JPH09153652A - 磁気抵抗効果素子 - Google Patents

磁気抵抗効果素子

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JPH09153652A
JPH09153652A JP7314213A JP31421395A JPH09153652A JP H09153652 A JPH09153652 A JP H09153652A JP 7314213 A JP7314213 A JP 7314213A JP 31421395 A JP31421395 A JP 31421395A JP H09153652 A JPH09153652 A JP H09153652A
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JP
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layer
ferromagnetic layer
ferromagnetic
magnetic
magnetic field
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JP7314213A
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English (en)
Inventor
Masanori Ueno
昌紀 上野
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルクハウゼン・ノイズの抑制を図りつつ実
効トラック幅を正確に確定でき、信号磁場に応答した高
い再生出力が安定して得られるようにする。 【解決手段】 一面側に積層された磁化固定層4により
磁化の向きを固定された第1の強磁性層1の他面側に非
磁性金属層3を介して第2の強磁性層2を積層形成す
る。これらの長手方向両側に、第1の強磁性層1及び非
磁性金属層3と略等しい厚みを有して第1の電極層7を
成膜し、これの上部に軟磁性層5を、第2の強磁性層2
の両端面と接触するように積層形成する。更に、軟磁性
層5の上部に、第2の強磁性層2の両端面に対し長さx
だけ離隔した位置に端面を有して縦バイアス層6を積層
形成し、この縦バイアス層6及び軟磁性層5の露出部の
上部に第2の電極層8を形成して磁気抵抗効果素子を構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、磁気記録
媒体に記録された磁気情報の再生用ヘッドにおいて、信
号磁場の検出手段として用いられるスピンバルブ型の磁
気抵抗効果素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年におけるコンピュータの小型大容量
化の進行は目覚ましく、これに伴い、外部記憶装置とし
て広く用いられている磁気ディスク装置等の磁気記録装
置においても高密度記録に対する要求が強まっており、
この要求に応えるべく記録媒体側では、記録トラック幅
及び線記録長が狭小化する傾向にあって、従来一般的に
用いられている磁気誘導起電力を利用する誘導型の磁気
ヘッドでは、記録情報の確実な再生が困難となりつつあ
る。そこで、誘導型に代わる新たな再生手段として、強
磁性体の電気抵抗が周辺磁場の強弱に応じて増減する性
質、即ち、磁気抵抗効果(Magnetoresistive Effect
)を有する磁気抵抗効果素子を用いた磁気抵抗効果型
の磁気ヘッドが使用されるようになっている。
【0003】磁気抵抗効果型の磁気ヘッドは、パーマロ
イ(NiFe)等の磁気抵抗効果を有する材料からな
り、磁化容易軸の方向に所定の長さを有して形成された
強磁性層と、これの長手方向両端面に接触する一対の電
極層とを備えてなり、前記強磁性層の長手方向に沿う一
側縁を磁気記録媒体の記録面に対向せしめて用いられ、
該記録面上の信号磁場に感応して前記強磁性層に生じる
電気抵抗の変化を前記電極層間に取り出すことにより磁
気記録を再生する構成となっている。
【0004】ところが、以上の如く単一の強磁性層から
なる磁気抵抗効果素子を備える磁気ヘッドにおいては、
磁気抵抗の変化率(MR比)が高々2%程度であり、高
出力化が難しく、更なる高密度記録への対応のために
は、MR比の向上により出力感度を高めることが重要な
