JPH07292776A - 大庇構造 - Google Patents

大庇構造

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JPH07292776A
JPH07292776A JP9035794A JP9035794A JPH07292776A JP H07292776 A JPH07292776 A JP H07292776A JP 9035794 A JP9035794 A JP 9035794A JP 9035794 A JP9035794 A JP 9035794A JP H07292776 A JPH07292776 A JP H07292776A
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JP
Japan
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annular member
force
tensile
extending
extension
Prior art date
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Application number
JP9035794A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Maeda
信之 前田
Hajime Nakajima
肇 中島
Hideo Uchimoto
英雄 内本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Publication date
Application filed by Shimizu Construction Co Ltd, Shimizu Corp filed Critical Shimizu Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 支持部材を多く必要とせず、明るい雰囲気に
することができる大庇構造を提供する。 【構成】 庇本体1が、それぞれ環状をなすとともに互
いに上下に離間して配置される内側上部環状部材12お
よび内側下部環状部材13と、これら内側上部環状部材
12および内側下部環状部材13の間に設けられる複数
の支柱部材14と、内側上部環状部材12から外側に延
出する複数の上部延出部材11と、内側下部環状部材1
3から外側に延出するとともに延出側で上部延出部材1
1に連結される複数の下部延出部材15とを有してお
り、内側上下に環状部材12,13を採用することによ
り、内側の釣合力を、環状部材12,13の成分反力に
より処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、屋外運動競技場の観客
席部分上方を覆うべく設けられる大庇構造に関する。
【0002】
【従来の技術】サッカー,陸上等を行うために使用され
る屋外運動競技場には、中央に競技スペースが設けら
れ、その外周囲に環状に観客席が設けられていて、しか
も該観客席のみ上方を覆うべく大庇が設けられているも
のがある。従来このような大庇は、観客席の外側の立設
された支持支柱により片持梁方式で支持されるようにな
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、片持梁方式で大庇を支持するのでは、支持部材
として断面の大きな部材を必要としてしまうため、重苦
しい雰囲気になってしまうという問題があった。
【0004】したがって、本発明の目的は、支持部材の
断面を小さくし、明るく軽い雰囲気にすることができる
大庇構造を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1記載の大庇構造は、それぞれ環状
をなすとともに互いに上下に離間して配置される内側上
部環状部材および内側下部環状部材と、これら内側上部
環状部材および内側下部環状部材の間に設けられる複数
の支柱部材と、前記内側上部環状部材から外側に延出す
る複数の上部延出部材と、前記内側下部環状部材から外
側に延出するとともに延出側で前記上部延出部材に連結
される複数の下部延出部材とを有する庇本体と、上部に
前記庇本体の外側部分を支持するよう環状に配設された
