JP2000113427A - 薄膜デバイス、薄膜磁気ヘッドおよび磁気抵抗効果素子並びにそれらの製造方法 - Google Patents

薄膜デバイス、薄膜磁気ヘッドおよび磁気抵抗効果素子並びにそれらの製造方法

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JP2000113427A
JP2000113427A JP10284342A JP28434298A JP2000113427A JP 2000113427 A JP2000113427 A JP 2000113427A JP 10284342 A JP10284342 A JP 10284342A JP 28434298 A JP28434298 A JP 28434298A JP 2000113427 A JP2000113427 A JP 2000113427A
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insulating film
thin
shield
shield gap
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Toru Inoue
亨 井上
Koichi Terunuma
幸一 照沼
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    • G11B5/40Protective measures on heads, e.g. against excessive temperature 

Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1のシールドギャップ膜12および第2の
シールドギャップ膜14の熱伝導率を高くし、MR素子
13の温度が上昇することを防止する。 【解決手段】 第1のシールドギャップ膜12および第
2のシールドギャップ膜14を、AlNを主成分として
含有しかつAlNの(002)面が膜面に対して垂直方
向に配向している絶縁膜により構成する。これにより、
AlNの複数の結晶面が膜面に対して垂直方向に配向し
ている場合よりも高い熱伝導率が得られ、MR素子13
において発生した熱が効率的に放散される。絶縁膜は少
量のArを含有していてもよい。この場合、硬度が高く
なりエアベアリング面の形成の際に過剰に研磨されるこ
とが防止される。また、絶縁膜は酸素を含有していても
よい。酸素を含有することにより、応力が低減され、剥
離が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁膜を備えた薄
膜デバイス、磁気抵抗効果素子を挟んで絶縁膜よりなる
一対のシールドギャップ膜が形成された薄膜磁気ヘッド
および一部に絶縁膜が形成される磁気抵抗効果素子並び
にそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、薄膜磁気ヘッドとしては、書き込
み用の誘導型磁気変換素子を有する記録ヘッドと読み出
し用の磁気抵抗(以下、MR(Magneto Resistive )と
も記す。)素子を有する再生ヘッドとを積層した複合型
薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。このうち再生ヘ
ッドには、例えば、MR素子を一対のシールドギャップ
膜を介して一対のシールド膜で挟んだものが知られてい
る。ここで、各シールドギャップ膜はMR素子と各シー
ルド膜とを電気的に絶縁するためのものであり、例え
ば、高い絶縁性を有する酸化アルミニウム(Al
2 3 )により構成される。
【0003】ところで、このような薄膜磁気ヘッドで
は、近年におけるハードディスク装置の面記録密度の向
上に伴って、再生ヘッドの性能向上が求められている。
この再生ヘッドの再生出力を高める方法としては、MR
素子に流すセンス電流を増加させたり、またはMRハイ
トを短くすることが有効である。なお、MRハイトとい
うのは、MR素子のエアベアリング面(記録媒体対向
面)側の端部から反対側の端部までの長さ(高さ)を言
う。
【0004】但し、MR素子に流すセンス電流を増加さ
せると、抵抗により発生するジュール熱が増加するの
で、MR素子の温度が上昇してしまい、逆に再生出力が
低下すると共に、MR素子の寿命も短くなるということ
がある。また、MRハイトを短くしても、MR素子にお
ける抵抗が大きくなり発生するジュール熱が増加するの
で、MR素子の温度が上昇してしまい、同様に、再生出
力が低下し、MR素子の寿命も短くなるということがあ
る。よって、センス電流を増加させ、またはMRハイト
を短くするには、MR素子の温度上昇を防止する必要が
ある。
【0005】ところが、従来は、MR素子に直接接触し
ている各シールドギャップ膜を熱伝導率が低い酸化アル
ミニウムにより構成していたので、MR素子において発
生した熱を効率よく各シールド膜に伝達することができ
ず、MR素子の熱を効率よく放散することができなかっ
た。すなわち、MR素子の温度上昇を防止することがで
きず、センス電流およびMRハイトが制限されてしま
い、十分に再生出力を高くすることができなかった。
【0006】そこで、最近では、各シールドギャップ膜
を高い熱伝導率を有する窒化アルミニウム(AlN)に
より構成することが提案されている(特開平5−205
224号公報)。この先行技術においては、各シールド
ギャップ膜を窒化アルミニウムにより構成することのみ
が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、窒化ア
ルミニウムの熱伝導率は酸化アルミニウムに比べて高い
ものの、再生出力を十分に高くすることができるほどに
は高いとは言えないので、各シールドギャップ膜を単に
窒化アルミニウムにより構成しだけでは、十分な放熱効
果を期待できないという問題があった。
【0008】また、窒化アルミニウムは酸化アルミニウ
ムに比べて硬度が低いので、各シールドギャップ膜を窒
化アルミニウムにより構成したのでは、エアベアリング
面を研磨により形成する際に、各シールドギャップ膜が
各シールド膜およびMR素子に比べてより多く研磨され
てしまい、その部分がエアベアリング面において窪んで
しまうという問題もあった。
【0009】更に、窒化アルミニウムは酸化アルミニウ
ムに比べて残留応力が大きいので、各シールドギャップ
膜を窒化アルミニウムにより構成したのでは、剥離が起
きやすいという問題もあった。
【0010】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その第1の目的は、絶縁膜の熱伝導率を向上させ
た薄膜デバイス、薄膜磁気ヘッドおよび磁気抵抗効果素
子並びにそれらの製造方法を提供することにある。
【0011】また、本発明の第2の目的は、絶縁膜の熱
伝導率および硬度を向上させた薄膜デバイス、薄膜磁気
ヘッドおよび磁気抵抗効果素子並びにそれらの製造方法
を提供することにある。
【0012】更に、本発明の第3の目的は、絶縁膜の熱
伝導率を向上させると共に応力を低減させた薄膜デバイ
ス、薄膜磁気ヘッドおよび磁気抵抗効果素子並びにそれ
らの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による薄膜デバイ
スは、窒化アルミニウムを含有すると共に、窒化アルミ
ニウムの(002)面が膜面に対して垂直方向に配向し
ている絶縁膜を備えたものである。
【0014】本発明による薄膜デバイスでは、絶縁膜に
含有される窒化アルミニウムの(002)面が膜面に対
して垂直方向に配向しているので、複数の結晶面が配向
している場合あるいは無配向となっている窒化アルミニ