課題となっている。
【0005】出力感度の向上を達成するためには、特開
平4−358310号公報等に開示されている如く、信号磁界
の感応部にスピンバルブ型の磁気抵抗効果素子を用いる
ことが有効である。スピンバルブ型の磁気抵抗効果素子
は、一般的に、第1の強磁性層の一面側に、非磁性金属
層を介して第2の強磁性層を積層し、また他面側に、磁
化固定層を積層してなる4層構造の素子であり、第1の
強磁性層の磁化方向を、前記磁化固定層の作用により第
2の強磁性層の磁化容易軸の方向と略直交する方向に固
定した構成となっており、磁化容易軸の方向に沿う第2
の強磁性層の長手方向一側縁を磁気記録媒体の記録面に
対向せしめて用いられる。
【0006】この使用状態において、第2の強磁性層の
磁化の向きは、前記記録面上の信号磁場の作用により、
第1の強磁性層における固定磁化の向きに対して相対的
に変化し、第1,第2の強磁性層の磁化がなす角度に依
存して磁気抵抗効果素子全体に生じる電気抵抗の変化
を、長手方向の両端面に接触する一対の電極層間に取り
出すことにより再生信号を得ることができる。この再生
信号は、単一の強磁性層からなる磁気抵抗効果素子にお
ける再生信号の2〜5倍のレベルを有し、高出力化によ
る出力感度の向上が達成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】さて、以上の如く構成
されたスピンバルブ型の磁気抵抗効果素子においては、
一対の電極層の接触部の内側において第2の強磁性層に
生じる電気抵抗の変化が磁気抵抗効果素子全体の電気抵
抗の変化に対して支配的である。従って、記録面上のト
ラックに形成された磁気記録情報を周辺トラックからの
影響を排除して確実に再生するには、前記電極層の接触
部の間隔を記録トラックの幅に正確に対応させる必要が
ある。特に、高密度記録への対応を図った近年の磁気記
録媒体においては、1μm前後の狭小な記録トラック幅
を有するものがあり、このような磁気記録媒体を対象と
する場合、第1,第2の強磁性層、及びこれらの両端面
に接触する前記電極層の形成に際し、微細な領域での高
い寸法精度が要求される。
【0008】ところが、「Journal of Applied Physics
第69号 No.8,1991,p.4774」に示されているよう
に、スピンバルブ型の磁気抵抗効果素子においては、磁
気抵抗効果素子の電気抵抗の変化が、両端面から侵入す
る磁束の影響によっても生ずるため、実効的なトラック
幅は、一対の電極層の接触部間の間隔よりも大きくなる
という問題がある。従って、高度な成膜技術により前記
接触部間の間隔を精度良く実現し得た場合においても、
これらの電極層間に取り出される出力信号中に周辺トラ
ックの影響によるノイズが混在するという難点が生じて
いる。なおこの難点は、磁気抵抗効果型磁気センサに共
通な問題であるが、高出力化を図ったスピンバルブ型磁
気センサにおいて顕著なものとなっている。
【0009】また、磁気抵抗効果素子においては、不均
一性を有する強磁性層の内部に信号磁場の作用により磁
区を区切る磁壁の移動が生じ、この移動に伴う雑音、所
謂、バルクハウゼン・ノイズが出力信号中に混在すると
いう問題があり、スピンバルブ型の磁気抵抗効果素子に
おいても、このバルクハウゼン・ノイズの発生を抑制す
ることが重要な課題となっている。
【0010】従来においては、前記特開平4−358310号
公報中にも開示されている如く、第2の強磁性層の両端
部の一面に、硬質強磁性体又は反強磁性体からなる縦バ
イアス層を積層形成し、第2の強磁性層に縦バイアス磁
場を印加して内部の磁区を単一化することによりバルク
ハウゼン・ノイズの発生を抑制する対策が施されてい
る。
【0011】以上の如き縦バイアス磁場の印加は、第2
の強磁性層の両端面からの磁束の侵入防止対策としても
有効であり、本願出願人は、特願平7-68085号におい
て、縦バイアス層が積層された軟磁性層を、夫々の端面
が第2の強磁性層の両端面に接触する態様に配し、縦バ
イアス磁場の作用により前記磁束の侵入を防止する構成
とした磁気抵抗効果素子を提案している。
【0012】ところが、これらの構成においては、縦バ
イアス層の近傍の第2の強磁性層の両端部における縦バ
イアス磁場が、中心部に比して非常に大きいため、該第
2の強磁性層の両端部近傍に、信号磁場に感応しない不
