JPH0729258U

JPH0729258U - 自動車用扉蝶番

Info

Publication number: JPH0729258U
Application number: JP064890U
Authority: JP
Inventors: 慶太郎竹内
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1993-10-29
Filing date: 1993-10-29
Publication date: 1995-06-02

Abstract

(57)【要約】【目的】自動車の車体と扉との間に装着する蝶番のそ
れぞれのブラケットをトルク伝達機構を内臓した１組の
リンク板で連結し、扉を開くとき扉と車体の間に乗り降
りに必要な隙間を保ちつつ開き角度を低減させ、扉の突
出による他の交通の妨害等を抑制する安全機構を提供す
る。【構成】蝶番のそれぞれのブラケットを連結するリン
ク板にチェーン・歯付きベルトまたはワイヤーなどの巻
掛けトルク伝達機構を付設して、扉を開くとき扉の回転
中心の伝置を外側に移動させつつ扉の開き角度を低減さ
せる機構を特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、自動車の外開き式扉に使用する蝶番にチェーン・歯付きベルト・またはワイヤーを巻掛けたトルク伝達機構を組み込んだリンク装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

乗用自動車の乗降口の外開き扉は、中型では引戸式、大型では折り畳み式が採用されて、扉を開けたときに外側への突出を少なくしているが、小型車には単純直結蝶番を取り付けた外開き扉が主に採用されて、乗降時扉の外側への突出は利用者の注意に委ねられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課頭】

単純直結蝶番をを取り付けた自動車の外開き扉は次のような欠点があった。（イ）停車した自動車から下車する時、扉を不用意に開けると、後側方から進行して来る歩行者または車両が接触し事故を起こす恐れがある。（ロ）従って下車する人は後方に注意をすると共に、安全のため最小限の扉開き角度で下車しなければならない。（ハ）隣の車に近接して駐車する時など、扉が大きく開けられない。（ニ）そのため乗降の際足元の扉開きが少なくなり甚だ窮屈な思いをする。本案は、これらの欠点を除くためになされたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

自動車の外板と扉を連結する蝶番のブラケット（１）および（６）の間にチェーン・歯付きベルト・またはワイヤーを巻掛けたトルク伝達機構を組み込んだ１組のリンク板（５）を挿入取り付けて、扉の回転中心を外方に移動させると同時に、扉の実質開き角度を小さくする蝶番機構を採用する。本考案は上記の構想の螺番である。

【０００５】

【作用】

この蝶番のブラケット（１）は自動車の外板に、ブラケット（６）は扉に取り付けられている。扉が閉まっている状態から、外側に開いて行くにしたがって、スプロケット（または歯車・ワイヤードラム）（２）および（４）とチェーン（または歯付きベルト・ワイヤー）（３）の作動に依って扉はブラケット（６）のリンクピン（８）を中心として閉まり方向に回転するので、昇降余地を広げても、扉の外側先端の位置は単純直結蝶番の場合より十分内側に保つことが出来る。本考案は上記の構想の蝶番である。

