JPH07291307A - 酸素遮断性を有する易開封性透明袋 - Google Patents

酸素遮断性を有する易開封性透明袋

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JPH07291307A
JPH07291307A JP10320094A JP10320094A JPH07291307A JP H07291307 A JPH07291307 A JP H07291307A JP 10320094 A JP10320094 A JP 10320094A JP 10320094 A JP10320094 A JP 10320094A JP H07291307 A JPH07291307 A JP H07291307A
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一好 林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸素遮断性および透明性を有し、且つ、安定
した易開封性を備えるという性能と便利性に優れた包装
用袋を生産性よく提供する。 【構成】 袋の外側から基材フィルム1、酸素遮断性樹
脂層2、熱接着性樹脂層3の順に積層した積層フィルム
を熱接着してなる袋において、易開封性を付与するた
め、開口部となる端部シールの内側近辺で、両側積層フ
ィルムの表面の基材フィルム1のみにレーザーによる切
り溝6を重なる位置に設け、且つ、積層フィルム全体を
透明材料で構成し、更に、基材フィルム1をレーザーに
より切断される材質で、酸素遮断性樹脂層2及び熱接着
性樹脂層3をレーザーにより切断されない材質で構成す
る。尚、酸素遮断性樹脂としてはエチレン−ビニルアル
コール共重合樹脂が好ましく、レーザーは炭酸ガスレー
ザーが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は包装用の袋に関し、特に
酸素遮断性を有し、透明であると同時に、易開封性を備
えた袋に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、包装用袋の材料は、プラスチック
フィルム、紙、アルミニウム箔などを中心に種々の材料
を積層することにより、その強度、ガス遮断性、水蒸気
遮断性、ヒートシール性など性能に優れたものを目指し
て次々と開発が行われてきた。しかし、包装材料の強
度、ヒートシール性が優れることは、見方を変えると、
袋の開封性の困難をもたらすことにもなり、強度、バリ
ヤー性、ヒートシール性などと共に易開封性を兼ね備え
たものが要望されている。このような積層材料を中心と
する包装材料の易開封性に関しては、これ迄にも種々の
技術が提案されている。例えば、V,I,U型などのノ
ッチによる開封性の付与、シール位置の外側端部に小さ
なキズを付けて開封性を持たせる技術、また、基材に線
状などのキズまたはミシン目を付けた後に、ガスバリヤ
ー層などの中間層やシーラント層とラミネートする技
術、積層材料の一部に一軸延伸プラスチックフィルムを
用いて引き裂き方向を一定にする技術、積層材料で基材
の下にアルミニウムなどの金属箔を積層しておいて、レ
ーザー加工により表面の基材に切り溝を設け、これに沿
った開封性を付与する技術等である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術には様々な問題点が存在する。例えば、
ノッチの使用およびシール位置の外側端部に小さなキズ
を付けて開封性を持たせる技術においては、開封時のき
っかけを与えることはできるが、開封開始後の引き裂き
方向などは何ら規定できず、特に、液体など流動物や粉
・粒体の包装では、引き裂きの進行と共に方向がずれ、
内容物をこぼしてしまう問題がある。
【0004】また、基材フィルムに線状にキズやミシン
目などを付けた後、バリヤー層やシーラント層と貼り合
わせる方法では、例えば、従来公知のドライラミネート
