JPH07293042A - 膜屋根構造 - Google Patents

膜屋根構造

Info

Publication number
JPH07293042A
JPH07293042A JP8896894A JP8896894A JPH07293042A JP H07293042 A JPH07293042 A JP H07293042A JP 8896894 A JP8896894 A JP 8896894A JP 8896894 A JP8896894 A JP 8896894A JP H07293042 A JPH07293042 A JP H07293042A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cable
loop
cables
membrane
peripheral side
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8896894A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisanori Taniguchi
尚範 谷口
Hiroo Tominaga
博夫 富永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimizu Construction Co Ltd, Shimizu Corp filed Critical Shimizu Construction Co Ltd
Priority to JP8896894A priority Critical patent/JPH07293042A/ja
Publication of JPH07293042A publication Critical patent/JPH07293042A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tents Or Canopies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 強度的に安定した膜屋根構造を低コストで実
現する。 【構成】 内周側の上下のループケーブル6、7を水平
に配してポスト10の上下端に連結する。ポスト10の
上下端に、放射状に配した上下の引張ケーブル12、1
3の内端を連結して、両引張ケーブル12、13の外端
を共に外周側ポスト11の上端に連結する。外周側ポス
ト11の下端は別のループケーブル9に連結し、外周側
ポスト11の上下端に、外端がコンプレッションリング
4に連結された外周側引張ケーブル14、15の内端を
連結し、引張ケーブル12、13、14、15とループ
ケーブル6、7、9の張力バランスにより、ループケー
ブル6、7を中空高く保持し、ループケーブル6からコ
ンプレッションリング4までの領域に膜屋根材を張る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サッカー競技場等の屋
外競技施設に適した膜屋根構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の競技場は、メインスタンドのみを
屋根で覆う程度でよかったので、片持式の屋根が主流で
あった。ところが、最近の傾向として、特にサッカー競
技場等では、観客席の大部分を屋根で覆いたいという要
求が強くなってきたため、片持式の屋根では対応しきれ
なくなってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来主流となっていた
片持式の屋根は、構造的に厳しい強度条件を満たさなけ
ればならないため、構造部材が大型化し、コスト面ある
いはデザイン上の要求を十分満足させることができず、
特に大きな観客設備を有する大規模競技施設には対応で
きないおそれがあった。
【0004】本発明は、上記事情を考慮し、軽量で構成
が簡単であり、しかもコスト面およびデザイン面での要
求満足度を高めることができ、特に大規模競技施設に適
用可能な、強度的に安定した膜屋根構造を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明による膜
屋根構造は、上下に間隔をおきそれぞれ略水平な面内に
配置された第1、第2のループケーブルと、これら第
1、第2のループケーブルの周方向の少なくとも3か所
に間隔をおいて配置され、上下端がそれぞれ第1、第2
のループケーブルに連結された第1の支柱と、これら各
第1の支柱の上下端にそれぞれ内端が連結され、前記第