感領域が不確定に発生して、実効的なトラック幅が小さ
くなるという問題があり、トラック幅の正確な確定が難
しいという問題があった。
【0013】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、バルクハウゼン・ノイズの抑制を図りつつ実効
トラック幅を正確に確定することができ、信号磁場にの
み感応した高い再生出力が安定して得られるスピンバル
ブ型の磁気抵抗効果素子を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気抵抗効
果素子は、一面側に積層された磁化固定層により磁化の
向きを固定された第1の強磁性層と、該第1の強磁性層
の他面側に非磁性金属層を介して積層され、信号磁場に
感応して磁化の向きを変える第2の強磁性層と、第2の
強磁性層の内部を単一磁区となすべく、該第2の強磁性
層の両端面に夫々の端面を接触させた軟磁性層を介して
縦バイアス磁場を印加する縦バイアス層とを備えるスピ
ンバルブ型の磁気抵抗効果素子において、前記縦バイア
ス層は、前記第2の強磁性層の両端面から所定長離隔し
た端面を有し、前記軟磁性層の一面側に積層形成してあ
ることを特徴とする。
【0015】本発明においては、信号磁場に感応して磁
化の向きを変える第2の強磁性層の両端面に夫々の端面
を接触させた軟磁性層の一面に、前記両端面から夫々所
定長離れた位置に端面を有するように縦バイアス層を積
層形成し、軟磁性層を介して印加される過剰な縦バイア
ス磁場の影響を第2の強磁性層の両端面に略一致する位
置にて止め、実効的なトラック幅が第2の強磁性層の長
さに略確定されるようにする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る磁気
抵抗効果素子の一例を示す正面断面図である。本発明に
係る磁気抵抗効果素子は、図示の如く、基板10上に下部
絶縁層11及び下部シールド層12を介して積層された下部
ギャップ層13上に構成され、第1の強磁性層1、第2の
強磁性層2、非磁性金属層3、及び磁化固定層4を備え
てなり、これらの両側に、軟磁性層5、縦バイアス層
6、及び出力取り出し用の第1,第2の電極層7,8を
夫々配し、上部ギャップ層14及び上部シールド層15によ
り上部を覆って磁気抵抗効果型の磁気ヘッドを構成して
いる。
【0017】基板10は、アルミナ(Al2 3 )と炭化
チタン(TiC)との焼結により作製されたセラミック
ス、所謂、アルチック(Al2 3 −TiC)製であ
る。また下部シールド層12及び上部シールド層15は、N
iFe系合金(パーマロイ)、Co系合金、鉄系センダ
スト合金等の軟磁性材料製の薄膜であり、めっき法、ス
パッタリング法、真空蒸着法等の成膜法により、3μm
程度の厚みを有して形成され、外部からの磁気的ノイズ
を遮蔽する作用をなす。更に、下部ギャップ層11及び上
部ギャップ層14は、アルミナ(Al2 3 )、酸化珪素
(SiO2 )等の絶縁材料製の薄膜であり、0.15μ
m程度の厚みを有して形成され、下部シールド層12及び
上部シールド層15と、磁気抵抗効果素子との間の絶縁を
確保する作用をなす。
【0018】本発明に係る磁気抵抗効果素子は、下部ギ
ャップ層13と上部ギャップ層14との間に、磁化固定層
4、第1の強磁性層1、非磁性金属層3及び第2の強磁
性層2を、この順に積層してなる。磁化固定層4は、N
iO、NiMn、FeMn等の反磁性材料からなり、該
磁化固定層4の上部の第1の強磁性層1は、NiFe系
合金(パーマロイ)、CoNi系合金等の強磁性材料か
らなり、これらは、紙面に沿う方向を長手方向とする矩
形形状をなし、下部ギャップ層13上の所定位置に長手方
向及び幅方向に相互に整合する態様に積層されている。
【0019】第1の強磁性層1の磁化方向は、これの下
部全面に接触する磁化固定層4との交換結合により、幅
方向、即ち、紙面に直交する方向に固定されている。こ
のような磁化の固定は、第1の強磁性層1の成膜、又は
成膜後の熱処理を一方向の磁場中にて行い、一軸磁気異
方性を誘起させることにより実現される。
【0020】また非磁性金属層3は、Cu、Ag、Au
等の非磁性材料からなり、該非磁性金属層3の上部の第
2の強磁性層2は、第1の強磁性層1と同様の強磁性材
料からなる。これらは、磁化固定層4及び第1の強磁性