複数の支持支柱と、を具備することを特徴としている。
【0006】本発明の請求項2記載の大庇構造は、請求
項1記載のものに加えて、前記庇本体が、略直線状の延
在部を有しており、この延在部の内側上部環状部材およ
び内側下部環状部材は張弦梁構造で支持されていること
を特徴としている。
【0007】本発明の請求項3記載の大庇構造は、請求
項1または2記載のものに加えて、前記内側上部環状部
材を圧縮力に抗する圧縮リング、前記内側下部環状部材
を引張力に抗する引張リング、前記支柱部材を圧縮力に
抗する圧縮棒部材、前記上部延出部材を圧縮力に抗する
圧縮梁部材、前記下部延出部材を引張力が付与される引
張ケーブルで、それぞれ構成してなることを特徴として
いる。
【0008】本発明の請求項4記載の大庇構造は、請求
項1記載のものに加えて、環状をなすとともに前記内側
上部環状部材および内側下部環状部材の外側に配置され
前記上部延出部材と下部延出部材との連結部分に連結さ
れる外側環状部材を、前記支持支柱上部に設け、該外側
環状部材を圧縮力に抗する圧縮リング、前記内側上部環
状部材および内側下部環状部材を引張力に抗する引張リ
ング、前記支柱部材を圧縮力に抗する圧縮棒部材、前記
上部延出部材および下部延出部材を引張力が付与される
引張ケーブルで、それぞれ構成してなることを特徴とし
ている。
【0009】本発明の請求項5記載の大庇構造は、請求
項1記載のものに加えて、環状をなすとともに前記内側
上部環状部材および内側下部環状部材の外側に配置され
前記上部延出部材と下部延出部材との連結部分に連結さ
れる外側環状部材を、前記支持支柱上部に設け、該外側
環状部材を圧縮力に抗する圧縮リング、前記内側上部環
状部材および内側下部環状部材のいずれか一方を引張力
が付与される引張ケーブル、前記内側上部環状部材およ
び内側下部環状部材のいずれか他方を引張力に抗する引
張リング、前記支柱部材を圧縮力に抗する圧縮棒部材、
前記上部延出部材および下部延出部材を引張力が付与さ
れる引張ケーブルで、それぞれ構成してなることを特徴
としている。
【0010】本発明の請求項6記載の大庇構造は、請求
項1記載のものに加えて、環状をなすとともに前記内側
上部環状部材および内側下部環状部材の外側に配置され
前記上部延出部材と下部延出部材との連結部分に連結さ
れる外側環状部材を、前記支持支柱上部に設け、該外側
環状部材を圧縮力に抗する圧縮リング、前記内側上部環
状部材および内側下部環状部材を引張力が付与される引
張ケーブル、前記支柱部材を圧縮力に抗する圧縮棒部
材、前記上部延出部材および下部延出部材を引張力が付
与される引張ケーブルで、それぞれ構成してなることを
特徴としている。
【0011】
【作用】本発明の請求項1記載の大庇構造によれば、庇
本体が、それぞれ環状をなすとともに互いに上下に離間
して配置される内側上部環状部材および内側下部環状部
材と、これら内側上部環状部材および内側下部環状部材
との間に設けられる複数の支柱部材と、前記内側上部環
状部材から外側に延出する複数の上部延出部材と、前記
内側下部環状部材から外側に延出するとともに延出側で
前記上部延出部材に連結される複数の下部延出部材とを
有しており、内側上下に環状部材を採用することによ
り、内側の釣合力を、環状部材の成分反力により処理す
ることができる。よって、簡素な構造になる。
【0012】本発明の請求項2記載の大庇構造によれ
ば、略直線状の延在部の内側上部環状部材および内側下
部環状部材が張弦梁構造で支持されているため、略直線
状をなすことにより成分反力が十分でない部分を、補う
ことができる。
【0013】本発明の請求項3記載の大庇構造によれ
ば、引張ケーブルである下部延出部材に引張力を付与す
ることと内側にかかる力とにより、圧縮力がかかること
になる内側上部環状部材を圧縮力に抗する圧縮リング
で、引張力がかかることになる内側下部環状部材を引張
力に抗する引張リングで、圧縮力がかかることになる支
柱部材を圧縮力に抗する圧縮棒部材で、圧縮力がかかる
ことになる上部延出部材を圧縮力に抗する圧縮梁部材
で、それぞれ構成して、自身の構成で釣合力を処理する
ことになる。
【0014】本発明の請求項4記載の大庇構造によれ
ば、支持支柱上に外側環状部材を支持させ、内側上部環
状部材、内側下部環状部材および支柱部材を組み、これ