ウムを含有する場合に比べて、絶縁膜について更に高い
熱伝導率が得られる。
【0015】なお、本発明による薄膜デバイスでは、絶
縁膜が更にアルゴンを含有していてもよく、この場合、
絶縁膜について高い硬度が得られる。また、例えば、絶
縁膜におけるアルゴンの含有率は0.1原子%以上5原
子%以下の範囲内であることが好ましく、1原子%以上
3原子%以下の範囲内であれば更に好ましく、1.5原
子%以上2.5原子%以下の範囲内であれば特に好まし
い。
【0016】更に、本発明による薄膜デバイスでは、絶
縁膜が更に酸素を含有していてもよく、この場合、応力
が低減する。絶縁膜に含まれる少なくとも一部の酸素
は、アルミニウムおよび窒素のうちの少なくとも一方と
化学的に結合されていてもよい。また、例えば、絶縁膜
における酸素の含有率は1原子%以上25原子%以下の
範囲内であることが好ましく、5原子%以上20原子%
以下の範囲内であれば更に好ましく、10原子%以上2
0原子%以下の範囲内であれば特に好ましい。
【0017】本発明による薄膜磁気ヘッドは、磁気抵抗
効果素子と、この磁気抵抗効果素子を挟んで対向するよ
うに配置され磁気抵抗効果素子をシールドする第1のシ
ールド膜および第2のシールド膜と、この第1のシール
ド膜と磁気抵抗効果素子との間に設けられた第1のシー
ルドギャップ膜と、第2のシールド膜と磁気抵抗効果素
子との間に設けられた第2のシールドギャップ膜とを備
えたものであって、第1のシールドギャップ膜および第
2のシールドギャップ膜の少なくとも一方のうちの少な
くとも一部は、窒化アルミニウムを含有しかつ窒化アル
ミニウムの(002)面が膜面に対して垂直方向に配向
している絶縁膜により構成されたものである。
【0018】本発明による薄膜磁気ヘッドでは、磁気抵
抗効果素子にセンス電流を流すことにより情報を読み出
す。その際、磁気抵抗効果素子では、センス電流により
ジュール熱が発生する。この熱は、第1のシールドギャ
ップ膜および第2のシールドギャップ膜を介して第1の
シールド膜および第2のシールド膜に伝達され、放散さ
れる。ここでは、第1のシールドギャップ膜および第2
のシールドギャップ膜の少なくとも一方のうちの少なく
とも一部が窒化アルミニウムを含有すると共に、その窒
化アルミニウムの(002)面が膜面に対して垂直方向
に配向しているので、第1のシールドギャップ膜および
第2のシールドギャップ膜の少なくとも一方について熱
伝導率が高くなっている。よって、磁気抵抗効果素子に
おいて発生した熱は効率的に放散され、温度の上昇が防
止される。
【0019】なお、本発明による薄膜磁気ヘッドでは、
第1のシールドギャップ膜および第2のシールドギャッ
プ膜の少なくとも一方のうちの少なくとも一部を構成す
る絶縁膜がアルゴンを更に含有していてもよく、この場
合、第1のシールドギャップ膜および第2のシールドギ
ャップ膜の少なくとも一方について硬度が高くなってい
る。よって、磁気抵抗効果素子の長さを研磨により制御
する際に、第1のシールドギャップ膜および前記第2の
シールドギャップ膜が過剰に研磨されることが防止され
る。
【0020】また、本発明による薄膜磁気ヘッドでは、
第1のシールドギャップ膜および第2のシールドギャッ
プ膜の少なくとも一方のうちの少なくとも一部を構成す
る絶縁膜が酸素を更に含有していてもよく、この場合、
第1のシールドギャップ膜および第2のシールドギャッ
プ膜の少なくとも一方について応力が低減する。よっ
て、第1のシールドギャップ膜または第2のシールドギ
ャップ膜における剥離が防止される。
【0021】本発明による磁気抵抗効果素子は、絶縁膜
が少なくとも一部に対して形成されるものであって、絶
縁膜は、窒化アルミニウムを含有しかつ窒化アルミニウ
ムの(002)面が膜面に対して垂直方向に配向してい
るものである。
【0022】本発明による磁気抵抗効果素子では、絶縁
膜に含有される窒化アルミニウムの(002)面が膜面
に対して垂直方向に配向しているので、絶縁膜の熱伝導
率が高くなっている。よって、磁気抵抗効果素子におい
て発生した熱は効率的に放散され、磁気抵抗効果素子の
温度の上昇が防止される。
【0023】なお、本発明による磁気抵抗効果素子で
は、絶縁膜がアルゴンを更に含有していてもよい。この
場合、絶縁膜の硬度が高くなり、製造が容易となる。ま
た、絶縁膜が酸素を更に含有していてもよい。この場
合、絶縁膜の応力が低減し、剥離が防止される。
【0024】本発明による薄膜デバイスの製造方法は、
スパッタリング法を用い、窒化アルミニウムを含有しか
つ窒化アルミニウムの(002)面が膜面に対して垂直
方向に配向している絶縁膜を形成する工程を含むもので
ある。
【0025】本発明による薄膜デバイスの製造方法で
は、スパッタリング法により、窒化アルミニウムを含有
しかつ窒化アルミニウムの(002)面が膜面に対して
垂直方向に配向している絶縁膜が形成される。
【0026】なお、本発明による薄膜デバイスの製造方
法では、アルゴンを含有する雰囲気中においてスパッタ
リングをすることにより、アルゴンを更に含有する絶縁
膜を形成するようにしてもよい。また、酸素を含有する
雰囲気中においてスパッタリングをすることにより、酸
素を更に含有する絶縁膜を形成するようにしてもよい。
【0027】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法
は、第1のシールド膜の上に、第1のシールドギャップ
膜,磁気抵抗効果素子,第2のシールドギャップ膜およ
び第2のシールド膜を順次積層する工程を含むものであ
って、第1のシールドギャップ膜および第2のシールド
ギャップ膜の少なくとも一方のうちの少なくとも一部
を、スパッタリング法を用い、窒化アルミニウムを含有
しかつ膜面に対して垂直方向に窒化アルミニウムの(0
02)面が配向している絶縁膜により形成するものであ
る。
【0028】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法で
は、第1のシールドギャップ膜および第2のシールドギ
ャップ膜の少なくとも一方のうちの少なくとも一部が、
スパッタリング法により、窒化アルミニウムを含有しか
つ窒化アルミニウムの(002)面が膜面に対して垂直
方向に配向している絶縁膜によって形成される。
【0029】なお、本発明による薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、第1のシールドギャップ膜および第2のシー
ルドギャップ膜の少なくとも一方のうちの少なくとも一
部を、アルゴンを含有する雰囲気中においてスパッタリ
ングし、アルゴンを更に含有する絶縁膜により形成する
ようにしてもよい。また、第1のシールドギャップ膜お
よび第2のシールドギャップ膜の少なくとも一方のうち
の少なくとも一部を、酸素を含有する雰囲気中において
スパッタリングし、酸素を更に含有する絶縁膜により形
成するようにしてもよい。
【0030】本発明による磁気抵抗効果素子の製造方法
は、絶縁膜が少なくとも一部に対して形成される磁気抵
抗効果素子を製造するものであって、スパッタリング法
を用い、窒化アルミニウムを含有しかつ窒化アルミニウ
ムの(002)面が膜面に対して垂直方向に配向してい
る絶縁膜を形成するものである。
【0031】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法で
は、スパッタリング法により、窒化アルミニウムを含有
しかつ窒化アルミニウムの(002)面が膜面に対して
垂直方向に配向している絶縁膜が形成される。
【0032】なお、本発明による磁気抵抗効果素子の製
造方法では、アルゴンを含有する雰囲気中においてスパ