法を用いると、ミシン目などの切れ目を通して接着剤の
しみだしがあり、切れ目が接着剤で埋められてしまった
り、反対側にしみだした接着剤により巻き取った積層フ
ィルムが表裏で接着してしまうという問題を生じ、使用
できる包装材料や貼り合わせ方法自体が限定される欠点
がある。そして、積層材料の一部に一軸延伸プラスチッ
クフィルムを用いて引き裂き方向を一定にする技術で
は、引き裂き方向が一方向の直線に限定されること、ま
た、レトルト処理等の熱履歴により包材強度や引き裂き
性が低下するという欠点がある。
【0005】これに対して、レーザー加工により基材フ
ィルムに切り溝を設けて、切り溝に沿った開封性を付与
する技術は、上記の欠点を補い、完全な積層後に切り溝
を設けることができ、しかも、切り溝はレーザーにより
任意の形状に設けることができる利点がある。しかし、
この方法でも酸素遮断性を有する積層材の袋に適用する
場合、例えば、基材フィルムの下に積層する酸素遮断性
を有する層がレーザーにより加工されない層であること
が重要であり、このような包装材料としては従来、アル
ミニウム箔の層を用いることが知られているのみであ
り、酸素遮断性を有し、且つ、透明な袋への適用は不可
能であった。
【0006】従って、本発明は、以上のような問題点を
解決し、酸素遮断性を有すると共に透明性を有し、且
つ、安定した易開封性を備えるという性能および使用時
の便利性に優れた包装用袋を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明者らは、種々検討した結果、袋の材料とし
て、最外層に透明でレーザーにより切断される基材フィ
ルムを用い、その下に透明でレーザーにより切断されな
い酸素遮断性樹脂層と熱接着性樹脂層とを順次積層した
積層フィルムを用い、その基材フィルム側からレーザー
光を照射して易開封性を付与するための連続または不連
続の切り溝線を基材フィルム層に設けることにより、解
決できる知見を得て本発明の完成に至ったものである。
【0008】即ち、本請求項1の発明は、透明な基材フ
ィルムを最外層とし、その一方の面に、酸素遮断性樹脂
層、熱接着性樹脂層を順次積層した積層フィルムからな
る易開封性透明袋において、該易開封性透明袋の開口部
表面には、開封時に切り裂こうとする線に相当する少な
くとも1本の連続または不連続のレーザーによる切り溝
を有し、且つ、前記基材フィルムがレーザーにより切断
される材質で、酸素遮断性樹脂層および熱接着性樹脂層
がレーザーにより切断されない材質で構成されているこ
とを特徴とする酸素遮断性を有する易開封性透明袋から
なる。
【0009】また、本請求項2の発明は、前記レーザー
が炭酸ガスレーザーであることを特徴とする請求項1記
載の酸素遮断性を有する易開封性透明袋からなる。ま
た、本請求項3の発明は、前記酸素遮断性樹脂層がエチ
レン−ビニルアルコール共重合樹脂層であることを特徴
とする請求項1および2記載の酸素遮断性を有する易開
封性透明袋からなる。
【0010】
【好ましい実施態様】本発明においてレーザーは、波長
10.6μmの炭酸ガスレーザーが好適に用いられる。
即ち、本発明は炭酸ガスレーザーの包装材料への吸収の
差を利用することを基本とするものである。各種レーザ
ーの中、例えばエキシマレーザーのような紫外線域のレ
ーザーでは、一般の透明軟包装材料の殆ど総てに対して
強い吸収を有することから、選択的な吸収の差を利用す
ることができない。また、アルゴンイオンレーザー、半
導体レーザー、YAGレーザー等の可視光から近赤外線
域のレーザーでは、一般の透明包装材料に対して殆ど吸
収がなく本発明の加工用には不適である。
【0011】炭酸ガスレーザーは、波長10.6μmの
赤外線であり、この波長の光は、特定の包装材料、例え
ば、ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート、セロ
ファン等のフィルムには吸収される。従って、炭酸ガス
レーザー光を集光し、これらのフィルム面に照射するこ
