JP2011111733A - ドーム構造 - Google Patents
ドーム構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011111733A JP2011111733A JP2009266690A JP2009266690A JP2011111733A JP 2011111733 A JP2011111733 A JP 2011111733A JP 2009266690 A JP2009266690 A JP 2009266690A JP 2009266690 A JP2009266690 A JP 2009266690A JP 2011111733 A JP2011111733 A JP 2011111733A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- string
- tension
- dome structure
- calculation method
- bending moment
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Rod-Shaped Construction Members (AREA)
Abstract
【解決手段】梁材11、11、…と、外周側端部12aが梁材11と柱材との第1交点P1とに連結されるとともに、内周側端部12bが構造物の中心軸線Oと第1交点P1の間に位置する第1ストリング12と、第1ストリング12の内周側端部12b同士を連結する第2ストリング13と、梁材11の前記中心軸線Oと梁端11aとの間の第3交点P3および第1ストリング12の内周側端部12bと第2ストリング13との第2交点P2を連結する束材14と、梁材11の前記中心軸線Oから梁端11aまでの間の中間部同士を連結する内周リング梁16とを備え、第1ストリング12と第2ストリング13とには、梁材11の曲げモーメントを最小とするように張力算定手法に基づいて算出された最適張力が導入された構成とした。
【選択図】図2
Description
すなわち、上述したような特徴から、板厚方向の曲げ剛性が小さく、全体、部分、個材座屈の発生の可能性があった。さらに、スパンに対してライズが小さい扁平なドーム構造では、テンションリングの軸力が過大になるうえ、膜応力状態が崩れ、曲げモーメントが大きく発生して、合理性が保てないといった問題があった。
そして、逆に、第2ストリングに作用する張力が分かれば、第1ストリングの張力も決まることになる。
さらに、屋根構面が完成した時点、つまり鉄骨建て方、全ての部材の接合部の本締めが終わった後にストリングへの張力導入を行うことから、施工効率が向上するうえ、施工途中に特定の部材の仮締め、本締めを行わずに済むことから、管理が容易になるという効果を奏する。
図1の符号1は、多目的ドームやアリーナ等に採用され、平面視で放射型に梁材11を配した立体張弦梁構造をなすドーム構造10を備えた本第1の実施の形態の構造物を示している。
ここで、構造物1の平面視中心を通る鉛直方向の軸線を中心軸線Oとして以下説明する。
本ドーム構造10では、第2ストリング13が第1ストリング12の内周側端部12b(第2交点P2)を挟んだ両側がそれぞれ第1ストリング12の延在方向に対して鈍角に交わって配置されているので、半径方向に配される各第1ストリング12に張力を導入することで、第1ストリング12に作用する張力が第2ストリング13に分散されその合力が生じることになる。このとき、第1ストリング12と第2ストリング13により構成されるストリング構造体には、中心軸線Oを通って直径方向に延びる従来のストリング構造の曲げモーメントと同様に上向きの曲げモーメントが作用する。つまり、ストリング構造全体に作用する緊張力によって束材14を介して梁材11に上向きの力を与えることができる。
また、内周リング梁16や水平ブレース17が屋根面に配置されて主架構として機能するので、第1ストリング12と第2ストリング13とを緊張することで、屋根面全体の応力、変位制御を行うことができる。
図2に示す第1ストリング12と第2ストリング13とに導入される張力の算定方法は、張力算定手法により算定される。つまり、支配的荷重である自重(後述するドーム構造10の固定荷重DL)を対象として最適張力を求める方法であり、図2に示す外周リング梁15との端部接合条件がピン接合の場合において、梁材11の曲げモーメントが最小となるように導入張力を設定する。
そして、上述した各曲げモーメントM1、M2の関係は、(1)式〜(3)式によって表される。
図5(a)に示すように、第2の実施の形態によるドーム構造は、上述した第1の実施の形態のドーム構造10に加えて、内周リング梁16の中間所定位置下方に束材18(第2の束材に相当)を設け、内周リング梁16の両端間と前記束材18の下端にわたって連結する第3ストリング19を備えた構造になっている。