ッタリングすることにより、アルゴンを更に含有する絶
縁膜を形成するようにしてもよい。また、酸素を含有す
る雰囲気中においてスパッタリングすることにより、酸
素を更に含有する絶縁膜を形成するようにしてもよい。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0034】図1は本発明の一実施の形態に係る薄膜磁
気ヘッドの断面構成を表すものであり、図2は図1に示
した薄膜磁気ヘッドの平面構造を表すものである。な
お、図1において、(a)はエアベアリング面に垂直な
図2におけるA−A’線断面を表しており、(b)は磁
極部分のエアベアリング面に平行な図2におけるB−
B’線断面を表している。
【0035】この薄膜磁気ヘッドは、基板1の一面(図
1においては上)に、絶縁膜2を介して読み出し用の再
生ヘッド10と書き込み用の記録ヘッド20とが積層さ
れた構造を有している。基板1は、例えば、酸化アルミ
ニウムと炭化チタン(TiC)とを含む複合材料(Al
2 3 ・TiC)により構成されている。絶縁膜2は、
例えば、積層方向の厚さ(以下、厚さと記す。)が約1
〜10μmであり、酸化アルミニウムなどの絶縁材料に
より構成されている。
【0036】再生ヘッド10は、第1のシールド膜1
1,第1のシールドギャップ膜12,MR素子13,第
2のシールドギャップ膜14および第2のシールド膜1
5が絶縁膜2の側から順に積層された構造を有してい
る。第1のシールド膜11および第2のシールド膜15
は、MR素子13を磁気的にシールド(遮蔽)するため
のものであり、MR素子13を挟んで互いに対向するよ
うに配置されている。第1のシールド膜11は、例え
ば、厚さが約0.5〜3μmであり、ニッケル(Ni)
と鉄(Fe)との合金(NiFe合金)などの磁性材料
により構成されている。
【0037】第2のシールド膜15は、例えば、厚さが
約3μmであり、NiFe合金あるいは窒化鉄(Fe
N)などの磁性材料により構成されている。なお、第2
のシールド膜15は単層構造でもよいが、材料が異なる
複数の膜を積層した構造であってもよい。なお、この第
2のシールド膜15は、記録ヘッド20における第1の
磁極としての機能も兼ね備えている。
【0038】第1のシールドギャップ膜12および第2
のシールドギャップ膜14は、第1のシールド膜11お
よび第2のシールド膜15とMR素子13とを電気的に
絶縁するためのものである。例えば、第1のシールドギ
ャップ膜12および第2のシールドギャップ膜14は、
厚さが約10〜100nmであり、窒化アルミニウムを
主成分として含有する絶縁膜によりそれぞれ構成されて
いる。窒化アルミニウムは高い熱伝導率を有する絶縁材
料の1つであり、これにより、MR素子13において発
生する熱を効率的に放散することができるようになって
いる。ちなみに、この絶縁膜は、多くの場合、多結晶に
より構成されている。
【0039】なお、第1のシールドギャップ膜12およ
び第2のシールドギャップ膜14にそれぞれ含有される
窒化アルミニウムは、(002)面が膜面に対して垂直
方法(ここでは基板1の一面に対して垂直方向)に配向
している。複数の結晶面が配向している場合よりも、更
に高い熱伝導率を得ることができるからである。
【0040】また、第1のシールドギャップ膜12およ
び第2のシールドギャップ膜14をそれぞれ構成する各
絶縁膜は、窒化アルミニウムに加えて、少量のアルゴン
(Ar)をそれぞれ含有していることが好ましい。窒化
アルミニウムの硬度は酸化アルミニウムに比べて低い
が、少量のアルゴンを含有することにより、硬度が高く
なるからである。すなわち、例えば、エアベアリング面
3を研磨により形成する際に、第1のシールドギャップ
膜12および第2のシールドギャップ膜14が過剰に研
磨されることを防止できるようになる。
【0041】各絶縁膜におけるアルゴンの含有量は、
0.1原子%以上5原子%以下の範囲内であることが好
ましく、1原子%以上3原子%以下の範囲内であれば更
に好ましく、1.5原子%以上2.5原子%以下の範囲
内であれば特に好ましい。アルゴンの含有量が少ないと
硬度を十分に高くすることができず、アルゴンの含有量
が多いと逆に硬度が低くなってしまうからである。
【0042】更に、第1のシールドギャップ膜12およ
び第2のシールドギャップ膜14をそれぞれ構成する各
絶縁膜は、窒化アルミニウムに加えて、酸素(O)をそ
れぞれ含有していることが好ましい。窒化アルミニウム
は酸化アルミニウムに比べて圧縮応力が大きいが、酸素
を含有することにより、圧縮応力が低減されるからであ
る。すなわち、第1のシールドギャップ膜12および第
2のシールドギャップ膜14における剥離を防止できる
ようになる。なお、酸素は、アルミニウムおよび窒素の
うちの少なくとも一方と化学的に結合された状態で含有
されていてもよく、それらと化学的に結合しない状態で
含有されていてもよい。
【0043】各絶縁膜における酸素の含有量は、1原子
%以上25原子%以下の範囲内であることが好ましく、
5原子%以上20原子%以下の範囲内であれば更に好ま
しく、10原子%以上15原子%以下の範囲内であれば
特に好ましい。酸素の含有量が少ないと応力を十分に低
減させることができず、酸素の含有量が多いと熱伝導率
が低くなってしまうからである。
【0044】MR素子13は、図示しない磁気記録媒体
に書かれた情報を読み取るためのものであり、エアベア
リング面3の側に配置されている。MR素子13として
は、異方性磁気抵抗(以下、AMR(Anisotropic Magn
eto Resistive )と記す。)効果を用いたAMR素子
と、巨大磁気抵抗(以下、GMR(Giant Magneto Resi
stive )と記す。)効果を用いたGMR素子とがあり、
そのどちらにより構成されていてもよい。
【0045】例えば、AMR素子は、AMR効果を有す
るAMR効果膜を備えたものである。このAMR効果膜
は、例えば、MR効果を示す磁性体よりなる単層構造を
有している。また、GMR素子は、GMR効果を有する
GMR効果膜を備えたものである。このGMR効果膜
は、例えば、複数の膜を組み合わせた多層構造を有して
おり、GMR効果が発生するメカニズムに応じてその層
構造が決定されている。例えば、GMR効果膜として
は、超格子GMR効果膜、スピンバルブ膜、その他グラ
ニュラ膜がある。なお、AMR素子とGMR素子とで
は、GMR素子の方が再生出力を3〜5倍程度大きくす
ることができるようになっている。これは、GMR効果
膜はAMR効果膜に比べて同じ外部磁界を加えたときに
大きな抵抗変化を示すからである。
【0046】MRハイト(MR素子13のエアベアリン
グ面3の側の端部から反対側の端部までの長さ)は、例
えば、約0.1〜2.0μmとなっている。このMRハ
イトは再生出力を決定する一要因であり、短いほうが再
生出力が高くなるが、短すぎるとMR素子13の温度上
昇により逆に再生出力が低くなると共に、MR素子13
の寿命も短くなってしまうという特性を有している。よ
って、MRハイトは温度上昇による悪影響を受けない程
度に短い長さであることが好ましい。MR素子13の厚
さは例えば数十nmである。
【0047】このMR素子13には、MR素子13を挟
んで対向するように配置された一対の電極膜16が電気
的にそれぞれ接続されている。これら各電極膜16は、
MR素子13と同様に、第1のシールドギャップ膜12
と第2のシールドギャップ膜14との間にそれぞれ形成
されている。各電極膜16は、例えば、厚さが約数十〜
数百nmであり、永久磁石膜と導電膜とが積層された構
造をそれぞれ有している。例えば、永久磁石膜はコバル
ト(Co)と白金(Pt)との合金(CoPt合金)に
より構成され、導電膜はタンタル(Ta)により構成さ