とにより、フィルムの被照射部分を、発熱・溶融・ミス
ト化、或いは、発熱・分解・灰化などにより除去できる
ため切り溝加工できるが、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等のフィルムでは透過してしまって、吸収が少ないた
め加工が困難である。従って、これらの吸収のある材料
と吸収のない材料を積層した後、炭酸ガスレーザーを照
射することにより、吸収のある層のみを選択的に切り溝
加工することができる。
【0012】本発明の酸素遮断性を有する易開封性透明
袋は、大抵の場合、3層以上の積層フィルムで構成す
る。最外層の基材フィルムは、積層フィルムに機械的強
度および各種の耐性を付与すると共に、炭酸ガスレーザ
ーで加工でき、易開封性のきっかけ及び開封時の引き裂
きのガイドとなる切り溝を設ける層であり、前記のポリ
エステル、ナイロン、ポリカーボネート、セロファン等
のフィルムが有効に使用できる。
【0013】そして、中間層の酸素遮断性樹脂層は、酸
素遮断性を有し、且つ、レーザーにより加工されない層
である。このような層としては、エチレン−ビニルアル
コール共重合樹脂フィルムが好適に使用できる。そし
て、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂のエチレン
含有率は、酸素遮断性とレーザーによる非加工性のバラ
ンスの点で、25〜50モル%が好ましく、30〜45
モル%がより好ましい。エチレン含有率がこの範囲より
低い場合はフィルム自体の酸素遮断性は良くなるが、レ
ーザーの吸収性が高くなり、フィルムが傷められ易くな
るので好ましくない。また、エチレン含有率がこの範囲
より高くなるとレーザー加工の影響は受けにくくなる
が、フィルム自体の酸素遮断性が低下するため好ましく
ない。
【0014】通常、酸素遮断性を有する透明フィルムと
しては、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)のフィルムま
たはPVDCを他のフィルム、例えば、ポリエステルフ
ィルム、ポリプロピレンフィルムなどにコートしたフィ
ルム、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、アク
リルニトリル共重合樹脂フィルム、エチレン−ビニルア
ルコール共重合樹脂フィルムのほか、メタキシレンジア
ミンとアジピン酸の縮合重合で得られる結晶性ポリアミ
ドの2軸延伸フィルムや、シリカ、アルミナ等の無機物
蒸着フィルム等が使用されている。これらの中、酸素遮
断性を有し、レーザーにより加工されない層として好適
に使用できるのはエチレン−ビニルアルコール共重合樹
脂フィルムであり、他の材料は炭酸ガスレーザーの吸収
性を有するため、切り溝加工に際して、基材フィルムと
共に切り溝部が除去され、この部分からの酸素遮断性の
低下を招くため好ましくない。また、PVDCコートフ
ィルムや無機物蒸着フィルムの場合にも炭酸ガスレーザ
ーの照射によりPVDCコート膜或いは蒸着膜が破壊さ
れ、酸素遮断性の低下を招くので好ましくない。
【0015】最内層の熱接着性樹脂層は、ヒートシール
性を有し、炭酸ガスレーザーにより加工されない層であ
る。この層に使用できる材料としては、ポリエチレン、
ポリプロピレンのほか、エチレン−酢酸ビニル共重合樹
脂などを含めた各種のポリオレフィン系樹脂が挙げら
れ、用途、或いは、要求される性能に応じて自由に選択
して使用できる。この層は上記の樹脂を予めフィルム化
しておいて、接着剤を用いてドライラミネートする方
法、或いは、別の接着性樹脂を溶融押し出しし、これを
接着層として押し出しラミネートする方法により中間層
と積層できるが、場合によっては、上記樹脂を溶融して
中間層の上に直接押し出しコートして積層することもで
きる。
【0016】以上のような基材フィルム、酸素遮断性樹
脂層、熱接着性樹脂層の各層を積層する全体的な積層方
