JPH07287819A - 磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

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JPH07287819A
JPH07287819A JP6080397A JP8039794A JPH07287819A JP H07287819 A JPH07287819 A JP H07287819A JP 6080397 A JP6080397 A JP 6080397A JP 8039794 A JP8039794 A JP 8039794A JP H07287819 A JPH07287819 A JP H07287819A
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JP
Japan
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magnetic
layer
film
soft magnetic
thin film
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Application number
JP6080397A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Sugawara
伸浩 菅原
Hideo Suyama
英夫 陶山
Mineo Yorizumi
美根生 頼住
Junichi Sugawara
淳一 菅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 MR膜に印加されるバイアス磁界を安定且つ
均一に得て、さらに下部及び上部磁性磁極の磁気特性及
びヘッド諸特性を安定化させる。 【構成】 反強磁性材料よりなる反強磁性層21と、軟
磁性材料よりなる軟磁性層22と、非磁性材料よりなる
バッファ層23を介して磁気抵抗効果膜24とを順次積
層して構成する。さらに、本実施例においては、反強磁
性層21の下部にこの反強磁性層21の反強磁性特性を
助長するための下地層25を成膜する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体からの記
録磁界によって抵抗率が変化する磁気抵抗効果薄膜を用
い、その抵抗変化を再生出力電圧として検出する磁気抵
抗効果型薄膜磁気ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク装置における小型
大容量化が進行する中で、特にノート型パーソナルコン
ピュータに代表されるような可搬型コンピュータへの適
用が考慮される用途では、例えば2.5インチ程度の小
型ハードディスク装置に対する要求が高まっている。
【0003】このような小型ハードディスクでは、ディ
スク径に依存して媒体速度が遅くなるため、再生出力が
媒体速度に依存する従来の誘導型磁気ヘッドでは、再生
出力が低下し、大容量化の妨げとなっている。
【0004】これに対して、磁界によって抵抗率が変化
する磁気抵抗効果素子(以下、単にMR素子と称す
る。)の抵抗変化を再生出力電圧として検出する磁気抵
抗効果型薄膜磁気ヘッド(以下、単にMR薄膜ヘッドと
称する。)は、その再生出力が媒体速度に依存せず、低
媒体速度でも高再生出力が得られるという特徴を有する
ため、小型ハードディスクにおいて大容量化を実現する
磁気ヘッドとして注目されている。
【0005】上記MR薄膜ヘッドは、スライダ材上に、
薄膜技術により上記MR素子や電極膜、絶縁層等を成膜
し、フォトリソ技術によってこれらを所定形状にエッチ
ングすることにより形成され、再生時のギャップ長を規
定して不要な磁束の上記MR素子への浸入を防止するた
めに、シールド材となる下部磁性磁極及び上部磁性磁極
を上下に配したシールドを採用している。
【0006】具体的に、例えば、センス電流がトラック
幅方向と直交する方向に流れる、いわゆる縦型のMR薄
膜ヘッドは、図9に示すように、非磁性の基板101上
に絶縁層102,下部磁性磁極103となる軟磁性膜及
び絶縁層104が順次積層され、この絶縁層104上
に、MR素子105が、その長手方向が磁気記録媒体と
の対向面(磁気記録媒体摺動面a)と垂直になるように
配され、且つその一方の端面が磁気記録媒体摺動面aに
露出するかたちに形成されている。さらに、MR素子1
05の両端部上に、このMR素子105にセンス電流を
提供するための前端電極107a及び後端電極107b
が設けられ、MR素子105と前端及び後端電極107
a,107b上に絶縁層106が形成されている。そし
て、この絶縁層106内にはMR素子105と対向して