この場合において、第1ストリング12と第2ストリング13とに導入される張力の算定方法は、張力算定手法により算定される。本張力算定手法においても、支配的荷重である自重(固定荷重DL)を対象として最適張力を求める方法であり、外周リング梁15との端部接合条件がピン接合の場合において、梁材11の曲げモーメントが最小となるように導入張力を設定する。
そして、上述した各曲げモーメントM1、M2、M1´、M2´の関係は、(9)式〜(14)式によって表される。
なお、図6(b)〜(d)は図6(a)に示すR1の領域を示し、図7(b)〜(d)は図7(a)に示すR0の領域を示している。
ここで、各ストリングの部材として、第1ストリングST1にφ90mmの高張力鋼のタイロッドを使用し、第2ストリングST2にφ53mmの構造用ストランドロープを使用し、第3ストリングST3にφ53mm×2本の構造用ストランドロープを使用した。
そして、上述した張力算定手法により算定され、第1ストリングST1、第3ストリングST3に導入する最適張力は、第1ストリングST1が約1200kNであり、第3ストリングST3が約250kNである。
一方、比較例では、図7(b)に示す中央鉛直変位T01が160mmであり、図7(c)に示す梁材の軸力T02が2356kNであり、外周リング梁の軸力T03が2256kNであり、図7(d)に示す梁材の曲げモーメントT04が1013kN・mとなった。
このような結果により、上述した張力算定手法を用いて最適な張力をストリングに導入した実施例は、ストリングを備えない比較例に比べてドーム構造が受ける応力・変位が小さくなっていることが確認された。
図8および図9に示す本第3の実施の形態による最適張力の算定方法は、第1の実施の形態と同様に支配的荷重である自重(ドーム構造10の固定荷重DL)を対象として最適張力を求める方法であり、外周リング梁15との端部接合条件が剛接合の場合において、梁材11の曲げモーメントが最小となるように導入張力を設定する。
そして、上述した各曲げモーメントM1、M2の関係、および固定荷重DLの関係式は、(4)式〜(8)式によって表される。
なお、本算定方法にあっては、剛接合前の固定荷重DL1のときに、第1張力の仮定値PS1、第2張力PS2を導入し、外周リング梁15を剛接合とし、残りの剛接合後に加えられる固定荷重DL2を載荷する手順により、外周リング梁15の端部の曲げモーメントが過大にならないように制御している。
図10および図11に示す本第4の実施の形態による最適張力の算定方法は、上述した第2の実施の形態と同様に支配的荷重である自重(ドーム構造10の固定荷重DL)を対象として最適張力を求める方法であり、外周リング梁15との端部接合条件が剛接合の場合において、梁材11の曲げモーメントが最小となるように導入張力を設定する。
そして、上述した各曲げモーメントM1、M2、M1´、M2´の関係、および固定荷重DLの関係式は、(15)式〜(20)式によって表される。
なお、本算定方法にあっては、剛接合前の固定荷重DL1のときに、第1張力の仮定値PS1、第3張力の仮定値PS3を導入し、外周リング梁15を剛接合とし、残りの剛接合後に加えられる固定荷重DL2を載荷する手順により、外周リング梁15の端部の曲げモーメントが過大にならないように制御している。
さらに、梁材、第1ストリング、第2ストリング、第3ストリング、束材等の長さ寸法、配置本数、固定位置などの構成は構造物、ドーム構造の形状、大きさ等に応じて適宜設定することが可能である。
2 柱材
10、20 ドーム構造
11、21 梁材
11a 21a 梁端
12、22 第1ストリング
12a、22a 外周側端部(一端)
12b、22b 内周側端部(他端)
13、23 第2ストリング
14、24 束材
15、25 外周リング梁
16、26 内周リング梁
17、28 水平ブレース
18 束材(第2の束材)
19 第3ストリング
O 構造物1の中心軸線(構造物の中心)
P1 第1交点
P2 第2交点
P3 第3交点
Claims (8)
- 構造物の柱材に設けられた屋根架構を構成し、平面視で放射状に梁材を配したドーム構造であって、
前記構造物の中心を通る放射方向に延在する複数の梁材と、
これら梁材の下方の位置で長さ方向を前記放射方向に向けて前記梁材と同方向に配置され、一端が前記梁材と前記柱材との第1交点とに連結されるとともに、他端が平面視で前記構造物の中心と前記第1交点の間に位置する第1ストリングと、
複数の前記第1ストリングの他端同士を連結する第2ストリングと、
前記梁材の前記構造物の中心と梁端との間の任意の位置および前記第1ストリングの他端と前記第2ストリングとの第2交点を連結する束材と、
前記梁材の前記中心から梁端までの間の中間部同士を連結する内周リング梁と、
を備えることを特徴とするドーム構造。 - 前記第1ストリングと前記第2ストリングとには、前記梁材の曲げモーメントを最小とするように張力算定手法に基づいて算出された最適張力が導入されていることを特徴とする請求項1に記載のドーム構造。