1、第2のループケーブルの放射方向に延ばした各外端
が張力を付与された状態で固定側に支持されることによ
り、自身の張力および前記第1、第2のループケーブル
の張力のバランスによって、第1、第2のループケーブ
ルを前記第1の支柱を介して空中に保持する第1の上側
引張ケーブルおよび第1の下側引張ケーブルとを備え、
前記第1のループケーブルから前記第1の上側引張ケー
ブルの外端までの領域に膜屋根材が張られていることを
特徴とする。
【0006】請求項2の発明による膜屋根構造は、前記
放射方向に延ばした第1の上側引張ケーブルおよび第1
の下側引張ケーブルの外端が共に第2の支柱の上端に連
結され、各第2の支柱の下端が前記第1、第2のループ
ケーブルと同心状に配された第3のループケーブルに連
結され、前記第2の支柱の上端および下端に、これら各
第2の支柱に対し前記放射方向の引張力を与える第2の
上側引張ケーブルおよび第2の下側引張ケーブルの内端
が連結され、前記第2の上側引張ケーブルおよび第2の
下側引張ケーブルの外端が、前記第1、第2、第3のル
ープケーブルの外側に同心状に配置されたコンプレッシ
ョンリングに連結され、前記第1のループケーブルから
前記第2の上側引張ケーブルの外端までの領域に前記膜
屋根材が張られていることを特徴とする。
【0007】請求項3の発明による膜屋根構造は、前記
第1の上側引張ケーブルと第2の上側引張ケーブルが、
同一勾配で前記放射方向に下り傾斜していることを特徴
とする。
【0008】
【作用】請求項1の発明では、第1、第2のループケー
ブルが、第1の上側引張ケーブルおよび下側引張ケーブ
ルにより、支柱を介して外側に引っ張られることによっ
て、空中に、支柱の本数の多角形の輪郭を描いて安定的
に保持される。また、第1のループケーブルから第1の
上側引張ケーブルの外端までの領域に膜屋根材が張られ
ていることにより、この膜屋根材の張力によって、各ケ
ーブルが振らつかないように保持される。これにより、
第1のループケーブルの内部、つまり中央部に開口部分
を有した膜屋根が安定して支持される。この場合、屋根
下空間には、第1の支柱、第2のループケーブル、第1
の下側引張ケーブルがあるだけで、中央開口を横断する
ようなケーブルがないので、特に中央開口部に大きな開
放感を持たせることができる。
【0009】請求項2の発明では、第1の上側引張ケー
ブルと第1の下側引張ケーブルの内端が第1の支柱の上
下端にそれぞれ連結され、両引張ケーブルの外端が共に
第2の支柱の上端に連結されているので、第1の上側引
張ケーブルと第1の下側引張ケーブルと第1の支柱とが
三角形を描き、それにより、第1の支柱の上端に連結さ
れた第1のループケーブルが、第2の支柱の上端位置よ
りも高い位置に保持され、第1の上側ループケーブルが
外方に下り傾斜する。また、第2の支柱は、第2の上側
引張ケーブルおよび下側引張ケーブルと第3のループケ
ーブルの張力バランスにより、一定高さに保持されるの
で、一番外側のコンプレッションリングから、中央の開
口部に行く程せり上った形の膜屋根ができる。
【0010】また、第2の支柱を安定した姿勢に保つ第
3のループケーブルは、第2の支柱を設けた位置で単に
環となったものであるから、屋根下空間を横断したりす
ることがなく、屋根下空間の開放感を阻害するおそれも
ない。
【0011】また、第1、第2のループケーブル、第1
の上側引張ケーブル、第1の下側引張ケーブル、第1の
支柱で構成される内周側の膜支持機構部と、第3のルー
プケーブル、第2の上側引張ケーブル、第2の下側引張
ケーブル、第2の支柱で構成される外周側の膜支持機構
部との2段の膜支持機構部で膜支持面を構成しているの
で、第1のループケーブルからコンプレッションリング
までの距離が広がって膜屋根で覆う領域が広くなると共
に、屋根下空間の周辺部の圧迫感を無くして広い屋根下
空間を確保することができる。
【0012】請求項3の発明では、膜屋根が外方に下り
傾斜し、中央の開口部に向かうに従いせり上った形にな
る。従って、雨が降った場合、雨滴は外方向に流れ、中
央開口部に流れ落ちるおそれがない。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の第1実施例の膜屋根構造を適用し
たサッカー競技場の平面図である。この競技場は楕円形
をなしており、図2に長軸方向の断面、図3に短軸方向
の断面をそれぞれ示す。
【0014】図中符号1で示すものは競技場の中心にあ
るグランドで、その周囲には1階、2階の観客スタンド