バイアス導体108が配され、上記絶縁層106上に上
部磁性磁極109となる軟磁性膜が積層されて上記MR
薄膜ヘッドが構成されている。
【0007】ここで、バイアス導体108の代わりにC
oPt等の材料よりなるバイアスハード膜を用いてもよ
い。
【0008】上記MR薄膜ヘッドは、MR素子105を
上部磁性磁極109及び下部磁性磁極103で挟む構造
としているため、上部及び下部磁性磁極109,103
のないものと比較して、再生出力のS/N及び記録密度
を向上させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来、
MR素子105にバイアス磁界を印加するには、バイア
ス導体108や上記バイアスハード膜の如き構造体をM
R素子105の外部に設けてMR素子105に印加する
方法が採用されている。ところがこの場合、MR薄膜ヘ
ッド内においてこのような構造体をMR素子105に対
向して成膜する必要がある。このとき、MR素子105
の絶縁破壊を回避するために絶縁層106を厚く成膜す
る必要があり、そのため例えば上記図9において円内に
示すように、バイアス導体108の特にその両端部に大
きな段差が生じてしまう。バイアス導体108の上記両
端部はバイアス磁界や信号磁界が集中する場所であり、
このような複雑な構造となることにより、下部磁性磁極
103及び上部磁性磁極109の磁気特性が劣化し、い
わゆるバルクハイゼンノイズやポプコーンノイズ等が発
生する要因となっている。
【0010】また、バイアス導体108や上記バイアス
ハード膜は、MR素子105を挟持する下部磁性磁極1
03及び上部磁性磁極109を導磁路として用いるため
に、下部磁性磁極103及び上部磁性磁極109の磁気
特性や構造の影響が介在してMR素子105に印加され
るバイアス磁界が不均一となり、上記MR薄膜磁気ヘッ
ドの動作安定性や出力に大きく影響することになる。
【0011】このように、従来のMR薄膜ヘッドはその
構造が複雑であるために、製造プロセスの増大化を招
き、ヘッド特性のばらつきをもたらす要因となってい
る。
【0012】本発明は、上述の様々な課題に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、形状が簡素
であるために、MR膜に印加されるバイアス磁界が安定
且つ均一に得られ、さらに下部及び上部磁性磁極の磁気
特性及びヘッド諸特性が安定化し、製造プロセスが簡略
化されて製品の歩溜り及び信頼性の大幅な向上を図るこ
とを可能とするMR薄膜磁気ヘッドを提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気ヘッド
は、軟磁性体からなる下部磁性磁極と上部磁性磁極との
間に磁気抵抗効果膜を含む磁気抵抗効果部が形成されて
なるMR薄膜磁気ヘッドである。具体的には、前記磁気
抵抗効果部を、反強磁性材料よりなる反強磁性層と、軟
磁性材料よりなる軟磁性層と、非磁性材料よりなるバッ
ファ層と、磁気抵抗効果膜とを順次積層することにより
形成し構成するものである。
【0014】この場合、上記軟磁性層を軟磁性アモルフ
ァス合金薄膜として構成してもよい。
【0015】このとき、軟磁性層を反強磁性層との交換
結合により所定方向に磁化することを特徴とする。
【0016】また、上記磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド
を製造するに際し、反強磁性層と軟磁性層とを積層した
後、所定磁場を印加しながらネール点以上の温度に加熱
し、ネール点以下の温度に冷却することを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明に係るMR薄膜ヘッドにおいては、磁気
抵抗効果部が、反強磁性層、軟磁性層、非磁性材料より
なるバッファ層、及び磁気抵抗効果膜(以下、単にMR
膜と記す)の4重構造とされているので、上記MR膜に
バイアス磁界を印加するための外部構造体を設ける必要
がなく、上記MR膜にはいわゆる交換結合原理により上
記軟磁性層からバイアス磁界が印加されることになる。
この軟磁性層のバイアス磁界印加の原理は以下に示すよ
うなものである。
【0018】磁場中にて反強磁性層と接触成膜された軟
磁性層は、図1に示すように、図中矢印で示す磁化は無
秩序状態であり一定方向の磁場を有しない状態である。
ここで、図2に示すように、ネール点以上の温度にて印
加磁場中でアニール処理を施し、図3に示すようにネー
ル点以下の温度に冷却する。すると、反強磁性層と軟磁
性層との界面近傍において軟磁性層の磁化方向が印加磁
場方向に固定される。これが交換結合原理である。この
軟磁性層に生じた固定磁化に形状異方性も助長されて軟
磁性層は飽和した磁化状態となる。この飽和磁化による
