JP3167117B2 - 開閉式屋根構造とその骨組構造 - Google Patents

開閉式屋根構造とその骨組構造

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JP3167117B2 JP20837197A JP20837197A JP3167117B2 JP 3167117 B2 JP3167117 B2 JP 3167117B2 JP 20837197 A JP20837197 A JP 20837197A JP 20837197 A JP20837197 A JP 20837197A JP 3167117 B2 JP3167117 B2 JP 3167117B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築、競技場、各
種イベント会場等における開閉式屋根等の開閉する部分
を有する全ての分野に使用される開閉式屋根構造に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築、競技場、屋外博覧会場等で
用いられる屋根構造としては、シェルやトラス等の従来
型圧縮曲げ系屋根構造、開閉式屋根構造と膜構造やケー
ブルを代表とする張力構造の分野に分けられている。こ
のうち開閉式屋根構造は従来、米国ピッツバーグの音楽
堂やカナダ・トロントのスカイドーム、福岡ドーム等に
代表されるように剛な屋根構造を剛体的に回転や並行移
動させて開閉を行なうものが多く提案され実際に利用さ
れている。この開閉式屋根構造は球形のドームを分割し
た鉄骨造の屋根パネルで構成され、このうちの上部のパ
ネルを外周部の真円軌道の走行路上を旋回移動させるこ
とにより開閉するシステムである。
【0003】一方、張力構造とは軽量なケーブル材や膜
材を緊張させて屋根構造として用いるもので、このうち
ケーブル構造としては、ドイツ・ミュンヘンのオリンピ
ックスタジアム等が代表例であり、また膜屋根構造とし
てはテント構造や出雲、秋田、大館ドーム等のように、
膜面に張力を導入して緊張させる張力膜構造や、後楽園
東京ドームに代表されるような空気を入れて膨張させて
膜面を緊張させる空気膜構造等が既に利用されている。
【0004】また、熊本ドームのように2重の空気膜構
造も利用されている。張力構造は軽量な屋根架構を実現
できるが、張力導入のための反力構造が屋根周囲の境界
部に必要となる。上記2分野にまたがるものとして、膜
面を利用した開閉屋根も提案されている。これは、単に
開閉屋根構造の屋根葺材として膜材を利用したもの(宮
崎シーガイヤ)と、畳み込み可能なフレームに膜材を張
り、フレームとともに膜面を畳み収納するものとが提案
されている。さらに、膜材の柔軟性を利用した開閉屋根
としてカナダのモントリオールオリンピック競技場等が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】開閉を伴わない従来の
大屋根構造は、自重、風荷重、雪荷重等の過酷な外力条
件に抵抗するため、屋根全体が一体となって外力に抵抗
するように構造全体が閉じて完結した構造、例えば半球
形等のドーム的な構造の持つ力学的な連続性を利用して
いた。このような構造物では構造全体の重量をなるべく
軽くする工夫が必要で、膜材等の軽量な材料もしばしば
用いられている。開閉式屋根構造は、本来、上記のよう
な閉じて完結した屋根構造になっているものを開閉させ
なくてはならない。従来の開閉式屋根構造は完結した形
状の屋根構造に適宜切断を設け、移動させることで開閉
を行なっている。従って開閉を行なわない屋根構造に比
べ、開閉を行なう構造は構造的な一体性を失い、力学的
合理性から得られる構造性能を著しく低下させている。
これにより、開閉屋根構造の重量は開閉を伴わないドー
ム屋根構造に比べ著しく重くならざるをえなくなってい
た。
【0006】さらに、切断のない、構造的に一体化され
たドーム構造の場合には屋根構造内部で相殺されていた
応力も、開閉のための切断により連続性を失うため全て
境界構造で処理する必要が生じ、例えばドームが外側へ
開こうとするスラスト力等自重以上の応力を境界構造、
さらには開閉のための走行装置に負担させなければなら
なくなっていた。
【0007】加えて、屋根構造を切断することで、切断
部位における雨仕舞い等の問題も生じていた。また、上