【０００６】

【実施例】

以下本案の実施例として請求項１のチェーン巻掛け機構に付いて説明する。（イ）上下のリンク板（５）の間に、スプロケット（２）及び（４）がチェーン（３）に巻掛けられて連結されている。（ロ）それぞれのスプロケットはリンクピン（７）及び（８）が貫通固着し、さらにリンクピン（７）及び（８）はそれぞれ延長して上下のリンク板（５）を貫通してブラケット（１）及び（６）にはめ込まれ固着されている。（ハ）ブラッケト（１）は自動車の車体に、ブラッケト（６）は扉にそれぞれ取り付けられている。以上の構造を有する蝶番の作動状態を次ぎに説明する。（ニ）ブラッケト（１）は車体に取り付けられるので、それと一体に固着されたリンクピン（７）及びスプロケット（２）は車体と相対的位置は一定である。（ホ）同じようにブラッケト（６）は扉に取り付けられているので、それと一体に固着されたリンクピン（８）及びスプロケット（４）は扉と相対的位置は一定である。（ヘ）上下のリンク板（５）はそれぞれのスプロケットを固着した車体側のリンクピン（７）及び扉側リンクピン（８）によってそれぞれのブラッケトを介して車体と扉を連結している。（ト）このような構造を持つ蝶番を取り付けた扉の作動は次の通りになる。（チ）この場合、スプロケット（４）の歯数すなわちピッチ半径Ｒを、スプロケット（２）の歯数すなわちピッチ半径ｒより適当に大きくしておく。（リ）リンク板（５）の開き角度θ（すなわち直結蝶板を持った扉の開き角度）とすればチェーン（３）が巻掛けられたスプロケット（２）と（４）は同じ方向に回転する。（ヌ）従って実質的扉の開き角度φはリンク板（５）の開き角度θより少なくなる。なお角度θとφとの関係式は φ／θ＝（Ｒ−ｒ）／Ｒである。（ル）その結果扉の足元の開きｈ寸法を同じにすれば、本案による実質的扉先端開き寸法Ｈ_１は直結蝶番を持った場合の扉の先端開き寸法Ｈ_０より小さくなる。これらの数値関係式は次の通りである。（ヲ）請求項２，３の作動についても又同じである。ただし請求項３のワイヤー巻掛けの場合は、ワイヤードラム（２）および（４）にワイヤーの適当な箇所を固定し滑りを止めるものとする。

【０００７】

【考案の効果】

（イ）具体的事例として扉幅の代表寸法・・・・・・・・・・・・・・・Ｗ＝９０ｃｍリンク板（５）穴ピッチ・・・・・・・・・・・Ｋ＝３０ｃｍ足元の開き寸法・・・・・・・・・・・・・・・ｈ＝３０ｃｍリンク板の開き角度・・・・・・・・・・・・・θ＝６０度スプロケット（２）と（４）との歯数比・・ｒ／Ｒ＝１／２とすれば開き寸法減少率Ｈ_１／Ｈ_０＝７７％となり必要な足元の開き寸法を確保しつつ扉の開き寸法が低減し不注意接触事故防止並びに狭い場所の乗降にきわめて効果的であることが分かる。（ロ）図３に示すように、部品配置の都合上リンク板（５）を湾曲させる場合はリンク板上に適宜チェーン案内（９）を付設して同じ機能が得られる。（ハ）以上の効果は請求項２の歯付きベルトによる巻掛け、請求項３のワイヤーによる巻掛けについても同じである。（ニ）請求項３のワイヤー巻掛けの場合は、ワイヤー案内（９）をパイプ状にすれば、リンク板（５）を立体的に湾曲させることも可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案の斜視図で一部リンク板を切り欠いて示
す。

【図２】本案を適用した自動車扉の開閉状態を示す。

【図３】本案を適用した自動車扉の開いた状態で特に湾
曲したリンク板の適用を示す。

【符号の説明】

１ブラケット（車体取り付け側）２スプロケット（車体取り付け側）３チェーン４スプロケット（扉取り付け側）５リンク板（上下１組）６ブラケット（扉取り付け側）７リンクピン（車体取り付け側）８リンクピン（扉取り付け側）９案内Ｗ扉幅の代表寸法Ｋリンク板（５）穴ピッチ θ リンク板（５）の開き角度（則ち直結蝶板を持った
扉の開き角度） φ 実質的扉の開き角度

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】上下のリンク板（５）の間に、スプロケ
ット（２）及び（４）がチェーン（３）によって巻掛け
連結されている。それぞれのスプロケットはリンクピン
（７）及び（８）が貫通固着し、さらにリンクピン
（７）及び（８）はそれぞれ延長して上下のリンク板を
貫通してブラケット（１）及び（６）にはめ込まれ固着
されている。このような構造を有する自動車用扉蝶番。
【請求項２】請求項１の（２）および（４）スプロケ
ットをそれぞれ歯車とし、（３）チェーンを歯付きベル
トとする同様な構造を有する自勧車用扉蝶番。
【請求項３】請求項１の（２）および（４）スプロケ
ットをそれぞれワイヤードラムとし、（３）チェーンを
ワイヤーとする同様な構造を有する自動車用扉蝶番。