層1と同様、紙面に沿う方向を長手方向とする矩形形状
をなし、第1の強磁性層1の上部に、長さ及び幅方向に
相互に整合する態様に積層されている。
【0021】第2の強磁性層2は、外部からの信号磁場
の作用により磁化の向きを変える。その結果、第1の強
磁性層1の固定磁化の向きと、第2の強磁性層2の磁化
の向きとの間に角度差が生じ、この角度差に応じて磁気
抵抗効果素子全体の電気抵抗が変化するスピンバルブ磁
気抵抗効果を示し、この素子は磁気検知部としての動作
をなす。このとき磁気抵抗効果素子の電気抵抗は、弱い
磁場に感応して大きい変化を示し、この電気抵抗を媒介
として高い再生出力が得られる。
【0022】出力取り出し用の第1,第2の電極層7,
8は、Ta、W、Au、Mo等を含む導電性金属材料か
らなる。第1の電極層7は、図示の如く、下部ギャップ
層13上の磁化固定層4、第1の強磁性層1及び非磁性金
属層3の積層域の両側に、これらの積層厚さに略相当す
る厚みを有し、長手方向両端面と接触する態様に形成さ
れている。
【0023】第1の電極層7の上部には、NiFe、N
iFeRh、NiFeCr等の軟磁性材料からなる軟磁
性層5が積層され、該軟磁性層5の上部には、CoC
r、CoCrPt等の硬質磁性材料、又はNiO、Ni
Mn、FeMn等の反磁性材料からなる縦バイアス層6
が積層されており、第2の電極層8は、縦バイアス層6
の上部に積層されている。
【0024】第1の電極層7の上面に積層された軟磁性
層5は、図示の如く、第2の強磁性層2の厚みに略相当
する厚みを有し、該第2の強磁性層2の長手方向両端面
に、略全面に亘って接触させてあり、該軟磁性層5の上
部の縦バイアス層6は、図示の如く、軟磁性層5との接
触面となる第2の強磁性層2の長手方向端面から所定長
(=x)だけ離隔した位置に端面を有し、第2の強磁性
層2との重なりを有さずに積層されている。
【0025】この構成により軟磁性層5は、上面に積層
された縦バイアス層6との交換結合により第2の強磁性
層2の長手方向に磁化が固定され、該軟磁性層5に接触
する第2の強磁性層2に縦バイアス磁場が印加される。
本発明に係る磁気抵抗効果素子において、縦バイアス層
6の端面が第2の強磁性層2の端面から離隔せしめてあ
るのは、軟磁性層5を介して印加される過剰な縦バイア
ス磁場の影響を、軟磁性層5との接触部となる第2の強
磁性層2の両端面近傍に止めることを目的としている。
【0026】図2は、本発明に係る磁気抵抗効果素子に
おける第2の強磁性層2の長手方向の縦バイアス磁場の
分布の様子を示す説明図、図3は、比較例として、軟磁
性層5の全面に亘って縦バイアス層6を形成し前記離隔
長xを実質的に零とした構成における縦バイアス磁場の
分布の様子を示す説明図である。両図における(a)
は、第2の強磁性層2、軟磁性層5及び縦バイアス層6
を抜き出して示す要部の正面断面図、また(b)は、各
部における縦バイアス磁場の分布を示すグラフ、更に
(c)は、第2の強磁性層2内部の磁化の向きの分布を
示す平面図となっている。
【0027】縦バイアス層6と軟磁性層5との間には直
接的な交換結合が生じるため、両者が接触する領域にお
ける縦バイアス磁場は非常に大きい。そのため、図3に
示す如く、縦バイアス層6の端面を第2の強磁性層2の
両端面に一致せしめた構成において、縦バイアス磁場
は、(b)に示す如く、第2の強磁性層2の両端面の内
側においても高レベルに保たれ、中央部に向けて急減し
て低レベルに平衡する。このような分布により第2強磁
性層2の内部の端部近傍の磁化は、(c)に示す如く、
軟磁性層5の内部と同様に長手方向に沿う向きに固定さ
れ、この磁化の向きは、図中に黒塗り矢符にて示す信号
磁場中においても回転せず、信号磁場に感応した磁化の
回転は、縦バイアス磁場の強さが所定値以下となった位
置よりも中央側において生じるのみである。このとき第
2の強磁性層2の両端部近傍は、信号磁場に感応しない
不感領域となり、実効的なトラック幅TW は、第2の強
磁性層2の長さよりも前記不感領域の長さだけ小とな
る。
【0028】これに対し、図2に示す如く、縦バイアス
層6の端面と第2の強磁性層2の両端面との間を長さx
だけ離隔せしめた構成において、縦バイアス磁場は、軟
磁性層5と接触する第2の強磁性層2の両端面よりも外
側領域にて急減し、両端面において十分に小さくなって