法としては、従来公知のドライラミネーション法のほ
か、ポリエチレン等の接着性樹脂を介して積層する押し
出しラミネーション法(所謂サンドイッチラミネーショ
ン法)、或いは、多層共押し出し法なども利用でき、袋
の用途、性能にあわせて最適な方法を選択できる。ま
た、本発明において、炭酸ガスレーザーにより切り溝加
工される形状は任意であり、連続線やミシン目などの不
連続線で、直線状或いは曲線状など自由に加工できる。
また、必要に応じて切り溝線の端部にノッチを併用する
ことも可能である。そして、前記のようにして作成した
積層フィルムを製袋して得られる袋の形状についても、
特に限定はなく、従来公知の三方シール、四方シールタ
イプのほか、ピロータイプ、ガセットタイプ、スティッ
ク包装、スタンディングパウチなどいずれのタイプにも
適用できる。
【0017】
【作用】本発明の酸素遮断性を有する易開封性透明袋に
は、以上に説明したような積層フィルムを用いており、
積層フィルムの各層を透明材料で構成し、また、各層を
積層した後に、レーザー光により最外層の基材フィルム
のみを選択的に切り溝加工することができる。従って、
積層および切り溝加工の作業が容易になると共に、酸素
遮断性樹脂層を傷めることなく易開封性を付与する切り
溝線を任意の形状に設けることができ、透明で内容物の
視認性に優れ、且つ酸素遮断性に優れた易開封性の袋を
容易に得ることができる。
【0018】
【実施例】以下に、図面および実施例、比較例により本
発明を更に具体的に説明する。図1、図2は、それぞれ
本発明の酸素遮断性を有する易開封性透明袋に用いる積
層フィルムの構成の一実施例を示す模式断面図である。
即ち、図1は、基材フィルム1を最外層として、その一
方の面に酸素遮断性樹脂層2、および、熱接着性樹脂層
3を従来公知のドライラミネーション法により、接着剤
4を用いて順次貼り合わせた構成を示している。図2
は、基材フィルム1を最外層として、その一方の面に酸
素遮断性樹脂層2、および、熱接着性樹脂層3を従来公
知である押し出しラミネーション法により、それぞれ接
着性樹脂層5a、および、5bを介して順次積層した構
成を示している。尚、本実施例のように押し出しラミネ
ーション法を利用して積層する場合には、基材フィルム
1と酸素遮断性樹脂層2とを接着性樹脂層5aを介して
押し出しラミネーション法により積層した後、酸素遮断
性樹脂層2の上に、接着性樹脂層5bを用いず、熱接着
性樹脂層3の樹脂を直接押し出しコートして積層しても
よい。
【0019】図3は、本発明の酸素遮断性を有する易開
封性透明袋の一実施例を示す模式平面図である。袋の形
態は、4方シール形式の袋の例であり、袋の周囲4辺が
ヒートシール部7でシールされる。袋の表面は、積層フ
ィルムの最外層の基材フィルム1であり、開口部となる
一辺のシール部近辺の表面には、レーザーによる切り溝
6が設けられている。図4は、本発明の酸素遮断性を有
する易開封性透明袋の開口部近辺の一実施例を説明する
要部断面図である。図4において袋の開口部を形成する
切り溝6は、袋の一辺のヒートシール部7の近辺でシー
ル部より内側の位置に、袋を形成する上下2枚の積層フ
ィルムのそれぞれの表面に、上下の切り溝6が重なるよ
うに設けた構造である。
【0020】(実施例1)基材フィルムとして、厚さ1
5μmの2軸延伸ナイロンフィルム〔エンブレムRT
ユニチカ(株)製〕を使用し、その一方の面に酸素遮断
性樹脂層として厚さ15μmのエチレン−ビニルアルコ
ール共重合樹脂フィルム〔エバールEF−RT (株)
クラレ製〕を、そして、熱接着性樹脂層として厚さ60
μmの無延伸ポリプロピレンフィルム〔パイレンT−1
146 東洋紡績(株)製〕を用いて公知のドライラミ
ネーション法により、2液反応型ウレタン系接着剤をそ
れぞれ塗布量3g/m2 (固形分)で塗布して順次貼り
合わせ、実施例1の酸素遮断性を有する易開封性透明袋
用の積層フィルムを作成した。尚、無延伸ポリプロピレ
ンフィルムの貼り合わせ面はコロナ放電処理面とした。積層フィルムの構成 2軸延伸ナイロンフィルム(15μm)/接着剤(3g