2A、2Bを備えた側壁部2が、全周にわたって構築さ
れている。そして、その側壁部2の上端に、屋根構造体
3の最外周に配置された楕円形のコンプレッションリン
グ4が支持されている。
【0015】屋根構造体3は、中央部に楕円形の開口部
Hを有した平面視楕円形の膜屋根構造からなり、図2お
よび図3に示すように、内周側に配置された上下のルー
プケーブル6、7と、外周側に配置された上下のループ
ケーブル8(図1参照)、9と、これらをポスト10、
11を介して径方向外方(ループケーブル8、9の放射
方向)に引っ張る引張ケーブル12、13、14、15
と、これらケーブルによって形成された膜支持面(上側
のループケーブル6、8と上側の引張ケーブル12、1
4とにより形成される面)に張られた適度の柔軟性と高
い引張強度を有する膜屋根材5等からなる。
【0016】内周側の上下のループケーブル(第1、第
2のループケーブル)6、7は、等しい周長の環状のも
ので、上下に間隔をおいて、それぞれ略水平な面内に配
置されている。これらループケーブル6、7の周長方向
には、略一定の間隔をおいて多数のポスト(第1の支
柱)10が略鉛直に配置されており、各ポスト10の上
下端が、それぞれ上下のループケーブル6、7に連結さ
れている。
【0017】各ポスト10の上下端には、それぞれ、径
方向外方に延ばした引張ケーブル12、13の内端が連
結されている。引張ケーブル12、13は、各ポスト1
0毎に設けられており、それぞれが放射状に外向きに延
び、外端が共に外周側のポスト(第2の支柱)11の上
端に連結されている。上側の引張ケーブル(第1の上側
引張ケーブル)12と下側の引張ケーブル(第1の下側
引張ケーブル)13は等しい長さのもので、上下の引張
ケーブル12、13とポスト10とで二等辺三角形が形
成されている。従って、両引張ケーブル12、13の外
端の接合点(外周側のポスト11の上端)を径方向外方
に引っ張った場合、引張ケーブル12、13の張力と、
ループケーブル6、7の張力のバランスにより、ポスト
10の高さ方向の中点が、ちょうど前記接合点の高さに
近い位置に保持され、上側のループケーブル6が前記接
合点よりも高い位置に保持される。実際には、重量があ
るので、それよりも位置は下がる。
【0018】また、外周側の上下のループケーブル8、
9は、内周側のループケーブル6、7と同心状に配置さ
れている。外周側ループケーブル8、9は等しい周長の
もので、内周側ループケーブル6、7よりも周長が長く
設定されている。外周側のポスト11は、内周側ポスト
10と一対一で対応しており、外周側の上下のループケ
ーブル8、9の周方向に一定の間隔をおいて鉛直に立っ
ており、上下端が、外周側の上下のループケーブル8、
9にそれぞれ連結されている。なお、外周側ループケー
ブル8、9のうち、上側のループケーブル8は、膜屋根
材5で代用できる可能性があるので、張力バランスが良
好にとれる場合は必ずしも設けなくてもよいが、下側の
ループケーブル(第3のループケーブル)9は必ず設け
る必要がある。
【0019】外周側の各ポスト11の上下端には、それ
ぞれ、内周側の引張ケーブル12、13の延長方向に沿
って延ばした引張ケーブル14、15の内端が連結され
ている。外周側の引張ケーブル14、15は、各ポスト
11毎に設けられており、それぞれが放射状に外向きに
延び、外端が共にコンプレッションリング4に、引張力
を付与された状態で連結されている。上側の引張ケーブ
ル(第2の上側引張ケーブル)14と下側の引張ケーブ
ル(第2の下側引張ケーブル)15は等しい長さのもの
で、上下の引張ケーブル14、15とポスト11とで、
二等辺三角形が形成されている。
【0020】従って、外周側および内周側の引張ケーブ
ル14、15、12、13の張力とループケーブル6、
7、8、9の張力のバランスにより、ポスト11の高さ
方向の中点が、ちょうどコンプレッションリング4に対
する連結点の高さに近い位置に保持され、これにより内
周上側のループケーブル6が、コンプレッションリング
4よりも高い位置に保持されている。また、内周側の上
下引張ケーブル12、13と、外周側の上下引張ケーブ
ル14、15の長さが全部等しくされ、同時に内外周の
ポスト10、11の長さが統一されていることにより、
内周上側引張ケーブル12の勾配と、外周上側引張ケー
ブル14の勾配が等しくなり、これら連続勾配を持つ引
張ケーブル12、14が径方向外方になだらかに下り傾
斜した形になっている。
【0021】そして、これら外方に下り傾斜した上側の
引張ケーブル12、14の上面に、内周側ループケーブ