らと前記外側環状部材とを、引張ケーブルである下部延
出部材および上部延出部材の引張力を解除した状態で連
結させる。そして、引張ケーブルである下部延出部材に
引張力を付与することにより、内側上部環状部材、内側
下部環状部材および支柱部材の組立体を持ち上げつつ引
張ケーブルである上部延出部材に引張力を付与すること
で全体を安定させることになる。そして、この状態にお
いて、圧縮力がかかることになる外側環状部材を圧縮力
に抗する圧縮リングで、引張力がかかることになる内側
上部環状部材および内側下部環状部材を引張力に抗する
引張リングで、圧縮力がかかることになる支柱部材を圧
縮力に抗する圧縮棒部材で、それぞれ構成して、自身の
構成で釣合力を処理することになる。
【0015】本発明の請求項5記載の大庇構造によれ
ば、支持支柱上に外側環状部材を支持させ、内側上部環
状部材、内側下部環状部材および支柱部材を、内側上部
環状部材および内側下部環状部材のいずれか一方の引張
ケーブルからなるものの引張力を解除した状態で組み、
これらと前記外側環状部材とを、引張ケーブルである下
部延出部材および上部延出部材の引張力を解除した状態
で連結させる。そして、内側上部環状部材および内側下
部環状部材のいずれか一方の引張ケーブルからなるもの
に引張力を付与することにより、全体を持ち上げつつ、
引張ケーブルである上部延出部材および下部延出部材に
引張力を付与させて全体を安定させる。そして、この状
態において、圧縮力がかかることになる外側環状部材を
圧縮力に抗する圧縮リングで、引張力がかかることにな
る、内側上部環状部材および内側下部環状部材のいずれ
か他方を引張力に抗する引張リングで、圧縮力がかかる
ことになる支柱部材を圧縮力に抗する圧縮棒部材で、そ
れぞれ構成して、自身の構成で釣合力を処理することに
なる。
【0016】本発明の請求項6記載の大庇構造によれ
ば、支持支柱上に外側環状部材を支持させ、内側上部環
状部材、内側下部環状部材および支柱部材を、引張ケー
ブルである内側上部環状部材および内側下部環状部材の
引張力を解除した状態で組み、これらと前記外側環状部
材とを、引張ケーブルである下部延出部材および上部延
出部材の引張力を解除した状態で連結させる。そして、
引張ケーブルである内側上部環状部材および内側下部環
状部材に引張力を付与することにより、全体を持ち上げ
つつ、引張ケーブルである上部延出部材および下部延出
部材に引張力を付与させて全体を安定させる。そして、
この状態において、圧縮力がかかることになる外側環状
部材を圧縮力に抗する圧縮リングで、圧縮力がかかるこ
とになる支柱部材を圧縮力に抗する圧縮棒部材で、それ
ぞれ構成し、自身の構成で釣合力を処理することにな
る。
【0017】
【実施例】本発明の第1実施例による大庇構造を図1〜
図4を参照して以下に説明する。ここで、図1におい
て、中心線から左側は庇本体の上側の構成を、中心線か
ら右側は下側の構成を示している。
【0018】図中符号1は両側の半円部2とこれらの間
にある直線部(延在部)3とを有する長円状の庇本体、
符号4は複数が所定ピッチで配設されて鉛直立設される
支持支柱をそれぞれ示している。ここで、この大庇構造
は、図4に示すように、中央に競技スペース6が設けら
れその外周囲に長円状に観客席7が設けられた競技場8
に設置されるもので、観客席7の外側に支持支柱4が立
設され、観客席7の上方を覆うべく庇本体1が設けられ
ている。
【0019】支持支柱4は、すべて同高さをなしてお
り、庇本体1の外周部の下側に位置するよう長円状に配
置されている。なお、直線部3内に位置する支持支柱4
の配設ピッチは、半円部2に位置する支持支柱4の配設
ピッチより所定量小さく設定されている。
【0020】庇本体1は、外端部が支持支柱4の上部に
支持されるとともに、半円部2に位置するものにおいて
は、半径方向内方側に向きかつ内端部が上側に位置する
よう傾斜して延出し、直線部3に位置するものにおいて
は、該直線部3の延在方向に直交しかつ内端部が上側に
位置するよう傾斜して延出する上部延出部材11を有し
ており、該上部延出部材11の内端部は、略水平面内に
沿って配置された内側上部環状部材12に連結されてい
る。この内側上部環状部材12は、庇本体1の内周部を
構成するもので、長円状をなしている。そして、この内
側上部環状部材12の下側には、平面視がこれと一致す
