vin :昇圧回路の入力電圧 Vφ :クロックの振幅電圧 f :クロック周波数 C :クロック信号へのカップリング容量 Cs :昇圧回路の各段での寄生容量 n :昇圧回路の段数 VPOUT:昇圧回路の最終段での出力電圧 IOUT :出力段での負荷電流 VtO :基板バイアスがない時のしきい値電圧 Vbs :基板バイアス電圧(ソースと基板又はウェルと
の電位差) φf :フェルミポテンシャル K2 :基板バイアス係数
【0008】(1)式から、出力電圧VPOUTは負荷電流
OUT が0で、C/( C+Cs ) ≒1の場合は、(Vφ
−Vt )と昇圧回路の段数nとに比例して大きくなるこ
とがわかる。図11に示す従来の昇圧回路においては、
クロックの振幅電圧Vφは電源電圧Vddに等しいので、
出力電圧VPOUTは(Vdd−Vt )の値と昇圧回路の段数
nとに比例して大きくなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
昇圧回路においては、出力電圧VPOUTが大きくなるに従
って、基板効果により、各トランジスタQ20〜Q24のし
きい値電圧Vt が(2)式に示すように大きくなるとい
う現象が生じる。
【0010】このため、昇圧回路をディスクリートに構
成して基板効果が発生しないようにした場合には、出力
電圧VPOUTは昇圧回路の段数nに比例して大きくなるの
であるが、各トランジスタQ20〜Q24を集積化して同一
基板上に形成した場合には、基板効果が発生するため、
(Vdd−Vt )の値は昇圧回路の段数nが大きくなると
小さくなってしまう。
【0011】この結果、図13に示すように、昇圧回路
の段数nが大きくなるに従い、出力電圧VPOUTは、基板
効果がない場合に得られる値よりも減少し、(Vdd−V
t )の値が0となったところで出力電圧VPOUTは飽和し
てしまう。このことは、昇圧回路の段数nをいくら大き
くしても、得られる出力電圧VPOUTには限界があること
を示している。図14に、昇圧回路の段数nを無限大と
した場合の電源電圧Vddと最大出力電圧との関係を示
す。昇圧回路の段数nを無限大とした場合、基板効果が
ない場合には、得られる出力電圧VPOUTは理論上無限大
となるが、基板効果がある場合には、電源電圧Vddによ
って決まる或る値までしか得られない。即ち、従来の昇
圧回路では、電源電圧Vddが低い場合は、昇圧回路の段
数nをどのような値に設定しても、所望の出力電圧V
POUTを得ることができないという問題があった。
【0012】例えば、図11に示す従来の昇圧回路にお
いて、電源電圧Vddが2.5V、基板効果がないとした
時のしきい値電圧VtOが0.6V(基板バイアスが0
V)の場合、昇圧回路の段数nを20段にした時に、出
力電圧VPOUTとして20Vを得ることができたが、電源
電圧Vddが2.0Vの時は、昇圧回路の段数nを100
段にしても、出力電圧VPOUTとして12Vしか得ること
ができなかった。
【0013】一方、特開昭61−254078号公報に
は、基板効果の著しい後段側のMOSトランジスタのし
きい値電圧Vt を前段側のMOSトランジスタのしきい
値電圧Vt よりも低くすることにより、基板効果による
出力電圧の低下を改善したコックロフト型昇圧回路が開
示されている。
【0014】しかしながら、この構成においても、基板
効果によるしきい値電圧Vt の上昇そのものは抑制でき
ず、例えば、電源電圧Vddが半分程度になった場合(V
dd=1〜1.5V)には、昇圧回路の段数nをどのよう
な値に設定しても、所望の出力電圧VPOUTを得ることが
できない。また、MOSトランジスタのしきい値電圧V
t を複数設定するために例えば余分なフォトマスク及び
イオン注入の工程を追加する必要があり、製造工程が複
雑になるという欠点も有する。
【0015】そこで、本発明の目的は、特に複雑な製造
工程を必要とせずに、電源電圧が低い場合でも所望の出
力電圧が得られる半導体昇圧回路を提供することであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の半導体昇圧回路では、各段が、第1の
MOSトランジスタと、前記第1のMOSトランジスタ
のドレイン端子に一端が接続された第1のキャパシタン
スとを備え、前記第1のMOSトランジスタが縦列接続
されることによって各段が接続されており、各段におけ
る前記第1のMOSトランジスタのソース端子と基板部
とが互いに電気的に接続され、前記基板部が他段の前記
第1のMOSトランジスタの基板部と電気的に絶縁され
ている。
【0017】本発明の一態様では、前記第1のMOSト
ランジスタがN型ウェル領域に形成されたPチャネルM
OSトランジスタであり、前記N型ウェル領域が各段毎
に電気的に絶縁分離されている。
【0018】本発明の一態様では、各段において、前記
第1のMOSトランジスタのゲート端子に一端が接続さ
れた第2のキャパシタンスが設けられるとともに、前記
第1のMOSトランジスタのゲート端子とソース端子と
が第2のMOSトランジスタを介して互いに接続されて
おり、前記第2のMOSトランジスタのゲート端子が前
記第1のキャパシタンスの前記一端に接続されている。
【0019】本発明の一態様では、連続する2段の前記
第1のキャパシタンスの他端に互いに逆相の一対の第1
のクロック信号が夫々入力されるとともに、連続する2