記のように、大屋根構造では重量を軽減するために膜材
等を利用した張力構造が利用されることも多いが、開閉
式屋根構造の場合は開閉に伴い屋根形状の大きな変化を
伴い、力学的な連続性も失われるため、屋根面全体に張
力を導入する必要のある張力構造の開閉式屋根への利用
は難しいとされてきた。また、屋根構造に切断部がある
ため、内圧を維持する必要のある空気膜構造も従来の構
造の中で最も軽量な構造システムであるにも拘らず未だ
利用されていないのが実状である。
【0008】そこで本発明は、叙上のような従来存した
問題点に鑑み創出されたもので、柔軟で軽量なケーブル
材、リンク材や膜材によるケーブル構造や膜構造等の張
力構造を開閉式屋根として適応させることができ、従来
より大幅に軽量化された開閉式屋根構造を実現させるこ
とを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明にあっては、一対の境界反力構造体1の相
対的な動きにより屋根構造の開閉を行なうことで、上述
した課題を解決した。
【0010】また、境界反力構造体1は一対の力学的に
閉じた境界反力リングによることで、同じく、上述した
課題を解決した。
【0011】さらに、所定の敷地内に立設された複数の
支持構造体2に夫々配され、相対的に移動可能とされる
一対のフレーム3,4から成る境界反力構造体1と、該
境界反力構造体1の一対のフレーム3,4間に張設され
た連繋部材とを有し、夫々のフレーム3,4の相対的な
移動に伴い形成される連繋部材の捻れパターンと、連携
部材が両フレームの移動に基づき緊張されることにより
生じる張力に対する両フレームにおける境界反力とによ
り支持構造体2上部にて屋根構造体を形成させたこと
で、同じく、上述した課題を解決した。
【0012】一方、前記連繋部材は柔軟で軽量なケーブ
ル材5であり、該ケーブル材5の捻れ開閉パターンによ
り支持構造体2上部にて屋根骨組構造体を形成させたこ
とで、同じく、上述した課題を解決した。
【0013】また、前記連繋部材は柔軟で軽量な膜材6
であり、該膜材6の捻れ開閉パターンにより支持構造体
2上部にて屋根膜面構造体を形成させたことで、同じ
く、上述した課題を解決した。
【0014】さらに、前記連繋部材は柔軟で軽量な膜材
6とケーブル材5との組み合わせであって、該膜材6と
ケーブル材5との連続した捻れ開閉パターンにより支持
構造体2上部にて屋根面構造体を形成したことで、同じ
く、上述した課題を解決した。
【0015】この他、前記境界反力構造体1を形成する
一対のフレーム3,4は、支持構造体2の上端側におい
て水平面内で移動可能となるように該支持構造体2に対
し外縁部が支承されたリング状の上部フレーム3と、該
上部フレーム3と同心に対峙し且つ支持構造体に外縁部
が案内されながら昇降摺動可能となるよう該支持構造体
2に支承されたリング状の下部フレームとによるもので
あり、移動する上部フレーム3により前記連繋部材の張
力を介して下部フレーム4が牽引上昇され、両フレーム
3,4間の閉塞に伴い形成される連繋部材の捻れ開閉パ
ターンにより屋根面構造体を形成したことで、同じく、
上述した課題を解決した。
【0016】また、前記境界反力構造体1を形成する一
対のフレーム3,4は、支持構造体2の上端または下側
のいずれかにおいて水平面内で移動可能となるように該
支持構造体2に対し外縁部が支承されたリング状の第1
フレームと、該第1フレームと同心隣接するように支持
構造体2に対し外縁部が固着されたリング状の第2フレ
ームとによるものであり、前記連繋部材は、その上下縁
端部が第2フレームと第1フレームとに夫々固定されて
両フレームから内側下方へ向けて垂れ膜袋状となるよう
に吊設された膜材としたことで、同じく、上述した課題
を解決した。
【0017】さらに、前記境界反力構造体1を形成する
一対のフレーム3,4は、支持構造体2の上端または下
側のいずれかにおいて水平面内で移動可能となるように
該支持構造体2に対し外縁部が支承されたリング状の第
1フレームと、該第1フレームと同心隣接するように支
持構造体に対し外縁部が固着されたリング状の第2フレ
ームとによるものであり、前記連繋部材は、第1フレー
ムと第2フレームとに上下端が夫々固定されて同心円状
に垂架させた複数のワイヤー8と、両フレーム3,4の
何れか側に内側下方へ向けて垂れ膜状となるように吊設
