JP2002133614A - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録密度の向上に対応しつつ、生産性および
他の特性を損なうことなく、出力の低下を抑制できる薄
膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 薄膜磁気ヘッド1では、MR膜20を、
絶縁性の第1ギャップ膜13および第2ギャップ膜14
を介して、第1シールド層12および第2シールド層1
5により挟み込んでいる。第1シールド層12はMR膜
20側から内側層12Bおよび外側層12Aを有し、第
2シールド層15は、MR膜20側から内側層15Bお
よび外側層15Aを有している。内側層12Bおよび内
側層15Bは、外側層12Aおよび外側層15Aよりも
高い硬度を有しており、第1シールド層12および第2
シールド層15の変形を抑制するようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスク装
置などの磁気記録装置などで用いられる薄膜磁気ヘッド
およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスクなどの面記録密度
の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められ
ている。薄膜磁気ヘッドとしては、磁気抵抗効果素子
(以下、MR(Magnetoresistive)素子と記す。)を有
する再生ヘッドと、誘導型磁気変換素子を有する記録ヘ
ッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用
いられている。MR素子は、信号磁界に感応して抵抗変
化を示す単層または多層の磁気抵抗効果膜(以下、MR
膜とする)を有しており、このMR膜における抵抗変化
に基づいて情報の読み出しを行うようになっている。M
R膜としては、異方性磁気抵抗効果(AMR(Anisotro
pic Magnetoresistive)効果)を示すAMR膜や、巨大
磁気抵抗効果(GMR(Giant Magnetoresistive)効
果)を示すGMR膜が知られている。
【0003】薄膜磁気ヘッドは、磁気媒体の記録面に沿
って移動するブロック形状のスライダに、磁気媒体に対
して直接対向するように形成される。磁気媒体に対する
対向面(以下、エアベアリング面とする。)は、薄膜磁
気ヘッドをスライダごと研磨することによって得られ
る。
【0004】一般に、磁気媒体に形成されたトラックラ
インには、多数のデータ要素(1ビットの情報に対応す
る領域)が配列されており、そのデータ要素の間隔は極
めて短い。そのため、薄膜磁気ヘッドのMR膜は、ある
データ要素の情報を読み取っているときには、隣接する
他のデータ要素の磁界の影響を受けないようにする必要
がある。そこで、薄膜磁気ヘッドは、透磁率の高い一対
のシールド層で、MR膜を挟み込むようにしている。こ
の一対のシールド層の間隔は、データ要素の間隔にほぼ
対応している。
【0005】ここで、近年のハードディスクなどにおけ
る面記録密度の向上に伴い、トラックライン上のデータ
要素の配列密度(すなわち、線密度)を向上するため、
薄膜磁気ヘッドのシールド層の間隔をさらに狭くするこ
とが求められている。例えば、30Gbit/inch
2(4.7Gbit/cm2)を超える面記録密度を達成
するためには、シールド層の間隔を80nm以下にする
ことが求められている。
【0006】しかしながら、このようにシールド層の間
隔を狭くすると、スライダおよび薄膜磁気ヘッドを研磨
してエアベアリング面を形成する際に、シールド層が変
形してMR膜に接触することがある。このような場合、
シールド層とMR膜との間に短絡が生じ、情報読み取り
の際に、MR膜に流れるべき検出電流の一部がシールド
層に流れ、出力低下を招くという問題がある。
【0007】このようなシールド層とMR膜との接触を
防止するため、シールド層を、変形しにくい材料、すな
わち硬度の高い材料により形成することが考えられてい
る。例えば、特開平2−116009号では、シールド
層を、FeAlSi(センダスト)により形成すること
が提案されている。また、特開昭60−239911号
では、シールド層を、非晶質磁性合金により形成するこ
とが提案されている。さらに、特開平6−195643
号では、シールド層を、Fe,N(窒素)およびM(T
a(タンタル),Hf(ハフニウム)など)からなる合
金により形成することが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに硬度の高い材質でシールド層を形成する場合、次の
ような製造上の問題がある。すなわち、シールド層は、
一般に、スパッタリング法によって成膜されたのち、イ
オンミリングなどを用いてパターニングされる。そのた
め、上述したような硬度の高い材質でシールド層を形成
すると、パターニングの際に、長時間のイオンミリング
が必要になることから、生産性が低下するという問題が
ある。また、上述した硬度の高い材質は、いずれも熱伝
導率が低いため、MR膜で発生した熱を効率よく拡散さ
せることができず、MR膜の温度が上昇するという問題
もある。
【0009】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は、線記録密度の向上に対応できると
共に、生産性および他の特性を損なうことなく、出力低
下を防止できる薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による薄膜磁気ヘ
ッドは、磁気変換機能を有する機能膜と、機能膜を挟み
込むと共に、それぞれ絶縁性を有する第1のギャップ膜
および第2のギャップ膜と、不要な磁界が機能膜に及ぶ
のを防止するため、機能膜を、第1のギャップ膜および
第2のギャップ膜をそれぞれ介して挟み込む第1のシー
ルド層および第2のシールド層とを備えると共に、第1
のシールド層および第2のシールド層の少なくとも一方
は、機能膜側から順に、内側層と外側層とを有し、内側
層は、外側層よりも高い硬度を有することを特徴とする
ものである。
【0011】本発明による薄膜磁気ヘッドでは、第1の
シールド層および第2のシールド層の少なくとも一方
は、機能膜に近い側に、より硬度の高い内側層を有して
いる。薄膜磁気ヘッドの磁界対向面を研磨する際には、
内側層の存在のため、第1のシールド層および第2のシ
ールド層の少なくとも一方が変形しにくくなる。従っ
て、線記録密度の向上のために第1のシールド層と第2
のシールド層との間隔を狭くした場合でも、第1のシー
ルド層および第2のシールド層の少なくとも一方と機能
膜との接触を抑制され、出力低下が抑制される。さら
に、第1のシールド層および第2のシールド層の少なく
とも一方は、内側層に比べて硬度の低い外側層を有する
ため、シールド層を硬度の高い材料のみで構成した場合
に比べ、短時間でイオンミリングなどのパターニングが
行われる。
【0012】なお、本発明による薄膜磁気ヘッドでは、