段の前記第2のキャパシタンスの他端にパルスタイミン
グが異なる一対の第2のクロック信号が夫々入力され
る。
【0020】本発明の一態様では、各段において、前記
第1のMOSトランジスタのゲート端子が後段の前記第
1のキャパシタンスの前記一端に接続されており、連続
する2段の前記第1のキャパシタンスの他端に互いに逆
位相の一対のクロック信号が夫々入力される。
【0021】本発明の一態様では、各段が、第1のMO
Sトランジスタと、前記第1のMOSトランジスタのソ
ース端子に一端が接続されたキャパシタンスとを備え、
前記第1のMOSトランジスタが縦列接続されることに
よって各段が接続されており、各段における前記第1の
MOSトランジスタのゲート端子とソース端子とが互い
に電気的に接続されるとともに、前記ソース端子と基板
部とが互いに電気的に接続され、前記基板部が他段の前
記第1のMOSトランジスタの基板部と電気的に絶縁さ
れている。
【0022】本発明の一態様では、前記第1のMOSト
ランジスタがP型ウェル領域に形成されたNチャネルM
OSトランジスタであり、前記P型ウェル領域が各段毎
に電気的に絶縁分離されている。
【0023】
【作用】本発明においては、昇圧回路の各段を構成する
MOSトランジスタの基板部を他段のMOSトランジス
タの基板部から電気的に絶縁分離するとともに、各段に
おいて、MOSトランジスタの基板部とソース端子とを
互いに電気的に接続することにより、MOSトランジス
タの基板部をソース電位に固定して、基板効果によるM
OSトランジスタのしきい値電圧の上昇を抑制してい
る。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例につき図1〜図10を
参照しながら説明する。
【0025】図1に本発明の第1実施例による半導体昇
圧回路の構成を示す。
【0026】図1に示すように、n個のPチャネルMO
SトランジスタQ1 、Q3 、Q5 、Q7 、…、Q9 が縦
列接続されてn段の昇圧回路を構成している。各トラン
ジスタQ1 、Q3 、Q5 、Q7 、…、Q9 の基板部は互
いに電気的に分離されるとともに、それらの基板部は夫
々トランジスタQ1 、Q3 、Q5 、Q7 、…、Q9 のソ
ース端子に接続されている。そして、トランジスタ
1 、Q3 、Q5 、Q7 、…、Q9 のドレイン端子(ノ
ードN1 、N3 、N5 、N7 、…、N9 で示される。)
に夫々キャパシタンスC1 、C3 、C5 、C7 、…、C
9 を介して、図3に示すクロック信号φ1A又はφ1Bが入
力される。
【0027】また、トランジスタQ1 、Q3 、Q5 、Q
7 、…、Q9 のゲート端子(ノードN2 、N4 、N6
8 、…、N10で示される。)には夫々キャパシタンス
2、C4 、C6 、C8 、…、C10を介して、図3に示
すクロック信号φ2A又はφ2Bが入力される。
【0028】また、各トランジスタQ1 、Q3 、Q5
7 、…、Q9 のゲート端子N2 、N4 、N6 、N8
…、N10とソース端子(ノードN3 、N5 、N7
11、…、N12で示される。)との間には、Pチャネル
MOSトランジスタQ2 、Q4 、Q6 、Q8 、…、Q10
が夫々接続され、これらのトランジスタQ2 、Q4 、Q
6、Q8 、…、Q10のゲート端子はトランジスタQ1
3 、Q5 、Q7 、…、Q9 のドレイン端子N1
3 、N5 、N7 、…、N9 に夫々接続されている。
【0029】本実施例の昇圧回路では、入力信号とし
て、電源電圧Vddが、NチャネルMOSトランジスタQ
12、Q13のソース端子(ノードN0 で示される。)から
トランジスタQ1 、Q3 のソース端子N1 、N3 に夫々
入力され、出力信号として、出力電圧VPOUTが、Nチャ
ネルMOSトランジスタQ11を介して出力端子(ノード
13で示される。)から出力される。図示の如く、トラ
ンジスタQ12、Q13のゲート端子は夫々ソース端子N0
に接続されている。また、トランジスタQ11のソース端
子(ノードN12で示される。)には、キャパシタンスC
11を介して、図3に示すクロック信号φ1Aが入力され
る。更に、トランジスタQ11のゲート端子はドレイン端
子(ノードN13で示される。)に接続されている。
【0030】図3に示すように、クロック信号φ1A、φ
1Bは互いに逆位相の信号であり、クロック信号φ2A、φ
2Bは、クロック信号φ1A、φ1Bが夫々オンの期間内にオ
フとなるパルス状の信号である。
【0031】次に、この第1実施例による半導体昇圧回
路の動作を図2〜図5を参照して説明する。
【0032】図2は、図1の半導体昇圧回路の連続する
2段(第1段及び第2段)を示す回路図である。また、
図4は、図3に示す(I)〜(VI)の期間における図2
の回路のノードNA 〜ND での電圧波形を示すものであ
る。更に、図5は、各期間(I)〜(VI)における図2
のトランジスタM1 〜M4 の導通状態を説明するための
回路図である。
【0033】まず、期間(I)においては、図3に示す
ように、クロック信号φ1Aが接地電位0Vから電源電圧
ddになり、図2に示すトランジスタM1 のドレイン端
子NA の電位は、図4(a)に示すように、電源電圧V
ddの電圧分上昇する。
【0034】また、クロック信号φ1Bが電源電圧Vdd
ら接地電位0Vになり、トランジスタM1 のソース端子
B の電位は、図4(b)に示すように、電源電圧Vdd