ル6からコンプレッションリング4までの範囲にわた
り、膜屋根材5が張設されている。この膜屋根材5は、
内周側ループケーブル6、コンプレッションリング4、
引張ケーブル12、14で囲まれる面内で適当な張力を
もって張設され、必要に応じて各ケーブルに係止されて
いる。なお、この膜屋根材5は、図1に示すように、外
周側ポスト11(図2、3参照)の上端に連結したルー
プケーブル8と、バレーケーブル16により、途中で弛
まないように下から支持されている。
【0022】このように構成された屋根構造体3では、
内周側のループケーブル6、7が、引張ケーブル12、
13により、ポスト10を介して外側に引っ張られるこ
とによって、空中に、ポスト10の本数の多角形の輪郭
を描いて安定的に保持されている。この場合は、ポスト
10を小さいピッチで多数本配置しているので、ループ
ケーブル6は、ほぼ競技場の形に沿った滑らかな楕円形
の輪郭を描いて保持されている。また、膜屋根材5が、
上側の引張ケーブル12、14で構成される膜支持面に
張設されていることにより、膜屋根材5の張力によっ
て、引張ケーブル12、14、ループケーブル6が振ら
つかないように保持され、中央部に開口部Hを有した膜
屋根(膜屋根材5)が安定して支持されている。特に、
この構造では、屋根下空間には、ポスト10、11、ル
ープケーブル7、9、下側引張ケーブル13、15があ
るだけで、中央の開口部Hを横断するようなケーブルが
ないので、中央の開口部Hには大きな開放感が与えられ
ている。
【0023】また、コンプレッションリング4から中央
の開口部Hに向かうに従い、屋根面がせり上がっている
ので、開口部Hの直下、すなわちグランド1の上方空間
が広くなる上、観客スタンド2A、2Bからの見通しも
良くなる。更に、屋根面が外方に下り傾斜しているの
で、雨が降った場合にも、屋根面の雨水は外側に流れ、
グランド1に落ちない。
【0024】また、内周側のループケーブル6、7、ポ
スト10、引張ケーブル12、13で構成される内周側
膜支持機構部と、外周側のループケーブル8、9、ポス
ト11、引張ケーブル14、15で構成される外周側膜
支持機構部との2段の膜支持機構部で膜支持面が構成さ
れているので、最内周のループケーブル6から最内周の
コンプレッションリング4までの距離が広がり、膜屋根
で覆う領域が広くなると共に、周辺部の圧迫感の少ない
広い屋根下空間が確保される。
【0025】従って、ケーブルと膜とポストという簡単
な部材を用いながらも、強度的に安定した、中央開口の
ある屋根を持つ施設を低コストで建設できる。また、構
成要素の主体がケーブルであるから、空間的なデザイン
に制約を受けることも少なく、広い屋根下空間を自由な
デザインで創出することができる。
【0026】次に、本発明の第2実施例を説明する。図
4は四角い屋根構造体に本発明を適用した場合の斜視図
であり、図5はその断面図である。
【0027】この屋根構造体20は、最外周に配置され
た正方形のコンプレッションリング24と、正方形の輪
郭に保持された内周側の上下のループケーブル(第1、
第2のループケーブル)26、27と、その四隅に配置
され上下端がループケーブル26、27にそれぞれ連結
された内周側ポスト(第1の支柱)30と、各内周側ポ
スト30の上下端に内端が連結され外端が各外周側ポス
ト(第2の支柱)31の上端に連結された内周側の上下
の引張ケーブル(第1の上側引張ケーブル、第1の下側
引張ケーブル)32、33と、外周側ポスト31の上下
端に連結された外周側の上下のループケーブル28、2
9(下側ループケーブル29が第3のループケーブルに
相当)と、外周側ポスト31の上下端に内端が連結され
外端がコンプレッションリング24の四隅に連結された
外周側の上下の引張ケーブル(第2の上側引張ケーブ
ル、第2の下側引張ケーブル)34、35と、内周上側
のループケーブル26からコンプレッションリング24
までの範囲にわたり、上側引張ケーブル32、24の上
面に張設された膜屋根材(ここでは図示略)とから構成
されている。
【0028】各ケーブル26、27、28、29、3
2、33、34、35は、楕円形と正方形の違いはある
が、前記第1実施例の場合と同様の条件を満たすように
張設されている。以下、簡単に述べる。
【0029】内周側の上下のループケーブル26、27
は、同周長の環状のもので、上下に間隔をおいて水平に
配置され、それぞれ四隅に配した鉛直なポスト30の上
下端に連結されている。各ポスト30の上下端には、放
射方向(ここでは、正方形のループケーブル26、27