る長円状の内側下部環状部材13が、所定距離離間して
平行に設けられている。又、該上部延出部材11は平面
ブレース17により連結され平面剛性を確保している。
【0021】ここで、これら内側上部環状部材12と内
側下部環状部材13との間には、鉛直延在する支柱部材
14が複数、上部延出部材11の支持位置に一致して連
結されており、これらの支柱部材14によって内側上部
環状部材12と内側下部環状部材13とは連結されてい
る。そして、この支柱部材14と内側下部環状部材13
との連結位置と、上部延出部材11の外端部との間に
は、対応する上部延出部材11と支柱部材14とで、鉛
直平面内で三角形を構成するように、下部延出部材15
が、外側が上方となるよう傾斜して設けられている。
【0022】また、直線部3においては、内側上部環状
部材12、内側下部環状部材13および隣り合う支柱部
材14同士の間の部分と、内側上部環状部材12および
隣り合う上部延出部材11同士の間の部分と、内側下部
環状部材13および隣り合う下部延出部材15同士の間
の部分とには、それぞれ強度向上のための筋かい部材1
7がわたされている。そして、内側上部環状部材12の
直線部3内における両端部には、直線部3の延在方向に
最も沿うように最適な支持支柱4まで延在する上部張弦
梁部材19が設けられており、内側下部環状部材13の
直線部3内における両端部には、上部張弦梁部材19の
外端部まで延在してこれに連結される下部張弦梁部材2
0が設けられている。
【0023】そして、第1実施例では、内側上部環状部
材12は、圧縮力に抗する、圧縮強度等の機械的性質が
高められた圧縮リングで、内側下部環状部材13は引張
力に抗する、引張強度等の機械的性質が高められた引張
リング(鋼管等の鋼材)で、支柱部材14は圧縮力に抗
する圧縮棒部材で、上部延出部材11は圧縮力に抗する
圧縮梁部材で、下部延出部材15は、半円部2内におい
ては引張力が付与される引張ケーブルで構成されてお
り、また、上部張弦梁部材19は圧縮力に抗する圧縮梁
部材で、下部張弦梁部材20は引張力が付与される引張
ケーブルで構成されている。ここで、直線部3内におけ
る下部延出部材15は梁部材とされている。
【0024】なお、図中符号22で示すものは、屋根と
して、膜材23(図4参照)が上部延出部材5外端から
内側上部環状部材12まで被覆された際に、該膜材23
の形状を保持等するための保形部材である。
【0025】このような構成の第1実施例の大庇構造に
よれば、図2に矢印Aで示すように引張ケーブルである
下部延出部材15に付与される引張力(プレストレス)
と、内側にかかる力とにより、圧縮力がかかることにな
る内側上部環状部材12を圧縮力に抗する圧縮リング
で、引張力がかかることになる内側下部環状部材13を
引張力に抗する引張リングで構成して、内側の釣合力
を、内側上部環状部材12および内側下部環状部材13
の成分反力により処理することになり、加えて、図2に
矢印Bで示すように圧縮力がかかることになる支柱部材
14を圧縮力に抗する圧縮棒部材で、図2に矢印Cで示
すように圧縮力がかかることになる上部延出部材11を
圧縮力に抗する圧縮梁部材で、それぞれ構成して、自身
の構成で全体の釣合力を処理することになる。このよう
に簡素な構造にでき軽く明るい感じになってすっきりし
た空間を創出することができるとともに、自己釣合型と
なることで支持支柱4のスラスト力の発生を防止するこ
とができる。
【0026】また、直線部3は、成分反力が得られない
ことになるが、引張ケーブルである下部張弦梁部材20
に引張力を付与することにより、直線部3における、内
側上部環状部材12、内側下部環状部材13、支柱部材
14および上部張弦梁部材19が張弦梁構造をなして自
重等を支持する反力を得ることができ、よって、直線部
3と半円部2との境界部分付近に生じる応力集中を緩和
できる。
【0027】なお、第1実施例においては、長円状のも
のを例にとり説明したが、環状であれば円形状および楕
円状のものにも適用することができ、楕円状のものにも
適用する場合、曲率半径の大きい部分に張弦梁構造を適
用すればよい。また、直線部3を有することのない、円
状のものに適用する場合、直線部3を除くよう半円部2
同士を連結させるとともにすべての下部延出部材15を
引張ケーブルで構成しさらに上部張弦梁部材19および
