JPH0729454B2 - プリンタの書き出し位置調整機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、連続記録紙上に描画するプリンタに於て、連
続記録紙上への描画開始位置を調整可能とするプリンタ
の書き出し位置調整機構に関する。

［従来の技術］ 従来、コンピュータやワープロからの出力を印字した
り、又、画像読取り装置によりデジタル化して読取られ
た画像情報に基づいて描画を行なうプリンタとして、感
熱転写によるものや電子写真法を利用するもの（レーザ
ビームプリンタ等）等数々の種類のものが知られてい
る。

このようなプリンタの中に、所謂ファンホールド紙と呼
ばれる送り孔付き折り畳み連続紙（以下単に連続紙と略
す）に描画（又は印字）するものがある。

連続紙は、その折り畳み部分がミシン目となって簡単に
切断可能となっているものである。

描画後の連続紙は必要に応じてミシン目から切断して使
用されるものである為、連続紙に描画するプリンタでは
連続紙のミシン目部分を何らかの方法によって把握し、
ミシン目後所定間隔の位置から描画開始するように構成
することが望ましいものである。

第４図に、電子写真法を利用して連続紙上に描画を行な
うレーザビームプリンタ装置の例を示す。

図示レーザビームプリンタ装置は、感光ドラム１の周辺
に、トナークリーニング部２・除電部３・帯電部４・レ
ーザビームを感光ドラム１上に導く走査光学系５・現像
部６・転写部７が、夫々ドラム１の回転方向に沿って所
定順序で配置され、又、定着部８を連続紙９の搬送方向
前方に配置すると共に、感光ドラム１から定着部８への
連続紙９の搬送経路中に連続紙９を搬送駆動するトラク
タ10を配置して構成されている。

そして、走査光学系５からのレーザービームで感光ドラ
ム１の表面を該感光ドラム１の回転軸方向に主走査（露
光）すると共に感光ドラム１を回転（副走査）させ、現
像部６で感光ドラム１表面に形成された潜像を現像して
トナー像とし、転写部７で連続紙９に転写すると共に定
着部８によって該連続紙９上にトナー像を定着させて出
力するものである。

トラクタ10は、連続紙９の側端に所定間隔で開孔形成さ
れた送り孔に嵌合する突起を有する無端ベルト11を、二
個のプーリ12,13間に周回可能連繋し、その上側の周回
軌道を連続紙９の搬送経路に一致させると共に、連続紙
９の両側端の送り孔位置に対応させて並列に設置したも
のである。

一方のプーリ13側は駆動手段である図示しないモータと
連結されており、無端ベルト11は該モータにより感光ド
ラム１の回転周速と完全に同期した速度で周回駆動され
るようになっている。又、他方のプーリ12側には、搬送
検知機構20が連繋されている。

搬送検知機構20は、その中心から外周方向に向かうスリ
ット21A…が形成された円板21を、トラクタ10の駆動と
同期回転するようにしたものであり、この円板を挟むよ
うに配置されたフォトセンサ22が該円板21を検知して、
フォトセンサ22の検知域にスリット21A…が対応する毎
にパルス信号を出力するものである。円板21は前述の如
くトラクタ10の周回と同期して回転するものであり、従
って、パルス信号はトラクタ10の駆動即ち連続紙９の搬
送と同期して出力されるものである。

トラクタ10から定着部８への連続紙９の搬送経路には、
連続紙９の先端を検知する先端検知機構30が設けられて
いる。

先端検知機構30は、揺動可能なレバー31の一端を連続紙
搬送経路と干渉する位置とて配置すると共に、該レバー
31の他端をその揺動範囲の何れか一方側で検知する（図
ではレバー31が連続紙９によって蹴られて揺動した際に
検知する＝信号が途絶える）フォトセンサ32を備えて構
成されている。そして、連続紙９が当該先端検知機構30
と対応す位置に有る時、連続紙９によってレバー31が操
作されてフォトセンサからの信号が途絶えることとなっ
て当該位置に連続紙９が有ることが検知されるようにな
っているものである。

上記の如き構成では、当該レーザビームプリンタ装置に
連続紙９をセットする際、連続紙９をその先端をトラク
タ10と先端検知機構30との間にしてトラクタ10にセット
し、搬送駆動して先端検知機構30が連続紙９の先端を検
知することで連続紙９の位置が把握でき、後は搬送検知
機構20からの信号をカウントすることで連続紙９の所定
位置（描画開始位置）から描画を行なうことができる。