の対角線の延長方向)に延ばした引張ケーブル32、3
3の内端が連結されている。引張ケーブル32、33
は、各ポスト30毎に設けられ、外端が共に外周側のポ
スト31の上端に連結されている。
【0030】また、外周側の上下のループケーブル2
8、29は、内周側のループケーブル26、27と同心
状に配置されている。外周側ループケーブル28、29
は同周長のもので、内周側ループケーブル26、27よ
りも、ひと回り大きい正方形に形成されている。外周側
のポスト31は、内周側ポスト30と一対一で対応して
おり、上下端がそれぞれ外周側の上下のループケーブル
28、29の四隅に連結されている。
【0031】外周側の各ポスト31の上下端には、それ
ぞれ、内周側の引張ケーブル32、33の延長方向に沿
って延ばした外周側の引張ケーブル34、35の内端が
連結されている。外周側の引張ケーブル34、35は、
各ポスト31毎に設けられており、それぞれが放射状に
外向きに延び、外端が共にコンプレッションリング24
に、引張力を付与された状態で連結されている。
【0032】引張ケーブル32、33、34、35はす
べて同じ長さのもので、内周側の引張ケーブル32、3
3とポスト30とでそれぞれ二等辺三角形が形成され、
外周側の引張ケーブル34、35とポスト31とでそれ
ぞれ二等辺三角形が形成されている。従って、前記実施
例と同様に、引張ケーブル34、35、32、33の張
力と、ループケーブル26、27、28、29の張力の
バランスにより、ポスト31、32を介して、最内周上
端のループケーブル26が、コンプレッションリング2
4よりも高い位置に保持され、かつ内周上側の引張ケー
ブル32と外周上側の引張ケーブル34が同勾配となっ
て、外側に下り傾斜している。
【0033】そして、これら外方に下り傾斜した上側の
引張ケーブル32、34の上面に、膜屋根材が張設され
ている。なお、膜屋根材は、内周側ループケーブル2
6、コンプレッションリング24、引張ケーブル32、
34で囲まれる面内で適当な張力をもって張設され、必
要に応じて各ケーブルに係止されている。
【0034】この第2実施例の屋根構造体20は、四角
い競技場に向いている点以外は、前記第1実施例と同様
の作用効果を有する。
【0035】なお、第1実施例で触れたように、この第
2実施例の場合も、外周側ループケーブル28、29の
うち、上側のループケーブル28は、膜屋根材の張力バ
ランスに応じて、図6に示すように省略することができ
る。
【0036】また、いずれの実施例の場合も、屋根構造
体3、20の建設に当たっては、各ケーブルの長さ調節
のための手段や、張力調節のための手段を適当に設け
て、全体のバランスを調整しながら行うのが望ましく、
それらの手段は事後のメンテナンスを考慮してそのまま
残してもよい。
【0037】また、施工後の形態から、上側引張ケーブ
ル12、14はリッジケーブル、下側引張ケーブル1
3、15はダイアゴナルケーブルとしての機能を持つ。
特にリッジケーブルとしての上側引張ケーブル12、1
4は、1本のケーブルを通しで用いてももちろんよい。
【0038】また、特に第2実施例の場合、ループケー
ブル26、27、28、29は、必ずしも連続したもの
を用いなくてもよく、ポスト30、31を介して、環状
に連続していればよい。
【0039】また、上記実施例では、屋根の形が楕円形
のもの、正方形のものを示したが、円形や長方形であっ
てもよい。更に三角形あるいは五角形以上であってもよ
い。多角形屋根の場合は、角数に応じた数だけポストを
設ければよい。
【0040】また、上記実施例では、内周側の膜支持機
構部(内周側のループケーブル6、7、26、27と、
内周側のポスト10、30と、内周側上下の引張ケーブ
ル12、13、32、33とにより構成される部分)
と、外周側の膜支持機構部(外周側のループケーブル
8、9、28、29と、外周側のポスト11、31と、
外周側上下の引張ケーブル14、15、34、35とに
より構成される部分)との2段の膜支持機構部を有する
場合を示したが、内周側の膜支持機構部のみ設け、その
引張ケーブル12、13、32、33の外端を直接、コ
ンプレッションリング4、24に連結してもよい。ま
た、3段以上の膜支持機構部を設けてもよい。すなわ
ち、外周側の引張ケーブル14、15、34、35の外
周側に、更にポストとループケーブルと引張ケーブルか
らなる膜支持機構部を連続して設けてもよい。その場合
は、より膜張り領域が拡大する。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、ループケーブルと引張ケーブルと支柱を、各ケ