下部張弦梁部材20を除けばよい。
【0028】次に、本発明の第2実施例による大庇構造
を図5および図6を参照して以下に説明する。ここで、
第1実施例と同様の部分には同一の符号を付し、第1実
施例と相違する部分を中心に説明する。なお、図5にお
いて、中心線から左側は庇本体1の上側の構成を、中心
線から右側は下側の構成を示している。
【0029】第2実施例においては、庇本体1は円環状
をなしており、これにともなって、支持支柱4は庇本体
1の外周部の下側に位置するよう円状に配置されてい
る。また庇本体1の内周部を構成する内側上部環状部材
12および内側下部環状部材13も水平面内で円状をな
しており、円状に配置された支持支柱4から半径方向内
方に上部延出部材11および下部延出部材15は延出し
て内側上部環状部材12および内側下部環状部材13に
連結され、しかもこの連結位置に支柱部材14が鉛直に
設けられている。
【0030】そして、第2実施例においては、内側上部
環状部材12および内側下部環状部材13の外側に配置
され、支持支柱4の上部に支持されるよう円状をなすと
ともに、上部延出部材11と下部延出部材15との連結
部分に連結される外側環状部材24がさらに設けられて
いる。
【0031】また、第2実施例では、外側環状部材24
は圧縮力に抗する圧縮リングで、内側上部環状部材12
および内側下部環状部材13は引張力に抗する引張リン
グで、支柱部材14は圧縮力に抗する圧縮棒部材で、上
部延出部材11および下部延出部材15は引張力が付与
される引張ケーブルで、それぞれ構成されている。な
お、第2実施例においては、屋根として膜材が、外側環
状部材24から内側上部環状部材12まで貼付され、そ
の際、上部延出部材11を利用して膜材の突っ張りと押
えとを行うことになる。
【0032】このような構成の第2実施例の大庇構造に
よれば、支持支柱4上に外側環状部材24を支持させ、
内側上部環状部材12、内側下部環状部材13および支
柱部材14を組み、これらと前記外側環状部材24と
を、引張ケーブルである上部延出部材11および下部延
出部材15の引張力を解除した状態で連結させる。そし
て、引張ケーブルである下部延出部材15に、図6に矢
印Dで示すように引張力(プレストレス)を付与するこ
とにより、内側上部環状部材12、内側下部環状部材1
3および支柱部材14の組立体を持ち上げつつ該持ち上
がりにより引張ケーブルである上部延出部材11に、図
6に矢印Eで示すように引張力(プレストレス)を付与
することで全体を安定させることになる(上部延出部材
11は持ち上げ時に所定の引張力が発生されるよう長さ
が設定されてあらかじめ連結されている)。
【0033】この状態において、引張力がかかることに
なる内側上部環状部材12および内側下部環状部材13
を引張力に抗する引張リングで構成して、内側の釣合力
を、内側上部環状部材12および内側下部環状部材13
の成分反力により処理することになり、加えて、圧縮力
がかかることになる外側環状部材24を圧縮力に抗する
圧縮リングで、図6に矢印Fで示すように圧縮力がかか
ることになる支柱部材14を圧縮力に抗する圧縮棒部材
で、それぞれ構成して、自身の構成で釣合力を処理する
ことになる。
【0034】このように簡素な構造にでき軽く明るい感
じになってすっきりした空間を創出することができると
ともに、自己釣合型となることで支持支柱4のスラスト
力の発生を防止することができる。しかも、支持支柱4
より内側の部材はすべて引張材となるため、これら部材
を小さくすることができ、よって、さらに軽く見せるこ
とができる。
【0035】なお、第2実施例においては、円形状のも
のを例にとり説明したが、環状であれば長円状あるいは
楕円状のものに適用することもでき、この場合、直線状
あるいは曲率半径の大きい部分に第1実施例で述べた張
弦梁構造を適用すればよい。
【0036】次に、本発明の第3実施例による大庇構造
を図7(a)〜(c)を参照して以下に説明する。ここ
で、第1および第2実施例と同様の部分には同一の符号
を付し、第1実施例と相違する部分を中心に説明する。
【0037】第3実施例においては、庇本体1の形状
は、第2実施例と略同様となっている。 そして、外側
環状部材24は圧縮力に抗する圧縮リングで、内側下部
環状部材13は引張力が付与される引張ケーブルで、内