つまり、連続紙９セット時にその先端位置を検知し、そ
の後は連続紙９の送り孔位置に基いて（搬送検知機構20
からの信号に基いて）連続紙９の位置（ミシン目位置）
を把握して描画を行なうものである。

［従来技術の課題］ しかし乍ら、連続紙の送り孔位置の精度はさほど高いも
のではなく、又、紙は湿度等の周囲環境によって伸縮す
るものである為、上記の如く送り孔位置にい依拠して描
画を行なうと、描画開始位置がばら付いてしまうという
問題があった。このような問題は、搬送検知機構を高精
度として連続紙の搬送状況を高い精度で把握することに
よってある程度防ぐことができるものであるが、機構的
な誤差が集積することから高精度化は極めて困難であっ
て改善が望まれていた。

［発明の目的］ 本発明は、上記の如き事情に鑑み、搬送検知機構を調整
可能とすることによって該搬送検知機構による連続紙の
搬送状況を高い精度で把握することを可能とし、描画開
始位置のばら付きを減少させることのできる、プリンタ
の書き出し位置調整機構の提供、を目的とする。

［課題を解決する為の手段］ 上記目的達成の為、本発明に係るプリンタの書き出し位
置調整機構は、搬送検知機構のフォトセンサを、円板部
材の接線と略平行する方向に移動調節可能とし、該フォ
トセンサの移動によって連続記録紙の位置とフォトセン
サからの信号出力タイミングを調整することによって連
続記録紙への書き出し位置を変更調整するよう構成した
ものである。

［発明の実施例］ 次に、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。

第１図は、本発明に係るプリンタの書き出し位置調整機
構の一実施例を適用した連続紙を用いるプリンタの連続
紙を搬送するトラクタ部分の部分斜視図であり、第２図
はそれを異なる方向から見た部分斜視図である。

図示トラクタ10は、装置の左右側面に設けられたフレー
ム50（一方側のみ図示）に、前後に二本のシャフト51,5
2が所定間隔で平行に設けられ、該二本のシャフト51,52
にトラクタユニット15が摺動移動可能に嵌合している。

一方のシャフト51は、トラクタユニット15との嵌合部が
その断面形状が正方形の角シャフトであってフレーム50
に回転可能に保持され、図示しない他端側で駆動源であ
るモータに連結されて該モータによって回転駆動される
ようになっている。

他方のシャフト52は、円柱状のシャフトであってフレー
ム50に固定設置されている。

トラクタユニット15は、角シャフト51に嵌合するプーリ
（図示せず）と、シャフト52に回転自在に嵌合するプー
リ（図示せず）との間に、連続紙９の側端に形成された
送り孔に嵌入係合する突起11A…を有するトラクタベル
ト11を連繋したものであり、角シャフト51の回転駆動に
よってプーリが回転し、トラクタベルト11が周回駆動さ
れるようになっているものである。

尚、16はトラクタベルト11の突起11A…から連続紙９の
送り孔が外れることを阻止するカバーである。

角シャフト51の、フレーム50から外側に突出する軸端51
Aには、搬送検知機構20が設けられている。

搬送検知機構20は、角シャフト51の軸端51Aに、その中
心から外周方向に向かう放射状に複数のスリット21A…
が形成された円板部材である円板21を装着すると共に、
この円板21を挟むように配置された透過型のフォトセン
サ22によって円板21を検知するように構成されている。
つまり、円板21が回転してそのスリット21A…がフォト
センサ22の検知域に達すると、該フォトセンサ22は信号
を出力するようになっているものである。

ここで、円板21の回転とトラクタベルト11の周回は完全
に同期し、従って、フォトセンサ22が円板21のスリット
21A…と対応して出力する信号はトラクタベルト11の周
回駆動によって搬送される連続紙９の搬送量（長さ）と
対応することとなる。しかも、フォトセンサ22から信号
が出力された時、連続紙９の先端（又はミシン目）が何
処にあるかを確定することができれば、後は搬送検知機
構20（フォトセンサ22）からの信号をカウントすること
で常に連続紙９の先端（又はミシン目）位置を把握する
ことができることとなる。つまり、図示しない先端検知
機構により連続紙９の先端が検知された後、次に搬送検
知機構20から信号が出力される迄の時間が解れば、搬送
検知機構20からの信号のみによって連続紙９の先端（又
はミシン目）位置が解るものである。

フォトセンサ22は基板23に装着されており、該基板23は
円板21面に直交状態となるよう金具24を介してフレーム
50に装着されている。

金具24は、上下に長い長方形状のベース部24Aの上端を
直角に屈曲して調節ネジ部24Bが形成され、又、一方側
辺を直角に屈曲して基板保持部24Cが形成されている。