いる。従って、磁化の固定領域は、軟磁性層5の端面ま
での間に止まり、第2の強磁性層2内に信号磁場に対す
る不感領域が発生せず、実効的なトラック幅TW が該第
2の強磁性層2の全長に一致し、設計値通りのトラック
幅が得られる。
【0029】但し、前記離隔長xが過大である場合、第
2の強磁性層2の内部の単磁区状態が保てず、バルクハ
ウゼン・ノイズの抑制効果が得られなくなる。本発明者
は、前記離隔長xを種々に変えて図1に示す如き磁気抵
抗効果素子を作製し、夫々におけるバルクハウゼン・ノ
イズの発生率を調べる実験を行った。この実験の結果を
図4に示す。
【0030】図4の横軸は、縦バイアス層6の端面と第
2の強磁性層2の両端面との離隔長xを、図の縦軸は、
バルクハウゼン・ノイズの発生率を夫々示しており、本
図により、バルクハウゼン・ノイズの発生率は、前記離
隔長xが500nmを超えると共に急増し、縦バイアス
磁場の作用によるバルクハウゼン・ノイズの抑制効果が
得られなくなることが明らかであり、前記離隔長xは、
500nm以下とするのが望ましい。また離隔長xの下
限値は、前記各層の形成過程において予想される位置誤
差を基準として数nm程度に設定する。
【0031】このように本発明に係る磁気抵抗効果素子
においては、第2の強磁性層2の両端面に接触する軟磁
性層5の一面に、前記両端面から所定の離隔長x、望ま
しくは、500nm以下の長さだけ離れた位置に端面を
有して縦バイアス層6を積層形成することにより、バル
クハウゼン・ノイズの抑制効果を良好に保ちつつ、第2
の強磁性層2の全長において信号磁場に応じた磁化の向
きの変化が生じるようになり、実効的なトラック幅TW
を正確に確定することができ、トラック幅TW内の磁場
に感応した高出力が安定して得られるようになる。
【0032】なお以上の実施の形態においては、縦バイ
アス層6を軟磁性層5の上部に積層してあるが、軟磁性
層5の下部に積層してもよい。また以上の実施の形態に
おいては、下面に接触する磁化固定層4により磁化の向
きを固定された第1の強磁性層1の上面に、非磁性金属
層3を介して第2の強磁性層2を積層した4層構造とし
てあるが、図5に示す如く、これら各層の積層順を逆と
してもよい。但しこの場合、最下部に位置する第2の強
磁性層2の両端面に接触する態様に軟磁性層5が形成さ
れる関係上、軟磁性層5の下部の第1の電極層7をなく
し、軟磁性層5及び縦バイアス層6の上部に、十分な電
気伝導を有するように厚みを調節した第2の電極層8の
みを形成すればよい。
【0033】更には、図6に示す如く、第2の強磁性層
2の両側に、非磁性金属層3、第1の強磁性層1、及び
磁化固定層4の3層を夫々積層してなる7層構造とする
ことも可能であり、この場合においても、第2の強磁性
層2の両端面に接触する軟磁性層5の一面(図において
は上面)に、前記両端面から所定長離隔した位置に端面
を有して縦バイアス層6を積層形成することにより、同
様の効果が得られることは言うまでもない。
【0034】
【実施例】以上の如き本発明に係る磁気抵抗効果素子
は、スパッタリング法、メッキ法、真空蒸着法等の成膜
法により各層を成膜し、フォトリソグラフィ法、ドライ
エッチング法、リフトオフ法等の成形法により成形する
ことにより得られる。
【0035】実施例として、Al2 3 −TiC製の基
板10の上に、Al2 3 からなる下部絶縁層11、NiF
e系合金からなる下部シールド層12、Al2 3 からな
る下部ギャップ層13を夫々所定の厚みを有して積層形成
した後、下部シールド層12の上面に、長さを1.5μ
m、幅を1μmとした矩形の平面形状を有する磁気抵抗
効果素子を、NiOからなる磁化固定層4の厚みを25
nm程度、NiFe系合金からなる第1の強磁性層1の
厚みを4nm程度、Cuからなる非磁性金属層3の厚み
を2.5nm程度、NiFe系合金からなる第2の強磁
性層2の厚みを7nm程度として構成した。
【0036】次いで、これらの外側に、Auからなる第
1電極層7、NiFeからなる軟磁性層5、FeMnか
らなる縦バイアス層6、及びAuからなる第2電極層8
を夫々前述の如く積層形成し、更にこれらの上部を、
0.1μm程度の厚みを有し、Al2 3 からなる上部
ギャップ層14と、2μm程度の厚みを有し、NiFeか
らなる上部シールド層15とにより被覆し、出力取り出し