/m2 )/エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂フィ
ルム(15μm)/接着剤(3g/m2 )/無延伸ポリ
プロピレンフィルム(60μm)
【0021】(実施例2)基材フィルムとして厚さ12
μmの2軸延伸ポリエステルフィルム〔エステルE51
00 東洋紡績(株)製〕を、酸素遮断性樹脂層として
厚さ12μmのエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂
フィルム〔エバールEF−XL (株)クラレ製〕を、
そして、熱接着性樹脂層として厚さ30μmの無延伸ポ
リエチレンフィルム〔モアテック0238N 出光石油
化学(株)製〕をそれぞれ用いて、公知の押し出しラミ
ネート法によりポリエチレン〔ミラソン11 三井石油
化学工業(株)製〕を接着性樹脂層としてそれぞれ厚さ
10μmで押し出して、上記3種類のフィルムを順次積
層し、実施例2の酸素遮断性を有する易開封性透明袋用
の積層フィルムを作成した。尚、押し出しラミネートの
際、2軸延伸ポリエステルフィルム面はコロナ放電処理
面とし、イソシアネート系のアンカーコートを施し、ま
た、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂フィルムの
貼り合わせ面にもそれぞれイソシアネート系のアンカー
コートを施して積層した。積層フィルムの構成 2軸延伸ポリエステルフィルム(12μm)/ポリエチ
レン(10μm)/エチレン−ビニルアルコール共重合
樹脂フィルム(12μm)/ポリエチレン(10μm)
/無延伸ポリエチレンフィルム(30μm)
【0022】(比較例1)実施例1の積層フィルムの構
成において、酸素遮断性樹脂層に用いたエチレン−ビニ
ルアルコール共重合樹脂フィルム(エバールEF−RT
厚さ15μm)のみをポリ塩化ビニリデンフィルム
〔サランUB 厚さ15μm 旭化成工業(株)製〕に
換え、その他は総て実施例1と同様に加工して、比較例
1の酸素遮断性を有する易開封性透明袋用の積層フィル
ムを作成した。積層フィルムの構成 2軸延伸ナイロンフィルム(15μm)/接着剤(3g
/m2 )/ポリ塩化ビニリデンフィルム(15μm)/
接着剤(3g/m2 )/無延伸ポリプロピレンフィルム
(60μm)
【0023】(比較例2)実施例2の積層フィルムの構
成において、酸素遮断性樹脂層に用いたエチレン−ビニ
ルアルコール共重合樹脂フィルム(厚さ15μm)のみ
を無機物蒸着ポリエステルフィルム(厚さ12μm)
〔テックバリアU 三菱化成ポリテック(株)製〕に換
え、その他は総て実施例2と同様に加工して比較例2の
酸素遮断性を有する易開封性透明袋用の積層フィルムを
作成した。積層フィルムの構成 2軸延伸ポリエステルフィルム(12μm)/ポリエチ
レン(10μm)/無機物蒸着ポリエステルフィルム
(12μm)/ポリエチレン(10μm)/無延伸ポリ
エチレンフィルム(30μm)
【0024】(レーザーによる切り溝加工および製袋)
以上のようにして得た実施例1、2および比較例1、2
の積層フィルムを使用して、酸素遮断性を有する易開封
性透明袋を作成すべく、下記の方法で炭酸ガスレーザー
により切り溝加工を施した後、その一部を用いて、両側
のフィルムの重なる位置に切り溝を有する四方シールタ
イプの袋(図3参照)をインパルスシールにより各20
個宛作成した。レーザーによる切り溝加工の方法 米国コヒーレント社製のレーザー装置 Diamond
64を使用し、各積層フィルムの基材フィルム側から出
力150Wの炭酸ガスレーザーをパルス持続時間20μ
秒、繰り返し10KHz でスポット径120μmに集光
し、パルス連続照射して、積層フィルムを100m/分
で移動させて直線状の切り溝加工を施した。
【0025】(試験および評価結果) (1)切り溝加工による易開封性の評価 前記の方法で作成した切り溝部を有する四方シールタイ