そして、基板保持部24Cに基板23がその一端側でネジ25,
25により固定され、これによって基板23が一体装着され
た金具24は、フレーム50の内側から該フレーム50を貫通
してベース部24Aに螺合するビス53によってフレーム50
に固定されている。尚、フレーム50に形成されたビス53
の貫通孔50Aは、上下方向に所定長さの長孔となってい
る。

又、ベース部24Aの上端に形成された調節ネジ部24Bに
は、該調節ネジ部24Bと対応するフレーム50の上縁部を
所定幅で外側に屈曲した調整ネジベース50Bに貫通装着
された調整ネジ26が螺合している。

而して、上記の如き構成により、金具24をフレーム50に
固定するビス53を緩めて調整ネジ26を回転させると、該
調整ネジ26と調節ネジ部24Bとの螺合位置が変化し、金
具24がフレーム50の貫通孔50Aの長手方向に沿って上下
方向に移動（即ち調整ネジベース50Bに対して離接移
動）されることとなる。

この金具24の上下の移動に伴なって当然基板23及び該基
板23に装着されたフォトセンサ22も上下方向に移動す
る。つまり、フォトセンサ22は円板21の接線（と略平行
する）方向に移動することとなり、その結果、スリット
21A…を検知するタイミングが変化する。

ここで、フォトセンサ22からの信号出力タイミングと連
続紙９の先端（又はミシン目）位置には前述の如く所定
の関係があり、調整ネジ26を回してフォトセンサ22の位
置を移動調節することによって連続紙９の先端（又はミ
シン目）位置と、フォトセンサ22からの信号出力タイミ
ングを適宜に設定することができる。

つまり、図示しない先端検知機構により連続紙９の先端
が検知された（連続紙９の先端が所定位置にあることを
意味する）後、次に搬送検知機構20から信号が出力され
る迄の時間を調整することができ、搬送検知機構20から
の信号に基づいて描画を開始するよう構成されたプリン
タでは、これによって描画開始位置の調整を行なうこと
ができるものである。

従って、第４図にそのタイムチャートを示す如く、正し
い位置から描画開始する為に必要な図示しない先端検知
機構による連続紙９の先端検知以降搬送検知機構20から
の信号出力との間の時間:Tを予め設定し、先端検知機構
による連続紙９の先端検知と搬送検知機構20からの信号
出力迄の時間:T₁,T₂が、時間:Tとなるように搬送検知機
構20を調整することによって、正しい位置から描画を開
始することができるようになるものである。

［発明の効果］ 以上述べたように、本発明に係るプリンタの書き出し位
置調整機構によれば、連続記録紙の位置に対する搬送検
知機構からの信号タイミングを調整することができ、こ
の信号タイミングを調整することによって、搬送検知機
構の誤差蓄積に拘らず連続記録紙の搬送状況を高い精度
で把握することができ、連続記録紙の送り孔の誤差や湿
気による伸び等があった場合でも、描画開始位置のばら
付きを所定範囲内に収めることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るプリンタの書き出し位置調整機構
の一実施例を適用した連続紙を用いるプリンタの連続紙
を搬送するトラクタ部分の部分斜視図、第２図は該トラ
クタ部分を異なる方向から見た部分斜視図、第３図は書
き出し位置調整を説明するタイムチャート、第４図はプ
リンタの一例である電子写真法を利用して連続紙上に描
画を行なうレーザビームプリンタ装置の概略構成図であ
る。 10……トラクタ（搬送駆動手段） 20……搬送検知機構 21……円板（円板部材） 21A……スリット 22……フォトセンサ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】連続記録紙を搬送駆動する搬送駆動手段を
   備え、前記連続記録紙上に画像を形成するプリンタであ
   って、中心から外周に向かうスリットを形成した円板部
   材を前記搬送駆動手段と連動可能に設けると共に該円板
   部材のスリットをフォトセンサによって検知する搬送検
   知機構を構成し、前記連続記録紙の搬送位置と同期関係
   にある前記搬送検知機構からの信号に基づいて前記連続
   記録紙に描画を開始するよう構成したものに於て、 前記搬送検知機構のフォトセンサを、前記円板部材の接
   線と略平行する方向に移動調節可能とし、該フォトセン
   サの移動によって前記連続記録紙の位置とフォトセンサ
   からの信号出力タイミングを調整することによって前記
   連続記録紙への書き出し位置を変更調整するよう構成し
   たこと、を特徴とするプリンタの書き出し位置調整機構