の電圧分下降する。
【0035】この時、トランジスタM1 のソース端子N
B に接続されているキャパシタンスCA2には、前段から
運ばれてきた電荷が蓄積されており、トランジスタM1
のソース端子NB の電位は、このキャパシタンスCA2
蓄積されている電荷の電圧分だけ昇圧されている。
【0036】また、トランジスタM2 のゲート端子NA
の電位はソース端子NB の電位よりも高くなり、トラン
ジスタM2 は、図5(I)に示すように、オン状態から
オフ状態となる。
【0037】そして、この時、後述するように、トラン
ジスタM1 のドレイン端子NA とソース端子NB との間
に形成されたPN接合が順方向にバイアスされるので、
ソース端子NB に接続されたトランジスタM1 の基板部
は、ドレイン端子NA の電位からPN接合の順方向バイ
アス電圧を引いた電位に保持される。
【0038】また、図4(c)に示すように、トランジ
スタM1 のゲート端子NC の電位はドレイン端子NA
電位と同電位まで下降するが、トランジスタM1 は、図
5(I)に示すように、オフ状態のままである。
【0039】また、クロック信号φ1Aが接地電位0Vか
ら電源電圧Vddになるのに伴って、トランジスタM3
ソース端子ND の電位は、図4(d)に示すように、電
源電圧Vddの電圧分上昇する。
【0040】この時、キャパシタンスCA3には、前段か
ら運ばれてきた電荷が蓄積されており、トランジスタM
3 のソース端子ND の電位は、キャパシタンスCA3に蓄
積されている電荷の電圧分だけ昇圧されている。
【0041】また、クロック信号φ1Bが電源電圧Vdd
ら接地電位0Vになった時に、トランジスタM4 のゲー
ト端子NB の電位は下降して、トランジスタM4 がオフ
状態からオン状態となるので、トランジスタM3 のゲー
ト端子NE の電位は、トランジスタM3 のソース端子N
D の電位と同電位となる。この時、図5(I)に示すよ
うに、トランジスタM3 はオフ状態のままである。
【0042】次に、期間(II)において、クロック信号
φ2Aが電源電圧Vddから接地電位0Vになり、トランジ
スタM1 のゲート端子NC の電位は、図4(c)に示す
ように、電源電圧Vddの電圧分下降する。
【0043】このため、図5(II)に示すように、トラ
ンジスタM1 はオン状態となり、トランジスタM1 のド
レイン端子NA からソース端子NB に、ドレイン端子N
A とソース端子NB との電位が等しくなるまで電流が流
れる。
【0044】即ち、キャパシタンスCA1からキャパシタ
ンスCA2に電荷の受け渡しが行われ、図4(a)に示す
ように、トランジスタM1 のドレイン端子NA の電位は
下降し、図4(b)に示すように、トランジスタM1
ソース端子NB の電位は上昇する。
【0045】また、トランジスタM3 のソース端子ND
についても、トランジスタM1 のドレイン端子NA の場
合と同様となり、図4(d)に示すように、ソース端子
Dの電位は下降する。
【0046】この時、トランジスタM1 をオン状態とす
るためのクロック信号φ2Aは、キャパシタンスCB1を介
して外部から供給され、トランジスタM1 をオン状態と
した時のドレイン端子NA とソース端子NB との間で電
圧降下は発生しないので、従来に比べて昇圧能力が向上
する。即ち、この状態は、前述の(1)式において、括
弧内のVt =0Vとみなした状態に当り、格段に効率よ
く昇圧を行うことができる。
【0047】次に、期間(III) において、クロック信号
φ2Aが接地電位0Vから電源電圧Vddになり、トランジ
スタM1 のゲート端子NC の電位は、図4(c)に示す
ように、電源電圧Vddの電圧分上昇する。
【0048】このため、図5(III) に示すように、トラ
ンジスタM1 はオフ状態となる。
【0049】また、図4(a)(b)(d)に示すよう
に、トランジスタM1 のドレイン端子NA 、ソース端子
B 、トランジスタM3 のソース端子ND の電位は変わ
らない。
【0050】次に、期間(IV)において、クロック信号
φ1Aが電源電圧Vddから接地電位0Vになり、トランジ
スタM1 のドレイン端子NA の電位は、電源電圧Vdd
電圧分下降しようとするが、第1段においては、図1の
トランジスタQ12がオン状態となるため、図4(a)に
示すように、(Vdd−Vt )の電位となる。
【0051】また、クロック信号φ1Bが接地電位0Vか
ら電源電圧Vddになり、トランジスタM1 のソース端子
B の電位は、図4(b)に示すように、電源電圧Vdd
の電圧分上昇する。
【0052】この時、キャパシタンスCA2には、前段か
ら運ばれてきた電荷が蓄積されているので、トランジス
タM1 のソース端子NB の電位は、キャパシタンスCA2
に蓄積されている電荷の電圧分だけ昇圧されている。
【0053】また、トランジスタM2 のゲート端子NA
の電位はソース端子NB の電位よりも低くなり、トラン
ジスタM2 は、図5(IV)に示すように、オフ状態から
オン状態となる。
【0054】このため、トランジスタM1 のゲート端子
C の電位は、図4(c)に示すように、トランジスタ
1 のソース端子NB の電位と同電位となるまで上昇す
る。
【0055】また、クロック信号φ1Aが電源電圧Vdd
ら接地電位0Vになるのに伴って、トランジスタM3
ソース端子ND の電位は、図4(d)に示すように、電