された複数の扇形状の屋根面構造体6と、該屋根面構造
体6の扇先端と前記ワイヤー8の略中央とを連繋させた
束材5としたことで、同じく、上述した課題を解決し
た。
【0018】一方、屋根面の形成後において、前記上部
フレーム3と下部フレーム4との閉塞部位より捻れパタ
ーンを形成した袋状の膜面内部へ空気圧を送り、空気膜
を形成したことで、同じく、上述した課題を解決した。
【0019】また、前記垂れ膜袋状となるように吊設さ
れた膜材による屋根面形成後の膜面中央開口部には、雨
仕舞用補助部材11が閉塞形成したことで、同じく、上
述した課題を解決した。
【0020】本発明に係る開閉式屋根構造にあって、相
対的に移動する上部フレーム3と下部フレーム4とによ
る境界反力構造体1は、軽量な屋根面に対して安定した
張力を導入させ、その反力を一対のフレーム3,4内で
処理させる。すなわち、上部フレーム3と下部フレーム
4との相対的移動に伴うケーブル材5、膜材6等の連繋
部材の形状変化により、該連繋部材に対し張力が導入さ
れ、この間、連繋部材に張力を導入するための反力は常
に境界反力構造体1の中で処理されるため、両フレーム
3,4を移動させるための走行装置にかかる荷重は、該
両フレーム3,4の自重と若干の垂直張力成分のみとな
り、走行装置に対する負担を著しく軽減させる。さら
に、膜材6による屋根面の形成後において、前記上部フ
レーム3と下部フレーム4との閉塞部位より捻れパター
ンを形成した袋状の膜面内部へ空気を圧縮材として送風
させることにより、極限的に軽量な屋根構造を実現させ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明するに、図において示される符号1は、
例えば建築、競技場、屋外博覧会場等における開閉式屋
根等の開閉する部分を有する全ての分野に使用される開
閉式屋根構造の骨組構造本体を構成する、所謂境界反力
フレーム構造体であり、該境界反力フレーム構造体1
は、例えば所定の敷地内に円周上に沿って並列隣列状に
立設された複数の支持構造体2の上下にリング状の上部
フレーム3と下部フレーム4とを夫々架設させて相対的
に移動可能とし、両フレーム3,4間には連繋部材とし
て例えば柔軟で軽量なケーブル材5や膜材6等を複数本
張設させることにより構成されている。
【0022】この一対のフレーム3,4の相対的な移動
に伴い連繋部材の張力を介して発生する両フレーム3,
4間の境界反力と、該境界反力に基づき形成される連繋
部材の捻れ開閉パターンとにより支持構造体2の上部位
にて屋根構造体を形成させるものとしている。すなわ
ち、図1、図2に示すように、前記連繋部材が柔軟で軽
量なケーブル材5の場合、該ケーブル材5の渦巻き状の
捻れ開閉パターンにより支持構造体2上部位にて屋根骨
組構造体を形成させたり、または図3、図4に示すよう
に、前記連繋部材が柔軟で軽量な膜材6の場合、該膜材
6の渦巻き状の捻れ開閉パターンにより支持構造体2上
部位にて屋根膜面構造体を形成させたりするのである。
【0023】あるいは図6に示すように、前記連繋部材
は柔軟で軽量なケーブル材5と膜材6との組み合わせで
あっても良い。すなわち、上部フレーム3に対し上側の
ケーブル材5と下側の膜材6とが略半々にして連結吊架
されており、さらに上部フレーム3側の膜材6に連なっ
て下部フレーム4下側へ膜材6が吊架されている(図6
(a)参照)。そして、上部フレーム3と下部フレーム
4とが相対的に約180度移動した時点で開放されてい
たドーム上部は上部フレーム3側の膜材6により完全に
覆われることで屋根膜面構造体が形成される一方、屋根
面形成後には下部フレーム4下側の膜材6により構造体
周囲を包覆するようにしてある(図6(c)参照)。ま
た、屋根開状態では膜材6はドームの周辺部に筒状の形
で吊り下げられるようにして収納されるものとしてあ
る。
【0024】さらに、図7に示すように、前記連繋部材
は、上部フレーム3と下部フレーム4とに上下端が夫々
固定されて同心円状に垂架させた複数のワイヤー8と、
両フレーム3,4の何れか側に内側下方へ向けて垂れ膜
状となるように吊設された複数の扇形状の屋根面構造体
9と、該屋根面構造体9の各扇先端と前記ワイヤー8の
略中央とを連繋させた束材10とで構成しても良い。こ
のとき屋根面構造体が形成された場合、扇形状の各屋根