- 構造物の柱材に設けられた屋根架構を構成し、平面視で放射状に梁材を配したドーム構造であって、
前記構造物の中心を通る放射方向に延在する複数の梁材と、
これら梁材の下方の位置で長さ方向を前記放射方向に向けて前記梁材と同方向に配置され、一端が前記梁材と前記柱材との第1交点とに連結されるとともに、他端が平面視で前記構造物の中心と前記第1交点の間に位置する第1ストリングと、
複数の前記第1ストリングの他端同士を連結する第2ストリングと、
前記梁材の前記構造物の中心と梁端との間の任意の位置および前記第1ストリングの他端と前記第2ストリングとの第2交点を連結する束材と、
前記梁材の前記中心から梁端までの間の中間部同士を連結する内周リング梁と、
該内周リング梁の中間所定位置下方に第2の束材を設け、前記内周リング梁の両端間と前記第2の束材下端にわたって連結する第3ストリングと、
を備えることを特徴とするドーム構造。 - 前記第1ストリング、前記第2ストリング、および前記第3ストリングには、前記梁材の曲げモーメントを最小とするように張力算定手法に基づいて算出された最適張力が導入されていることを特徴とする請求項1に記載のドーム構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009266690A JP5590373B2 (ja) | 2009-11-24 | 2009-11-24 | ドーム構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009266690A JP5590373B2 (ja) | 2009-11-24 | 2009-11-24 | ドーム構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011111733A true JP2011111733A (ja) | 2011-06-09 |
JP5590373B2 JP5590373B2 (ja) | 2014-09-17 |
Family
ID=44234285
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009266690A Active JP5590373B2 (ja) | 2009-11-24 | 2009-11-24 | ドーム構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5590373B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102619301A (zh) * | 2012-03-08 | 2012-08-01 | 东南大学 | 径向开启式索穹顶结构 |
CN106337498A (zh) * | 2016-09-12 | 2017-01-18 | 东南大学 | 一种适用于矩形平面的可装配式张弦拱肋网壳结构 |
CN113802751A (zh) * | 2021-09-03 | 2021-12-17 | 中国航空规划设计研究总院有限公司 | 一种轮辐式预应力张弦穹顶结构及其施工方法 |
WO2023124838A1 (zh) * | 2021-12-31 | 2023-07-06 | 中国石油天然气集团有限公司 | 薄膜罐吊顶结构及薄膜罐 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07197531A (ja) * | 1993-12-28 | 1995-08-01 | Tomoe Corp | 立体構造物 |
JPH07292776A (ja) * | 1994-04-27 | 1995-11-07 | Shimizu Corp | 大庇構造 |
JPH07293042A (ja) * | 1994-04-26 | 1995-11-07 | Shimizu Corp | 膜屋根構造 |
JPH11210083A (ja) * | 1998-01-21 | 1999-08-03 | Ohbayashi Corp | ケーブルにより補強される鉄骨ドーム構造物 |
-
2009
- 2009-11-24 JP JP2009266690A patent/JP5590373B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07197531A (ja) * | 1993-12-28 | 1995-08-01 | Tomoe Corp | 立体構造物 |
JPH07293042A (ja) * | 1994-04-26 | 1995-11-07 | Shimizu Corp | 膜屋根構造 |
JPH07292776A (ja) * | 1994-04-27 | 1995-11-07 | Shimizu Corp | 大庇構造 |