源電圧Vddの電圧分下降する。
【0056】この時、キャパシタンスCA3には、前段か
ら運ばれてきた電荷が蓄積されており、ソース端子ND
の電位は、キャパシタンスCA3に蓄積されている電荷の
電圧分だけ昇圧されている。
【0057】このため、トランジスタM4 のドレイン端
子NB の電位はソース端子ND の電位よりも高くなり、
トランジスタM4 は、図5(IV)に示すように、オン状
態からオフ状態となる。
【0058】また、前述したトランジスタM1 の場合と
同様、トランジスタM3 のドレイン端子NB とソース端
子ND との間に形成されたPN接合が順方向にバイアス
されるので、ソース端子ND に接続されたトランジスタ
3 の基板部は、ドレイン端子NB の電位からPN接合
の順方向バイアス電圧を引いた電圧に保持される。
【0059】次に、期間(V)において、クロック信号
φ2Bが電源電圧Vddから接地電位0Vになり、トランジ
スタM3 のゲート端子NE の電位は、電源電圧Vddの電
圧分下降する。
【0060】このため、図5(V)に示すように、トラ
ンジスタM3 はオン状態となり、トランジスタM3 のド
レイン端子NB からソース端子ND に、ドレイン端子N
B とソース端子ND の電位が等しくなるまで電流が流れ
る。
【0061】即ち、キャパシタンスCA2からキャパシタ
ンスCA3に電荷の受け渡しが行われ、図4(b)に示す
ように、トランジスタM3 のドレイン端子NB の電位は
下降し、図4(d)に示すように、トランジスタM3
ソース端子ND の電位は上昇する。
【0062】また、トランジスタM2 はオン状態のまま
であり、トランジスタM1 のゲート端子NC とトランジ
スタM3 のドレイン端子NB は同電位であるので、図4
(c)に示すように、トランジスタM1 のゲート端子N
C の電位は下降する。
【0063】この時、トランジスタM3 をオン状態とす
るためのクロック信号φ2Bは、キャパシタンスCB2を介
して外部から供給され、トランジスタM3 をオン状態と
した時のドレイン端子NB とソース端子ND との間で電
圧降下は発生しないので、従来に比べて昇圧能力が向上
する。
【0064】次に、期間(VI)において、クロック信号φ
2Bが接地電位0Vから電源電圧Vddになり、トランジス
タM3 のゲート端子NE の電位は、電源電圧Vddの電圧
分上昇する。
【0065】このため、図5(VI)に示すように、トラン
ジスタM3 はオフ状態となる。
【0066】また、図4(a)〜(d)に示すように、
ノードNA 〜ND の電位は変わらない。
【0067】以上に説明した動作において、各トランジ
スタM1 、M3 のソース端子は後段に行くほど昇圧され
るので、本来であれば、基板効果が発生して、前述の
(2)式に示すように、各トランジスタM1 、M3 のし
きい値電圧Vt は上昇しようとする。しかしながら、本
実施例においては、図2に示すように、各トランジスタ
1 、M3 の基板部をソース端子に接続しているので、
基板効果が発生することがなく、前段から後段への電荷
の受け渡しが効率よく行われる。
【0068】図6は、図2のトランジスタM1 、M3
部分の素子構造を示すための概略断面図である。
【0069】図6に示すように、P型半導体基板10に
互いに絶縁されたNウェル領域11が夫々形成され、各
Nウェル領域11には、ゲート酸化膜15を介して形成
された多結晶シリコン層16をゲート電極として有し、
+ 拡散層12をソース/ドレインとして有するMOS
トランジスタが形成されている。
【0070】各トランジスタのソース側のP+ 拡散層1
2は、N+ 拡散層14を介して、そのトランジスタが形
成されているNウェル領域11と電気的に接続され、前
段のトランジスタのソースは後段のトランジスタのドレ
インと接続されている。
【0071】このことによって、各トランジスタの基板
部となるNウェル領域11は、各トランジスタのソース
電位に固定され、基板効果が防止される。
【0072】また、各トランジスタのドレイン側のP+
拡散層12とNウェル領域11との間に形成されるPN
接合が、図5(I)又は(IV)の状態の時に、順方向バ
イアスされ、このPN接合を通じて、基板部のNウェル
領域11からN+ 拡散層14を介し、ノードNA
B 、NB →ND の電荷の受け渡しを行うことができ
る。この場合には、MOSトランジスタのしきい値電圧
t とは独立したPN接合の順接合バイアス電圧V
F (通常0.7V程度)の電位差を昇圧に利用すること
になり、前述の(1)(2)式のVt の代わりにVF
使うことになる。このPN接合の順接合バイアス電圧V
F は基板効果の影響を受けないので、昇圧回路の段数が
増えても基板効果による昇圧能力の低下を生じない昇圧
回路を実現することができる。
【0073】以上説明したように、本発明の第1実施例
による半導体昇圧回路では、図1のMOSトランジスタ
1 、Q3 、Q5 、Q7 、…、Q9 の基板部を互いに電
気的に絶縁分離するとともに、夫々の基板部をソース端
子N3 、N5 、N7 、N11、…、N12に電気的に接続す
ることにより、基板効果によるしきい値電圧Vt の増大
を防止している。従って、昇圧回路の段数nに比例して
増大する出力電圧VPOUTを得ることができ、従来よりも
昇圧能力の高い半導体昇圧回路を提供することができ
る。
【0074】また、本実施例の構成は、図6に示すよう
