JPH07291290A - 折り畳み式輸送用ボックスパレット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工が容易で、指を挟む突き出たストッパー
がない折り畳み式輸送用ボックスパレットの提供。 【構成】 小荷物を混載して輸送する折り畳み式輸送用
ボックスパレットにおいて、折り畳み部分と固定部分間
に設けられたヒンジ機構Ａが、円柱型部とこれを支持す
る支持板部とからなる内側ヒンジ部品と、前記内側ヒン
ジ部品の円柱型部を円周方向に１／２以上包み込み前記
円柱型部の軸芯を回動軸として回動するＣ型部とこれを
支持する支持板部とからなる外側ヒンジ部品とで構成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、輸送業分野において、
荷物を搭載して輸送する輸送用パレットに関し、特に、
小荷物を混載して輸送するのに便利な折り畳み式輸送用
ボックスパレットに関する。

【０００２】

【従来の技術】小荷物を混載して輸送するのに便利な折
り畳み式輸送用ボックスパレットの従来例を、図６〜図
９に基づいて説明する。

【０００３】図６において、従来例は、ボックス内に小
荷物を混載して、図では見えない底部にある台車材に取
付けられた車輪１６により移動し、トラック等の輸送車
両に載せて輸送される。小荷物を混載するボックスは、
折り畳み部分である背板ユニット１１、１１と、前記台
車材に固定された固定部分である側板ユニット１２、１
２と前方に開けることができる扉ユニット１３、１３と
で構成される。前記背板ユニット１１、１１は、相互に
ヒンジＤで固定・折り畳み可能に接続され、且つ、これ
らの両端縁がヒンジＤ、Ｄで前記側板ユニット１２、１
２に組立・折り畳み可能に接続されている。

【０００４】扉ユニット１３、１３は、複数の通常の蝶
番Ｂで側板ユニット１２、１２に取付けられて自由に回
動する。

【０００５】背板ユニット１１、１１は、図７に示すよ
うに、ヒンジＤによって側板ユニット１２、１２に取付
けられている。ヒンジＤは、ピンＤ３と、ピンＤ３を軸
芯にして交互に並んで組み合わされて回動する外側ヒン
ジ部Ｄ１、Ｄ２と、ストッパーＤ４とからなり、ピンＤ
３を軸芯にしてストッパーＤ４に規制される範囲内で回
動する。

【０００６】又、背板ユニット１１、１１は、図８に示
すように、ヒンジＤによって接続されている。ヒンジＤ
は、ピンＤ３と、このピンＤ３を軸芯にして切り込み部
が交互に並んで組み合わされて相互に反対方向に回動す
るヒンジ部Ｄ１、Ｄ２と、その外側に突き出して設けら
れたストッパーＤ４とからなり、ヒンジ部Ｄ１とＤ２と
がピンＤ３を軸芯にしてストッパーＤ４に規制される範
囲内で相互に反対方向に回動しその回動限界位置が組立
・折り畳み位置になる。

【０００７】図６に示す使用形態の従来例は、前記の背
板ユニット１１、１１と側板ユニット１２、１２とが、
前記のストッパーＤ４に回動を規制される位置で固定状
態に維持されて、高さ１７０〜１８０ｃｍ、幅１２００
〜１３００ｃｍ、奥行き７００〜８００ｃｍ程度の大き
さのボックスを形成する。この形態で、扉ユニット１
３、１３を開いて、小荷物を搭載し、扉ユニット１３、
１３を閉じて輸送する。

【０００８】従来例のこの大きさのボックス形態は、小
荷物を混載して輸送するのに適した大きさであるが、空
になって送り返す場合には、非常に嵩張って困る。

【０００９】それで、前記の背板ユニット１１、１１
を、前記のストッパーＤ４に回動を規制されない方向に
回動させて折り畳み、床板ユニットを上に撥ね上げて、
全体を折り畳み、嵩を小さくして送り返す（図１参
照）。

【００１０】尚、従来例では、ヒンジＤは、アルミニユ
ウム等の金属の押し出し材で形成され、背板ユニット１
１、側板ユニット１２、扉ユニット１３は、アルミニユ
ウム等の金属の板材で枠を作り、この枠に格子形状の樹
脂成形板を嵌め込んだもので構成されている。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来例
の構成では、ヒンジＤが、ピンＤ３を軸芯にして切り込
み部が交互に並んで組み合わされて相互に反対方向に回
動するヒンジ部Ｄ１とＤ２とからなるので、ヒンジ部Ｄ
１とＤ２とを作る場合には、先ず、アルミニユウム等の
金属を押し出し加工で円筒型の所定形状の型材に成形
し、この型材を、交互に組合うように切り欠いて、交互
に組み合わせ、ピンＤ３を軸芯として通す加工が必要で
あり、この切り欠き作業が面倒であるだけでは無く、こ
の切り欠き作業による端面のバリを取り除く作業、この
切り欠き作業によるエッジを取除く処理が必要であり、
加工コストが高いという問題点がある。