磁界がバイアス磁界として上記MR膜に印加されること
になる。
【0019】このとき、上記磁気抵抗効果部の厚みは、
この磁気抵抗効果部から下部及び上部磁性磁極までの距
離より十分に薄いので、上記軟磁性層から発生するバイ
アス磁界のほぼ全てが上記MR膜に均一に印加する。
【0020】さらに、上記軟磁性層の磁化は反強磁性層
との交換結合により固定化されて飽和状態とされている
ためにその透磁率μ=1となる。したがって、再生磁に
おいて上記MR薄膜ヘッドに入力する信号磁束はほぼ全
て高透磁率を有する上記MR膜に集中することになる。
【0021】すなわち、本発明に係るMR薄膜ヘッドに
おいては、上記MR膜がこのMR膜にバイアス磁界を印
加するための軟磁性層とともに積層されて磁気抵抗効果
部として構成されているので、その簡素な形状によりM
R薄膜ヘッド全体の形状もまた簡素なものとなり、単純
な積層体である磁気抵抗効果部ではバイアス磁界のほぼ
全てが上記MR膜に印加され、さらに再生時では信号磁
束のほぼ全てが上記MR膜にかかるので、非常に効率よ
く且つ安定にMR薄膜ヘッドが機能する。
【0022】このとき、上記軟磁性層の材料としてアモ
ルファスを用いることで、その比抵抗が上記MR膜の5
〜6倍となる。したがって、上記MR薄膜ヘッドに流れ
る電流が上記MR膜に集中し、更に効率良くセンシング
し、高出力化することが可能となる。
【0023】
【実施例】以下、本発明に係る磁気抵抗効果型薄膜磁気
ヘッド(以下、単にMR薄膜ヘッドと称する)の実施例
を図面を参照しながら説明する。
【0024】上記実施例に係るMR薄膜ヘッドは、図4
及び図5に示すように、長手方向が磁気記録媒体摺動面
aと直交するように形成された磁気抵抗効果膜(以下、
単にMR膜と称する)を含む多重積層膜である磁気抵抗
効果部1(以下、単にMR部1と称する)が下部磁性磁
極2と上部磁性磁極3とで挟まれた構造となっており、
いわゆる縦型MR薄膜ヘッドとして構成されている。
【0025】具体的には、Al2 3 −TiCよりなる
非磁性基板11上に、絶縁層12を介してNiFeまた
はセンダスト(Fe−Al−Si合金)よりなる磁性膜
である下部磁性磁極2が成膜され、この下部磁性磁極2
の表面上にAl2 3 よりなる絶縁層13が積層されて
いる。
【0026】上記絶縁層13上には、4重積層構造を有
するMR部1が形成されている。このMR部1は、図6
に示すように、反強磁性材料よりなる反強磁性層21
と、軟磁性材料よりなる軟磁性層22と、非磁性材料よ
りなるバッファ層23を介して磁気抵抗効果膜24とが
順次積層されて構成されている。さらに、本実施例にお
いては、反強磁性層21の下部にこの反強磁性層21の
反強磁性特性を助長するための下地層25を成膜する。
また、上記MR膜24の代わりに人工格子膜からなるM
R材、いわゆるGMR(ジャイアントMR)材を用いて
もよい。
【0027】ここで、反強磁性層21はNiO,NiC
oO,FeMn等を材料として膜厚3〜30nm、軟磁
性層22はCoZnNb等のアモルファスやRh,Mo
等を添加元素として含有するパーマロイ合金等を材料と
して膜厚3〜10nm、バッファ層23は非磁性材より
なりその膜厚は3〜10nm、MR膜24はFe−Ni
等を材料として膜厚5〜20nm、下地層25はTa,
Ti等を材料として膜厚3〜10nmに成膜される。こ
れらの膜厚は、上記MR薄膜ヘッドの動作上の感度及び
安定性からMR部1の平面サイズに応じて決定される。
例えばMR部1の幅Tw=2μm,長さL=5μm、膜
厚10nmのときでは、反強磁性層21が20nm、軟
磁性層22が5nm、バッファ層23が5nm、下地層
25が5nmとなる。
【0028】そして、更にこのMR部1上に絶縁層14
が形成され、その上にNi−Fe等の磁性膜による上部
磁性磁極3が成膜されて上記MR薄膜ヘッドが構成され
ている。
【0029】ここで、上記MR薄膜ヘッドにおいては、
MR部1を、その長手方向が磁気記録媒体との対向面、
即ち磁気記録媒体摺動面aと垂直になるように配置し、
その一方の端面を磁気記録媒体摺動面aに露出させたか
たちとなっている。このMR部1の磁気記録媒体摺動面
a側の一端部分と、この一端部分から所定距離隔てた部
分に、それぞれ導電膜による電極(前端電極17a及び
後端電極17b)が形成されている。これら前端電極1
7a及び後端電極17bは、MR部1の長手方向に沿っ
て(即ち、上記磁気記録媒体摺動面aと直交する方向
に)センス電流を流す目的で形成される。
【0030】すなわち、上記MR薄膜ヘッドにおいて
は、MR素子1中、前端及び後端電極電極17a,17
b間の領域が磁気抵抗効果を示すことになり、この領域
がMR部1の感磁部を構成することになる。
【0031】上記MR薄膜ヘッドを作製するには、先ず