に、各トランジスタが形成されるNウェル領域11を分
離して形成するとともに、各Nウェル領域11のN+
純物領域14と各トランジスタのソース側のP+ 不純物
領域12とを電気的に接続すればよく、従来のような各
トランジスタのしきい値電圧を異ならせるための工程が
必要ないので、製造工程がそれ程増大することはない。
【0075】また、各トランジスタの基板部をソース端
子と電気的に接続することにより、各トランジスタのソ
ースとドレインとの間には、ドレインと基板部との境界
に形成されるPN接合が並列に接続された構造となる。
そして、昇圧回路における次段への電荷の送り出し時に
おいて、このPN接合をオン状態とすることにより、各
トランジスタの基板部の電位をPN接合の順接合バイア
ス電圧VF (通常0.7V程度)の電位差に固定でき、
このことによっても基板効果の影響が抑制できる。
【0076】また、図5に示すように、各トランジスタ
1 、M3 のゲート端子NC 、NEには、ドレイン端子
A 、NB に入力されるクロック信号φ1A、φ1Bとは独
立のクロック信号φ2A、φ2Bを入力して、各トランジス
タM1 、M3 のソースとドレインの間に電位差が発生し
ないようにしてトランジスタをオン状態とさせることが
できるので、昇圧回路における次段への電荷の送り出し
時において、ソースとドレインの間の電位差分の電圧降
下が起こらないような電荷の送り出しが可能となる。こ
のため、(1)式において、しきい値電圧Vt を0とお
くことができるので、従来回路に比べて効率よく昇圧で
き、昇圧回路の段数n及び電源電圧Vddが従来回路と同
一の場合でも、より高い出力電圧VPOUTを得ることがで
きる。また、出力電圧VPOUTが同じでよい場合には、本
実施例の昇圧回路の方がより大きな負荷電流IOUT をと
れる。
【0077】例えば、電源電圧Vddが2.5Vで、昇圧
回路の段数nが20段の場合において、容量比C/( C
+Cs ) を0.9、しきい値電圧の絶対値|Vt |を
0.6V、出力段での負荷電流IOUT を0と仮定する
と、従来回路では出力電圧VPOUTとして20Vしか得る
ことができなかったが、本実施例による回路では47V
程度の値を得ることができた。
【0078】また、本実施例による半導体昇圧回路で
は、従来回路では昇圧不可能な低い電源電圧Vddにおい
ても、所望の出力電圧を得ることができる。即ち、従来
回路では、図14に示すように、昇圧回路の段数nをど
のような値に設定しても、電源電圧Vddによって最大出
力電圧は所定の値に制限されるが、本実施例による半導
体昇圧回路においては、実質上、そのような制限はな
い。
【0079】例えば、電源電圧Vddが2.0Vの場合に
おいて、容量比C/( C+Cs ) を0.9、しきい値電
圧の絶対値|Vt |を0.6V、出力段での負荷電流I
OUTを0とすると、従来回路では、昇圧回路の段数nが
50段においても出力電圧VPOUTは12Vしか得ること
ができなかったが、本実施例による回路では、昇圧回路
の段数nが20段において37V程度の値を得ることが
でき、昇圧回路の段数nが50段においては91V程度
の値を得ることができた。
【0080】なお、本実施例による半導体昇圧回路にお
いて、しきい値電圧の絶対値|Vt|を0.6Vとした
場合、昇圧可能な電源電圧Vddの下限は0.7V程度と
なる。
【0081】次に、本発明の第2実施例による半導体昇
圧回路を図7及び図8を参照しながら説明する。
【0082】図7は、本発明の第2実施例による半導体
昇圧回路の構成を示す回路図である。
【0083】図7において、n個のPチャネルMOSト
ランジスタQ30〜Q34が縦列接続されてn段の昇圧回路
を構成している。各トランジスタQ30〜Q34の基板部は
電気的に分離されるとともに、各基板部及びゲート端子
は夫々ソース端子N31〜N35に接続されている。そし
て、夫々の端子N30〜N35にはキャパシタンスC30〜C
35を介して、図8に示すクロック信号φA 又はφB が入
力される。
【0084】この実施例の昇圧回路では、入力信号とし
て、電源電圧VddがPチャネルMOSトランジスタQ36
のソース端子N37からトランジスタQ30のドレイン端子
30に入力され、出力信号として、出力電圧VPOUTがP
チャネルMOSトランジスタQ35を介して出力端子N36
から出力される。
【0085】クロック信号φA 、φB は、図8に示すよ
うに、互いに逆位相の信号であり、振幅が電圧Vφであ
る。
【0086】また、この実施例のトランジスタQ30〜Q
34の素子構造は、図6と同様であってよい。即ち、P型
半導体基板10にNウェル領域11が形成され、各Nウ
ェル領域11には、ゲート酸化膜15を介して形成され
た多結晶シリコン層16をゲート電極として有し、P+
拡散層12をソース/ドレインとして有するMOSトラ
ンジスタが形成される。
【0087】各トランジスタのソース側のP+ 拡散層1
2は、N+ 拡散層14を介してNウェル領域11と接続
され、前段のトランジスタのソースは後段のトランジス
タのドレインと接続されている。このことによって、各
トランジスタの基板部となるNウェル領域11は、各ト
ランジスタのソース電位に固定され、基板効果が防止さ
れる。
【0088】また、各トランジスタのドレイン側のP+
拡散層12とNウェル領域11との間に形成されるPN