【００１２】又、開閉角度を規制するストッパーＤ４が
必要で、このストッパーＤ４によって、折り畳み部を、
組立・折り畳み位置で固定状態に維持するが、図９に示
すように、組立の際に、作業者の指Ｆが、ストッパーＤ
４に挟まれることがあるという問題点がある。

【００１３】本発明は、上記の問題点を解決し、加工が
容易で、指を挟む突き出たストッパーがない折り畳み式
輸送用ボックスパレットを提供することを課題とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明の折り畳み式輸送
用ボックスパレットは、上記の課題を解決するために、
小荷物を混載して輸送する折り畳み式輸送用ボックスパ
レットにおいて、折り畳み部分と固定部分間に設けられ
たヒンジ機構が、円柱型部とこれを支持する支持板部と
からなる内側ヒンジ部品と、前記内側ヒンジ部品の円柱
型部を円周方向に１／２以上包み込み前記円柱型部の軸
芯を回動軸として回動するＣ型部とこれを支持する支持
板部とからなる外側ヒンジ部品とで構成されることを特
徴とする。

【００１５】

【作用】本発明の折り畳み式輸送用ボックスパレット
は、折り畳み部分相互間及び折り畳み部分と固定部分間
に設けられたヒンジ機構が、円柱型部とこれを支持する
支持板部とからなる内側ヒンジ部品と、前記内側ヒンジ
部品の円柱型部を円周方向に１／２以上包み込み前記円
柱型部の軸芯を回動軸として回動するＣ型部とこれを支
持する支持板部とからなる外側ヒンジ部品とからなり、
ヒンジ機構の回動範囲を、外側ヒンジ部品の前記Ｃ型部
の両端面が、前記内側ヒンジ部品の支持板部の側面に当
接することによって規制するので、従来例では必要であ
る指を挟むことがある突き出たストッパーが不要にな
り、組立・折り畳み時に、ストッパーで指を挟まれるこ
とが無くなる。

【００１６】又、外側ヒンジ部品のＣ型部が、内側ヒン
ジ部品の円柱型部を円周方向に１／２以上包み込み前記
円柱型部の軸芯を回動軸として回動するので、従来例で
は必要であった、円筒型部を交互に組合うように切り欠
く作業、この切り欠き作業による端面のバリを取り除く
作業、この切り欠き作業によるエッジを取り除く処理が
不要になる。

【００１７】

【実施例】本発明の折り畳み式輸送用ボックスパレット
の実施例を図１〜図５に基づいて説明する。

【００１８】本実施例の使用時の形態は、図６に示す従
来例と同様であり、本実施例を折り畳んだ形態は、図１
の斜視図に示すようになる。

【００１９】図１において、背板ユニット（折り畳み部
分）１、１は、２つのラウンドヒンジ（ヒンジ機構）
Ａ、Ａによって相互に連結されており、且つ、背板ユニ
ット１、１と側板ユニット２、２との接続は、側板ユニ
ット２、２の端縁の狭い幅を、背板ユニット１、１側に
直角に曲げた端縁に設けられたラウンドヒンジＡ、Ａで
行われ、これらのラウンドヒンジＡ、Ａ、Ａ、Ａの回動
によって、背板ユニット１、１を、内側に折り曲げて全
体を折り畳めるようになっている。

【００２０】車輪６、６、６、６が台車材５、５に取付
けられており、走行可能になっている。前記台車材５、
５は、側板ユニット２、２と接続して固定部分を形成し
ている。又、前記台車材５の一方には、床板ユニット４
が通常の蝶番Ｃで回動可能に取付けられており、折り畳
み時には、側板ユニット２側に上げられ、使用時には、
倒されて台車材５、５間に床を形成する。

【００２１】折り畳み時には、図１に示すように、床板
ユニット４を側板ユニット２に接触するように立ち上が
らせ、背板ユニット１、１を、内側に折り曲げて折り畳
む。

【００２２】この際、扉ユニット３、３を、外側に回動
させ、側板ユニット２、２の外側に接触する位置で固定
状態にする。

【００２３】ラウンドヒンジＡを図２、図３に基づいて
説明する。

【００２４】図２は、ラウンドヒンジＡを直線に開いた
状態で示す。ラウンドヒンジＡは、円柱型部Ａ５とこれ
を支持する支持板部Ａ７とを有する内側ヒンジ部品Ａ１
と、前記内側ヒンジ部品Ａ１の円柱型部Ａ５を円周方向
に１／２以上包み込み前記円柱型部Ａ５の軸芯を回動軸
として回動するＣ型部Ａ６とこれを支持する支持板部Ａ
８とを有する外側ヒンジ部品Ａ１とで構成される。そし
て、前記Ｃ型部Ａ６の端面Ａ３が前記内側ヒンジ部品Ａ
１の支持板部Ａ７の側面に当接することによって、ラウ
ンドヒンジＡを直線に開いた状態に規制する。