側上部環状部材12は引張力に抗する引張リングで、支
柱部材14は圧縮力に抗する圧縮棒部材で、上部延出部
材11および下部延出部材15は引張力が付与される引
張ケーブルで構成されている。ここで、図7(a)〜
(c)においては、外側環状部材24、上部延出部材1
1、下部延出部材15、支柱部材14および支持支柱4
として、180゜反する位置にあるもの(外側環状部材
24においてはその一部分)のみ図示しているが、勿
論、これら構成は、第2実施例と同様、内側上部環状部
材12および内側下部環状部材13の外側全周にわたっ
て設けられている。
【0038】このような構成の第3実施例の大庇構造に
よれば、支持支柱4上に外側環状部材24を支持させ、
内側上部環状部材12、内側下部環状部材13および支
柱部材14を、引張ケーブルである内側下部環状部材1
3の引張力を解除した状態で組み、これらと外側環状部
材24とを、引張ケーブルである上部延出部材11およ
び下部延出部材15の引張力を解除した状態で連結させ
る(図7(a)および図7(b)に示す状態)。その
後、引張ケーブルである内側下部環状部材13に引張力
(プレストレス)を付与することにより、内側上部環状
部材12、内側下部環状部材13および支柱部材14の
全体を持ち上げつつ、引張ケーブルである上部延出部材
11および下部延出部材15に引張力を付与させて全体
を安定させ、最終的に内側下部環状部材13の両端を連
結させ円状とする(図7(c)に示す状態。なお、上部
延出部材11および下部延出部材15は持ち上げ時に所
定の引張力が発生されるよう長さが設定された状態であ
らかじめ連結されている)。そして、庇本体1のレベル
および引張ケーブルの張力等を確認する。
【0039】この状態において、引張力がかかることに
なる、内側上部環状部材12を引張力に抗する引張リン
グで構成しまた内側下部環状部材13を引張力が発生さ
れる引張ケーブルを最終的に両端を連結させて円状とす
ることで構成して、内側の釣合力を、内側上部環状部材
12および内側下部環状部材13の成分反力により処理
することになり、加えて、圧縮力がかかることになる外
側環状部材24を圧縮力に抗する圧縮リングで、圧縮力
がかかることになる支柱部材14を圧縮力に抗する圧縮
棒部材で、それぞれ構成して、自身の構成で釣合力を処
理することになる。
【0040】このように簡素な構造にでき軽く明るい感
じになってすっきりした空間を創出することができると
ともに、自己釣合型となることで支持支柱4のスラスト
力の発生を防止することができる。しかも、支持支柱4
より内側の部材はすべて引張材となるため、これら部材
を小さくすることができ、よって、さらに軽く見せるこ
とができる。加えて、最終的に内側下部環状部材13に
引張力を付与することで、引張ケーブルである上部延出
部材11および下部延出部材15それぞれに引張力を付
与することができるため、庇本体1の施工が容易となり
かつ工期も短縮することができる。
【0041】なお、第3実施例の大庇構造は、上記に限
定されることなく、上記とは逆に、内側上部環状部材1
2を引張力が付与される引張ケーブルで、内側下部環状
部材13を引張力に抗する引張リングで構成することも
可能である。この場合、支持支柱4上に外側環状部材2
4を支持させ、内側上部環状部材12、内側下部環状部
材13および支柱部材14を、引張ケーブルである内側
上部環状部材12の引張力を解除した状態で組み、これ
らと外側環状部材24とを、引張ケーブルである上部延
出部材11および下部延出部材15の引張力を解除した
状態で連結させて、引張ケーブルである内側上部環状部
材12に引張力を付与することにより、全体を持ち上げ
つつ、引張ケーブルである上部延出部材11および下部
延出部材15に引張力を付与させて全体を安定させ、最
終的に内側上部環状部材12の両端を連結させ円状とす
ることになる。
【0042】また、内側上部環状部材12および内側下
部環状部材13をともに、引張力が付与される引張ケー
ブルで構成することも可能である。この場合、支持支柱
4上に外側環状部材24を支持させ、内側上部環状部材
12、内側下部環状部材13および支柱部材14を、引
張ケーブルである内側上部環状部材12および内側下部
環状部材13の引張力を解除した状態で組み、これらと
前記外側環状部材24とを、引張ケーブルである上部延