面構造体9が閉塞されると同時に、中央部で交叉されな
がら突っ張り合うワイヤー8により前記束材10を夫々
中央部にて起立状態にさせ、屋根面構造体9の扇先端部
を押し上げるため屋根全体の形状は略円錐型となるので
ある(図7(c)参照)。このとき、屋根面構造体9と
しては前記膜材6を利用したものであっても、あるいは
剛体パネル等その他の板材を利用したものであっても良
く、このような本実施の形態に係る屋根面構造体9の種
類は本発明を何等限定するものではないのである。
【0025】前記ケーブル材5は例えば図1、図2、図
3、図4に示すように、両フレーム3,4間に12本配
すことにより屋根骨組構造体や屋根膜面構造体が形成さ
れた場合、屋根部が12本の対角線を有する12角形膜
構造を形成するものとしている。また、前記膜材6とし
て例えば四弗化エチレン樹脂コーティングガラス繊維布
およびPVC−ポリエステル布が使用され、特に一般的
には四弗化エチレン樹脂コーティングガラス繊維布を使
用し、折れ曲がる部分にはゴム膜やPVC−ポリエステ
ル布を使用するものとしている。
【0026】前記境界反力構造体1の具体的な構成とし
ては、図3に示すように、リング状の上部フレーム3を
支持構造体2の上端側において例えば走行装置等を介し
て適宜水平面内で移動可能となるように各支持構造体2
の上端に橋架させた例えば案内レール等に上部フレーム
3の外縁部を支承載架させてある。
【0027】そして、リング状の下部フレーム4を上部
フレーム3と同心に対峙させ且つ各支持構造体2に下部
フレーム4の外縁部が案内されながら昇降摺動可能とな
るよう各支持構造体2の長手方向に沿って開穿した例え
ば縦溝条等に下部フレーム4の外縁部を支承させてあ
る。このとき移動する上部フレーム3により前記連繋部
材の張力を介して下部フレーム4が牽引上昇され、両フ
レーム間3,4の閉塞に伴い形成される連繋部材の捻れ
開閉パターンにより屋根面構造体を完成させるのであ
る。このとき、下部フレーム4は連繋部材に対し屋根の
開閉過程で常に張力を維持し導入し続けることが可能で
ある。
【0028】あるいは、前記境界反力構造体1の別の具
体的な構成としては、例えば図4、図5に示すように、
前記下部フレーム4を上部フレーム3と同心相隣接する
ように支持構造体2の上側で下部フレーム4の外縁部を
載架固着させ、また前記連繋部材としての膜材6の方
は、その上下両縁端部が上部フレーム3と下部フレーム
4とに夫々固定されて支持構造体2上側の両フレーム
3、4から内側下方へ向けて垂れ膜袋状となるように吊
設させた構成としても良い。尚、図5において、7は会
場や競技場内の客席スタンドを示す。
【0029】さらに、上記膜材6による屋根面の形成後
において、前記上部フレーム3と下部フレーム4との閉
塞部位より捻れパターンを形成した袋状の膜面内部へ例
えばコンプレッサー・ポンプ等により圧縮空気を送り膨
張させて屋根膜構造体を空気膜構造体とすることにより
構造をさらに安定化させることもできる。このとき、屋
根面形成後の膨張形状は、図3(d)、図4(d)に示
すように、中央部がやや偏平になった円盤型の形状とな
る。
【0030】また、屋根面形成後には図5(b)に示す
ように、その膨張膜面の中央開口部に対し円盤を2重連
結させたキャップ形状の雨仕舞用補助部材11を閉塞形
成させることで雨漏りを防止するようにしてある。この
とき、図5(a)に示すように、垂れ膜袋状に吊設され
ている前記膜材6の一部箇所に予め雨仕舞用補助部材1
1の一側縁部を付設させておき、屋根面形成の段階で次
第に膜材6が上面から見て回転スリット(絞り)状に閉
塞されるに伴って屋根面の中央開口部が雨仕舞用補助部
材11により自動的に閉塞被冠される(図5(b)参
照)ようにしても良く、あるいは屋根面形成後の中央開
口部に雨仕舞用補助部材11を着脱可能となるように嵌
着させても良い。
【0031】さらに、図6に示すような、ケーブル材5
と膜材6との組み合わせの場合には、各支持構造体2の
周辺を壁体で囲繞させ、ドーム内を略密閉空間状態とし
てこの内部に圧縮空気を送風させて内圧を高めるように
することで屋根膜構造体を空気膜構造体にしても良い。
このとき、屋根面形成後の膨張形状は、図6(d)に示
すように、略椀型の形状となる。
【0032】尚、図示例にあって、この境界反力構造体
1を構成する下部フレーム4は、連繋部材の一端が固定