Al2 3 −TiC等を材料とする非磁性基板11上に
絶縁層12を介して、所定のレジストパターン形成後に
イオンビームエッチング法によりNi−Fe等の磁性膜
による下部磁性磁極2を形成する。
【0032】その後、下部磁性磁極2上にアルミナ(A
2 3 )層を下部磁性磁極2が十分隠れる厚さまでス
パッタ形成し、下部磁性磁極2の表面が現れるまで研磨
を施す。
【0033】そして、下部磁性磁極2及びアルミナ層上
に同様にアルミナを材料として絶縁層13をスパッタ形
成した後、ファイン研磨を施して絶縁層13の表面の粗
度を良好にする。
【0034】次いで、絶縁層13上に4重積層構造のM
R部1を形成する。すなわち、先ず絶縁層13上に反強
磁性層21の反強磁性特性を助長するための下地層25
を成膜した後、反強磁性材料よりなる反強磁性層21
と、軟磁性材料よりなる軟磁性層22とを順次成膜した
後、所定磁場を印加しながらネール点以上の温度に加熱
し、ネール点以下の温度に冷却する。そして、軟磁性層
22上に非磁性材料よりなるバッファ層23と、MR膜
24を積層してMR部1を作製する。
【0035】そして、上記MR部1の磁気記録媒体摺動
面a側の一端部分と、この一端部分から所定距離隔てた
部分に、それぞれ導電膜による電極(前端電極17a及
び後端電極17b)をスパッタ成膜後、エッチングを施
すことにより形成する。
【0036】さらに、絶縁層14を成膜し、この絶縁層
14上にめっき下地膜としてTi/Ni−Fe膜をスパ
ッタ形成する。その後、レジストフレームを形成し、N
i−Feめっきを施す。そして上記レジストフレームを
除去し、更に所定の形状にレジストを形成した後、ウェ
ットエッチングを施してレジストを除去することにより
上部磁性磁極3を形成する。
【0037】以上の工程を経ることにより、上記MR薄
膜ヘッドが完成する。
【0038】本実施例に係るMR薄膜磁気ヘッドにおい
ては、上記MR部1が、反強磁性層21、軟磁性層2
2、非磁性材料よりなるバッファ層23、及びMR膜2
4の4重構造とされているので、上記MR膜24にバイ
アス磁界を印加するための外部構造体を設ける必要がな
く、MR膜24にはいわゆる交換結合原理により上記軟
磁性層22からバイアス磁界が印加されることになる。
【0039】すなわち、反強磁性層21と接触成膜され
た軟磁性層22が一定方向の磁場を有しない状態におい
て、ネール点以上の温度にて印加磁場中でアニール処理
を施し、その後ネール点以下の温度に冷却する。する
と、反強磁性層21と軟磁性層22との界面近傍におい
て軟磁性層22の磁化方向が印加磁場方向に固定され
る。これが交換結合原理である。この軟磁性層22に生
じた固定磁化に形状異方性も助長されて軟磁性層22は
飽和した磁化状態となる。この飽和磁化による磁界がバ
イアス磁界として上記MR膜24に印加されることにな
る。
【0040】このとき、図7に示すように、上記MR部
1の厚みtは、この磁気抵抗効果部から下部及び上部磁
性磁極までの距離g1,g2より十分に薄いので、上記
軟磁性層22から発生するバイアス磁界(図中矢印で示
す)のほぼ全てが上記MR膜1に均一に印加する。
【0041】さらに、上記軟磁性層22の磁化は反強磁
性層21との交換結合により固定化されて飽和状態とさ
れているためにその透磁率μ=1となる。したがって、
再生磁において上記MR薄膜ヘッドに入力する信号磁束
はほぼ全て高透磁率を有する上記MR膜24に集中する
ことになる。
【0042】すなわち、本発明に係るMR薄膜ヘッドに
おいては、上記MR膜24がこのMR膜24にバイアス
磁界を印加するための軟磁性層22とともに積層されて
上記MR部1として構成されているので、その簡素な形
状によりMR薄膜ヘッド全体の形状もまた簡素なものと
なり、単純な積層体であるMR部1ではバイアス磁界の
ほぼ全てが上記MR膜24に印加され、さらに再生時で
は信号磁束のほぼ全てがMR膜24にかかるので、非常
に効率よく且つ安定にMR薄膜ヘッドが機能する。
【0043】このとき、上記軟磁性層22の材料として
アモルファスを用いることで、その比抵抗が上記MR膜
24の5〜6倍となる。したがって、上記MR薄膜ヘッ
ドに流れる電流が上記MR膜24に集中し、更に効率良
くセンシングし、高出力化することが可能となる。
【0044】軟磁性層22の材料のアモルファスとして
CoZrNbを用いた際の出力を、同一のセンス電流と
してNi−Feの2層よりなるMR膜との比較を通じて
調べた結果について図8に示す。このとき、Ni−Fe
の2層のうちの片方をCoZrNbを材料とした軟磁性
層22に代えてその出力を測定した。この結果から明か
なように、CoZrNbを用いた場合の方が約1.5倍
の高出力となっていることがわかる。
【0045】