用の端子部を形成した後、Al2 3 からなる保護膜を
成膜してウエハを得て、端子出し加工、金パッドの形
成、切断、研磨及び組立てを経て得られた磁気抵抗効果
型の磁気ヘッドに対し、10mAのセンス電流を流し、
MRリードライトテスタを用いてリードライト特性を評
価する実験を行った結果、得られた信号中には、バルク
ハウゼン・ノイズの発生は認められないことが確認され
た。
【0037】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係る磁気抵抗
効果素子においては、信号磁場の感応部となる第2の強
磁性層の両端面に夫々の端面を接触させた軟磁性層の一
面に、第2の強磁性層の両端面から夫々所定長離隔した
位置に端面を有して縦バイアス層を積層形成したから、
過剰な縦バイアス磁場の影響が第2の強磁性層の両端面
に略一致する位置に止まり、バルクハウゼン・ノイズの
抑制効果を保ちつつ実効的なトラック幅を第2の強磁性
層の長さに確定することができ、信号磁場に応答した高
い再生出力が安定して得られるようになる等、本発明は
優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気抵抗効果素子の一構成例を示
す正面断面図である。
【図2】本発明に係る磁気抵抗効果素子における第2の
強磁性層の長手方向の縦バイアス磁場の分布の様子を示
す説明図である。
【図3】従来の磁気抵抗効果素子における第2の強磁性
層の長手方向の縦バイアス磁場の分布の様子を示す説明
図である。
【図4】バルクハウゼン・ノイズの発生率に対する第2
の強磁性層の端面と縦バイアス層の端面との間の離隔長
の影響を示す図である。
【図5】本発明に係る磁気抵抗効果素子の他の構成例を
示す正面断面図である。
【図6】本発明に係る磁気抵抗効果素子の他の構成例を
示す正面断面図である。
【符号の説明】
1 第1の強磁性層 2 第2の強磁性層 3 非磁性金属層 4 磁化固定層 5 軟磁性層 6 縦バイアス層 7 第1の電極層 8 第2の電極層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一面側に積層された磁化固定層により磁
    化の向きを固定された第1の強磁性層と、該第1の強磁
    性層の他面側に非磁性金属層を介して積層され、信号磁
    場に感応して磁化の向きを変える第2の強磁性層と、第
    2の強磁性層の内部を単一磁区となすべく、該第2の強
    磁性層の両端面に夫々の端面を接触させた軟磁性層を介
    して縦バイアス磁場を印加する縦バイアス層とを備える
    スピンバルブ型の磁気抵抗効果素子において、前記縦バ
    イアス層は、前記第2の強磁性層の両端面から所定長離
    隔した端面を有し、前記軟磁性層の一面側に積層形成し
    てあることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6094325A (en) * 1997-12-25 2000-07-25 Fujitsu Limited Spin valve head reducing barkhausen noise
US6762916B2 (en) 2000-01-05 2004-07-13 Alps Electric Co., Ltd. Thin-film magnetic head with low barkhausen noise and floating-type magnetic head therewith

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US6094325A (en) * 1997-12-25 2000-07-25 Fujitsu Limited Spin valve head reducing barkhausen noise
US6762916B2 (en) 2000-01-05 2004-07-13 Alps Electric Co., Ltd. Thin-film magnetic head with low barkhausen noise and floating-type magnetic head therewith

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