接合が順方向バイアスされることにより、このPN接合
を通じて、基板部のNウェル領域11からN+ 拡散層1
4を介し、ノードNA →NB、NB →ND の電荷の受け
渡しが行われる。この実施例の場合には、上述した第1
実施例の図5(II)及び(V)に示すような各トランジ
スタが実質的に完全に導通した状態が存在せず、前段か
ら後段への電荷の受け渡しは上述したPN接合を通じて
行われる。従って、この実施例の場合には、MOSトラ
ンジスタのしきい値電圧Vt とは独立したPN接合の順
接合バイアス電圧VF (通常0.7V程度)の電位差を
昇圧に利用することになり、前述の(1)(2)式のV
t の代わりにVF を使うことになる。このPN接合の順
接合バイアス電圧VF は基板効果の影響を受けないの
で、昇圧回路の段数が増えても基板効果による昇圧能力
の低下を生じない昇圧回路を実現することができる。
【0089】詳細に説明すると、この実施例において
は、図7に示すように、各トランジスタQ30〜Q34の基
板部をソース端子N31〜N35と電気的に接続することに
より、各トランジスタQ30〜Q34のソースとドレインと
の間には、ドレインと基板部との境界に形成されるPN
接合が並列に接続された構造となる。そして、昇圧回路
における次段への電荷の送り出し時において、このPN
接合をオン状態とさせることにより、各トランジスタQ
30〜Q34の基板部の電位をPN接合の順接合バイアス電
圧VF (通常0.7V程度)の電位差に固定できるた
め、このことによっても基板効果の影響を抑制できる。
【0090】即ち、本発明の第2実施例による半導体昇
圧回路では、前述した(1)(2)式において、しきい
値電圧Vt の代わりに順接合バイアス電圧VF を使用す
ることができ、特に、しきい値電圧Vt が順接合バイア
ス電圧VF よりも大きい場合においては、昇圧回路にお
ける次段への電荷の送り出し時の電圧降下が、しきい値
電圧Vt と順接合バイアス電圧VF との電圧差だけ少な
くなるので、昇圧回路の昇圧能力を向上させることがで
きる。即ち、次段への電荷の送り出し時の電圧降下は、
しきい値電圧Vt と順接合バイアス電圧VF とのうちの
いずれか小さい方によって決まる。
【0091】例えば、電源電圧Vddが2.5Vで、昇圧
回路の段数nが20段の場合において、容量比C/( C
+Cs ) を0.9、しきい値電圧の絶対値|Vt |を
0.6V、出力段での負荷電流IOUT を0A、PN接合
の順接合バイアス電圧VF を0.7Vとした時、従来回
路では出力電圧VPOUTとして20Vしか得ることができ
なかったが、本発明の第2実施例による回路では33V
程度の値を得ることができた。
【0092】また、例えば、電源電圧Vddが2.0Vの
場合において、容量比C/( C+Cs ) を0.9、しき
い値電圧の絶対値|Vt |を0.6V、出力段での負荷
電流IOUT を0A、PN接合の順接合バイアス電圧VF
を0.7Vとした時、従来回路では、昇圧回路の段数n
が50段においても出力電圧VPOUTは12Vしか得るこ
とができなかったが、本発明の第2実施例による回路で
は、昇圧回路の段数nが20段において23V程度の値
を得ることができ、昇圧回路の段数nが50段において
は56V程度の値を得ることができた。
【0093】本発明の第2実施例による半導体昇圧回路
において、PN接合の順接合バイアス電圧VF を0.7
V、容量比C/( C+Cs ) を0.9とすると、昇圧可
能な電源電圧Vddの下限は0.8V程度となる。
【0094】次に、本発明の第3実施例による半導体昇
圧回路を図9及び図10を参照しながら説明する。
【0095】図9は、本発明の第3実施例による半導体
昇圧回路の構成を示す回路図である。
【0096】図9において、n個のNチャネルMOSト
ランジスタQ40〜Q44が縦列接続されてn段の昇圧回路
を構成している。各トランジスタQ40〜Q44の基板部は
電気的に分離されるとともに、各基板部及びゲート端子
は夫々ソース端子N40〜N44に接続されている。そし
て、夫々の端子N40〜N44にはキャパシタンスC40〜C
44を介して、図8に示したのと同じクロック信号φA
はφB が入力される。
【0097】この実施例による昇圧回路では、入力信号
として、電源電圧VddがNチャネルMOSトランジスタ
45のソース端子N47から端子N40に入力され、出力信
号として、出力電圧VPOUTがNチャネルMOSトランジ
スタQ44を介して出力端子N46から出力される。
【0098】この実施例によるトランジスタQ40〜Q44
の素子構造を図10に示す。
【0099】図10において、N型半導体基板50にP
ウェル領域51が形成され、各Pウェル領域51には、
ゲート酸化膜55を介して形成された多結晶シリコン層
56をゲート電極として有し、N+ 拡散層52をソース
/ドレインとして有するMOSトランジスタが形成され
ている。
【0100】各トランジスタのソース側のN+ 拡散層5
2は、P+ 拡散層54を介して、そのトランジスタが形
成されたPウェル領域51と電気的に接続され、前段の
トランジスタのソースは後段のトランジスタのドレイン
と接続されている。
【0101】このことによって、各トランジスタの基板
部となるPウェル領域51は、各トランジスタのソース
電位に固定され、基板効果が防止される。
【0102】また、各トランジスタのドレイン側のN+
拡散層52とPウェル領域51との間にはPN接合が形