されている周辺構造と同じ高さで移動するか、あるいは
移動と共に移動面に垂直に昇降運動させるものとしてい
るが、上部フレーム3と下部フレーム4との差動回転が
連繋部材に対し所定の張力を発生させるような構成でも
良く、以上のような構成自体が本発明を何等限定するも
のではないことは勿論である。
【0033】また、本発明を屋根構造以外の例えばアン
テナや太陽電池パドル構造等の宇宙開発構造分野で応用
させたり、円筒に簡易に蓋や隔壁を設ける場合や、トン
ネル状の通路を遮蔽する場合に応用させたり、さらには
ホース等の流体流量調節用のノズルとして応用させたり
できるものである。
【0034】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
特に、相対的に移動する上部フレーム3と下部フレーム
4とによる境界反力構造体1を利用したので、柔軟で軽
量な連繋部材としてのケーブル材5や膜材6によるケー
ブル構造や膜構造等の張力構造を開閉式屋根として適応
させることができ、従来より大幅に軽量化された開閉式
屋根構造を実現させることができる。また、境界反力構
造体1は屋根面に生じる反力をほとんどそのフレーム内
で処理してしまうため、境界反力構造体1の両フレーム
3,4を移動させる走行装置に対する負担を著しく軽減
できる。さらに、連繋部材として膜材6を利用する場
合、従来は膜面を複数の分割体に立体裁断する必要があ
ったのに対し、本発明の膜面は開状態で筒状のままでよ
く、複雑な立体裁断の必要性がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願に係る発明の開閉式屋根構造体の開状態
から閉状態への動きを示す斜視図であり、(a)乃至
(d)は骨組構造体の場合、(e)乃至(h)は膜構造
体の場合を示す。
【図2】本出願に係る発明の開閉式屋根構造体の開状態
から閉状態への動きを示す平面図であり、(a)乃至
(d)は骨組構造体の場合、(e)乃至(h)は膜構造
体の場合を示す。
【図3】本出願に係る発明の膜材による開閉式屋根構造
体の開状態から閉状態への動きを示す斜視図であり、
(a)は屋根開の膜材収納状態、(b)は開閉途中の屋
根膜状態、(c)は屋根閉塞状態、(d)は空気膜状態
を示す。
【図4】本出願に係る発明の他例による膜材の開閉式屋
根構造体の開状態から閉状態への動きを示す斜視図であ
り、(a)は屋根開の膜材収納状態、(b)は開閉途中
の屋根膜状態、(c)は屋根閉塞状態、(d)は空気膜
状態を示す。
【図5】同じく(a)は図4中(a)の断面図、(b)
は図4中(d)の断面図を示す。
【図6】本出願に係る発明の他例による膜材の開閉式屋
根構造体の開状態から閉状態への動きを示す斜視図であ
り、(a)は屋根開の膜材収納状態、(b)は開閉途中
の屋根膜状態、(c)は屋根閉塞状態、(d)は空気膜
状態を示す。
【図7】本出願に係る発明の他例による開閉式の屋根面
構造体の開状態から閉状態への動きを示す斜視図であ
り、(a)は屋根開の屋根面構造体の収納状態、(b)
は屋根面構造体の開閉途中の状態、(c)は屋根閉塞状
態を示す。
【符号の説明】
1…境界反力構造体 2…支持構造体 3…上部フレーム 4…下部フレー
ム 5…ケーブル材 6…膜材 7…客席スタンド 8…ワイヤー 9…屋根面構造体 10…束材 11…雨仕舞用補助部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−197583(JP,A) 特開 平2−229340(JP,A) 特開 平5−25880(JP,A) 特開 昭63−289178(JP,A) 実開 昭61−127261(JP,U) 実開 昭59−136806(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 7/16 E04B 1/32 102 E04B 1/34 E04H 15/54

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の境界反力構造体の相対的な動きに
    より屋根構造の開閉を行なうことを特徴とする開閉式屋
    根構造とその骨組構造。
  2. 【請求項2】 境界反力構造体は一対の力学的に閉じた
    境界反力リングによるものである請求項1記載の開閉式
    屋根構造とその骨組構造。