ーブルに導入した張力のバランスと、膜屋根材の張力と
によって、安定保持することができる。従って、簡単で
低コストの構成でありながら、強度的に安定した、中央
開口を有する膜屋根を容易に得ることができる。また、
構成要素の主体がケーブルであるので、軽量な上、構成
部材が空間的なデザインに制約を与えることもなく、広
い屋根下空間を、自由なデザインで創出することができ
る。
【0042】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
による効果の他に、第1のループケーブルを高い位置に
保持することができ、屋根下空間を拡げることができ
る。また、ケーブルを用いた簡単な構成でありながら、
屋根で覆う領域を広くとることができ、広い屋根下空間
を自由なデザインで創出することができるという効果を
奏する。
【0043】請求項3の発明によれば、中央の開口部に
向かうほど屋根下空間が拡がる。従って、この発明を例
えば競技場の屋根として用いた場合、中央の開口部の直
下のグランドから屋根までの高さが大きくなって、グラ
ンドの上方空間が広くなると共に、周辺のスタンドから
グランドを見下ろした場合の見通しが良くなり、圧迫感
のない開放的な競技施設を作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の膜屋根構造を備えたサッ
カー競技場の平面図である。
【図2】図1のII−II矢視断面図である。
【図3】図1のIII−III矢視断面図である。
【図4】本発明の第2実施例の膜屋根構造の斜視図であ
る。
【図5】図4のV−V矢視断面図である。
【図6】本発明の第2実施例の変形例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
3,20 屋根構造体 4,24 コンプレッションリング 5 膜屋根材 6,26 ループケーブル(第1のループケーブル) 7,27 ループケーブル(第2のループケーブル) 9,29 ループケーブル(第3のループケーブル) 10 ポスト(第1の支柱) 11 ポスト(第2の支柱) 12,32 引張ケーブル(第1の上側引張ケーブル) 13,33 引張ケーブル(第1の下側引張ケーブル) 14,34 引張ケーブル(第2の上側引張ケーブル) 15,35 引張ケーブル(第2の下側引張ケーブル)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下に間隔をおきそれぞれ略水平な面内
    に配置された第1、第2のループケーブルと、 これら第1、第2のループケーブルの周方向の少なくと
    も3か所に間隔をおいて配置され、上下端がそれぞれ前
    記第1、第2のループケーブルに連結された第1の支柱
    と、 これら各第1の支柱の上下端にそれぞれ内端が連結さ
    れ、前記第1、第2のループケーブルの放射方向に延ば
    した各外端が張力を付与された状態で固定側に支持され
    ることにより、自身の張力および前記第1、第2のルー
    プケーブルの張力のバランスによって、前記第1、第2
    のループケーブルを前記第1の支柱を介して空中に保持
    する第1の上側引張ケーブルおよび第1の下側引張ケー
    ブルとを備え、 前記第1のループケーブルから前記第1の上側引張ケー
    ブルの外端までの領域に膜屋根材が張られていることを
    特徴とする膜屋根構造。
  2. 【請求項2】 前記放射方向に延ばした第1の上側引張
    ケーブルおよび第1の下側引張ケーブルの外端が共に第
    2の支柱の上端に連結され、各第2の支柱の下端が前記
    第1、第2のループケーブルと同心状に配された第3の
    ループケーブルに連結され、前記第2の支柱の上端およ
    び下端に、これら各第2の支柱に対し前記放射方向の引
    張力を与える第2の上側引張ケーブルおよび第2の下側
    引張ケーブルの内端が連結され、前記第2の上側引張ケ
    ーブルおよび第2の下側引張ケーブルの外端が、前記第
    1、第2、第3のループケーブルの外側に同心状に配置
    されたコンプレッションリングに連結され、前記第1の
    ループケーブルから前記第2の上側引張ケーブルの外端
    までの領域に前記膜屋根材が張られていることを特徴と
    する請求項1記載の膜屋根構造。
  3. 【請求項3】 前記第1の上側引張ケーブルと第2の上
    側引張ケーブルが、同一勾配で前記放射方向に下り傾斜