成されており、動作時において、このPN接合に順方向
バイアスがかかると、各トランジスタの基板領域はPN
接合の順方向バイアスにより固定されるので、このこと
によっても基板効果が防止される。
【0103】以上説明したように、本発明の第3実施例
による半導体昇圧回路では、MOSトランジスタの基板
部を互いに電気的に絶縁分離するとともに、その基板部
をMOSトランジスタのソース端子と電気的に接続する
ことにより、基板効果によるしきい値電圧Vt の増大を
防止できるので、半導体昇圧回路の段数nに比例した出
力電圧VPOUTを得ることができる。
【0104】また、この構成は、図10に示すように、
各トランジスタQ40〜Q44が形成されるPウェル領域5
1を分離して形成するとともに、各Pウェル領域51の
+不純物領域54と各トランジスタQ40〜Q44のソー
ス側のN+ 不純物領域52とを電気的に接続すればよ
く、特に、製造工程が増大することはない。
【0105】また、各トランジスタQ40〜Q44の基板部
をソース端子N40〜N44と電気的に接続することによ
り、各トランジスタQ40〜Q44のソースとドレインとの
間には、ドレインと基板部との境界に形成されるPN接
合が並列に接続された構造となる。そして、昇圧回路に
おける次段への電荷の送り出し時において、このPN接
合をオンさせることにより、各トランジスタQ40〜Q44
の基板部の電位をPN接合の順接合バイアス電圧V
F (通常0.7V程度)の電位差に固定できるため、こ
のことによっても基板効果の影響を抑制できる。
【0106】即ち、本発明の第3実施例による半導体昇
圧回路では、前述した(1)(2)式において、しきい
値電圧Vt の代わりに順接合バイアス電圧VF を使用す
ることができる。特に、しきい値電圧Vt が順接合バイ
アス電圧VF よりも大きい場合においては、昇圧回路に
おける次段への電荷の送り出し時の電圧降下が少なくな
るので、昇圧回路の昇圧能力を向上することができる。
即ち、次段への電荷の送り出し時の電圧降下は、しきい
値電圧Vt と順接合バイアス電圧VF とのうちのいずれ
か小さい方によって決まる。
【0107】例えば、電源電圧Vddが2.5Vで、昇圧
回路の段数nが20段の場合において、容量比C/( C
+Cs ) を0.9、しきい値電圧の絶対値|Vt |を
0.6V、出力段での負荷電流IOUT を0A、PN接合
の順接合バイアス電圧VF を0.7Vとした時、従来回
路では出力電圧VPOUTとして20Vしか得ることができ
なかったが、本発明の第3実施例による回路では33V
程度の値を得ることができた。
【0108】また、例えば、電源電圧Vddが2.0Vの
場合において、容量比C/( C+Cs ) を0.9、しき
い値電圧の絶対値|Vt |を0.6V、出力段での負荷
電流IOUT を0A、PN接合の順接合バイアス電圧VF
を0.7Vとした時、従来回路では、昇圧回路の段数n
が50段においても出力電圧VPOUTは12Vしか得るこ
とができなかったが、本発明の第3実施例による回路で
は、昇圧回路の段数nが20段において23V程度の値
を得ることができ、昇圧回路の段数nが50段において
は56V程度の値を得ることができた。
【0109】本発明の第3実施例による半導体昇圧回路
において、PN接合の順接合バイアス電圧VF を0.7
V、容量比C/( C+Cs ) を0.9とすると、昇圧可
能な電源電圧Vddの下限は0.8V程度となる。
【0110】以上、本発明の第1〜3実施例による半導
体昇圧回路について説明したが、第1実施例による回路
は、次段への電荷の送り出し時の電圧降下を実質的に0
とすることができるので、第2、第3実施例による回路
に比べてより大きな昇圧能力を有する。特に、0.8〜
2.0V程度の電源電圧Vddにおいて、それらの昇圧能
力の差が顕著となる。
【0111】特に、0.8〜2.0V程度の電源電圧V
ddにおいて、所望の出力電圧を得ようとする場合、第
2、第3実施例による回路では、次段への電荷の送り出
し時の電圧降下のために、昇圧回路の段数nを大きくす
る必要があるが、第1実施例による回路ではその必要が
ない。例えば、電源電圧Vddが2.0Vの場合におい
て、第2、第3実施例による回路では、出力電圧VPOUT
として23Vを得るために必要な昇圧回路の段数nは2
0段であるが、第2、第3実施例による回路では12段
でよい。
【0112】一方、第2、第3実施例による回路は、第
1実施例による回路に比べて構成が簡単であり、また、
必要なクロック信号も2種類で済むという利点を有す
る。
【0113】
【発明の効果】本発明によれば、MOSトランジスタの
基板部が互いに電気的に絶縁分離するとともに、その基
板部をMOSトランジスタのソース端子と電気的に接続
しているため、基板効果を防止することができて、高い
昇圧能力を得ることができる。
【0114】また、特に複雑な製造工程も必要がない。
【0115】更に、従来と同一の昇圧能力を得る場合、
従来に比べて昇圧回路の段数を減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による半導体昇圧回路の構
成を示す回路図である。
【図2】本発明の第1実施例による半導体昇圧回路の連
続する2段の構成を示す回路図である。
【図3】本発明の第1実施例による半導体昇圧回路のク
ロックタイミングを示す波形図である。