れている。
【0048】これら各電極膜16には、エアベアリング
面3と反対側において、各引き出し電極膜17がそれぞ
れ電気的に接続されている(図2参照)。これら各引き
出し電極膜17は、各電極膜16からエアベアリング面
3と反対側に向かってそれぞれ延長されており、各電極
膜16と同様に、第1のシールドギャップ膜12と第2
のシールドギャップ膜14との間にそれぞれ形成されて
いる。各引き出し電極膜17は、例えば、厚さが約50
〜100nmであり、銅(Cu)により構成されてい
る。
【0049】記録ヘッド20は、記録ギャップ21,フ
ォトレジスト22,薄膜コイル23,フォトレジスト2
4,薄膜コイル25,フォトレジスト26および第2の
磁極27が第2のシールド膜(第1の磁極)15の側か
ら順に積層された構造を有している。記録ギャップ21
は、例えば、厚さが約0.2〜0.3μmであり、酸化
アルミニウムなどの絶縁材料により構成されている。こ
の記録ギャップ21は、薄膜コイル23,25の中心部
付近に開口(コンタクトホール)21aを有しており、
第2のシールド膜15と第2の磁極27とを接触させて
それらを磁気的に連結させるようになっている。
【0050】フォトレジスト22はスロートハイトを決
定するものであり、その厚さは例えば約1.0〜5.0
μmとなっている。フォトレジスト22は、エアベアリ
ング面3との間に若干の間隔を開けて配置されており、
エアベアリング面3の近傍においては第2の磁極27が
記録ギャップ21に接触するようになっている。また、
フォトレジスト22は、記録ギャップ21の開口21a
に対応する位置に同様の開口22aを有しており、第2
のシールド膜15と第2の磁極27とを接触させるよう
になっている。薄膜コイル23,25は、例えば、厚さ
が約3μmであり、フォトレジスト22に対応する位置
にそれぞれ配置されている。フォトレジスト24,26
は、薄膜コイル23,25の絶縁性を確保するためのも
のであり、薄膜コイル23,25に対応する位置にそれ
ぞれ形成されている。
【0051】第2の磁極27は、例えば、厚さが約3μ
mであり、NiFe合金あるいは窒化鉄などの磁性材料
により構成されている。第2の磁極27は、エアベアリ
ング面3から薄膜コイル23,25の中心部近傍まで延
長されており、エアベアリング面3の近傍においては記
録ギャップ21と接触している。また、薄膜コイル2
3,25の中心部近傍においては第2のシールド膜15
と接触しており、第2のシールド膜15と磁気的に連結
している。
【0052】エアベアリング面3における第2の磁極2
7,記録ギャップ21および第2のシールド膜15のう
ち記録ギャップ21と接触している部分の各位置は、一
列に整っており、いわゆるトリム(Trim)構造となって
いる。この構造は、狭トラックの書き込み時に発生する
磁束の広がりによる実効トラック幅の増加を防止するの
に有効である。
【0053】なお、記録ヘッド20の再生ヘッド10と
反対側(図1においては上)には、全面を覆うようにオ
ーバーコート4が形成されている。オーバーコート4
は、例えば、厚さが20〜30μmであり、酸化アルミ
ニウムなどの絶縁材料により構成されている。ちなみ
に、図2ではオーバーコート4を省略して表している。
【0054】このような構成を有する薄膜磁気ヘッド
は、次のようにして製造することができる。
【0055】図3ないし図9はその各製造工程を表すも
のである。なお、図3ないし図9において、(a)はエ
アベアリング面3に垂直な図2におけるA−A’線に対
応する断面を表しており、(b)は磁極部分のエアベア
リング面3に平行な図2におけるB−B’線に対応する
断面を表している。
【0056】まず、図3に示したように、例えば、酸化
アルミニウムと炭化チタンとを含む複合材料よりなる基
板1の上に、例えばスパッタリング法により、酸化アル
ミニウムなどの絶縁材料よりなる絶縁膜2を形成する。
次いで、絶縁膜2の上に、例えば、スパッタリング法に
より、NiFe合金などの磁性材料よりなる第1のシー
ルド膜11を選択的に形成する。
【0057】続いて、図4に示したように、第1のシー
ルド膜11の上に、例えば、スパッタリング法により、
主成分として窒化アルミニウムを含む絶縁膜よりなる第
1のシールドギャップ膜12を形成する。その際、窒化
アルミニウムの(002)面が膜面に対して垂直方向に
配向するようにする。また、装置内の雰囲気中にアルゴ
ンを含ませることにより、第1のシールドギャップ膜1
2を窒化アルミニウムとアルゴンとを含む絶縁膜により
構成するようにしてもよい。更に、装置内の雰囲気中に
酸素を含ませることにより、第1のシールドギャップ膜
12を窒化アルミニウムと酸素とを含む絶縁膜により構
成するようにしてもよい。
【0058】第1のシールドギャップ膜12を形成した
のち、同様に図4に示したように、その上に、例えばス
パッタリング法により、MR素子13を形成するための
MR効果膜を形成する。MR効果膜を形成したのち、そ
の上に、MR素子13を形成すべき位置に選択的にフォ
トレジストパターン31を形成する。このとき、リフト
オフを容易に行うことができるような形状、例えば断面
形状がT型のフォトレジストパターン31を形成する。
そののち、このフォトレジストパターン31をマスクと
して、例えばイオンミリングによりMR効果膜をエッチ
ングし、MR素子13を形成する。
【0059】MR素子13を形成したのち、図5に示し
たように、第1のシールドギャップ膜12の上に、フォ
トレジストパターン31をマスクとして、例えばスパッ
タリング法により、各電極膜16をそれぞれ選択的に形
成する。各電極膜16は、例えば、CoPt合金よりな
る永久磁石膜とタンタルよりなる導電膜とを積層するこ
とによりそれぞれ形成される。
【0060】各電極膜16をそれぞれ形成したのち、図
6に示したように、フォトレジストパターン31をリフ
トオフする。そののち、ここでは図示しないが、第1の
シールドギャップ膜12の上に、例えばスパッタリング
法により、銅よりなる各取り出し電極膜17(図2)を
それぞれ選択的に形成する。
【0061】各取り出し電極膜17をそれぞれ形成した
のち、図7に示したように、第1のシールドギャップ膜
12,MR素子13,各電極膜16および各引き出し電
極膜17の上に、第1のシールドギャップ膜12と同様
にして、第2のシールドギャップ膜14を形成する。そ
ののち、第2のシールドギャップ膜14の上に、例えば
スパッタリング法により、NiFe合金あるいは窒化鉄
などの磁性材料よりなる第2のシールド膜15を選択的
に形成する。
【0062】第2のシールド膜15を形成したのち、図
8に示したように、例えば、スパッタリング法により、
酸化アルミニウムなどの絶縁材料よりなる記録ギャップ
21をその上に形成する。そののち、記録ギャップ21
の上に、リソグラフィ技術により、フォトレジスト22
を選択的に形成する。次いで、フォトレジスト22の上
に、例えばスパッタリング法により、薄膜コイル23を
選択的に形成する。続いて、フォトレジスト22および
薄膜コイル23の上に、フォトレジスト22と同様にし
て、フォトレジスト24を選択的に形成し、その上に、
薄膜コイル23と同様にして、薄膜コイル25を選択的
に形成する。更に、フォトレジスト24および薄膜コイ
ル25の上に、フォトレジスト22と同様にして、フォ
トレジスト26を選択的に形成する。
【0063】フォトレジスト26を形成したのち、図9
に示したように、記録ギャップ21を部分的にエッチン
グし、薄膜コイル23,25の中心部近傍に開口21a
を形成する。そののち、記録ギャップ21、フォトレジ
スト22,24,26の上に、例えばスパッタリング法
により、NiFe合金あるいは窒化鉄などの磁性材料よ