出部材11および下部延出部材15の引張力を解除した
状態で連結させる。そして、引張ケーブルである内側上
部環状部材12および内側下部環状部材13に引張力を
付与することにより、全体を持ち上げつつ、引張ケーブ
ルである上部延出部材11および下部延出部材15に引
張力を付与させて全体を安定させ、最終的に内側上部環
状部材12および内側下部環状部材13の両端を連結さ
せ円状とすることになる。
【0043】なお、第3実施例においては、円形状のも
のを例にとり説明したが、長円状あるいは楕円状のもの
に適用することもでき、この場合、直線状あるいは曲率
半径の大きい部分に第1実施例で述べた張弦梁構造を適
用すればよい。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
記載の大庇構造によれば、庇本体が、内側上下に環状部
材を採用することにより、内側の釣合力を、環状部材の
成分反力により処理することができる。したがって、簡
素な構造になるため、軽く明るい感じになってすっきり
した空間を創出することができる。
【0045】本発明の請求項2記載の大庇構造によれ
ば、略直線状の延在部の内側上部環状部材および内側下
部環状部材が張弦梁構造とされているため、略直線状を
なすことにより成分反力が十分でない部分を補うことが
できる。
【0046】本発明の請求項3記載の大庇構造によれ
ば、自身の構成で釣合力を処理することになるため、支
持支柱のスラスト力の発生を防止することができる。
【0047】本発明の請求項4記載の大庇構造によれ
ば、自身の構成で釣合力を処理することになるため、支
持支柱のスラスト力の発生を防止することができる。ま
た、支持支柱より内側の部材はすべて引張材となるた
め、これら部材を小さくすることができ、よって、さら
に軽く見せることができる。
【0048】本発明の請求項5記載の大庇構造によれ
ば、自身の構成で釣合力を処理することになるため、支
持支柱のスラスト力の発生を防止することができる。ま
た、支持支柱より内側の部材はすべて引張材となるた
め、これら部材を小さくすることができ、よって、さら
に軽く見せることができる。さらに、内側上部環状部材
および内側下部環状部材のいずれか一方の引張ケーブル
からなるものに引張力を付与することにより、全体を持
ち上げつつ、引張ケーブルである上部延出部材および下
部延出部材に引張力を付与させることになるため、庇本
体の施工が容易となりかつ工期も短縮することができ
る。
【0049】本発明の請求項6記載の大庇構造によれ
ば、自身の構成で釣合力を処理することになるため、支
持支柱のスラスト力の発生を防止することができる。ま
た、支持支柱より内側の部材はすべて引張材となるた
め、これら部材を小さくすることができ、よって、さら
に軽く見せることができる。さらに、引張ケーブルであ
る内側上部環状部材および内側下部環状部材に引張力を
付与することにより、全体を持ち上げつつ、引張ケーブ
ルである上部延出部材および下部延出部材に引張力を付
与させることになるため、庇本体の施工が容易となりか
つ工期も短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による大庇構造を示す平面
図であって、中心線から左側は庇本体の上側の構成を、
中心線から右側は下側の構成を示すものである。
【図2】本発明の第1実施例による大庇構造を示す、図
1におけるX−X線に沿う断面矢視図である。
【図3】本発明の第1実施例による大庇構造を示す、図
1におけるY−Y線に沿う断面矢視図である。
【図4】本発明の第1実施例による大庇構造の一部を示
す斜視図である。
【図5】本発明の第2実施例による大庇構造を示す平面
図であって、中心線から左側は庇本体の上側の構成を、
中心線から右側は下側の構成を示すものである。
【図6】本発明の第2実施例による大庇構造を示す、図
5におけるZ−Z線に沿う断面図である。
【図7】本発明の第3実施例による大庇構造の一部を示
す斜視図であって、(a)から(c)まで工程順に示す
ものである。
【符号の説明】
1 庇本体 3 直線部(延在部) 4 支持支柱 11 上部延出部材 12 内側上部環状部材 13 内側下部環状部材 14 支柱部材 15 下部延出部材 24 外側環状部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ環状をなすとともに互いに上下