  3. 【請求項3】 所定の敷地内に立設された複数の支持構
    造体に夫々配され、相対的に移動可能とされる一対のフ
    レームから成る境界反力構造体と、該境界反力構造体の
    一対のフレーム間に張設された連繋部材とを有し、夫々
    のフレームの相対的な移動に伴い形成される連繋部材の
    捻れパターンと、連携部材が両フレームの移動に基づき
    緊張されることにより生じる張力に対する両フレームに
    おける境界反力とにより支持構造体上部にて屋根構造体
    を形成させた請求項1または2記載の開閉式屋根構造と
    その骨組構造。
  4. 【請求項4】 前記連繋部材は柔軟で軽量なケーブル材
    であり、該ケーブル材の捻れ開閉パターンにより支持構
    造体上部にて屋根骨組構造体を形成させた請求項3記載
    の開閉式屋根骨組構造。
  5. 【請求項5】 前記連繋部材は柔軟で軽量な膜材であ
    り、該膜材の捻れ開閉パターンにより支持構造体上部に
    て屋根膜面構造体を形成させた請求項3記載の開閉式屋
    根構造。
  6. 【請求項6】 前記連繋部材は柔軟で軽量な膜材とケー
    ブル材との組み合わせであって、該膜材とケーブル材と
    の連続した捻れ開閉パターンにより支持構造体上部にて
    屋根面構造体を形成させた請求項3記載の開閉式屋根構
    造。
  7. 【請求項7】 前記境界反力構造体を形成する一対のフ
    レームは、支持構造体の上端側において水平面内で移動
    可能となるように該支持構造体に対し外縁部が支承され
    たリング状の上部フレームと、該上部フレームと同心に
    対峙し且つ支持構造体に外縁部が案内されながら昇降摺
    動可能となるよう該支持構造体に支承されたリング状の
    下部フレームとによるものであり、移動する上部フレー
    ムにより前記連繋部材の張力を介して下部フレームが牽
    引上昇され、両フレーム間の閉塞に伴い形成される連繋
    部材の捻れ開閉パターンにより屋根面構造体を形成させ
    た請求項3乃至6記載の開閉式屋根構造とその骨組構
    造。
  8. 【請求項8】 前記境界反力構造体を形成する一対のフ
    レームは、支持構造体の上端または下側のいずれかにお
    いて水平面内で移動可能となるように該支持構造体に対
    し外縁部が支承されたリング状の第1フレームと、該第
    1フレームと同心隣接するように支持構造体に対し外縁
    部が固着されたリング状の第2フレームとによるもので
    あり、前記連繋部材は、その上下縁端部が第2フレーム
    と第1フレームとに夫々固定されて両フレームから内側
    下方へ向けて垂れ膜袋状となるように吊設された膜材で
    ある請求項6記載の開閉式屋根構造。
  9. 【請求項9】 前記境界反力構造体を形成する一対のフ
    レームは、支持構造体の上端または下側のいずれかにお
    いて水平面内で移動可能となるように該支持構造体に対
    し外縁部が支承されたリング状の第1フレームと、該第
    1フレームと同心隣接するように支持構造体に対し外縁
    部が固着されたリング状の第2フレームとによるもので
    あり、前記連繋部材は、第1フレームと第2フレームと
    に上下端が夫々固定されて同心円状に垂架させた複数の
    ワイヤーと、両フレームの何れか側に内側下方へ向けて
    垂れ膜状となるように吊設された複数の扇形状の屋根面
    構造体と、該屋根面構造体の扇先端と前記ワイヤーの略
    中央とを連繋させた束材とである請求項5記載の開閉式
    屋根構造。
  10. 【請求項10】 膜材による屋根面の形成後において、
    前記上部フレームと下部フレームとの閉塞部位より捻れ
    パターンを形成した袋状の膜面内部へ空気圧を送り、空
    気膜を形成したことを特徴とする請求項5、7、8、9
    記載の開閉式屋根構造。
  11. 【請求項11】 前記垂れ膜袋状となるように吊設され
    た膜材による屋根面形成後の膜面中央開口部には、雨仕
    舞用補助部材が閉塞形成されている請求項8、10記載
    の開閉式屋根構造。
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