りなる第2の磁極27を選択的に形成する。
【0064】第2の磁極27を形成したのち、この第2
の磁極27をマスクとして、例えば、イオンミリングに
より、記録ギャップ21および第2のシールド膜15の
一部をエッチングする。そののち、第2の磁極27の上
に、例えばスパッタリング法により、酸化アルミニウム
よりなるオーバーコート4を形成する。最後に、スライ
ダの機械加工を行って、記録ヘッド20および再生ヘッ
ド10のエアベアリング面3を形成する。ここにおい
て、第1のシールドギャップ膜12および第2のシール
ドギャップ膜14を窒化アルミニウムとアルゴンとを含
む絶縁膜によりそれぞれ構成するようにすれば、それら
が高い硬度を有するようになるので、機械加工の際にそ
れらが過剰に研磨されることが防止される。これによ
り、図1に示した薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0065】このようにして製造された薄膜磁気ヘッド
では、記録ヘッド20の薄膜コイル23,25に電流を
流すことにより、書き込み用の磁束を発生させ、図示し
ない磁気記録媒体に情報を記録する。また、再生ヘッド
10のMR素子13にセンス電流を流し、図示しない磁
気記録媒体から洩れる磁束を検出することにより、図示
しない磁気記録媒体に記録されている情報を読み出す。
【0066】その際、MR素子13では、センス電流に
よりジュール熱が発生する。但し、ここでは、第1のシ
ールドギャップ膜12および第2のシールドギャップ膜
14が窒化アルミニウムを含有しかつ窒化アルミニウム
の(002)面が膜面に対して垂直方向に配向している
絶縁膜によりそれぞれ構成されているので、それらは高
い熱伝導率を有している。よって、MR素子13におい
て発生した熱は、第1のシールドギャップ膜12および
第2のシールドギャップ膜14を介して第1のシールド
膜11および第2のシールド膜15に効率的に伝達さ
れ、効率的に放散される。従って、MR素子13の温度
上昇が防止される。すなわち、再生出力が高くなり、寿
命が延長される。
【0067】また、この薄膜磁気ヘッドでは、第1のシ
ールドギャップ膜12および第2のシールドギャップ膜
14を窒化アルミニウムと酸素とを含有する絶縁膜によ
りそれぞれ構成するようにすれば、それらの圧縮応力が
低減される。よって、第1のシールドギャップ膜12お
よび第2のシールドギャップ膜14における剥離が防止
され、品質が向上すると共に、寿命が延長される。
【0068】このように本実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドによれば、窒化アルミニウムを含有し、かつ窒化ア
ルミニウムの(002)面が膜面に対して垂直方向に配
向している絶縁膜により第1のシールドギャップ膜12
および第2のシールドギャップ膜14をそれぞれ構成す
るようにしたので、それらの熱伝導率を高くすることが
できる。よって、読み出しの際にMR素子13において
発生した熱を第1のシールドギャップ膜12および第2
のシールドギャップ膜14を介して第1のシールド膜1
1および第2のシールド膜15に効率的に伝達し、放散
することができる。従って、MR素子13の温度上昇を
防止することができ、再生出力を高くすることができる
と共に、寿命を延長させることができる。
【0069】また、窒化アルミニウムとアルゴンとを含
む絶縁膜により第1のシールドギャップ膜12および第
2のシールドギャップ膜14をそれぞれ構成するように
すれば、それらの硬度を高くすることができる。よっ
て、エアベアリング面3を機械加工により形成する際
に、第1のシールドギャップ膜12および第2のシール
ドギャップ膜14が過剰に研磨されることを防止するこ
とができる。
【0070】更に、窒化アルミニウムと酸素とを含有す
る絶縁膜により第1のシールドギャップ膜12および第
2のシールドギャップ膜14をそれぞれ構成するように
すれば、それらの圧縮応力を低減させることができる。
よって、第1のシールドギャップ膜12および第2のシ
ールドギャップ膜14における剥離を防止することがで
き、品質が向上すると共に、寿命を延長させることがで
きる。
【0071】加えて、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法によれば、第1のシールドギャップ膜12
および第2のシールドギャップ膜14をそれぞれ形成す
る際に、スパッタリング法を用い、窒化アルミニウムの
(002)面が膜面に対して垂直方向に配向するように
したので、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドを容易に
製造することができる。
【0072】更にまた、その際に、装置内の雰囲気中に
アルゴンを含ませるようにすれば、容易に窒化アルミニ
ウムとアルゴンとを含有する絶縁膜を形成することがで
き、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドを容易に製造す
ることができる。加えてまた、その際に、装置内の雰囲
気中に酸素を含ませるようにすれば、容易に窒化アルミ
ニウムと酸素とを含有する絶縁膜を形成することがで
き、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドを容易に製造す
ることができる。
【0073】
【実施例】更に、本発明の具体的な実施例について詳細
に説明する。
【0074】(第1の実施例)本実施例では、上記実施
の形態において説明した再生ヘッド10の部分につい
て、第1のシールドギャップ膜12および第2のシール
ドギャップ膜14を、窒化アルミニウムの(002)面
が膜面に対して垂直方向に配向している絶縁膜により形
成し、その特性を調べた。よって、ここでは、図1を参
照し、上記実施の形態と同一の符号を用いて説明する。
【0075】まず、酸化アルミニウムと炭化チタンとを
含む複合材料よりなる基板1の上に、酸化アルミニウム
よりなる絶縁膜2を介して、スパッタリング法により、
厚さ2μmのNiFe合金よりなる第1のシールド膜1
1を形成した。次いで、第1のシールド膜11の上に、
RF(Radio Frequency )マグネトロンスパッタリング
法により、厚さ70nmの窒化アルミニウムを主として
含有する多結晶の絶縁膜よりなる第1のシールドギャッ
プ膜12を形成した。その際、ターゲットにはアルミニ
ウムを用い、装置内はアルゴンガスと窒素ガスとの混合
ガス雰囲気とした。また、基板1に印加するバイアス電
圧を調節して窒化アルミニウムの結晶の向きを制御し
た。ここでは、バイアス電圧を0Vとし、窒化アルミニ
ウムの(002)面が膜面に対して垂直方向に配向する
ようにした。
【0076】ここで、このようにして形成した第1のシ
ールドギャップ膜12について、X線回折により窒化ア
ルミニウムの配向を調べた。図10にそのX線回折パタ
ーンを示す。このように、X線回折パターンには窒化ア
ルミニウムの(002)面を示すピークのみが現れ、他
のピークは現れなかった。すなわち、この第1のシール
ドギャップ膜12では、窒化アルミニウムの(002)
面が膜面に対して垂直方向に配向していることが確認さ
れた。
【0077】なお、比較例として、印加するバイアス電
圧を−100Vとしたことを除き、本実施例と同一条件
により第1のシールドギャップ膜を形成し、その配向を
X線回折により調べた。図11にそのX線回折パターン
を示す。このように、X線回折パターンには窒化アルミ
ニウムの(100)面,(002)面,(101)面お
よび(102)面を示すピークが現れた。すなわち、こ
の第1のシールドギャップ膜12では、窒化アルミニウ