第1のシールド層が内側層と外側層とを有している場
合、第1のシールド層の内側層の厚さと第1ギャップ膜
の厚さとの和が40nm以上であることが好ましい。さ
らに、第2のシールド層が内側層と外側層とを有してい
る場合、第2のシールド層の内側層の厚さと第2ギャッ
プ膜の厚さとの和が40nm以上であることが好まし
い。加えて、内側層のビッカース硬度は、500以上で
あることが好ましい。また、内側層の厚さは、300n
m以下であることが好ましい。さらに、外側層は、Ni
およびFeを含むことが好ましい。
【0013】本発明による他の薄膜磁気ヘッドは、磁気
変換機能を有する機能膜と、機能膜を挟み込む第1の絶
縁膜および第2の絶縁膜と、機能膜を、第1の絶縁膜お
よび第2の絶縁膜をそれぞれ介して挟み込む第1の磁性
層および第2の磁性層とを備えると共に、第1の磁性層
および第2の磁性層の少なくとも一方は、機能膜側から
順に、内側層と外側層とを有し、内側層は、外側層より
も高い硬度を有することを特徴とするものである。
【0014】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法
は、磁気変換機能を有する機能膜と、不要な磁界が機能
膜に及ぶのを防止するための第1のシールド層および第
2のシールド層とを備えた薄膜磁気ヘッドの製造方法で
あって、基体の上に、絶縁層を介して、第1のシールド
層を形成するステップと、この第1のシールド層の上
に、絶縁性を有する第1のギャップ膜を形成するステッ
プと、この第1のギャップ膜の上に、機能膜を形成する
ステップと、この機能膜の上に、絶縁性を有する第2の
ギャップ膜を形成するステップと、この第2のギャップ
膜の上に、第2のシールド層を形成するステップとを含
むと共に、第1のシールド層を形成するステップおよび
第2のシールド層を形成するステップの少なくとも一方
において、第1のシールド層および第2のシールド層の
少なくとも一方を、機能膜側から順に、内側層と外側層
とにより形成し、内側層が外側層よりも高い硬度を有す
るようにしたこと特徴とするものである。
【0015】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法で
は、第1のシールド層および第2のシールド層の少なく
とも一方において機能膜に近い側に、より硬度の高い内
側層が設けられている薄膜磁気ヘッドが得られる。
【0016】なお、本発明による薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、第1のシールド層が内側層と外側層とを有し
ている場合、第1のシールド層を形成するステップは、
めっき法により外側層を形成するステップと、スパッタ
リング法により外側層の上に内側層を形成するステップ
とを含むことが好ましい。また、第2のシールド層が内
側層と外側層とを有している場合、第2のシールド層を
形成するステップは、スパッタリング法により内側層を
形成するステップと、スパッタリング法により、内側層
の上に外側層の一部を形成するステップと、この外側層
の一部を電極として用い、めっき法により、外側層の残
りの部分を形成するステップとを含むことが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】<磁気ヘッドスライダの構成>最
初に、図1ないし図7を参照して、本発明の一実施の形
態に係る薄膜磁気ヘッド1の構造について説明する。
【0018】図1は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ド1を備えた回動アーム8の構成を表すものである。こ
の回動アーム8は、例えば、図示しないハードディスク
装置などで用いられるものであり、薄膜磁気ヘッド1
(図2)が形成されたスライダ2を有している。このス
ライダ2は、例えば、支軸8Bにより回転可能に支持さ
れた腕部8Aの先端に搭載されている。この腕部8A
は、例えば、図示しないボイスコイルモータの駆動力に
より回転するようになっており、これによりスライダ2
がハードディスクなどの磁気媒体3の記録面(図1にお
いては記録面の下面)に沿ってトラックラインを横切る
方向Xに移動するようになっている。なお、磁気媒体3
は、例えば、スライダ2がトラックラインを横切る方向
Xに対してほぼ直交する方向Zに回転するようになって
いる。
【0019】図2は、図1に示したスライダ2の構成を
表すものである。このスライダ2は、例えば、Al23
・TiC(アルミナチタンカーバイド)よりなるブロッ
ク状の基体2Dを有している。この基体2Dは、例え
ば、ほぼ六面体形状を有しており、その一面が磁気媒体
3(図1)の記録面に近接して対向するように配置され
ている。この磁気媒体3の記録面と対向する面はエアベ
アリング面(ABS)2Eと呼ばれ、所定形状のスライ
ダレール2Aが形成されている。基体2Dのエアベアリ
ング面2Eに対する一側面(図2においては左側の側
面)には、薄膜磁気ヘッド1が設けられている。
【0020】図3は、薄膜磁気ヘッド1の構成を分解し
て表すものである。また、図4は、図3に示した矢印I
V方向から見た平面構造を表し、図5は、図4に示した
V−V線に沿った矢視方向の断面構造を表している。ま
た、図6は、図4に示したVI−VI線に沿った矢視方
向の断面構造を表している。この薄膜磁気ヘッド1は、
磁気媒体3に記録された磁気情報を再生する再生ヘッド
部1Aと、磁気媒体3に磁気情報を記録する記録ヘッド
部1Bとが一体に構成されたものである。
【0021】図3および図5に示したように、再生ヘッ
ド部1Aは、基体2Dの上に、絶縁層11,第1シール
ド層12,第1ギャップ膜13,第2ギャップ膜14,
第2シールド層15および絶縁層16がこの順に積層さ
れた構造を有している。絶縁層11は、例えば、積層方
向の厚さ(以下、単に厚さと記す)が2μm〜10μm
であり、Al23(酸化アルミニウム)により構成され
ている。
【0022】第1シールド層12および第2シールド層
15は、例えば、厚さがそれぞれ1μm〜3μmであ
り、透磁率の高い磁性材料により構成されている。これ
ら第1シールド層12および第2シールド層15は、不
要な磁界がMR膜20に及ばないようにするためのもの
である。この第1シールド層12および第2シールド層
15は、図3に示したような平面形状を有している。こ
こで、第1シールド層12は、本発明における「第1の
シールド層」または「第1の磁性層」の一具体例に対応
する。また、第2シールド層15は、本発明における
「第2のシールド層」または「第2の磁性層」の一具体
例に対応する。
【0023】図6に示したように、第1シールド層12
および第2シールド層15は、それぞれ第1ギャップ膜
13および第2ギャップ膜14を介して、MR膜20を
挟み込んでいる。第1シールド層12は、絶縁層11に
近い側から、内側層12Bおよび外側層12Aを有して
おり、内側層12Bは外側層12Aよりも高い硬度を有
している。一方、第2シールド層15は、絶縁層11に
近い側から、内側層15Bおよび外側層15Aを有して
おり、内側層15Bは外側層15Aよりも高い硬度を有