【発明の効果】本発明に係る磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘ
ッドによれば、軟磁性体からなる下部磁性磁極と上部磁
性磁極との間に磁気抵抗効果膜を含む薄膜多重層の磁気
抵抗効果部が形成されてなり、前記磁気抵抗効果部を、
反強磁性材料よりなる反強磁性層と、軟磁性材料よりな
る軟磁性層と、非磁性材料よりなるバッファ層と、磁気
抵抗効果膜とを順次積層することにより形成し構成した
ので、形状が簡素であるために、磁気抵抗効果膜に印加
されるバイアス磁界が安定且つ均一に得られ、さらに下
部及び上部磁性磁極の磁気特性及びヘッド諸特性が安定
化し、製造プロセスが簡略化されて製品の歩溜り及び信
頼性の大幅な向上を図ることが可能となる。
【0046】この場合、軟磁性層を軟磁性アモルファス
合金薄膜より構成したので、磁気抵抗効果膜に印加され
るバイアス磁界がより安定且つ均一に得られ、さらに下
部及び上部磁性磁極の磁気特性及びヘッド諸特性が安定
化し、製造プロセスが簡略化されて製品の歩溜り及び信
頼性の更なる大幅な向上を図ることが可能となる。
【0047】このとき、軟磁性層を反強磁性層との交換
結合により所定方向に磁化して構成したので、磁気抵抗
効果膜に印加されるバイアス磁界がより安定且つ均一に
得られ、さらに下部及び上部磁性磁極の磁気特性及びヘ
ッド諸特性が安定化し、製造プロセスが簡略化されて製
品の歩溜り及び信頼性の更なる大幅な向上を図ることが
可能となる。
【0048】また、本発明の製造方法によれば上記磁気
抵抗効果型薄膜磁気ヘッドを製造するに際し、反強磁性
層と軟磁性層とを積層した後、所定磁場を印加しながら
ネール点以上の温度に加熱し、ネール点以下の温度に冷
却するので、磁気抵抗効果膜に印加されるバイアス磁界
がより安定且つ均一に得られ、さらに下部及び上部磁性
磁極の磁気特性及びヘッド諸特性が安定化し、製造プロ
セスが簡略化されて製品の歩溜り及び信頼性の更なる大
幅な向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反強磁性層上に軟磁性層を成膜した様子を模式
的に示す断面図である。
【図2】反強磁性層及び軟磁性層にネール点以上の温度
にて印加磁場中でアニール処理を施した様子を模式的に
示す断面図である。
【図3】反強磁性層及び軟磁性層をネール点以下の温度
に冷却した様子を模式的に示す断面図である。
【図4】本実施例に係る磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド
の要部を模式的に示す断面図である。
【図5】本実施例に係る磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド
の要部を模式的に示す斜視図である。
【図6】磁気抵抗効果部を拡大して模式的に示す斜視図
である。
【図7】本実施例に係る磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド
の磁気抵抗効果部の近傍を模式的に示す断面図である。
【図8】アモルファス膜を用いた場合の出力比較を示す
特性図である。
【図9】従来の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドの要部を
模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 MR部 2 下部磁性磁極 3 上部磁性磁極 11 基板 12,13,14 絶縁層 17a 前端電極 17b 後端電極 21 反強磁性層 22 軟磁性層 23 バッファ層 24 MR膜 25 下地層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年5月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来、
MR素子105にバイアス磁界を印加するには、バイア
ス導体108や上記バイアスハード膜の如き構造体をM
R素子105の外部に設けてMR素子105に印加する
方法が採用されている。ところがこの場合、MR薄膜ヘ
ッド内においてこのような構造体をMR素子105に対
向して成膜する必要がある。このとき、MR素子105
の絶縁破壊を回避するために絶縁層106を厚く成膜す
る必要があり、そのため例えば上記図9において円内に
示すように、バイアス導体108の特にその両端部に大
きな段差が生じてしまう。バイアス導体108の上記両
端部はバイアス磁界や信号磁界が集中する場所であり、
このような複雑な構造となることにより、上部磁性磁極
109の磁気特性が劣化し、いわゆるバルクハイゼンノ
イズやポプコーンノイズ等が発生する要因となってい