プの各袋を試料として、切り溝線の端部から手で引き裂
いて開封し、その切れ方向および切れ易さを評価し、易
開封性の評価とした。結果は、実施例1、2および比較
例1、2の各試料とも切れ方向は切り溝線通りに引き裂
かれ、また、切れ易さも問題なく良好であった。
【0026】(2)切り溝加工の深さの観察および酸素
透過度の測定 前記の方法で切り溝加工を施した実施例1、2および比
較例1、2の積層フィルムを試料として、切り溝部の断
面を顕微鏡で拡大、観察し、その深さを表1に示した。
また、各試料のレーザー未照射部とレーザー照射により
切り溝された部分とをサンプリングし、JIS K71
26(B法)のプラスチックフィルムおよびシートの気
体透過度試験方法により酸素透過度を測定し、その結果
を表1に併せて示した。
【0027】
【表1】
【0028】表1に示したように、実施例1および2の
積層フィルムは、炭酸ガスレーザー加工により基材フィ
ルム層のみが切り溝加工されており、酸素遮断性樹脂層
および熱接着性樹脂層は損傷を受けていなかった。従っ
て、酸素透過度の測定値についても炭酸ガスレーザー加
工による酸素遮断性の低下は認められなかった。これに
対して比較例1および2の積層フィルムでは、炭酸ガス
レーザー加工により基材フィルムと共に酸素遮断性樹脂
層まで切り溝加工されており、加工前と比較して酸素遮
断性の低下が著しかった。
【0029】
【発明の効果】本請求項1の発明の酸素遮断性を有する
易開封性透明袋は、以上に詳しく説明したように、透明
な基材フィルムを最外層とし、その一方の面に、酸素遮
断性樹脂層、熱接着性樹脂層を順次積層した積層フィル
ムからなる易開封性透明袋において、該易開封性透明袋
の開口部表面には、開封時に切り裂こうとする線に相当
する少なくとも1本の連続または不連続のレーザーによ
る切り溝を有し、且つ、前記基材フィルムがレーザーに
より切断される材質で、酸素遮断性樹脂層および熱接着
性樹脂層がレーザーにより切断されない材質で構成され
ていることを特徴とするものである。このような構成を
採ることにより、積層フィルムを透明な材料のみで作成
できるので、袋自体は透明であり内容物の視認性に優
れ、また、易開封性のための切り溝をレーザー光の照射
により、酸素遮断性樹脂層および熱接着性樹脂層を傷め
ることなく、最外層の基材フィルムのみに選択的に安定
して設けることができるため、酸素遮断性にも優れ、開
封時には切り溝線に沿って容易に引き裂いて開封できる
袋を生産性よく提供できる効果を奏する。
【0030】尚、本請求項2の発明は、前記請求項1の
発明において、切り溝を設けるレーザーとして炭酸ガス
レーザーを用いるもので、これにより積層フィルム中の
基材フィルムのみを確実に切り溝加工でき、前記の袋の
性能を一層安定して得られる効果を奏する。また、本請
求項3の発明は、前記請求項1および2の発明におい
て、前記酸素遮断性樹脂層にエチレン−ビニルアルコー
ル共重合樹脂を用いるもので、これにより酸素遮断性樹
脂層のレーザー光照射に対する耐性が一層良好となり、
優れた酸素遮断性を維持できると共に、切り溝線による
易開封性もより安定化できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸素遮断性を有する易開封性透明袋に
用いる積層フィルムの構成の一実施例を示す模式断面図
である。
【図2】本発明の酸素遮断性を有する易開封性透明袋に
用いる積層フィルムの構成の別の一実施例を示す模式断
面図である。
【図3】本発明の酸素遮断性を有する易開封性透明袋の
一実施例を示す模式平面図である。
【図4】本発明の酸素遮断性を有する易開封性透明袋の
開口部近辺の一実施例を説明する要部断面図である。
【符号の説明】
1 基材フィルム 2 酸素遮断性樹脂層 3 熱接着性樹脂層 4 接着剤 5a 接着性樹脂層 5b 接着性樹脂層 6 切り溝 7 ヒートシール部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】また、本請求項2の発明は、前記レーザー