している。
【0024】第1シールド層12の外側層12Aおよび
第2シールド層15の外側層15Aは、特に透磁率が高
い磁性材料、例えばNiFe(ニッケル鉄合金)により
構成されている。これは、NiFeは透磁率が高く、不
要な磁界がMR膜20に及ぶのを防止する効果(いわゆ
るシールド効果)が大きいからである。また、NiFe
は熱伝導率も高く、MR膜20で発生した熱を効率よく
放熱できるという利点もある。具体的には、Niの含有
率が約80原子%で、Feの含有率が約20原子%であ
るNiFe(以下、単にNi80Fe20と記す。)が特に
好ましい。外側層12Aおよび外側層15Aの最適な厚
さは、0.5nm〜5.0nmである。
【0025】第1シールド層12の内側層12Bおよび
第2シールド層15の内側層15Bは、外側層12Aお
よび外側層15Aよりもそれぞれ硬度が高い磁性材料に
より構成されている。例えば、外側層12Aおよび外側
層15AをNi80Fe20により構成した場合、そのビッ
カース硬度Hvは約250であるため、内側層12Bお
よび内側層15Bは、ビッカース硬度Hvが250より
も高い磁性材料により構成される。このようにすれば、
後述するエアベアリング面2Eの研磨工程において、第
1シールド層12および第2シールド層15が変形しに
くくなるからである。内側層12Bおよび内側層15B
のビッカース硬度Hvは、特に、500以上であること
が好ましい。このようにすれば、第1シールド層12お
よび第2シールド層15の変形をより確実に防止できる
からである。
【0026】内側層12Bおよび内側層15Bは、例え
ば、NiFeV、NiFeB、CoZrNb、CoZr
Ta、FeAlSi、FeNiAlSi、FeN、Fe
AlN、FeZrN、FeZrC、FeZrBN 、ま
たはFeTaNなどにより形成することが好ましい。磁
性を有しており、かつ、ビッカース硬度が高いからであ
る。表1には、内側層12Bおよび内側層15Bとして
特に好ましい材料の組成の例を表す。なお、表1には、
各組成につき、厚さを500nmとし、押し込み加重を
0.1gとしたときのビッカース硬度Hvを合わせて示
す。
【0027】
【表1】
【0028】第1シールド層12の内側層12Bの厚さ
S1は、第1ギャップ膜13の厚さG1との和(S1+
G1)が40nm以上になるように定められる。これに
より、MR膜20と外側層12Aとの間に少なくとも4
0nmの間隔が形成され、外側層12Aが変形したとし
てもMR膜20まで達しにくくなる。同様に、第2シー
ルド層15の内側層15Bの厚さS2は、第2ギャップ
膜14の厚さG2との和(S2+G2)が40nm以上
になるように定められる。これにより、MR膜20と外
側層15Aとの間に少なくとも40nmの間隔が形成さ
れ、外側層15Aが変形したとしてもMR膜20まで達
しにくくなる。ここで、これらの厚さS1,G1,S
2,G2は、エアベアリング面2E(図5)におけるも
のとする。なお、内側層12Bの厚さS1と第1ギャッ
プ膜13の厚さG1との和(S1+G1)の上限、およ
び、内側層15Bの厚さS2と第2ギャップ膜14の厚
さG2との和(S2+G2)の上限は、磁気媒体の線記
録密度に応じて適宜定められる。
【0029】第1ギャップ膜13および第2ギャップ膜
14は、例えば、厚さがそれぞれ10nm〜100nm
であり、Al23またはAlN(チッ化アルミニウム)
によりそれぞれ構成されている。この第1ギャップ膜1
3および第2ギャップ膜14は、後述するMR膜20と
第1シールド層12および第2シールド層15とを電気
的に絶縁するためのものである。絶縁層16は、第1ギ
ャップ膜13および第2ギャップ膜14と同様、例えば
厚さが10nm〜100nmであり、Al23またはA
lNにより構成されている。この絶縁層16は、再生ヘ
ッド部1Aと記録ヘッド部1Bとを電気的に絶縁するた
めのものである。ここで、第1ギャップ膜13は、本発
明における「第1のギャップ膜」または「第1の絶縁
膜」の一具体例に対応する。また、第2ギャップ膜14
は、本発明における「第2のギャップ膜」または「第2
の絶縁膜」の一具体例に対応する。
【0030】第1ギャップ膜13と第2ギャップ膜14
との間には、スピンバルブ膜であるMR膜20を含むM
R素子1Cが埋設されている。この再生ヘッド部1A
は、磁気媒体3の信号磁界に応じてMR膜20の電気抵
抗が変化することを利用して、磁気媒体3に記録された
情報を読み出すようになっている。ここで、MR膜20
は、本発明における「機能膜」の一具体例に対応する。
【0031】図7は、MR膜20の断面構造を表す断面
図である。このMR膜20は、第1ギャップ膜13の上
に、下地層21,第1軟磁性層22A,第2軟磁性層2
2B,非磁性層23,強磁性層24,反強磁性層25お
よび保護層26がこの順に積層された構造を有してい
る。下地層21は、例えば、厚さが5nm〜10nmで
あり、Ta(タンタル)により構成されている。
【0032】第1軟磁性層22Aは、例えば、厚さが1
nm〜3nmであり、Ni(ニッケル),Co(コバル
ト)およびFeからなる群のうちの少なくともNiを含
む磁性材料により構成されている。第2軟磁性層22B
は、例えば、厚さが0.5nm〜3nmであり、Ni,
CoおよびFeからなる群のうちの少なくともCoを含
む磁性材料により構成されている。この第1軟磁性層2
2Aおよび第2軟磁性層22Bは、フリー層とも呼ばれ
る軟磁性層22を構成し、この軟磁性層22では、磁気
媒体3からの信号磁界に応じて磁化の向きが変化するよ
うになっている。
【0033】非磁性層23は、例えば、厚さが1.8n
m〜3.0nmであり、Au(金),Ag(銀),Cu
(銅),Ru(ルテニウム),Rh(ロジウム),Re
(レニウム),Pt(白金)およびW(タングステン)
からなる群のうち少なくとも1種を含む非磁性材料によ
り構成されている。この非磁性層23は、軟磁性層22
を、強磁性層24および反強磁性層25から磁気的にで
きるだけ隔離するためのものである。
【0034】強磁性層24は、例えば、厚さが2nm〜
4.5nmであり、CoおよびFeからなる群のうちの
少なくともCoを含む磁性材料により構成されている。
この強磁性層24では、磁性材料の(111)面が積層
方向に配向していることが好ましい。なお、この強磁性
層24はピンド層とも呼ばれ、反強磁性層25との界面
における交換結合により、磁化の向きが固定されてい
る。ちなみに、本実施の形態では、強磁性層24の磁化
はY方向(図5)に固定されている。
【0035】反強磁性層25は、例えば、厚さが5nm
〜30nmであり、Pt,Ru,Rh,Pd(パラジウ
ム),Ni,Au,Ag,Cu,Ir(イリジウム),
Cr(クロム)およびFeからなる群のうちの少なくと
も1種と、Mnとを含む反強磁性材料により構成されて
いる。また、この反強磁性層25は、Ni,Feおよび
Coからなる群のうち少なくとも1種と、O(酸素)と
を含む反強磁性材料により構成することもできる。
【0036】なお、反強磁性材料には、熱処理しなくて
も強磁性材料との間に交換結合磁界を誘起する非熱処理