【図4】本発明の第1実施例による半導体昇圧回路の各
ノードの電圧波形を示す波形図である。
【図5】本発明の第1実施例による半導体昇圧回路の動
作を説明するための概念図である。
【図6】本発明の第1実施例による半導体昇圧回路の素
子構造を示す概略断面図である。
【図7】本発明の第2実施例による半導体昇圧回路の構
成を示す回路図である。
【図8】本発明の第2実施例による半導体昇圧回路のク
ロックタイミングを示す波形図である。
【図9】本発明の第3実施例による半導体昇圧回路の構
成を示す回路図である。
【図10】本発明の第3実施例による半導体昇圧回路の
素子構造を示す概略断面図である。
【図11】従来の半導体昇圧回路の構成を示す回路図で
ある。
【図12】従来の半導体昇圧回路のクロックタイミング
を示す波形図である。
【図13】従来の半導体昇圧回路の段数と出力電圧との
関係を示すグラフである。
【図14】従来の半導体昇圧回路の電源電圧と最大出力
電圧との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 〜Q11、Q30〜Q36、M1 〜M4 PチャネルMO
Sトランジスタ Q12〜Q13、Q40〜Q45 NチャネルMOSトランジス
タ C1 〜C11、C30〜C35、C40〜C44、CA1〜CA3、C
B1、CB2 キャパシタンス Vdd 電源電圧 Vpout 出力電圧 φ1A、φ1B、φ2A、φ2B、φA 、φB クロック信号 N0 〜N12、N30〜N37、N40〜N47、NA 〜ND
ード 10 P型半導体基板 11 Nウェル領域 12、51 P+ 不純物領域 14、52 N+ 不純物領域 15、55 ゲート酸化膜 16、56 多結晶シリコン層 50 N型半導体基板 51 Pウェル領域

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各段が、第1のMOSトランジスタと、
    前記第1のMOSトランジスタのドレイン端子に一端が
    接続された第1のキャパシタンスとを備え、 前記第1のMOSトランジスタが縦列接続されることに
    よって各段が接続されており、 各段における前記第1のMOSトランジスタのソース端
    子と基板部とが互いに電気的に接続され、前記基板部が
    他段の前記第1のMOSトランジスタの基板部と電気的
    に絶縁されていることを特徴とする半導体昇圧回路。
  2. 【請求項2】 前記第1のMOSトランジスタがN型ウ
    ェル領域に形成されたPチャネルMOSトランジスタで
    あり、前記N型ウェル領域が各段毎に電気的に絶縁分離
    されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体昇
    圧回路。
  3. 【請求項3】 各段において、前記第1のMOSトラン
    ジスタのゲート端子に一端が接続された第2のキャパシ
    タンスが設けられるとともに、前記第1のMOSトラン
    ジスタのゲート端子とソース端子とが第2のMOSトラ
    ンジスタを介して互いに接続されており、前記第2のM
    OSトランジスタのゲート端子が前記第1のキャパシタ
    ンスの前記一端に接続されていることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の半導体昇圧回路。
  4. 【請求項4】 連続する2段の前記第1のキャパシタン
    スの他端に互いに逆相の一対の第1のクロック信号が夫
    々入力されるとともに、連続する2段の前記第2のキャ
    パシタンスの他端にパルスタイミングが異なる一対の第
    2のクロック信号が夫々入力されることを特徴とする請
    求項3に記載の半導体昇圧回路。
  5. 【請求項5】 各段において、前記第1のMOSトラン
    ジスタのゲート端子が後段の前記第1のキャパシタンス
    の前記一端に接続されており、連続する2段の前記第1
    のキャパシタンスの他端に互いに逆位相の一対のクロッ
    ク信号が夫々入力されることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の半導体昇圧回路。
  6. 【請求項6】 各段が、第1のMOSトランジスタと、
    前記第1のMOSトランジスタのソース端子に一端が接
    続されたキャパシタンスとを備え、 前記第1のMOSトランジスタが縦列接続されることに
    よって各段が接続されており、 各段における前記第1のMOSトランジスタのゲート端
    子とソース端子とが互いに電気的に接続されるととも
    に、前記ソース端子と基板部とが互いに電気的に接続さ
    れ、前記基板部が他段の前記第1のMOSトランジスタ
    の基板部と電気的に絶縁されていることを特徴とする半
    導体昇圧回路。
  7. 【請求項7】 前記第1のMOSトランジスタがP型ウ
    ェル領域に形成されたNチャネルMOSトランジスタで
    あり、前記P型ウェル領域が各段毎に電気的に絶縁分離
    されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体昇
    圧回路。
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