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】磁場中にて反強磁性層と接触成膜された軟
磁性層は、図1に示すように、図中に示すように誘導磁
気異方性を有する状態である。ここで、図2に示すよう
に、ネール点以上の温度にて印加磁場中でアニール処理
を施し、図3に示すようにネール点以下の温度に冷却す
る。すると、反強磁性層と軟磁性層との界面近傍におい
て軟磁性層の磁化方向が印加磁場方向に固定される。こ
れが交換結合原理である。この軟磁性層に生じた固定磁
化に形状異方性も助長されて軟磁性層は飽和した磁化状
態となる。この飽和磁化による磁界がバイアス磁界とし
て上記MR膜に印加されることになる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】さらに、上記軟磁性層の磁化は反強磁性層
との交換結合により固定化されて飽和状態とされている
ためにその透磁率μ=1となる。したがって、再生時に
おいて上記MR薄膜ヘッドに入力する信号磁束はほぼ全
て高透磁率を有する上記MR膜に集中することになる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】ここで、反強磁性層21はNiO,NiC
oO,FeMn等を材料として膜厚3〜30nm、軟磁
性層22はCoZnNb等のアモルファスやRh,Mo
等を添加元素として含有するパーマロイ合金等を材料と
して膜厚3〜30nm、バッファ層23は非磁性材より
なりその膜厚は3〜10nm、MR膜24はFe−Ni
等を材料として膜厚5〜30nm、下地層25はTa,
Ti等を材料として膜厚3〜10nmに成膜される。こ
れらの膜厚は、上記MR薄膜ヘッドの動作上の感度及び
安定性からMR部1の平面サイズに応じて決定される。
例えばMR部1の幅Tw=2μm,長さL=5μm、膜
厚10nmのときでは、反強磁性層21が20nm、軟
磁性層22が15nm、バッファ層23が5nm、下地
層25が5nmとなる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】すなわち、反強磁性層21と接触成膜され
た軟磁性層22がネール点以上の温度にて印加磁場中で
アニール処理を施し、その後ネール点以下の温度に冷却
する。すると、反強磁性層21と軟磁性層22との界面
近傍において軟磁性層22の磁化方向が印加磁場方向に
固定される。これが交換結合原理である。この軟磁性層
22に生じた固定磁化に形状異方性も助長されて軟磁性
層22は飽和した磁化状態となる。この飽和磁化による
磁界がバイアス磁界として上記MR膜24に印加される
ことになる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】軟磁性層上に反強磁性層を成膜した様子を模式
的に示す断面図である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅原 淳一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性体からなる下部磁性磁極と上部磁
    性磁極との間に薄膜多重層の磁気抵抗効果部が形成さ
    れ、 前記磁気抵抗効果部が、反強磁性材料よりなる反強磁性
    層と、軟磁性材料よりなる軟磁性層と、非磁性材料より
    なるバッファ層と、磁気抵抗効果膜とが順次積層されて
    なることを特徴とする磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 軟磁性層が軟磁性アモルファス合金薄膜
    よりなることを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果
    型薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 軟磁性層が反強磁性層との交換結合によ
    り所定方向に磁化されていることを特徴とする請求項1
    記載の磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の磁気抵抗効果型薄膜磁気
    ヘッドを製造するに際し、反強磁性層と軟磁性層とを積
    層した後、所定磁場を印加しながらネール点以上の温度
    に加熱し、ネール点以下の温度に冷却することを特徴と
    する磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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Cited By (3)

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