ムの複数の面が膜面に対して垂直方向に配向しているこ
とが確認された。これにより、スパッタリングにおいて
印加電圧を調節すれば、窒化アルミニウムの結晶の向き
を制御できることが分かった。
【0078】そののち、第1のシールドギャップ膜12
の上に、スパッタリング法により、厚さ12nmのニッ
ケルと鉄とクロム(Cr)との合金膜,厚さ7.5nm
のタンタル膜および厚さ12nmのNiFe合金膜を順
次積層し、それらを選択的にエッチングしてMR素子1
3を形成した。MR素子13を形成したのち、第1のシ
ールドギャップ膜12の上に、例えばスパッタリング法
により、厚さ50nmのCoPt合金よりなる永久磁石
膜と厚さ100nmのタンタルよりなる導電膜とを順次
積層し、各電極膜16をそれぞれ選択的に形成した。
【0079】各電極膜16をそれぞれ形成したのち、第
1のシールドギャップ膜12の上に、スパッタリング法
により、厚さ100nmの銅よりなる各取り出し電極膜
17をそれぞれ選択的に形成した。各取り出し電極膜1
7をそれぞれ形成したのち、第1のシールドギャップ膜
12,MR素子13,各電極膜16および各引き出し電
極膜17の上に、第1のシールドギャップ膜12と同様
にして、第2のシールドギャップ膜14を形成した。
【0080】第2のシールドギャップ膜14を形成した
のち、その上に、スパッタリング法により、NiFe合
金よりなる第2のシールド膜15を選択的に形成した。
そののち、スライダの機械加工によりエアベアリング面
3を形成した。なお、その際、MRハイトを異ならせ、
MR素子13の抵抗が異なるものを複数形成した。これ
により、MR素子13の抵抗が異なる複数の再生ヘッド
10をそれぞれ完成した。
【0081】このようにして形成した各再生ヘッド10
について、まず、各MR素子13の抵抗に関する温度係
数をそれぞれ求めた。具体的には、形成した各再生ヘッ
ド10を加熱装置内に挿入して温度を上昇させ、所定の
温度ごとに温度上昇が無視できる程度に小さい1mAの
直流電流を各MR素子13に流して各MR素子13の抵
抗の変化を測定し、その温度係数をそれぞれ求めた。
【0082】次いで、各再生ヘッド10について各MR
素子13に10mAのセンス電流を流し、各MR素子1
3の抵抗の変化をそれぞれ測定した。その結果と先に求
めた各温度係数とから、各MR素子13の温度を求め
た。図12にMR素子13の抵抗と温度との関係を示
す。なお、この関係から、センス電流を流した時にMR
素子13の抵抗に応じて発生した熱がどの程度放散され
たかを見ることができる。すなわち、MR素子13の温
度上昇の程度が大きければ放散効率は低く、温度上昇の
程度が小さければ放散効率は高いことが分かる。
【0083】また、比較例として、窒化アルミニウムの
複数の面が膜面に対して垂直方向に配向している絶縁膜
により第1のシールドギャップ膜および第2のシールド
ギャップ膜をそれぞれ形成したことを除き、本実施例と
同一の条件により再生ヘッドを形成した。この比較例に
ついても、本実施例と同様にしてMR素子の抵抗と温度
との関係を調べた。その結果を同様に図12に示す。
【0084】図12から、本実施例の方が比較例に比べ
て各MR素子13の温度上昇の程度が低く、MR素子1
3において発生した熱を効率よく放散できることが分か
った。すなわち、窒化アルミニウムの(002)面を膜
面に対して垂直方向に配向させた方が熱伝導率を高くで
きることが分かった。
【0085】(第2の実施例)本実施例では、窒化アル
ミニウムとアルゴンとを含有する絶縁膜を形成し、その
特性を調べた。
【0086】試験用基板の上に、RFマグネトロンスパ
ッタリング法により、窒化アルミニウムを主として含有
すると共に少量のアルゴンを含有する多結晶の絶縁膜を
形成した。その際、ターゲットにはアルミニウムを用
い、装置内はアルゴンガスと窒素ガスとの混合ガス雰囲
気とした。また、印加するバイアス電圧を変化させ、ア
ルゴンの含有量が異なるものを複数形成した。なお、本
実施例においても、バイアス電圧を調節することによ
り、窒化アルミニウムの(002)面が膜面に対して垂
直方向に配向するようにした。
【0087】このようにして形成した各絶縁膜につい
て、蛍光X線分析によりアルゴンの含有量をそれぞれ測
定した。また、各絶縁膜について、ビッカース硬度計に
より硬度をそれぞれ測定した。図13にアルゴンの含有
量と硬度との関係を示す。図13から、アルゴンの含有
量が少ないと硬度を十分に高くすることができず、アル
ゴンの含有量が多いと逆に硬度が低くなってしまうこと
が分かった。具体的には、アルゴンの含有量は0.1原
子%以上5原子%以下の範囲内が好ましく、1原子%以
上3原子%以下の範囲内であれば更に好ましく、1.5
原子%以上2.5原子%以下の範囲内であれば特に好ま
しいことが分かった。
【0088】(第3の実施例)本実施例では、上記実施
の形態において説明した再生ヘッド10の部分につい
て、第1のシールドギャップ膜12および第2のシール
ドギャップ膜14を、窒化アルミニウムと酸素とを含有
する絶縁膜により形成し、その特性を調べた。よって、
ここでは、図1を参照し、上記実施の形態と同一の符号
を用いて説明する。
【0089】まず、第1の実施例と同様にして、基板1
の上に、絶縁膜2を介して第1のシールド膜11を形成
した。次いで、第1の実施例と同様にして、窒化アルミ
ニウムと酸素とを含有する絶縁膜よりなる第1のシール
ドギャップ膜12を形成した。但し、その際、装置内は
アルゴンガスと窒素ガスと酸素ガスとの混合ガス雰囲気
とし、酸素ガスの濃度を変化させることにより第1のシ
ールドギャップ膜12における酸素の含有量が異なるも
のを複数形成した。ちなみに、本実施例においても、窒
化アルミニウムの(002)面が膜面に対して垂直方向
に配向するようにした。ここで、このようにして形成し
た各第1のシールドギャップ膜12について、蛍光X線
分析により酸素の含有量をそれぞれ測定した。
【0090】続いて、第1の実施例と同様にして、MR
素子13,各電極膜16および各引き出し電極膜17を
それぞれ順次形成した。そののち、第1のシールドギャ
ップ膜12と同様にして、第2のシールドギャップ膜1
4をそれぞれ形成した。第2のシールドギャップ膜14
を形成したのち、第1の実施例と同様にして、第2のシ
ールド膜15およびエアベアリング面3をそれぞれ形成
した。これにより、第1のシールドギャップ膜12およ
び第2のシールドギャップ膜14における酸素の含有量
が異なる複数の再生ヘッド10をそれぞれ完成した。
【0091】このようにして形成した各再生ヘッド10
について、第1の実施例と同様にして、10mAのセン
ス電流を流したときの各MR素子13の抵抗の変化をそ
れぞれ測定し、各MR素子13の温度をそれぞれ求め
た。図14に酸素の含有量とMR素子の温度との関係を
示す。
【0092】また、シリコン(Si)よりなる基板の上
に、上述の第1のシールドギャップ層11と同様にし
て、窒化アルミニウムと酸素とを含有しかつ窒化アルミ
ニウムの(002)面が膜面に対して垂直方向に配向し
ている絶縁膜を形成した。なお、ここでも、酸素の含有
量が異なるものを複数形成した。そののち、この絶縁膜
について、蛍光X線分析により酸素の含有量をそれぞれ
測定すると共に、基板のそり量から応力を測定した。図
14に酸素の含有量と応力との関係もあわせて示す。
【0093】図14から、酸素の含有量が少ないと応力
を十分に低減させることができず、酸素の含有量が多い
と熱伝導率が低くなってしまうことが分かった。具体的
には、酸素の含有量は1原子%以上25原子%以下の範
囲内が好ましく、5原子%以上20原子%以下の範囲内
であれば更に好ましく、10原子%以上15原子%以下
の範囲内であれば特に好ましいことが分かった。
【0094】以上、実施の形態および各実施例を挙げて
本発明を説明したが、本発明は、上記実施の形態および
各実施例に限定されるものではなく、種々変形させるこ
とができる。例えば、上記実施の形態では、第1のシー
ルドギャップ膜12および第2のシールドギャップ膜1
4の全体を、窒化アルミニウムを含有しかつ窒化アルミ
ニウムの(002)面が膜面に対して垂直方向に配向し
ている絶縁膜により構成するようにしたが、それらの少
なくとも一方のうちの少なくとも一部をこのような絶縁
膜により構成するようにしてもよい。また、窒化アルミ
ニウムに加えてアルゴンまたは酸素またはその両方を含
有する絶縁膜により構成する場合も同様である。
【0095】更に、上記実施の形態では、第1のシール
ドギャップ膜12および第2のシールドギャップ膜14
をこれらの絶縁膜により構成する場合について説明した
が、絶縁膜2,記録ギャップ21,フォトレジスト2
2,24,26あるいはオーバーコート4をこれらの絶
縁膜により構成するようにしてもよい。
【0096】加えて、上記実施の形態では、薄膜磁気ヘ
ッドについて本発明を適用する場合について説明した
が、本発明は、絶縁膜を備えた薄膜デバイスについて広
く適用され、特に、放熱性が問題となる場合に有効であ
る。
【0097】また、上記実施の形態では、基板1の側に
再生ヘッド10を形成し、その上に記録ヘッド20を積
層させた構造の薄膜磁気ヘッドについて説明したが、基
板1の側に記録ヘッドを形成し、その上に再生ヘッドを
積層した構造とするようにしてもよい。
【0098】また、上記実施の形態では、本発明の磁気
抵抗効果素子を薄膜磁気ヘッドに適用した例について説
明したが、その他、例えば加速度検出に用いるMRセン
サなどにも適用可能である。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし10
のいずれか1に記載の薄膜デバイスによれば、窒化アル
ミニウムの(002)面が膜面に対して垂直方向に配向
している絶縁膜を備えるようにしたので、絶縁膜の熱伝
導率を高くすることができる。よって、薄膜デバイスに
おいて発生した熱を効率的に放散することができ、薄膜
デバイスの温度が上昇することを防止することができる
という効果を奏する。
【0100】特に、請求項2ないし10のいずれか1に
記載の薄膜デバイスによれば、絶縁膜が更にアルゴンを
含有するようにしたので、絶縁膜の硬度を高くすること
ができる。よって、薄膜デバイスの加工が容易となると
いう効果を奏する。
【0101】また、請求項6ないし10のいずれか1に
記載の薄膜デバイスによれば、絶縁膜が更に酸素を含有
するようにしたので、絶縁膜の応力を低減させることが
できる。よって、絶縁膜における剥離を防止することが
でき、薄膜デバイスの品質が向上すると共に、寿命を延
長させることができるという効果を奏する。
【0102】更に、請求項11ないし13のいずれか1
に記載の薄膜磁気ヘッドによれば、第1のシールドギャ
ップ膜および第2のシールドギャップ膜の少なくとも一
方のうちの少なくとも一部を、窒化アルミニウムの(0
02)面が膜面に対して垂直方向に配向している絶縁膜
により構成するようにしたので、第1のシールドギャッ
プ膜および第2のシールドギャップ膜の少なくとも一方
の熱伝導率を高くすることができる。よって、読み出し
の際に磁気抵抗効果素子において発生した熱を第1のシ
ールドギャップ膜および第2のシールドギャップ膜を介
して第1のシールド膜および第2のシールド膜に効率的
に伝達し、放散することができる。従って、磁気抵抗効
果素子の温度が上昇することを防止でき、再生出力を高
くすることができると共に、寿命を延長させることがで
きるという効果を奏する。
【0103】特に、請求項12または13記載の薄膜磁
気ヘッドによれば、第1のシールドギャップ膜および第
2のシールドギャップ膜の少なくとも一方のうちの少な
くとも一部を、更にアルゴンを含有する絶縁膜により構
成するようにしたので、第1のシールドギャップ膜およ
び第2のシールドギャップ膜の少なくとも一方の硬度を
高くすることができる。よって、エアベアリング面を機
械加工により形成する際に、第1のシールドギャップ膜
および第2のシールドギャップ膜が過剰に研磨されるこ
とを防止することができるという効果を奏する。
【0104】また、請求項13記載の薄膜磁気ヘッドに
よれば、第1のシールドギャップ膜および第2のシール
ドギャップ膜の少なくとも一方のうちの少なくとも一部
を、更に酸素を含有する絶縁膜により構成するようにし
たので、第1のシールドギャップ膜および第2のシール
ドギャップ膜の少なくとも一方の応力を低減することが
できる。よって、第1のシールドギャップ膜および第2
のシールドギャップ膜における剥離を低減させることが
でき、品質が向上すると共に、寿命を延長させることが
できるという効果を奏する。
【0105】加えて、請求項14ないし16のいずれか
1に記載の磁気抵抗効果素子によれば、絶縁膜において
窒化アルミニウムの(002)面が膜面に対して垂直方
向に配向するようにしたので、絶縁膜の熱伝導率を高く
することができる。よって、磁気抵抗効果素子において
発生した熱を効率的に放散することができ、磁気抵抗効
果素子の温度が上昇することを防止することができると
いう効果を奏する。
【0106】特に、請求項15または16記載の磁気抵
抗効果素子によれば、絶縁膜が更にアルゴンを含有する
ようにしたので、絶縁膜の硬度を高くすることができ
る。よって、磁気抵抗効果素子の加工が容易となるとい
う効果を奏する。
【0107】また、請求項16記載の磁気抵抗効果素子
によれば、絶縁膜が更に酸素を含有するようにしたの
で、絶縁膜の応力を低減させることができる。よって、
絶縁膜における剥離を防止することができ、磁気抵抗効
果素子の品質が向上すると共に、寿命を延長させること
ができるという効果を奏する。
【0108】更にまた、請求項17ないし19のいずれ
か1に記載の薄膜デバイスの製造方法または請求項20
ないし22のいずれか1に記載の薄膜磁気ヘッドの製造
方法または請求項23ないし25のいずれか1に記載の
磁気抵抗効果素子の製造方法によれば、スパッタリング
により、窒化アルミニウムの(002)面を膜面に対し
て垂直方向に配向させるようにしたので、本発明の薄膜
デバイスまたは薄膜磁気ヘッドを容易に製造することが
できる。よって、本発明の薄膜デバイスまたは薄膜磁気
ヘッドまたは磁気抵抗効果素子を容易に実現することが
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの
構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した薄膜磁気ヘッドの構成を表す平面
図である。
【図3】図1に示した薄膜磁気ヘッドの一製造工程を表
す断面図である。
【図4】図3に続く製造工程を表す断面図である。
【図5】図4に続く製造工程を表す断面図である。
【図6】図5に続く製造工程を表す断面図である。
【図7】図6に続く製造工程を表す断面図である。
【図8】図7に続く製造工程を表す断面図である。
【図9】図8に続く製造工程を表す断面図である。
【図10】本発明の第1の実施例における第1のシール
ドギャップ膜のX線回折パターンである。
【図11】比較例のX線回折パターンである。
【図12】本発明の第1の実施例におけるMR素子の抵
抗と温度との関係を表す特性図である。
【図13】本発明の第2の実施例におけるアルゴンの含
有量と硬度との関係を表す特性図である。
【図14】本発明の第3の実施例における酸素の含有量
と応力とMR素子の温度との関係を表す特性図である。
【符号の説明】
1…基板、2…絶縁膜、3…エアベアリング面、4…オ
ーバーコート、10…再生ヘッド、11…第1のシール
ド膜、12…第1のシールドギャップ膜、13…MR素
子、14…第2のシールドギャップ膜、15…第2のシ
ールド膜、16…電極膜、17…引き出し電極膜、20
…記録ヘッド、21…記録ギャップ、22,24,26
…フォトレジスト、23,25…薄膜コイル、27…第
2の磁極、31…フォトレジストパターン

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化アルミニウムを含有すると共に、窒
    化アルミニウムの(002)面が膜面に対して垂直方向
    に配向している絶縁膜を備えたことを特徴とする薄膜デ
    バイス。
  2. 【請求項2】 前記絶縁膜は、更に、アルゴンを含有す
    ることを特徴とする請求項1記載の薄膜デバイス。
  3. 【請求項3】 前記絶縁膜は、アルゴンを0.1原子%
    以上5原子%以下の範囲内で含有することを特徴とする
    請求項2記載の薄膜デバイス。
  4. 【請求項4】 前記絶縁膜は、アルゴンを1原子%以上
    3原子%以下の範囲内で含有することを特徴とする請求
    項2記載の薄膜デバイス。
  5. 【請求項5】 前記絶縁膜は、アルゴンを1.5原子%
    以上2.5原子%以下の範囲内で含有することを特徴と
    する請求項2記載の薄膜デバイス。
  6. 【請求項6】 前記絶縁膜は、更に、酸素を含有するこ
    とを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1に記載の
    薄膜デバイス。
  7. 【請求項7】 前記絶縁膜は、少なくとも一部の酸素
    を、アルミニウムおよび窒素のうちの少なくとも一方と
    化学的に結合された状態で含有することを特徴とする請
    求項6記載の薄膜デバイス。
  8. 【請求項8】 前記絶縁膜は、酸素を1原子%以上25
    原子%以下の範囲内で含有することを特徴とする請求項
    6または7記載の薄膜デバイス。
  9. 【請求項9】 前記絶縁膜は、酸素を5原子%以上20
    原子%以下の範囲内で含有することを特徴とする請求項
    6または7記載の薄膜デバイス。
  10. 【請求項10】 前記絶縁膜は、酸素を10原子%以上
    15原子%以下の範囲内で含有することを特徴とする請
    求項6または7記載の薄膜デバイス。
  11. 【請求項11】 磁気抵抗効果素子と、この磁気抵抗効
    果素子を挟んで対向するように配置され前記磁気抵抗効
    果素子をシールドする第1のシールド膜および第2のシ
    ールド膜と、この第1のシールド膜と前記磁気抵抗効果
    素子との間に設けられた第1のシールドギャップ膜と、
    前記第2のシールド膜と前記磁気抵抗効果素子との間に
    設けられた第2のシールドギャップ膜とを備えた薄膜磁
    気ヘッドであって、 前記第1のシールドギャップ膜および前記第2のシール
    ドギャップ膜の少なくとも一方のうちの少なくとも一部
    は、窒化アルミニウムを含有しかつ窒化アルミニウムの
    (002)面が膜面に対して垂直方向に配向している絶
    縁膜により構成されたことを特徴とする薄膜磁気ヘッ
    ド。
  12. 【請求項12】 前記絶縁膜は、更に、アルゴンを含有
    することを特徴とする請求項11記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  13. 【請求項13】 前記絶縁膜は、更に、酸素を含有する
    ことを特徴とする請求項11または12記載の薄膜磁気
    ヘッド。
  14. 【請求項14】 絶縁膜が少なくとも一部に対して形成
    される磁気抵抗効果素子であって、 前記絶縁膜は、窒化アルミニウムを含有しかつ窒化アル
    ミニウムの(002)面が膜面に対して垂直方向に配向
    していることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  15. 【請求項15】 前記絶縁膜は、更に、アルゴンを含有
    することを特徴とする請求項14記載の磁気抵抗効果素
    子。
  16. 【請求項16】 前記絶縁膜は、更に、酸素を含有する
    ことを特徴とする請求項14または15記載の磁気抵抗
    効果素子。
  17. 【請求項17】 スパッタリング法を用い、窒化アルミ
    ニウムを含有しかつ窒化アルミニウムの(002)面が
    膜面に対して垂直方向に配向している絶縁膜を形成する
    工程を含むことを特徴とする薄膜デバイスの製造方法。
  18. 【請求項18】 アルゴンを含む雰囲気中においてスパ
    ッタリングをすることにより、アルゴンを更に含有する
    絶縁膜を形成することを特徴とする請求項17記載の薄
    膜デバイスの製造方法。
  19. 【請求項19】 酸素を含む雰囲気中においてスパッタ
    リングをすることにより、酸素を更に含有する絶縁膜を
    形成することを特徴とする請求項17または18記載の
    薄膜デバイスの製造方法。
  20. 【請求項20】 第1のシールド膜の上に、第1のシー
    ルドギャップ膜,磁気抵抗効果素子,第2のシールドギ
    ャップ膜および第2のシールド膜を順次積層する工程を
    含む薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、 第1のシールドギャップ膜および第2のシールドギャッ
    プ膜の少なくとも一方のうちの少なくとも一部を、スパ
    ッタリング法を用い、窒化アルミニウムを含有しかつ窒
    化アルミニウムの(002)面が膜面に対して垂直方向
    に配向している絶縁膜により形成することを特徴とする
    薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  21. 【請求項21】 第1のシールドギャップ膜および第2
    のシールドギャップ膜の少なくとも一方のうちの少なく
    とも一部を、アルゴンを含む雰囲気中においてスパッタ
    リングし、アルゴンを更に含有する絶縁膜により形成す
    ることを特徴とする請求項20記載の薄膜磁気ヘッドの
    製造方法。
  22. 【請求項22】 第1のシールドギャップ膜および第2
    のシールドギャップ膜の少なくとも一方のうちの少なく
    とも一部を、酸素を含む雰囲気中においてスパッタリン
    グし、酸素を更に含有する絶縁膜により形成することを
    特徴とする請求項20または21記載の薄膜磁気ヘッド
    の製造方法。
  23. 【請求項23】 絶縁膜が少なくとも一部に対して形成
    される磁気抵抗効果素子の製造方法であって、 スパッタリング法を用い、窒化アルミニウムを含有しか
    つ窒化アルミニウムの(002)面が膜面に対して垂直
    方向に配向している絶縁膜を形成することを特徴とする
    磁気抵抗効果素子の製造方法。
  24. 【請求項24】 アルゴンを含む雰囲気中においてスパ
    ッタリングをすることにより、アルゴンを更に含有する
    絶縁膜を形成することを特徴とする請求項23記載の磁
    気抵抗効果素子の製造方法。
  25. 【請求項25】 酸素を含む雰囲気中においてスパッタ
    リングをすることにより、酸素を更に含有する絶縁膜を
    形成することを特徴とする請求項23または24記載の
    磁気抵抗効果素子の製造方法。
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