    していることを特徴とする請求項2記載の膜屋根構造。
JP8896894A 1994-04-26 1994-04-26 膜屋根構造 Pending JPH07293042A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8896894A JPH07293042A (ja) 1994-04-26 1994-04-26 膜屋根構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8896894A JPH07293042A (ja) 1994-04-26 1994-04-26 膜屋根構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07293042A true JPH07293042A (ja) 1995-11-07

Family

ID=13957620

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8896894A Pending JPH07293042A (ja) 1994-04-26 1994-04-26 膜屋根構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07293042A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011111733A (ja) * 2009-11-24 2011-06-09 Shimizu Corp ドーム構造
JP2017057582A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 株式会社ドクター中松創研 安価短工期低メンテ費競技場

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011111733A (ja) * 2009-11-24 2011-06-09 Shimizu Corp ドーム構造
JP2017057582A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 株式会社ドクター中松創研 安価短工期低メンテ費競技場

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6345638B1 (en) Multiple peak cable tent
US4932169A (en) Inflatable structure
JP2974830B2 (ja) 三角形状の組合せで構成した屋根構造
US4944322A (en) Foldable tent
US5440840A (en) Triangulated roof structure
JP5457289B2 (ja) 大スパン屋根構造建築物
JPH07293042A (ja) 膜屋根構造
US4578908A (en) Fabric roof structure
CA2229401A1 (en) Multiple flying pole tent
JP3167117B2 (ja) 開閉式屋根構造とその骨組構造
GB2197672A (en) Collapsible structure
JPH07292776A (ja) 大庇構造
JPH07259187A (ja) ハイパーストリングドーム
JPH09228483A (ja) 構造物への屋根の架設方法および構造物
JPH07109770A (ja) ケーブルドームの屋根の構造
JP5984034B1 (ja) テントおよびテントの組立方法
JP2755264B2 (ja) 屋根構造
JP7288835B2 (ja) 大空間構造物及びその構築方法
JPH07216992A (ja) ケーブルドーム
JPH06185118A (ja) 競技場構造物
JPH0772458B2 (ja) 建築用膜材の張力調節方法
JP2702552B2 (ja) 開閉式屋根構造
JPH0229172Y2 (ja)
IL30178A (en) An overhead annular covering in a dual cable system for polygonal,elliptical or circular plan buildings,such as sports grounds or the like
JPH0418095B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20010410