【００２５】図３は、ラウンドヒンジＡを回動限度まで
曲げた状態を示す。そして、前記Ｃ型部Ａ６の端面Ａ４
が前記内側ヒンジ部品Ａ１の支持板部Ａ７の側面に当接
する位置で、ラウンドヒンジＡが回動限度まで回った状
態に規制する。

【００２６】図４は、背板ユニット１と側板ユニット２
との接続を示す。側板ユニット２の端の狭い幅の部分
を、背板ユニット１側に直角に曲げ、その端縁に設けら
れたラウンドヒンジＡによって、この側板ユニット２と
背板ユニット１とが固定・回動可能に接続される。

【００２７】図５は、背板ユニット１、１間の接続を示
す。背板ユニット１、１の端縁にそれぞれ外側ヒンジ部
品Ａ２、Ａ２を設け、これらの外側ヒンジ部品Ａ２、Ａ
２間を、両端縁に内側ヒンジ部品Ａ１を設けたヒンジ片
Ａ９で固定・回動可能に接続している。

【００２８】次に、本実施例の動作を図１、図６に基づ
いて説明する。先ず、扉ユニット３、３を、外側に回動
させ、側板ユニット２、２の外側に接触する位置で固定
状態にする。次いで、床板ユニット４を側板ユニット２
に接触するように立ち上がらせる。

【００２９】最後に、背板ユニット１、１を、内側に折
り曲げて折り畳むと図１に示すように全体が畳み込まれ
る。この際、従来例には必要な、突き出したストッパー
が不要なので、組立・折り畳み作業中に指を挟むことが
無い。

【００３０】

【発明の効果】本発明の折り畳み式輸送用ボックスパレ
ットは、折り畳み部分相互間及び折り畳み部分と固定部
分間に設けられたヒンジ機構に、従来例では必要な突き
出したストッパーが無いので、組立・折り畳み時に、ス
トッパーで指を挟まれることが無くなるという効果を奏
する。

【００３１】又、外側ヒンジ部品のＣ型部が、内側ヒン
ジ部品の円柱型部を円周方向に１／２以上包み込み前記
円柱型部の軸芯を回動軸として回動するので、従来例で
は必要であった、円筒型部を交互に組合うように切り欠
く作業と、この切り欠き作業による端面のバリを取り除
く作業と、この切り欠き作業によるエッジを取り除く処
理とが不要になり、製造コストを大幅に低減するという
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の折り畳み式輸送用ボックスパレットの
実施例の折り畳み状態の斜視図である。

【図２】本発明の実施例のヒンジ機構の動作図である。

【図３】本発明の実施例のヒンジ機構の動作図である。

【図４】本発明の実施例のヒンジ機構の取付け部分の斜
視図である。

【図５】本発明の実施例のヒンジ機構の取付け部分の斜
視図である。

【図６】従来例の折り畳み式輸送用ボックスパレットの
組立状態の斜視図である。

【図７】従来例のヒンジ機構の動作図である。

【図８】従来例のヒンジ機構の動作図である。

【図９】従来例の突き出たストッパーが指を挟む動作図
である。

【符号の説明】

Ａ ラウンドヒンジ（ヒンジ機構） Ａ１ 内側ヒンジ部品 Ａ２ 外側ヒンジ部品 Ａ３ 端面 Ａ４ 端面 Ａ５ 円柱型部 Ａ６ Ｃ型部 Ａ７ 支持板部 Ａ８ 支持板部 Ａ９ ヒンジ片 Ｂ 蝶番 Ｃ 蝶番 １ 背板ユニット（折り畳み部分） ２ 側板ユニット（固定部分） ３ 扉ユニット ４ 床板ユニット ５ 台車材 ６ 車輪

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前原 健志 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 小荷物を混載して輸送する折り畳み式輸
   送用ボックスパレットにおいて、折り畳み部分と固定部
   分間に設けられたヒンジ機構が、円柱型部とこれを支持
   する支持板部とからなる内側ヒンジ部品と、前記内側ヒ
   ンジ部品の円柱型部を円周方向に１／２以上包み込み前
   記円柱型部の軸芯を回動軸として回動するＣ型部とこれ
   を支持する支持板部とからなる外側ヒンジ部品とで構成
   されることを特徴とする折り畳み式輸送用ボックスパレ
   ット。