系反強磁性材料と、熱処理によって強磁性材料との間に
交換結合磁界を誘起する熱処理系反強磁性材料とがあ
る。この反強磁性層25は、そのどちらにより構成され
ていてもよい。非熱処理系反強磁性材料にはγ相を有す
るMn合金などがあり、具体的には、RuRhMn(ル
テニウムロジウムマンガン合金),FeMn(鉄マンガ
ン合金)あるいはIrMn(イリジウムマンガン合金)
などがある。熱処理系反強磁性材料には規則結晶構造を
有するMn合金などがあり、具体的には、PtMn(白
金マンガン合金),NiMn(ニッケルマンガン合金)
およびPtRhMn(白金ロジウムマンガン合金)など
がある。
【0037】保護層26は、例えば、厚さは5〜10n
mであり、Taなどにより構成されている。この保護層
26は、薄膜磁気ヘッド1の製造過程においてMR膜2
0を保護するためのものである。
【0038】MR膜20の積層方向に対して垂直な方向
における両側には、磁区制御膜30A,30Bがそれぞ
れ設けられている。磁区制御膜30A,30Bは、例え
ば硬磁性材料により形成されており、MR膜20に対す
るバイアス磁界HbをX方向に発生するようになってい
る。磁区制御膜30A,30Bは、このバイアス磁界H
bにより、MR膜20の軟磁性層22の磁化の向きを揃
えることにより、いわゆるバルクハウゼンノイズの発生
を抑えるようになっている。なお、磁区制御膜30A,
30Bを構成する硬磁性材料としては、例えばCoPt
(コバルト白金)、CoPtCr(コバルト白金クロ
ム)、NdFeB(ネオジウム鉄ホウ素)またはSmC
o(アンチモンコバルト)などを使用することができ
る。
【0039】これら磁区制御膜30A,30Bの上に
は、例えばTaよりなるリード層33A,33Bがそれ
ぞれ設けられている。このリード層33A,33Bは、
第2ギャップ膜14および絶縁層16に形成された図示
しない開口部を介して、端子部33C,33Dに接続さ
れている。これにより、リード層33A,33Bを介し
てMR膜20に電流を流すことができるようになってい
る。
【0040】記録ヘッド部1Bは、例えば、図3および
図5に示したように、再生ヘッド部1Aの絶縁層16の
上に、NiFeなどの磁性材料よりなる厚さ0.5μm
〜3μmの下部磁極41を有している。下部磁極41の
上には、Al23などよりなる厚さ0.05μm〜0.
3μmの記録ギャップ膜42が形成されている。この記
録ギャップ膜42は、後述する薄膜コイル44,46の
中心部に対応する位置に開口部42Aを有している。こ
の記録ギャップ膜42の上には、スロートハイトを決定
する厚さ1.0μm〜5.0μmのAl23などよりな
る絶縁層43が形成されており、その絶縁層43の上に
は、厚さ1μm〜3μmの薄膜コイル44およびこれを
覆うフォトレジスト層45がそれぞれ形成されている。
このフォトレジスト層45の上には、厚さ1μm〜3μ
mの薄膜コイル46およびこれを覆うフォトレジスト層
47がそれぞれ形成されている。なお、本実施の形態で
は薄膜コイルが2層積層された例を示したが、薄膜コイ
ルの積層数は1層または3層以上であってもよい。
【0041】記録ギャップ膜42,絶縁層43およびフ
ォトレジスト層45,47の上には、例えば、NiFe
またはFeN(窒化鉄)などの高飽和磁束密度を有する
磁性材料よりなる厚さ約3μmの上部磁極48が形成さ
れている。この上部磁極48は、薄膜コイル44,46
の中心部に対応して設けられた記録ギャップ膜42の開
口部42Aを介して下部磁極41と接触しており、磁気
的に連結している。この上部磁極48の上には、図3な
いし図5では図示しないが、例えば、Al23よりなる
厚さ20μm〜30μmのオーバーコート層(図15に
おけるオーバーコート層49)が全体を覆うように形成
されている。なお、本実施の形態では、下部磁極41か
らオーバーコート層までの層構造が記録ヘッド部1Bに
対応している。この記録ヘッド部1Bは、薄膜コイル4
4,46に流れる電流によって下部磁極41と上部磁極
48との間に磁束を生じ、記録ギャップ膜42の近傍に
生ずる磁束によって磁気媒体3を磁化し、情報を記録す
るようになっている。
【0042】<MR素子および薄膜磁気ヘッドの動作>
次に、このように構成された薄膜磁気ヘッド1による再
生動作について、図6および図7を中心に参照して説明
する。
【0043】この薄膜磁気ヘッド1では、再生ヘッド部
1Aにより、磁気媒体3に記録された情報を読み出す。
再生ヘッド部1Aでは、MR膜20の強磁性層24と反
強磁性層25との界面での交換結合により、例えば、強
磁性層24の磁化の向きがY方向に固定されている。ま
た、磁区制御膜30A,30Bの発生するバイアス磁界
により、軟磁性層22の磁化はバイアス磁界Hbと同じ
方向(ここではX方向)に揃えられる。なお、バイアス
磁界Hbと強磁性層24の磁化の向きとは互いにほぼ直
交している。情報を読み出す際には、MR膜20に、リ
ード層33A,33Bを通じて定常電流である検出電流
(センス電流)が、例えばバイアス磁界Hbの方向に流
される。
【0044】磁気媒体3のトラックラインには、多数の
データ要素(1ビットのデータに対応する領域)がZ方
向に一定の間隔で配列されている。薄膜磁気ヘッド1の
第1シールド層12と第2シールド層15との間隔は、
磁気媒体3のトラックラインにおける2つのデータ要素
の間隔に対応しており、薄膜磁気ヘッド1のMR膜20
があるデータ要素に対向しているときには、他のデータ
要素からの磁束は第1シールド層12および第2シール
ド層15に流れ、MR膜20には殆ど流れない。また、
記録ヘッド1Bの薄膜コイル44,46において発生す
る磁束も、第2シールド層15に流れ、MR膜20には
殆ど流れない。これにより、MR膜20に不要な磁界が
及ぶことが防止される。
【0045】薄膜磁気ヘッド1のMR膜20では、磁気
媒体3の信号磁界に応じて、軟磁性層22における磁化
の向きが変化する。一方、強磁性層24の磁化の向き
は、反強磁性層25との交換結合により固定されている
ため、変化しない。軟磁性層22における磁化の向きが
変化すると、MR膜20を流れる電流は、軟磁性層22
の磁化の向きと強磁性層24の磁化の向きとの相対角度
に応じた抵抗を受ける。これは、非磁性層と磁性層との
界面における電子の散乱の度合いが磁性層の磁化方向に
依存するという「スピン依存散乱」と呼ばれる現象によ
るものである。このMR膜20の抵抗の変化量は電圧の
変化量として検出され、磁気媒体3に記録された情報が
読み出される。
【0046】ここでは、第1シールド層12および第2
シールド層15が、それぞれ熱伝導率の高い材料よりな
る外側層12Aおよび外側層15Aを有しているため、
MR膜20が発生した熱は、外側層12Aおよび外側層
15Aを経由して、効率よく拡散される。すなわち、M
R膜20の過昇温に伴う性能劣化が防止される。
【0047】<薄膜磁気ヘッドの製造方法>続いて、図
8ないし図15を参照して、MR素子1Cおよび薄膜磁
気ヘッド1の製造方法について説明する。なお、図8な
いし図15は、図4におけるV−V線に沿った断面構造