    に離間して配置される内側上部環状部材および内側下部
    環状部材と、これら内側上部環状部材および内側下部環
    状部材の間に設けられる複数の支柱部材と、前記内側上
    部環状部材から外側に延出する複数の上部延出部材と、
    前記内側下部環状部材から外側に延出するとともに延出
    側で前記上部延出部材に連結される複数の下部延出部材
    とを有する庇本体と、 上部に前記庇本体の外側部分を支持するよう環状に配設
    された複数の支持支柱と、を具備することを特徴とする
    大庇構造。
  2. 【請求項2】 前記庇本体が、略直線状の延在部を有し
    ており、この延在部の内側上部環状部材および内側下部
    環状部材は張弦梁構造で支持されていることを特徴とす
    る請求項1記載の大庇構造。
  3. 【請求項3】 前記内側上部環状部材を圧縮力に抗する
    圧縮リング、前記内側下部環状部材を引張力に抗する引
    張リング、前記支柱部材を圧縮力に抗する圧縮棒部材、
    前記上部延出部材を圧縮力に抗する圧縮梁部材、前記下
    部延出部材を引張力が付与される引張ケーブルで、それ
    ぞれ構成してなることを特徴とする請求項1または2記
    載の大庇構造。
  4. 【請求項4】 環状をなすとともに前記内側上部環状部
    材および内側下部環状部材の外側に配置され前記上部延
    出部材と下部延出部材との連結部分に連結される外側環
    状部材を、前記支持支柱上部に設け、 該外側環状部材を圧縮力に抗する圧縮リング、前記内側
    上部環状部材および内側下部環状部材を引張力に抗する
    引張リング、前記支柱部材を圧縮力に抗する圧縮棒部
    材、前記上部延出部材および下部延出部材を引張力が付
    与される引張ケーブルで、それぞれ構成してなることを
    特徴とする請求項1記載の大庇構造。
  5. 【請求項5】 環状をなすとともに前記内側上部環状部
    材および内側下部環状部材の外側に配置され前記上部延
    出部材と下部延出部材との連結部分に連結される外側環
    状部材を、前記支持支柱上部に設け、 該外側環状部材を圧縮力に抗する圧縮リング、前記内側
    上部環状部材および内側下部環状部材のいずれか一方を
    引張力が付与される引張ケーブル、前記内側上部環状部
    材および内側下部環状部材のいずれか他方を引張力に抗
    する引張リング、前記支柱部材を圧縮力に抗する圧縮棒
    部材、前記上部延出部材および下部延出部材を引張力が
    付与される引張ケーブルで、それぞれ構成してなること
    を特徴とする請求項1記載の大庇構造。
  6. 【請求項6】 環状をなすとともに前記内側上部環状部
    材および内側下部環状部材の外側に配置され前記上部延
    出部材と下部延出部材との連結部分に連結される外側環
    状部材を、前記支持支柱上部に設け、 該外側環状部材を圧縮力に抗する圧縮リング、前記内側
    上部環状部材および内側下部環状部材を引張力が付与さ
    れる引張ケーブル、前記支柱部材を圧縮力に抗する圧縮
    棒部材、前記上部延出部材および下部延出部材を引張力
    が付与される引張ケーブルで、それぞれ構成してなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の大庇構造。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011047136A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Shimizu Corp 立体張弦梁構造
JP2011111733A (ja) * 2009-11-24 2011-06-09 Shimizu Corp ドーム構造
JP2020094400A (ja) * 2018-12-12 2020-06-18 株式会社日建設計 屋根架構の設計方法および屋根架構
JP2021021232A (ja) * 2019-07-26 2021-02-18 清水建設株式会社 屋根構造

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