JPH11210083A (ja) * | 1998-01-21 | 1999-08-03 | Ohbayashi Corp | ケーブルにより補強される鉄骨ドーム構造物 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JPN7013002708; 中島肇ほか: '張弦ドーム構造の構造設計と施工' 日本建築学会技術報告集 第16巻第33号, 201006, P.499-504, 日本建築学会 * |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102619301A (zh) * | 2012-03-08 | 2012-08-01 | 东南大学 | 径向开启式索穹顶结构 |
CN106337498A (zh) * | 2016-09-12 | 2017-01-18 | 东南大学 | 一种适用于矩形平面的可装配式张弦拱肋网壳结构 |
CN106337498B (zh) * | 2016-09-12 | 2019-07-12 | 东南大学 | 一种适用于矩形平面的可装配式张弦拱肋网壳结构 |
CN113802751A (zh) * | 2021-09-03 | 2021-12-17 | 中国航空规划设计研究总院有限公司 | 一种轮辐式预应力张弦穹顶结构及其施工方法 |
WO2023124838A1 (zh) * | 2021-12-31 | 2023-07-06 | 中国石油天然气集团有限公司 | 薄膜罐吊顶结构及薄膜罐 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5590373B2 (ja) | 2014-09-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8474204B2 (en) | Architectured reinforcement structure | |
JP5590373B2 (ja) | ドーム構造 | |
JP4146511B1 (ja) | ハニカム建築構造体 | |
JP6596610B1 (ja) | 屋根、屋根の設計方法および屋根の設計装置 | |
JP4899011B2 (ja) | 立体骨組みトラス構造 | |
CN109667385B (zh) | 一种钢筋混凝土超短柱 | |
JP2008025236A (ja) | 端部と中央部とで強度の異なる緊張材を用いたプレキャストプレストレストコンクリート梁 | |
JP4557711B2 (ja) | 鉄筋コンクリート梁における開口部回りの補強構造 | |
KR101709209B1 (ko) | 돌출형 케이블과 트러스구조로 변단면 구조를 보강하여 강성을 증대시킨 저형고 pc콘크리트빔 구조 | |
JP4449788B2 (ja) | Rc構造部材のヒンジ継手構造 | |
JP7132767B2 (ja) | 梁筋とその配筋方法 | |
JP7020046B2 (ja) | 既設構造物の改修方法 | |
JP5626556B2 (ja) | 立体張弦梁構造 | |
JP6909561B2 (ja) | 柱梁の接合構造 | |
JP2011102500A (ja) | トラス張弦梁 | |
JP3616904B2 (ja) | テンセグリッド構造 | |
JP5283361B2 (ja) | 屋根架構の構築方法及び屋根架構 | |
JP6591110B1 (ja) | 屋根および構造物 | |
CN108252215A (zh) | 开孔板式索-塔的连接结构及其制作方法 | |
JP7393816B2 (ja) | 構造基材、構造部材、構造物及び構造部材の構築方法 | |
JP6677510B2 (ja) | 建築方法 | |
JP7036368B2 (ja) | 梁材及び梁材の支持構造 | |
JPH01137035A (ja) | 多重式放射型張弦梁構造 | |
JP2003147727A (ja) | 複合箱桁およびその施工方法 | |
JPH06117023A (ja) | ドーム屋根構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120713 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130717 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130723 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130924 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140617 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140716 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5590373 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |