JP3511371B2 - 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浮上型の薄膜磁気
ヘッドスライダに設けられる例えば記録用ヘッドと再生
用ヘッドとの複合型薄膜磁気ヘッドに係り、特にギャッ
プ層の記録媒体との対向面からの突き出し量を従来に比
べて抑制することが可能な薄膜磁気ヘッド及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図11は、従来の薄膜磁気ヘッドの縦断
面図である。
【0003】この薄膜磁気ヘッドは、例えば浮上式ヘッ
ドを構成するスライダのトレーリング側端面に磁気抵抗
効果を利用した再生用ヘッド(MRヘッド)h1と、記
録用のインダクティブヘッドh2とが積層されている。
【0004】再生用ヘッドh1では、センダストやNi
Fe合金(パーマロイ)などにより形成された下部シー
ルド層1上に、Al23(アルミナ)などの非磁性材料
による下部ギャップ層が形成され、その上に磁気抵抗効
果素子2が成膜されている。前記磁気抵抗効果素子2
は、例えばスピンバルブ型磁気抵抗効果素子に代表され
るGMR素子やあるいはAMR素子であり、記録媒体か
らの外部磁界の影響を受けて電気抵抗が変化し、これに
よって記録信号を再生できるようになっている。
【0005】前記磁気抵抗効果素子2の上には、アルミ
ナなどの非磁性材料による上部ギャップ層が形成され、
さらに前記上部ギャップ層の上に、磁性材料製の下部コ
ア層3がメッキ形成されている。
【0006】前記下部コア層3の上には、Ta25やS
iO2で形成されたギャップ層9が形成されており、前
記ギャップ層9の上に有機絶縁材料などで形成された絶
縁層5を介してコイル層6が螺旋状にパターン形成され
ている。前記コイル層6の上には、有機絶縁材料などで
形成された絶縁層7が形成され、前記絶縁層7の上に磁
性材料で形成された上部コア層8がパターン形成されて
いる。
【0007】図11に示すように前記上部コア層8の先
端部8aは、記録媒体との対向面にて、下部コア層3上
にギャップ層9を介して対向し、基端部8bは下部コア
層3上に磁気的に接続されている。
【0008】図11に示す薄膜磁気ヘッドの製造では、
Al23−TiC(アルミナ−チタンカーバイト)で形
成された薄膜磁気ヘッドスライダのトレーリング側端面
に、図11に示す薄膜磁気ヘッドを成膜した後、記録媒
体との対向面をラップ加工するなどして前記薄膜磁気ヘ
ッドスライダの加工工程が行なわれる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記したよう
に従来では、下部コア層3と上部コア層8間に介在する
ギャップ層9はTa25膜やSiO2膜で形成されてい
た。その理由は、図11に示す上部コア層8を形成後、
インダクティブヘッドh2から記録媒体に記録信号が書
き込まれるときにサイドフリンジングが発生しないよ
う、前記上部コア層8及び下部コア層3に対しトリミン
グ工程が行なわれるが、このとき前記ギャップ層9をS
iO2膜で形成すると、反応性イオンエッチングにより
余分なギャップ層9を適切に除去でき、適切なトリミン
グを行うことが可能だからである。
【0010】しかしながら前記ギャップ層9をTa25
膜やSiO2膜で形成すると以下のような問題が発生す
ることがわかった。
【0011】Ta25膜やSiO2膜は、磁性材料で形
成された下部コア層3及び上部コア層8に比べて弾性率
が低いために、上記した薄膜磁気ヘッドスライダの加工
工程において、記録媒体との対向面をラップ加工してい
る最中、前記ギャップ層9は、前記対向面よりもハイト
方向(図示Y方向)に押し込められた状態で、他の層
(コア層3,8等)の前記対向面が削られていく。
【0012】したがって、前記ラップ工程を終了する
と、ハイト方向に押し込められていたギャップ層9は復
元力によって記録媒体との対向面よりも記録媒体側(図
示Y方向と反対方向)に突き出してしまう。
【0013】前記突き出し量T1は、数nm〜十数nm
程度であるが、このようなギャップ層9の突き出しの問
題は、特に今後の高記録密度化において、益々薄膜磁気
ヘッドスライダと記録媒体間の浮上量が小さくなると、
前記ギャップ層9の突き出した部分が前記記録媒体に衝
突する可能性が高まってしまう。このため前記ギャップ
層9をできる限り記録媒体との対向面から突き出さない
ようにする必要性が生じる。
【0014】本発明は上記問題点を解決するためのもの
であり、特にギャップ層の材質あるいはヤング率を適切
に調整することで、ギャップ層の突き出し量を従来に比
べて小さくすることができる薄膜磁気ヘッド及びその製
造方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁性材料性の
コアとコアとの対向面に絶縁性のギャップ層が設けら
れ、前記コアに記録磁界を誘導するコイルが設けられた
記録用の薄膜磁気ヘッドにおいて、前記ギャップ層が、
SiON膜によって形成されており、前記SiON膜の
Nの原子%は、1(at%)≦N原子%≦6(at%)
あることを特徴とするものである。
【0016】従来では記録用のインダクティブヘッドの
ギャップ層はSiO2膜により形成されていたが、本発
明では、SiO2膜よりも弾性率の高いSiN膜の存在
に鑑み、前記ギャップ層をSiとOとNからなるSiO
N膜で形成した。なおSiN膜を一般的にギャップ層と
して使用しない(使用できない)理由は、通常のスパッ
タ法では基板昇温等の工夫が必要であり、作製が困難だ
からである。後述する実験結果からわかるように、前記
SiON膜はSiO2膜に比べてヤング率が上昇し、前
記SiON膜をギャップ層として使用すると、記録媒体
との対向面からのギャップ層の突き出し量を従来に比べ
て減少させることが可能となった。
【0017】これによって薄膜磁気ヘッドスライダと記
録媒体間の浮上量が小さくなっても、前記薄膜磁気ヘッ
ドスライダの記録媒体への衝突を適切に回避することが
可能となる。このとき、前記SiON膜のNの原子%
は、1(at%)≦N原子%≦6(at%)である。N
の原子%が上記範囲内であると、ギャップ層のヤング率
を、127.4(GPa)以上にすることができる。
【0018】また本発明は、外部磁界の影響で電気抵抗
が変化することにより記録信号を検出することが可能な
磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子の上下にギ
ャップ層を介して形成されたシールド層とを有する再生
用の薄膜磁気ヘッドにおいて、前記ギャップ層のうち少
なくとも一層は、SiON膜によって形成されており、
前記SiON膜のNの原子%は、1(at%)≦N原子
%≦6(at%)であることを特徴とするものである。
【0019】これによって、再生用ヘッド側におけるギ
ャップ層の前記対向面からの突き出しを抑制することが
可能になる。このとき、前記SiON膜のNの原子%
は、1(at%)≦N原子%≦6(at%)である。N
の原子%が上記範囲内であると、ギャップ層のヤング率
を、127.4(GPa)以上にすることができる。
【0020】また本発明では、前記ギャップ層のヤング
率Eは、E>123.2(GPa)であることが好まし
い。これによって従来よりもギャップ層の記録媒体との
対向面からの突き出し量を小さくすることができ、具体
的には前記突き出し量を3.5nmよりも小さく抑える
ことができる。
【0021】
【0022】また本発明では、前記ギャップ層のヤング
率Eは、E≧127.4(GPa)であることがより好
ましい。これによって従来よりもギャップ層の記録媒体
との対向面からの突き出し量をさらに小さくすることが
でき、具体的には前記突き出し量を3.0nm以下に抑
えることができる。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】また本発明は、成膜装置内に、ターゲット
と、前記ターゲットと対向する基板を配置し、前記基板
上に請求項1ないし請求項のいずれかに記載された薄
膜磁気ヘッドを成膜する製造方法において、前記薄膜磁
気ヘッドのギャップ層を形成するときに、SiO2から
成る前記ターゲットを用意し、スパッタガスの一つとし
てN2ガスを5%≦N 2 ガス流量比≦30%の流量比で
記装置内に流入させながら前記ターゲットをスパッタす
ることで、前記ギャップ層をSiON膜で形成すること
を特徴とするものである。
【0032】このように本発明では、従来から使用れて
いるSiO2ターゲットを用いることができ、スパッタ
ガスの一つとしてN2ガスを用いるだけで、ギャップ層
をSiON膜により形成することができ、製造工程が非
常に容易でしかも再現性に優れている。また本発明で
は、前記N 2 ガスの流量比は、5%≦N 2 ガス流量比≦3
0%である。これによって前記ギャップ層のヤング率E
を、127.4(GPa)以上にすることができる。
【0033】
【0034】
【0035】また本発明では、前記ギャップ層の形成の
とき、前記基板側にバイアス電力を供給することが好ま
しい。バイアス電力の供給により、SiON膜のヤング
率を向上させることができることが後述する実験により
確認されている。
【0036】このようにバイアス電流を供給することで
ヤング率Eが向上するのは、SiON膜の原子配列が最
密化方向に向かうためであると考えられる。
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【発明の実施の形態】図1は本発明の薄膜磁気ヘッドス
ライダの斜視図、図2はスライダバーの斜視図である。
【0042】図1に示した基板20は、アルミナ・チタ
ンカーバイト、またはSi(シリコン)などのセラミッ
ク材料により形成されており、記録媒体であるハードデ
ィスクとの対向部にエアーグルーブ21が形成され、そ
の両側にレール部22,22が形成されている。
【0043】図1に示すように、前記レール部22,2
2は所定のクラウン形状で形成されており、前記レール
部22,22の表面は、記録媒体との対向面(ABS
面;浮上面)23,23となっている。また、前記レー
ル部22,22のリーディング側端面Cには傾斜部2
4,24が形成されている。
【0044】基板20のトレーリング側端面Dには、薄
膜磁気ヘッド25が設けられている。前記薄膜磁気ヘッ
ド25は、AMR素子やスピンバルブ型薄膜素子などの
磁気抵抗効果素子を有する再生用のMRヘッドと、磁性
材料のコアとコイルとで形成される記録用のインダクテ
ィブヘッドとが積層されたものである。
【0045】前記磁気抵抗効果素子は、AMR(anisot
ropic magnetoresistive)素子やスピンバルブ膜に代表
されるGMR(giant magnetoresistive)素子から成
り、記録媒体からの外部磁界を電気抵抗変化としてとら
え、電圧変化として記録信号を検出する。
【0046】また図1に示すように、基板20のトレー
リング側端面Dには、薄膜磁気ヘッド25から引き出さ
れた薄膜による電極端子部26が形成されている。
【0047】図1に示す薄膜磁気ヘッドスライダ36
は、その下面側、すなわち記録媒体との対向面23の逆
面側に、板ばね材料で形成されたフレキシャやロードビ
ームによる支持部材が取付けられ、前記支持部材の基端
(マウント部)がハードディスク装置の所定箇所に取付
けられる。
【0048】図1に示す薄膜磁気ヘッドスライダ36を
搭載した薄膜磁気ヘッド装置は、CSS方式などによっ
て作動するものであり、前記薄膜磁気ヘッドスライダ3
6が記録媒体から一定量浮上した状態で、薄膜磁気ヘッ
ド25による記録・再生が行われる。前記浮上量は10
nm程度、あるいは今後の高記録密度化にともない、さ
らに前記浮上量は小さくなるものと考えられる。
【0049】図1に示す薄膜磁気ヘッドスライダ36
は、図2に示す薄膜磁気ヘッド25が一列に複数個パタ
ーン形成されたスライダバー37から形成される。
【0050】前記スライダバー37を形成した後、前記
スライダバー37の記録媒体との対向面27をラップ加
工し、その後、各薄膜磁気ヘッド25間からスライダバ
ー37を切断して図1に示す薄膜磁気ヘッドスライダ3
6を製造する。
【0051】次に前記薄膜磁気ヘッド25の構成につい
て以下に説明する。図3は本発明における薄膜磁気ヘッ
ドの構造を記録媒体との対向面側から見た部分正面図、
図4は、図3に示す4−4線から薄膜磁気ヘッドを切断
した部分断面図である。
【0052】図3及び図4に示す薄膜磁気ヘッドは、再
生用ヘッド(MRヘッド)h1と、記録用のインダクテ
ィブヘッドh2とが積層された、いわば複合型の薄膜磁
気ヘッドである。
【0053】再生用ヘッドh1は、磁気抵抗効果を利用
してハードディスクなどの記録媒体からの洩れ磁界を検
出し、記録信号を読み取るものである。符号10は、磁
性材料で形成された下部シールド層10である。
【0054】前記下部シールド層10の上には、非磁性
材料により形成された下部ギャップ層12が形成されて
いる。さらに前記下部ギャップ層12の上には、記録媒
体からの外部磁界の影響を受け、電気抵抗が変化するこ
とによって記録信号を検出する磁気抵抗効果素子13が
形成されている。符号14はハードバイアス層であり、
符号15は前記磁気抵抗効果素子13にセンス電流を供
給するための電極層である。
【0055】図3に示すように、前記磁気抵抗効果素子
13の上には、非磁性材料により形成された上部ギャッ
プ層16が形成され、さらに前記上部ギャップ層16の
上にはパーマロイなどの磁性材料で形成された下部コア
層17が形成されている。
【0056】この実施例では前記下部コア層17が、M
Rヘッドh1の上部シールド層としての機能と、インダ
クティブヘッドh2のコア層としての機能の双方を兼ね
備える。ただし前記上部シールド層とコア層とが別々に
形成されていてもかまわない。
【0057】図4に示すように、前記下部コア層17の
上には、非磁性材料のギャップ層18が形成されてい
る。さらに前記ギャップ層18の上にはレジストやポリ
イミド等の有機絶縁材料によって形成された絶縁層19
を介して螺旋状にパターン形成されたコイル層40が形
成されている。前記コイル層40の上には、レジストや
ポリイミドなどの有機絶縁材料により形成された絶縁層
41が形成され、前記絶縁層41の上にはパーマロイ等
の磁性材料により形成された上部コア層42がパターン
形成されている。前記上部コア層42の上にはAl23
等で形成された保護層43が形成されている。
【0058】前記上部コア層42は図4に示すように、
その先端部42aが記録媒体との対向面5にて下部コア
層17上にギャップ層18を介して対向している。また
前記上部コア層42の基端部42bは、下部コア層17
上に磁気的に接続されている。
【0059】また図3に示すように、上部コア層42の
トラック幅方向(図示X方向)における幅寸法はトラッ
ク幅Twで形成され、ギャップ層18のトラック幅方向
における幅寸法も同様にトラック幅Twで形成されてい
る。
【0060】また図3に示すように、下部コア層17に
は、上部コア層42とギャップ層18を介して対向する
位置に突出部17bが形成され、前記突出部17の基端
からは、前記上部コア層42から離れる方向に傾斜する
傾斜面17a,17aが形成されている。
【0061】図3に示すように、ギャップ層18をトラ
ック幅Twで形成し、さらに下部コア層17に突出部1
7b及び傾斜面17aを形成するには、トリミング工程
を施す必要がある。このトリミング工程を施すことによ
って形成された図3に示す薄膜磁気ヘッドを使用すれ
ば、記録媒体への記録時にサイドフリンジングが発生し
にくく好ましい。
【0062】ところで本発明では、ギャップ層18をS
iON膜によって形成している。SiON膜を使用する
ことによって、上記したトリミング工程を適切に行うこ
とができる。
【0063】そして本発明では、図2に示すスライダバ
ー37の記録媒体との対向面27をラップ加工しても、
その際に前記ギャップ層18が前記記録媒体との対向面
27から突き出しにくくなり、図1に示す薄膜磁気ヘッ
ドスライダ36を記録媒体上に浮上させているときに、
前記薄膜磁気ヘッドスライダ36が記録媒体上に衝突す
るのを極力防止できる。
【0064】ギャップ層18として使用したSiON膜
は、SiO2膜に比べて弾性率が高いために図2に示す
スライダバー37の記録媒体との対向面27をラップ加
工している最中、前記ギャップ層18が、前記対向面か
らハイト方向(図示Y方向)に押し込まれ難くなり、よ
って前記ギャップ層18の前記対向面も適切に削られ
る。そして前記ラップ加工を終了すると、前記ギャップ
層の復元力は従来に比べて小さいために、前記ギャップ
層18の前記対向面からの突き出し量を従来に比べて小
さくすることができる。
【0065】従来のようにギャップ層として、Ta25
膜を使用した場合には前記対向面からの突き出し量は6
nm程度、SiO2膜を使用した場合には、前記対向面
からの突き出し量は3.5nm程度、あるいはそれより
も大きかったが、本発明によれば前記突き出し量を3.
5nmよりも小さくでき、好ましくは3.0nm以下に
抑えることが可能である。
【0066】なお本発明では、上記した突き出し量を従
来に比べて小さくするために、前記ギャップ層18のヤ
ング率Eの値を調整している。本発明では、前記ギャッ
プ層18のヤング率Eは、123.2(GPa)よりも
大きい(E>123.2(GPa))ことが好ましい。
前記ヤング率Eが123.2(GPa)よりも大きい
と、前記ギャップ層18の記録媒体との対向面からの突
き出し量を3.5nmよりも小さく抑えることができ
る。
【0067】なお上記ヤング率Eを得るには、記SiO
N膜のNの原子%は、0(at%)<N原子%≦6(a
t%)であることが好ましい。
【0068】また本発明では、前記ギャップ層18のヤ
ング率Eは、E≧127.4(GPa)であることがよ
り好ましい。前記ヤング率Eが127.4(GPa)以
上であると、前記ギャップ層18の記録媒体との対向面
からの突き出し量を3.0nm以下に抑えることができ
る。なお上記ヤング率Eを得るには、前記SiON膜の
Nの原子%は、1(at%)≦N原子%≦6(at%)
であることが好ましい。
【0069】また前記SiON膜は、従来からギャップ
層18として使用されているSiO 2膜に比べてそれほ
ど絶縁耐圧は低下せず、十分にギャップ層18として使
用可能である。
【0070】次に本発明では、前記ギャップ層18を従
来と同様にSiO2膜で形成することも可能である。た
だしこの場合には、前記ギャップ層18のヤング率E
を、123.2(GPa)よりも大きくする(E>12
3.2(GPa))という条件が付される。
【0071】従来では、前記ギャップ層18を、Ta2
5膜で形成した場合、そのヤング率Eは113.9
(GPa)程度、SiO2膜で形成した際、前記ギャッ
プ層18のヤング率Eは、123.2(GPa)以下で
あったが、本発明では後述する製造方法を用いること
で、ギャップ層18にSiO2膜を使用しても前記ギャ
ップ層18のヤング率Eを、123.2(GPa)より
も大きくすることが可能になるのである。
【0072】なお前記ギャップ層18のヤング率Eを、
123.2(GPa)よりも大きくすることで、前記ギ
ャップ層18の記録媒体との対向面からの突き出し量を
3.5nmよりも小さくすることが可能である。
【0073】また本発明では、前記ギャップ層18のヤ
ング率Eは、E≧127.4(GPa)であることが好
ましい。これによって前記ギャップ層18の前記対向面
からの突き出し量を3.0nm以下に抑えることが可能
である。
【0074】以上のように本発明では、ギャップ層18
にSiON膜を使用することで、あるいは123.2
(GPa)よりも大きいヤング率Eを有するSiO2
を使用することで、前記ギャップ層18の記録媒体との
対向面からの突き出し量を従来に比べて小さくすること
が可能である。
【0075】したがって今後の高記録密度化において、
薄膜磁気ヘッドスライダ36と記録媒体間の浮上量が小
さくなっても、前記ギャップ層18の突き出しによって
前記スライダ36が記録媒体に衝突し難くなり、前記薄
膜磁気ヘッドスライダ36及び記録媒体への損傷を防止
することが可能である。よって本発明では安全性・信頼
性の高い薄膜磁気ヘッドを提供することができる。
【0076】なお上記では、インダクティブヘッドh2
のギャップ層18を中心として説明したが、本発明は、
MRヘッドh1に形成される下部ギャップ層12及び/
または上部ギャップ層16にも適用可能である。
【0077】またギャップ層以外の層で、従来からSi
2膜を使用し、前記層が記録媒体との対向面に露出形
成されている場合には、前記層に対して本発明を適用す
ることが、前記層の記録媒体との対向面からの突き出し
を抑制できて好ましい。
【0078】また本発明では、スライダが記録媒体上で
浮上して、記録・再生を行う薄膜磁気ヘッド装置に、本
発明を適用することが特に好ましく、本発明の適用によ
って、前記スライダの記録媒体への衝突を回避すること
が可能になる。このため浮上型の薄膜磁気ヘッド装置で
あれば、ハードディスク装置内に搭載される前記薄膜磁
気ヘッド装置に限らず、光薄膜磁気ヘッド装置等への適
用が可能である。
【0079】次に本発明における薄膜磁気ヘッドの製造
方法について以下に説明する。図5は本発明における薄
膜磁気ヘッドを製造するために使用されるスパッタ装置
の内部構造である。
【0080】図5に示すように、スパッタ装置50のチ
ャンバー51内には、ターゲット52を取り付けるため
の電極部53と、前記ターゲット52と対向する位置
に、基板保持部53とが設けられている。なお前記基板
保持部53上には、基板54が設けられている。
【0081】なお本発明では、図5に示す電極部53内
に、磁石が設けられて成るマグネトロンスパッタ装置で
あってもよい。
【0082】図5に示すように、前記チャンバー51内
には、ガス導入口55,56と、ガス排気口57とが設
けられており、前記ガス導入口55,56からN2、A
rが導入される。なお符号58はシャッターである。
【0083】前記電極部53に、高周波電源(RF電
源)59から高周波が印加されることにより、電場と磁
場の相互作用により、マグネトロン放電が発生し、前記
ターゲット52がスパッタされ、前記ターゲット52と
対向する位置に配置された基板54上に、薄膜が成膜さ
れていく。
【0084】本発明では、図3及び図4に示すギャップ
層18を図5に示すスパッタ装置で成膜する際、前記タ
ーゲット52にSiO2からなるターゲットを使用す
る。さらに上記したように、前記ガス導入口55,56
からは、スパッタガスとしてN 2,Arを導入する。
【0085】本発明ではSiO2ターゲットを使用し、
スパッタガスの一つとしてN2ガスを導入することで、
前記ギャップ層18をSiON膜により形成することが
できる。
【0086】なお本発明では、前記スパッタガス(N2
+Ar)に占める前記N2ガスの流量比は、0%<N2
ス流量比≦30%であることが好ましい。これによって
SiON膜のNの原子%を0(at%)より大きくする
ことができ、このとき前記ギャップ層18のヤング率E
は、123.2(GPa)より大きくなる。また好まし
くは、SiON膜のNの原子%を1(at%)以上にす
ることができ、このとき前記ギャップ層18のヤング率
Eは、127.4(GPa)以上となる。これは、前記
スパッタガス中に占める前記N2ガスの流量比を5%以
上にすることで達成することができる。
【0087】また本発明では図5に示すように、基板保
持部53には、高周波電源(RF電源)60が接続され
ており、この高周波電源60から前記基板保持部53に
高周波が印加される。
【0088】このように本発明では、前記ギャップ層1
8の形成のとき、前記基板側にバイアス(Rfバイア
ス)電力を供給することが好ましく、これによってSi
ON膜のヤング率Eを向上させることが可能である。
【0089】バイアス電力を供給しながらギャップ層1
8を形成することでヤング率Eを向上させることができ
るのは、SiON膜の原子配列が最密化方向に向かうた
めであると考えられる。最密化方向、すなわち各原子間
の距離が縮められることにより、SiON膜は弾性率を
増し、ヤング率Eが向上する。
【0090】なお本発明では、前記バイアス電力は0W
(ワット)より大きくすればよい。すなわち本発明によ
れば前記バイアス電力を自由に設定ができる。
【0091】また本発明では、ギャップ層18をSiO
2膜によって形成することができるが、ただしこのとき
前記ギャップ層18のヤング率Eを、123.2(GP
a)より大きくする必要があることを既に述べた。本発
明では、前記ギャップ層18のヤング率Eを123.2
(GPa)より大きくするには、前記ギャップ層18の
形成の際、前記基板側にバイアス電力を供給する必要が
ある。
【0092】このように基板側にバイアス電力を供給し
ながらSiO2膜を成膜すると、前記バイアス電力を供
給せずに成膜した場合に比べて、ヤング率Eを向上させ
ることが可能であり、具体的には前記ヤング率を12
3.2(GPa)より大きくすることが可能である。な
おその理由については上述した通りである。
【0093】なお本発明では、前記バイアス電力は0W
より大きければよい。これによって前記SiO2膜のヤ
ング率Eを、123.2(GPa)より大きくすること
が可能である。
【0094】また本発明では、前記バイアス電力は10
W以上であることがより好ましい。これによって前記S
iO2膜のヤング率Eを、127.4(GPa)以上に
することが可能である。
【0095】以上のように本発明では、ギャップ層18
をSiON膜で形成するときに、従来、SiO2膜を成
膜する際に用いていたSiO2ターゲットをそのまま使
用でき、そしてスパッタガスとしてN2ガスを混合させ
るだけで、上記SiON膜を成膜することが可能であ
る。
【0096】よって本発明では、従来に比べて製造方法
が煩雑化することなく容易にSiON膜を成膜でき、ま
た再現性も良好である。
【0097】またN2ガスの流量比、及びバイアス電力
を自由に設定できるために、ガス圧・電力の制御等が行
いやすい。
【0098】また本発明では、ギャップ層18をSiO
2膜で形成することができ、ただこの場合、前記SiO2
膜のヤング率Eを123.2(GPa)より大きくする
必要があるが、前記ヤング率Eの調整を、基板側にバイ
アス電力を供給するだけで行うことができ、容易にしか
も再現性良く上記ヤング率Eを有するSiO2膜を成膜
できる。
【0099】
【実施例】図6は、SiON膜中に占めるNの原子%と
前記SiON膜のヤング率Eとの関係を示すグラフであ
る。なおヤング率Eはマイクロビッカス法によって測定
した。以下に説明する他の実験においても同じである。
【0100】図6に示すように、SiON膜中のN量
(原子%)が増えるにしたがってヤング率Eは上昇して
いくことがわかる。なおNが全く含有されていない、す
なわちSiO2膜のヤング率Eは、123.2(GP
a)であった。
【0101】次に実際に上記の実験で使用したSiON
膜をインダクティブヘッドのギャップ層として使用し、
前記インダクティブヘッドの記録媒体との対向面にラッ
プ加工を施した後、前記ギャップ層(SiON膜)のヤ
ング率Eと、前記対向面から突き出すギャップ層の突き
出し量との関係について調べた。
【0102】なお実験で使用したSiON膜は、N原子
%が1(at%)、2(at%)及び4(at%)であ
り、また成膜の際にはバイアス電力を与えていない。ま
た比較例としてTa25膜及びSiO2膜についても実
験を試みた。いずれにおいても成膜の際、バイアス電力
を与えていない。その実験結果を図7に示す。
【0103】図7に示すように、ヤング率Eが上昇して
いくと、前記突き出し量は低下していくことがわかる。
ここで、Ta25膜のヤング率Eは約113.9(GP
a)で、その突き出し量は6.0nm程度である。また
SiO2膜のヤング率Eは上記したように、123.2
(GPa)であり、このときの突き出し量を測定する
と、前記突き出し量は3.5nmである。
【0104】この実験結果により本発明では前記突き出
し量が3.5nmよりも小さいことが好ましいとし、こ
のときのヤング率Eは、123.2(GPa)よりも大
きい値である。
【0105】前記した図6を参照すると、SiON膜で
あれば、Nの原子%が0よりも大きければ、123.2
(GPa)よりも大きいヤング率Eを得られることか
ら、SiON膜中に占めるNの原子%を0(at%)よ
りも大きいとした。
【0106】またN原子%の上限であるが、本発明では
前記Nの原子%の上限を6(at%)とした。これは6
(at%)を越えるとヤング率Eが低下し、127.4
(GPa)を下回るからである。
【0107】また図7に示すように、ヤング率Eを12
7.4(GPa)以上にすれば、確実に前記ギャップ層
の突き出し量を3.0nm以下に抑えることができる。
よって本発明では前記ヤング率Eの好ましい範囲とし
て、127.4(GPa)以上であると規定した。
【0108】なおヤング率Eが127.4(GPa)以
上である場合、図6に示すようにSiON膜中に占める
N元素の原子%は1.0(at%)以上であることがわ
かる。
【0109】次にSiON膜を成膜する際に、スパッタ
装置内に導入するスパッタガス(ArとN2)中に占め
るN2ガスの流量比と、その流量比によって形成された
SiON膜のヤング率Eとの関係について調べた。その
実験結果を図8に示す。
【0110】図8に示すように、N2ガスの流量比を0
%よりも大きくすれば、SiON膜のヤング率Eを12
3.2(GPa)よりも大きくできることがわかる。し
たがって本発明ではスパッタガス中に占めるN2ガスの
流量比を0%よりも大きいとした。なお前記N2ガスの
流量比の最大値を30%とした。これは図8に示すよう
に少なくとも前記N2ガスの流量比を30%以下にすれ
ば、より好ましいヤング率Eの値である、127.4
(GPa)以上のヤング率Eを得られるからである。
【0111】また前記ギャップ層のヤング率Eを12
7.4(GPa)以上にするには、スパッタガス中に占
めるN2ガスの流量比を5%以上にすればよいことがわ
かる。
【0112】次に、SiON膜、及びSiO2膜を成膜
する際に、基板側にRfバイアス電力を供給しながら各
膜をスパッタ成膜した。なお実験に使用した各SiON
膜に占めるN元素の原子%はほぼ1at%に統一されて
いる。実験結果を図9に示す。
【0113】図9に示すように、SiON膜の成膜の
際、基板側にRfバイアス電力を供給しながら行うこと
で、前記SiON膜のヤング率Eを、バイアス電力を供
給しない場合(=0W)に比べて上昇させることができ
るとわかる。
【0114】またSiO2膜の成膜時に、基板側にバイ
アス電力を供給すると、SiO2膜のヤング率Eを上昇
させることができるとわかった。すなわち今回の実験か
ら、従来から一般的にギャップ層として使用されていた
SiO2膜を使用する場合でも、成膜時にバイアス電力
を供給すれば、前記SiO2膜のヤング率Eを上昇させ
ることができ、具体的には123.2(GPa)より大
きいヤング率Eを得ることができ、このようなSiO2
膜をギャップ層として使用しても、前記ギャップ層の記
録媒体との対向面からの突き出し量を従来に比べて小さ
くでき、具体的には3.5nmよりも小さく抑えること
が可能である。
【0115】また図9に示すように、Rfバイアス電力
を、10W以上にした場合には、SiO2膜のヤング率
Eを少なくとも127.4(GPa)以上にでき、この
ときのSiO2膜をギャップ層として使用すれば、前記
ギャップ層の突き出し量を3.0nm以下に抑えること
ができる。
【0116】図10は、Rfバイアス電力と前記バイア
ス電力を供給しながら成膜されたSiON膜及びSiO
2膜の絶縁耐圧との関係を示すグラフである。
【0117】図10に示すように、SiON膜の場合、
SiO2膜に比べて絶縁耐圧が減少するものの、ギャッ
プ層として使用する上で必要な絶縁耐圧を満たしてい
る。
【0118】またバイアス電力が10Wのときは、Si
ON膜とSiO2膜との絶縁耐圧はほとんど同じであ
り、双方の膜ともに良好な絶縁耐圧を維持していること
がわかる。
【0119】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、インダク
ティブヘッドにおけるギャップ層にSiON膜を使用す
ることで、前記ギャップ層の弾性率を高め、これによっ
て前記インダクティブヘッドの記録媒体との対向面をラ
ップ加工している最中、前記ギャップ層が前記対向面よ
りもハイト方向に押し込まれ難くなり、他の層と同様に
前記ギャップを適切に削ることができ、前記対向面から
の前記ギャップ層の突き出し量を従来に比べて小さくす
ることができる。
【0120】
【0121】このようにギャップ層の突き出し量の小さ
い薄膜磁気ヘッドを使用すれば、薄膜磁気ヘッドスライ
ダが記録媒体上で浮上しているとき、前記薄膜磁気ヘッ
ドスライダと記録媒体間の浮上量が小さくなっても、前
記薄膜磁気ヘッドスライダが記録媒体に衝突する危険性
は低くなり、安全性の高い薄膜磁気ヘッドを提供するこ
とができる。
【0122】また本発明の製造方法によれば、従来から
ギャップ層の成膜時に使用されていたSiO2ターゲッ
トを使用し、スパッタガスとしてN2ガスを用いるのみ
で、SiON膜を成膜できるので、従来に比べて製造工
程が煩雑化することはなく、容易に前記ギャップ層を成
膜でき、しかも再現性にも優れている。
【0123】
【0124】なお本発明では、再生用のMRヘッドに使
用されているギャップ層に本発明を適用することが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における薄膜磁気ヘッドスライダの部分
斜視図、
【図2】本発明におけるスライダバーの部分斜視図、
【図3】本発明の実施形態の構造を示す薄膜磁気ヘッド
の拡大断面図、
【図4】図3に示す4−4線から切断した薄膜磁気ヘッ
ドの部分縦断面図、
【図5】本発明におけるスパッタ装置の内部構造を示す
部分構造図、
【図6】SiON膜中に占めるN量(at%)とヤング
率Eとの関係を示すグラフ、
【図7】SiON膜あるいはSiO膜のヤング率Eと、
前記各膜をギャップ層として使用し、記録媒体との対向
面をラップ加工した場合の、前記ギャップ層の突き出し
量との関係を示すグラフ、
【図8】スパッタガス中に占めるN2ガスの流量比
(%)と、SiON膜のヤング率Eとの関係を示すグラ
フ、
【図9】SiON膜及びSiO2膜を成膜する際のRf
バイアス電力と、前記各膜のヤング率Eとの関係を示す
グラフ、
【図10】SiON膜及びSiO2膜を成膜する際のR
fバイアス電力と、前記各膜の絶縁耐圧との関係を示す
グラフ、
【図11】従来の薄膜磁気ヘッドの構造を示す拡大断面
図、
【符号の説明】
12 下部ギャップ層 13 磁気抵抗効果素子 16 上部ギャップ層 17 下部コア層 18 ギャップ層 42 上部コア層 53 基板保持部 54 基板 60 高周波電源(RF電源)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/31 G11B 5/39

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性材料性のコアとコアとの対向面に絶
    縁性のギャップ層が設けられ、前記コアに記録磁界を誘
    導するコイルが設けられた記録用の薄膜磁気ヘッドにお
    いて、 前記ギャップ層が、SiON膜によって形成されて
    り、前記SiON膜のNの原子%は、1(at%)≦N
    原子%≦6(at%)であることを特徴とする薄膜磁気
    ヘッド。
  2. 【請求項2】 外部磁界の影響で電気抵抗が変化するこ
    とにより記録信号を検出することが可能な磁気抵抗効果
    素子と、前記磁気抵抗効果素子の上下にギャップ層を介
    して形成されたシールド層とを有する再生用の薄膜磁気
    ヘッドにおいて、 前記ギャップ層のうち少なくとも一層は、SiON膜に
    よって形成されており、前記SiON膜のNの原子%
    は、1(at%)≦N原子%≦6(at%)であること
    を特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記ギャップ層のヤング率Eは、E>1
    23.2(GPa)である請求項1または2記載の薄膜
    磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記ギャップ層のヤング率Eが、E≧1
    27.4(GPa)である請求項3記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 成膜装置内に、ターゲットと、前記ター
    ゲットと対向する基板を配置し、前記基板上に請求項1
    ないし請求項のいずれかに記載された薄膜磁気ヘッド
    を成膜する製造方法において、 前記薄膜磁気ヘッドのギャップ層を形成するときに、S
    iO2から成る前記ターゲットを用意し、スパッタガス
    の一つとしてN2ガスを5%≦N 2 ガス流量比≦30%の
    流量比で前記装置内に流入させながら前記ターゲットを
    スパッタすることで、前記ギャップ層をSiON膜で形
    成することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ギャップ層の形成のとき、前記基板
    側にバイアス電力を供給する請求項記載の薄膜薄膜磁
    気ヘッドの製造方法。
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