が炭酸ガスレーザーであることを特徴とする請求項1記
載の酸素遮断性を有する易開封性透明袋からなる。ま
た、本請求項3の発明は、前記酸素遮断性樹脂層がエチ
レン−ビニルアルコール共重合樹脂層であることを特徴
とする請求項1または2記載の酸素遮断性を有する易開
封性透明袋からなる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】
【実施例】以下に、図面および実施例、比較例により本
発明を更に具体的に説明する。図1、図2は、それぞれ
本発明の酸素遮断性を有する易開封性透明袋に用いる積
層フィルムの構成の一実施例を示す模式断面図である。
即ち、図1は、基材フィルム1を最外層として、その一
方の面に酸素遮断性樹脂層2、および、熱接着性樹脂層
3を従来公知のドライラミネーション法により、接着剤
4を用いて順次貼り合わせた構成を示している。図2
は、基材フィルム1を最外層として、その一方の面に酸
素遮断性樹脂層2、および、熱接着性樹脂層3を従来公
知である押し出しラミネーション法により、それぞれ接
着性樹脂層5a、或いは、5bを介して順次積層した構
成を示している。尚、本実施例のように押し出しラミネ
ーション法を利用して積層する場合には、基材フィルム
1と酸素遮断性樹脂層2とを接着性樹脂層5aを介して
押し出しラミネーション法により積層した後、酸素遮断
性樹脂層2の上に、接着性樹脂層5bを用いず、熱接着
性樹脂層3の樹脂を直接押し出しコートして積層しても
よい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】尚、本請求項2の発明は、前記請求項1の
発明において、切り溝を設けるレーザーとして炭酸ガス
レーザーを用いるもので、これにより積層フィルム中の
基材フィルムのみを確実に切り溝加工でき、前記の袋の
性能を一層安定して得られる効果を奏する。また、本請
求項3の発明は、前記請求項1または2の発明におい
て、前記酸素遮断性樹脂層にエチレン−ビニルアルコー
ル共重合樹脂を用いるもので、これにより酸素遮断性樹
脂層のレーザー光照射に対する耐性が一層良好となり、
優れた酸素遮断性を維持できると共に、切り溝線による
易開封性もより安定化できる効果を奏する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な基材フィルムを最外層とし、その
    一方の面に、酸素遮断性樹脂層、熱接着性樹脂層を順次
    積層した積層フィルムからなる易開封性透明袋におい
    て、該易開封性透明袋の開口部表面には、開封時に切り
    裂こうとする線に相当する少なくとも1本の連続または
    不連続のレーザーによる切り溝を有し、且つ、前記基材
    フィルムがレーザーにより切断される材質で、酸素遮断
    性樹脂層および熱接着性樹脂層がレーザーにより切断さ
    れない材質で構成されていることを特徴とする酸素遮断
    性を有する易開封性透明袋。
  2. 【請求項2】 前記レーザーが炭酸ガスレーザーである
    ことを特徴とする請求項1記載の酸素遮断性を有する易
    開封性透明袋。
  3. 【請求項3】 前記酸素遮断性樹脂層がエチレン−ビニ
    ルアルコール共重合樹脂層であることを特徴とする請求
    項1および2記載の酸素遮断性を有する易開封性透明
    袋。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2001055247A (ja) * 1999-08-18 2001-02-27 Dainippon Printing Co Ltd 易開封性包装袋
JP2020019563A (ja) * 2018-08-03 2020-02-06 大日本印刷株式会社 包装袋

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