を表している。
【0048】本実施の形態に係る製造方法では、まず、
図8に示したように、例えば、Al 23・TiCよりな
る基体2Dの一面上に、スパッタリング法により、絶縁
層11を構成の欄で述べた材料を用いて成膜する。次
に、この絶縁層11の上に、例えば、めっき法により、
第1シールド層12の外側層12Aを、構成の欄で述べ
た材料を用いて形成する。続いて、この外側層12Aの
上に、例えばスパッタリング法により、内側層12B
を、構成の欄で述べた材料により形成する。そののち、
この外側層12Aおよび内側層12Bを、イオンミリン
グ法により、図3に示したような形状にパターニングす
る。
【0049】続いて、図9に示したように、この第1シ
ールド層12の上に、例えば、スパッタリング法によ
り、下地層21,第1軟磁性層22A,第2軟磁性層2
2B,非磁性層23,強磁性層24,反強磁性層25お
よび保護層26を、それぞれ構成の欄で説明した材料を
用いて順次成膜し、MR膜20を形成する。そののち、
図10に示したように、MR膜20の上に、パターニン
グ用のフォトレジスト膜51を選択的に形成する。フォ
トレジスト膜51を形成したのち、例えば、イオンミリ
ング法により、フォトレジスト膜51をマスクとしてエ
ッチングを行うことにより、図7に示した形状のMR膜
20が形成される。
【0050】MR膜20をパターニングしたのち、例え
ば、スパッタリング法により、MR膜20の両側に、構
成の欄で述べた硬磁性材料を用いて、図7に示した磁区
制御膜30A,30Bを成膜する。そののち、スパッタ
リング法により、磁区制御膜30A,30Bの上に、構
成の欄で述べた材料を用いて、図7に示したリード層3
3A,33Bをそれぞれ形成する。そののち、例えば、
リフトオフ処理によって、フォトレジスト膜51とその
上に積層されている堆積物を除去する。
【0051】リフトオフ処理を行ったのち、図11に示
したように、例えば、スパッタリング法により、第1ギ
ャップ膜13およびMR膜20を覆うように、第2ギャ
ップ膜14を構成の欄で説明した材料を用いて形成す
る。これにより、MR膜20は第1ギャップ膜13と第
2ギャップ膜14との間に埋設される。そののち、第2
ギャップ膜14の上に、図12に示したように、例えば
スパッタリング法により、第2シールド層15の内側層
15Bを構成の欄で説明した材料を用いて成膜する。そ
ののち、この内側層15Bの上に、例えばスパッタリン
グ法により、外側層15Aの一部を成膜する。ここで
は、外側層15Aの厚さ2μmのうち、例えば30nm
だけをスパッタリング法により成膜する。次いで、図1
3に示したように、外側層15Aのスパッタリング法に
より成膜された一部を電極として使用し、めっき法によ
り、外側層15Aの残りの部分(厚さ約2μm)を形成
する。第2シールド層15の外側層15Aを形成したの
ち、イオンミリング法を用いて、第2シールド層15を
図3に示した形状にパターニングする。
【0052】第2シールド層15をパターニングしたの
ち、例えばスパッタリング法により、絶縁層16を構成
の欄で説明した材料を用いて成膜する。絶縁層16を形
成したのち、図14に示したように、絶縁層16の上
に、例えばスパッタリング法により、下部磁極41を構
成の欄で説明した材料を用いて成膜する。次いで、下部
磁極41の上に、例えばスパッタリング法により、記録
ギャップ膜42を形成し、その上に、絶縁層43を所定
のパターンに形成する。絶縁層43を形成したのち、こ
の絶縁層43の上に、薄膜コイル44を構成の欄で説明
した材料を用いて形成し、この薄膜コイル44を覆うよ
うにフォトレジスト層45を所定のパターンに形成す
る。フォトレジスト層45を形成したのち、このフォト
レジスト層45の上に、薄膜コイル46を構成の欄で説
明した材料を用いて形成し、この薄膜コイル46を覆う
ようにフォトレジスト層47を所定のパターンに形成す
る。
【0053】フォトレジスト層47を形成したのち、図
15に示したように、例えば、薄膜コイル44,46の
中心部に対応する位置において、記録ギャップ膜42を
部分的にエッチングし、磁路形成のための開口部42A
を形成する。そののち、例えば、記録ギャップ膜42、
開口部42A,絶縁層43およびフォトレジスト層4
5,47の上に上部磁極48を構成の欄で説明した材料
を用いて形成する。上部磁極48を形成したのち、例え
ば、この上部磁極48をマスクとして、イオンミリング
により、記録ギャップ膜42および下部磁極41を選択
的にエッチングする。そののち、上部磁極48の上に、
オーバーコート層49を構成の欄で説明した材料を用い
て形成する。
【0054】オーバーコート層49を形成したのち、例
えば、MR膜20の強磁性層24および反強磁性層25
の間に交換結合を生じさせるための熱処理を行う。具体
的には、磁界発生装置などを利用して例えばY方向に磁
界を印加した状態で、反強磁性層25と強磁性層24と
のブロッキング温度での加熱を行う。これにより、強磁
性層24の磁化の方向は、反強磁性層25との交換結合
によって印加磁界の方向Yに固定される。
【0055】最後に、例えば、スライダ2のエアベアリ
ング面2Eを研磨加工し、薄膜磁気ヘッド1が完成す
る。このスライダ2の研磨加工において、第1シールド
層12および第2シールド層15が、そのMR膜20側
に、硬度の高い内側層12Bおよび15Bを有している
ため、第1シールド層12および第2シールド層15が
変形してMR膜20に接触することが防止される。
【0056】<実施の形態による効果>以上説明したよ
うに、本実施の形態によれば、第1シールド層12およ
び第2シールド層15のMR膜20側に、より硬度の高
い内側層12Bおよび内側層15Bが形成されているた
め、エアベアリング面2Eの研磨工程において、第1シ
ールド層12および第2シールド層15が変形してMR
膜20に接触することが防止される。これにより、線高
記録密度を向上するために第1シールド層12と第2シ
ールド層15との間隔を狭めた場合でも、第1シールド
層12および第2シールド層15とMR膜20との接触
を抑制し、薄膜磁気ヘッド1の出力低下を抑制すること
ができる。
【0057】特に、第1シールド層12の内側層12B
の厚さS1と第1ギャップ膜の厚さG1との和が40n
m以上となるようにし、第2シールド層15の内側層1
5Bの厚さS2と第2ギャップ膜の厚さG2との和が4
0nm以上となるようにしたので、外側層12Aおよび
外側層15Aが変形した場合でも、これらがMR膜20
に接触しにくくなる。
【0058】さらに、内側層12Bおよび内側層15B
のビッカース硬度Hvを500以上としたので、より確
実に、第1シールド層12および第2シールド層15の
変形を防止でき、従って、これらがMR膜20と接触す
ることをより確実に防止できる。
【0059】また、外側層12Aおよび外側層15Aが
設けられるようにしたので、全体を硬度の高い材料で形
成した場合に比べ、イオンミリングなどを用いたパター
ニングが容易になる。これにより、薄膜磁気ヘッドの製
造を短時間で行うことができる。
【0060】加えて、外側層12Aおよび外側層15A
を熱伝導率の高い材料により構成するようにしたので、
MR膜20で発生した熱を効率よく拡散させることがで
き、これによりMR膜20の熱による性能劣化を防止す
ることができる。
【0061】加えて、内側層12Bおよび内側層15B
の厚さが300nm以下になるようにしたので、第1の
シールド層12および第2のシールド層15のイオンミ
リングなどに要する時間が比較的短くて済む。
【0062】また、外側層12Aおよび外側層15Aを
NiFeにより構成したので、高い透磁率が得られ、不
要な磁束が外側層12Aおよび外側層15Aに流れ、M
R膜20には流れないようにすることができる。すなわ
ち、不要な磁界がMR膜20に及ばないようにする効果
を高めることができる。
【0063】<変形例>図16は、本実施の形態の変形
例に係る薄膜磁気ヘッド101の断面構造を表すもので
ある。本変形例に係る薄膜磁気ヘッド101では、第1
シールド層120は、外側層120Aと内側層120B
とにより構成されているが、この内側層120Bは、エ
アベアリング面2Eの近傍の領域にのみ局所的に形成さ
れている。同様に、第2シールド層150は、外側層1
50Aと内側層150Bとにより構成されているが、こ
の内側層150Bは、エアベアリング面2Eの近傍の領
域にのみ局所的に形成されている。
【0064】本変形例では、内側層120Bおよび内側
層150Bが局所的にしか形成されていないが、少なく
ともエアベアリング面2Eでは、MR膜20が、第1ギ
ャップ膜13および第2ギャップ膜14を介して、内側
層120Bおよび内側層150Bにより挟まれている。
そのため、エアベアリング面2Eの研磨工程では、上述
した実施の形態と同様、第1シールド層120および第
2シールド層150の変形が抑制され、第1シールド層
120および第2シールド層150とMR膜20との接
触が防止される。
【0065】なお、内側層120Bおよび内側層150
Bを、例えば図6におけるX方向において局所的に形成
してもよい。この場合には、少なくともMR膜20とを
積層方向に挟み込む位置に内側層120Bおよび内側層
150Bを形成すれば、上述した実施の形態および変形
例と同様、第1シールド層120および第2シールド層
150とMR膜20との接触が防止される。
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について詳細
に説明する。
【0066】[実施例1]実施例1として、図5に示し
た薄膜磁気ヘッド1を、第1シールド層12の内側層1
2Bおよび第2シールド層15の内側層15Bの厚さを
共に変化させて10種類作成した。まず、Al23・T
iC製の基体2Dの上に、スパッタリング法により、A
23を用いて厚さ2μmの絶縁層11を成膜し、その
上に、めっき法により、Ni80Fe20を用いて厚さ2μ
mの第1シールド層12の外側層12Aを形成した。そ
ののち、第1シールド層12の外側層12Aの上に、ス
パッタリング法により、Fe84Zr88を用いて内側層
12Bを形成した。この内側層12Bの厚さは、5nm
から50nmまで5nmおきに変化させた。次いで、第
1シールド層12の内側層12Bの上に、例えばスパッ
タリング法により、Al23を用いて厚さ10nmの第
1ギャップ膜13を形成した。
【0067】続いて、第1ギャップ膜13の上に、スパ
ッタリング法により、Taを用いて厚さ5nmの下地層
21を成膜し、その上に、NiFeを用いて厚さ3nm
の第1軟磁性層22Aを成膜し、その上に、CoFeを
用いて厚さ1nmの第2軟磁性層22Bを成膜した。続
いて、第2軟磁性層22Bの上に、スパッタリング法に
より、Cuを用いて厚さ2.5nmの非磁性層23を成
膜し、その上に、CoFeを用いて厚さ2nmの強磁性
層24を成膜し、その上に、PtMnを用いて厚さ20
nmの反強磁性層25を成膜し、その上に、Taを用い
て厚さ5nmの保護層26を成膜した。成膜ののち、熱
処理により、反強磁性層25の反強磁性処理を行った。
【0068】次いで、下地層21から保護層26までの
積層膜を、イオンミリングによりパターニングして、図
6に示した形状のMR膜20を形成し、そのMR膜20
の両側に、例えばスパッタリング法により、CoPtを
用いて厚さ50nmの磁区制御膜30A,30Bを成膜
し、その上に、例えばスパッタリング法により、厚さ1
00nmのリード層33A,33Bを所定の形状に形成
した。
【0069】リード層33A,33Bを形成したのち、
MR膜20,磁区制御膜30A,30Bおよびリード層
33A,33Bを覆うように、スパッタリング法によ
り、Al23を用いて厚さ10nmの第2ギャップ膜1
4を形成した。次いで、この第2ギャップ膜14の上
に、スパッタリング法により、Fe84Zr88を用いて
第2シールド層15の内側層15Bを成膜した。この内
側層15Bの厚さは、5nmから50nmまで5nmお
きに変化させた。続いて、この内側層12Bの上に、ス
パッタリング法により、Ni80Fe20を用いて、外側層
12Aのうち厚さ30nmの部分を形成した。次いで、
この外側層12Aにおける厚さ30nmの部分を電極膜
として利用して、めっき法により、Ni80Fe20を用い
て厚さ2μmの外側層15Aを形成した。
【0070】第2シールド層15の上には、図5に示し
た絶縁層16,下部磁極41,記録ギャップ膜42,絶
縁層43,薄膜コイル44,フォトレジスト層45,薄
膜コイル46,フォトレジスト層47,上部磁極48お
よびオーバーコート層49を積層した。絶縁層16から
オーバーコート層49までの部分(記録ヘッド部1B)
は、本実施例における測定事項に影響を与えないため、
詳細説明は省略する。なお、薄膜磁気ヘッド1は、各種
類につき、不良発生率を調べるに十分な個数だけそれぞ
れ作成した。
【0071】[実施例2]実施例2として、実施例1と
同様に、図5に示した薄膜磁気ヘッド1を各実施例につ
き10種類ずつそれぞれ作製した。但し、第1ギャップ
膜13および第2ギャップ膜14の厚さは、いずれも2
0nmとした。実施例1と同様、第1シールド層12の
内側層12Bおよび第2シールド層15の内側層15B
は、5nm〜50nmの範囲で5nmおきに変化させ
た。実施例1と同様、薄膜磁気ヘッド1は、各種類につ
き、不良発生率を調べるに十分な個数だけそれぞれ作成
した。
【0072】このように作製した20種類の薄膜磁気ヘ
ッド1のそれぞれについて、MR膜20の抵抗を測定
し、所定の基準抵抗値に対して10%以上小さい抵抗値
を示した薄膜磁気ヘッドの個数をカウントし、その割合
を不良発生率とした。なお、この基準抵抗値は、第1シ
ールド層12および第2シールド層15を有さない薄膜
磁気ヘッド(すなわち、MR膜20が絶縁層11および
絶縁層16に直接挟まれた構造の薄膜磁気ヘッド)を形
成し、この薄膜磁気ヘッドにおけるMR膜の抵抗値を測
定することにより設定した。
【0073】[比較例1,2]また、本実施例に対する
比較例として、第1シールド層12の内側層12Bおよ
び第2シールド層15の内側層15Bをいずれも設けな
いようにしたことを除き、実施例1および実施例2とそ
れぞれ同一の条件で薄膜磁気ヘッドをそれぞれ作製し
た。この比較例1,2における不良発生率についても、
図17に合わせて示す。
【0074】図17から分かるように、第1ギャップ膜
13および第2ギャップ膜14の厚さをいずれも10n
mとした実施例1と比較例1とを比較すると、内側層1
2Bおよび内側層15Bを設けた実施例1によれば、内
側層12Bおよび内側層15Bを設けない比較例1と比
較して、不良率を低減できることが分かった。特に、内
側層12Bおよび内側層15Bの厚さを30nm以上と
すると、不良率をほぼ0にできることが分かった。
【0075】また、第1ギャップ膜13および第2ギャ
ップ膜14の厚さを20nmとした実施例2と比較例2
とを比較すると、内側層12Bおよび内側層15Bを設
けた実施例2によれば、内側層12Bおよび内側層15
Bを設けない比較例2と比較して、不良率を低減できる
ことが分かった。特に、内側層12Bおよび内側層15
Bの厚さを20nm以上とすると、不良率をほぼ0にで
きることが分かった。
【0076】さらに、実施例1では、内側層12Bおよ
び内側層15Bの厚さを30nm以上にすると不良率を
ほぼ0にでき、実施例2では、内側層12Bおよび内側
層15Bの厚さを20nm以上にすると不良率をほぼ0
にできることから、第1ギャップ膜13の厚さG1と内
側層12Bの厚さS1との和(S1+G1)が40nm
以上であれば、また、第2ギャップ膜14の厚さG2と
内側層15Bの厚さS2との和(S2+G2)が40n
m以上であれば、不良率をほぼ0にできることが分かっ
た。
【0077】以上、実施の形態および実施例を挙げて本
発明を説明したが、本発明はこの実施の形態および実施
例に限定されるものではなく、種々の変形が可能であ
る。例えば、上述した実施の形態においては、第1のシ
ールド層12および第2のシールド層15が、いずれも
内側層および外側層を有するようにしたが、第1のシー
ルド層12および第2のシールド層15のいずれか一方
だけが、内側層および外側層を有するようにしてもよ
い。
【0078】また、上記の実施の形態では、MR膜20
の反強磁性層25を熱処理系反強磁性材料により構成し
たが、非熱処理系反強磁性材料により構成してもよい。
この場合には、熱処理を行わなくとも、反強磁性層25
と強磁性層24との界面で交換結合を誘起させることが
できる。
【0079】また、上記の実施の形態では、磁区制御膜
30A,30Bを硬磁性材料により形成したが、反強磁
性膜と強磁性膜とを積層した構造としてもよい。反強磁
性膜を熱処理系反強磁性材料により構成する場合には、
反強磁性膜と強磁性膜との間に交換結合を生じさせるた
めの熱処理が必要である。反強磁性膜を非熱処理系反強
磁性材料により構成する場合には、熱処理は不要であ
る。
【0080】さらに、薄膜磁気ヘッド1のMR膜は、ス
ピンバルブ膜には限定されず、他の種類のGMR膜、A
MR膜、またはTMR(Tunnel-type Magneto-Resistiv
e )膜などであっても良い。また、薄膜磁気ヘッド1
は、再生専用ヘッドであっても良く、磁気センサやメモ
リであってもよい。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請
求項7のいずれか1に記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求
項8ないし請求項10のいずれか1に記載の薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法によれば、第1のシールド層および第2
のシールド層の少なくとも一方が内側層と外側層を有
し、より硬度の高い内側層が磁性層側に位置するように
したので、研磨加工などの際に、第1のシールド層およ
び第2のシールド層の少なくとも一方が変形しにくくな
る。これにより、線密度記録を向上させるために第1シ
ールド層と第2シールド層との間隔を狭くした場合で
も、これらと機能膜との接触が生じにくくなり、従っ
て、薄膜磁気ヘッドの出力低下を抑制できる。さらに、
内側層よりも硬度の低い外側層を設けるようにしたの
で、シールド層全体を高硬度材料で構成した場合に比
べ、パターニングなどを短時間で行うことが可能にな
り、生産性の低下を抑えることができる。さらに、外側
層として熱伝導率の高い材料を選択することにより、第
1のシールド層および第2のシールド層の少なくとも一
方の熱伝導率を向上させることも可能になり、これによ
り、機能膜で発生した熱を効率よく拡散させ、機能膜の
過昇温に伴う性能劣化を抑制できる。すなわち、線記録
密度の向上に対応しつつ、生産性および他の特性を損な
うことなく、薄膜磁気ヘッドの出力低下を抑制できると
いう効果を奏する。
【0082】特に、請求項2記載の薄膜磁気ヘッドによ
れば、第1ギャップ膜の厚さと第1シールド層の内側層
の厚さとの和が40nm以上となるようにしたので、ま
た、請求項3記載の薄膜磁気ヘッドによれば、第2ギャ
ップ膜の厚さと第2シールド層の内側層の厚さとの和が
40nm以上となるようにしたので、より確実に第1の
シールド層および第2のシールド層と機能膜との接触を
防止することができる。
【0083】また、請求項4記載の薄膜磁気ヘッドによ
れば、内側層のビッカース硬度が500以上となるよう
にしたので、第1シールド層または第2シールド層がよ
り変形しにくくなり、第1のシールド層および第2のシ
ールド層と機能膜との接触を、さらに確実に防止するこ
とができる。
【0084】加えて、請求項5記載の薄膜磁気ヘッドに
よれば、内側層の厚さが300nm以下になるようにし
たので、パターニングなどに要する時間を、薄膜磁気ヘ
ッドの生産性を低下させない程度にすることができる。
【0085】さらに、請求項6記載の薄膜磁気ヘッドに
よれば、外側層をNiおよびFeを含む材料により構成
するようにしたので、高い透磁率を得ることができ、不
要な磁界が機能膜に及ばないようにする効果を高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドを
搭載した回動アームの外形形状を表す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドが
形成されたスライダの外形形状を表す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの
構造を分解して表す分解斜視図である。
【図4】図3に示した薄膜磁気ヘッドの平面形状を表す
平面図である。
【図5】図3に示した薄膜磁気ヘッドのエアベアリング
面に直交する面における断面構造を表す断面図である。
【図6】図3に示した薄膜磁気ヘッドのエアベアリング
面と平行な面における断面構造を表す断面図である。
【図7】図3に示した薄膜磁気ヘッドのMR素子の構造
を拡大して示す断面図である。
【図8】図3に示した薄膜磁気ヘッドの製造方法におけ
る一工程を説明するための断面図である。
【図9】図8に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図10】図9に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図11】図10に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図12】図11に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図13】図12に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図14】図13に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図15】図14に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図16】本実施の形態の変形例に係る薄膜磁気ヘッド
の断面構造を表す断面図である。
【図17】本発明の実施例における不良率の測定結果を
表す図である。
【符号の説明】
1…薄膜磁気ヘッド、1A…再生ヘッド部、1B…記録
ヘッド部1B、2…スライダ、2D…基体、2E…エア
ベアリング面、11…絶縁層、12…第1シールド層、
12A…外側層、12B…内側層、13…第1ギャップ
膜、14…第2ギャップ膜、15…第2シールド層、1
5B…内側層、15A…外側層、16…絶縁層、20…
MR膜、21…下地層、22…軟磁性層、22A…第1
軟磁性層、22B…第2軟磁性層、23…非磁性層、2
4…強磁性層、25…反強磁性層26…保護層、30
A,30B…磁区制御膜、33A,33B…リード層、
41…下部磁極、42…記録ギャップ、44,46…薄
膜コイル、48…上部磁極。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気変換機能を有する機能膜と、 前記機能膜を挟み込むと共に、それぞれ絶縁性を有する
    第1のギャップ膜および第2のギャップ膜と、 不要な磁界が前記機能膜に及ぶのを防止するため、前記
    機能膜を、前記第1のギャップ膜および第2のギャップ
    膜をそれぞれ介して挟み込む第1のシールド層および第
    2のシールド層とを備えると共に、 前記第1のシールド層および前記第2のシールド層の少
    なくとも一方は、前記機能膜側から順に、内側層と外側
    層とを有し、前記内側層は、前記外側層よりも高い硬度
    を有することを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記第1のシールド層は、前記内側層と
    前記外側層とを有しており、 前記第1のシールド層の前記内側層の厚さと前記第1ギ
    ャップ膜の厚さとの和は、40nm以上であることこと
    を特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記第2のシールド層は、前記内側層と
    前記外側層とを有しており、 前記第2のシールド層の前記内側層の厚さと前記第2ギ
    ャップ膜の厚さとの和は、40nm以上であることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 前記内側層のビッカース硬度は、500
    以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項3の
    いずれか1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記内側層の厚さは、300nm以下で
    あることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれ
    か1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記外側層は、ニッケル(Ni)および
    鉄(Fe)を含む材料よりなることを特徴とする請求項
    1ないし請求項5のいずれか1に記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  7. 【請求項7】 磁気変換機能を有する機能膜と、 前記機能膜を挟み込む第1の絶縁膜および第2の絶縁膜
    と、 前記機能膜を、前記第1の絶縁膜および第2の絶縁膜を
    それぞれ介して挟み込む第1の磁性層および第2の磁性
    層とを備えると共に、 前記第1の磁性層および前記第2の磁性層の少なくとも
    一方は、前記機能膜側から順に、内側層と外側層とを有
    し、前記内側層は、前記外側層よりも高い硬度を有する
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 磁気変換機能を有する機能膜と、不要な
    磁界が前記機能膜に及ぶのを防止するための第1のシー
    ルド層および第2のシールド層とを備えた薄膜磁気ヘッ
    ドの製造方法であって、 基体の上に、絶縁層を介して、前記第1のシールド層を
    形成するステップと、 この第1のシールド層の上に、絶縁性を有する第1のギ
    ャップ膜を形成するステップと、 この第1のギャップ膜の上に、前記機能膜を形成するス
    テップと、 この機能膜の上に、絶縁性を有する第2のギャップ膜を
    形成するステップと、 この第2のギャップ膜の上に、前記第2のシールド層を
    形成するステップとを含むと共に、 前記第1のシールド層を形成するステップおよび前記第
    2のシールド層を形成するステップの少なくとも一方に
    おいて、前記第1のシールド層および前記第2のシール
    ド層の少なくとも一方を、前記機能膜側から順に、内側
    層と外側層とにより形成し、前記内側層が前記外側層よ
    りも高い硬度を有するようにしたことを特徴とする薄膜
    磁気ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1のシールド層が前記内側層と前
    記外側層とを有している場合、 前記第1のシールド層を形成するステップは、 めっき法により、前記外側層を形成するステップと、 スパッタリング法により、前記外側層の上に前記内側層
    を形成するステップとを含むことを特徴とする請求項8
    記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第2のシールド層が前記内側層と
    前記外側層とを有している場合、 前記第2のシールド層を形成するステップは、 スパッタリング法により、前記内側層を形成するステッ
    プと、 スパッタリング法により、前記内側層の上に、前記外側
    層の一部を形成するステップと、 この外側層の一部を電極として用い、めっき法により、
    前記外側層の残りの部分を形成するステップとを含むこ
    とを特徴とする請求項8または請求項9に記載の薄膜磁
    気ヘッドの製造方法。
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